JP5341448B2 - 品質管理方法、半導体装置の製造方法及び品質管理システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態に係る品質管理システムを例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る品質管理システム1は、製造ライン11において製造される製品の品質管理を行うシステムである。製造ライン11は半導体装置、例えば、NAND型フラッシュメモリを製造する製造ラインである。
本実施形態に係る品質管理システム1の基本的な動作として、SPC(Statistical Process Control:統計的工程管理)の実施がある。この場合、品質管理システム1のデータ収集手段2が製造ライン11の各工程から測定値Xiの値を収集し、演算手段4に対して出力する。そして、演算手段4が記憶手段3から上記数式1を読み出し、測定値Xiを上記数式1に代入し、電気的特性値Yの予測値を算出する。そして、この予測値が管理範囲から外れたときに、不良が発生したと判断して、警報を発信する。
第1に、本実施形態によれば、測定値Xiのばらつきが特性値Yのばらつきに及ぼす影響を測定値Xiの次元で算出することができる。
図2は、横軸に上記数式1の各項(ai×Xi)及び特性値Yの度数をとり、縦軸にこれらの値をとって、上記数式1の各項の分布を例示する図である。
図3は、横軸に上記数式1の各項(ai×Xi)及び特性値Yをとり、縦軸にそれらの値をとって、上記数式1の各項の値が特性値Yに及ぼす影響を例示する図である。
アクティブ管理とは、ある製品(半導体装置)について、一の工程で処理条件が好適範囲から外れたときに、他の工程でそれを補償するように積極的に処理条件を制御することをいう。
図4は、横軸に上記数式1の各項(ai×Xi)及び特性値Yをとり、縦軸にそれらの値をとって、アクティブ管理の方法を例示する図である。
上述の如く、本実施形態においては、重回帰モデルの構築と工程寄与度の算出に測定値の単位系をそのまま適用することにより、各工程が管理すべき値を測定値の次元で明確化することができる。また、一度重回帰式を構築した後は、更新する必要がない。これにより、本実施形態によれば、製造現場へのフィードバックが容易で、関係式を更新する必要がない品質管理方法及び品質管理システムを実現することができる。また、この品質管理用法を適用することにより、半導体装置を生産性よく製造することができる。
図5は、本発明の他の実施形態に係る品質管理システムを例示するブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係る品質管理システム1aは、製造ライン11において製造される製品の品質管理を行うシステムである。
また、測定適正化手段5は、中間製品の出来映えと装置状態変数の測定値との関係に関する統計モデルと、装置状態変数の測定値の変動状況と、に基づいて、中間製品の出来映え検査(例えば、図5におけるQC1、QC2など)における測定の量的条件(例えば、測定数や測定頻度など)を変更することで測定の適正化を図る。なお、これらについての詳細は後述する。
一方、中間製品の出来映えに関するデータを常時全数取ったとしても、最終検査工程Tにおける不良率が改善されるとは限らない。例えば、中間製品の出来映えが安定している場合において全数のデータを取るようにしても不良率が改善される可能性は低い。そのため、このような場合には、最終検査の結果に影響の少ない無駄な測定を行うことになる。その結果、スループットの低下を招き、生産性が低下することにもなる。
そして、中間製品の出来映えと装置状態変数の測定値との関係に関する統計モデルと装置状態変数の測定値の変動状況とに基づいて、中間製品の出来映え検査における測定の量的条件(例えば、測定数や測定頻度など)を機動的に変更することで、必要な測定を効率的に行うとともに無駄な測定を削減する測定の適正化を行うようにしている。
図7は、測定適正化モデルの構築を説明するための模式図である。
まず、図6に示すように、最終検査における不良と製品特性との関係、最終検査における製品特性と中間製品の出来映え(加工、処理後の結果)との関係、中間製品の出来映えと装置状態変数(例えば、温度、ガス流量、電圧など)の測定値との関係を、それぞれ段階的に統計モデル化する(ステップS1)。
例えば、図7に示すように、最終検査における不良と製品特性との関係として「不良=f(Y1、Y2、・・・)」のような統計モデルを構築し、最終検査における製品特性と中間製品の出来映え(加工、処理後の結果)との関係として「Y1=f(X1、X2、・・・)、Y2=・・・、・・・」のような統計モデルを構築し、中間製品の出来映えと装置状態変数(例えば、温度、ガス流量、電圧など)の測定値との関係として「X1=f(s1、s2、・・・)、X2=・・・、・・・」のような統計モデルを構築する。
なお、Y1、Y2、・・・、は製品特性(例えば、半導体装置の電気的特性値)である。また、X1、X2、・・・、は中間製品の出来映えである。また、s1、s2、・・・、は装置状態変数の測定値である。
これらの統計モデルは、段階的に構築されることになるので連結が可能であり、製造ライン全体の品質管理システムに用いることができることになる。
この場合、前述した統計モデルを用いるものとすれば、中間製品の出来映えや装置状態変数が不良の発生にどの程度影響するのかを知ることができるので、これに基づいて選定を行うことができる。
なお、この選定は必ずしも必要ではないが、選定を行うようにすれば必要性の低い検査に対する監視を省略することができる。
すなわち、各ロット間、各半導体ウェーハ間、半導体ウェーハの面内などのように、どのような場合に変動が生じやすく、また、その状況において不良を発生させるおそれがある装置状態変数の値や範囲を導出する。
例えば、最初に処理をする半導体ウェーハの出来映えが特に変動しやすい場合には、その場合において不良を発生させるおそれがある装置状態変数の値や範囲などを求める。また、特定の処理工程、半導体ウェーハ面内の特定の場所、特定のロット間などにおいて出来映えが特に変動しやすい場合には、それらの場合において不良を発生するおそれがある装置状態変数の値や範囲などを求める。
この場合、各中間製品の出来映えの変動状況に応じて装置状態変数の閾値を決定する。
このようにすれば、後述するように、出来映えの変動が特に生じやすい場合などにおいて、装置状態変数の変動を監視し、閾値に近づいた場合には測定数を増やすなどの対策が機動的に行えるようになる。
この際、出来映えが特に変動しやすい場合に閾値に基づいた監視を行うようにすることができる。また、すべての場合において閾値に基づいた監視を行うようにすることもできる。
例えば、閾値に近づいた場合には、検査における測定数や測定頻度を増やし、装置状態変数が良好な値の範囲にある場合には検査における測定数や測定頻度を減らすようにすることができる。また、閾値を超えた場合には処理装置の改善や修理などの判断を行うこともできる。また、一度測定数などを増やした後、装置状態変数が良好な値や範囲に戻った場合には測定数などを減らすようにすることもできる。このように、装置状態変数の変動状況に応じて不良発生の危険度を察知し、機動的な対応を取ることができる。
このようにすれば、最終検査の結果に影響の少ない無駄な測定を削減することができる。そのため、スループットの低下を抑制することができ、生産性を向上させることができる。また、不良が発生するおそれが少ない場合に検査の量的内容を低減させることになるので、不良の発生が増加するおそれも少ない。
また、予め構築されたモデルを記憶手段3に格納し、これを測定適正化手段5に提供するようにしてもよい。
また、図8において説明をした中間製品の出来映え検査における測定の量的条件を変更する場合には、条件に関するデータが検査工程に設けられた検査装置に送られる。
また、各処理工程に設けられた処理装置などからは装置状態変数の測定値に関するデータが測定適正化手段5に送られ、図8において説明をした変動状態の監視と測定の量的条件の変更が行われる。
Claims (10)
- 一の前記製品に関する前記測定値を前記関係式に代入することにより、前記一の製品の前記特性値に及ぼす前記工程の影響の大きさを評価することを特徴とする請求項1記載の品質管理方法。
- 前記一の製品に関する前記重回帰式の各項の値と前記各項の値の分散平均との差に基づいて、前記影響の大きさを評価することを特徴とする請求項2記載の品質管理方法。
- 一の前記製品について、一の前記工程における前記測定値がその管理範囲から外れたときに、前記関係式に基づいて、前記一の製品の前記特性値がその許容範囲に含まれるように前記一の製品についての他の前記工程の条件を調整することを特徴とする請求項1記載の品質管理方法。
- 中間製品の出来映えと前記測定値との関係に関する統計モデルを構築し、
前記統計モデルと前記測定値の変動状況とに基づいて、前記中間製品の出来映え検査における測定の量的条件を変更すること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の品質管理方法。 - 前記製品が半導体装置であり、請求項1〜5のいずれか1つに記載の品質管理方法によって品質管理を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記演算手段は、一の前記製品に関する前記測定値を前記関係式に代入することにより、前記一の製品の前記特性値に及ぼす前記工程の影響の大きさを評価することを特徴とする請求項7記載の品質管理システム。
- 前記演算手段は、前記一の製品に関する前記重回帰式の各項の値と前記各項の値の分散平均との差に基づいて、前記影響の大きさを評価することを特徴とする請求項8記載の品質管理システム。
- 中間製品の出来映えと前記測定値との関係に関する統計モデルと、前記測定値の変動状況と、に基づいて、前記中間製品の出来映え検査における測定の量的条件を変更する測定適正化手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の品質管理システム。
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