実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9b)に対して1つの背景図柄演出部9cが設けられ、背景図柄演出部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
可変表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、可変入賞球装置15が遊技球を受け入れやすくなった状態で形成される第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が遊技球を受け入れやすくなった状態は、可変入賞球装置15が開放状態になったときである。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1始動入賞口13を有する入賞装置が、可変表示装置9の下方に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14の下部にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれの下部にも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示部8aまたは第2特別図柄表示部8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の下方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、1つの普通図柄表示器10と1つの可変入賞球装置15が設けられているが、2つの可変入賞球装置を設けた場合に、2つの普通図柄表示器を設けてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、この実施の形態では、第1保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数を1増やす。ただし、その増加分は、あくまで無効始動入賞に対応したものである。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態(通常遊技状態ともいう。)および時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される遊技状態である時間短縮状態、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の一例)よりも高い確変状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合すなわち確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態および時短状態における確率よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に特別遊技状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態より高められる。さらに、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
なお、確変状態において、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、そのことからも、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。また、確変状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、第2始動入賞口14への始動入賞がさらに起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示回数が増加して第2特別図柄が大当り図柄になる可能性が通常状態よりも高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。さらに、確変状態において、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高くしたり、可変入賞球装置15の開放回数を多くしたり開放時間を長くするようにしてもよい。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態と第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態とで格差をつけるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を確変状態にし、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を時短状態(大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)にするようにして、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの方が第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときよりも遊技者にとって有利な状態になるように構成してもよい。そのように構成することによって、遊技者に与えられる興趣をさらに向上させることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。ただし、この実施の形態では、例外的に、早く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示が終了することもある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:大当りの種別、すなわち、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する通常大当り、時短大当り、確変大当りおよび確変時短大当り、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行しない通常大当り、時短大当り、確変大当りおよび確変時短大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(5)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:確変状態を終了(パンク)させるか否かを決定する(抽選判定用)。ランダム9は0〜49の範囲の値をとる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態において、例えば、ランダム9があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、確変状態を終了させる。従って、確変状態は、1/50の確率で終了(確変パンク)する。なお、ランダム9と比較される値が1つ設定されている判定値テーブルと2つ以上設定されている判定値テーブルを用意し、確変状態を終了させるか否かを決定する際に何れの判定値テーブルを用いるか決定し、決定した判定値テーブルに設定されている値とランダム9が一致した場合に確変状態を終了させるようにしてもよい。具体的には、例えばランダム9と比較される値が1つ設定されている判定値テーブルと2つ設定されている判定値テーブルを用意して選択して用いるようにすればよい。この場合、使用される判定値テーブルによって、確変状態は、1/50または1/25の確率で終了(確変パンク)することになる。また、確変図柄によって使用する判定値テーブルを決定し、確変図柄によって確変パンクの確率を異ならせるようにしてもよい。そして、確変パンクの確率の違いによって、可変表示装置9に表示される背景図柄や背景色、あるいは可変表示装置9に表示されるキャラクタを異ならせるようにして、確変パンクの確率の状態を遊技者に報知するようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、(3)のはずれ図柄決定用乱数、(4)の大当り種別決定用乱数および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図7は、大当り判定用乱数と大当り判定値との関係の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。なお、CPU56は、通常状態では、大当り判定用乱数値と図7における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図7における右欄に記載されている数値とを比較する。図7における左欄に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図7における右欄に記載されている数値は確変時大当り判定値としてROM54に設定されている。
図8は、図柄保留記憶表示部18cの表示の仕方を説明するための説明図である。図8(A)に示すように、図柄保留記憶表示部18cには、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計として8つの合計数まで表示可能である。そして、第1始動条件が成立したときに、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増やされる。また、第2始動条件が成立したときに、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増やされる(図8(B)参照)。
しかし、図8(C)に例示するように、この実施の形態では、第1保留記憶数が上限値に達していても、合計数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。ただし、上述したように、その増加分は、あくまで無効始動入賞に対応したものである。
図9および図10は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図9および図10に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図9および図10に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#1〜#8,#11〜#14の12種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14の12種類とが用いられる。なお、第1変動パターン#1〜#8,#11〜#14のそれぞれは、第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14のそれぞれと同じであるが、演出制御コマンドとして別になっているので、図9および図10において別個に示されている。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜8,11〜14)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図9に示すように、通常状態および確変状態において変動パターン#1〜#4が用いられ、時短状態において変動パターン#5〜#8が用いられる。すなわち、通常時と確変時とで、変動時間は同じである。なお、通常状態のときである通常時に比べて、確変状態では、はずれ変動(停止図柄が大当り図柄にならず、かつ、リーチにもならない変動)時の変動時間を短くしてもよい。
また、変動パターン#1〜#4のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて通常/確変時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。また、変動パターン#5〜#8のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて時短時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。つまり、CPU56は、通常時、確変時または時短時において、抽出されたランダム5の値に応じて、通常/確変時変動パターンテーブルまたは時短時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。なお、大当りにすることに決定した場合には、CPU56は、変動パターン#1,#5,#11および#15を選択しないようにする。
なお、この実施の形態では、後述するように、保留記憶処理において算出される合算保留記憶数の値に応じて、短縮変動の変動パターンが用いられる。例えば、合算保留記憶数の値が所定値(例えば、4)以上であれば、短縮変動(本例では、5秒)である第1変動パターン#5または第2変動パターン5が用いられる。
また、この実施の形態では、後述するように、第1特別図柄停止図柄設定処理で、既に第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示部9b)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示部9a)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。または、第2特別図柄停止図柄設定処理で、既に第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示部9a)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示部9b)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。以下、無条件で第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの表示結果をはずれ図柄にすると決定することを「強制はずれ」ということがある。
図10に示すように、この実施の形態では、強制はずれ状態において変動パターン#11〜#14が用いられる。また変動パターン#11〜#14のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて強制はずれ時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。つまり、CPU56は、強制はずれ決定時において、抽出されたランダム5の値に応じて、強制はずれ時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。
以上のように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに用いる専用の変動パターンテーブルである強制はずれ時変動パターンテーブルを備える。そして、遊技制御手段は、強制はずれ時変動パターンテーブルにもとづいて決定した変動パターンに従って、第1特別図柄および第1飾り図柄(または第2特別図柄および第2飾り図柄)の可変表示を実行する。そのため、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに、複数種類の変動パターンから選択して可変表示を実行することができる。また、専用の変動パターンテーブルを用いることによって、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の変動時間として通常より長い変動時間を選択する割合を容易に高めることができる。
図11は、背景図柄の変動パターン(変動時間)の種類を示す説明図である。この実施の形態では、通常状態および確変状態において、19種類(No.1、No.2、No.4、No.6、No.9、No.10、No.2*〜No.8*およびNo.11*〜No.17*)の変動パターンが用いられる。ただし、図11および下記記述には、No.3*、No.5*、No.7*、No.8*、No.11*〜No.17*の変動パターンの変動時間および変動態様(仮停止の有無)を示す等の理由で、実際には使用されないNo.3、No.5、No.7、No.8、No.11〜No.17も記載されている。No.1〜No.8の変動時間は、No.10〜No.17の変動時間と同じである。ただし、No.10〜No.17の変動パターンでは、変動パターン中に仮停止の状態がある。仮停止の回数は、1回に限られず、変動パターン中に複数回の仮停止がなされることがある。なお、仮停止とは、背景図柄が一旦停止表示された後に再度可変表示が実行されるような場合の停止のことをいう。また、仮停止しているときに、例えば、上下方向に繰り返し微小に変動(揺れ変動)してもよい。また、No.2*〜No.8*の変動時間は、No.2〜No.8の変動時間と同じであるが、No.2*〜No.8*の背景図柄変動パターンは、一例として最初の5秒間において高速変動(例えば、左中右の背景図柄がそれぞれ高速変動)し、5秒経過後に例えば左右の背景図柄が揃って停止し、その後、背景図柄表示部9cにおいてリーチ演出が行われるような変動パターンである。No.11*〜No.17*の変動時間は、No.11〜No.17の変動時間と同じであるが、やはり仮停止の状態を含むNo.11*〜No.17*の背景図柄変動パターンは、一例として最初の5秒間において高速変動(例えば、左中右の背景図柄がそれぞれ高速変動)し、5秒経過後に例えば左右の背景図柄が揃って停止し、その後、背景図柄表示部9cにおいてリーチ演出が行われるような変動パターンである。なお、No.2〜No.8の背景図柄変動パターンの背景図柄変動パターンを用いる場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常変動が終了したときに、例えば左右の背景図柄が揃って停止させる。また、No.2〜No.8の背景図柄変動パターンの背景図柄変動パターンは、リーチ演出が行われるような変動パターンである。
なお、背景図柄変動パターンNo.1およびNo.10は、背景図柄が通常変動(リーチ態様を伴わない変動)する変動パターンである。また、背景図柄変動パターンNo.9は、背景図柄が高速変動(通常変動と比べて、表示される背景図柄が短時間で変わるような変動)する変動パターンである。この実施の形態では、後述するように、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値(例えば、4)以上であれば、短縮変動である背景図柄変動パターンNo.9の態様が用いられる。また、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値以上でなければ、通常変動である背景図柄変動パターンNo.1またはNo.10の態様が用いられる。
また、「リーチ変動」になっている変動パターンは、変動時間が経過する前に、リーチ態様を表示するような変動パターンである。具体的には、背景図柄変動パターン名に「*」が付されていない背景図柄変動パターンは、背景図柄の変動が開始されるときに選択される背景図柄変動パターン(ステップS922,S923の処理で選択される背景図柄変動パターンNo.1およびNo.10)、後述する背景図柄の変動の切替が行われないときに切替タイミングにおいて選択される背景図柄変動パターン(ステップS969,S959の処理で選択される背景図柄変動パターンNo.2、No.4、No.6)、および背景図柄の変動の切替は行われるが切替後の変動時間(変動開始から変動終了までの全体の変動時間)が10秒であるときに選択される背景図柄変動パターン(ステップS641,S642の処理で選択される背景図柄変動パターンNo.1およびNo.10)である。背景図柄変動パターン名に「*」が付されている背景図柄変動パターンは、背景図柄の変動の切替が行われるときに切替後の背景図柄変動パターンとして選択される背景図柄変動パターン(ステップS983の処理で選択される背景図柄変動パターンNo.2*〜No.7*、ステップS982の処理で選択される背景図柄変動パターンNo.11*〜No.16*、およびステップS642の処理で選択されるNo.4*、No.6*、No.8*と、ステップS641の処理で選択されるNo.13*、No.15*、No.17*)として使用される。
図11に示す可変表示時間(変動時間)の種類は、図9および図10に示す変動時間の種類とは異なっている。このように異なっているのは、原則として背景図柄の可変表示は特別図柄の可変表示と同期(可変表示時間が同じことを意味する。)するのであるが、第1特別図柄の可変表示期間と第2特別図柄の可変表示期間とが一部重複した場合には、背景図柄の変動時間は、第1特別図柄の変動時間にも一致しないし、第2特別図柄の変動時間にも一致しないからである。例えば、第1特別図柄の変動時間が10秒であり、第2特別図柄の変動時間が20秒であり、第1特別図柄の可変表示期間と第2特別図柄の可変表示期間とが5秒間重複した場合には、背景図柄の可変表示と特別図柄の可変表示とを同期させると、背景図柄の変動時間は25秒になる。
なお、第1特別図柄の可変表示期間と第2特別図柄の可変表示期間とが重複しない場合には、特別図柄の変動パターンに対応する背景図柄の変動パターンは、図11に示された背景図柄変動パターンのうちの2つの組み合わせ(一方は、No.1またはNo.10)で実現される。例えば、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が20秒である場合には、背景図柄の変動パターンとしてNo.1およびNo.2が用いられる。
図12〜図17は、特別図柄および飾り図柄の可変表示と背景図柄の可変表示(変動)との関係の一例を模式的に示す説明図である。図12は、第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示期間と第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示期間とが重複しない場合の例を示す。その場合には、背景図柄は、第1特別図柄および第1飾り図柄、または第2特別図柄および第2飾り図柄に同期して変動する。
図13は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動が開始された後、その変動が終了しないうちに第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始された場合の例を示す。そして、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間が、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間よりも長い場合を示す。その場合には、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時に、背景図柄の変動が開始され、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動開始時に、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した変動に切り替わり、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動終了時に、背景図柄の変動も終了する。ただし、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動開始時に直ちに背景図柄の変動の態様が切り替わるのではなく、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時から一定時間が経過したときに切り替わるように制御される。そのような制御が実行されることによって、背景図柄の変動開始後に直ぐに変動の態様が変化してしまって遊技者に違和感を与えることが防止される。また、この実施の形態では、例外はあるが、第1特別図柄と第1飾り図柄の可変表示が実行されているとき、または第2特別図柄と第2飾り図柄の可変表示が実行されているときに、第1特別図柄と第1飾り図柄または第2特別図柄と第2飾り図柄の可変表示に対応した背景図柄の可変表示が実行され、所定の可変表示時間が経過したときに、第1特別図柄と第1飾り図柄、または第2特別図柄と第2飾り図柄の可変表示の表示結果に対応する演出結果が背景図柄表示部9cに導出表示される。従って、特別図柄および飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動とは、例えば、特別図柄および飾り図柄の変動が通常変動(この実施の形態では、変動時間が10秒の変動)である場合のリーチ演出(例えば、変動途中で左右図柄が揃った状態で停止)を含まず、停止図柄がはずれ図柄となる態様の変動であり、特別図柄および飾り図柄の変動が、停止図柄が大当り図柄となる変動である場合のリーチ演出を含み、停止図柄が大当り図柄となる態様の変動である。また、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時から一定時間が経過した時点を、以下、切替ポイントという。
図14は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動が開始された後、その変動が終了しないうちに、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始され、かつ、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が終了する場合の例を示す。その場合には、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時に、背景図柄の変動が開始され、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動開始時に、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した変動に切り替わらず、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動終了時に、背景図柄の変動も終了する。
図15は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動(停止図柄ははずれ図柄)が開始された後、その変動が終了しないうちに、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動(停止図柄は大当り図柄)が開始され、かつ、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動終了時から所定時間以内の手前の時点で第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が終了する場合の例を示す。その場合には、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時に、背景図柄の変動が開始され、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動開始時に、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した変動に切り替わらず、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動終了時に、背景図柄の変動も終了するが、背景図柄表示部9cには、大当り図柄が停止表示される。
図16は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動(停止図柄ははずれ図柄)が開始された後、その変動が終了しないうちに、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動(停止図柄は大当り図柄)が開始され、かつ、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動終了時から所定時間を越える手前の時点で第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が終了する場合の例を示す。その場合には、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時に、背景図柄の変動が開始され、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動開始時に、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した変動に切り替わらないが、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動終了時に、背景図柄の変動も終了し、背景図柄表示部9cには、大当り図柄が停止表示される。
図17は、第1特別図柄および第1飾り図柄や第2特別図柄および第2飾り図柄を短縮変動する場合の例を示す。第1の開始条件が成立する場合に、合算保留記憶数の値が所定値(例えば、4)以上であれば、図17に示すように、第1特別図柄および第1飾り図柄は、短縮変動(変動時間5秒)を行う。また、第2の開始条件が成立する場合に、合算保留記憶数の値が所定値(例えば、4)以上であれば、第2特別図柄および第2飾り図柄は、短縮変動(変動時間5秒)を行う。その場合には、背景図柄は、第1特別図柄および第1飾り図柄、または第2特別図柄および第2飾り図柄に同期して短縮変動(変動時間5秒)する。
以下、切替ポイントおよび合算保留記憶数について図18〜図22の説明図を参照して説明する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時から10秒後を切替ポイントとする。ただし、10秒は単なる一例である。また、図18〜図22では、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動が、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動よりも早く開始された場合を例にするが、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が第1特別図柄および第1飾り図柄の変動よりも早く開始された場合には、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動の変動開始時から10秒後が切替ポイントである。
図18は、切替ポイントになる前に第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始された場合を示す説明図である。そして、切替ポイントにおいて、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の残り時間の方が、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間よりも長い。そして、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の残り時間が25秒である場合が例示されている。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて、背景図柄の変動の態様を、背景図柄変動パターンNo.1の態様から背景図柄変動パターンNo.5*の変動の態様(図11参照)に切り替えるように制御する。この例では、背景図柄変動パターンNo.1の変動は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動に相当し、背景図柄変動パターンNo.5*の変動は、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動に相当する。
なお、この実施の形態では、背景図柄の変動が開始されるときには、後述する合算保留記憶表示カウンタの値に応じて、背景図柄変動パターンNo.1、No.9またはNo.10の態様が用いられる。例えば、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値(例えば、4)以上であれば、短縮変動である背景図柄変動パターンNo.9の態様が用いられる。また、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値以上でなければ、通常変動である背景図柄変動パターンNo.1またはNo.10の態様が用いられる。なお、図18〜図22では、背景図柄変動パターンNo.1またはNo.10の態様が用いられる場合を示している。
また、第1保留記憶数は第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時に1減算され、第2保留記憶数は第2特別図柄および第2飾り図柄の変動開始時に1減算される。合算保留記憶数は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始時に1減算されるとともに、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動に切り替わったときすなわち切替ポイントにおいて1減算される。
図19は、切替ポイントになる前に第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始された場合の他の例を示す説明図である。そして、切替ポイントにおいて、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間の方が、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の残り時間よりも長い。そして、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間が20秒である場合が例示されている。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて、背景図柄の変動の態様を、背景図柄変動パターンNo.1の態様から背景図柄変動パターンNo.4の変動の態様(図11参照)に切り替えるように制御する。この例では、背景図柄変動パターンNo.1の変動および背景図柄変動パターンNo.4の変動は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動に相当する。なお、第1特別図柄は遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御されるが、第1飾り図柄は演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動パターン#3を示す演出制御コマンドを受信すると図19に示すような第1飾り図柄の変動が行われるように制御し、第1飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動を、背景図柄変動パターンNo.1の変動および背景図柄変動パターンNo.4で実現する。
なお、図19に例示したような場合、すなわち切替ポイントにおいて第1特別図柄および第1飾り図柄の変動に対応した態様から第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応した態様に切り替えない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて合算保留記憶数を減算しない。
図20は、切替ポイントになった後に第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始された場合を示す説明図である。そして、その時点において、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の方が、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間よりも長い。そして、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間が30秒である場合が例示されている。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、その時点において、背景図柄の変動の態様を、背景図柄変動パターンNo.4の態様から背景図柄変動パターンNo.6*の変動の態様(図11参照)に切り替えるように制御する。また、合算保留記憶数を1減算する。なお、切替ポイントでは第2特別図柄および第2飾り図柄の変動は開始されていなかったので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間である20秒に対応する背景図柄変動パターンNo.4を選択している。
図21は、切替ポイントになった後に第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始された場合を示す説明図である。そして、その時点において、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の方が、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の残り時間よりも長い。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄の変動の態様を切り替えない。なお、切替ポイントでは第2特別図柄および第2飾り図柄の変動は開始されていなかったので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間である30秒に対応する背景図柄変動パターンNo.6を選択している。
上述したように、合算保留記憶数は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数であるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶数または第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ合算保留記憶数を1増やす。ただし、その増加分は無効始動入賞に対応したものである。また、合算保留記憶数は、特別図柄および飾り図柄の変動に対応した背景図柄の変動が開始されるときに−1されるのであるが、後述するように、特別図柄および飾り図柄の変動開始時期よりもそれに対応した背景図柄の変動開始時期が遅くなる場合がある。従って、図柄保留記憶表示部18cに表示されている合算保留記憶数(合計数)が、真の合計数よりも多くなっている場合がある。よって、何らかの方法で、合算保留記憶数におけるダミー保留記憶を減少させる必要がある。以下、第1保留記憶数と第2保留記憶数との真の合計と、合算保留記憶数との差(合算保留記憶数における第1保留記憶数と第2保留記憶数との真の合計よりも多い分)を、ダミー増加数という。また、合算保留記憶においてダミー増加数に相当する分がダミー保留記憶である。
この実施の形態では、ダミー保留記憶を減少させる方法の一つとして、背景図柄変動パターンとして仮停止(例えば、0.5秒や1秒間停止)の態様を含む背景図柄変動パターン(図11参照)を用いる。そして、図22の説明図に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄を仮停止させたときに、合算保留記憶数を1減算する。
よって、背景図柄が仮停止したときに合算保留記憶数を1減算するので、遊技者に、あたかも、仮停止後の背景図柄の再変動に伴って合算保留記憶数が1減算されたように感じさせることができる。つまり、実際には1つの保留記憶にもとづく1回の背景図柄の変動が実行されているのであるが、1つの仮停止と次の仮停止との間に相当する複数回の変動が行われ、それぞれについて合算保留記憶数が1減算されたように感じさせることができ、遊技者にできるだけ違和感を与えないようにすることができる。
なお、図12〜図22の説明図では、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動のみが、または第1特別図柄および第1飾り図柄の変動が第2特別図柄および第2飾り図柄の変動よりも先に開始される場合を示したが、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動のみが、または第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が第1特別図柄および第1飾り図柄の変動よりも先に開始される場合も、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図12〜図22に例示した場合と同様の制御を行う。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図12〜図22の説明図において「第1」を「第2」と読み替え、かつ「第2」を「第1」と読み替えた場合の制御も実行する。
図23は、特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図23に示す例では、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄という。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選によって第1特別図柄を決定するとともに、乱数等を用いて確変状態(確変時短状態を含む)や時短状態に移行させるか否かの抽選を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが発生した場合に、大当り遊技が開始された後(例えば、大当り遊技中や大当り遊技の終了時)に、遊技機に設けられている電気部品によって確変大当りの報知を行う。そのように構成した場合には、遊技者は停止図柄から遊技状態の変化を把握することができなくなり報知によって初めて遊技状態の変更を把握することができるので遊技の興趣が向上する。また、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bにおいて可変表示および停止表示される第1飾り図柄および第2飾り図柄は、数字、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。
図24は、保留記憶処理を示すフローチャートである。CPU56は、保留記憶処理において、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したか否か(第1始動口スイッチ13aで検出されたか否か)確認し(ステップS2751A)、第1始動入賞口13に遊技球が入賞していたら、第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達しているか否かを確認する(ステップS2751B)。第1保留記憶数カウンタの値が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS2752)。そして、差数カウンタの値が0であれば(ステップS2753)、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタすなわち合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS2756)。
差数カウンタの値が0でない場合には、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、合算保留記憶数カウンタの値が上限値である8に達していなければ(ステップS2754)、ステップS2756に移行する。合算保留記憶数カウンタの値が8に達していれば、差数カウンタの値を−1し(ステップS2755)、処理を終了する。
また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したか否か(第2始動口スイッチ14aで検出されたか否か)確認し(ステップS2757A)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞していたら、第2保留記憶数を記憶する第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達しているか否かを確認する(ステップS2757B)。第2保留記憶数カウンタの値が上限値に達していなければ、第2保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS2758)。そして、差数カウンタの値が0であれば(ステップS2759)、ステップS2756に移行する。
差数カウンタの値が0でない場合には、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、合算保留記憶数カウンタの値が上限値である8に達していなければ(ステップS2760)、ステップS2756に移行する。合算保留記憶数カウンタの値が8に達していれば、差数カウンタの値を−1し(ステップS2761)、処理を終了する。
第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達している場合、または第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達している場合には、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が上限値である8に達しているか否かを確認する(ステップS2763)。合算保留記憶数カウンタの値が8に達していなければ、合算保留記憶数カウンタの値を+1し(ステップS2764)、差数カウンタの値を+1し(ステップS2765)、処理を終了する。
合算保留記憶数カウンタは、CPU56が認識している合算保留記憶数を示すカウンタである。差数カウンタは、ダミー増加数を示すカウンタである。第1保留記憶数カウンタの値は、CPU56が認識している第1保留記憶数を示す。第2保留記憶数カウンタの値は、CPU56が認識している第2保留記憶数を示す。
CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4に達している状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、または第2保留記憶数が上限値である4に達している状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときに(すなわち、無効始動入賞が生じたときに)、ステップS2763〜S2765の処理によって、合算保留記憶数カウンタの値が上限値である8に達していない限り、合算保留記憶数を1増やすことになる。すなわち、ダミー増加数を1増やす。
また、CPU56は、ステップS2753〜S2755の処理によって、ダミー増加数が1以上であり、かつ、合算保留記憶数カウンタの値が上限値に達しているときに第1始動入賞が生じた場合には、ダミー増加数を1減らしてダミー保留記憶を消化する。すなわち、ダミー保留記憶を減らす。また、ステップS2759〜S2761の処理によって、ダミー増加数が1以上であり、かつ、合算保留記憶数カウンタの値が上限値に達しているときに第2始動入賞が生じた場合には、ダミー増加数を1減らしてダミー保留記憶を消化する。なお、ダミー増加数が1以上であり、かつ、合算保留記憶数カウンタの値が上限値である8に達している場合には、第1保留記憶数が上限値である4に達した状態で第1始動入賞口13に無効始動入賞が生じたためにダミー保留記憶が生じたか、第2保留記憶数が上限値である4に達した状態で第2始動入賞口14に無効始動入賞が生じたためにダミー保留記憶が生じたことを意味している。
図25は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
また、この実施の形態では、遊技状態として通常状態、確変状態、時短状態および確変時短状態がある。そして、所定の移行条件が成立することにより、3つの遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行するように制御される。遊技状態の移行に関する制御は、確変フラグおよび時短フラグのオン/オフ(セット/リセット)にもとづいて行われる。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、5〜9)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信した後(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS317の処理が実行される場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1再開指定コマンドを送信した後に、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS303の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグの値が、ステップS305〜S309に相当する値である場合に、第2大当り遊技が実行中であると判定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、遊技状態が確変状態であるか否か確認し、第1特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされていなければ、第1可変表示部9aの表示結果がはずれ図柄であることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。第1大当りフラグがセットされていれば、第1可変表示部9aの表示結果を特定表示結果(大当り図柄)のうち、どの大当り種別に対応する表示結果にするかを決定する。大当りの種別としては、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行しない通常大当り、時短大当り、確変大当りおよび確変時短大当りと、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する通常大当り、時短大当り、確変大当りおよび確変時短大当りとがある。大当り種別として、大当り遊技の終了後に第1可変表示部9aにおいて大当り図柄の再抽選演出を実行しない通常大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が通常図柄であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、再抽選演出を実行しない時短大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が時短図柄であることを指定する演出制御コマンド(時短大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、再抽選演出を実行しない確変大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が確変図柄であることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、再抽選演出を実行しない確変時短大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が確変時短図柄であることを指定する演出制御コマンド(確変時短大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。また、大当り種別として、大当り遊技の終了後に第1可変表示部9aにおいて大当り図柄の再抽選演出を実行する通常大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が通常図柄であることを指定するとともに再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、再抽選演出を実行する時短大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が時短図柄であることを指定するとともに再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き時短大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、再抽選演出を実行する確変大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が確変図柄であることを指定するとともに再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、再抽選演出を実行する確変時短大当りに決定したときは、第1可変表示部9aの表示結果が確変時短図柄であることを指定するとともに再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き確変時短大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。また、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
なお、「再抽選演出」とは、第1可変表示部9aに大当り図柄(通常図柄、時短図柄、確変図柄または確変時短図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、第1可変表示部9aにおいて左中右の飾り図柄を同一の図柄(通常図柄、時短図柄または確変図柄)が揃った状態で仮停止表示し、その揃った状態の図柄を再変動させてから大当り図柄(通常図柄、時短図柄、確変図柄または確変時短図柄)を導出表示する演出をいう。
具体的には、再抽選演出として次のようなパターンが考えられる。第1に、大当り図柄を昇格させない再抽選演出としては、通常図柄や時短図柄、確変図柄を揃った状態で停止表示させた後、そのような図柄を再変動させ、再び、通常図柄や時短図柄、確変図柄を導出表示させるパターンである。この場合、例えば、通常図柄(例えば「2」)を停止表示させたときは、導出表示する図柄は同じ通常図柄(「2」)であっても、異なる通常図柄(「4」)であってもよい。第2に、大当り図柄を昇格させる再抽選演出としては、通常図柄や時短図柄、確変図柄を揃った状態で停止表示させた後、そのような図柄を再変動させ、停止表示させた図柄よりも格が上の図柄を導出表示させるパターンである。例えば、通常図柄(「2」)を停止表示させたときは、通常図柄より格が上の時短図柄、確変図柄または確変時短図柄を導出表示させ、時短図柄(「9」)を停止表示させたときは、時短図柄より格が上の確変図柄または確変時短図柄を導出表示させ、確変図柄(例えば「5」)を停止表示させたときは、確変図柄より格が上の確変時短図柄(例えば「7」)を導出表示させる。なお、この実施の形態では、再抽選演出は、大当り遊技の開始前と終了後の2回実行される場合がある。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。第1特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち第1特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304(この例では4)またはステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、特別図柄の表示結果を大当り図柄とすることに決定している場合にステップS305に応じた値に更新し、特別図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定している場合にステップS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に、第1飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、第1飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、所定の大当り図柄表示期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する第1飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)を受信すると第1可変表示部9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するが、変動時間が経過すると独自に第1飾り図柄の可変表示を停止させるように制御してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄表示期間において、背景図柄として大当り図柄を表示する。
第1大当り表示処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、背景図柄表示部9cに、大当りの発生を報知するための表示を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理を実行することによって特定遊技状態移行制御手段を実現している。また、特定遊技状態移行制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1大当り表示処理を実行することによって実現されると定義してもよい。すなわち、特定遊技状態が開始される時点を、大当りの発生を報知するための演出が開始される時点であるとしてもよい。この場合、第2の可変表示部に表示結果として特定表示結果を導出表示する時点からの特定時間は、大当り図柄が表示されている期間に相当する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図26は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図26に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図27に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図27に示された極性と逆極性であってもよい。
図28および図29は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図28に示す例において、コマンド8000(H)〜8018(H),8021(H)〜8034(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8018(H),8021(H)〜8034(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、第1変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のコマンド(第1変動パターンコマンド)を、8001(H)〜8008(H),8021(H)〜8024(H)とし、第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のコマンド(第2変動パターンコマンド)を、8011(H)〜8018(H),8031(H)〜8034(H)とする。
コマンド9000(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の可変表示の表示結果を確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を時短大当りとすることを指定する演出制御コマンド(時短大当り指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変時短大当りとすることを指定する演出制御コマンド(確変時短大当り指定コマンド)である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。
以下、確変大当り指定コマンド、時短大当り指定コマンド、確変時短大当り指定コマンド、通常大当り指定コマンドおよびはずれ指定コマンドを、表示結果コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果コマンドは第1飾り図柄についての表示結果コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果コマンドは第2飾り図柄についての表示結果コマンドであると判定できるので、表示結果コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果コマンドと第2飾り図柄についての表示結果コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果コマンドを送信するのではなく、確変大当り/時短大当り/確変時短大当り/通常大当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンド9006(H)は、飾り図柄の可変表示の表示結果が通常大当りであることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き通常大当り指定コマンド)である。コマンド9007(H)は、飾り図柄の可変表示の表示結果が時短図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き時短大当り指定コマンド)である。コマンド9008(H)は、飾り図柄の可変表示の表示結果が確変図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き確変大当り指定コマンド)である。コマンド9009(H)は、飾り図柄の可変表示の表示結果が確変時短図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(再抽選付き確変時短大当り指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドA100(H)は、第1可変表示部9aにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)であり、コマンドA101(H)は、第1可変表示部9aにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドA200(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)であり、コマンドA201(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、各ラウンド中の大入賞口への入賞球数(カウントスイッチ23の入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。コマンドB3XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第1保留記憶数が4である状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したこと、または第2保留記憶数が4である状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(無効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)に移行したときに送信される演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が時短状態に移行したときに送信される演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態でもなく時短状態でもない状態)に移行したときに送信される演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図28および図29に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図28および図29に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図30は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS321)。第1保留記憶数が4になっている場合には、無効始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS325)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS322)。また、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS323)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS322では、ランダム1〜5,9(図6参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS324)。
図31は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(大入賞口を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変時短状態である場合には(ステップS55)、時短回数カウンタが0でなければ1減算する(ステップS56)。遊技状態が確変時短状態でない場合には、ステップS57に移行する。なお、遊技状態は、後述する状態データによって判定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態または確変時短状態である場合には(ステップS57)、ステップS64,S65の大当り判定を実行する前に、確変終了とするか否かの判定を抽選により行う(ステップS58〜S59)。遊技状態が確変状態でない場合には、ステップS64に移行する。なお、本例では、確変終了とするか否かの判定は、可変表示が所定回数(例えば5回)実行される毎に実行される。すなわち、例えば5回毎に抽選判定を行う場合には、確変状態に移行したあと、確変状態が終了するまで、5回目、10回目、15回目、・・・の可変表示を実行する際に抽選判定(ステップS58〜S59の処理)が実行される。
確変状態である場合には(ステップS57)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選判定用乱数(確変終了判定用乱数:ランダム9)を保存領域から読み出して(ステップS58)、読み出したランダム9の値が、確変状態の終了判定用の判定値である確変終了値と一致するか否か判定し(ステップS59)、一致する場合には、状態データを非確変状態に変更して確変状態(確変時短状態を含む。)を終了させる(ステップS60)。
そして、時短回数カウンタが0でない場合には(ステップS61)、遊技状態が時短状態に移行されることになるため、遊技状態が時短状態になったことを示す時短状態指定の演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)を演出制御基板80に送信する制御を行う(ステップS62)。具体的には、時短状態指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。時短状態指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされると、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)において時短状態指定コマンドが送信される。以下、「演出制御コマンドを送信する」とは、このような処理が行われることを示す。なお、コマンド送信テーブルとは、図28および図29に例示された各演出制御コマンドが設定されているROM54の領域である。また、ポインタは、その領域において、該当コマンドが格納されているアドレスを指定するために使用されるデータであり、RAM55に形成されている。
なお、時短状態指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことにもとづいて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)において、時短状態指定コマンドを送信する構成に限られるわけではなく、ステップS62の処理において、はずれ指定コマンドを送信する構成であってもよい。以下のコマンド送信処理においても同様である。
また、時短回数カウンタが0(なお、確変時短状態ではない単なる確変状態であったときにも時短回数カウンタの値は0である)であれば、状態データが時短状態を示していればその状態データを非時短状態に変更する(ステップS63)。
従って、ランダム9の値にもとづいて確変状態が終了したときに、ステップS65の大当り判定において低確率状態にもとづく抽選が実行される。
一方、ステップS58にて読み出したランダム9の値が、確変終了値と一致しない場合には(ステップS59)、ステップS63aに移行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS63a)。第2大当りフラグがセットされていれば、第1特別図柄表示器8aの表示結果を強制はずれとすることに決定した旨を示す第1強制はずれフラグをセットし(ステップS63b)、ステップS68に移行する。すなわち、既に第2特別図柄表示器8bの表示結果が大当り図柄にすると決定されているので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS65,S66の大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8aの表示結果をはずれ図柄にすると決定する。
なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。また、第2大当りフラグは、例えば、第2特別図柄の変動が終了したときにリセットされる(または、大当り遊技が終了した場合にリセットされる)。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2可変表示装置9bで第2飾り図柄の変動が実行されていることを意味する(ただし、大当り遊技が終了した場合にリセットされる場合には、変動が実行されていること、または大当り遊技が実行されていることを意味する)。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS64)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをセットする(ステップS67)。「第1大当りフラグ」は、後述するステップS1102などの判定において参照される。
そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS68)。
なお、ステップS65では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、状態データが示す制御状態が確変状態であるか否かを確認し、確変状態であれば確変時の大当り確率で判定を行い、非確変状態であれば非確変時の大当り確率で判定を行う。
なお、本例では、確変終了とするか否かの判定を抽選によって行うようにしていたが、確変終了とするか否かの判定を行わないようにしてもよい。すなわち、パンクによって確変状態が終了することのないようにしてもよい。この場合、上述した第1特別図柄通常処理において、ステップS57〜S63を実行しないようにすればよい。
図32および図33は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1102)。第1大当りフラグがセットされていない場合は(ステップS1102のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数(ランダム3)を読み出し、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値に応じて第1特別図柄表示器8aに表示する第1特別図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS1103)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1可変表示部9aの表示結果がはずれであることを指定するはずれ指定コマンド(9004(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1104)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS1132)。
第1大当りフラグがセットされている場合には(ステップS1102のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aに表示する第1特別図柄を大当り図柄(「7」)と決定するとともに、第1乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数(ランダム4)を読み出し、読み出した大当り種別決定用乱数の値に従って、大当りの種別を決定する(ステップS1105)。ここで、大当りの種別として、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行しない通常大当り、時短大当り、確変大当り、および確変時短大当りと、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する通常大当り、時短大当り、確変大当り、および確変時短大当りとがある。
例えば、乱数値が0〜2のときは再抽選演出を実行しない通常大当りと決定し、乱数値が3のときは再抽選演出を実行する通常大当りと決定し、乱数値が4のときは再抽選演出を実行しない時短大当りと決定し、乱数値が5のときは再抽選演出を実行する時短大当りと決定する。また、乱数値が6のときは再抽選演出を実行しない確変大当りと決定し、乱数値が7,8のときは再抽選演出を実行する確変大当りと決定する。また、乱数値が9のときは再抽選演出を実行しない確変時短大当りと決定し、乱数値が10,11のときは再抽選演出を実行する確変時短大当りと決定する。
通常大当りにすると決定した場合には(ステップS1106のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行するかどうかを確認し(ステップS1107)、実行しないときは、通常大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1108)。再抽選演出を実行するときは、再抽選付き通常大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1109)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを示す再抽選実行フラグをセットし(ステップS1110)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示す値に更新する(ステップS1132)。
時短大当りにすると決定した場合には(ステップS1111のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短大当りになったことを示す時短大当りフラグをセットするとともに(ステップS1112)、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行するかどうかを確認する(ステップS1113)。再抽選演出を実行しないときは、時短大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1114)。再抽選演出を実行するときは、再抽選付き時短大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1115)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを示す再抽選実行フラグをセットし(ステップS1116)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示す値に更新する(ステップS1132)。
確変大当りにすると決定した場合には(ステップS1117のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りになったことを示す確変大当りフラグをセットするとともに(ステップS1118)、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行するかどうかを確認する(ステップS1119)。再抽選演出を実行しないときは、確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1120)。再抽選演出を実行するときは、再抽選付き確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1121)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを示す再抽選実行フラグをセットし(ステップS1122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示す値に更新する(ステップS1132)。
ステップS117で確変大当りにしないと決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変時短大当りにすること決定する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りになったことを示す確変大当りフラグおよび時短大当りになったこと示す時短大当りフラグをそれぞれセットするとともに(ステップS1124,S1125)、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行するかどうかを確認する(ステップS1126)。再抽選演出を実行しないときは、確変時短大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1127)。再抽選演出を実行するときは、再抽選付き確変時短大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1128)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行することを示す再抽選実行フラグをセットし(ステップS1129)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示す値に更新する(ステップS1132)。
なお、この実施の形態では、上述したように、大当りの種類として、通常大当り、時短大当り、確変大当りおよび確変時短大当りが設けられている。しかし、確変大当りと確変時短大当りを区別しないようにしてもよい。すなわち、確変大当りになると常に確変状態でかつ時短状態になるようにすることにより、大当りの種類を通常大当り、時短大当りおよび確変大当りの3種類にしてもよい。また、大当りの種類を通常大当りおよび確変大当りの2種類や、通常大当りおよび時短大当りの2種類にしてもよい。
図34は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(本例では4)以上であるか否かを確認する(ステップS200A)。合算保留記憶数カウンタの値が4以上である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、5秒の変動時間(すなわち、短縮変動の変動時間)を有する第1変動パターン#5を決定し(ステップS200B)、ステップS203に移行する。
合算保留記憶数カウンタの値が4以上でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1強制はずれフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS201)、第1強制はずれフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態データおよび第1大当りフラグのセット状態にもとづいて、変動パターンテーブル(通常/確変時変動パターンテーブルまたは時短時変動パターンテーブル)を選択する(ステップS202a)。第1強制はずれフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれ時変動パターンテーブル(図10参照)を選択する(ステップS202b)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態データが時短状態となっているか否か確認し(ステップS203)、時短状態かつ非確変状態であれば、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS204)。時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS205)、状態データを時短状態から非時短状態に変更する(ステップS206)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態データが確変状態、時短状態、または確変時短状態を示している場合には(ステップS207)、今回の可変表示の表示結果が通常大当り(非確変かつ非時短大当り:確変状態や時短状態の終了条件を満たすこととなる大当り)であれば(ステップS208)、状態データを非確変・非時短状態に変更する(ステップS209)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態データが確変状態、時短状態、または確変時短状態を示している場合に(ステップS209)、今回の可変表示の表示結果が時短大当り(非確変かつ時短大当り:確変状態であればその終了条件を満たし時短状態に変更することとなり、時短状態であれば制御状態が維持されることとなる大当り)であれば(ステップS210)、状態データを非確変・時短状態に変更するとともに、時短回数カウンタに初期値(例えば「100」)をセットする(ステップS211)。
このように、本例では、確変状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短図柄となる変動表示が開始される前に、状態データが確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、確変時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短図柄となる変動表示が開始される前に、状態データが確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短図柄となる変動表示が開始される前に、状態データを変更することなく、時短回数カウンタに初期値がセットされる。
上記のように、確変状態であるときに時短大当りが発生した場合に、表示結果が時短図柄となる変動表示が開始される前に、状態データを確変状態から時短状態に変更するとともに、時短回数カウンタに初期値をセットする構成としているので、表示結果が時短図柄となる変動表示が開始されたあとは、他方の特別図柄における大当り判定処理(例えば第2特別図柄におけるステップS65に対応する処理)において、確変状態における高確率の大当り判定確率ではなく、時短状態における低確率の大当り判定確率で判定することができるようになるとともに、表示結果が時短図柄となる変動表示が開始されたあとに他方の特別図柄の変動表示が実行されたときに、時短回数カウンタにセットされた時短回数を減算することで時短状態での変動回数にカウントすることができるようになる。
なお、状態データが時短状態(非確変かつ時短状態)を示しているときに今回の可変表示の表示結果が確変大当り(確変かつ非時短大当り)となる場合には、表示結果が確変図柄となる変動表示が開始される前に状態データを時短状態から確変状態に変更するようにしてもよいし、確変図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたあとに状態データを時短状態から確変状態に変更するようにしてもよい。
また、状態データが時短状態(非確変かつ時短状態)を示しているときに今回の可変表示の表示結果が確変時短大当りとなる場合には、表示結果が確変時短図柄となる変動表示が開始される前に状態データを時短状態から確変時短状態に変更するようにしてもよいし、確変図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたあとに状態データを時短状態から確変時短状態に変更するようにしてもよい。
さらに、状態データが確変状態(確変かつ非時短状態)を示しているときに今回の可変表示の表示結果が確変時短大当りとなる場合には、表示結果が確変時短図柄となる変動表示が開始される前に状態データを確変状態から確変時短状態に変更するようにしてもよいし、確変図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたあとに状態データを確変状態から確変時短状態に変更するようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS202a,S202bにて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図9および図10に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS212)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。なお、ステップS200Bで既に短縮変動の第1変動パターン#5を決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS212を行わない。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
なお、ステップS212では、第2大当り変動フラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、今回の第1特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合を除き、予告演出を行う変動パターンとすることに決定するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS213)。
また、ステップS212にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS214)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS215)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開始した第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS216)、第1大当り変動フラグをセットする(ステップS217)。第1大当り変動フラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第1特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理に対応した値に更新する(ステップS218)。
図35は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り停止処理のいずれか(ただし、第2はずれ図柄停止処理を除く)に応じた値である場合には、処理を終了する(ステップS121a)。すなわち、第2大当り図柄が停止表示されているとき、および第2大当り図柄の停止表示に応じた大当り遊技が開始されてから終了報知されるまでの間(例えば、第2大入賞口開放中処理や第2大当り終了処理の実行中)、ステップS121以降の処理が実行されない状態となり、第1変動時間タイマを用いた変動時間の計測が中断される。
第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り停止処理のいずれかに応じた値でない場合には、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には、第1大当り図柄表示時間タイマに大当り図柄の表示時間に相当する値を設定し(ステップS123,S124)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS126)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図36は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、例えばステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aにはずれ図柄を導出表示する制御を行う(ステップS161)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ステップS170では、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図37は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を既に実行している場合には、第1大当り図柄表示時間タイマを−1し、第1大当り図柄表示時間タイマがタイムアウト(=0)しているときには、ステップS183に移行する(ステップS180A,S180B,S180C)。第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を実行していない場合には(ステップS180A)、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄を導出表示する制御を行う(ステップS181)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、ステップS180Bに移行する。
ステップS183では、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、15ラウンドの大当りを開始すること(15ラウンドの大当りのファンファーレ演出を実行すること)を指定する第1大当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド(B000(H))を送信する制御を行う。そして、第1大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば背景図柄表示部9cにおいて報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS184)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS185)。
図38は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り表示処理(ステップS306)の処理を示すフローチャートである。第1大当り表示処理において、CPU56は、第1大当り表示時間タイマを−1し(ステップS187)、第1大当り表示時間タイマの値が0になったら(ステップS188)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS189)。
以上のような第1大当り表示処理によって、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り表示処理に応じた値になっている時間が、ステップS184で設定された値に応じた所定時間(例えば、1.0秒)継続する。また、第2特別図柄プロセス処理が実行されるときにも、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り表示処理に応じた値になっている時間が、所定時間(例えば、1.0秒)継続する。
図39は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放前処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常大当りフラグがセットされ、かつ、確変フラグがセットされている場合(確変状態において非確変図柄で大当りとなった場合)には、確変フラグをリセットする(ステップS400)。なお、確変フラグがセットされていれば、確変フラグを常にリセットするようにしてもよい。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、その値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(B1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404)。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS405)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS405において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS33のソレノイド出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS407)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1大入賞口開放中処理に応じた値に更新する(ステップS411)。
図40および図41は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放中処理(ステップS308)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS431)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS431のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS432)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS432のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS432のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、ラウンド中の大入賞口への入賞球数を指定するカウント数指定コマンド(B2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS434)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS435)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS435のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS431のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS435のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS436)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS437)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15であるか否かを確認する(ステップS438)。ラウンド数カウンタの値が15でないときは(ステップS438のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(B3XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS440)、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
ラウンド数カウンタの値が15であるときは(ステップS438のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド;第1エンディング指定コマンド(B001(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS443)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS444)、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS309(第1大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS445)。
図42は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS451)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS452)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS452のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS452のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグおよび時短大当りフラグのセット状態を認識することにより、大当りが確変時短大当りであったかどうかを確認する(ステップS453)。確変時短大当りであったときは(ステップS453のY)、状態データを確変時短状態に変更するとともに(ステップS454)、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップS455)。なお、この実施の形態では、時短回数カウンタには100が設定される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であることを指定する確変状態指定コマンド(E000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS456)。
確変時短大当りでなかったときは、確変大当りであったかどうかを確認する(ステップS457)。確変大当りであったときは(ステップS457のY)、状態データを確変状態に変更するとともに(ステップS458)、確変状態指定コマンド(E000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS456)。
確変大当りでなかったときは、時短大当りであったかどうかを確認する(ステップS459)。時短大当りであったときは(ステップS457のY)、状態データを時短状態に変更するとともに(ステップS460)、時短回数カウンタに所定値(例えば100)をセットする(ステップS461)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が時短状態であることを指定する時短状態指定コマンド(E001(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS462)。
時短大当りでなかったときは、通常大当りであったということになる。この場合、ステップS207〜S209によって状態データは非確変・非時短状態になっているので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が通常遊技状態であることを指定する通常状態指定コマンド(E002(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS463)。
ステップS456,S462,S463の処理の後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをリセットする(ステップS464)。そして、確変大当りフラグや時短大当りフラグがセットされている場合は、それらのフラグをリセットする(ステップS465)。また、再抽選実行フラグがセットされている場合は、その再抽選実行フラグをリセットする(ステップS466)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの終了を指定する大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を実行する(ステップS467)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値に更新する(ステップS468)。
なお、この実施の形態では、時短回数カウンタに100がセットされるようにしているが、時短回数は他の回数(例えば50回、120回など)とされていてもよい。また、複数種類の回数(例えば、20回、50回、100回)から時短回数が選択される構成とされていてもよく、その場合には、抽選によって選択された回数が時短回数カウンタに設定される。ここでの抽選による選択は、例えば、時短回数決定用の乱数を抽出し、その抽出値と回数とが対応付けされた時短回数決定用テーブルを用いて、乱数の抽出値に対応付けされている回数を選択する処理を実行することによって行われるようにすればよい。
図43は、状態データの例を示す説明図である。図43に示すように、状態データは、2ビットで構成され、ビット0が確変状態であるか否かを示す確変フラグとして用いられ、ビット1が時短状態であるか否かを示す時短フラグとして用いられる。この例では、ビット0(確変フラグ)が「0」であるときは非確変状態であることを意味し、「1」であるときは確変状態であることを意味する。また、ビット1(時短フラグ)が「0」であるときは非時短状態であることを意味し、「1」であるときは時短状態であることを意味する。すなわち、状態データにおけるビット0とビット1とがともに「1」であるときは、確変時短状態であることを意味する。よって、本例では、「状態データが示す遊技状態を変更する」とは、状態データを構成する各ビットの値を変更することを意味する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングについて説明する。
図44は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図44に示すように、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)または第2特別図柄停止図柄設定処理において、大当り判定の判定結果および大当り種別の決定結果に応じた図柄/演出指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
具体的には、大当り判定の判定結果が「はずれ」のときは、はずれ指定コマンドが送信される。大当り判定の判定結果が「大当り」である場合には、大当り種別が「通常大当り」であって再抽選演出を実行しないものであるときは、通常大当り指定コマンドが送信される。また、大当り種別が「通常大当り」であって再抽選演出を実行するものであるときは、再抽選付き通常大当り指定コマンドが送信される。
大当り種別が「時短大当り」であって再抽選演出を実行しないものであるときは、時短大当り指定コマンドが送信される。また、大当り種別が「時短大当り」であって再抽選演出を実行するものであるときは、再抽選付き時短大当り指定コマンドが送信される。大当り種別が「確変大当り」であって再抽選演出を実行しないものであるときは、確変大当り指定コマンドが送信される。また、大当り種別が「確変大当り」であって再抽選演出を実行するものであるときは、再抽選付き確変大当り指定コマンドが送信される。
大当り種別が「確変時短大当り」であって再抽選演出を実行しないものであるときは、確変時短大当り指定コマンドが送信される。また、大当り種別が「確変時短大当り」であって再抽選演出を実行するものであるときは、再抽選付き確変時短大当り指定コマンドが送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄/演出指定コマンドにもとづいて、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。
そして、変動パターン設定処理(ステップS302)において、所定の変動パターンテーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。上述したように、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおける飾り図柄の変動は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の変動と同期している。また、変動パターンに「再抽選演出」が含まれているときは、飾り図柄の変動の一部として大当り遊技の開始前に第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて再抽選演出が実行される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄変動中処理(ステップS303)または第2特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示の制御を行う。飾り図柄の変動時間が経過すると、第1はずれ図柄停止処理(ステップS304)、第1大当り図柄停止処理(ステップS305)、第2はずれ図柄停止処理または第2大当り図柄停止処理において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の変動が停止されるとともに、飾り図柄停止指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、大当り判定における判定結果が大当りであるときは、ファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて15ラウンドの大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。例えば、背景図柄表示部9cに背景図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1大入賞口開放前処理(ステップS307)において、大当り表示時間(大当り図柄を停止表示してから大当りの第1ラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。大当り表示時間が経過すると、15ラウンドの大当りを開始するときは、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における背景図柄表示部9cの表示状態が指定される。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する。例えば、背景図柄表示部9cに背景図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他のキャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1大入賞口開放中処理(ステップS308)または第2大入賞口開放中処理において、15ラウンド用のラウンド時間の計測を開始する。また、カウントスイッチ23のオンを検出する毎に入賞個数カウンタの値を+1することにより大入賞口への入賞球数をカウントする。また、カウント数を指定するカウント数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
ラウンド時間が経過したとき、または入賞個数が所定数になったときは、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が閉鎖される。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが終了する。このとき、ラウンド数が15ではないので、大入賞口開放後表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1大入賞口開放前処理(ステップS307)において、インターバル時間(ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。インターバル時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される。
以上のような第1大入賞口開放前処理と第1大入賞口開放中処理は、15ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。第1大入賞口開放中処理において、ラウンド数カウンタの値が15になったときは、エンディングコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。例えば、背景図柄表示部9cに大当りの終了を示す文字(「またね!!」)などを表示したり、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。このとき、エンディングコマンドにおいて再抽選演出が指定されているときは、背景図柄表示部9cにおいて再抽選演出が実行される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1大当り終了処理(ステップS309)において、大当り終了時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)の計測を開始する。大当り終了時間が経過すると、所定のフラグ(大当りフラグ、確変大当りフラグ、再抽選実行フラグ)のセット/リセットの処理が行われるとともに、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた表示指定の演出制御コマンドが送信される。また、大当り終了指定コマンドが送信される。そして、再び、第1特別図柄通常処理(ステップS300)または第2特別図柄通常処理に戻って特別図柄の変動が開始される。
以上のような構成によれば、大当り図柄が停止表示された後において、遊技者にとって大当り図柄の再抽選演出が大当り遊技の開始前と終了後のどちらのタイミングで実行されるかわからず、また再抽選演出が2回実行される可能性もあるため、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図45は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。さらに、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図28および図29参照)であるのか解析する。
図46〜図48は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド:9004(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1614)、抽出した飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれに対応した飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1615)。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する(ステップS1616)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が通常大当りであることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド:9003(H))であれば(ステップS1617)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS1618)、また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行しないことを示す大当り終了後再抽選不実行フラグをセットする(ステップS1619)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が時短大当りであることを指定する演出制御コマンド(時短大当り指定コマンド:9001(H))であれば(ステップS1620)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短大当りが指定されたことを示す時短大当り演出フラグをセットし(ステップS1621)、また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行しないことを示す大当り終了後再抽選不実行フラグをセットする(ステップS1622)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド:9000(H))であれば(ステップS1623)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1624)、また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行しないことを示す大当り終了後再抽選不実行フラグをセットする(ステップS1625)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が確変時短大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変時短大当り指定コマンド:9002(H))であれば(ステップS1626)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットするとともに(ステップS1627)、時短大当りが指定されたことを示す時短大当り演出フラグをセットする(ステップS1628)。また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行しないことを示す大当り終了後再抽選不実行フラグをセットする(ステップS1629)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が通常大当りであることを指定するとともに、大当り遊技の終了後のエンディング演出において再抽選演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(再抽選付き通常大当り指定コマンド:9006(H))であれば(ステップS1630)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS1631)、また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行することを示す大当り終了後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1632)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が時短大当りであることを指定するとともに、大当り遊技の終了後のエンディング演出において再抽選演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(再抽選付き時短大当り指定コマンド:9007(H))であれば(ステップS1633)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短大当りが指定されたことを示す時短大当り演出フラグをセットし(ステップS1634)、また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行することを示す大当り終了後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1635)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、大当り遊技の終了後のエンディング演出において再抽選演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(再抽選付き確変大当り指定コマンド:9008(H))であれば(ステップS1636)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1637)、また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行することを示す大当り終了後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1638)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示部9a,9bの表示結果が確変時短大当りであることを指定するとともに、大当り遊技の終了後のエンディング演出において再抽選演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(再抽選付き確変時短大当り指定コマンド:9009(H))であれば(ステップS1639)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットするとともに(ステップS1640)、時短大当りが指定されたことを示す時短大当り演出フラグをセットする(ステップS1641)。また、大当りの終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行することを示す大当り終了後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1642)。
また、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8034(H))であれば(ステップS1648)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1649)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1650)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに再抽選演出(ここでは大当り遊技の開始前の再抽選演出)が含まれているか否かを確認し(ステップS1651)、再抽選演出が含まれている場合は、仮停止図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1652)、抽出した仮停止図柄決定用乱数の値にもとづいて、飾り図柄の仮停止図柄を決定する(ステップS1653)。ここで、仮停止図柄とは、大当り遊技の開始前の再抽選演出が実行される前に仮停止表示される図柄(例えば、通常図柄や時短図柄)である。後述するように、再抽選演出では、仮停止されている図柄を再変動させた後に、その図柄と同格の図柄(仮停止図柄と同一図柄でも異なる図柄でもよい)または停止表示された図柄よりも格の上の図柄を停止表示させて、大当り遊技に移行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した仮停止図柄をRAMにおける仮停止図柄格納領域に格納する(ステップS1654)。
変動パターンに再抽選演出が含まれていない場合は(ステップS1651のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンが大当り時の変動パターンであるかどうかを判断する(ステップS1655)。大当り時の変動パターンであれば(ステップS1655のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1656)、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値にもとづいて、通常大当りか時短大当りか確変大当りか確変時短大当りかに対応した、また大当り遊技終了後の再抽選演出の実行の有無に対応した大当り表示図柄を決定する(ステップS1657)。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグ、時短大当り演出フラグまたは確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当りが通常大当りか時短大当りか確変大当りか確変時短大当りかを認識する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了後再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当り遊技の終了後のエンディング演出において再抽選演出が実行されるかどうかを認識する。
通常大当り演出フラグがセットされている場合は、大当り終了後再抽選実行フラグがセットされているか否かを問わず、大当り表示図柄として通常図柄を決定する必要がある。また、時短大当り演出フラグがセットされているが確変大当り演出フラグがセットされておらず、かつ大当り終了後再抽選実行フラグがセットされている場合は、再抽選演出が実行される前に時短大当り、確変大当りまたは確変時短大当りとなってしまうのを回避するために、大当り表示図柄として時短図柄より格の下の通常図柄を決定する必要がある。
また、確変大当り演出フラグがセットされているが時短大当り演出フラグがセットされておらず、かつ大当り終了後再抽選実行フラグがセットされている場合は、再抽選演出が実行される前に確変大当りや確変時短大当りとなってしまうのを回避するために、大当り表示図柄として確変図柄より格の下の通常図柄または時短図柄を決定する必要がある。また、確変大当り演出フラグがセットされ、時短大当り演出フラグもセットされ、かつ大当り終了後再抽選実行フラグがセットされている場合は、再抽選演出が実行される前に確変時短大当りとなってしまうのを回避するために、大当り表示図柄として確変時短図柄より格の下の通常図柄、時短図柄または確変図柄を決定する必要がある。なお、このように、大当り表示図柄として決定可能な図柄の格が複数種類あるときは、予め定められた方法によって選択したり、あるいは乱数を用いて所定の格を選択することが考えられる。
大当り終了後再抽選実行フラグがセットされていない場合(つまり大当り終了後再抽選不実行フラグがセットされている場合)は、セットされている大当り演出フラグに応じた格の図柄を決定する必要がある。例えば、時短大当り演出フラグのみセットされている場合は、大当り表示図柄として時短図柄を決定する必要があり、確変大当り演出フラグおよび時短大当り演出フラグのいずれもセットされている場合は、大当り表示図柄として確変時短図柄を決定する必要がある。
このような状況に応じて、通常図柄を決定するときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、時短大当りのときに用いる時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、確変大当りのときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、確変時短大当りのときに用いる確変時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとが予め用意されている。通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルには各通常図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また、時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルには各時短図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また、確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルには各確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また同様に、確変時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルには各確変時短図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り表示図柄として、どの格の図柄を決定すべきかを認識した上で、大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。そして、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄を大当り表示図柄に決定する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した大当り表示図柄をRAMにおける大当り表示図柄格納領域に格納する(ステップS1658)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:B000(H),B002(H))であれば(ステップS1659)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1660)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1661)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:B001(H),B003(H))であれば(ステップS1662)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS1663)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS1664)。
ステップS1612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS1665)。
図49は、図45に示されたメイン処理における第1飾り図柄プロセス処理(ステップS705A)を示すフローチャートである。第1飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S803のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2飾り図柄プロセス処理(ステップS705B)も、制御対象が第2可変表示部9bであるという違いはあるが、第1飾り図柄プロセス処理と同様に構成される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって第1変動パターン指定の演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信されたことが確認されたか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、演出制御用CPU101が実行するコマンド解析処理で第1変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のいずれか(8001(H)〜8008(H),8021(H)〜8024(H)のいずれか)の第1変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1飾り図柄の変動態様(変動期間中の飾り図柄の変動速度など)を、それぞれの変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する。なお、それぞれの変動パターンについて、あらかじめ1種類の変動態様が決められている場合には、受信した変動パターンに応じた変動態様を使用することに決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801):第1飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている変動時間の終了を監視する。また、第1飾り図柄の停止制御を行う。変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS803):第1飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図50は、第1飾り図柄プロセス処理における第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したか否か確認し(ステップS831)、受信している場合には、第1飾り図柄の変動態様を、変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する(ステップS832)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS834)。
図51は、第1飾り図柄プロセス処理における第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第1始動入賞数カウンタの値を−1する(ステップS841)。また、第1飾り図柄の変動を開始するように制御する(ステップS842)。例えば、VDP109に第1飾り図柄の変動開始を指示する。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドに応じた変動時間に相当する値を変動時間タイマに設定する(ステップS843)。すなわち、変動時間タイマをスタートさせる。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に応じた値に更新する(ステップS844)。
図52〜図54は、第1飾り図柄プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS1821)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1中断指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS1822)。第1中断指定コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(ステップS1823)、第1可変表示部9aにはずれ図柄を停止表示する(ステップS1824)。
また、ステップS821で第1変動中断フラグがセットされていることを確認したら、演出制御用CPU101は、第1再開指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS1831)。第1再開指定コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS1832)、第1可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の変動を再開させる(ステップS1833)。第1再開指定コマンドを受信していなければ第1飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS1822で第1中断指定コマンドを受信していないことを確認したら、演出制御用CPU101は、変動時間タイマを1減算する(ステップS1826)。また、変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1827)、変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS1834)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS1828)。
変動パターンに再抽選演出が含まれており、かつ、変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過していれば(ステップS1834のY)、演出制御用CPU101は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータから認識可能な変動パターンにおける大当り図柄確定演出の開始時間を確認するとともに、変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS1839)。
この実施の形態では、大当り遊技の開始前の再抽選演出には、昇格演出と大当り図柄確定演出とが含まれている。昇格演出は、所定の図柄をその図柄よりも格が上の図柄に昇格させる機会(チャンス)を遊技者に与える演出である。後述するように、昇格演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を操作して所定の条件をクリア(成立)した場合、通常図柄や時短図柄などがそれよりも格が上の確変図柄や確変時短図柄などに昇格する。例えば、通常図柄が確変図柄に昇格して全飾り図柄に対する確変図柄の割合が多くなると、遊技者からは確変図柄で大当りになる確率が高くなったように見える。確変状態は遊技者にとって極めて有利な状態であるので、遊技者は、通常図柄を確変図柄に昇格させるために、昇格演出中に図柄昇格ボタン120を操作するようになる。また、大当り図柄確定演出は、昇格演出において変更された図柄を反映した特定の図柄配列により飾り図柄の再変動を行い、昇格演出の実行後に決定された大当り図柄を停止図柄として停止表示する演出である。
大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値を確認することにより、再抽選演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS1841)。このとき、再抽選演出を実行している最中でないと判定されたということは、再抽選演出が開始された直後であることを意味する。再抽選演出を実行している最中でなければ、演出制御用CPU101は、昇格演出の変動を開始する(ステップS1842)。また、演出制御用CPU101は、昇格有効期間の計測を開始する(ステップS1844)。
再抽選演出を実行している最中であれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値を確認することにより、昇格有効期間が経過しているか否かを判定する(ステップS1845)。昇格有効期間が経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図柄昇格ボタン120のオン(図柄昇格ボタン120が押された状態)を確認する(ステップS1847)。また、図柄昇格ボタン120のオンを確認したときに(ステップS1848)、オン回数をオン回数カウンタでカウントする(ステップS1849)。
次いで、演出制御用CPU101は、昇格演出における昇格条件(図柄昇格ボタン120の操作回数)が成立(クリア)したか否かを判定する(ステップS1850)。昇格条件が成立したときは、昇格した飾り図柄をRAMにおける所定の記憶領域(昇格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS1851)。
昇格有効期間が経過していれば(ステップS1845のY)、演出制御用CPU101は、昇格した図柄が昇格図柄記憶領域に記憶されているか否かを確認し(ステップS1852)、昇格した図柄が記憶されていれば、昇格演出において表示された図柄がそれよりも格が上の図柄に昇格したことを第1可変表示部9aにて表示する表示制御を実行する(ステップS1853)。昇格した図柄が記憶されていなければ、演出制御用CPU101は、降格条件が成立したか否かを判定する(ステップS1854)。
ここで、降格条件は、図柄をそれよりも格が下の図柄に降格させるための条件である。例えば、確変図柄や確変時短図柄を通常図柄や時短図柄に降格させるための条件である。この実施の形態では、昇格有効期間において1回も遊技者によって図柄昇格ボタン120が押されたことを確認できなかったとき、降格条件が成立したものと判定する。このように、遊技に参加する意欲のない遊技者に対しては、図柄を降格させるようにすることにより、積極的に遊技に参加させるようにすることができる。なお、例えば、確変大当りになることが決定されているときは、全ての確変図柄が非確変図柄(通常図柄や時短図柄)に降格されてしまうと、非確変大当り(通常大当りや時短大当り)が確定したことになってしまうため、複数の確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は非確変図柄に降格させてはならない。これを実現するために、例えば確変図柄の少なくとも一つ(例えば「5」)は非確変図柄に降格しないものと予め決めておいてもよい。
降格条件が成立したときは、演出制御用CPU101は、降格した飾り図柄をRAMにおける所定の記憶領域(降格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS1855)。そして、所定の図柄が降格したことを背景図柄表示部9cにて表示する表示制御を実行する(ステップS1856)。降格条件が成立しなかったときは、演出制御用CPU101は、昇格演出において表示された所定の図柄がそれよりも格が上の図柄に昇格しなかったことを背景図柄表示部9cにて表示する表示制御を実行する(ステップS1857)。
ステップS1839において大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合は、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値を確認することにより、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS1861)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用CPU101は、大当り演出フラグおよび再抽選実行フラグの内容を確認し(ステップS1862)、第1可変表示部9aに表示する飾り図柄の大当り表示図柄を決定し格納する処理を行(ステップS1863)い、処理を終了する。なお、ステップS1861において大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。
具体的には、演出制御用CPU101は、大当り演出フラグ(通常大当り演出フラグ、時短大当り演出フラグ、確変大当り演出フラグ)のセット状態を確認することにより、大当りが通常大当りか時短大当りか確変大当りか確変時短大当りかを認識する(ステップS1862)。また、演出制御用CPU101は、大当り終了後再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当り遊技の終了後のエンディング演出において再抽選演出が実行されるかどうかを認識する(ステップS1862)。さらに、演出制御用CPU101は、昇格図柄記憶領域および降格図柄記憶領域に記載されている内容を確認することにより、格が変更された飾り図柄、すなわち、昇格した図柄および降格した図柄を認識する。
このような状況に応じて、通常図柄を決定するときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、時短大当りのときに用いる時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、確変大当りのときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、確変時短大当りのときに用いる確変時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとが予め用意されている。また、昇格あるいは降格した図柄が反映されるように、上記の大当り表示図柄決定用テーブルの各々には、昇格・降格した図柄の種類や数を変化させたテーブルが予め複数用意されている。そして、これらの大当り表示図柄決定用テーブルには各図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られる。
演出制御用CPU101は、大当り表示図柄としてどのような格の図柄を決定すべきかを認識した上で、大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。例えば、確変大当り演出フラグのみがセットされており、かつ大当り終了後再抽選実行フラグがセットされているときは、大当り表示図柄として非確変図柄(通常図柄または時短図柄)を決定する必要があるので、通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルまたは時短大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。なお、このように選択可能なテーブルが複数ある場合は、予め定められたルールに従って選択してよいし、また乱数を用いて選択してもよい。そして、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄を大当り表示図柄に決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した大当り表示図柄をRAMにおける大当り表示図柄格納領域に格納する(ステップS1863)。
なお、変更された図柄(昇格した図柄または降格した図柄)に判定値を予め数多く設定することにより、変更された図柄が高い割合で大当り表示図柄に決定されるようにすることができる。
以上のような制御によって、演出制御用CPU101は、第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1中断指定コマンドを受信したことにもとづいて第1変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、再開指定コマンドを受信するまでステップS1826〜S1863の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動を行わない制御がなされる。
図55は、保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、保留記憶表示制御処理において、第1有効始動入賞指定コマンドを受信したか否か確認し(ステップS851)、第1有効始動入賞指定コマンドを受信していたら、第1始動入賞数カウンタの値を+1する(ステップS852)。そして、差数カウンタの値が0であれば(ステップS853)、合算保留記憶数を示す合算保留記憶表示カウンタすなわち合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶表示カウンタの値を+1する(ステップS856)。
差数カウンタの値が0でない場合には、合算保留記憶表示カウンタの値を確認し、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値である8に達していなければ(ステップS854)、ステップS856に移行する。合算保留記憶表示カウンタの値が8に達していれば、差数カウンタの値を−1し(ステップS855)、ステップS862に移行する。
また、第2有効始動入賞指定コマンドを受信していたら(ステップS857)、第2始動入賞数カウンタの値を+1する(ステップS858)。そして、差数カウンタの値が0であれば(ステップS859)、ステップS856に移行する。
差数カウンタの値が0でない場合には、合算保留記憶表示カウンタの値を確認し、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値である8に達していなければ(ステップS860)、ステップS856に移行する。合算保留記憶表示カウンタの値が8に達していれば、差数カウンタの値を−1し(ステップS861)、ステップS862に移行する。
ステップS862では、演出制御用CPU101は、無効始動入賞指定コマンドを受信したか否か確認する。無効始動入賞指定コマンドを受信していなければステップS866に移行する。無効始動入賞指定コマンドを受信している場合には、合算保留記憶表示カウンタの値が8に達していなければ(ステップS863)、合算保留記憶表示カウンタの値を+1し(ステップS864)、差数カウンタの値を+1する(ステップS865)。そして、ステップS866に移行する。
ステップS866では、合算保留記憶表示カウンタの値が変更されたか否か確認し、合算保留記憶表示カウンタの値が変更されている場合には、図柄保留記憶表示部18cの表示状態を、変更後の値に応じた状態にする。すなわち、図柄保留記憶表示部18cに表示されている合計数(合算保留記憶数)を変更後の値に応じた数にする。なお、演出制御用CPU101が合算保留記憶表示カウンタの値が変更されたか否か確認するには、RAMに更新前合算保留記憶表示カウンタを形成し、合算保留記憶表示カウンタの値と更新前合算保留記憶表示カウンタの値とを比較し、一致していなければ、合算保留記憶表示カウンタの値が変更されたと判定すればよい。そして、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示カウンタの値が変更されたと判定した場合には、変更後の合算保留記憶表示カウンタの値を更新前合算保留記憶表示カウンタにセットする。また、合算保留記憶表示カウンタの値を変更する処理は、ステップS856,S864の処理の他に、後述するステップS912,S916等の処理がある。
合算保留記憶表示カウンタは、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を示すカウンタである。差数カウンタは、ダミー増加数を示すカウンタである。第1始動入賞数カウンタの値は、演出制御用CPU101が認識している第1保留記憶数を示す。第2始動入賞数カウンタの値は、演出制御用CPU101が認識している第2保留記憶数を示す。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数が上限値である4に達している状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、または第2保留記憶数が上限値である4に達している状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、無効始動入賞指定コマンドを送信する。すなわち、無効始動入賞が生じたときに無効始動入賞指定コマンドを送信する。演出制御用CPU101は、ステップS862〜S865の処理によって、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値である8に達していない限り、無効始動入賞が生じたときに図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やすことになる。すなわち、ダミー増加数を1増やす。
また、演出制御用CPU101は、ステップS853〜S855の処理によって、ダミー増加数が1以上であり、かつ、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値に達しているときに第1始動入賞が生じた場合には、ダミー増加数を1減らしてダミー保留記憶を消化する。すなわち、ダミー保留記憶を減らす。また、ステップS859〜S861の処理によって、ダミー増加数が1以上であり、かつ、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値に達しているときに第2始動入賞が生じた場合には、ダミー増加数を1減らしてダミー保留記憶を消化する。なお、ダミー増加数が1以上であり、かつ、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値である8に達している場合には、第1保留記憶数が上限値である4に達した状態で第1始動入賞口13に無効始動入賞が生じたためにダミー保留記憶が生じたか、第2保留記憶数が上限値である4に達した状態で第2始動入賞口14に無効始動入賞が生じたためにダミー保留記憶が生じたことを意味している。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数が上限値である4に達した状態で第1有効始動入賞指定コマンドを送信することはなく、また、第2保留記憶数が上限値である4に達した状態で第2有効始動入賞指定コマンドを送信することはない(図29参照)。従って、例えば、差数カウンタの値が0でなく、かつ、合算保留記憶表示カウンタの値が上限値である8に達しているときに、第1有効始動入賞指定コマンドを受信したということは、第2保留記憶数が上限値である4に達していて、かつ、第2始動入賞口14に無効始動入賞が生じ、ダミー保留記憶数が増やされたことを意味する。そのような状況で第1有効始動入賞指定コマンドを受信した場合には、合算保留記憶におけるダミー保留記憶に応じた分が、真の合算保留記憶(この例では、第1有効始動入賞にもとづく保留記憶)に変更されることになる。
なお、ダミー保留記憶を減らす方法の一つとして、背景図柄変動パターンとして仮停止(例えば、0.5秒や1秒間停止)の態様を含む背景図柄変動パターン(図11参照)を用い、演出制御用CPU101が、背景図柄を仮停止させたときに、合算保留記憶数を1減算する方法を既に例示したが、ステップS853〜S855の処理およびステップS859〜S861の処理も、ダミー保留記憶を減らす方法の一つである。
図56は、図45に示す背景図柄プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S908のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件が成立したか否か判定し、背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄表示部9cにおいて変動が開始されるように制御する。背景図柄の変動開始条件は、コマンド解析処理で第1変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のいずれか(8001(H)〜8008(H),8021(H)〜8024(H)のいずれか)または第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のいずれか(8011(H)〜8018(H),8031(H)〜8034(H)のいずれか)の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合に成立する。そして、背景図柄プロセスフラグを、予告選択処理(ステップS901)に応じた値に更新する。
予告選択処理(ステップS901):予告演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理(ステップS902)に対応した値に更新する。なお、予告選択処理において、演出制御用CPU101は、例えば可変表示装置9においてキャラクタ画像を用いた予告演出(連続予告以外の予告演出、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となること、またはリーチが発生することを事前に報知するための演出)を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。例えば、第1変動パターンコマンドを受信したことに応じて背景図柄の変動が開始され、表示結果コマンドとして確変大当り指定コマンドまたは通常大当り指定コマンドを受信している場合には、予告演出を行うことに決定する。そのときに、100%の確率で予告演出を実行するのではなく、予告演出する/しないを、乱数を用いて抽選によって決定するようにしてもよい。
背景図柄変動開始処理(ステップS902):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、受信している表示結果コマンドに応じて背景図柄の停止図柄を決定し、背景図柄の変動時間として10秒を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中(前半)処理(ステップS903)に対応した値に更新する。
背景図柄変動中(前半)処理(ステップS903):背景図柄の変動時間(この場合には、10秒または5秒)の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動待ち処理(ステップS900)または背景図柄変動中(後半)処理(ステップS904)に対応した値に更新する。なお、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の変動時間が10秒または5秒であれば、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新し、飾り図柄の変動時間が10秒を越える時間であれば、背景図柄変動中(後半)処理(ステップS904)に対応した値に更新する。背景図柄変動中(後半)処理に対応した値に更新する場合には、背景図柄の変動時間として、飾り図柄の変動時間の残り時間(例えば、飾り図柄の変動時間が20秒であれば、残り時間は10秒)を設定する。また、背景図柄変動中(前半)処理が完了する時点(変動開始から10秒が経過した時点)は、上述した切替ポイントに相当する。
背景図柄変動中(後半)処理(ステップS904):背景図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中(後半)処理において、演出制御用CPU101は、背景図柄の変動時間を延長することがある。例えば、第1変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のいずれかを受信したことに応じて背景図柄の変動を開始し、背景図柄変動中(後半)処理中に、第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のいずれかを受信したような場合である。
背景図柄停止処理(ステップS905):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)または大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新する。なお、大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新する場合には、第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新する。基本的には、背景図柄停止処理が実行される期間は遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1大当り図柄停止処理または第2大当り図柄停止処理が実行されている期間と同じであるが、後述するように、背景図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技が開始されるまでの期間が短い場合がある(例えば、図61におけるステップS971や図68におけるステップS634参照)。その場合には、背景図柄停止処理が実行される期間が遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1大当り図柄停止処理または第2大当り図柄停止処理が実行されている期間に比べて短いことがある。
大当り表示処理(ステップS906):大当り表示の制御を行う。そして、実際に大当り遊技が開始されたことを示すことになる大入賞口解放時表示コマンド(第1ラウンドに関する大入賞口解放時表示コマンド)を受信したら背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に更新する。なお、基本的には、大当り表示処理が実行される期間は遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1大当り表示処理または第2大当り表示処理が実行されている期間と同じであるが、背景図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技が開始されるまでの期間が短い場合(例えば、図61におけるステップS971や図68におけるステップS634参照)、特に、その期間が遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1大当り表示処理または第2大当り表示処理が実行されている期間よりも短い場合、大当り表示処理が実行される期間が遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1大当り図柄停止処理または第2大当り図柄停止処理が実行されている期間に比べて短いことがある。
ラウンド中処理(ステップS907):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS908):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS909):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディングコマンドで再抽選演出の実行が指定されていれば、エンディング演出の中で再抽選演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する。
図57は、背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドを受信したか否か確認する(ステップS911)。第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドを受信した場合には、合算保留記憶表示カウンタの値を−1する(ステップS912)。そして、背景図柄プロセスフラグを、予告選択処理(ステップS901)に応じた値に更新する(ステップS913)。
第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドを受信していない場合には、第1始動入賞数カウンタおよび第2始動入賞数カウンタの値が0であって、差数カウンタの値が0でない値になっているか否か確認する(ステップS915)。
第1始動入賞数カウンタおよび第2始動入賞数カウンタの値が0であって差数カウンタの値が0でない値になっているということは、合算保留記憶表示カウンタの値が0ではないが、合算保留記憶が全てダミー保留記憶であることを意味する。そのような場合には、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を開始しないが、背景図柄の変動を行うように制御する。そして、合算保留記憶を消化させる。
第1始動入賞数カウンタおよび第2始動入賞数カウンタの値が0であって差数カウンタの値が0でない値になっている場合に、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示カウンタの値を−1し(ステップS916)、差数カウンタの値を−1する(ステップS917)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始処理(ステップS902)に応じた値に更新する(ステップS918)。
図58は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が背景図柄の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って背景図柄表示部9cの制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、背景図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で背景図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく背景図柄表示部9cの制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、背景図柄表示部9cの制御に同期して制御される。
図58に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に演出態様の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにもとづいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容に従って演出制御を行う。
以下、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動開始処理等の処理について説明する。以下の説明は、遊技状態が確変状態または通常状態の場合を例にする。遊技状態が時短状態の場合には、各種タイマに設定される時間は、以下の説明における時間の半分の時間に相当する値になる。また、背景図柄変動開始開始待ち処理において第1変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて背景図柄の変動を開始する制御を開始する場合と、第2変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて背景図柄の変動を開始する制御を開始する場合とがあるが、以下の説明は、第1変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて背景図柄の変動を開始する制御を開始する場合を例にする。
図59は、背景図柄変動開始処理(ステップS902)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS920)。表示結果コマンドとしてはずれ指定コマンドを受信し、変動パターンコマンドとして変動時間が10秒のものを受信している場合には、停止図柄として、左中右図柄が不一致の背景図柄を決定する。表示結果コマンドとしてはずれ指定コマンドを受信し、変動パターンコマンドとして変動時間が10秒を越えるものを受信している場合には、停止図柄として、左右図柄が一致し中図柄が不一致の背景図柄を決定する。表示結果コマンドとして確変大当り指定コマンドまたは通常大当り指定コマンドを受信している場合には、停止図柄として大当りを想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った背景図柄の通常大当り図柄)を決定する。そして、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値(本例では4)以上であるか否かを確認する(ステップS920a)。
合算保留記憶表示カウンタの値が4以上である場合には、演出制御用CPU101は、5秒の変動時間(すなわち、短縮変動の変動時間)を有する背景図柄変動パターンNo.9を選択し(ステップS920b)、ステップS924に移行する。合算保留記憶表示カウンタの値が4以上でない場合には、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS921)。
差数カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、10秒の変動時間を有する背景図柄変動パターンNo.1およびNo.9(図10参照)のうち、仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンNo.10を選択する(ステップS922)。差数カウンタの値が0である場合には、仮停止の態様を含まない背景図柄変動パターンNo.1を選択する(ステップS923)。
差数カウンタの値が0でないということは、消化されないダミー保留記憶がまだ存在することを意味する。その場合、変動パターン中に仮停止の状態がある背景図柄変動パターンNo.10の変動パターンを用いる。後述するように、仮停止するときに合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とを1減算して、ダミー保留記憶を消化する。なお、差数カウンタの値が2以上である場合には、変動パターン中に複数回(例えば2回)の仮停止がなされる背景図柄変動パターンNo.10の変動パターンを用いる。その場合、変動時間が終了するまでに、合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とが複数減算される。
また、背景図柄の仮停止に伴って図柄保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数が1減らされるので、遊技者は、仮停止後の背景図柄の再変動に伴って合算保留記憶数が1減らされたと感ずる。よって、合算保留記憶数に対して違和感を感じない。また、背景図柄の仮停止に伴ってダミー保留記憶を消化するということは、仮停止後の背景図柄の再変動を1回の可変表示(変動)と捉えれば、可変表示の開始条件の成立にもとづいて、複数回の背景図柄の変動を行うということになる。
演出制御用CPU101は、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS924)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS925)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS926)。例えば、背景図柄表示部9cにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、変動時間(この例では10秒または5秒)に応じた値を背景図柄変動時間タイマAに設定して背景図柄変動時間タイマAをスタートさせ(ステップS927)、全体時間タイマに飾り図柄(第1変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて背景図柄の変動を行う場合には第1飾り図柄、第2変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて背景図柄の変動を行う場合には第2飾り図柄)の変動時間に応じた値を設定し全体変動時間タイマをスタートさせる(ステップS928)。なお、飾り図柄の変動時間が10秒である場合には、全体変動時間タイマに設定される値は、ステップS927で背景図柄変動時間タイマAに設定される値と同じである。また、ダミー保留記憶にもとづいて背景図柄の変動を行う場合(ステップS915で「Y」の場合)には、ステップS928で全体変動時間タイマに10秒に相当する値を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中(前半)処理(ステップS903)に応じた値に更新する(ステップS929)。
以上のような背景図柄変動開始処理によって、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値(本例では4)以上であると判定されると、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)の停止図柄に対応する背景図柄を背景図柄表示部9cに導出表示するまでの可変表示時間を短縮する。そのため、合算保留記憶数が所定値以上であるにもかかわらず、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)のいずれか一方の可変表示時には短縮変動が行われるが、他方の可変表示時には短縮変動が行われない事態が発生することを防止することができる。
例えば、合算保留記憶数が4である場合(例えば、第1保留記憶数が4で第2保留記憶数が2である場合)や、合算保留記憶数が5である場合(例えば、第1保留記憶数が3で第2保留記憶数が2である場合、合算保留記憶数が4である場合(例えば、第1保留記憶数が3で第2保留記憶数が1である場合には、合算保留記憶数が所定値「4」以上であるので、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の短縮変動が行われる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれか一方が0であっても、合算保留記憶数が4以上である場合(例えば、第1保留記憶数が4で第2保留記憶数が0である場合)には、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の短縮変動が行われる。
図60〜図62は、背景図柄変動中(前半)処理(ステップS903)を示すフローチャートである。背景図柄変動中(前半)処理において、演出制御用CPU101は、全体変動時間タイマの値および背景図柄変動時間タイマAの値を−1する(ステップS941,S942)。なお、全体変動時間タイマの値が0になっているときには全体変動時間タイマの値を−1する処理を実行せず、背景図柄変動時間タイマAの値が0になっているときには背景図柄変動時間タイマAの値を−1する処理を実行しない。また、背景図柄変動時間タイマBが設定されている場合には、背景図柄変動時間タイマBの値を−1する(ステップS943)。なお、背景図柄変動時間タイマBとは、背景図柄の変動が開始された後に新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)を受信したときに設定されるタイマであり、そのときに、背景図柄変動時間タイマBには、新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動時間に応じた値が設定される。
次いで、演出制御用CPU101は、背景図柄変動時間タイマAがタイムアウトしたか否かすなわち背景図柄変動時間タイマAの値が0になったか否か確認する(ステップS944)。背景図柄変動時間タイマAがタイムアウトしている場合にはステップS953に移行する。タイムアウトしていない場合には、プロセスタイマの値を−1する(ステップS945)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(値が0になったら)、プロセスデータの切替を行う(ステップS946,S947)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(可変表示装置9等)に対する制御状態を変更する。
また、切替後のプロセスデータが仮停止を示すデータであった場合には、合算保留記憶カウンタの値および差数カウンタの値を−1する(ステップS948)。すなわち、ダミー保留記憶を消化する。
また、演出制御用CPU101は、新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)を受信したか否か確認し(ステップS949)、受信していたら、背景図柄B変動要求フラグをセットし(ステップS950)、背景図柄変動時間タイマBに、新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動時間に応じた値を設定する(ステップS951)。背景図柄B変動要求フラグとは、切替ポイントになる前に新たな変動パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。背景図柄Bとは、新たな変動パターンコマンドの受信にもとづいて開始されたと仮定した場合に変動開始される背景図柄である。ただし、切替ポイントの時点では背景図柄Bの変動はなされていない。
演出制御用CPU101は、ステップS944で背景図柄変動時間タイマAがタイムアウトしたと判定したら、背景図柄B変動決定フラグがセットされているか否か確認し(ステップS953)、セットされていたら、背景図柄のはずれ図柄を仮停止させる制御を行い(ステップS956)、背景図柄B変動決定フラグをリセットする(ステップS957)。そして、ステップS976に移行する。なお、背景図柄のはずれ図柄を仮停止させる場合には所定の仮停止期間だけ仮停止状態を維持する制御を行うが、そのような制御は、プロセステーブルに、仮停止を示すデータを仮停止期間を示すデータと対応付けて設定しておくことによって実現される。
なお、背景図柄B変動決定フラグとは、背景図柄の変動開始時から10秒を経過したときに、以後の背景図柄の変動は新たな変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動に対応したものに切り替えることに決定されたが、切替後の変動時間が図11に示す変動時間のいずれにも一致しない場合にセットされる。例えば、新たな変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動時間が20秒であるが、背景図柄の変動開始時から10秒を経過したときに既に3秒間の変動がなされていた(背景図柄の変動開始時から7秒を経過したときに新たな変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動が開始された)場合には、切替後の変動時間は17秒である。その場合、図11に示す変動時間のいずれにも一致しない。
この実施の形態では、そのような状況が生じたときには、図11に示す背景図柄の変動時間のいずれかを用いれば、新たな変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動の終了の時点が背景図柄の変動時間の経過時になるように、切替ポイントを移動させるように制御する。上の例では、15秒の背景図柄の変動時間を用いれば飾り図柄の変動の終了の時点が背景図柄の変動時間の経過時になるように、切替ポイントを2秒ずらす。すなわち、背景図柄の変動開始時から12秒後が変更後の切替ポイントになる。
ステップS953で背景図柄B変動決定フラグがセットされていないことを確認したら、演出制御用CPU101は、全体変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS954A)。全体変動時間タイマがタイムアウトしていたら、背景図柄B変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS954B)。背景図柄B変動要求フラグがセットされている場合には、背景図柄B変動要求フラグをリセットし(ステップS954C)、ステップS976に移行する。背景図柄B変動要求フラグがセットされていない場合には、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄停止処理(ステップS905)に応じた値に更新する(ステップS955)。全体変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS958に移行する。
なお、全体変動時間タイマがタイムアウトしたときに背景図柄B変動要求フラグがセットされていないということは、背景図柄の変動に対応する飾り図柄(この例では、第1飾り図柄)の変動時間が10秒であって、変動時間中に新たな変動パターンコマンドを受信しなかったことを意味する。また、全体変動時間タイマがタイムアウトしていないということは、背景図柄の変動に対応する飾り図柄(この例では、第1飾り図柄)の変動時間が10秒を越えることを意味する。
ステップS958では、演出制御用CPU101は、背景図柄B変動要求フラグがセットされているか否か確認する。背景図柄B変動要求フラグがセットされていない場合、すなわち背景図柄の変動開始時から10秒が経過する前に新たな変動パターンコマンドを受信していない場合には、全体変動時間タイマの値(飾り図柄の変動時間から10秒を差し引いた時間に相当)に応じた背景図柄変動パターン(図11参照)を選択する(ステップS959)。そして、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS960)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS961)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS962)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中(後半)処理(ステップS904)に応じた値に更新する(ステップS963)。
背景図柄B変動要求フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、背景図柄B変動要求フラグをリセットする(ステップS965)。そして、背景図柄Aの変動に対応した飾り図柄(この例では、第1飾り図柄。また、背景図柄Aの変動は第1特別図柄の変動にも対応。)の停止図柄が大当り図柄に決定されているか否か確認する(ステップS965B)。大当り図柄に決定されている場合には、ステップS968に移行する。大当り図柄に決定されていない場合には、全体変動時間タイマの値(飾り図柄の変動時間から10秒を差し引いた時間に相当)と背景図柄変動時間タイマBの値(新たな変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動時間から、その変動の開始時から切替ポイントまでの時間を差し引いた時間に相当)とを比較する(ステップS966)。全体変動時間タイマの値の方が大きい場合には、ステップS968に移行する。
背景図柄変動時間タイマBの値の方が大きい場合には、演出制御用CPU101は、背景図柄変動時間タイマBの値に合致する変動時間を有する背景図柄変動パターン(図11参照)があるか否か判定する(ステップS975)。そのような背景図柄変動パターンがある場合には、背景図柄のはずれ図柄を仮停止させる制御を行い(ステップS975B)、背景図柄変動時間タイマBの値を全体変動時間タイマに設定し(ステップS976)、合算保留記憶表示カウンタの値を−1して(ステップS977)、ステップS981に移行する。
また、背景図柄変動時間タイマBの値に合致する変動時間を有する背景図柄変動パターンがない場合には、背景図柄変動時間タイマBの値よりも小さい変動時間(図11参照)のうち最大の値から背景図柄変動時間タイマBの値を差し引いた値を、背景図柄変動時間タイマAに設定し(ステップS978)、背景図柄変動決定フラグをセットする(ステップS979)。例えば、背景図柄変動時間タイマBの値が17秒に相当する値であった場合には、背景図柄変動時間タイマBの値よりも小さい変動時間(図11参照)のうち最大の値は15秒であるから、背景図柄変動時間タイマAに2秒に相当する値が設定される。なお、この実施の形態では、背景図柄Aの変動時間を調整するが、背景図柄Bの方の変動時間を調整するようにしてもよい。例えば、背景図柄Bの最初に実行される高速変動の時間を調整するようにしてもよい。
ステップS978,S979の処理は、切替ポイントを変更するための処理である。ステップS978,S979の処理が実行された後、背景図柄変動中(前半)処理が実行されると、ステップS942〜S944の処理が実行され、背景図柄変動時間タイマAがタイムアウトとすると、変更後の切替ポイントが到来したことになり、ステップS953の処理が実行される。
ステップS968では、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する。この実施の形態では、切替ポイントにおいて背景図柄の変動を背景図柄Bの変動に切り替えない場合(すなわち、ステップS965の判定で「全体変動時間タイマ」となった場合)には合算保留記憶数を−1せず、また、第2保留記憶数は第2飾り図柄プロセス処理において−1されているので、実質的にダミー保留記憶が1増えるからである。
ステップS965Bの処理によって、背景図柄Aの変動に対応した飾り図柄(この例では、第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄に決定されている場合には、その背景図柄の変動が継続されることになる。この場合、背景図柄Aの変動に対応した飾り図柄(この例では、第1飾り図柄)の変動終了時よりも、背景図柄Bの変動に対応した飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動終了時の方が遅い場合もある。この実施の形態では、そのような場合には、背景図柄Aの変動が終了すると、可変表示装置9において、大当り遊技に関連する演出が実行される。そして、大当り遊技が実行されている間、背景図柄Bの変動に対応した飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動が中断される。その後、大当り遊技が終了すると、背景図柄Bの変動に対応した飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動が再開される。しかし、例えば第2飾り図柄の変動が再開されても、第2飾り図柄の変動に対応する背景図柄Bの変動は再開されない。なお、そのような場合には、ステップS968の処理で差数カウンタが+1されるので、あらためてステップS915の判定にもとづいて背景図柄の変動が開始される。しかし、背景図柄Aの変動に対応した飾り図柄(この例では、第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄であることに対応して実行される大当り遊技の終了後に、背景図柄Bの変動を再開するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、背景図柄変動中処理(後半)で用いる背景図柄変動パターンを決定する。具体的には、全体変動時間タイマの値に応じた変動時間を有する背景図柄変動パターンのうち、仮停止の態様を含まない背景図柄変動パターンを選択する(ステップS969)。
なお、ここでも、差数カウンタの値が0でない場合には、全体変動時間タイマの値に応じた変動時間を有する背景図柄変動パターンのうち、仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンを選択するようにしてもよい。ただし、ステップS968の処理で差数カウンタの値が1増やされるので、必ず仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンが選択されることになる。仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンを選択した場合には、仮停止するときに合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とを1減算して、ダミー保留記憶を消化する。なお、差数カウンタの値が2以上である場合には、変動パターン中に複数回(例えば2回)の仮停止がなされる背景図柄変動パターンを用いる。その場合、変動時間が終了するまでに、合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とが複数減算される。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS949で判定した新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であるか否か判定する(ステップS970)。大当り図柄でない場合にはステップS960に移行する。大当り図柄である場合には、その飾り図柄の変動終了時は背景図柄A(現在変動中の背景図柄すなわち全体変動時間タイマがタイムアウトしたときに停止される背景図柄)の変動終了時に対して所定時間以内であるか否か確認する(ステップS971)。所定時間以内であれば、背景図柄大当り表示フラグをセットし(ステップS972)、所定時間を越えていれば、背景図柄停止要求フラグをセットする(ステップS973)。そして、ステップS960に移行する。なお、ステップS966の処理で全体変動時間タイマの方が長いと判定され、ステップS970の判定で「N」となった場合に、仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンを選択するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、所定時間は、大当り図柄の表示時間と大当り表示の時間の合計(図37に示す第1大当り図柄停止処理におけるステップS184で設定される第1大当り表示時間タイマの値に相当、第2大当り図柄停止処理については、ステップS184の処理に相当する処理で設定される第2大当り表示時間タイマの値に相当)である。すなわち、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技が開始されるまでの時間である。
また、演出制御用CPU101は、例えば第2変動パターンコマンドの受信の直前に受信した表示結果コマンドが確変大当り指定コマンドまたは通常大当り指定コマンドである場合にフラグをセットし、そのフラグがセットされているか否かによって、新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であるか否か判定することができる。また、その飾り図柄の変動終了時を、背景図柄変動時間タイマBの値によって確認することができる。
また、第1特別図柄の変動と第1飾り図柄の変動とは同期し、第2特別図柄の変動と第2飾り図柄の変動とは同期しているので、また、この例では背景図柄Aは第1飾り図柄の変動に対応しているので、背景図柄Aの変動終了時と第1飾り図柄の変動終了時は同じ時点であり、ステップS970〜S973の処理は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動開始後変動終了時までに、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始され、さらに、その変動の停止図柄が大当り図柄である場合に、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が終了時点が第1特別図柄および第1飾り図柄の変動終了時に対して所定時間以内であることを条件に背景図柄大当り表示フラグをセットし(ステップS972)、所定時間を越えていることを条件に、背景図柄停止要求フラグをセットする(ステップS973)ことになる。
ステップS981では、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を確認する。差数カウンタの値が0でない場合には、全体変動時間タイマに値に応じた変動時間を有する背景図柄変動パターンのうち、仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンを選択する(ステップS982)。差数カウンタの値が0である場合には、全体変動時間タイマに値に応じた変動時間を有する背景図柄変動パターンのうち、仮停止の態様を含まない背景図柄変動パターンを選択する(ステップS983)。ステップS983の処理で選択される背景図柄変動パターンは、ステップS975の判定が「Y」であったときには、No.3*、No.5*またはNo.7*(変動時間が、15秒、25秒または35秒。ステップS949の処理で新たな変動パターンコマンドが受信されたと判断されたときにステップS951の処理で背景図柄変動時間タイマBに変動時間に相当する値(10秒、20秒、30秒または40秒に相当する値)が設定されるが、その後、切替ポイントについてのステップS944の判定が行われる前に必ず背景図柄変動時間タイマBの値は減算されるので(ステップS943参照)、ステップS975の判定で「Y」になる場合には、ステップS983の処理で変動時間が10秒、20秒、30秒または40秒の背景図柄変動パターンが選択されることはない。なお、ステップS951の処理で背景図柄変動時間タイマBに10秒に相当する値が設定されたときには、ステップS975の判断で「N」と判定されたときには、背景図柄変動時間タイマBの値(10秒に相当する値よりも小さい)よりも小さい変動時間は図10において定義していないので、その場合には、ステップS955に移行するようにしてもよい。)である。ステップS975の判定が「Y」であったときには、ステップS982の処理で選択される背景図柄変動パターンは、No.12*、No.14*またはNo.16*(変動時間が、15秒、25秒または35秒)である。また、ステップS953の判定が「Y」であったときには、ステップS983の処理でNo.2*〜No.7*のうちのいずれか(変動時間が、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒または35秒)の背景図柄変動パターンが選択される。ステップS982の処理ではNo.11*〜No.16*のうちのいずれか(変動時間が、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒または35秒)の背景図柄変動パターンが選択される。
なお、ステップS982,S983の処理が実行されるのはステップS966の判定で背景図柄変動時間タイマBの方が大きいと判断された場合である(ステップS954AおよびS954Bの判定でともに「Y」となった場合を除く。)。その場合、背景図柄Bに対応する特別図柄および飾り図柄の変動時間の残り時間が10秒以上であって、かつ、背景図柄Bに対応する特別図柄および飾り図柄の全体の変動時間が20秒、30秒または40秒であった場合である(図11参照)。すなわち、ステップS982,S983の処理が実行される場合に、背景図柄Bに対応する特別図柄および飾り図柄の全体の変動時間が10秒であったということはない。また、後述するように、仮停止するときに合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とを1減算して、ダミー保留記憶を消化する。なお、差数カウンタの値が2以上である場合には、変動パターン中に複数回(例えば2回)の仮停止がなされる背景図柄変動パターンを用いる。その場合、変動時間が終了するまでに、合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とが複数減算される。
そして、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS984)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS985)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS986)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中(後半)処理(ステップS904)に応じた値に更新する(ステップS987)。
図63〜図66は、演出制御用CPU101による背景図柄変動開始処理および背景図柄変動中(前半)処理による背景図柄の変動の例を示す説明図である。図63は、切替ポイントが到来する前に、新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)を受信したことに応じて第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の変動が開始されたことを示している。なお、第2特別図柄表示器8bでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御によって第2特別図柄の変動が開始されている。
そして、図63には、切替ポイントにおいて、背景図柄Aの変動時間の残り時間(第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間と同じ)よりも、背景図柄B(上述したように新たな変動パターンコマンドの受信にもとづいて開始されたと仮定した場合の背景図柄の変動。切替ポイントの時点では背景図柄Bの変動はなされていない。また、その変動時間は第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間と同じ)の変動時間の残り時間(第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の残り時間と同じ)の方が長い場合の例が示されている。さらに、背景図柄Bの変動時間の残り時間が28秒であったとする。
その場合には、演出制御用CPU101は、最初に切替ポイントになった時点(図60におけるステップS944参照)で、ステップS950でセットされた背景図柄B変動要求フラグを確認し(図61におけるステップS958参照)、背景図柄変動時間タイマAに3秒に相当する値をセットし(ステップS978参照)、背景図柄B変動決定フラグをセットする(ステップS979参照)。
そして、背景図柄変動時間タイマAがタイムアウトしたら、すなわち変更された切替ポイントの時点になったら(図60におけるステップS944参照)、背景図柄B変動決定フラグがセットされていることを確認し(ステップS953参照)、全体変動時間タイマに背景変動時間タイマBの値(背景図柄Bの変動時間の残り時間に相当。この例では25秒に相当。)を設定した後、背景図柄変動パターンを選択し(図62におけるステップS982,S983参照)、背景図柄の変動を継続させる。なお、継続される背景図柄の変動は、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応したものになる。この実施の形態では、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間の残り時間が10秒よりも長い場合には、リーチ演出を伴う背景図柄の可変表示を行うことができる。そこで、図63に例示する場合には、背景図柄の変動開始から13秒が経過したときに、リーチ演出を伴うNo.5*の背景図柄変動パターン(図11参照)を用いることができる。リーチ演出を伴う背景図柄変動パターンを用いた場合には、その背景図柄変動パターンに応じたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにもとづいて、演出制御用CPU101は、例えば最初の5秒間は左中右の背景図柄が高速変動し、5秒が経過したら左右の背景図柄を揃った状態で停止表示し、その後、背景図柄表示部9cにおいてリーチ演出が実行されるように制御する。なお、演出制御用CPU101は、揃った状態で停止表示される左右の背景図柄の種類を、背景図柄変動パターンによる変動が開始される時点、左右の背景図柄を揃った状態で停止表示する時点、またはそれ以前の時点において、例えば乱数を用いた抽選によって決定することができる。また、図63に例示されているように背景図柄の変動の切替(例えば、第1特別図柄および第1飾り図柄に対応した背景図柄の変動から、第2特別図柄および第2飾り図柄に対応した背景図柄の変動への切替)が行われる場合には、背景図柄の停止図柄を導出表示するときに決定してもよいが、背景図柄の変動の切替が行われる時点において、対応する飾り図柄に関連して受信されている表示結果コマンドに応じた停止図柄を決定するようにしてもよい。
図64には、切替ポイントにおいて、背景図柄Aの変動時間の残り時間の方が、背景図柄Bの変動時間の残り時間よりも長い場合の例が示されている。また、背景図柄Aの変動時間の残り時間が20秒であったとする。さらに、第1始動入賞数カウンタおよび第2始動入賞数カウンタの値が0であって、差数カウンタの値が0でない値になっている場合の例が示されている。
その場合には、切替ポイントになった時点(図60におけるステップS944参照)で、全体変動時間タイマの値(背景図柄Aの変動時間の残り時間に相当)の方が背景図柄変動時間タイマBの値(背景図柄Bの変動時間の残り時間に相当)よりも大きいことを確認し(図61におけるステップS966参照)、背景図柄変動パターンを選択し(ステップS969参照)、背景図柄の変動を継続させる。なお、継続される背景図柄の変動は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動に対応したものである。なお、この実施の形態では、継続される背景図柄の変動が第1特別図柄および第1飾り図柄の変動に対応したものである場合には、すなわち背景図柄Bの変動に切り替えない場合には、切替ポイントにおいて合算保留記憶数を減算しない。
さらに、背景図柄の変動が終了したときに第1始動入賞数カウンタおよび第2始動入賞数カウンタの値が0であって差数カウンタの値が0でない値になっている場合には、再び背景図柄の変動が開始される(図57のステップS915参照)。このようにして、ダミー保留記憶が消化される。
図65は、ステップS949で判定した新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動の停止図柄が大当り図柄であり、その飾り図柄の変動終了時は背景図柄Aの変動終了時に対して所定時間以内である場合を示す説明図である。なお、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、第2特別図柄の停止図柄も大当り図柄になる。
その場合には、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて背景図柄Aの変動を継続するように制御するが(図61におけるステップS966,S969参照)、ステップS972の処理で、背景図柄大当り表示フラグをセットする。そして、演出制御用CPU101は、背景図柄停止処理において、背景図柄大当り表示フラグがセットされている場合には、背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄および第1飾り図柄の表示結果(停止図柄)を大当り図柄にすると決定した後から、少なくとも表示結果が導出表示されるまでの特定期間において、表示結果を大当り図柄にする第2特別図柄および第2飾り図柄の変動は開始されない。また、第2特別図柄および第2飾り図柄の表示結果を大当り図柄にすると決定した後から、少なくとも表示結果が導出表示されるまでの特定期間において、表示結果を大当り図柄にする第1特別図柄および第1飾り図柄の変動は開始されない。従って、停止図柄を大当り図柄にする第1特別図柄および第1飾り図柄の変動と停止図柄を大当り図柄にする第2特別図柄および第2飾り図柄の変動とが同時に実行されることはなく、停止図柄を大当り図柄にする第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始されたということは、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動の停止図柄ははずれ図柄である。
図65に示す例では、切替ポイントを過ぎて実行される背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動に対応したものである。従って、本来、背景図柄の停止図柄ははずれ図柄にされるべきであるが、そのように制御すると、第2特別図柄および第2飾り図柄の停止時から所定時間(この実施の形態では、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技が開始されるまでの時間。例えば1秒。)をおいて大当り遊技が開始されることになるが、遊技者に視認されやすい背景図柄の停止図柄がはずれ図柄になってしまい、遊技者が不審感を抱く可能性がある。しかし、図63に例示したように制御すれば、そのような可能性をなくすことができる。
図66は、ステップS949で判定した新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動の停止図柄が大当り図柄であり、その飾り図柄の変動終了時は背景図柄Aの変動終了時に対して所定時間を越える場合を示す説明図である。
その場合には、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて背景図柄Aの変動を継続するように制御するが(図61におけるステップS966,S969参照)、ステップS973の処理で、背景図柄停止要求フラグをセットする。そして、演出制御用CPU101は、背景図柄停止処理において、背景図柄停止要求フラグがセットされている場合には、第2飾り図変動の終了停止時に背景図柄の変動を停止し、背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する。
図66に示す例では、切替ポイントを過ぎて実行される背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動に対応したものである。従って、本来、停止図柄の変動は第1飾り図柄に停止図柄が導出表示されるときに終了し、背景図柄の停止図柄ははずれ図柄にされるべきであるが、そのように制御すると、第2特別図柄および第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であることに対応して大当り遊技が開始されることになるが、大当り遊技中に遊技者に視認されやすい背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄が導出表示されてしまい、遊技者が不審感を抱く可能性がある。しかし、図66に例示したように制御すれば、そのような可能性をなくすことができる。
図67,図68は、背景図柄変動中(後半)処理(ステップS904)を示すフローチャートである。背景図柄変動中(後半)処理において、演出制御用CPU101は、全体変動時間タイマの値を−1する(ステップS611)。そして、全体変動時間タイマがタイムアウトしている(全体変動時間タイマの値が0になった)か否か確認し(ステップS612)、全体変動時間タイマがタイムアウトしている場合には、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄停止処理(ステップS905)に応じた値に更新する(ステップS613)。
全体変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、背景図柄停止要求フラグ(ステップS973およびステップS636参照)がセットされているか否か確認し、セットされていなければ、ステップS616に移行する。背景図柄停止要求フラグがセットされている場合には、新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド、ステップS620および図60におけるステップS949参照)を受信したことにもとづく飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動が終了したか否か確認する(ステップS615)。なお、新たな変動パターンコマンドを受信したことにもとづく飾り図柄の変動が終了したか否かは、例えば、第2飾り図柄停止指定コマンドを受信したことや、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2飾り図柄停止処理に応じた値に変化したことによって判定される。
新たな変動パターンコマンドを受信したことにもとづく飾り図柄の変動が終了した場合には、演出制御用CPU101は、背景図柄の変動を停止して、背景図柄停止要求フラグをリセットし(ステップS626)、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄停止処理(ステップS906)に応じた値に更新する(ステップS627)。
ステップS616では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を−1する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(値が0になったら)、プロセスデータの切替を行う(ステップS617,S618)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(可変表示装置9等)に対する制御状態を変更する。
また、切替後のプロセスデータが仮停止を示すデータであった場合には、合算保留記憶カウンタの値および差数カウンタの値を−1する(ステップS619)。すなわち、ダミー保留記憶を消化する。
また、演出制御用CPU101は、新たな変動パターンコマンド(この例では、第1特別図柄および第1飾り図柄に対応する背景図柄の変動が行われている場合には第2変動パターンコマンド、第2特別図柄および第2飾り図柄に対応する背景図柄の変動が行われている場合には第1変動パターンコマンド)を受信したか否か確認し(ステップS620)、受信していたら、ステップS630に移行する。
ステップS630では、演出制御用CPU101は、背景図柄(第1特別図柄および第1飾り図柄に対応する背景図柄の変動が行われている場合には背景図柄A、第2特別図柄および第2飾り図柄に対応する背景図柄の変動が行われている場合には背景図柄B)の変動に対応した飾り図柄の停止図柄が大当り図柄に決定されているか否か確認する。大当り図柄に決定されている場合には、ステップS632に移行する。大当り図柄に決定されていない場合には、全体変動時間タイマの値(背景図柄の変動時間の残り時間に相当)と新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動パターンの変動時間とを比較する。全体変動時間タイマの値の方が大きい場合には、ステップS632に移行する。新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動パターンの変動時間の方が大きい(長い)場合には、ステップS637に移行する。
ステップS630の処理によって、既に実行されている背景図柄(例えば、背景図柄Aとする。)の変動に対応した飾り図柄の停止図柄が大当り図柄に決定されている場合には、背景図柄Aの変動が継続されることになる。この場合、既に実行されている背景図柄Aの変動に対応した飾り図柄の変動終了時よりも、新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動終了時の方が遅い場合もある。この実施の形態では、そのような場合には、背景図柄Aの変動が終了すると、可変表示装置9において、大当り遊技に関連する演出が実行される。そして、大当り遊技が実行されている間、背景図柄Bの変動に対応した飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動が中断される。その後、大当り遊技が終了すると、背景図柄Bの変動に対応した飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動が再開される。しかし、例えば第2飾り図柄の変動が再開されても、第2飾り図柄の変動に対応する背景図柄Bの変動は再開されない。なお、そのような場合には、ステップS632の処理で差数カウンタが+1されるので、あらためてステップS915の判定にもとづいて背景図柄の変動が開始される。しかし、背景図柄Aの変動に対応した飾り図柄(この例では、第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄であることに対応して実行される大当り遊技の終了後に、背景図柄Bの変動を再開するようにしてもよい。
ステップS637以降の処理では、新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動パターンの変動時間の方が長い場合には、背景図柄の変動を、新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動に対応する変動(背景図柄Bの変動)に切り替えるための制御を行う。具体的には、まず、背景図柄を仮停止し(ステップS637)、新たに受信した変動パターンコマンドが示す飾り図柄の変動パターンの変動時間を全体変動時間タイマに設定し(ステップS638)、合算保留記憶表示カウンタの値を−1する(ステップS639)。
そして、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を確認する(ステップS640)。差数カウンタの値が0でない場合には、全体変動時間タイマに値に応じた変動時間を有する背景図柄変動パターンのうち、仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンを選択する(ステップS641)。差数カウンタの値が0である場合には、全体変動時間タイマに値に応じた変動時間を有する背景図柄変動パターンのうち、仮停止の態様を含まない背景図柄変動パターンを選択する(ステップS642)。ステップS642の処理で選択される背景図柄変動パターンは、No.1(通常変動の場合)、No.4*(変動時間が20秒の場合)、No.6*(変動パターンが30秒の場合)、またはNo.8*(変動時間が40秒の場合)である。ステップS641の処理で選択される背景図柄変動パターンは、No.9(通常変動の場合)、No.13*(変動時間が20秒の場合)、No.15*(変動パターンが30秒の場合)、またはNo.17*(変動時間が40秒の場合)である。なお、仮停止するときに合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とを1減算して、ダミー保留記憶を消化する。なお、差数カウンタの値が2以上である場合には、変動パターン中に複数回(例えば2回)の仮停止がなされる背景図柄変動パターンを用いる。その場合、変動時間が終了するまでに、合算保留記憶表示カウンタの値と差数カウンタの値とが複数減算される。また、この実施の形態では、切替ポイントを過ぎてから新たな変動パターンコマンドを受信すると直ちに背景図柄の変動を切り替えるか否か判定し、新たな変動パターンコマンドが示す変動時間の方が長いときには背景図柄の変動を切り替えるが、切替ポイントでのみ背景図柄の変動の切替が可能であるように制御してもよい。そのように制御することにより、背景図柄の切替をより自然に行うことができる。また、その場合には、切替ポイントを過ぎてから新たな変動パターンコマンドを受信したときには、変動中の背景図柄の変動が終了した後に差数カウンタの値が0でないことにもとづいて新たな変動パターンに対応する背景図柄の変動を開始するようにしてもよい。また、あらかじめ切替ポイントを複数設け、変動時間が長い背景図柄の変動が行われている場合には、新たな変動パターンコマンドを受信したときには、まだ経過していない切替ポイントのうちいずれかの切替ポイントで背景図柄を切り替えるようにしてもよい。
そして、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS643)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS644)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS645)。
ステップS632では、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する。この実施の形態では、背景図柄の変動を背景図柄Bの変動に切り替えない場合(すなわち、ステップS631の判定で「全体変動時間タイマ」となった場合)には合算保留記憶数を−1せず、また第2保留記憶数は第2飾り図柄プロセス処理において−1されているので、実質的にダミー保留記憶が1増えるからである。
次いで、ステップS620で判定した新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であるか否か判定する(ステップS633)。大当り図柄でない場合には処理を終了する。大当り図柄である場合には、その飾り図柄の変動終了時は背景図柄A(現在変動中の背景図柄すなわち全体変動時間タイマがタイムアウトしたときに停止される背景図柄)の変動終了時に対して所定時間以内であるか否か確認する(ステップS634)。所定時間以内であれば、背景図柄大当り表示フラグをセットし(ステップS635)、所定時間を越えていれば、背景図柄停止要求フラグをセットする(ステップS636)。なお、ステップS631の処理で全体変動時間タイマの方が長いと判定され、ステップS633の判定で「N」となった場合に、仮停止の態様を含む背景図柄変動パターンを選択するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、所定時間は、大当り表示の時間(図37に示す第1大当り図柄停止処理におけるステップS184で設定される第1大当り表示時間タイマの値に相当、第2大当り図柄停止処理については、ステップS184の処理に相当する処理で設定される第2大当り表示時間タイマの値に相当)である。すなわち、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技が開始されるまでの時間である。
図69〜図71は、演出制御用CPU101による背景図柄変動中(後半)処理による背景図柄の変動の例を示す説明図である。
そして、図69には、新たな変動パターンコマンドを受信したときに、背景図柄Aの変動時間の残り時間(第1特別図柄および第1飾り図柄の変動時間の残り時間と同じ)よりも、背景図柄B(上述したように新たな変動パターンコマンドの受信にもとづいて開始されたと仮定した場合の背景図柄の変動。切替ポイントの時点では背景図柄Bの変動はなされていない。)の変動時間(第2特別図柄および第2飾り図柄の変動時間と同じ)の方が長い場合の例が示されている。
その場合には、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて背景図柄Aの変動を継続し、新たな変動パターンコマンドを受信したときに合算保留記憶数を−1し、背景図柄変動パターンを選択し(図68におけるステップS641,S642参照)、背景図柄の変動を継続させる。なお、継続される背景図柄の変動は、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動に対応したものである。
図70は、新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動の停止図柄が大当り図柄であり、その飾り図柄の変動終了時は背景図柄Aの変動終了時に対して所定時間以内である場合を示す説明図である。なお、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、第2特別図柄の停止図柄も大当り図柄になる。
その場合には、演出制御用CPU101は、新たな変動パターンコマンドを受信しても背景図柄Aの変動を継続するように制御するが(図68におけるステップS631の判定結果が「全体変動時間タイマ」になったときには背景図柄変動パターンをあらためて選択することをしない)、ステップS635の処理で、背景図柄大当り表示フラグをセットする。そして、演出制御用CPU101は、背景図柄停止処理において、背景図柄大当り表示フラグがセットされている場合には、背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄および第1飾り図柄の表示結果(停止図柄)を大当り図柄にすると決定した後から、少なくとも表示結果が導出表示されるまでの特定期間において、表示結果を大当り図柄にする第2特別図柄および第2飾り図柄の変動は開始されない。また、第2特別図柄および第2飾り図柄の表示結果を大当り図柄にすると決定した後から、少なくとも表示結果が導出表示されるまでの特定期間において、表示結果を大当り図柄にする第1特別図柄および第1飾り図柄の変動は開始されない。従って、停止図柄を大当り図柄にする第1特別図柄および第1飾り図柄の変動と停止図柄を大当り図柄にする第2特別図柄および第2飾り図柄の変動とが同時に実行されることはなく、停止図柄を大当り図柄にする第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が開始されたということは、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動の停止図柄ははずれ図柄である。
図71は、ステップS620で判定した新たな変動パターンコマンド(この例では、第2変動パターンコマンド)が示す飾り図柄(この例では、第2飾り図柄)の変動の停止図柄が大当り図柄であり、その飾り図柄の変動終了時は背景図柄Aの変動終了時に対して所定時間を越える場合を示す説明図である。
その場合には、演出制御用CPU101は、背景図柄Aの変動を継続するように制御するが、ステップS636の処理で、背景図柄停止要求フラグをセットする。そして、演出制御用CPU101は、背景図柄変動中(後半)処理において、背景図柄停止要求フラグがセットされている場合には、第2飾り図柄の変動の終了停止時に背景図柄の変動を停止し、背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する(図74におけるステップS652参照)。
図72および図73は、可変表示装置9における背景図柄表示部9cでの背景図柄の可変表示の一例を示す説明図である。なお、この実施の形態では、第1可変表示部9aと第2可変表示部9bとの2つの可変表示部において、飾り図柄の変動表示を並行して行うことが可能である。図72および図73において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。なお、図72および図73において、飾り図柄および背景図柄としての矢印は、飾り図柄および背景図柄が変動中であることを示す。上述したように、図72および図73に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。
図72において、(1)の時点では、第1可変表示部9aと第2可変表示部9bの双方において第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動表示が並行して実行されている。また、背景図柄表示部9cでは、第1飾り図柄と第2飾り図柄のうちのいずれかに対応した背景図柄の可変表示が行われている。(2)に示すように、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示(変動)が第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示よりも先に終了して停止図柄(はずれ図柄)が導出表示されている。第1可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の停止図柄が導出表示されると、第1飾り図柄の可変表示を開始できる状態であるので、CPU56は、次の可変表示についての大当り判定を行う(ステップS62)。大当り判定の結果が大当りであったとする。
その後、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示が終了して停止図柄が導出され、新たな可変表示が開始される例が示されている((3),(4))。この実施の形態では、(4)の時点から開始される可変表示については強制はずれに決定される。なお、(8)の時点から開始される可変表示についても強制はずれに決定される。
また、(9)の時点で、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示が終了し、第1可変表示部9aおよび背景図柄表示部9cにおいて大当り図柄が導出表示されている。そして、背景図柄表示部9cにおいて、大当りを報知するための表示がなされる((10)参照)。そのとき、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が行われていた場合には、(9)に示すように第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は中断される。そして、第2可変表示部9bにはずれ図柄が停止表示される(図52におけるステップS822,S823,S824(ただし、ステップS822,S823において「第2」を「第1」と読み替え、「第1」を「第2」と読み替える。)参照)。その後、大当り遊技が実行されていることが示されている((11)〜(12))。また、図73には、大当り遊技が終了すると、第2飾り図柄の可変表示が再開される例が示されている((13)参照、図52におけるステップS831,S832,S833(ただし、ステップS831,S832において「第2」を「第1」と読み替え、「第1」を「第2」と読み替える。)参照)。
図74は、背景図柄停止処理(ステップS905)を示すフローチャートである。背景図柄停止処理において、演出制御用CPU101は、背景図柄の大当り図柄が既に導出表示されているか否か確認する。既に導出表示されている場合には、ステップS653に移行する。背景図柄の大当り図柄が導出表示されていない場合には、背景図柄大当り表示フラグ(図61におけるステップS972、図68におけるステップS635参照)がセットされているか否か確認する(ステップS651)。背景図柄大当り表示フラグがセットされている場合には、背景図柄大当り表示フラグをリセットし(ステップS651B)、背景図柄表示部9cに大当り図柄を導出表示する(ステップS652)。なお、ステップS652では、演出制御用CPU101は、背景図柄の変動の切替が行われなかった場合には、ステップS920で決定された停止図柄を導出表示するが、背景図柄の変動切替が行われた場合には、ステップS920で決定された停止図柄ではなく、切替後の背景図柄の変動に対応した飾り図柄の変動の結果(はずれ図柄または大当り図柄)に応じた背景図柄の停止図柄を導出表示するように制御する。背景図柄の変動切替が行われた場合に切替後の背景図柄の変動に対応した飾り図柄の変動の結果が大当り図柄である場合には、ステップS920では、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄が決定されている。この実施の形態では、表示結果が大当り図柄になる第1特別図柄および第1飾り図柄の変動と、表示結果が大当り図柄になる第2特別図柄および第2飾り図柄の変動とが同時に実行されないように制御されるからである。よって、背景図柄の変動切替が行われた場合に切替後の背景図柄の変動に対応した飾り図柄の変動の結果が大当り図柄である場合には、ステップS920で決定された背景図柄の停止図柄(はずれ図柄)が、大当り図柄に差し替えられて導出表示されることになる。また、ステップS920で決定された背景図柄の停止図柄(はずれ図柄)が、大当り図柄に差し替えられて導出表示されることになるのは、背景図柄の変動の切替は行われなかったが、背景図柄大当り表示フラグがセットされる場合(ステップS972,S635参照)も同様である。
背景図柄大当り表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、変動を行っていた背景図柄の停止図柄を大当り図柄とするか否か判定する(ステップS655)。例えば、第1飾り図柄の変動に対応して背景図柄の変動を行っていた場合、第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときには、背景図柄の停止図柄も大当り図柄である。背景図柄の停止図柄を大当り図柄とする場合には、ステップS652に移行し、大当り図柄を導出表示する。
大当り図柄を導出表示すると、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS652a)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS652aのY)、演出制御用CPU101は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、大当り用のファンファーレ演出を選択する(ステップS652b)。
次に、演出制御用CPU101は、ステップS652bにて選択したファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS652c)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS652d)。
背景図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合には、背景図柄表示部9cにはずれ図柄を導出表示し(ステップS656)、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS657)。
ステップS653では、大当り開始指定コマンド(第1特別図柄および第1飾り図柄に対応した背景図柄の変動の結果大当り図柄を導出表示した場合には第1大当り指定コマンド、第2特別図柄および第2飾り図柄に対応した背景図柄の変動の結果大当り図柄を導出表示した場合には第2大当り指定コマンド)を受信したか否か確認し、受信している場合には、背景図柄プロセスフラグを、大当り表示処理(ステップS906)に応じた値に更新する(ステップS654)。なお、特定時間(例えば、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでの時間)はあらかじめ決められているが、第1特別図柄および第1飾り図柄に対応した背景図柄の変動が停止する時点と大当り遊技状態が開始される時点とが接近している場合には、背景図柄の大当り図柄が停止表示されている期間(ステップS652参照)が短くなる。その場合には、強制的に大当り図柄が停止表示されている期間を長くする(例えば0.5秒以上にする。その分、ステップS907の大当り遊技中処理が実行される時間を短くする。)ことが好ましい。そのような制御を実現するには、演出制御用CPU101は、例えば、背景図柄停止処理が実行開始されるときに0.5秒を計測するタイマを設定し、タイマがタイムアウトする前に大当り開始指定コマンド(または、第1ラウンドについての大入賞口開放時表示コマンド)を受信したら、大当り図柄が停止表示されている期間を長くすればよい。なお、特定時間を、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでの時間よりも短くしてもよい。そのようにしたときには、例えばステップ971の処理において「N」と判定される場合が多くなるが、「Y」と判定された場合には、大当り図柄を停止表示している時間が、特定時間を短縮した分だけ長くなる。
図75および図76は、背景図柄プロセス処理における大当り表示処理(ステップS906)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1900)。なお、エンディングフラグは、15ラウンドが終了するときにエンディングコマンドを受信したことにもとづいてコマンド解析処理でセットされる。
エンディングフラグがセットされていなければ(ステップS1900のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。このとき、図柄/演出指定コマンドの内容とファンファーレコマンドの内容とが不一致だった場合には、大当り表示図柄として特定の図柄(「???」)が表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS1907)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1910)、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に設定する(ステップS1911)。
ステップS1900においてエンディングフラグがセットされているときは(ステップS1900のY:エンディングコマンドの受信にもとづいてエンディングフラグがセットされているとき)、演出制御用CPU101は、エンディングコマンドの内容にもとづいて、エンディング演出を選択する(ステップS1912)。そして、演出制御用CPU101は、大当り遊技の終了後の再抽選演出の実行/不実行に関して、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致しているか否かを判定する(ステップS1913)。
通常は、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とは一致しているはずである。しかし、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致しないことも起こり得る。この場合、図柄/演出指定コマンドまたはエンディングコマンドのいずれかについて、遊技制御用マイクロコンピュータ60より送信されてから演出制御用マイクロコンピュータ101にて受信されるまでの過程においてデータ化けなどが生じたことによって、本来のコマンドの内容と異なる内容のコマンドに変化してしまったことが考えられる。
このとき、誤ったエンディングコマンドにもとづいてエンディング演出を実行してしまうと、本来、エンディング演出において再抽選演出を実行すべきであったのに再抽選演出がされなかったり、再抽選演出を実行すべきでないのに再抽選演出が実行されたりしてしまう。この実施の形態では、再抽選演出を実行するときのエンディング演出の実行時間よりも再抽選演出を実行しないときのエンディング演出の実行時間の方が短くなるように設定されている。従って、実行時間の長いエンディング演出を実行しているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄/演出指定コマンドや変動パターンコマンドが送信されてきたり、逆に、実行時間の短いエンディング演出を終了した後も、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄/演出指定コマンド等が送信されてこないため、しばらくの間、エンディング演出の終了画面が表示されてしまうことになる。
そこで、このような事態を回避するために、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致していないと判定したときは(ステップS1913のN)、演出制御用CPU101は、ステップS1914において選択したエンディング演出を予め用意しておいた特別なエンディング演出に変更する(ステップS1914)。この特別なエンディング演出は、遊技者に違和感を与えず、かつ、どのようなタイミングで終了しても良いような内容の演出とされる。また、大当りが確変大当りであったか通常大当りであったかを表示しないのが好ましい。これにより、遊技者に違和感を与えずに、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用CPU101との制御の整合性を確保することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディングフラグをリセットし(ステップS1915)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1916)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1917)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS909)に対応した値に設定する(ステップS1918)。
図77は、背景図柄プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS907)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1921)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS1921のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1922)。大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1922のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1923)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1924)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。このとき、図柄/演出指定コマンドの内容とファンファーレコマンドの内容とが不一致だった場合には、大当り表示図柄として特定の図柄(「???」)が表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1925)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1926)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1927)。
ステップS1922において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1922のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1928)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1929)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1930)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1931)、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS908)に対応した値に設定する(ステップS1932)。
ステップS1921においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS1921のY)、演出制御用CPU101は、再抽選演出の実行が指定されているかどうかを確認し、再抽選演出の実行が指定されていれば(ステップS1933のY)、可変表示装置9に表示する背景図柄の大当り確定図柄を決定し格納する処理を行う(ステップS1934)。なお、大当り確定図柄とは、エンディング演出中の再抽選演出が実行された後に最終的に停止表示(導出表示)される背景図柄の大当り図柄のことをいう。
具体的には、演出制御用CPU101は、エンディングコマンドの内容にもとづいて、大当り確定図柄としてどのような図柄の図柄にすべきかを認識する。そして、各図柄に対応つけて複数の判定値が設定された、時短図柄用の大当り確定図柄決定用テーブルと確変図柄用の大当り確定図柄決定用テーブルと確変時短図柄用の大当り確定図柄決定テーブルとを予め用意しておく。演出制御用CPU101は、大当り確定図柄としてどのような格の図柄を決定すべきかを認識した上で、大当り確定図柄決定用テーブルを選択する。そして、大当り確定図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り確定図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄を大当り確定図柄に決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した大当り確定図柄をRAMにおける大当り確定図柄格納領域に格納する。
次に、演出制御用CPU101は、決定した大当り確定図柄およびエンディングコマンドの内容にもとづいて、エンディング演出を選択する(ステップS1935)。そして、演出制御用CPU101は、大当り遊技の終了後の再抽選演出の実行/不実行に関して、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致しているか否かを判定する(ステップS1936)。
図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致していないと判定したときは(ステップS1936のN)、演出制御用CPU101は、ステップS1935において選択したエンディング演出を予め用意しておいた特別なエンディング演出に変更する(ステップS1937)。この特別なエンディング演出は、上述したように、遊技者に違和感を与えず、かつ、どのようなタイミングで終了しても良いような内容の演出とされる。また、大当りが確変大当りであったか通常大当りであったかを表示しないのが好ましい。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディングフラグをリセットし(ステップS1938)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1939)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1940)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS909)に対応した値に設定する(ステップS1941)。
図78は、背景図柄プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS908)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1951)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1951のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1952)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1953)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。このとき、図柄/演出指定コマンドの内容とファンファーレコマンドの内容とが不一致だった場合には、大当り表示図柄として特定の図柄(「???」)が表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1954)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1955)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1956)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1951のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS1957)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1958)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1959)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1960)、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に設定する(ステップS1961)。
図79は、背景図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS909)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当りが終了することを示す大当り終了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。なお、大当り終了フラグは、コマンド解析処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大当り終了指定コマンドを受信したときにセットされる。
大当り終了フラグがセットされていないときは(ステップS1971のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1972)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS1973)。例えば、通常大当り、時短大当り、確変大当りまたは確変時短大当りが終了することを表示したり、エンディングコマンドにおいて再抽選演出の実行が指定されているときは、再抽選演出を実行する。また、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが不一致であるときは、上述した特別のエンディング演出を実行する。なお、図77には示していないが、再抽選演出において、大当り遊技の開始前の再抽選演出と同様に、遊技者による図柄昇格ボタン120の連打に応じて非確変図柄を確変図柄に昇格させる昇格演出を実行してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1974)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1975)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1976)。
大当り終了フラグがセットされたときは(ステップS1971のY)、演出制御用CPU101は、大当り演出フラグ等の所定のフラグをリセットし(ステップS1977)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に設定する(ステップS1978)。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の再抽選演出の演出態様について説明する。図80および図81は、可変表示装置9(例えば背景図柄表示部9c)において実行される大当り図柄の再抽選演出の表示例を示す説明図である。図80および図81において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図80および図81に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。
前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定において大当りとする旨の判定を行い、また確変大当りとする旨の決定をしたものとする。さらに、大当り遊技の終了後における再抽選演出を実行しないと決定したものとする。これに応じて確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り指定コマンドを受信することにより、確変大当り演出フラグをセットする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンをセーブし、変動パターン受信フラグをセットする。さらに、背景図柄の仮停止図柄を決定する。
図80(1)に示すように、可変表示装置9において背景図柄の変動(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止して非確変図柄(通常図柄)の大当り図柄(仮停止図柄)が仮停止表示される。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が仮停止表示されている。その後、大当り図柄の再抽選演出が開始される。
大当り図柄の再抽選演出が開始され昇格演出が開始されると、(2)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上に「「2」「4」を確変図柄に昇格させたい場合はボタンを連打!!」という文が表示される。この時点から昇格有効期間(例えば5秒)の計測が開始される。(2)に示す内容の文に従って、遊技者は図柄昇格ボタン120を連打する。
(3)に示すように、遊技者が図柄昇格ボタン120を押す(操作する)ことに応じて、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる。(4)に示すように、メータのレベルが昇格有効期間(例えば5秒)内に最大まで上昇すると(つまり昇格条件である図柄昇格ボタン120が10回押されると)、昇格有効期間経過後に可変表示装置9の画面上に「「2」「4」を確変図柄に昇格させます」という文が表示される(ステップS852,S853)。このような表示が、図柄の昇格の表示に該当する。なお、メータのレベルに合わせて非確変図柄の色を確変図柄の色に近づくように変更していってもよい。このような構成によれば、さらに図柄が昇格されそうかどうかを遊技者が認識しやすくなる。
その後、大当り図柄確定演出の実行時間になると、停止図柄として停止表示される背景図柄の大当り表示図柄が決定される。そして、大当り図柄確定演出が開始される。大当り図柄確定演出が開始されると、図79(5)に示すように、左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態で全図柄の変動が開始される。このとき、確変図柄と非確変図柄とが遊技者から明確に分かるように、確変図柄と非確変図柄とが区別されて表示される。例えば、確変図柄と非確変図柄とが異なる形で表示されたり、確変図柄と非確変図柄とが異なる色(例えば、確変図柄は赤で、非確変図柄は青)で表示される。また、昇格演出において昇格した図柄は、確変図柄として表示される。具体的には、昇格演出において確変図柄に昇格した図柄「2」「4」は確変図柄として表示される。
その後、(6)に示すように、可変表示装置9において大当り表示図柄が停止表示される。この実施の形態では、確変図柄に昇格した左中右の図柄「222」が揃った状態で表示されている。これにより、(7)に示すように、確変大当りが確定する。そして、大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に制御されることになる。
次に、可変表示装置9における確変図柄を非確変図柄に降格させる場合の大当り図柄の再抽選演出の演出態様について説明する。図82および図83は、確変図柄を非確変図柄に降格させる場合の大当り図柄の再抽選演出の表示例を示す説明図である。図82および図83において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図82および図83に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。
前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定において大当りとする旨の判定を行い、大当り図柄として非確変図柄(通常図柄)を決定したものとする。さらに、大当り遊技の終了後における再抽選演出を実行しないと決定したものとする。これに応じて通常大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り指定コマンドを受信することにより、通常大当り演出フラグをセットする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンをセーブし、変動パターン受信フラグをセットする。さらに、背景図柄の仮停止図柄を決定する。
図82(1)に示すように、可変表示装置9において背景図柄の変動(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止して非確変図柄(通常図柄)の大当り図柄(仮停止図柄)が仮停止表示される。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が仮停止表示されている。その後、大当り図柄の再抽選演出が開始される。
大当り図柄の再抽選演出が開始され昇格演出が開始されると、(2)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上に「「2」「4」を確変図柄に昇格させたい場合はボタンを連打!!」という文が表示される。この時点から昇格有効期間(例えば5秒)の計測が開始される。なお、降格対象の確変図柄も決定するように構成されている場合には、降格対象の確変図柄「7」も表示図柄として可変表示装置9の画面上に表示される。例えば、可変表示装置9の画面上に「「7」を非確変図柄に降格させたくない場合にはボタンを押しなさい!」という文を表示する。
ここで、(3)に示すように、遊技者が図柄昇格ボタン120を全く押さなかった場合、昇格有効期間が経過することにより昇格条件が成立しなかっただけでなく降格条件が成立する。それにより、(4)に示すように、昇格有効期間経過後に可変表示装置9の画面上に「タイムオーバー、残念!!「7」を非確変図柄に降格させます」という文が表示される。このような表示が、図柄の降格の表示に該当する。
その後、大当り図柄確定演出が開始される。大当り図柄確定演出が開始されると、図83(5)に示すように、左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態で全図柄の変動が開始される。このとき、確変図柄と非確変図柄とが遊技者から明確に分かるように、確変図柄と非確変図柄とが区別されて表示される。また、昇格演出において昇格条件が成立せず、かつ降格条件が成立して非確変図柄に降格した図柄は、非確変図柄として表示される。具体的には、昇格演出において非確変図柄に降格した図柄「7」は非確変図柄として表示される。
その後、(6)に示すように、可変表示装置9において大当り表示図柄が停止表示される。この実施の形態では、非確変図柄に降格した左中右の図柄「777」が揃った状態で表示されている。これにより、(7)に示すように、非確変大当り(通常大当り)が確定する。そして、遊技状態が確変状態に制御されていたときは、大当り遊技の終了後に、通常遊技状態に移行することになる。
なお、上述したように、昇格有効期間において1回も遊技者によって図柄昇格ボタン120が押されたことを確認できなかったとき、降格条件が成立したものと判定するが(ステップS854のY)、確変大当りになることが決定されているときは(ステップS117のYまたはステップS123のY)、全ての確変図柄が非確変図柄に降格されてしまうと、非確変大当り(通常大当り)が確定したことになってしまうため、確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は非確変図柄に降格させてはならない。これを実現するために、例えば確変図柄の少なくとも一つ(例えば「5」)は非確変図柄に降格しないものと予め決めておいてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値(本例では4)以上であるか否かを判定する。また、合算保留記憶表示カウンタの値が所定値以上であると判定されると、背景図柄の可変表示を開始してから第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)の停止図柄に対応する背景図柄を背景図柄表示部9cに導出表示するまでの可変表示時間を短縮する。そのため、合算保留記憶数が所定値以上であるにもかかわらず、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)のいずれか一方の可変表示時には短縮変動が行われるが、他方の可変表示時には短縮変動が行われない事態が発生することを防止することができる。従って、背景図柄表示部9cにおける始動記憶数に対応して可変表示の短縮変動を行うことができる。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示に対応した背景図柄表示部9cにおける表示演出を開始した後に、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示が開始され、かつ、第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bに表示結果として大当り図柄を導出表示する時点から所定時間内に背景図柄表示部9cにおける表示演出を終了する場合には、背景図柄の変動時間が経過したときに背景図柄表示部9cに大当り図柄を導出表示する。よって、第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bにおける可変表示に関する報知が遊技者に対して全くなされないうちに突然に大当り遊技が開始されるようなことが防止され、遊技者に不審感を与えないようにすることができる。
また、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示に対応した背景図柄表示部9cにおける表示演出を開始した後に、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示が開始され、かつ、第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bに表示結果として大当り図柄を導出表示する時点から所定時間を越えた後に背景図柄表示部9cにおける表示演出を終了する場合には、第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bに大当り図柄が導出表示される時点で、背景図柄表示部9cに大当り図柄を導出表示する。よって、第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bにおける可変表示に関する報知が遊技者に対して全くなされないうちに突然に大当り遊技が開始されるようなことが防止され、遊技者に不審感を与えないようにすることができる。
さらに、この実施の形態では、遊技状態が特別遊技状態(時短状態や確変状態)に制御されている場合において、複数の可変表示部のいずれか一方における識別情報の可変表示の開始時に、事前決定手段により所定の移行条件が成立しない旨の決定がされたとき(ステップS208で通常大当りであると判定されたとき)は、その識別情報の可変表示の開始時に特別遊技状態であるか否かを示す状態データを非特別状態データに設定することにより、特別遊技状態を終了させる。そのため、特別遊技状態の終了を他方の可変表示部における遊技制御に直ちに反映させることができ、その結果、公平な遊技機を提供することができる。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、図柄保留記憶表示部18cに8つの表示領域があり、合算保留記憶数の上限値は所定値(上記の実施の形態では8)に固定されていたが、合算保留記憶数の上限値を遊技状態によって変更するようにしてもよい。図84は、合算保留記憶数の上限値が変更される場合の図柄保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。
この実施の形態では、確変状態では、図84(A)に示すように、合算保留記憶数の上限値を8にして、図柄保留記憶表示部18cに8つの表示領域を表示する。すなわち、第1の実施の形態と同様の制御を行う。しかし、通常状態(時短状態を含む)では、図84(B)に示すように、合算保留記憶数の上限値を4にして、図柄保留記憶表示部18cに4つの表示領域を表示する。
上述したように、確変状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。すなわち、確変状態では、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性が高くなる。そこで、確変状態では、合算保留記憶数の上限値を多くする。そのような制御を実行することによって、遊技者に合計数が増えたかのように感じさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
そのような制御を実現するには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から確変状態指定コマンドを受信して遊技状態が確変状態であることを確認した後には、合算保留記憶数の上限値を例えば8にする。また、電力供給開始時から最初に確変状態指定コマンドを受信するまで、および時短状態指定コマンドまたは通常状態指定コマンドを受信した後には、すなわち通常状態(時短状態を含む)では、合算保留記憶数の上限値を例えば4にする。従って、通常状態では、例えば図55に示すステップS854,S860,S863の判定を、合算保留記憶表示カウンタの値が4以上であるか否かの判定に変更する。
なお、この実施の形態では、普通図柄表示器10において停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められる遊技状態(すなわち、この実施の形態での確変状態)において合算保留記憶数の上限値を増やすが、普通図柄表示器10において停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められている状態のみが生ずるように制御して、そのような状態において合算保留記憶数の上限値を増やすようにしてもよい。また、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められている状態のみが生ずるように制御して、そのような状態において合算保留記憶数の上限値を増やすようにしてもよい。さらに、遊技者にとって有利になっているその他の遊技状態(例えば、時短状態、時短状態かつ普通図柄表示器10において停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められている状態、時短状態かつ可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められている状態)が生ずるように制御して、そのような状態において合算保留記憶数の上限値を増やすようにしてもよい。
合算保留記憶数の上限値を変更するように制御する場合でも、第1始動入賞口13への有効始動入賞数に相当する第1保留記憶数および第2始動入賞口14への有効始動入賞数に相当する第2保留記憶数の上限値は、それぞれ4である。しかし、合算保留記憶数の上限値が4になっているときには、すなわち確変状態でないときには、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性は低いので(第2保留記憶数はさほど増えないので)、合算保留記憶数の上限値を4にしても、合算保留記憶数は、ほぼ第1保留記憶数に一致する。ただし、第2保留記憶数が1以上になることもあるが、その場合には、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として第2保留記憶に対応した背景図柄の可変表示を実行する。しかし、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計(真の合計)が4を越えている場合には、背景図柄の可変表示を実行しない。
なお、第2の実施の形態において、主基板31その他の基板のハードウェア構成は、第1の実施の形態におけるハードウェア構成と同じである。
実施の形態3.
上記の実施の形態では背景図柄を図柄(具体的には数字)にし、背景図柄による表示演出として図柄の変動を示したが、背景図柄による表示演出は、図柄やキャラクタの変動に限定されない。例えば、可変表示装置9において、キャラクタが動作するような表示演出を行うことによって、背景図柄による表示演出を実現してもよい。
図85および図86は、可変表示装置9において、キャラクタが動作するような表示演出の一例を示す説明図である。なお、図85および図86には、第1飾り図柄および第2飾り図柄としてそれぞれ左中右の3つの図柄が可変表示される例が示されている。
図85および図86に示す例では、演出制御用CPU101は、背景図柄表示部9cに、格闘技の選手のような2つのキャラクタが格闘を行う表示がなされるように制御する(図85(A)から(D)参照)。そして、リーチ演出として一方の選手が他方の選手を押さえ込んだような表示演出を行う(図86(E)参照)。さらに、飾り図柄として大当り図柄が導出表示されるときに、一方の選手が他方の選手を所定時間押さえ込んで勝利したかのような表示演出を行う(図86(F)参照)。
また、飾り図柄として大当り図柄が導出表示されるときに、他方の選手がギブアップしたかのような表示演出を行ってもよいし(図86(G)参照)、一方の選手が直ちに勝利したかのような表示演出を行ってもよい(図86(H)参照)。
このような表示演出を行っても、飾り図柄の変動に対応した背景図柄による表示演出を実現することができる。
なお、第3の実施の形態において、主基板31その他の基板のハードウェア構成は、第1の実施の形態におけるハードウェア構成と同じである。
また、上記の各実施の形態では、大当りの判定をスキップすることによって(図31におけるステップS65参照)、第2特別図柄表示器8bで表示結果が大当り図柄になる第2特別図柄の可変表示が実行されているときには第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないように制御したが、第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないようにするための手段は、そのようなものに限られない。例えば、CPU56は、特別図柄の変動開始時に大当りとするか否かの判定を常に行い、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が大当り変動(停止図柄を大当り図柄とする変動)中であるときには、判定結果が大当りである場合には判定結果をはずれに変更するようにしてもよい。また、CPU56は、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、大当り判定の処理を実行する前に、乱数バッファに格納されている大当り判定用乱数の値をはずれに相当する値に変更するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、時短状態は、確変状態の終了後にのみ移行されるように構成されているが、そのような構成に限られず、例えば大当り図柄のうち時短状態になる大当り図柄(時短図柄)を定め、時短状態になる大当り図柄で大当りとなった後に時短状態に制御されるように構成されていてもよい。また、大当り図柄の全てを時短図柄(すなわち、「1」「2」「5」「7」「9」の全ての図柄を時短図柄)にしてもよい。さらに、確変図柄と時短図柄とは区別されていても重複していてもよい。確変図柄と時短図柄とが重複しているときは、そのような図柄で大当りとなると、確変状態でかつ時短状態に制御されることになる。
また、上記の各実施の形態では、確変フラグや時短フラグがセットされる時点および確変フラグや時短フラグがリセットされる時点は、特別図柄の停止図柄が導出表示されたときや大当り遊技の終了時であったが、特別図柄の変動開始時に、確変フラグや時短フラグのセット/リセットを行うようにしてもよい。特別遊技状態(確変状態または時短状態)への移行条件が成立した場合に、特別図柄の変動開始時に、確変フラグや時短フラグのセット/リセットを行わない場合(例えば、特別図柄の可変表示が終了してから確変フラグや時短フラグのセット/リセットを行う場合)には、遊技者に与えられる利益が異なってしまう可能性がある。例えば、確変状態または時短状態において確変状態の終了条件または時短状態の終了条件が成立することになる第1特別図柄の変動(可変表示)が開始された直後に、第2特別図柄の変動の開始条件が成立したときには、特別図柄の変動が終了してから確変フラグまたは時短フラグがリセットされるように構成した場合には、第2特別図柄の変動が開始されるときには、遊技状態は確変状態または時短状態であり変動時間が確変状態または時短状態において選択されうる時間になる(確変状態については、特に、通常状態において選択されうる変動時間と異なるようにした場合)。一方、第1特別図柄の変動が開始されてから変動が終了するまで第2特別図柄の変動の開始条件が成立しない場合には、確変状態または時短状態において第2特別図柄の変動は開始されない。すなわち、第2特別図柄の変動の開始条件が成立する場合としない場合とで、確変状態または時短状態における変動の回数が異なってくる(特に、確変状態または時短状態における変動可能回数が設定されている場合)。ところが、特別図柄の変動を開始するときに確変フラグまたは時短フラグをリセットすれば、そのような異なりは生じない。
また、上記の各実施の形態では、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信して、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断したが、他の時点においても、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断するようにしてもよい。例えば、いわゆるパンク抽選(確変状態において、確変状態を終了させるか否かを抽選によって決定するように構成された場合のその抽選)によって確変状態を終了させることに決定されたときに、その旨を遊技者に報知するために、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信して、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断させるようにしてもよい。
また、第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において識別情報の可変表示が実行される可変表示時間を計測する計測手段と、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されているときに計測手段の計測を中断させる計測中断手段とを含むので、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されるまでは第1の可変表示部における可変表示を継続でき、第2の可変表示部に特定表示結果が導出表示されることが決定されたときに第1の可変表示部における可変表示を中断する場合に比べて、早めに第1の可変表示部における可変表示を終了させることができる。よって、可変表示の終了までの時間を長引かせて遊技者に不利益を与えることを防止できる。
実施の形態4.
図87は、実施の形態4における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図28に示した演出制御コマンドにおいて、変動パターンコマンド(8000(H)〜80034(H))は、変動時間のみ指定する演出制御コマンドであったが、図87に示す演出制御コマンドにおいて、変動パターンコマンド(8000(H)〜8034(H))は、変動時間を指定するだけでなく、大当り終了後の再抽選演出の実行の有無も指定する。すなわち、変動パターンのうち大当り時の変動パターンについては、大当り終了後の再抽選演出の実行ありの変動パターンコマンドと再抽選演出の実行なしの変動パターンコマンドとに分けている。
これに応じて、変動パターンテーブルについても、大当り時の変動パターンテーブルは、再抽選演出の不実行を指定する変動パターンが設定された変動パターンテーブルと再抽選演出の実行を指定する変動パターンが設定された変動パターンテーブルに分けられる。
また、図28に示した演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(9004(H))、通常大当り指定コマンド(9003(H))、時短大当り指定コマンド(9001(H))、確変大当り指定コマンド(9000(H))、確変時短大当り指定コマンド(9002(H))、再抽選付き通常大当り指定コマンド(9006(H))、再抽選付き時短大当り指定コマンド(9007(H))、再抽選付き確変大当り指定コマンド(9008(H))および再抽選付き確変時短大当り指定コマンド(9009(H))の9つが設けられていたが、図87に示す演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(9004(H))、通常大当り指定コマンド(9003(H))、時短大当り指定コマンド(9001(H))、確変大当り指定コマンド(9000(H))、確変時短大当り指定コマンド(9002(H))の5つしか設けられていない。
実施の形態1では、図柄/演出指定コマンドで再抽選演出の実行の有無を指定していたが、この実施の形態4では、変動パターンコマンドで再抽選演出の実行の有無を指定していることになる。
上記のようなコマンドを送信する処理について説明する。図88および図89は、実施の形態4における第1特別図柄停止図柄設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理についても図88および図89に示すものと同じ内容である。
図88および図89に示す第1特別図柄停止図柄設定処理において、図32および図33に示した第1特別図柄停止図柄設定処理と異なるところは、ステップS1109,S1115,S1121,S1128で再抽選付きの大当り指定コマンドを送信する制御を実行しない点である。それ以外の処理については、図32および図33に示した第1特別図柄停止図柄設定処理と同じである。
図90は、実施の形態4における第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。なお、第2変動パターン設定処理についても図90に示すものと同じ内容である。
図90に示す第1変動パターン設定処理において、図34に示した第1変動パターン設定処理と異なるところは、図34のステップS202aでは、状態データおよび第1大当りフラグのセット状態に応じて変動パターンテーブルを選択していたが、図90のステップS202Aでは、状態データおよび第1大当りフラグのセット状態だけでなく、再抽選実行フラグのセット状態も認識して変動パターンテーブルを選択する点である。すなわち、図90のステップS202Aでは、状態データにもとづいて遊技状態を認識し、第1大当りフラグにもとづいて大当りとなるか否かを認識し、大当りになると認識した場合に、再抽選実行フラグにもとづいて大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行するか否かを認識した上で、変動パターンテーブルを選択する。
例えば、状態データによって遊技状態が通常遊技状態であることを認識し、第1大当りフラグによって大当りになると認識し、さらに再抽選実行フラグによって大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行すると認識した場合は、通常遊技状態用の大当り時の再抽選実行有りの場合の変動パターンテーブルが選択される。そして、この変動パターンテーブルを用いて再抽選演出の実行を指定する変動パターンが決定され(ステップS212)、決定された変動パターンコマンドが演出制御基板80に送信される(ステップS213)。
次に、演出制御コマンドの解析処理について説明する。図91は、実施の形態4におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、図91は、実施の形態1における図48に対応する図である。実施の形態1における図47において、ステップS1630〜S1642の処理は実行されない。上述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560から再抽選付きの大当り指定コマンドが送信されないためである。
図91に示すコマンド解析処理において、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8034(H))であれば(ステップS1648)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1649)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1650)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで再抽選演出の実行が指定されているか否かを判定する(ステップS1670)。再抽選演出の実行が指定されているときは、大当り終了後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1671)。再抽選演出の実行が指定されていないときは、大当り終了後再抽選不実行フラグをセットする(ステップS1672)。その後、ステップS1651〜S1665の処理を実行する。なお、ステップ1S651〜S1665の処理は、図46に示した処理と同様である。
なお、以上に示した図以外の構成については、実施の形態1に示したもの同様の構成である。
このような構成においても、実施の形態1の場合と同様に、大当り図柄が表示された以後において遊技者にとって再抽選演出がいつ実行されるかわからず、また再抽選演出が複数回(2回)実行される可能性もあるため、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。また、大当り遊技の開始前の再抽選演出において確変大当りが発生したにもかかわらず大当り遊技の終了後の再抽選演出が実行されるといった不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。また、大当り遊技中において誤った大当り図柄の表示を行うおそれがなくなる。さらに、変動パターンコマンドを変動時間のみならず大当り遊技終了後の再抽選演出を実行するか否かを特定可能なコマンドとしたので、遊技制御用マイクロコンピュータと演出制御用マイクロコンピュータ100におけるコマンド送受信に関わる制御負担を軽減することができる。
実施の形態5.
図92は、実施の形態5における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図28に示した演出制御コマンドにおいて、変動パターンコマンド(8000(H)〜8034(H))は、変動時間のみ指定する演出制御コマンドであったが、図92に示す演出制御コマンドにおいて、変動パターンコマンド(8000(H)〜8034(H))は、変動時間を指定するだけでなく、大当り種別(通常大当りか時短大当りか確変大当りかなど)についても指定する。すなわち、変動パターンのうち大当り時の変動パターンについては、通常大当りの変動パターンコマンドと時短大当り時の変動パターンコマンドと確変大当りの変動パターンコマンドと確変時短大当り時の変動パターンコマンドとに分けている。
これに応じて、変動パターンテーブルについても、大当り時の変動パターンテーブルは、通常大当りの変動パターンが設定された変動パターンテーブルと、時短大当り時の変動パターンが設定された変動パターンテーブルと、確変大当りの変動パターンが設定された変動パターンテーブルと、確変時短大当り時の変動パターンが設定された変動パターンテーブルとに分けられる。
また、図28に示した演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(9004(H))、通常大当り指定コマンド(9003(H))、時短大当り指定コマンド(9001(H))、確変大当り指定コマンド(9000(H))、確変時短大当り指定コマンド(9002(H))、再抽選付き通常大当り指定コマンド(9006(H))、再抽選付き時短大当り指定コマンド(9007(H))、再抽選付き確変大当り指定コマンド(9008(H))および再抽選付き確変時短大当り指定コマンド(9009(H))の9つが設けられていたが、図92に示す演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(9004(H))、再抽選なし指定コマンド(9000(H);大当り終了後の再抽選演出の不実行の指定)、再抽選あり指定コマンド(9001(H);大当り終了後の再抽選演出の実行の指定)の3つしか設けられていない。
実施の形態1では、図柄/演出指定コマンドで再抽選演出の実行の有無と大当りの種別を指定していたが、この実施の形態5では、変動パターンコマンドで大当りの種別を指定していることになる。
次に、上記のようなコマンドを送信する処理について説明する。図93および図94は、実施の形態5における第1特別図柄停止図柄設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理についても図93および図94に示すものと同じ内容である。
図93および図94に示す第1特別図柄停止図柄設定処理において、図32および図33に示した第1特別図柄停止図柄設定処理と異なるところは、大当り指定コマンドを送信する処理(ステップS1108,S1114,S1120,S1127)に代えて、再抽選なし指定コマンドを送信し(ステップS1108A,S1114A,S1120A,S1127A)、また、再抽選付きの大当り指定コマンドを送信する処理(ステップS1109,S1115,S1121,S1128)に代えて、再抽選あり指定コマンドを送信する(ステップS1109A,S1115A,S1121A,S1128A)ことである。それ以外の処理については、図32および図33に示した第1特別図柄停止図柄設定処理と同じである。
図95は、実施の形態5における第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。なお、第2変動パターン設定処理についても図95に示すものと同じ内容である。
図95に示す第1変動パターン設定処理において、図34に示した第1変動パターン設定処理と異なるところは、図34のステップS202aでは、状態データおよび第1大当りフラグのセット状態に応じて変動パターンテーブルを選択していたが、図95のステップS202Bでは、状態データおよび第1大当りフラグのセット状態だけでなく、大当りフラグ(時短大当りフラグ、確変大当りフラグ)のセット状態も認識して変動パターンテーブルを選択する点である。すなわち、図95のステップS202Bでは、状態データにもとづいて遊技状態を認識し、第1大当りフラグにもとづいて大当りとなるか否かを認識し、大当りになると認識した場合に、大当りフラグのセット状態にもとづいて大当り種別を認識した上で、変動パターンテーブルを選択する。
例えば、状態データによって遊技状態が通常遊技状態であることを認識し、第1大当りフラグによって大当りになると認識し、さらに大当りフラグによって確変大当りになると認識した場合は、通常遊技状態用の大当り時の確変大当りの場合の変動パターンテーブルが選択される。そして、この変動パターンテーブルを用いて確変大当りを指定する変動パターンが決定され(ステップS212)、決定された変動パターンコマンドが演出制御基板80に送信される(ステップS213)。
次に、演出制御マンドの解析処理について説明する。図96および図97は、実施の形態5におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、図96は、実施の形態1における図46に対応する図であり、図97は、実施の形態1における図48に対応する図である。実施の形態1における図46および図47において、ステップS1617〜S1642の処理は実行されない。上述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560から通常大当り指定や時短大当り指定などの図柄/演出指定コマンドが送信されないためである。
図96および図97に示すコマンド解析処理において、ステップS1611〜S1616の処理は、図46に示した処理と同じである。受信した演出制御コマンドが、再抽選あり指定の演出制御コマンド(再抽選あり指定コマンド:9001(H))であれば(ステップS1680)、大当り終了後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1681)。受信した演出制御コマンドが、再抽選なし指定の演出制御コマンド(再抽選なし指定コマンド:9000(H))であれば(ステップS1682)、大当り終了後再抽選不実行フラグをセットする(ステップS1683)。その後、ステップS1643の処理に移行する。
ステップS1647の処理の後に、次のような処理が行われる。受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8034(H))であれば(ステップS1648)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1649)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1650)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンが大当り時の変動パターンであれば、その変動パターンコマンドにもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS1690)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り種別に応じた大当り演出フラグをセットする(ステップS1691)。例えば、通常大当りを指定する変動パターンコマンドであったならば、通常大当り演出フラグをセットし、確変時短大当りを指定する変動パターンコマンドであったならば、確変大当り演出フラグをセットするとともに、時短大当り演出フラグをセットする。その後、ステップS1651〜S1665の処理を実行する。なお、ステップS1651〜S1665の処理は、図48に示した処理と同様である。
なお、以上に示した図以外の構成については、実施の形態1に示したもの同様の構成である。
このような構成においても、実施の形態1の場合と同様に、大当り図柄が表示された以後において遊技者にとって再抽選演出がいつ実行されるかわからず、また再抽選演出が複数回(2回)実行される可能性もあるため、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。また、大当り遊技の開始前の再抽選演出において確変大当りが発生したにもかかわらず大当り遊技の終了後の再抽選演出が実行されるといった不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。また、大当り遊技中において誤った大当り図柄の表示を行うおそれがなくなる。さらに、変動パターンコマンドを変動時間のみならず大当り遊技終了後の再抽選演出を実行するか否かを特定可能なコマンドとしたので、遊技制御用マイクロコンピュータと演出制御用マイクロコンピュータ100におけるコマンド送受信に関わる制御負担を軽減することができる。
実施の形態6.
図98は、実施の形態6における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図98に示す演出制御コマンドでは、大入賞口開放中表示コマンド(B10X(H)、B11X(H))において、ラウンド数に応じたラウンド中の表示を指定するのみならず、ラウンド中の再抽選演出の実行/不実行を指定するようにしている。
この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理(ステップS307)において、再抽選実行フラグがセットされているかどうかを確認するとともに、ラウンド数カウンタの値にもとづいて次に開始するラウンド数を確認する。そして、再抽選実行フラグがセットされているときは、予めラウンド毎に再抽選演出の実行の有無が定められているテーブルの内容に従って、ラウンド数に応じたラウンド中の表示およびラウンド中の再抽選演出の実行/不実行を指定する大入賞口開放中表示コマンドを送信する制御を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100は、この大入賞口開放中表示コマンドを受信すると、そのコマンドの内容をコマンド解析処理で解析し、当該コマンドの内容に応じて、大当り表示処理(ステップS906)およびラウンド後処理(ステップS908)においてラウンド中演出を選択する。そして、ラウンド中処理(ステップS907)において所定のラウンド中に再抽選演出を実行する。このような構成によれば、大当り遊技の開始前やエンディング演出の実行時以外に、ラウンド中においても再抽選演出を実行することが可能となる。従って、再抽選演出がいつ行われるか遊技者には一層わからなくなり、その結果、再抽選演出の実行(すなわち確変状態への移行)に対する期待感を遊技者に常に持たせることができるようになる。
なお、実施の形態6では、ラウンド中に再抽選演出を実行することが可能となるように構成していたが、ラウンド間のインターバル中において再抽選演出を実行することが可能となるように構成してもよい。具体的には、大入賞口開放後表示コマンドにおいて、ラウンド数に応じたインターバル中の表示を指定するのみならず、インターバル中の再抽選演出の実行/不実行を指定するようにしてもよい。
さらに、大入賞口開放中表示コマンド、大入賞口開放後表示コマンドおよびエンディングコマンドの全てにおいて、再抽選演出の実行/不実行を指定するようにしてもよいし、それらのコマンドの任意の2つにおいて、再抽選演出の実行/不実行を指定するようにしてもよい。このような構成によれば、再抽選演出がいつ行われるか遊技者にはより一層わからなくなり、再抽選演出の実行に対する期待感を遊技者に常に持たせることができるようになる。
なお、上記の実施の形態3,5では、図柄/演出指定コマンドで大当り終了後の再抽選演出の実行の有無を指定するとともに、エンディングコマンドにおいても大当り終了後の再抽選演出の実行の有無を指定している。このような構成によれば、図柄/演出指定コマンドにデータ化け等が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との制御の整合が取れない事態が発生したとしても、エンディングコマンドによって大当り終了後の再抽選演出の実行の有無についての正しい指定を再度行うことができる。その結果、演出制御用マイクロコンピュータ100がエンディングコマンドにもとづいてエンディング演出を実行することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100の制御の不整合な状態から整合した状態に回復させることができる。また、大当り後における再抽選演出の実行中に遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドが送られて、再抽選演出が途中で中断されてしまうことを極力防止することもできる。
また、上記の各実施の形態では、第1特別図柄停止図柄設定処理において、大当り種別決定用乱数を用いて大当りの種別(通常大当りや確変大当りなどの決定だけでなく、再抽選演出の実行の有無も含む)を決定していた。しかし、このような構成に限らず、通常大当りか確変大当りかなどの決定と、再抽選演出を実行するかどうかの決定とを別の乱数を用いて決定するように構成されていてもよい。
また、上記の各実施の形態では、通常大当りになると決定されたときであっても、大当り遊技後の再抽選演出が実行されるときと実行されないときがあったが、通常大当りになると決定されたときには、常に大当り遊技後の再抽選演出を実行しない(あるいは実行する)ことにしてもよい。この場合、通常大当りを指定する演出制御コマンドにおいて、再抽選演出を実行する場合と実行しない場合とに分ける必要はない。同様に、時短大当りになると決定されたときには、常に大当り遊技後の再抽選演出を実行しない(あるいは実行する)ことにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、図柄/演出指定コマンド(または変動パターンコマンド)において再抽選演出の実行の有無を指定するとともに、エンディングコマンド(または大入賞口開放表示コマンド)においても再抽選演出の実行の有無を指定していた。しかし、このような構成に限られず、図柄/演出指定コマンド(または変動パターンコマンド)だけで再抽選演出の実行の有無を指定するようにしてもよい。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄/演出指定コマンド等で再抽選演出の実行が指定されていると、エンディングコマンド(または大入賞口開放表示コマンド)にもとづいて再抽選演出を実行することになる。従って、このような構成では、エンディングコマンド(または大入賞口開放表示コマンド)は、再抽選演出の実行タイミングを示すコマンドの役割を果たすことになる。
また、上記の各実施の形態では、時短状態は、大当りの終了後の所定回(100回)だけ継続するように制御されていたが、確変状態も、大当りの終了後の所定回(100回)だけ継続するように制御されていもよい。また、通常遊技状態、時短状態、確変状態などの各遊技状態の移行条件や終了条件も、上記の実施の形態に示した条件に限られず、適宜変更することが可能である。例えば、確変状態のときに通常大当りになった場合は、通常遊技状態に移行するように制御していたが、時短状態に移行するように制御してもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
なお、上記の各実施の形態では、以下の(1)〜(4)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)第1事前決定手段は、第2事前決定手段が第2識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とすることに決定したことにもとづいて、第2事前決定手段が第2識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にすると決定した後から、第2可変表示実行手段によって表示結果が導出表示されるまでの特定期間には、第1識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS63,S63aの処理を実行する部分)、遊技機は、特定遊技状態において、第1の開始条件の成立を禁止する禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS314の処理を実行する部分)をさらに備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1事前決定手段は、第2事前決定手段が可変表示の表示結果を特定表示結果にすると決定したことにもとづいて第2可変表示実行手段が第2の可変表示部で識別情報の可変表示を実行しているときには、第1の可変表示部の識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定するように構成されているので、第1の可変表示部において特定表示結果が導出表示されることと、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができると共に、特定表示結果ではない表示結果が可変表示部に導出表示されることを遊技者に認識され難くすることができる。また、特定遊技状態において、第1の開始条件の成立を禁止する禁止手段をさらに備えるように構成されているので、第2可変表示部において特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて特定遊技状態に移行しているときには、第1の可変表示部において特定表示結果が導出表示されないようにすることができる。従って、第1の可変表示部において特定表示結果が導出表示されることと、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができる。
(2)遊技機は、複数種類の識別情報の可変表示のパターンが示される可変表示パターンテーブル(例えば、図9および図10に示す変動パターンテーブル)を記憶するパターンテーブル記憶手段(例えば、ROM54)と、パターンテーブル記憶手段が記憶する可変表示パターンテーブルにもとづいて、第1識別情報の可変表示のパターンを決定する第1可変表示パターン決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS202a,S202b,S212の処理を実行する部分)と、パターンテーブル記憶手段が記憶する可変表示パターンテーブルにもとづいて、第2識別情報の可変表示のパターンを決定する第2可変表示パターン決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において第2変動パターン設定処理でステップS202a,S202b,S212と同様の処理を実行する部分)とを備え、パターンテーブル記憶手段は、可変表示パターンテーブルのうち、第1事前決定手段によって特定期間に第1識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定されたときに、第1可変表示パターン決定手段により可変表示のパターンを決定されるための特定期間パターンテーブル(例えば、図10に示す強制はずれ時変動パターンテーブル)を記憶し、第1可変表示パターン決定手段は、第1事前決定手段によって特定期間に第1識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定されると、パターンテーブル記憶手段が記憶する特定期間パターンテーブルにもとづいて、第1識別情報の可変表示のパターンを決定し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS201でYesと判定したときにステップS202bで強制はずれ時変動パターンテーブルを選択し、ステップS212で変動パターンを決定する部分)、第1可変表示実行手段は、第1可変表示パターン決定手段が決定した可変表示のパターンに従って、第1識別情報の可変表示を実行する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS214,215,S121〜S126の処理を実行する部分)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1の可変表示部の識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定したときに用いる専用の可変表示パターンテーブルである特定期間パターンテーブルを備え、特定期間パターンテーブルにもとづいて決定した可変表示のパターンに従って、第1の可変表示部における識別情報の可変表示を実行するように構成されているので、特定期間に第1の可変表示部の識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定したときに、複数種類のパターンから選択して可変表示を実行することができる。また、専用の可変表示パターンテーブルを用いることによって、第1の可変表示部の第1可変表示時間として通常より長い可変表示時間を選択する割合を容易に高めることができる。
(3)第1事前決定手段は、抽選処理により第1識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にするか否かを決定する抽選手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS64,S65,S66の処理を実行する部分、すなわち、大当り判定用乱数の値にもとづいて大当りとするか否か抽選する処理を実行する部分)と、特定期間において、抽選手段による抽選処理の実行を禁止する抽選処理禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS63aの処理を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1事前決定手段は、第2事前決定手段が可変表示の表示結果を特定表示結果にすると決定したことにもとづいて第2可変表示実行手段が第2の可変表示部で識別情報の可変表示を実行しているときには、抽選手段による抽選処理の実行を禁止するように構成されているので、第1事前決定手段がソフトウェアによって実現されている場合に、抽選処理のプログラムをスキップするだけで抽選処理禁止手段を実現することができ、プログラム容量を増大させないようにすることができる。
(4)第1可変表示実行手段は、第1識別情報の可変表示が実行される第1可変表示時間を計測する計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS121,S122の処理を実行する部分)と、計測手段の計測を中断させる計測中断手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS121aの処理を実行する部分)とを含み、第2可変表示実行手段は、第2の可変表示部において特定表示結果を導出表示する特定表示結果導出処理手段と、当該処理を実行することを示す実行データ(例えば、第2大当り図柄停止処理に応じた値等が設定されている特別図柄プロセスフラグ)を記憶手段(例えば、RAM55)に設定する特定表示結果導出表示手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS124,S181,S182の処理を実行する部分)とを含み、計測中断手段は、実行データが設定されていることを検出したときに計測手段の計測を中断させる(例えば、ステップS121aの処理)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において識別情報の可変表示が実行される第1可変表示時間を計測する計測手段と、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されているときに計測手段の計測を中断させる計測中断手段とを含み、第2可変表示実行手段は、第2の可変表示部において特定表示結果を導出表示する処理を実行し、当該処理を実行していることを示す実行中データを記憶手段に設定する特定表示結果導出表示手段とを含み、計測中断手段は、実行中データが設定されていることを検出したときに計測手段の計測を中断させるように構成されているので、第2可変表示部において特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて特定遊技状態に移行しているときには、第1の可変表示部における可変表示を継続して、第1の可変表示部において特定表示結果が導出表示されないようにすることができる。従って、第1の可変表示部において特定表示結果が導出表示されることと、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができる。