JP5340589B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置および印刷方法に関し、詳しくは、オフセット印刷や反転印刷などによる高精度の印刷に好適な印刷装置および印刷方法に関する。
近年、液晶カラーフィルタの色フィルタ層などのパターンや、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極基板における銀電極などのパターンは、表示装置の大画面化や、低コスト化の要請に応えるべく、印刷によって形成することが提案されている。また、これらのパターンは微細なパターンであり、かつ優れた印刷精度が要求されるため、シリコーンブランケットを用いた凹版オフセット印刷などの適用が検討されている。
しかし、液晶カラーフィルタやPDPの電極基板は、ガラスなどのインキ溶剤を吸収しない基板であることから、印刷処理を繰り返すことでインキの溶剤がブランケットに浸透、蓄積し、ブランケットが膨潤する。このため、インキの転移不良や、パターンの寸法精度の低下が生じ、不良品の増加といった不具合が生じる。
一方、ブランケットに浸透、蓄積したインキ溶剤をブランケットから除去するために、特許文献1には、真空排気流路を備えるカバーをブランケット胴に巻かれたブランケットに接触しない位置に設置し、このカバーでブランケットの一部を、ブランケットと接触しないように覆い、ブランケットに吸収されたインキ溶剤を真空吸引する印刷装置が提案されている(同文献の図1参照)。
特開2000−135852号公報
しかるに、特許文献1に記載の印刷装置において、真空排気流路を備えるカバーは、ブランケット胴に巻かれたブランケットと接触しないように配置され、ブランケット表面のゴム層と接触させずに、ブランケット表面のゴム層に吸収されたインキ溶剤を真空排気流路内に吸引し、除去することを特徴としている。
このため、ブランケット表面のゴム層からインキ溶剤を吸引し、除去する効率が低く、処理に時間がかかる。
本発明の目的は、印刷処理の繰り返しによってブランケットに浸透、蓄積されたインキ溶剤をブランケットから効率よく除去することのできる印刷装置および印刷方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、被印刷体へ転写されるインキを表面に担持するためのブランケットと、前記ブランケットを表面に固定するためのブランケット胴と、前記ブランケットに滲み込んだインキの溶剤を前記ブランケットから吸引し、除去するための真空チャンバと、を備え、前記真空チャンバが、少なくとも前記ブランケットの印刷領域における外周面と非接触状態で、前記ブランケットを被覆し、密閉する一対のカバーと、前記一対のカバーを互いに接続するヒンジと、一方の前記カバーに連設された真空吸引流路とを備え、前記一対のカバーは、前記ブランケットの前記表面に沿った形状で形成されていて、その周方向側端部がそれぞれパッキンを介して前記ブランケットの前記表面に当接しており、前記ヒンジが閉じられることによって前記ブランケットを被覆し、密閉している密閉状態と、前記ヒンジが開かれることによって前記ブランケットを開放している開放状態とに制御されることを特徴としている。
また、本発明の印刷装置は、被印刷体へ転写されるインキを表面に担持するためのブランケットと、前記ブランケットを表面に固定するためのブランケット胴と、前記ブランケットに滲み込んだインキの溶剤を前記ブランケットから吸引し、除去するための真空チャンバと、を備え、前記真空チャンバが、少なくとも前記ブランケットの印刷領域における外周面と非接触状態で、前記ブランケットを被覆し、密閉する一対のカバーと、前記一対のカバーを互いに接続するヒンジと、一方の前記カバーに連設された真空吸引流路とを備え、前記一対のカバーは、前記ブランケットの前記表面に沿った形状で形成されていて、その軸方向における一対の端部がそれぞれパッキンを介して前記ブランケットの前記表面に当接しており、前記ヒンジが閉じられることによって前記ブランケットを被覆し、密閉している密閉状態と、前記ヒンジが開かれることによって前記ブランケットを開放している開放状態とに制御されることを特徴としている。
上記印刷装置では、真空チャンバでブランケットを被覆することにより、ブランケットの外周面を密閉状態とすることができる。このため、この密閉状態において真空チャンバ内を減圧することにより、ブランケットからインキ溶剤を効率よく吸引し、除去することができる。
さらに、上記印刷装置では、ブランケットの印刷領域において、ブランケットの外周面と真空チャンバとが非接触状態とされている。このため、真空チャンバ内の減圧により、ブランケットの外周面に真空チャンバが強く圧接されたとしても、少なくともブランケットの印刷領域では、ブランケットの外周面と真空チャンバとが接触することがなく、真空チャンバの圧接に起因するブランケット外周面の変形、損傷、劣化などの発生と、それに伴う印刷品質の低下とを防止することができる。
また、前記真空チャンバは、前記一対のカバーの開閉を制御するための一対のエアシリンダをさらに備えていることが好ましい
本発明の印刷方法は、本発明の印刷装置を用いる印刷方法であって、ブランケットの表面にインキを担持するインキ担持工程と、前記ブランケットの表面に担持されたインキを被印刷体に印刷する印刷工程と、前記ブランケットに滲み込んでいるインキの溶剤を前記真空チャンバにより前記ブランケットから吸引し、除去する溶剤吸引除去工程と、を備えていることを特徴としている。
上記印刷方法では、溶剤吸引除去工程において、真空チャンバでブランケットを被覆することにより、ブランケットの外周面を密閉状態とすることができる。このため、この密閉状態において真空チャンバ内を減圧することにより、ブランケットからインキ溶剤を効率よく吸引し、除去することができる。
さらに、上記の印刷方法では、ブランケットの印刷領域において、ブランケットの外周面と真空チャンバとが非接触状態とされている。このため、溶剤吸引工程時の真空チャンバ内の減圧により、ブランケットの外周面に真空チャンバが強く圧接されたとしても、少なくともブランケットの印刷領域では、ブランケットの外周面と真空チャンバとが接触することがなく、真空チャンバの圧接に起因するブランケット外周面の変形、損傷、劣化などの発生と、それに伴う印刷品質の低下とを防止することができる。
本発明の印刷装置および印刷方法によれば、印刷処理の繰り返しによってブランケットに浸透、蓄積されたインキ溶剤をブランケットから効率よく除去することができる。それゆえ、連続印刷時におけるインキの転移不良やパターンの寸法精度の低下を抑制し、印刷品質を安定させることができる。
以下、本発明の印刷装置の一実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。 図1は、本発明の印刷装置の一実施形態を示す概略装置構成図であって、本発明の印刷方法の溶剤吸引除去工程における状態を示している。図2は、図1に示す印刷装置1であって、真空チャンバ6の開放状態を示している。図3は、溶剤吸引除去工程におけるブランケット2と真空チャンバ6との状態を示す拡大断面図である。図4(a)は、図1に示す印刷装置1の右側面図であって、図4(b)は、図4(a)の一部切欠き図である。
図1において、印刷装置1は、ブランケット2と、ブランケット2を表面に固定しているブランケット胴3と、印刷版としての凹版4と、被印刷体としての基板5と、ブランケット2に滲み込んだインキの溶剤をブランケット2から吸引、除去するための溶剤吸引除去手段としての真空チャンバ6と、を備えている。
ブランケット2は、支持フィルム層と、その支持フィルム層の外周を被覆する表面印刷層とを備えている。
表面印刷層には、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)などが用いられる。なかでも、例えば、高精度印刷の用途には、好ましくは、シリコーンゴムが用いられ、さらに好ましくは、ショアA硬さが20〜70のシリコーンゴムが用いられる。表面印刷層の厚みは、例えば、50〜5000μm、好ましくは、100〜2000μmであり、表面粗さは、算術平均粗さRaで、例えば、0.001〜1μm、好ましくは、0.01〜0.5μmである。
支持フィルム層には、例えば、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルムが用いられる。支持フィルム層の厚みは、例えば、20〜1000μm、好ましくは、50〜500μmである。
なお、ブランケット2の表面印刷層と支持フィルム層との総厚みは、例えば、100〜6000μm、好ましくは、200〜2500μmである。
このブランケット2は、円筒形状のブランケット胴3の表面に巻き付けられ、ブランケット胴3とともに回転可能な円筒形状をなしている。
ブランケット胴3には、例えば、金属胴などが用いられる。このブランケット胴3は、回転移動が自在となるように、かつ、ブランケット胴3の軸線方向と直交する方向への平行移動が自在となるように保持される。具体的に、ブランケット胴3は、表面に固定されているブランケット2の外周面と、後述する凹版4または基板5とを接触させつつ、凹版4および基板5上でそれぞれ転動可能なように保持される。
ブランケット胴3に巻き付けられた状態でのブランケット2の外径は、印刷領域の面積により、適宜選択される。なお、ブランケット2の印刷領域には、例えば、その周方向において、ブランケット胴3の溝部に挿入されている部分と上記溝部の近傍とを除く領域すべてを選択することができる。
また、ブランケットは、例えば、円筒状のスリーブと、円筒状スリーブの外周面に形成された表面印刷層と、を有する円筒形状をなすものであってもよい。この場合、ブランケットは、円筒状のスリーブの内周面をブランケット胴の外周面にはめ込み、固定することにより用いられる。また、この場合において、ブランケットの周方向における印刷領域には、ブランケットの外周面のうち被印刷体のサイズに応じた任意の領域が選択される。
この印刷装置1を用いる印刷方法は、被印刷体へ転写されるインキをブランケット2の表面に担持させるインキ担持工程と、ブランケット2の表面に担持されたインキを基板5に印刷する印刷工程と、を備えている。
上記インキ担持工程においては、ブランケット2を凹版4と接触させつつ、凹版4上で転動させることにより、凹版4の図示しない凹部に充填されたインキをブランケット2の外周面に転写する。これにより、ブランケット2の外周面に、基板5に印刷される印刷パターンに対応するインキパターンが形成される。
凹版4は、基板5に印刷される印刷パターンに応じた凹部を有している。この凹版4には、例えば、ソーダライムガラスなどのガラス版、例えば、金属(アンバー材)版などが用いられる。また、印刷版は、図示した凹版4に限定されず、例えば、凸版、平版などの各種の印刷版を用いることができる。
基板5は、特に限定されず、印刷の目的および用途に応じて、適宜選択される。
インキとしては、特に限定されず、印刷の目的および用途に対応して、各種のインキが用いられる。例えば、液晶カラーフィルタの色フィルタ層やブラックマトリクスの形成には、樹脂、溶剤、顔料、さらに必要に応じて、顔料分散剤、体質顔料、硬化触媒、レベリング剤(表面張力調整剤)などを含有し、溶剤の沸点が70〜200℃であり、ブランケット2の表面印刷層をインキに23℃で24時間浸漬させたときの表面印刷層の膨潤率が5〜100%となるインキが好適に用いられる。
このようなインキにおいて、樹脂には、例えば、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、アクリル樹脂などが用いられる。また、樹脂の重量平均分子量は、インキの粘度、チクソトロピー性などの物性に応じて適宜選択されるが、GPC法による標準ポリスチレン換算値で、好ましくは、1000〜20000であり、さらに好ましくは、5000〜15000である。
溶剤は、好ましくは、その沸点が70〜200℃である。具体的に、沸点が70〜200℃の溶剤としては、例えば、アルコール類(さらに好ましくは、高級アルコール)、グリコール類、グリコールエステル類、アルキルエーテル類、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、カルボン酸エステル類などが用いられる。
顔料は、液晶カラーフィルタの色フィルタ層を形成する場合には、例えば、アンスラキノン系レッド顔料、ハロゲン化フタロシアニン系グリーン顔料、フタロシアニン系ブルー顔料などが用いられ、さらに、イエロー顔料やバイオレット顔料などが補助顔料として用いられる。また、液晶カラーフィルタのブラックマトリクスを形成する場合には、例えば、カーボンブラック、酸化鉄(鉄黒)、チタンブラック、硫酸鉄、Fe−Co−Moなどの合金、などが用いられる。顔料の平均一次粒子径は、好ましくは、1〜100nmである。
上記膨潤率は、ブランケット2の表面印刷層におけるインキ溶剤の吸収速度や、インキのはじきの程度にかかわる指標である。膨潤率は、上記範囲のなかでも、好ましくは、10〜50%であり、さらに好ましくは、10〜30%である。
また、上記したインキは、例えば、上記の樹脂、溶剤、顔料などを配合し、各種のミキサ、ニーダ、ミルなどで混合、攪拌することにより調製される。
また、インキ担持工程には、いわゆる反転印刷方法を採用してもよい。この場合には、例えば、ブランケット2の外周面のうち印刷領域の全面にインキを塗布し、次いで、ブランケット2を印刷版としての凹凸版上で転動させることにより、凹凸版の凸部と接触した部分のインキを凸部に転写し、ブランケット2の外周面から除去する。また、この場合において、凹凸版の凸部は、基板5に印刷される印刷パターンと反転する反転パターンとして形成される。一方、ブランケット2の外周面には、基板5に印刷される印刷パターンに対応するインキパターンが形成される。
上記印刷工程においては、凹版4からインキパターンが転写されたブランケット2を、基板5と接触させつつ、基板5上で転動させることにより、上記インキパターンを基板5の表面に転写する。これにより、基板5上に、印刷パターンに対応するインキパターンが印刷される。
溶剤吸引除去手段としての真空チャンバ6は、ブランケット2を被覆して、密閉状態とするとともに、ブランケット2の外周面近傍に、真空度が高い状態に維持された空間を提供するための部材である。
図1および図2を参照して、この真空チャンバ6は、ブランケット胴3に固定されたブランケット2の外周面を被覆し、密閉する一対のカバー7,8と、この一対のカバー7,8を互いに接続するヒンジ9と、一方のカバー7に連設され、図示しない真空ポンプと接続される真空吸引流路10と、を備えている。
真空チャンバ6の密閉状態は、真空チャンバ6による真空吸引処理の実行時における状態であって、後述するように、本発明の印刷方法の溶剤吸引除去工程におけるブランケット2と真空チャンバ6との状態を示している。一方、真空チャンバ6の開放状態は、真空吸引処理の休止状態であって、本発明の印刷方法の溶剤吸引除去工程以外(例えば、インキ担持工程、印刷工程)における真空チャンバ6の状態である。
図3を参照して、上記密閉状態においては、真空チャンバ6の一対のカバー7,8が、ブランケット2(ブランケット胴3)の周方向xにおける印刷領域11全体を被覆している。また、各カバー7,8の周方向x側端部12,13は、それぞれパッキン14を介して、ブランケット2の周方向xにおける非印刷領域15に当接している。
さらに、図4(a)および図4(b)を参照して、上記密閉状態においては、真空チャンバ6の一対のカバー7,8が、ブランケット2(ブランケット胴3)の軸方向yにおける印刷領域16全体を被覆している。また、各カバー7,8の軸方向yにおける一対の端部17,18は、それぞれパッキン14を介して、ブランケット2の軸方向yにおける非印刷領域19に当接している。
このため、上記密閉状態において、真空チャンバ6は、ブランケット2の印刷領域(11,16)における外周面と接触することなく、ブランケット2の印刷領域(11,16)全体を被覆している。しかも、上記密閉状態において、一対のカバー7,8の周方向x側端部12,13や、軸方向y側における一対の端部17,18は、いずれも、ブランケット2の非印刷領域(15,19)における外周面と当接しており、これにより、真空チャンバ6によるブランケット2の被覆、密閉が達成されている。
それゆえ、上記密閉状態において、真空吸引流路10を介して、真空ポンプなどにより真空チャンバ6内の空気を吸引することで、真空チャンバ6とブランケット2の外周面との間の空間の真空度を高めることができ、ブランケット2に滲み込んでいるインキ溶剤を効率よく吸引し、除去することができる。
上記実施形態では、一対のカバー7,8の軸方向y側における各端部17,18が、いずれもパッキン14を介して、ブランケット2の外周面に当接している。しかしながら、これらの端部17,18は、ブランケット2の外周面と当接することに限定されるものではなく、例えば、ブランケット胴3の外周面と当接してもよい。なお、真空チャンバ6の端部がブランケット2の外周面と当接する場合は、ブランケット2の外周面、すなわち、ブランケット2の表面ゴム層が、ブランケット2と真空チャンバ6との間の密閉性を担保するためのパッキンとしての作用を発揮する。一方、ブランケット胴3の外周面と当接する場合は、各端部17,18の先端にパッキン14を備えることが必須要件となる。
この印刷装置1を用いる印刷方法では、上述のインキ担持工程と、印刷工程とともに、さらに、ブランケット2の表面に浸透、蓄積されたインキ溶剤を溶剤吸引除去手段としての真空チャンバ6により吸引し、除去する溶剤吸引除去工程を備えている。
この溶剤吸引除去工程においては、まず、ヒンジ9を閉じて、真空チャンバ6の一対のカバー7,8を上記密閉状態とすることにより、インキ担持工程や印刷工程を経たブランケット2の外周面を真空チャンバ6で被覆する。このとき、各カバー7,8の周方向x側端部12,13と、各カバー7,8の軸方向yにおける一対の端部17,18とは、それぞれ、ブランケット2の周方向xにおける非印刷領域15と、軸方向yにおける非印刷領域19とで、ブランケット2の外周面に当接させる。
次いで、真空吸引流路10に接続された図示しない真空ポンプで、真空チャンバ6の内部を吸引する。これにより、真空チャンバ6とブランケット2の外周面との間の密閉領域内が陰圧となって、ブランケット2に滲み込んでいるインキ溶剤が吸引され、真空吸引流路10を経て外部へと除去される(溶剤吸引除去工程)。なお、この溶剤吸引工程の際には、ブランケット胴3は軸回転せずに、固定される。
溶剤吸引除去工程において、真空チャンバ6とブランケット2の外周面との間の密閉領域内の真空度は、例えば、ゲージ圧基準で、−5kPa(G)以下、好ましくは、−10kPa(G)以下となるように設定する。
また、溶剤吸引除去工程において、真空チャンバ6による溶剤吸引除去処理の時間は、ブランケット2のインキ溶剤による膨潤の程度や、真空吸引によるインキ溶剤の除去されやすさ(具体的には、例えば、沸点などの、インキ溶剤の揮発性を示すファクター)などに合わせて適宜設定されることから、特に限定されないが、通常、例えば、3〜60秒、好ましくは、5〜30秒とする。
真空チャンバ6は、さらに、一対のカバー7,8の開閉を制御するための一対のエアシリンダ20,21を備えている。真空チャンバ6の一対のカバー7,8は、一対のエアシリンダ20,21によって、ヒンジ9が閉じられ、ブランケット2の外周面を被覆し、密閉している状態(図1に示す状態)と、ヒンジ9が開かれ、ブランケット2を開放している状態(図2に示す状態)とに制御される。なお、図3および図4では、一対のエアシリンダ20,21を省略している。
各エアシリンダ20,21は、それぞれのピストン収納側端部22,23が回動自在に固定され、ピストンロッド24,25の先端側端部26,27が、一対のカバー7,8の外周面で回動自在に固定される。そして、各エアシリンダ20,21のピストンロッド24,25が伸びているときに、ヒンジ9が閉じられ、ブランケット2の外周面が真空チャンバ6の一対のカバー7,8で被覆、密閉されている状態(図1参照)となる。一方、各ピストンロッド24,25がエアシリンダ20,21内に収納されているときに、ヒンジ9が開かれ、ブランケット2の外周面が開放されている状態(図2参照)となる。
一対のカバー7,8を開閉するための制御は、例えば、図1および図2に示すエアシリンダに代えて、サーボモータを用いてもよい。この場合、各ピストン収納側端部22,23と、各ピストンロッド先端側端部26,27との間の距離を制御するために、例えば、サーボモータにより制御されるボールネジを用いることができる。
図5は、真空チャンバの設計変更例を示す概略断面図である。
図5を参照して、この真空チャンバ28は、ブランケット胴29に固定されたギャップレスタイプのブランケット30の外周面を被覆し、密閉する一対のカバー31,32と、この一対のカバー31,32を互いに接続するヒンジ9と、一方のカバー31に連設され、図示しない真空ポンプと接続される真空吸引流路10と、を備えている。
一対のカバー31,32は、ヒンジ9を閉じて、ブランケット29の外周面を被覆し、密閉している密閉状態(図5に示す状態)と、ヒンジ9を開いて、ブランケット29を開放している状態との2つの状態に制御される。この2つの状態は、例えば、図1および図2に示す一対のエアシリンダ20,21と同様の機構で制御することにより達成される。
図5に示す真空チャンバ28の密閉状態および開放状態は、ブランケット29の周方向の一部ではなく、周方向全体が一対のカバー31,32で覆われていること以外は、図1に示す真空チャンバ6の密閉状態および開放状態と同様である。
図5を参照して、上記密閉状態においては、真空チャンバ28の一対のカバー31,32が、ブランケット2の周方向x全体を被覆している。一方、各カバー31,32の軸方向(ブランケット胴30の軸方向)における一対の端部は、いずれもブランケット29の非印刷領域における外周面、またはブランケット胴30の外周面と当接し、これにより、真空チャンバ28によるブランケット29の被覆、密閉が達成されている。
それゆえ、図5に示す実施形態においても、上記密閉状態において、真空吸引流路10を介して、真空ポンプなどにより真空チャンバ28内の空気を吸引することで、真空チャンバ28とブランケット29の外周面との間の空間の真空度を高めることができ、ブランケット29に滲み込んでいるインキ溶剤を効率よく吸引し、除去することができる。
上記の印刷装置において上記の印刷方法を実施すれば、ブランケットからのインキ溶剤の吸引・除去が効率的に達成され、高精度印刷における印刷の生産性を向上させることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
印刷試験
印刷試験に使用した材料、部材および装置は、次のとおりである。
インキには、ポリエステル樹脂(商品名「バイロナール(登録商標)」、東洋紡績(株))100重量部と、メラミン樹脂(商品名「スミマール(登録商標)」、住友化学(株))20重量部と、ブチルカルビトールアセテート(溶剤、キシダ化学(株)、沸点248℃)20重量部と、ピグメントレッド177(アンスラキノン系赤色顔料、長瀬産業(株))20重量部とを配合し、脱泡分散機(シンキー製)で混合、分散したものを使用した。
凹版(印刷版)4には、ソーダライムガラス製の基板(幅400mm、長さ500mm、厚さ4.8mm、日本板硝子(株))の表面に、フッ化水素酸によるエッチングで所定のパターン(凹部)が形成されたを使用した。上記基板の表面には、幅100μm、深さ10μm、長さ300mmのパターン1280本を、270μmピッチで並行に配置したストライプパターンを形成した。
基板(被印刷体)5には、ソーダライムガラス製の基板(幅400mm、長さ300mm、厚み0.7mm、日本板硝子(株))を使用した。
ブランケット2には、厚さ0.35mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる支持フィルム層上に、厚さ0.55mmのシリコーンゴムからなる表面印刷層が形成された、層厚み0.9mmのシリコーンブランケットを使用した。
真空チャンバ6には、図1に示すように、ブランケット胴3に固定されたブランケット2の外周面を被覆し、密閉する一対のカバー7,8と、この一対のカバー7,8を互いに接続するヒンジ9と、一方のカバー7に連設され、図示しない真空ポンプと接続される真空吸引流路10と、一対のカバー7,8の開閉を制御するための一対のエアシリンダ20,21と、を備えるものを用いた。
印刷機には、ナカン(株)製の平板型精密印刷機を使用した。
印刷試験は、実施例1と比較例1とについて行い、それぞれの印刷条件は、次のとおりとした。印刷速度は、インキ担持工程(凹版4からブランケット2へのインキの転写工程)と、印刷工程(ブランケット2から基板5へのインキの転写工程)とのいずれにおいても、ブランケット2の周速度で200mm/sとなるように設定した。印刷圧力は、ブランケット2の押込み量を100μmとなるように設定した。
また、印刷試験は、上記の材料、部材および装置を使用した凹版オフセット印刷により、合計200枚の基板5に対し、ストライプパターンを印刷した。また、基板5への印刷を10枚終えるごとに、印刷されたストライプパターンの線幅(μm)を測定した。
実施例1における印刷処理では、上記のインキ担持工程と印刷工程とからなる一連の印刷処理を1回経るごとに、上記の溶剤吸引除去工程を実行した。具体的に、実施例1では、一連の印刷処理を1回経るごとにブランケット2を真空チャンバ6で密閉し、真空チャンバ6内の圧力を、ゲージ圧で−5kPa(G)の陰圧とし、この状態を15秒間保持した(図1参照)。
一方、比較例1では、上記一連の印刷処理を連続して行い、溶剤吸引除去工程は実行しなかった。
実施例1と比較例1とでの印刷パターンの線幅の経時変化の結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例1では、ストライプパターンの線幅変化を±3μm以内に抑制でき、基板5内でのストライプパターンの線幅のバラツキを±3μm以内に抑制できた。また、吸引ノズル14による吸引に要した時間は、平均で20秒間であった。
一方、比較例1では、印刷線幅が70μmを下回るとすぐに、ブランケット2から基板5へのインキの転写不良が生じた。なお、比較例1は、転写不良が生じた時点で、印刷処理を中止した。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の印刷装置の一実施形態を示す概略装置構成図であって、本発明の印刷方法の溶剤吸引除去工程における状態を示す。 図1に示す印刷装置であって、真空チャンバの開放状態を示す。 溶剤吸引除去工程におけるブランケットと真空チャンバとの状態を示す拡大断面図である。 (a)は、図1に示す印刷装置の右側面図であって、(b)は、(a)の一部切欠き図である。 真空チャンバの設計変更例を示す概略断面図である。 実施例と比較例とでの印刷パターンの線幅の推移を示したグラフである。
符号の説明
1 印刷装置、 2 ブランケット、 3 ブランケット胴、 5 基板(被印刷体)、 6 真空チャンバ(溶剤吸引除去手段)、 11 印刷領域、 15 被印刷領域、 16 印刷領域、 19 被印刷領域、 28 真空チャンバ、 29 ブランケット、 30 ブランケット胴。

Claims (4)

  1. 被印刷体へ転写されるインキを表面に担持するためのブランケットと、前記ブランケットを表面に固定するためのブランケット胴と、前記ブランケットに滲み込んだインキの溶剤を前記ブランケットから吸引し、除去するための真空チャンバと、を備え、
    前記真空チャンバが、少なくとも前記ブランケットの印刷領域における外周面と非接触状態で、前記ブランケットを被覆し、密閉する一対のカバーと、前記一対のカバーを互いに接続するヒンジと、一方の前記カバーに連設された真空吸引流路とを備え、
    前記一対のカバーは、前記ブランケットの前記表面に沿った形状で形成されていて、その周方向側端部がそれぞれパッキンを介して前記ブランケットの前記表面に当接しており、前記ヒンジが閉じられることによって前記ブランケットを被覆し、密閉している密閉状態と、前記ヒンジが開かれることによって前記ブランケットを開放している開放状態とに制御されることを特徴とする、印刷装置。
  2. 被印刷体へ転写されるインキを表面に担持するためのブランケットと、前記ブランケットを表面に固定するためのブランケット胴と、前記ブランケットに滲み込んだインキの溶剤を前記ブランケットから吸引し、除去するための真空チャンバと、を備え、
    前記真空チャンバが、少なくとも前記ブランケットの印刷領域における外周面と非接触状態で、前記ブランケットを被覆し、密閉する一対のカバーと、前記一対のカバーを互いに接続するヒンジと、一方の前記カバーに連設された真空吸引流路とを備え、
    前記一対のカバーは、前記ブランケットの前記表面に沿った形状で形成されていて、その軸方向における一対の端部がそれぞれパッキンを介して前記ブランケットの前記表面に当接しており、前記ヒンジが閉じられることによって前記ブランケットを被覆し、密閉している密閉状態と、前記ヒンジが開かれることによって前記ブランケットを開放している開放状態とに制御されることを特徴とする、印刷装置。
  3. 前記真空チャンバは、前記一対のカバーの開閉を制御するための一対のエアシリンダをさらに備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の印刷装置を用いる印刷方法であって、ブランケットの表面にインキを担持するインキ担持工程と、前記ブランケットの表面に担持されたインキを被印刷体に印刷する印刷工程と、前記ブランケットに滲み込んでいるインキの溶剤を前記真空チャンバにより前記ブランケットから吸引し、除去する溶剤吸引除去工程と、を備えていることを特徴とする、印刷方法。
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