JP5340361B2 - 試料表面モニタ方法及び該モニタ方法を用いた腐食試験機 - Google Patents
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Description
このような腐食試験としては、塩水噴霧工程、乾燥工程、湿潤工程等を繰り返す複合サイクル試験や、あらかじめ決められた塩分量を試料に付着させる塩分付着工程後に、湿潤工程、乾燥工程等の試験を行う耐食性試験等がある。
特許文献2に記載の回動制御装置を備えた塩水噴霧試験機は、均一な条件の下で腐食促進試験を行うとともに、この均一な条件の下で腐食促進試験を行うものである。
特許文献3は、金属材料に対し、予め塩分付着量を設定して塩分を付着させる工程、乾燥工程と湿潤工程を繰り返すサイクルを少なくとも1回行う工程、光を照射する工程の各工程をそれぞれ1回以上行い、耐食性を評価するものである。
また、腐食試験において、試料表面の温度及び試料表面上の塩の湿潤状態が腐食試験結果に影響を与えることは配慮されていなかった。
更に、従来では、試験時間中に試料表面がどのくらいの時間濡れていたかを確認することができなかった。そのため、試料の表面上で腐食が発生したのは、どのくらい濡れていたか又は乾燥していた結果であるのかという腐食量と試料濡れ時間との相関を把握することができなかった。また、腐食の結果を試料の濡れと腐食状況との関係として定量的に評価解析することができなかったため、その相関を求めることができなかった。
また、この発明の試料表面モニタ方法は、前記塩付着面温度センサが試料と同条件下に設置されることを特徴とする。
更に、この発明の試料表面モニタ方法は、前記金属板が皿状の金属板であることを特徴とする。
更にまた、この発明の試料表面モニタ方法は、前記皿状の金属板の内側に塩を入れ、前記皿状の金属板の上部を高分子膜で覆うことを特徴とする。
また、この発明の腐食試験機は、上述の試料表面モニタ方法により検知された試料表面上の塩の湿潤状態を判断するとともに、前記試験槽内の温度及び湿度を制御することを特徴とする。
これにより、この発明の腐食試験機は、試料表面の湿潤状態を把握するとともに試料表面の湿潤状態を制御して試験を行うことができ、試料表面の温度及び試料表面上の塩の湿潤状態が腐食試験結果に影響を与えることを配慮して試験を行うことができるため試験の再現性がよくなる。
図1は、塩付着面温度センサ1を示した図である。この塩付着面温度センサ1は、金属皿2とセンサ本体3とによって構成される。センサ本体3は、金属皿2の表面温度を測定する。塩付着面温度センサ1は、試験槽内に試料9と同条件下に設置されている。これにより、試料9と塩付着面温度センサ1の金属皿2とには、同じ塩を付着させることができる。金属皿2は、チタン等の腐食しない材質で構成されている。
腐食試験機5は、試験槽6内に塩水を噴霧する塩水噴霧機構10を備えている。
この塩水噴霧機構10は、試験槽6内の試料枠8よりも下部に溶液溜め部11を配置し、溶液溜め部11の上部に試料枠8を挿通して突出される噴霧塔12を立設している。噴霧塔12は、内部に噴霧ノズル13を備え、試験槽6の上部に達する上端に噴霧口14を備えている。塩水噴霧機構10は、溶液溜め部11の塩水を噴霧ノズル13で噴霧塔12内に噴霧して塩水ミストを生成し、生成した塩水ミストを噴霧塔12上端の噴霧口14から試験槽6内に自然落下させ、試料枠8に載せた試料9に接触させる。
試験槽内温度と試料表面温度とを測定し、そして、例えば、試験槽内温度が湿潤時で、図3に示すように、A℃の時、試料表面温度がA℃以上か又はA℃かを、あるいは試験槽内温度が乾燥時で、B℃の時、試料表面温度がB℃以下か又はB℃かを、確認することによって、試料表面の状態を正確に把握することができる。つまり、設定された試験槽内温度と試料9と同じ位置にある塩付着面温度センサ1で測定した金属皿2の表面温度との間に塩の影響によって温度差が生ずることを利用し、この温度差をモニタすることで試料表面の塩の状態を把握できる。
従って、腐食試験機5の試験運転中に試験を停止せずに試料表面の塩の湿潤状態を把握することができる。
図4は、塩付着面温度センサ101を示した図である。この塩付着面温度センサ101は、金属皿102とセンサ本体103によって構成される。センサ本体103は、この金属皿102の表面温度を測定する。この塩付着面温度センサ101は、湿潤、乾燥試験中では、試験槽内で試料109と同条件下に設置されている。また、腐食試験中に試料109に付着させる塩分量が予め決まっている試験において、塩付着面温度センサ101の金属皿102内に試料109に付着させる塩分量と同量の塩を載置した後に、金属皿102の上部を水蒸気が通過可能な高分子膜104で覆う。金属皿102は、チタン等の腐食しない材質で構成されている。金属皿102には、試料109に塩を付着させる方法と同様の方法で塩を載置することもできる。
塩付着槽131の塩付着台132に試料109を設置し、噴霧ノズル113により、予め設定された規定量の塩が試料に付着するように塩溶液を試料109に付着させる。
ここで、塩付着面温度センサ101を試料と同様の位置に塩付着台132に設置することで、金属皿102に塩を載置するが、金属皿102に試料109と同量の塩を載置可能であれば、塩付着方法はどのようなものでもよい。
さらに、試験槽106は、温湿度調整部の上部にファン121を備えている。このファン121は、ファンモータ122により回転速度が調整され、温湿度調整部内で温度と湿度が調整された空気を試験槽106内に循環させる。
試験槽106は、乾球温度を測定する乾球温度センサ123と、湿球温度を測定する湿球温度センサ124とを備えている。
また、試験槽106は、試験槽106内の試料枠108の試料109と同等の位置に塩付着面温度センサ101を備えている。
2、102 金属皿
3、103 センサ本体
104 高分子膜
5、105 腐食試験機
6、106 試験槽
7 蓋体
8、108 試料枠
9、109 試料
10 塩水噴霧機構
11 塩水溜め部
12 噴霧塔
13、113 噴霧ノズル
14 噴出口
15、115 加湿器
16 加湿器本体
17 ヒータ
18、118 加熱器
19 加熱器本体
20 ヒータ
21、121 ファン
22、122 ファンモータ
23、123 乾球温度センサ
24、124 湿球温度センサ
25 洗浄ノズル
26、126 制御部
26A、126A 判断部
27、127 加湿器用電力調整器
28、128 加熱器用電力調整器
29、129 湿度変換器
130 冷却器
131 塩付着槽
132 塩付着台
133 温湿度調整部
134 試料載置部
135 隔壁
Claims (5)
- 試験槽内で試料表面上に塩分を付着させる腐食試験において、前記試験槽内の温度を測定する試験槽内温度センサを設け、金属板にセンサ本体を付設して前記金属板で表面温度を測定する塩付着面温度センサを設け、この塩付着面温度センサの前記金属板に塩分を付着させ、前記試験槽内温度センサで測定した値と前記塩付着面温度センサで測定した値との温度差から試料表面上の塩の湿潤状態を判断することを特徴とする試料表面モニタ方法。
- 前記塩付着面温度センサは、試料と同条件下に設置されることを特徴とする請求項1に記載の試料表面モニタ方法。
- 前記金属板は、皿状の金属板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試料表面モニタ方法。
- 前記皿状の金属板の内側に塩分を入れ、前記皿状の金属板の上部を高分子膜で覆うことを特徴とする請求項3に記載の試料表面モニタ方法。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の試料表面モニタ方法により検知された試料表面上の塩分の湿潤状態を判断するとともに、前記試験槽内の温度及び湿度を制御することを特徴とする腐食試験機。
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