JP5339991B2 - 立坑形成方法 - Google Patents

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本発明は、経済的な立坑形成方法に関する。
石灰石鉱山では、鉱山の採掘場(切羽)から破砕搬送設備が設置された坑内まで延長する立坑を形成し、鉱山で採掘した石灰石を当該立坑に投入することで、立坑を貯蔵ビン(サイロ)として利用しながら運搬車による山上から地上までの石灰石の搬送作業を不要とできるようにしている。
ところで、上記立坑を形成する際は、掘削機械(例えば、特許文献1等参照)を用いて形成する。即ち、掘削機械のロッドの下端に設けたビットにより鉱山の採掘場から坑内に到達する坑径300mm〜400mm程度のパイロット孔を形成した後、パイロット孔の径より大きい径のリーミング(拡掘)ビットを坑内から採掘場に向けて移動させてリーミングビットによりパイロット孔を拡掘することにより、立坑を形成する。
特開2005−30106号公報
しかしながら、上記リーミングビットを用いた機械掘削によって立坑を形成する場合、坑径の大きい立坑を形成するためには、リーミングビットのコストが高くなるとともに、リーミングビットの重量も重くなり、リーミングビットの重量増加に伴ってリーミングビットを下端に取付けたロッド及びロッドを回転させる機構もリーミングビットの重量に合わせたものを使用しなくてはならないため、立坑を形成するためのコストが高くなり、不経済であるという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、低コストで立坑を形成可能とした経済的な立坑形成方法を提供する。
本発明に係る立坑形成方法は、鉱山から採掘された鉱石を投入して貯蔵ビンとして利用されていた既存立坑内を昇降可能な吊り足場から既存立坑の坑壁を発破することにより既存立坑を拡幅する拡幅作業を既存立坑の坑底から坑口に向かって行うことで既存立坑を拡幅した立坑を形成する立坑形成方法であって、吊り足場を既存立坑内で下降させながら、既存立坑内の坑壁の状態確認作業、及び、吊り足場と坑壁との衝突を防止する坑壁保護材として機能するとともに既存立坑の坑底から坑口に向かって発破による上記拡幅作業を行う際に坑壁からの落石を防止する落石防止材として機能する部材を既存立坑の坑壁にアンカーで取付ける当該部材の取付作業を行い、その後、既存立坑の坑底から坑口に向かって発破による上記拡幅作業を行う際に、拡幅作業対象部位の坑壁に取付けられている上記部材を撤去した後に上記拡幅作業を行うので、機械掘削だけで立坑を形成する場合に比べて、低コストで立坑を形成でき、また、拡幅作業を終えた坑壁部分よりも坑底側で作業を行うことがなくなるので、拡幅作業を終えた坑壁部分からの落石に対する安全対策が不要となり、拡幅作業を終えた坑壁部分に対する上記部材の取付作業が不要となるので、立坑を拡幅する際の作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間を少なくでき、さらに、拡幅作業対象部位の坑壁に取付けられている上記部材を撤去した後に拡幅作業を行うので、立坑を形成するまでの作業を少なくでき、作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間を少なくできる
立坑を示す断面図。 先行立坑を示す断面図。 拡幅作業中の先行立坑を示す断面図。 立坑形成方法の手順を示す図。 立坑形成方法の手順を示す図。 立坑を示す断面図。 既存立坑を示す断面図。 拡幅作業中の既存立坑を示す断面図。 立坑形成方法の手順を示す図。
形態1
形態1による立坑の形成方法を図1乃至図5に基いて説明する。図4(a)に示すように、石灰石鉱山90の地中下には形態2で説明する破砕搬送設備10を設置するための設置空間を備えた坑90Aが形成される。図4(b)に示すように、掘削機械90aを用い、掘削機械90aのロッド90bの下端に設けたビット90cを回転させて破砕搬送設備10の上方に位置する採掘場90Tから石灰石鉱山90を掘削し、図4(c)に示すように、採掘場90Tから坑90A近くまで到達する坑径300mm〜400mm程度のパイロット孔1Bを形成する。図示しないが、ロッド90bの下端をパイロット孔1Bの孔底部まで降ろし、ロッド90bの下端にリーミングビット90d(図4(d)参照)を接続する。尚、この場合、パイロット孔1Bの孔底部にリーミングビット90dを設置するスペースが必要となるため、パイロット孔1Bの孔底部と地上とを繋ぐ図外の坑道を形成し、この坑道を通ってパイロット孔1Bの孔底部に作業者が入り、パイロット孔1Bの孔底部の径を掘削又は発破で拡げたリーミングビット収容部90Bを形成しておく。そして、坑道を通ってリーミングビット90dをリーミングビット収容部90Bまで運んでおく。次に、図4(d)に示すように、ロッド90bを回転させてリーミングビット90dを回転させながらロッド90bを上昇させる。これにより、リーミングビット90dが、パイロット孔1Bを拡掘した基準立坑としての先行立坑1Xを形成する(図4(e);図2参照)。また、先行立坑1Xの坑底1eと坑90Aとを連通させる傾斜路11を形成する。
図5(a)に示すように、先行立坑1Xの坑口1tに、先行立坑1X内を昇降可能な吊り足場であるスカフォード31(詳細は後述する)の吊下支持装置32を設置する。図5(b)に示すように、スカフォード31を先行立坑1X内で昇降可能に吊り下げることができるように構築する。図5(c)に示すように、スカフォード31の作業床31F上に、後述する拡幅作業に必要な物が搭載されるとともに作業者が乗り、図5(d)に示すように、スカフォード31を先行立坑1Xの坑口1tから先行立坑1Xの坑底1e側まで降ろす。
そして、先行立坑1Xの坑壁1uを発破する作業、即ち、発破による拡幅作業を、図5(e)に示すように、先行立坑1Xの坑底1e側から先行立坑1Xの坑口1t側に向かって順次行うことで、先行立坑1Xを拡幅した立坑1を形成する(図5(f);図1参照)。
拡幅作業は、スカフォード31に乗った作業者が、例えば図外の削岩機を用いてスカフォード31の周囲の坑壁1uに図外の発破孔を形成し、発破孔内に図外の爆薬を装填して発破孔を閉塞した後に、スカフォード31を上昇させてから、爆薬に点火して爆薬を爆発させる作業である。
図3に示すように、スカフォード設備30は、スカフォード31と、スカフォード31の吊下支持装置32と、巻取り及び巻出し可能なロープ33によりスカフォード31を昇降可能に吊り下げる巻上機34とを備える。吊下支持装置32は、先行立坑1Xの坑口1tを跨ぐように設置され、先行立坑1Xの中心線とスカフォード31の中心線とが一致するようにスカフォード31の吊下位置を決定するための装置である。吊下支持装置32は、例えば、鉄骨組立体により門型に形成される。この吊下支持装置32が、先行立坑1Xの坑口1tを跨いで、吊下支持装置32に設けられた図外のスカフォード通過孔の中心線と先行立坑1Xの中心線とが一致するように設置される。スカフォード31の屋根41には、ロープ33を巻掛けるための動滑車42が設置される。即ち、ロープ33の一端が巻上機34の図外の巻取軸に固定され、ロープ33の他端側が、吊下支持装置32の屋根部32tに設置されたガイド滑車39、吊下滑車36、及び、動滑車42を経由して、ロープ33の他端が例えば吊下支持装置32に固定される。この状態で、スカフォード31がスカフォード通過孔を経由して先行立坑1X内に吊り下げられ、巻上機34でロープ33を巻取れば、スカフォード31が上昇し、巻上機34でロープ33を巻出せばスカフォード31が下降する。先行立坑1Xの中心線とスカフォード31の中心線とが一致してスカフォード31が昇降可能なように、吊下滑車36及び動滑車42の位置、個数などが設定される。即ち、巻上機34の巻取り及び巻出し操作によりスカフォード31を先行立坑1X内で昇降可能に吊り下げることができるように構築する。
図1に示すように、立坑1を形成した後、スカフォード設備30を撤去する。尚、立坑1の坑径寸法1Wは一定にする。立坑1の坑径寸法1Wは、例えば、先行立坑1Xの坑径寸法1Aw(図2参照)の2倍程度の寸法にする。
発破により削られたズリは自然落下して先行立坑1Xの下に設けられた坑90A内に移動し、排出される。
現在、リーミングビット90dの掘削径の最大寸法は、6,000mm(6m)であり、掘削径が6mを超えるリーミングビットは非常に高価になることが予想されるが、形態1による立坑形成方法によれば、例えば、掘削径が6mのリーミングビット90dを用いて先行立坑1Xを形成し、その後、安価なスカフォード31を用いた発破による拡幅作業を行うことにより、6mを超える坑径の立坑1を形成できる。即ち、掘削径が6mを超える高価なリーミングビット90d及び付帯設備を用いることなく、6mを超える坑径の立坑1を形成できるので、6mを超える坑径の立坑1を低コストで形成でき、経済的である。
また、掘削径が6mよりも小さいリーミングビット90dを用いて先行立坑1Xを形成し、その後、安価なスカフォード31を用いた発破による拡幅作業を行うことにより、6mを超える坑径の立坑1を形成することも可能となるので、6mを超える坑径の立坑1を、より低コストで形成できる。
また、6m以下の坑径の立坑1を形成する場合であっても、掘削径の小さいリーミングビット90dを用いて先行立坑1Xを形成し、その後、安価なスカフォード31を用いた発破による拡幅作業を行うことにより、立坑1を形成できるので、立坑1を、より低コストで形成できる。
また、リーミングビット90dによる拡掘だけで坑径の大きい立坑1を形成する場合には、重くて掘削径の大きいリーミングビット90dを用いて当該リーミングビット90dを吊り上げなくてはならないため、ロッド90bの長さを長くできない。このため、大坑径で大深度の立坑1を形成する場合には、特許文献1に示すように、深さ方向に延長する立坑を複数回に分けて形成しなければならないので、不経済である。
一方、本形態1によれば、大坑径で大深度の立坑1を形成する場合でも、軽くて掘削径の小さいリーミングビット90dを用いることが可能となり、また、スカフォード31の昇降はロープ33を用いれば良いので、大坑径で大深度の立坑1を一気に形成できる。よって、特許文献1に示すように、深さ方向に延長する立坑を複数回に分けて形成する場合に比べて、大坑径で大深度の立坑1を経済的に形成できる。
本形態1では、発破による拡幅作業を先行立坑1Xの坑底1e側から先行立坑1Xの坑口1t側に向かって順次行うので、発破による拡幅作業を終えた後、拡幅作業を終えた坑壁部分1fu(図5(e);図3参照)よりも坑底1e側で作業を行うことがない。よって、拡幅作業を終えた坑壁部分1fuからの落石に対する安全対策が不要となり、拡幅作業を終えた坑壁部分1fuへの後述する取付部材の取付作業が不要となるので、先行立坑1Xを拡幅する際の作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間を少なくできる。
一方、拡幅作業を、先行立坑1Xの坑口1t側から先行立坑1Xの坑底1e側に向かって順次行っていく形態4の方法においては、拡幅作業を終えた後、拡幅作業を終えた坑壁部分よりも坑底1e側で作業を行うことになる。従って、作業者の安全を確保するために、拡幅作業を終えた坑壁部分に落石防止用の後述するような取付部材を取付ける必要があるので、先行立坑1Xを拡幅する際の作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間が多くなる。
形態1によれば、発破により削られたズリは自然落下して先行立坑1Xの下に設けられた坑90A内に移動するので、ズリを狭い先行立坑1X内から坑口1tまで搬送して排出するような作業をなくすことができ、ズリの搬出作業が容易となる。形態1の場合、発破による拡幅作業を、先行立坑1Xの坑底1e側から先行立坑1Xの坑口1tに向かって順次行うので、拡幅作業を行う坑壁1uよりも坑底1e側は既に拡幅されて坑径が大きくなっており、発破により削られたズリの落下を邪魔する坑壁1uの突出部分が少ないので、ズリが坑90Aまでスムーズに落下する。
一方、形態4では、拡幅作業を行う坑壁1uよりも坑底1e側は拡幅作業が行われていないので、発破により削られたズリは、まだ拡幅作業が行われていなくて削られずに先行立坑1Xの中心方向に突出することになる坑底1e側の坑壁1uの上面に堆積しやすくなる。よって、このズリが堆積した部分よりも坑底1e側で坑壁1uに発破孔を形成する作業などを行うときには、ズリが落下して危険なので、堆積しているズリを事前に落下させる作業が必要になる。つまり、作業が多くなるので、先行立坑1Xを拡幅する際の作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間が多くなる。
形態2
本発明の方法によれば、既存立坑を拡幅(拡径)することにより立坑を形成することも可能である。例えば、既存立坑内の容積を増やしたい場合、あるいは、図7に示すように、既存立坑1Aの坑口1t側の坑壁1uが既存立坑1Aに投入された石灰石により削られて、既存立坑1Aの坑口1t側の坑径1Amが坑底1e側の坑径1Awよりも大きくなることにより、既存立坑1Aの坑径が絞られて漏斗形状のようになり、径の大きい坑内から径の小さい坑内への入口部分1Asで石灰石が詰まりやすくなった場合等に、既存立坑1Aを拡幅することにより立坑を形成する場合である。
以下、本形態2による立坑形成方法を説明する。まず、図7に示すように、石灰石鉱山90の採掘場90Tから破砕搬送設備10が設置された坑90Aまで延長する立坑(既存立坑1A)が既に形成されているとする。
尚、図7に示すように、坑90A内には、小割室12と、貯鉱槽13と、破砕室14と、搬送室15とが設けられ、当該坑90A内に破砕搬送設備10が設置される。当該破砕搬送設備10は、後述するふるい16、ガイドローラ17、ブレーカ18、ゲート21、コンベヤ装置22、破砕機23、搬送装置25、ベルトコンベヤ装置26などにより構成される。
貯鉱槽13は、傾斜路11の終端と連通して垂直方向に延長した後に傾斜する空間により形成される。貯鉱槽13の入口にはふるい16が設けられる。小割室12は、ふるい16より上方でかつ傾斜路11の終端と連通する空間により形成される。小割室12は、傾斜路11を経由して落下してきた石灰石をふるい16の上に導くガイドローラ17を小割室12の入口の天井19側に備え、かつ、ふるい16の上に位置された石灰石を砕いてふるい16のふるい目に通すブレーカ18を備える。よって、ブレーカ18で砕かれて小割りされた石灰石が貯鉱槽13内に落下して貯蔵される。破砕室14は、ゲート21と、コンベヤ装置22と、破砕機23とを備える。降雨時や拡幅作業時以外の石灰石破砕搬送時には、貯鉱槽13から落下する小割された石灰石がコンベヤ装置22により破砕機23に搬送され、破砕機23で石灰石がより細かく破砕される。降雨時、拡幅作業時には、ゲート21により貯鉱槽13からの水やズリがコンベヤ装置22の上に落下しないように、貯鉱槽13からの水やズリがゲート21により堰き止められる。搬送室15は、破砕機23で破砕された石灰石を石灰工場や港などに搬送するための長距離ベルトコンベヤ装置のような搬送装置25と、破砕機23で破砕された石灰石を搬送装置25に搬送するベルトコンベヤ装置26とを備える。よって、貯鉱槽13から破砕機23に送られ、破砕機23で破砕されてより細粒化された石灰石がベルトコンベヤ装置26及び搬送装置25を経由して石灰工場や港などに搬送される。
図8に示すように、スカフォード設備30は、スカフォード31と、スカフォード31の吊下支持装置32と、巻取り及び巻出し可能なロープ33によりスカフォード31を昇降可能に吊り下げる巻上機34とを備える。吊下支持装置32は、既存立坑1Aの坑口1tを跨ぐように設置され、既存立坑1Aの中心線とスカフォード31の中心線とが一致するようにスカフォード31の吊下位置を決定するための装置である。吊下支持装置32は、ベース35と、ロープ33を吊り下げる吊下滑車36及びガイド滑車39を設置するための屋根骨組37と、ベース35と屋根骨組37とに連結されて屋根骨組37を支持するトラス支柱骨組38とを備える。ベース35にはスカフォード31を通過させる図外の通過孔が形成される。このベース35が、既存立坑1Aの坑口1tを跨いで、通過孔の中心線と既存立坑1Aの中心線とが一致するように設置される。スカフォード31の屋根41には、ロープ33を巻掛けるための動滑車42が設置される。即ち、ロープ33の一端が巻上機34の図外の巻取軸に固定され、ロープ33の他端側がガイド滑車39、吊下滑車36、動滑車42を経由して、ロープ33の他端が例えばベース35に固定される。この状態で、スカフォード31がベース35の通過孔を経由して既存立坑1A内に吊り下げられ、巻上機34でロープ33を巻取れば、スカフォード31が上昇し、巻上機34でロープ33を巻出せばスカフォード31が下降する。既存立坑1Aの中心線とスカフォード31の中心線とが一致してスカフォード31が昇降可能なように、吊下滑車36及び動滑車42の位置、個数などが設定される。即ち、巻上機34の巻取り及び巻出し操作によりスカフォード31を既存立坑1A内で昇降可能に吊り下げることができるように構築する。
図6乃至図9に基いて、既存立坑1Aを拡幅して立坑1を形成する方法を説明する。まず、クレーン等の揚重機44を用いて、上述したように、既存立坑1Aの坑口1tに吊下支持装置32のベース35を設置する(図8;図9(a)参照)。トラス支柱骨組38及び屋根骨組37を組み立てて、屋根骨組37上にガイド滑車39、吊下滑車36を設置した後、ロープ33の一端を巻上機34の巻取軸に固定し、ロープ33の他端側を順番にガイド滑車39、吊下滑車36、動滑車42に巻掛けてロープ33の他端をベース35に固定することにより、巻上機34の巻取り及び巻出し操作によりスカフォード31を立坑1A内で昇降可能に吊り下げることができるように構築する(図8;図9(b)参照)。
まず、既存立坑1A内の坑壁1uの状態が不明であり、坑壁1uが崩れ易くなっていることも予想されるので、巻上機34でロープ33を巻出してスカフォード31を既存立坑1A内で下降させながら(図9(c)参照)、既存立坑1A内の現状の坑壁1uが崩れないように安全を確保する。この場合、スカフォード31の作業床31F上に、坑壁状態確認及び後述する取付部材の取付作業に必要な物が搭載されるとともに作業者が乗り、スカフォード31を既存立坑1Aの坑口1t側から既存立坑1Aの坑底1e側に向かって徐々に下降させる。この際、スカフォード31の下降と停止とを繰り返しながら、作業者が、スカフォード31の作業床31F上から坑壁1uの状態を確認する作業を行うとともに、スカフォード31の停止中に、作業者が、坑壁1uの崩れを防止して作業者の安全を図るために、坑壁1uに落石防止用の図外の取付部材を取付けていく。この取付部材は、ネット、金網、シート、帯鉄などであり、取付作業は、取付部材をアンカーのような固定具で坑壁1uに取付ける作業である。既存立坑1A内の坑壁1uの状態確認作業及び坑壁1uに対する取付部材の取付作業を終了した後は、取付部材を坑壁1uに取付けた状態のまま、スカフォード31を坑口1tまで上昇させる。
そして、スカフォード31の作業床31F上に、後述する拡幅作業に必要な物が搭載されるとともに作業者が乗り、スカフォード31を既存立坑1Aの坑口1t側から既存立坑1Aの坑底1e側まで降ろす(図9(d)参照)。スカフォード31を既存立坑1Aの坑底1e側まで降ろす際には、坑壁1uに取付けられている取付部材は、スカフォード31と坑壁1uとの衝突を防止する坑壁保護材として機能する。
次に、既存立坑1Aの坑壁1uを発破する作業、即ち、発破による拡幅作業を、既存立坑1Aの坑底1e側から既存立坑1Aの坑口1tに向かって順次行うことで、既存立坑1Aを拡幅する(図9(e);図8参照)。
発破により削られたズリは自然落下して既存立坑1Aの下に設けられた貯鉱槽13に移動し、ゲート21で堰き止められる。ゲート21で堰き止められた当該ズリは、破砕室14で回収され、排出される。
本形態2では、拡幅作業対象部位の坑壁1uに取付けられている取付部材を撤去した後に拡幅作業を行う。拡幅作業を終えた後、拡幅作業を終えた坑壁部分1fu(図9(e);図8参照)よりも坑底1e側で作業を行うことがないので、拡幅作業を終えた坑壁部分1fuには取付部材を取付けない。拡幅作業を行う際、作業者の上方の坑壁1uに取付けられている取付部材は、坑壁1uからの落石を防止する落石防止材として機能する。
形態2によれば、形態1と同じ効果が得られるとともに、以下の効果も得られる。
後述する形態4による方法では、坑壁1uの状態確認作業及び坑壁1uに対する取付部材の取付作業と、拡幅作業の前に取付部材を撤去する撤去作業と、拡幅作業と、拡幅作業を終えた坑壁部分に取付部材を取付けていく取付作業とが必要となるので、立坑1を形成するまでの作業が多くなり、作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間が多くなる。
一方、本形態2では、坑壁1uの状態確認作業及び坑壁1uに対する取付部材の取付作業と、拡幅作業の前に取付部材を撤去する撤去作業と、拡幅作業とを行うことで立坑1を形成できるので、形態4による方法と比べて、拡幅作業を終えた坑壁部分に取付部材を取付けていく取付作業が不要となって、立坑1を形成するまでの作業が少なくでき、作業にかかる手間、及び、当該作業にかかる時間を少なくできる。
また、形態4では、拡幅された坑壁部分に取付部材を取付けるために、スカフォードから拡幅された坑壁部分に張り出す足場を構築しなければならず、足場構築作業が大変かつ危険である。また、作業員が張り出した足場に乗って取付作業を行わなくてはならないので、作業が困難でかつ危険である。
一方、本形態2によれば、拡幅された坑壁部分1fuに取付部材を取付ける必要がないため、足場構築作業が不要となり、拡幅された坑壁部分1fuに対する困難でかつ危険な取付部材の取付作業も不要とできるので、安全に立坑1を形成できる。
形態2によれば、発破により削られたズリは自然落下して既存立坑1Aの下に設けられた貯鉱槽13に移動するので、ズリを狭い既存立坑1A内から坑口1tまで搬送して排出するような作業をなくすことができ、ズリの搬出作業が容易となる。形態1の場合、発破による拡幅作業を、既存立坑1Aの坑底1e側から既存立坑1Aの坑口1tに向かって順次行うので、拡幅作業を行う坑壁1uよりも坑底1e側は既に拡幅されて坑径が大きくなっており、発破により削られたズリの落下を邪魔する坑壁1uの突出部分が少ないので、ズリが貯鉱槽13までスムーズに落下する。
尚、形態2においては、立坑1の一定の坑径寸法1wを、既存立坑1Aの坑口1tの坑径寸法1At(図7参照)よりも大きくしたり、あるいは、立坑1の一定の坑径寸法1wを、既存立坑1A内に投入された石灰石により削られて大きくなった既存立坑1Aの坑口1t側の坑径1Amよりも大きくすることが好ましい。このようにすれば、坑口1t側の坑径寸法が坑底1e側の坑径寸法より大きい場合に比べて、石灰石が立坑1内で詰まりにくくなるので、石灰石投入用の立坑として好ましい立坑1が得られる。
また、形態2においては、スカフォード31を既存立坑1A内で下降させながら既存立坑1A内の坑壁1uの状態確認作業及び坑壁1uに対する取付部材の取付作業を行った直後においてスカフォード31を上昇させる際に拡幅作業を行ってもよい。
形態3
2つ以上の坑径寸法を有し、坑底1e側の坑径寸法が坑口1t側の坑径寸法より大きい立坑1とする。この立坑1によれば、坑底1e側に近い程、坑径寸法が大きいので、坑口1t側の坑径寸法が坑底1e側の坑径寸法より大きい場合に比べて、石灰石が立坑1内で詰まりにくくなるので、石灰石投入用の立坑として好ましい立坑1が得られる。
形態4
形態1乃至形態3では、立坑1を形成するための発破による拡幅作業を、先行立坑1Xや既存立坑1Aのような基準立坑の坑底1e側から基準立坑の坑口1tに向かって順次行うことで、立坑1を形成する形態を示したが、立坑1を形成するための発破による拡幅作業を、基準立坑の坑口1t側から基準立坑の坑底1e側に向かって順次行うことで、立坑1を形成してもよい。この場合でも、基準立坑内を昇降可能なスカフォードから基準立坑の坑壁を発破することにより基準立坑を拡幅した立坑1を形成するので、低コストで立坑1を形成でき、経済的である。
また、上記では、石灰石投入用の立坑を形成する例を示したが、本発明は、鉄鉱石、亜鉛鉱石、銅鉱石などの他の鉱石投入用の立坑を形成する場合にも適用可能である。
また、本発明の立坑の形成方法は、特許文献1に示すようなアクセス坑道と呼ばれる立坑を形成する場合にも適用可能である。
本発明では、作業員がスカフォード31から坑壁に対する発破による拡幅作業を行える程度(例えば2m以上)の坑径の先行立坑1Xや既存立坑1Aのような基準立坑があれば、当該基準立坑内を作業員がスカフォード31で昇降して発破による拡幅作業を行うことで、経済的に立坑1を形成できる。
1 立坑、1X 先行立坑(基準立坑)、1A 既存立坑(基準立坑)、
1e 坑底、1t 坑口、31 スカフォード。

Claims (1)

  1. 鉱山から採掘された鉱石を投入して貯蔵ビンとして利用されていた既存立坑内を昇降可能な吊り足場から既存立坑の坑壁を発破することにより既存立坑を拡幅する拡幅作業を既存立坑の坑底から坑口に向かって行うことで既存立坑を拡幅した立坑を形成する立坑形成方法であって、
    吊り足場を既存立坑内で下降させながら、既存立坑内の坑壁の状態確認作業、及び、吊り足場と坑壁との衝突を防止する坑壁保護材として機能するとともに既存立坑の坑底から坑口に向かって発破による上記拡幅作業を行う際に坑壁からの落石を防止する落石防止材として機能する部材を既存立坑の坑壁にアンカーで取付ける当該部材の取付作業を行い、
    その後、既存立坑の坑底から坑口に向かって発破による上記拡幅作業を行う際に、拡幅作業対象部位の坑壁に取付けられている上記部材を撤去した後に上記拡幅作業を行うことを特徴とする立坑形成方法
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