JP5339851B2 - 変位計付圧電アクチュエータおよび圧電素子ならびにそれを用いた位置決め装置 - Google Patents

変位計付圧電アクチュエータおよび圧電素子ならびにそれを用いた位置決め装置 Download PDF

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本発明は、精密機器の位置決め装置などに使用される圧電アクチュエータに関するものであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡用のスキャナなどに適用される。
従来から、圧電アクチュエータはサブナノメータから数百マイクロメータオーダの精密位置決め装置として計測装置を初めとするさまざまな精密機器に使用されている。
ここで、圧電アクチュエータを使用した位置決め装置を、走査型プローブ顕微鏡を例にとり説明する(特許文献1参照)。
図22は従来の走査型プローブ顕微鏡の構成図である。従来の走査型プローブ顕微鏡では、先端に探針213を有するカンチレバー214と、探針213と対向する位置に設置されサンプル212が載置されるサンプルホルダ211と、前記探針213をサンプル面内に移動させる水平方向微動機構とサンプル表面と垂直な方向に移動させる垂直方向微動機構からなる三軸微動機構215と、カンチレバー214のたわみを検出するための変位検出機構219から構成される。
図22の従来技術では、三軸微動機構215は円筒型圧電素子を用いた圧電アクチュエータが使用される。円筒型圧電素子は内部の結晶が内周面から外周面方向にかけて円筒の中心軸と直交する方向に一様な方向になるように分極処理が施されている。円筒型圧電素子の内周面には単一の共通電極232が形成され、外周面には、円周に沿って設けられた帯状電極部235と、円周に対して4分割され中心軸と平行な方向に4分割電極部233、234が設けられる。帯状電極部235が設けられる側を先端とし、4分割電極部233、234が設けられる側を末端とすると、先端にはカンチレバー214が取り付けられて、末端はベース(図示せず)に固定される。
円筒型圧電アクチュエータは4分割電極部233、234が水平方向微動機構として作用し、帯状電極部235が垂直方向微動機構として作用する。円筒型圧電アクチュエータを駆動する場合には、内周面の共通電極232をグランド電位に接続し、4分割電極部233、234の中心軸に対して対向する2つの電極間にそれぞれ逆相の電圧を印加する。このとき、一方の電極側が中心軸と平行な方向に伸び、もう一方の電極側が縮み、その結果、円筒型圧電素子にたわみが生じて先端が円弧運動を行う。ここで、円弧運動の移動量は微小であるため、サンプル212の面内に対して概ね平行に探針213を動かすことが可能となる。もう一方の対向する2つの電極間も同様な動作をさせることで、探針213をサンプル212面内で2次元に移動させることができる。
また、外周面の帯状電極部235に電圧を印加すると、直径方向に歪みが発生し、その結果、中心軸と平行な方向にも歪みが生じて、探針213をサンプル212と直交する方向に移動させることが可能となる。
カンチレバー214の変位検出機構は一般に光てこ法が用いられる。変位検出機構219は、半導体レーザ216と集光レンズ217、フォトディテクタ218から構成される。半導体レーザ216の光を集光レンズ217でカンチレバー214の背面に集光し、カンチレバー214の背面で反射してきた光をフォトディテクタ218で検出する。カンチレバー214にたわみが生じた場合には、フォトディテクタ218上のスポットの位置が変化するので、この変化量を検出することでカンチレバー214のたわみを検出することが可能である。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡で、探針213とサンプル212を近接させていくと、原子間力または接触力が作用し、カンチレバー214にたわみが生じる。このときたわみ量は探針213とサンプル212間の距離に依存するため、カンチレバー214の変位検出機構219によりたわみ量を検出し、たわみ量が一定となるように、制御回路221により垂直方向微動機構を動作させて、探針213とサンプル212間の距離が一定となるようにフィードバック制御を行いながら、走査回路222により水平方向微動機構をラスタスキャンさせることで、サンプル表面の凹凸像を測定することができる。なお、カンチレバー214の静的なたわみを検出するコンタクト方式の他にも、カンチレバー214を共振周波数近傍で振動させながら、原子間力や間欠的な接触力による振幅や位相あるいは周波数の変化量により探針213とサンプル212の距離制御が行われる振動方式で測定を行う場合もある。
ここで、走査型プローブ顕微鏡の位置決め装置として用いられている3微動機構215は圧電素子で構成されているため、ヒステリシスやクリープが生じる。ヒステリシスは、圧電素子に電圧を印加した場合に電圧に対して変位が完全に線形にはならず、2次曲線に近似されるような動作を行う現象である。また、クリープは、ある電圧を圧電素子に印加した場合に、すぐに目標の移動量には達せず、時間的に少しずつ微小移動を行ってしまう現象である。
これらのヒステリシスやクリープが発生した場合には、正確な位置決めを行うことが困難となるため、より精密な位置決め手段として、圧電素子の変位を検出するための変位検出装置を用いて位置決め装置の変位の検出を行いヒステリシスやクリープを補償する方式が行われている。
圧電素子の変位検出装置には光学式センサや静電容量センサ、磁気式センサなどさまざまな方式が用いられているが、最もスペースをとらず、安価で、簡便な方法として、歪みゲージによる検出が有効である。
図23に従来技術の走査型プローブ顕微鏡の三軸微動機構の変位を歪みゲージにより検出する変位計付圧電アクチュエータを示す。この従来技術では、円筒型圧電素子215の外周面の4分割電極部233、234には各電極に1枚ずつ歪みゲージ201a、201b、202a、202bが接着されている。また、帯状電極部235には2枚の歪みゲージ203a、203bが中心軸に対して平行に接着されている。歪みゲージは一般に市販されている歪みゲージであり、円筒型圧電素子の中心軸に平行な方向に歪みが発生したときに大きな出力が得られる方向に接着される。一般的な歪みゲージでは、ベース材にポリイミド樹脂や紙、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール/エポキシ混合樹脂など絶縁材料が使用され、ベース材上には銅ニッケル合金やニクロム系合金などの金属材料や、シリコン単結晶などの半導体から構成される抵抗体が設けられており、同じくベース材上に形成されるニッケルなどの電極パターンを介して外部の検出装置に電気的に接続される。
水平方向微動機構では対向する2つの電極233、234に貼られた各2枚の歪みゲージ201a、201b、202a、202bと、2つの固定抵抗241、242により図24に示すようなブリッジ回路が組まれ、ブリッジ回路にブリッジ電圧e0を印加し、出力電圧e1を測定する。圧電素子に歪みが生じた場合には、歪みゲージ201a、201b、202a、202bの抵抗値が変化し出力電圧e1の値が変化する。この出力電圧e1を検出することで圧電素子の歪み量を測定することが可能となる。なお、この従来技術では各軸2枚のゲージ201a、201b、202a、202bが中心軸に対して対向する電極233、234に接着されているため、水平方向微動機構が中心軸に対してたわむことで各々の歪みの方向が逆となるため、各歪みゲージの検出信号の符号も逆となり、1枚の電極のみに歪みゲージを貼り付けた場合に比べて2倍の出力電圧を得ることができノイズに対する信号強度が増加する。さらに温度変化に伴う抵抗値変化分は相殺されて温度補償も行われる。
また垂直方向微動機構の場合には、2枚の歪みゲージ203a、203bと2つの固定抵抗241、242により、図25のようにブリッジ回路を組み、ブリッジ回路にブリッジ電圧e0を印加し、出力電圧e1を測定する。圧電素子に歪みが生じた場合には、歪みゲージの抵抗値が変化し出力電圧e1の値が変化する。この出力電圧e1を検出することで圧電素子の歪み量を測定することが可能となる。この場合も、1枚のケージの場合に比べて2倍の出力電圧を得ることができる。ただし、この回路では、温度変化に伴う抵抗値変化分の補償は行われない。
歪みゲージの出力は、あらかじめ変位が校正されている別の変位計や、この三軸微動機構を用いた走査型プローブ顕微鏡により校正用サンプルを測定したときのデータから変位と出力電圧e1の校正が行われており、得られる出力電圧e1から変位量を測定することができる。
このように歪みゲージの出力電圧から随時測定される変位情報から印加電圧に対して三軸微動機構が線形動作するようにフィードバック制御が行われる。なお、走査型プローブ顕微鏡では必ずしも垂直方向は電圧に対して線形動作する必要はなく歪みゲージの出力信号から得られる高さ情報をそのまま表示する場合もある。
特開平9−89913号公報
しかしながら、このように構成された従来の圧電アクチュエータでは、圧電素子の駆動電圧が印加される電極面に絶縁体を介して直接歪みゲージが接着されているため、圧電素子の電極面と歪みゲージの抵抗体や抵抗体に接続される抵抗体接続用電極で絶縁体が挟まれた構造となる。ベース材は誘電体として作用するため、歪みゲージ貼り付け部分があたかもコンデンサのように作用して静電容量成分が発生し、この静電容量成分の影響で歪みゲージの検出信号が正確に測定できなくなってしまう。
また、圧電素子の電極面には圧電素子駆動用の高圧の電圧が印加されているため、歪みゲージにつながるリード線の圧電素子に付随する電極への接触や、経時変化により歪みゲージのベース材内部を介して歪みゲージの電極や抵抗体と、圧電素子の電極がつながってしまい、歪みゲージや歪みゲージにつながる変位検出装置に高電圧がかかりこれらの装置を破損してしまうことがあった。またベース材の絶縁抵抗が低い場合にはリーク電流により歪みゲージの検出信号が正確に測定できない場合もあった。
したがって、本発明の目的は、圧電素子の歪みを圧電素子に取り付けた抵抗体により静電容量成分やリーク電流の影響を受けず高精度に測定可能で、さらにショートによる故障が発生せず信頼性の高い変位計付圧電アクチュエータおよび圧電素子とそれを用いた位置決め装置を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明では、任意の形状に形成され、内部の結晶が任意の方向に分極処理を施され、少なくとも厚み方向の対向する2面にそれぞれ電極が設けられた圧電素子と、前記電極間に電圧を印加し前記圧電素子に歪みを発生させるための駆動電源と、前記電極上に絶縁体を介して設けられた抵抗体と、前記抵抗体に接続され、前記抵抗体に任意の電圧を印加し、抵抗値変化を検出することで前記圧電素子の歪み量を検出する変位検出装置により構成される変位計付き圧電アクチュエータにおいて、抵抗体が設けられる圧電素子上の電極をグランド電位に接続した。
また、本発明では、前記変位計付圧電アクチュエータの抵抗体が設けられる圧電素子上の電極の電位を前記抵抗体に印加される電位と等しくした。
また、本発明の変位計付圧電アクチュエータで使用される圧電素子は、圧電素子を円筒型に形成し、円筒型の圧電素子の内周面と外周面の双方に電極を設け、外周面の電極に絶縁体を介して抵抗体を設けた構成とした。この円筒型圧電素子は、内周面の電極が複数に分割され、外周面の電極が外周に添って設けられる単一の帯状電極、または内周面に接続される折返し電極と単一の帯状電極で構成され、前記外周面の帯状電極に絶縁体を介して抵抗体を設けた構造とした。
また、円筒型の圧電素子の内周面に少なくとも2箇所以上の電極を設け、圧電体を介して前記内周面の電極に対向する外周面側にも電極を設け、前記内周面電極の少なくとも1つの電極はひずみを生じさせないダミー電極とし、他の電極は電圧を印加することにより圧電素子にひずみを生ずるアクティブ電極とし、前記アクティブ電極の外側電極に1箇所または2箇所の抵抗体を設け、前記ダミー電極の外側電極に1箇所または2箇所の抵抗体を設け、少なくとも前記抵抗体が設けられる電極が同電位になるように構成されてグランド電位に接続され、前記アクティブ電極の外周面側に設けられた抵抗体によりひずみ検出を行う際に、ダミー電極の外周面側に設けられた抵抗体により温度補償を行うようにアクティブ電極とダミー電極間の各抵抗体を接続してブリッジ回路を構成した。
さらに、前記ダミー電極を有する圧電素子と、前記アクティブ電極を有する圧電素子が同一の圧電体の材料を用いて別体により構成した。
また、円筒型の圧電素子は圧電体の表面に電極を設けた後、機械加工により電極の一部を除去すること工程を含む方法により外周面または/および内周面の電極を作製した。
さらに、圧電体の表面にマスキングを行う工程とマスキング以外の部分に電極を設ける工程と前記マスクを除去する工程とを含む方法により外周面または/および内周面の電極を作製した。
さらに、本発明の変位計付圧電アクチュエータで使用される圧電素子は、任意の板状弾性体の上面および/または下面に、板状の圧電素子を固着し、前記圧電素子の表面および弾性体との界面側にそれぞれ電極を設け、前記圧電素子の表面側電極に絶縁体を介して抵抗体を設けたバイモルフ型またはユニモルフ型の構造とした。
さらに、本発明の変位計付圧電アクチュエータで使用される圧電素子は、複数枚の膜状圧電素子と電極を交互に積層して積層型の圧電素子を形成し、前記膜状圧電素子に挟まれた電極に交互に接続される2つの電極を前記積層型圧電素子の側面に形成し、前記側面電極の一方の電極に絶縁体を介して抵抗体を設けた積層型の構造とした。
また、本発明では、任意の形状に形成され、内部の結晶が任意の方向に分極処理を施され、少なくとも厚み方向の対向する2面にそれぞれ電極が設けられた圧電素子と、前記電極間に電圧を印加し前記圧電素子に歪みを発生させるための駆動電源と、前記圧電素子上に設けられた抵抗体と、前記抵抗体に接続され、抵抗値変化を検出することで前記圧電体の歪み量を検出する変位検出装置により構成される変位計付き圧電アクチュエータにおいて、前記抵抗体が設けられる部分は圧電素子上に電極を設けないようにした。
また、本発明の変位計付圧電アクチュエータに使用される抵抗体は半導体を使用した。
本発明では、以上のように構成される変位計付圧電アクチュエータを使用して位置決め装置を構成した。
抵抗体が設けられる圧電素子上の電極部分がグランド電極に接続されているか、抵抗体に印加される電圧と同電位となっているため、絶縁体のベースシート上に構成された抵抗体でも、圧電素子の電極面と抵抗体や抵抗体に接続される抵抗体接続用電極間での電位差がほとんど発生しないので、圧電素子に高電圧を印加して駆動した場合でも静電容量成分がほとんど発生せず、抵抗値変化の検出信号が静電容量の影響を受けない。また、ベース材の絶縁抵抗が低い場合でもリーク電流はほとんど流れない。そのため、圧電体の歪み量を正確に測定することが可能となり、圧電アクチュエータの変位の検出精度が大幅に向上する。その結果、その圧電アクチュエータを使用した位置決め装置の移動精度も大幅に向上する。
さらに、抵抗体や抵抗体に接続されるリード線の圧電素子に付随する電極への接触や、経時変化により抵抗体が設けられる絶縁体内部を介して抵抗体に接続される絶縁体上の抵抗体接続用電極や抵抗体と、圧電素子の電極がつながってしまう現象(マイグレーション)が発生しなくなり、ショートにより抵抗体や検出装置が破損することを防止することができ信頼性や耐久性が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3に本発明の第一実施例に係る変位計付圧電アクチュエータを示す。図1は変位計付圧電アクチュエータの概観図であり、図2(a)は図1で使用される円筒型圧電素子の内周面の展開図、図2(b)は外周面の展開図である。
本実施例では、図1に示すような円筒型圧電素子が用いられる。円筒型圧電素子1は、図2(a)に示されるように内周面の上部には円周に沿って一様に帯状電極2aが設けられ、下半分は、円周に沿って4分割され円筒の中心軸と平行な方向に形成された4分割電極部(3a、4a、5a、6a)が設けられている。また、図2(b)に示されるように外周面の上端部には内周面の帯状電極部2aにつながる折返し電極部2bが、下端部には内周面の4分割電極部(3a、4a、5a、6a)につながる折返し電極部(3b、4b、5b、6b)が設けられ、折返し電極以外の部分には円周に沿って単一の帯状電極7が形成される。
この円筒型圧電素子1の全長は100mm、外周の直径は15mm、内周と外周間の厚さは1mm、4分割電極部(3a、4a、5a、6a)の長さは50mm、帯状電極部2aの長さは45mmである。この円筒型圧電素1は内部の結晶が内周面から外周面方向にかけて円筒の中心軸と直交する方向に極性を持つように分極処理が施されている。分極の極性は内周面の分割電極面によって異なる極性を持っており図2(a)の符号で示した極性を持つ。ここで、プラスの記号は分極を行う際に、外周面の帯状電極部7をグランド電位とし、内周面にプラスの電圧を印加して分極処理を行った部分であり、素子内部の結晶はマイナスの極性が内周面を向いている。このように分極処理された電極をプラス電極と呼ぶ。また、マイナスの記号は分極を行う際に、外周面の帯状電極部7をグランド電位とし、内周面にマイナスの電圧を印加して分極処理を行った部分であり、素子内部の結晶はプラスの極性が内周面を向いている。このように分極処理された電極をマイナス電極と呼ぶ。本明細書中での電極の極性の呼び方は、すべてこの定義に従うものとする。本実施例の円筒型圧電素子1では、内周面の帯状電極部2aはプラス電極であり、4分割電極部(3a、4a、5a、6a)は中心軸に対して互いに対向する電極(3a、4a)、(5a、6a)が逆極性となるように分極処理を施した。
この円筒型圧電素子の内周面の帯状電極部2aが設けられる側を先端部、4分割電極部(3a、4a、5a、6a)が設けられる側を末端部とし、中心軸方向をZ軸、Z軸に直交し紙面の左右方向をX軸、紙面に対して垂直方向をY軸とする。円筒型圧電アクチュエータを使用する場合には、通常、末端部がベーズブロック8に固定される。
ここで、外周面の帯状電極部7はグランドに接続される。また内周面の帯状電極部2aに接続される折返し電極部2bにはZ軸駆動電源9が接続される。さらに、内周面の4分割電極部(3a、4a、5a、6a)に接続される外周面の折返し電極部(3b、4b、5b、6b)のうち、X軸方向で対向する2つの電極部(3b、4b)にはX軸駆動電源10が、Y軸方向で対向する2つの電極部(5b、6b)にはY軸駆動電源11が接続される。なお、折返し電極(2b、3b、4b、5b、6b)は必ずしも設ける必要はなく内部の電極(2a、3a、4a、5a、6a)に直接接続してもよいが、折返し電極を設けることで駆動電源接続用の電極を円筒の外部に設けることができるため接続が容易となる。外周面の帯状電極7をグランドに接続する場合には、接地するか駆動電源(9、10、11)のグランド側に接続する。
このように接続された円筒型圧電アクチュエータのZ軸駆動電源9に電圧を印加すると、印加する極性に応じて圧電素子内部の結晶に引力または斥力が作用し、厚み方向に歪みが生じる。この歪みによりZ軸方向にも歪みが生じ、圧電素子はZ軸方向に変位が生じる。Z軸駆動電源9によりプラス極性の電圧を印加した場合には、厚みが増加する方向の歪みが生じ、その結果、Z軸沿って縮む方向に変位が生じる。逆にマイナス極性の電圧を印加した場合には、Z軸に沿って伸びる方向に変位が生じる。
また、X軸駆動電源10に電圧を印加すると結晶の極性が対向する電極(3a、4a)で異なっているため、一方は厚みが増加し、他方は厚みが減少する。その結果、中心軸に平行な方向で一方の電極は縮み、他方の電極は伸びる方向に変位し、円筒型圧電アクチュエータには末端の固定端を中心にX軸方向のたわみが生じ、先端は円弧運動を行う。ここで、円弧運動の変位が微小であるため、近似的にX軸に平行な方向に変位したとみなすことができる。X軸駆動電源10の電圧の極性を変化させることで中心軸に対して正負両方向に移動させることができる。Y軸についてもY軸駆動電源11を用いて対向する電極(5a、6a)に電圧を印加することで、X軸と同じ原理によりY軸方向に変位させることができる。その結果、X軸とY軸の印加電圧を制御することでXY平面内の任意の方向に圧電素子先端を動かすことが可能となる。本実施例では各軸の電極に印加する電圧は−200V以上+200V以下の範囲で駆動を行うことで、XY平面内で100μm、Z軸方向に10μm移動させることができる。ここで、4分割電極部(3a、4a、5a、6a)の対向する電極の極性を同じ極性とする円筒型圧電素子を使用してもよいが、この場合には円筒型圧電素子をたわみ変形させるために各軸に2つの電源を用いて互いに逆極性となる電圧を印加する必要があり、XYの2軸では合計4個の駆動電源が必要となる。本実施例のように、対向する電極(3a、4a)(5a、6a)の極性を異なるように分極することで各軸に1個、XYの2軸で合計2個の駆動電源で同一極性の電圧を印加することでXY面内の移動が実現できる。
次に、本実施例の円筒型圧電アクチュエータの変位検出方法を説明する。圧電アクチュエータでは通常、サブナノメータ〜数百マイクロメータオーダの微小な変位を発生させる目的で使用され、圧電素子の歪みにより変位を測定する場合に要求される歪み測定精度は、通常10−8〜10−3程度である。このような微小歪みを高感度で測定するために、本実施例では半導体を抵抗体に使用した歪みゲージにより、歪みの計測を行った。
図3(a)(b)に本実施例で使用される歪みゲージの構造と圧電素子への固定方法を示す。図3(a)は図2(b)で圧電素子に取り付けられた歪みゲージRz1のA−A線断面図であり、図3(b)は歪みゲージRz1の正面図である。なお、本実施例の他の歪みゲージもすべて同じ構造である。この歪みゲージRz1は、圧電素子1の素子本体15の外周面に形成されたニッケル製の電極7上に、絶縁体である厚さ15μmのポリイミド樹脂製のベース材16を介してn型半導体で構成される線状の抵抗体17が取り付けられている。また、線状抵抗体17の一方の端と他方の端は、図3(b)に示されるように、ベース16上にニッケルでパターニングされた抵抗体接続用電極18に接続されている。抵抗体17と抵抗体接続用電極18はあらかじめベース材16にパターニングされて歪みゲージRz1を構成しており、ベース材16を圧電素子の電極部7にエポキシ系の接着剤で接着する。
Z軸の歪みを測定する歪みゲージ(Rz1、Rz3)は、内周面に設けられた帯状電極部2aに対して表面側に位置する外周面の帯状電極部7に2箇所、線状の抵抗体17の長手方向が中心軸と平行になるように接着される。これらの2つの抵抗体(Rz1、Rz3)は抵抗体接続用電極18を介して外部に設置されるZ軸変位検出装置9に接続される。
ここで、図4により、変位検出装置の検出原理を説明する。図4は圧電素子に貼り付けられる抵抗体と、外部の変位検出装置で構成される電気回路図である。変位検出装置は変位検出用の抵抗体と、変位検出装置内部で接続される固定抵抗を合計4つ使用してブリッジ回路が組まれる。ここで図4の各抵抗の番号は、各電極に貼られている変位検出用の抵抗体の番号に対応し、圧電素子に取り付けられる抵抗体以外は変位検出装置内部に設けられる固定抵抗となる。本発明の他の実施例についても図4の回路図を用いて圧電素子に取り付けられる各抵抗体の番号に対応させて説明する。
Z電極の抵抗体(Rz1、Rz3)は図4の回路図のR1、R3の部分に組み込まれる。抵抗体(Rz1、Rz3)の抵抗値は120Ωである。またR2、R4には抵抗値120Ωの固定抵抗が組み込まれる。ここでブリッジ回路にブリッジ電圧Eを印加する。本実施例ではEは2Vとした。Eは直流でも交流でもよいが本実施例では30kHzの交流を用いて対ノイズ性を向上させた。
以上のように構成したZ軸変位検出装置12で、圧電素子に歪みεが生じた場合、出力電圧eは以下の式で表される。
e=KEε/2
ここで、Kは抵抗体の材質により決まるゲージ率であり、本実施例でも用いたn型半導体の場合には約−100である。なお、最も一般的に用いられる銅ニッケル合金などの金属材料の抵抗体を用いた歪みゲージではゲージ率は通常2程度であるため、半導体ゲージにすることで約50倍検出感度が向上する。
この式から、出力電圧Eを測定することにより歪み量εの測定が可能となり、測定される歪み量から圧電素子の変位が求まる。
また、4分割電極部のX電極(3a、4a)、Y電極(5a、6a)の表面側に位置する外周面の帯状電極部7にはそれぞれ2枚のゲージ(Rx1、Rx2)(Ry1、Ry2)が接着され、図4のR3、R4には固定抵抗が組み込まれる。各抵抗体の特性はZ電極と同じである。このときにX軸変位検出装置13およびY軸変位検出装置14の出力電圧eは以下の式で表される。
e=KEε/2
したがって、X軸、Y軸の変位も変位検出装置(13,14)の出力電圧により測定することができる。
ここで、図5(a)(b)に従来の変位計付圧電アクチュエータの内周面と外周面の電極パターンと抵抗体の取り付け方法を示す。この従来技術は圧電素子の形状や電極の形状は図2(a)(b)の内側電極と外側電極を逆にしただけであり、原理的には同一の圧電素子であるために移動量は同一の特性を示す。この従来技術では円筒型圧電素子20の内周面は円周に沿って単一の帯状電極部21aが設けられ、外周面の先端部には内周面の帯状電極部21aにつながる折返し電極部21bが設けられ、折返し電極部21bの下側には円周に沿って帯状電極部22が設けられ、下側には円周に沿って4分割され中心軸に平行な方向に形成された4分割電極部(23、24、25、26)が設けられる。外周面の帯状電極部22はマイナス極性に、4分割電極部(23、24、25、26)は中心軸に対して対向する電極(23、24)(25、26)が逆の極性となるように分極処理が施されている。外周面にある内側電極の折り返し電極部21bをグランドに接続し、外周面の帯状電極部分22にZ軸駆動電源27が、4分割電極部の対応する2つの電極(23、24)(25、26)にX軸駆動電源28およびY軸駆動電源29が接続される。
また、圧電素子20の変位検出用の抵抗体は図2(b)で使用したものと同一の歪みゲージが用いられ、外周面の帯状電極部上22に2枚(Rz1、Rz3)と4分割電極部上(23、24、25、26)に各1枚ずつ(Rx1、Rx2、Ry1、Ry2)取り付けられる。各抵抗体はそれぞれZ軸変位検出装置、X軸変位検出装置、Y軸検出装置(図示せず)に接続されて、図4に示したブリッジ回路が組まれる。
図2と図5の変位計付圧電アクチュエータでは、Z軸については製作の都合上、図2(b)と図5(b)に示したように、分極の極性が異なるように製作したため、Z軸駆動電源(9、27)により同一の大きさで同じ極性の電圧を印加すると、同一の大きさで移動方向の異なる変位が得られ、X軸、Y軸については、図2(b)と図5(b)に示したように同じ極性となるように製作したため、駆動電源により同一の大きさで同じ極性の電圧を印加すると、同一の大きさで移動方向も等しい変位が得られる。
ここで、図2(b)と図5(b)に示した圧電アクチュエータのZ軸の電極の2つの抵抗体のうちRz1のみを、図4に示したブリッジ回路のR1の部分に接続し、残りを固定抵抗とし、Z軸駆動電源27により電圧を印加した場合の出力を測定した。
図2の圧電アクチュエータ1には0〜−100V、0.12Hzの矩形波34を入力し、図5の圧電アクチュエータ20には0〜+100V、0.12Hzの矩形波33を入力し、図2と図5を同一方向に変位させた場合の歪みゲージRz1による変位検出結果と、圧電アクチュエータ(1、20)の先端の変位を別に設けた変位が正確に構成された光学式の変位計(インターフェロメータ)で測定した結果を図6(a)、図6(b)に示す。図6(a)は図2の抵抗体Rz1が設けられる電極7がグランド電位の場合であり、図6(b)は抵抗体Rz1が設けられる電極22に駆動電圧が印加される従来技術の場合である。ここで、歪みゲージの検出信号と変位計の検出信号はともに、電圧が増加する方向に動くと先端が縮む方向に変位する。図6(b)で測定した変位計による圧電素子の変位30を見ると、電圧印加によりある距離まで立ち上がった後、時間的に少しずつ変位が生じた方向にクリープしている様子が観察される。一方、図6(b)の抵抗体Rz1での変位検出装置の出力31を見ると、クリープの方向が圧電素子の変位方向30とは、まったく逆方向に動いている様子が観察される。一方、図6(a)の結果を見ると、抵抗体Rz1での変位検出装置の出力32は図6(b)の変位計で測定される圧電素子の変位30のクリープの方向と一致しており、圧電アクチュエータの変位が正確に測定されている。なお、今回の実験では装置作製時の都合で電極の分極の極性が逆となったため、図6(a)、図6(b)で駆動電圧は逆となっているが測定結果には影響しない。
この結果は、図2の圧電アクチュエータ1に0〜+100V、0.12Hzの矩形波を、図5の圧電アクチュエータ20にZ軸駆動電源に0〜−100V、0.12Hzの矩形波を印加して逆の方向に変位させた場合も測定したが、同じ特性を示し、抵抗体Rz1の検出特性は歪みの方向や印加電圧の極性には無関係であった。
これは、図5の従来の圧電アクチュエータ20では、Z軸駆動電源27が接続される圧電素子の帯状電極部22に絶縁体を介して抵抗体Rz1が接着されるため、圧電素子の電極22と抵抗体17または抵抗体につながる接続用電極部(図示せず)で絶縁体16がはさまれる構造となり、両者に電位差が発生し、あたかもコンデンサとして作用して、そのとき発生する静電容量成分がZ軸変位検出装置(図示せず)の信号に影響を与えるためである。図2の本発明のように抵抗体Rz1を設ける電極7をグランド電位とすることで、両者の電位差がほとんどなくなり、静電容量成分が発生せず正確な測定が可能となる。
また、図2(b)と図5(b)の4分割電極部(3a、4a、5a、6a)(23、24、25、26)についても、X軸の対向する2つの電極(3a、4a)(23、24)とY軸の対向する2つの電極間(5a、6a)(25、26)に矩形波を印加し、各抵抗体単体(Rx1、Ry1、Rx2、Ry2)をブリッジ回路に組込み変位検出装置の出力を測定した。
プラス極性の電極(3a、5a、24、26)の歪みを測定する抵抗体(Rx2、Ry2)の出力を測定する場合には、0〜+100V、0.12Hzの矩形波43を印加し、マイナス極性の電極(4a、6a、23、25)の歪みを測定する抵抗体(Rx1、Ry1)の出力を測定する場合には、0〜−100V、0.12Hzの矩形波44を印加し、同一方向に変位を与えて測定を行った。
図5の従来の圧電アクチュエータ20での測定結果を図7(a)〜(d)に、図2の本発明の圧電アクチュエータ1での測定結果を図8(a)〜(d)に示す。歪みゲージの出力は電圧が増加する方向が圧電素子の縮む方向である。
図7の結果を見ると、歪みゲージ(Rx1、Ry1、Rx2、Ry2)の出力信号(35、36、37、38)は、各電極の極性ごとにクリープの大きさが異なり、マイナス電極上の歪みゲージ(Rx1、Ry1)の出力信号(37、38)の方がプラス電極上の歪みゲージ(Rx2、Ry2)の出力信号(35、36)よりもクリープ量が大きくなり、極性が同じ電極上の出力特性(35、36)(37、38)は同じ特性となった。一方、図8の結果を見ると、抵抗体(Rx1、Ry1、Rx2、Ry2)が設けられる電極7がグランドに接続される場合には各抵抗体(Rx1、Ry1、Rx2、Ry2)が設けられる部分の内周面側の電極(3a、4a、5a、6a)の極性によらず出力信号(39、40、41、42)は同一のクリープ特性を示し、圧電素子1の先端の動きと歪みゲージ(Rx1、Ry1、Rx2、Ry2)の出力が一致した。
この理由もZ軸のときと同じく静電容量成分が歪みゲージの出力信号に影響を与えるためである。
なお、XY電極についても、プラス極性の電極(3a、5a、24、26)の歪みを測定する抵抗体(Rx2、Ry2)の出力を測定する場合に、0〜−100V、0.12Hzの矩形波を印加し、マイナス極性の電極(4a、6a、23、25)の歪みを測定する抵抗体(Rx1、Ry1)の出力を測定する場合には、0〜+100V、0.12Hzの矩形波を印加し、図7、図8とは逆方向に変位させたときの歪みゲージの出力を測定したがクリープ特性は同じ結果となり、抵抗体の検出特性は歪みの方向や印加電圧の極性には無関係であった。
また、ベース材の特性や湿度の影響などで絶縁抵抗が低い場合、リーク電流が流れてしまい測定精度が悪化することがあったが、抵抗体を設ける面がグランド電位であれば、リーク電流もほとんど発生しない。
したがって、本発明のように抵抗体を設ける面をグランド電位とすることで静電容量やリーク電流の影響を受けず、抵抗体により高精度で変位検出が可能な変位計付圧電アクチュエータが提供される。
また、従来の圧電アクチュエータでは高電圧がかかる電極面に歪みゲージが取り付けられていたので、抵抗体や抵抗体に接続されるリード線の圧電素子に付随する電極への接触や、経時変化により抵抗体が設けられる絶縁体内部を介して抵抗体に接続される絶縁体上の抵抗体接続用の電極や抵抗体と、圧電素子の電極がつながってしまう現象が発生し、ショートにより抵抗体や検出装置が破損することがあったが、抵抗体が貼り付けられる電極がグランド電位となっているため、これらの事故を防止することができ信頼性や耐久性が向上する。
また、抵抗体が設けられる電極がグランド電位であるため、変位検出装置自体のノイズレベルも低下する。さらに、この変位計付圧電アクチュエータを装置に組み込んだ場合には、圧電アクチュエータの外周面の電極のほとんどの部分がグランドに接続されているため圧電アクチュエータの周囲に配置される電気配線などにノイズが載ることが防止され、装置の対ノイズ性能が向上する。
本発明に係る第二実施例の円筒型の変位計付圧電アクチュエータ50を図9(a)(b)に示す。図9(a)は内周面の展開図であり、図9(b)は外周面の展開図である。
本実施例では各軸に抵抗体を4個配置し、4個の抵抗体によりブリッジ回路を構成することで、測定感度を上げるとともに温度による抵抗体の見かけ歪みを補償するようにした。本実施例では、図9(a)に示すように、内周面の上端には後で述べる外周面の帯状電極部51aに接続される折返し電極部51bを設け、その下に帯状電極部52を設け、さらにその下に円周面を4分割して中心軸に平行な方向に形成される4分割電極部(53a、54a、55a、56a)を設けた。帯状電極部52はプラス電極に分極し、4分割電極部(53a、54a、55a、56a)は中心軸に対して対向する電極(53a、54a)(55a、56a)が逆の極性を持つように分極を行った。
外周面は図9(b)に示すように、下端部に内周面の4分割電極部(53a、54a、55a、56a)に接続される折返し電極部(53b、54b、55b、56b)が設けられ、その他の部分には単一の帯状電極51aが設けられる。
外周面の帯状電極部51aはグランドに接続され、外周面の4分割電極部(53a、54a、55a、56a)の折返し電極(53b、54b、55b、56b)は、それぞれ中心軸に対して対向する電極(53b、54b)(55b、56b)ごとにX軸駆動電源58とY軸駆動電源59が接続される。また、Z軸駆動電源57は、内周面の帯状電極部52に接続される。
圧電素子50の垂直方向の変位を検出するための抵抗体(Rz1、Rz2、Rz3、Rz4)は第一実施例と同じ仕様の歪みゲージが使用され、外周面のグランドに接続される帯状電極部51a上で内周面の帯状電極部52の表側の任意の位置に2箇所、線状の抵抗体17の長手方向と円筒の中心軸が平行となるように歪みゲージ(Rz1、Rz3)接着される。また、外周面の帯状電極部51a上で、内周面の折り返し電極部51bの表側にも、歪みゲージ(Rz2、Rz4)を2箇所接着する。
これらの歪みゲージ(Rz1、Rz2、Rz3、Rz4)は図4のブリッジ回路に接続される。本実施例でも、図9(b)の各歪みゲージに付けている番号が、図4の抵抗の番号に対応する。
Z軸駆動電源57により、内周面の帯状電極部52に電圧を印加すると帯状電極部52はアクティブ電極として作用し、中心軸と平行な方向に変位が生じ、そのときの歪み量に応じて内周面の帯状電極部52の表側に貼り付けられた抵抗体Rz1、Rz3の抵抗値が変化する。これら2枚の抵抗体(Rz1、Rz3)は歪み測定用のアクティブゲージとして作用する。
一方、内周面の折返し電極部51bは外周面の帯状電極部51aに接続されているためダミー電極として作用し、歪みは発生しない。この部分に接着した2枚の抵抗体(Rz2、Rz4)は、温度補償用ダミーゲージとして使用する。歪みゲージによる測定では周囲の温度変化や抵抗体の発熱により抵抗値が変化し見かけ上の歪みが発生して測定精度が悪化してしまう。特に本実施例で使用する半導体ゲージでは感度が高い反面、温度による見かけ歪みが大きく、温度補償を行うことが好ましい。アクティブゲージ(Rz1、Rz3)で発生する見かけ歪みをダミーゲージ(Rz2、Rz4)で発生する見かけ歪みで相殺することで見かけ歪みに影響されず歪み量の測定が行われる。以上のように構成されたZ軸の変位検出装置の出力は以下の式で表される。
e=KEε/2
実施例1の歪みゲージ2枚のときと出力電圧自体は同じであるが、温度による見かけ歪みの影響がなく実施例1よりも測定精度が向上する。
なお、Z軸方向の歪みの検出は歪みゲージ4枚をすべてアクティブゲージに使用して、そのうち2枚の抵抗体を中心軸と平行に、残りの2枚の抵抗体を円周面に沿って接着することでe=1.6KEε/2程度の出力電圧が得られ、温度補償も可能であるが、本実施例で抵抗体に用いている半導体を曲面への取り付けた場合には正確な出力得られないため、このような接着方法が可能となるのは金属製の抵抗体のみであり、抵抗体を半導体とした場合には本実施例のようにダミーゲージ用の電極を用いることが有効である。
また、圧電素子の水平方向の変位を検出するための抵抗体は、4分割の各電極部(53a、54a、55a、56a)の表側の帯状電極部51aに各2枚ずつ線状の抵抗体17が中心軸と平行になるように接着される。このとき対向する2つの電極(53a、54a)(55a、56a)の表側に接着された合計4枚の抵抗体(Rx1、Rx2、Rx3、Rx4)(Ry1、Ry2、Ry3、Ry4)を図4のブリッジ回路に接続する。この場合も図9(b)の抵抗体の番号が図4の抵抗の番号に対応する。このように構成された各軸の変位検出装置の出力は以下の式で表される。
e=KEε
この式からわかるように、実施例1の歪みゲージ2枚でブリッジ回路を構成したときに比べて出力が2倍となり高感度の測定が行われる。しかも、各抵抗体で発生する見かけ歪みも相殺されて、温度補償も行うことが可能である。
なお、本実施例では4分割電極部(53a、54a、55a、56a)の表側に接着される歪みゲージ(Rx1、Rx2、Rx3、Rx4)(Ry1、Ry2、Ry3、Ry4)は2枚を平行に並べて接着したが、円筒型圧電素子の場合には、同じ電極上であれば場所に寄らず長手方向で同じ歪み量が得られるため、各電極の幅が小さく平行に並べて配置することが困難な場合には、各電極に接着される歪みゲージを2枚一直線に並べて接着してもよい。
図10(a)(b)に本発明の第三実施例の変位計付円筒型圧電アクチュエータ60を示す。図10(a)は内周面の電極の展開図、図10(b)は外周面の電極の展開図である。なお、圧電素子の駆動方向や変位検出方法は第一実施例や第二実施例と同じであるため構成のみ説明し動作については説明を省略する。
本実施例の変位計付圧電アクチュエータ60は中心軸に対して平行な方向に変位するアクチュエータである。内周面には上下に2分割された帯状電極部(61b、62a)が設けられる。
上端の帯状電極部61bは折返し電極となっており外周面の帯状電極部61aに接続される。内周面の帯状電極部62aはプラスの極性に分極される。
外周面には帯状電極部61aと、下端に内周面の帯状電極部62aに接続される折返し電極部62bが設けられる。
外周面の帯状電極部61aはグランド電位に接続され、内周面の帯状電極部62aは外周面の折返し電極部62bを介してZ軸駆動電源63に接続される。
内周面の折返し電極61bはダミー電極として作用し、表面の外周面の帯状電極部61aには歪みゲージ(Rz2、Rz4)が2箇所接着される。これら2枚の歪みゲージ(Rz2、Rz4)は温度補償用のダミーゲージとして作用する。 また、内周面の帯状電極部62aはアクティブ電極として作用し、表面の外周面の帯状電極部61aにも2箇所の歪みゲージ(Rz1、Rz3)が接着され、これら2枚の歪みゲージ(Rz1、Rz3)がアクティブゲージとして作用する。
これら4枚の歪みゲージ(Rz1、Rz2、Rz3、Rz4)が図4のブリッジ回路に接続され変位検出装置を構成する。この変位検出装置により、e=KEε/2 の大きさの出力が得られ、温度補償も行われる。
図11(a)(b)に本発明の第四実施例の変位計付円筒型圧電アクチュエータ70を示す。図11(a)は内周面の電極の展開図、図11(b)は外周面の電極の展開図である。
本実施例の変位計付圧電アクチュエータ70は中心軸に対して垂直な2次元平面内で駆動するアクチュエータである。内周面は円周に沿って4分割され中心軸と平行な方向に4分割電極(72a、73a、74a、75a)が設けられ、各電極は中心軸に対して対向する電極(72a、73a)(74a、75a)が異なる極性となるように分極が行われている。また、外周面には内周面の4分割電極部(72a、73a、74a、75a)に接続される折返し電極部(72b、73b、74b、75b)と、帯状電極部71が設けられる。
4分割電極部(72a、73a、74a、75a)の中心軸に対してそれぞれ対向する2つの電極(72a、73a)(74a、75a)が外周面の折返し電極部(72b、73b、74b、75b)を介してそれぞれX軸駆動電源76とY軸駆動電源77に接続されている。また、外周面の帯状電極部71はグランド電位に接続される。
4分割電極部の各電極(72a、73a、74a、75a)の裏側に位置する外周面の帯状電極部分71には、それぞれ2枚の歪みゲージ(Rx2、Rx4)(Rx1、Rx3)(Ry2、Ry4)(Ry1、Ry3)が接着される。中心軸に対して対向する2つの電極に接着された各軸合計4個の歪みゲージ(Rx1、Rx2、Rx3、Rx4)(Ry1、Ry2、Ry3、Ry4)が図4のブリッジ回路に接続されて変位検出装置を構成し、2軸方向の変位検出が行われる。
図12(a)(b)に本発明の第五実施例の変位計付円筒型圧電アクチュエータ80を示す。図12(a)は内周面の電極の展開図、図12(b)は外周面の電極の展開図である。
本実施例の変位計付圧電アクチュエータ80は中心軸に対して垂直な2次元平面内で駆動するアクチュエータである。内周面は円周に沿って4分割され中心軸と平行な方向に4分割電極(82a、83a、84a、85a)が設けられる。各電極(82a、83a、84a、85a)はすべてプラス電極で同一の極性となるように分極が行われている。また、外周面には内周面の4分割電極部(82a、83a、84a、85a)に接続される折返し電極部(82b、83b、84b、85b)と、帯状電極部81が設けられる。
4分割電極部(82a、83a、84a、85a)は外周面の折返し電極部(82b、83b、84b、85b)を介してX軸駆動電源(86、87)とY軸駆動電源(88、89)が交互に接続される。また、外周面の帯状電極部81はグランド電位に接続される。
本実施例では、各軸に2台の電源(86、87)(88、89)を使用して互いに逆相の電圧を印加し中心軸に対してたわみを発生させて先端を2次元平面内で駆動させる。
4分割電極部(82a、83a、84a、85a)の各電極の表側に位置する外周面の帯状電極部分81には、それぞれ2枚の歪みゲージ(Rx2、Rx4)(Rx1、Rx3)(Ry2、Ry4)(Ry1、Ry3)が接着される。中心軸に対して対向する2つの電極に接着された各軸合計4個の歪みゲージ(Rx1、Rx2、Rx3、Rx4)(Ry1、Ry2、Ry3、Ry4)が図4のブリッジ回路に接続されて変位検出装置を構成し、2軸方向の変位検出が行われる。
図13(a)(b)に本発明の第六実施例の変位計付円筒型圧電アクチュエータ90を示す。図13(a)は内周面の電極の展開図、図13(b)は外周面の電極の展開図である。
本実施例の変位計付圧電アクチュエータ90は中心軸に平行な方向に変位を発生させるためのアクチュエータである。内周面は上端部に外周面の帯状電極部91aに接続される帯状の折返し電極部91bが設けられ、その下側に円周に沿って4分割され中心軸と平行な方向に形成される4分割電極部(92a、93a、94a、95a)が設けられる。4分割電極部(92a、93a、94a、95a)の各電極はすべてプラス電極で同一の極性となるように分極が行われている。また、外周面には内周面の4分割電極部(92a、93a、94a、95a)に接続される折返し電極部(92b、93b、94b、95b)と、帯状電極部91aが設けられる。
4分割電極部(92a、93a、94a、95a)は外周面の折返し電極部(92b、93b、94b、95b)を介してそれぞれ電極に1台ずつZ軸駆動電源(96、97、98、99)が接続される。また、外周面の帯状電極部91aはグランド電位に接続される。
本実施例では、4分割電極部(92a、93a、94a、95a)に接続される各Z電源駆動電源(92a、93a、94a、95a)から同一極性で同一の大きさの電圧を印加する。各電極部分(92a、93a、94a、95a)の圧電素子には同一方向の歪みが発生し、中心軸に平行な方向に圧電アクチュエータ90を駆動させることができる。ここで、圧電素子の加工精度などにより、同じ電圧を印加した場合でも中心軸に対して完全に平行には動作しない場合がある。このような場合には4分割電極部(92a、93a、94a、95a)に印加する電圧を調整して偏差分を補正することが可能であり直進性が確保される。
本実施例ではアクティブ電極として作用する4分割電極部(92a、93a、94a、95a)の各電極の表側に位置する外周面の帯状電極部分91aには2枚の歪みゲージ(Rz1、Rz3)を接着しアクティブゲージとして作用させ、ダミー電極として作用する内周面の折り返し電極部91bの表側の外周面の帯状電極部91a上に2枚の歪みゲージ(Rz2、Rz4)を接着し温度補償用のダミーゲージとして使用する。これら4個の歪みゲージ(Rz1、Rz2、Rz3、Rz4)を図4のブリッジ回路に接続し変位検出装置を構成し、中心軸と平行な方向の変位検出が行われる。
ここで、図13、図14を例にとり、分割電極の製造方法を説明する。本実施例では2つの方法を用いて電極分割を行った。
1つめの方法は、内周面、外周面、および両端面すべてに電極を作製した後、加工により電極を除去して分割を行った。
電極の作製は、圧電体を円筒に成型後、脱脂洗浄を行い、触媒として作用するパラジウムを素子全面に吸着し乾燥させる。次にメッキ液に浸漬して無電解ニッケルメッキを行い、厚さ約3μmのニッケルを全面に設ける。
ダイヤモンドコートを施した工具により内周面および外周面のニッケル層と圧電体の表面の一部を削ることで分割電極を作製した。なお、外側電極の分割は比較的容易に行うことができるため、メッキ工程の際にマスキングテープなどで外周面のみ分割電極を作製しておくと作業時間が短縮される。
2つ目の方法は、電極を設けない部分にマスキングを施す方法で分割を行った。
この方法では、圧電体を円筒に成型後、脱脂洗浄を行った後、分割ラインに沿ってレジスト液を塗布し乾燥させる。次にパラジウムを吸着し乾燥させ、レジストを除去し、メッキ液に浸漬することでパラジウムが吸着している部分のみに選択的に無電解ニッケルメッキを行うことで分割電極を作製した。
なお、工程の順序を入れ替え、パラジウム吸着→レジスト塗布→無電解ニッケルメッキ→レジスト除去または、レジスト塗布→パラジウム吸着→無電解ニッケルメッキ→レジスト除去などの方法で分割を行うことも可能である。
なお、マスキングの種類はレジストに限定されず、マスキングテープや他のマスキング手法も使用できる。
また、電極の種類はニッケルに限定されず、銀や金、カーボンなど任意の導電体が使用できる。
これらの製造方法は本発明の他の実施例にも適用できる。
なお、実施例3と実施例6で使用される圧電素子はアクティブ電極を有する圧電素子とダミー電極を有する圧電素子を別体で構成し、セラミックスなどの接続部材を使って接着してもよい。この場合、内周面の分割工程を省略できて、一体成形する場合よりも製作が容易となる。
また、実施例1から6に示した圧電素子は、外周面のグランド電位に接続される電極を一様な帯状電極で構成したが、外周面の抵抗体が設けられる電極も分割して、銅線などで同電位になるように接続してグランド電位に接続してもよい。
図14(a)(b)と図15に本発明の第七実施例の変位計付円筒型圧電アクチュエータ100を示す。図14(a)は内周面の電極の展開図、図14(b)は外周面の電極の展開図である。図15は図14(b)の歪みゲージ取付部分のB−B断面図である。
図14(a)に示すように内周面は単一の帯状電極部101aが設けられる。また図14(b)に示すように外周面には、内周面の帯状電極部101aにつながる折返し電極部101bと、帯状電極部103と、4分割電極部(104、105、106、107)から構成される。外周面の帯状電極部103はプラスの極性に分極され、4分割電極部(104、105、106、107)は中心軸に対して対向する電極(104、105)(106、107)がそれぞれ異なる極性となるように分極が行われる。
内周面の帯状電極部101aは外周面の折返し電極部101bを介してグランド電位に接続され、外周面の帯状電極部103はZ軸駆動電源110に接続され、4分割電極部(104、105、106、107)の中心軸に対してそれぞれ対向する2つの電極(104、105)(106、107)はそれぞれX軸駆動電源111とY軸駆動電源112に接続されている。
本実施例では、図15に示されるように、外周面の帯状電極部103内の2箇所と、4分割電極部(104、105、106、107)の各電極部に1箇所、電極を設けない領域108を作り、圧電素子112に直接歪みゲージ(Rz1、Rz3、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2)を接着した。歪みゲージのスペックや接着方法は第一実施例と同じである。これらは軸ごとに2枚の歪みゲージ(Rz1、Rz3)(Rx1、Rx2)(Ry1、Ry2)と2個の固定抵抗が図4のブリッジ回路に組み込まれ、変位検出装置を構成する。
このように圧電素子に直接歪みゲージを接着することで歪みゲージのベース16の接着面側に圧電素子の電極(103、104、105、106、107)が存在しないので、静電容量が発生せず、歪みゲージの検出信号に静電容量が悪影響を及ぼすことがない。
また、内周面に分割電極を設ける場合に比べると、本実施例では外周面に分割電極を作製するため圧電素子の電極の作製が容易である。
なお、本実施例のように圧電素子に直接抵抗体を設ける場合には必ずしも絶縁性のベースを介して抵抗体を設ける必要はなく、圧電素子上に抵抗体を直接固着してもよい。
図16(a)(b)と図17に本発明の第八実施例の変位計付円筒型圧電アクチュエータ120を示す。図16(a)は内周面の電極の展開図、図16(b)は外周面の電極の展開図である。図17は図16(b)の歪みゲージ取付部分のC−C断面図である。
図16(a)に示されるように、内周面は単一の帯状電極121aが設けられる。また図16(b)に示されるように外周面には、内周面の帯状電極部121aにつながる折返し電極部121bと、帯状電極部122と、4分割電極部(123、124、125、126)から構成される。外周面の帯状電極部122はプラスの極性に分極され、4分割電極部(123、124、125、126)は中心軸に対して対向する電極(123、124)(125、126)がそれぞれ異なる極性となるように分極が行われる。
内周面の帯状電極部121aは外周面の折返し電極部121bを介してグランド電位に接続され、外周面の帯状電極部122はZ軸駆動電源129に接続され、4分割電極部(123、124、125、126)の中心軸に対してそれぞれ対向する2つの電極(123、124)(125、126)はそれぞれX軸駆動電源130とY軸駆動電源131に接続されている。
本実施例では、図17に示したように、外周面の帯状電極部122内の2箇所と、4分割電極部(123、124、125、126)の各電極部に1箇所に、各電極とは独立した歪みゲージ取付用の電極128を作り、歪みゲージ取付用の電極128上に歪みゲージ(Rz1、Rz3、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2)を接着した。歪みゲージのスペックや接着方法は第一実施例と同じである。これらは軸ごとに2枚の歪みゲージ(Rz1、Rz3)(Rx1、Rx2)(Ry1、Ry2)と2個の固定抵抗が図4のブリッジ回路に組み込まれ、変位検出装置を構成する。
ここで、歪みゲージ取付用電極部128はグランドに接続してもよいが、本実施例では抵抗体17に印加される電圧と同電位にした。このように歪みゲージ取付用電極128を圧電素子の駆動用電源(129、130、131)に接続される電極(122、123、124、125、126)とは独立に設けてその上に歪みゲージ(Rz1、Rz3、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2)を接着することで、歪みゲージ貼り付け部分に静電容量が発生せず、歪みゲージの検出信号に静電容量が悪影響を及ぼすことがない。
本実施例では歪みゲージのベース材16上の抵抗体17や抵抗体接続用電極(図示せず)と歪みゲージ取付用電極部128が同電位になっているので、歪みゲージ取付用電極部128をグランドに接続する場合よりもさらに静電容量の影響を排除することが可能である。
このように歪みゲージ取付用電極部の電位を抵抗体に印加する電圧と同電位にする方法は本発明の他の実施例でグランドに電極を接続する代わりに適用することも可能である。
図18に本発明の第九実施例のバイモルフ型の変位計付圧電アクチュエータ140を示す。
バイモルフ型圧電アクチュエータ140はりん青銅などの弾性体からなる板状弾性部材141の両面に長手方向で互いに逆方向の歪みが発生するように分極処理が施された2枚の板状の圧電素子(142、143)を固着し、双方の圧電素子(142、143)に歪みを発生させることで支持点149に対して曲げ変形を発生させるアクチュエータである。上下面の圧電素子(142、143)は表面側と弾性体に接着される側に電極(144、145、146、147)が設けられる。
本実施例では弾性体141の上下の面に接着される圧電素子(142、143)の表面側電極(144、145)にそれぞれ2枚ずつの歪みゲージ(R1、R2)( R3、R4)を長軸方向の歪みが計測可能なように接着し合計4個の歪みゲージ(R1、R2、R3、R4)によりブリッジ回路を組み、曲げ方向の変位を検出するように構成した。
本実施例で使用する歪みゲージ(R1、R2、R3、R4)は、フェノール樹脂とエポキシ樹脂を混合した厚さ15μmの絶縁体のベース材上に銅ニッケル合金で抵抗体をパターニングした金属抵抗体の歪みゲージを使用した。抵抗値は120Ω、ゲージ率は2である。
ここで、本実施例では、歪みゲージ(R1、R2、R3、R4)が貼り付けられる電極(144、145)をグランド電位とし、弾性体との接合面側の電極(146、147)に駆動電源148を接続するようにした。
このように接続することで、歪みゲージ(R1、R2、R3、R4)部分に静電容量が発生せず、変位検出信号を静電容量成分の影響なく検出することができ、検出精度が向上する。
なお、弾性体の片面のみに圧電素子を固着してユニモルフ型の圧電アクチュエータとすることもできる。
図19に本発明の第十実施例の積層型の変位計付圧電アクチュエータ150を示す。積層型圧電アクチュエータ150は厚み方向に分極処理が施された膜状圧電素子151と電極(151、152)を交互に積層して形成される。隣り合う膜状圧電素子151の分極の極性は互いに逆になるように配置される。膜状の圧電素子151の上下の電極はそれぞれ積層型圧電素子の側面に設けられた電極(152、153)に交互に接続される。この側面の一方の電極153がグランドに、他方の電極152は駆動電源156に接続される。
グランド電極に接続される電極153には、ベース材155と抵抗体154で構成される実施例9で使用したものと同じ歪みゲージR1が長手方向の歪みを検出可能なように接着される。この歪みゲージR1を変位検出装置に接続することで積層型圧電アクチュエータ150の変位を検出することができる。
この実施例の場合にも、歪みゲージR1はグランド電極側に接続されているので歪みゲージR1の取付部分に静電容量が発生せず、変位検出信号が静電容量成分の影響を受けずに検出することができ、検出精度が向上する。
図20に変位計付圧電アクチュエータを用いた位置決め装置の一例として、実施例2の圧電アクチュエータ50を使用して走査型プローブ顕微鏡160を構成したものを示す。
本実施例では、図9に示した圧電アクチュエータ50の末端をベース173に固定し、先端にサンプルホルダ172を固定し、三軸微動機構として使用する。
サンプルホルダ172上に載置したサンプル171と対向する側には先端に探針170を有するカンチレバー169がカンチレバーホルダ168に固定されて配置されている。
カンチレバー169の変位は半導体レーザ165と集光レンズ166およびフォトディテクタ167から構成される光てこ方式の変位検出機構164により測定される。
本実施例では、探針170とサンプル171を原子間力の作用する領域まで接近させて、変位計付圧電アクチュエータ50の4分割電極部(53a、54a、55a、56a)を使用してサンプル面内と平行な方向にラスタスキャンを行いながら、探針170とサンプル171の距離が一定となるように変位検出機構164の信号により帯状電極部52を使用してサンプル面内と垂直な方向のフィードバック制御を行う。
このとき、XY方向の動作は各軸に設けられた歪みゲージ(Rx1,Rx2,Rx3,Rx4)(Ry1,Ry2,Ry3,Ry4)により、X軸変位検出装置162とY軸変位検出装置163で測定される変位から、圧電アクチュエータ50へ X軸駆動電源58とY軸駆動電源59により印加する駆動電圧に対して線形に動作するようにフィードバック制御される。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡160でXYに印加される信号を2次元平面の情報として、Z軸に取り付けられる歪みゲージ(Rz1、Rz2、Rz3、Rz4)によりZ軸変位検出装置161で検出される変位信号を高さ情報として画像化することで、3次元の凹凸形状を測定することが可能である。
なお、Z軸については、Z軸変位検出装置161の信号を画像化すれば、印加電圧に対してZ軸の移動量を線形動作させなくても正確な高さ情報の測定が可能であるが、Z軸の駆動電圧に対して変位量を線形動作させるようにフィードバック制御させた場合にはZ軸駆動電源57によりZ軸に印加される電圧を高さ情報として表示させることも可能である。
図21に変位計付圧電アクチュエータを用いた位置決め装置の一例として、実施例3と実施例4の圧電アクチュエータ(60、70)を組み合わせて走査型プローブ顕微鏡180を構成した例を示す。
本実施例では、図11に示した水平方向駆動用の圧電アクチュエータ70の末端をベース(図示せず)に固定し、先端側に固定用部材184を介してさらに図10に示した垂直方向駆動用の圧電アクチュエータ60を接続し、垂直方向駆動用の圧電アクチュエータ60の先端にカンチレバーホルダ185を設け、先端に探針191を有するカンチレバー190を固定し、三軸微動機構として使用する。
探針191に対向する側にはサンプルホルダ193を設け、サンプル192を載置する。
カンチレバー190の変位は半導体レーザ187と集光レンズ188およびフォトディテクタ189から構成される光てこ方式の変位検出機構186により測定される。
本実施例での動作は第11実施例がサンプル171をスキャンさせるのに対して、本実施例ではカンチレバー190をスキャンさせる以外の動作は実施例11と同じであるので説明は省略する。
円筒型圧電素子の内周面に分割電極を作製する場合には、外周面に作製する場合に比べて電極の分割に技術を要するが、本実施例のように水平方向微動機構70と垂直方向微動機構60を分割して構成することで、単体の円筒型圧電アクチュエータ(60、70)の内部電極の分割領域が少なくなり作製を容易に行うことができる。
また、実施例11、実施例12のように円筒型圧電アクチュエータの外周面の電極(71、61a)をグランドに接続することで歪みゲージの検出信号はもちろんのこと、円筒型圧電アクチュエータの周囲に配置される配線材や電気部品などへのノイズの混入が低減され、その結果、測定データのノイズレベルが少なくなる。特に走査型プローブ顕微鏡でサンプル表面の電気的特性の測定を行う場合には効果的である。
また、歪みゲージの配線材以外にも、周囲に配置される他の配線材や電気部品と圧電アクチュエータの電極がショートすることも防止される。
なお、本発明は以上述べてきたような実施例に限定されるものではない。
圧電素子の形状は任意のものが使用できる。圧電素子上の電極も導電性があればニッケルの他、銅や銀や金など他の材質でも使用可能である。また圧電素子の製造段階で電極上に絶縁コートが施されており、その上に絶縁体のベースに固着された抵抗体を貼り付ける場合にも実質的な構造は本発明と同じであるため本発明に含まれる。
また、抵抗体の材料も任意であり、実施例で紹介したn型半導体や銅ニッケル合金の他、ニクロム系合金や、p型半導体、n型とp型を組み合わせた半導体なども使用できる。また抵抗体の形状も直線形状に限定されず任意の形状のものが使用できる。
またや抵抗体が設けられる絶縁体のベース材も、ポリイミド樹脂やフェノールエポキシ混合樹脂の他、紙や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂など任意絶縁材料が使用できる。またベース材の固定方法も必ずしも接着に限定されず、SiO2などの蒸着、あるいは絶縁性の接着剤自体をベース材にしてその上に抵抗体を直接設けてもよい。また、本発明の変位計付圧電アクチュエータが使用される位置決め装置は、走査型プローブ顕微鏡用以外にも、例えば光学顕微鏡やレーザ顕微鏡、半導体製造装置、半導体検査装置、工作機械、OA機器、AV機器、光学機器などにさまざまな装置に適用可能である。
本発明の第一実施例に係る円筒型の変位計付圧電アクチュエータの概観図である。 (a)本発明の第一実施例で使用される円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第一実施例で使用される円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)図2(b)のA−A線断面図である。(b)図3(a)の正面図である。 変位検出装置の回路図である。 (a)従来の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)従来の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)図2の本発明の円筒型の変位計付圧電アクチュエータのZ軸に矩形波を印加したときの歪みゲージの検出データである。(b)図5の従来の円筒型の変位計付圧電アクチュエータのZ軸に矩形波を印加したときのインターフェロメータで測定された変位のデータと、歪みゲージの検出データである。 (a)〜(d)図5の従来の円筒型の変位計付圧電アクチュエータのX軸およびY軸の電極に矩形波を印加したときの各電極に設けた歪みゲージの検出データである。 (a)〜(d)図2の本発明の円筒型の変位計付圧電アクチュエータのX軸およびY軸の電極に矩形波を印加したときの各電極に設けた歪みゲージ検出データである。 (a)本発明の第二実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第二実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)本発明の第三実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第三実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)本発明の第四実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第四実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)本発明の第五実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第五実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)本発明の第六実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第六実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 (a)本発明の第七実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第七実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 図14(b)のB−B線断面図である。 (a)本発明の第八実施例の円筒型圧電素子の内周面の展開図である。(b)本発明の第八実施例の円筒型圧電素子の外周面の展開図である。 図16(b)のC−C線断面図である。 本発明の第九実施例に係るバイモルフ型の変位計付圧電アクチュエータの概観図である。 本発明の第十実施例に係る積層型の変位計付圧電アクチュエータの概観図である。 本発明の第十一実施例に係る、円筒型の変位計付圧電アクチュエータを用いた走査型プローブ顕微鏡の概観図である。 本発明の第十二実施例に係る、円筒型の変位計付圧電アクチュエータを用いた走査型プローブ顕微鏡の概観図である。 従来の円筒型の変位計付圧電アクチュエータを用いた走査型プローブ顕微鏡の概観図である。 図22の走査型プローブ顕微鏡で用いられる円筒型の変位計付圧電アクチュエータの概観図である。 図23の円筒型の変位計付圧電アクチュエータで水平方向の変位検出に用いられる回路図である。 図23の円筒型の変位計付圧電アクチュエータで垂直方向の変位検出に用いられる回路図である。
符号の説明
1、20、50、60、70、80、90、100、120 円筒型の変位計付圧電アクチュエータ
Rz1、Rz2、Rz3、Rz4、Rx1、Rx2、Rx3、Rx4,Ry1,Ry2,Ry3,Ry4,R1,R2,R3,R4 歪みゲージ(抵抗体)
12、161、183 Z軸変位検出装置
13、162、181 X軸変位検出装置
14、163、182 Y軸変位検出装置
16 ベース材(絶縁体)
17 抵抗体
18 抵抗体接続用電極
9、27、57、63、96、97、98、99、109、129 Z軸駆動電源
10、28、58、76、86、87、110、130 X軸駆動電源
11、29、59、77、88、89、111、131 Y軸駆動電源
148、156 駆動電源
140 バイモルフ型の変位計付圧電アクチュエータ
150 積層型の変位計付圧電アクチュエータ

Claims (15)

  1. 任意の形状に形成され、内部の結晶が任意の方向に分極処理を施され、少なくとも厚み方向の対向する2面にそれぞれ電極が設けられた圧電素子と、前記電極間に電圧を印加し前記圧電素子に歪みを発生させるための駆動電源と、前記電極上に絶縁体を介して設けられた抵抗体と、前記抵抗体に接続され、前記抵抗体に任意の電圧を印加し、抵抗値変化を検出することで前記圧電素子の歪み量を検出する変位検出装置からなり、抵抗体が設けられる圧電素子上の電極をグランド電位に接続することを特徴とする変位計付圧電アクチュエータ。
  2. 任意の形状に形成され、内部の結晶が任意の方向に分極処理を施され、少なくとも厚み方向の対向する2面にそれぞれ電極が設けられた圧電素子と、前記電極間に電圧を印加し前記圧電素子に歪みを発生させるための駆動電源と、前記電極上に絶縁体を介して設けられた抵抗体と、前記抵抗体に接続され、前記抵抗体に任意の電圧を印加し、抵抗値変化を検出することで前記圧電素子の歪み量を検出する変位検出装置からなり、抵抗体が設けられる圧電素子上の電極の電位を前記抵抗体に印加される電位と等しくした変位計付圧電アクチュエータ。
  3. 前記圧電素子を円筒型に形成し、円筒型の圧電素子の内周面と外周面の双方に電極を設け、外周面の電極に絶縁体を介して抵抗体を設けた請求項1または2のいずれかに記載の円筒型の変位計付圧電アクチュエータ。
  4. 内周面の電極が複数に分割される請求項3に記載の円筒型の変位計付圧電アクチュエータ。
  5. 外周面の電極が外周に添って設けられる単一の帯状電極、または外周面の電極が内周面に接続される折返し電極と単一の帯状電極で構成され、前記帯状電極に絶縁体を介して抵抗体を設けた請求項3または4のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  6. 前記円筒型の圧電素子の内周面に少なくとも2箇所以上の電極を設け、圧電体を介して前記内周面の電極に対向する外周面側にも電極を設け、前記内周面電極の少なくとも1つの電極はひずみを生じさせないダミー電極とし、他の電極は電圧を印加することにより圧電素子にひずみを生ずるアクティブ電極とし、前記アクティブ電極の外側電極に1箇所または2箇所の抵抗体を設け、前記ダミー電極の外側電極に1箇所または2箇所の抵抗体を設け、少なくとも前記抵抗体が設けられる電極が同電位になるように構成されてグランド電位に接続され、前記アクティブ電極の外周面側に設けられた抵抗体によりひずみ検出を行う際に、ダミー電極の外周面側に設けられた抵抗体により温度補償を行うようにアクティブ電極とダミー電極間の各抵抗体を接続してブリッジ回路を構成したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  7. 前記ダミー電極を有する圧電素子と、前記アクティブ電極を有する圧電素子が同一の圧電体の材料を用いて別体により構成されることを特徴とする請求項6に記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  8. 前記外周面または/および内周面の電極が、前記圧電体の表面に電極を設けた後、機械加工による電極の一部の除去により形成することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  9. 前記外周面または/および内周面の電極が、前記圧電体の表面にマスキングを行い、該マスキング以外の部分に電極を設けた後、前記マスクの除去により形成することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータの製造方法。
  10. 任意の板状弾性体の上面および/または下面に、板状の圧電素子を固着し、前記圧電素子の表面および弾性体との界面側にそれぞれ電極を設け、前記圧電素子の表面側電極に絶縁体を介して抵抗体を設けたバイモルフ型またはユニモルフ型であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  11. 複数枚の膜状圧電素子と電極を交互に積層して積層型の圧電素子を形成し、前記膜状圧電素子に挟まれた電極に交互に接続される2つの電極を前記積層型圧電素子の側面に形成し、前記側面電極の一方の電極に絶縁体を介して抵抗体を設けた積層型であることを特徴とする請求項1または2のいずれかにに記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  12. 任意の形状に形成され、内部の結晶が任意の方向に分極処理を施され、少なくとも厚み方向の対向する2面にそれぞれ電極が設けられた圧電素子と、前記電極間に電圧を印加し前記圧電素子に歪みを発生させるための駆動電源と、前記圧電素子上に設けられた抵抗体と、前記抵抗体に接続され、抵抗値変化を検出することで前記圧電体の歪み量を検出する変位検出装置からなり、前記抵抗体が設けられる部分は圧電素子上に電極が設けられていないことを特徴とする変位計付圧電アクチュエータ。
  13. 前記抵抗体が半導体であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータ。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータに使用される圧電素子。
  15. 請求項1乃至13のいずれかに記載の変位計付圧電アクチュエータを用いた位置決め装置。
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