JP5339178B2 - カッター - Google Patents

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Description

本発明は、回転する工具に取り付けられ、タイル、陶磁器、コンクリート、石材等の切断等に使用される回転式のカッターであって、ダイヤモンド等の切削用砥粒を有するチップが基板外周に設けられたカッターに関する。
コンクリート、モルタル、陶磁器、石材等の切削や研削では、ダイヤモンドを主とする粒子をW、Cu、Ni、Co、Sn、Agなどの金属粉体を混合したチップを有するカッターが使用される。チップは、上述の金属粉末をボンドにより固めて個別に製造され、基板外周に焼結あるいはレーザー等で接合される。カッターは例えば特許文献1に開示されており、この構造を図9にて説明する。図9は、従来のカッターのチップ部の構造を示す断面図である。チップ4は、砥粒10をボンドで固めた砥粒層5を外周側に形成し、その内周側に接合層6を形成し、その後これらを焼結することにより成形される。次に、内周側、接合層6の部分が基板2に溶接され、カッターが製造される。接合面7は、溶接によってできた層である。
カッターの切削性能は、チップの厚さ、ダイヤモンドをはじめとする切削用砥粒の粒径とその含有量、切削用砥粒を固定するボンドの磨耗および強度特性、チップの形状に左右される。切削作業においては粉塵の発生や騒音が伴うため、短時間で効率良く切断できるカッターの要求が強く、この要求に対して切り刃形状の改善の他に切断面積を少なくする手法、すなわちチップの刃厚を薄くすることで切削面積を少なくしたカッターの開発がなされている。チップの刃厚を薄くするには、基板を薄くする必要があるが、そのために焼き入れ材を用いることで基板の強度向上を図っているものの、チップ自身の強度と基板との接合部強度が弱いため、チップの厚さをさらに薄くすることが難しかった。そのため、チップの薄肉化ができ、チップ自身が破損、飛散し難いチップの開発が望まれていた。
特開平10−166275号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、基板との接合強度に優れチップ自身の破損抑制効果を持ち、成形密度と砥粒分布が均一な薄肉チップを実現し、切断性能の向上を図ったカッターを提供することである。
本発明の別の目的は、チップの寿命向上を図りながらチップと基板の接合を強固にし、全体の寿命を向上させたカッターを提供することである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、取り付け孔が形成された基板と、基板の半径方向外側に設けられた接合層と、接合層の半径方向外側に設けられた砥粒層とを有する回転式のカッターにおいて、接合層と砥粒層内の厚さ方向の内側において、半径方向内側から外側に両方の層内に延びる補強部材を介在させるようにして接合層と前記砥粒層を形成し、焼結して製造した。補強部材の大きさは、接合層の最内周部から砥粒層の最外周部まで跨るようにしても良いし、接合層の最内周部から砥粒層の半径方向中間付近まで跨るようにしても良い。また、形状的にも1枚のシート又メッシュでなく、チップの厚さ方向から見た断面が、略コの字状の2重形状にしても良い。接合層及び補強部材は、ともに基板と溶接等により接合されることが好ましい。補強部材は突き抜け孔を有する金属シートから構成できる。金属シートの突き抜け孔は、基板と同軸中心とした任意の円周線を引いたとき、必ず突き抜け孔が出現するように配列されることが重要であり、その孔形状は、各種の円や角型またはその組み合わせから構成する形状で良い。
金属シートの材質は、例えば、Cu又は主たる組成がCuからなる合金であり、例えば、主材質として95%以上のCuと、これに合計5%以下のSn、Ni、P、Mn、Feのいずれか、又は、これらと不純物元素、のいずれかを含む合金とすることができる。金属シートの厚さは砥粒層の厚さ(チップの厚さ)の15〜30%程度が好ましく、突き抜け孔の出現する長さの比率が、基板と同軸の任意の円周上で35〜80%程度であるのが好ましい。
本発明の別の特徴によれば、補強部材はネット状金属から構成できる。ネット状金属の形状は、1インチ当たり5〜15メッシュ、線径0.1〜0.5mmの範囲であるのが好ましく、ネット状金属も、レーザー溶接により基板に接合されるのが好ましい。
請求項1の発明によれば、厚さ方向の内側において、半径方向内側から外側に両方の層内に延びる補強部材を介在させるように接合層と前記砥粒層を成形したので、接合層と砥粒層からなるチップと基板を強固に接合でき、チップに発生するクラックの進展を抑止できる。また、表層部に砥粒を均等に存在させたことで安定した切削性能を維持できる。
請求項2の発明によれば、補強部材は基板と接合されるので、補強部材を介して接合層と砥粒層と基板を強固に接合できる。
請求項3の発明によれば、補強部材は突き抜け孔を有する金属シートから構成したので、砥粒層におけるダイヤモンド等の砥粒の分布に影響を与えることなく、接合層と砥粒層を基板に強固に接合できる。
請求項4の発明によれば、金属シートの突き抜け孔を、基板と同軸中心とした任意の円周線を引いたとき、必ず突き抜け孔が出現するように配列されるので、金属シートの梁となる部位が同一円周上になることを回避でき、全ての位置で砥粒が介在する形状に出来る。よってチップの厚さ全体での切断性能を維持でき安定した切削が行える。
請求項5の発明によれば、金属シートはCu又は主たる組成がCuからなる合金であり、その厚さは砥粒層の厚さの15〜30%であり、突き抜け孔の出現する長さの比率が、基板と同軸の任意の円周上で35〜80%であるので、砥粒層におけるダイヤモンド等の砥粒の分布に影響を与えず、また、切削性能にもほとんど影響を与えないカッターを実現できる。
請求項6の発明によれば、孔形状が各種の円や角型またはその組み合わせから構成された形状としたことで、補強部材を打ち抜き等により容易に加工できる。
請求項7の発明によれば、金属シートの主材質は95%以上のCuであり、これに5%以下の、Sn、Ni、P、Mn、Feのいずれか、又は、これらと不純物元素を含む合金としたので、チップ成形時のスプリングバックの発生を少なくできると共に、焼結時によりボンドとの接合性を向上できる。更にクラック発生時の進展抑止効果を得ることが可能となる。
請求項8の発明によれば、補強部材をネット状金属としたことでダイヤモンド他の砥粒による自生作用が損なわれず、ネット状金属もボンドと一緒に摩耗することでそれ自身により切断性能を低下させることがないカッターを実現できる。
請求項9の発明によれば、ネット状金属は1インチ当たり5〜15メッシュ、線径0.1〜0.5mmの範囲としたので、衝撃によって破損したチップ破片の飛散を効果的に抑制できる。
請求項10の発明によれば、基板と補強部材との接合は、レーザー溶接によるので、チップと基板の接合強度を向上させることができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明によるカッターの実施形態を、図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明の第一の実施形態によるカッターの正面図であり、図2は図1のA−A部の断面図、図3は図2の金属シート9の形状を説明する断面図、図4は、金属シート9の突き抜け孔15の配置関係を示すための模式図である。
図1、2において、カッター1は、中心に取り付け穴3が形成された基板2の外周部に、複数のチップ4を接合したものである。基板2は、例えば熱処理を施したものが用いられる。チップ4は、ダイヤモンドを主とする硬質の砥粒をW、Cu、Ni、Co、Sn、Ag、などの金属粉体を混合したボンドにより焼結したものであり、本実施形態では、内周側に溶接を容易にするための接合層6、外周側に砥粒層5が成形され、その後に焼結される。接合層6は、溶接に適した金属粉体に混合したボンド層として形成され、基板2の外周にレーザー等で溶接される。この溶接により形成された部分が接合部7である。
本実施形態では、チップ4の成形時に、接合層6と砥粒層5の中に両方の層内に伸びる金属シート9を配置した。金属シート9は、その目的からチップの厚さの方向(図2参照)において内側に位置するように、好ましくは厚さ方向の中央部分に配置する。さらに、図3で示すように金属シート9には円周方向に長円状の多数の突き抜け孔15を形成し、金属シート9の両面側に形成されると砥粒層5を繋ぐ役割を果たすようにする。尚、説明の便宜上、突き抜け孔15に比べ、ダイヤモンドなどの砥粒10の大きさを大きく描いているので、実際の縮尺とは異なる。
チップ4の製造時に、金属シート9を厚さ方向中央に配置して金属粉体を圧縮成形するが、金属シート9の梁12の部分は溶製材であるため圧縮による体積変化を生じないため、梁12の上下面では密度向上し易いが、梁12の無い、即ち、空孔の部分では密度の向上は得られない。よって密度の不均一なチップ層が形成されることで十分な強度も得難い。発明者等はこの点に着目し、金属シート9の空孔部が基板の中心点を中心とした全てのチップ円周上に存在する形状とすることで、この位置に砥粒を介在させて常に均一な切削性能を確保できるようにした。同一円周上における空孔の比率は、全円周線上に対する孔の存在する割合が35〜80%とするのが好ましい。35%以下の空孔率とするため微細空孔を多くした場合には砥粒が均等に分散しなくなり易く、また空孔の大きさを大きくして少数だけ設けた場合には梁の面積が増加することで前述した欠点が補えなくなる。
カッター1による切削時には、主に外周面に突出する砥粒(図2では外部に露出している砥粒10a)が被切断材を削ることにより切断が行われるので、切断面となるカッター1の外周面には、砥粒10aが常に突出していることが重要である。カッター1は、切断作業を続けるにつれて徐々に摩耗して外形が小さくなっていく。例えば、図3において図示の状態から高さ20分だけ摩耗すると、摩耗後の外周面は図3の一点鎖線21の位置になる。この際、一点鎖線21が砥粒10と交わる関係にある場合は、外周面には、砥粒10が突出することになり、カッター1として使用可能であるが、砥粒10が無くなったらカッター1としては機能しないため交換時期となる。
金属シート9の突き抜け孔15と切削面との関係を図4を用いて説明する。図4においては、説明の便宜上、砥粒10の記載を省略しているが、実際には図3と同様に配置されるものである。また、図4では、つき抜け穴の形状が真円の例を示す。図4で、外周面21がカッター1の使用によって、徐々に摩耗して摩耗後の外周面の位置が21a、21b、21c...と変化した場合を想定する。外周面が21a、21bに位置する時は、突き抜け孔15が外周面に露出するため、突き抜け孔15に入り込んだ砥粒10が露出することになり、カッターとしての使用が可能である。しかし、外周面が21cに位置する時は、突き抜け孔15が外周面に露出しないため、金属シート9の部分では砥粒10が露出せず、この部分に砥粒が存在できないため、梁の部分が摩耗により消失するまでの間は切削能力が低下したり、摩擦熱が発生しボンドの一部溶融を発生したり、ダイヤモンドの砥粒ではその炭化を誘発させて寿命が著しく低下する。
以上説明した理由から、カッター1の摩耗の進行に関わらず、規定した最終使用位置までは常に砥粒10が外周面に露出することが重要であるので、本実施形態では、常に砥粒10が外周面に露出するように、金属シート9の突き抜け孔15の形状及び配置を工夫し、最終使用位置に達するまでは図4の21cのような状態が生じないようにした。
金属シート9の材質は、Cu又は主たる組成がCuからなる材質であるのが好ましい。その厚さは、チップ厚さの15〜30%とするのが好ましく、突き抜け孔の比率は基板と同軸中心の円周上で35〜80%の範囲で出現するのが好ましい。ここで、金属シート9の材質を、Cu或いは主たる組成がCuとしているのは、容易に変形し易く伸びがあり、ボンド組成との結合性に優れるためである。金属シート9の厚さをチップ厚さの15〜30%としているのは、この層が15%以下では、ボンド自身の材料特性の影響が大きくなり金属シートとして効果を得難く、また異形状チップの成形・焼結時に破断し易くボンド間の結合、クラック進展の抑止効果を得られないためである。また、30%以下としているのは、梁となる部分と突き抜け孔部での密度差が生じ易くなることを防止するためと、Cuの層が切り刃外周部に多くなるとこの部分が塑性流動を発生して近傍の砥粒を覆うことで切削性を低下させるためである。この現象は特に著しく過酷な切断をした場合に発生する傾向にあるため30%以上とすることは避ける事が望ましい。
更に突き抜け孔の比率が基板と同軸中心とした円周上で35〜80%としているのは、切り刃となる外周部の砥粒の出現を確保するためである。突き抜け孔部分にはボンドに混合された砥粒が成形時に供給されるが、金属シート以外の部分と比較するとその比率は小さくなることが避けられない。一方、切削に最も寄与する部分は外周部の金属シートが内包されているチップの中央付近であるため、この位置における砥粒を確保するため上記の突き抜け孔比率が必要となる。少なすぎると梁部分が広くなり砥粒の入る面積が少なくなることで切削性能を低下し易く、多すぎると梁部の強度が低下し成形焼結時に破損を生じ易くなるためである。一方、80%以上では梁の面積が極度に低下するので、クラックがボンドに発生した場合の進展抑制効果を得難いからである。さらに、厚さ方向に溝を有するチップ形状とする場合は、その成形においては成形時に切断されその目的が達成できなくなるためである。
発明者らの実験によると、最適な範囲の一例は、金属シートの材質や硬さ、切削対象物によっても異なるが、コンクリート切断用のカッターでは、厚さ0.2〜0.3mmのCuを用い楕円形の空孔とした場合の金属シートの空孔率は48〜72%が適切な範囲であった。
以上のように、金属シート9は、砥粒層5と接合層6からなるチップ4と基板2の一体化を図り、チップ4にクラックが発生した場合の進展を抑止できる。また、基板2を中心とする砥粒層5の円周全ての位置に突き抜け孔が生じる形状とすることで、常に切り刃の外周部分に砥粒を生じせしめることが可能となり、結果的に切削性能を維持することが可能となる。
突き抜け孔以外の部分、所謂梁となる部分が同一円周上で全て一致する部位をなくす形状について、図5〜6を用いてさらに説明する。図5(1)及び(2)は、本発明の第二の実施形態の変形例による金属シートの形状を示す図である。図6は、本発明の第三の実施形態によるカッターの構造図である。
図5(1)は、金属シート9aの突き抜け孔15の形状を楕円形とし、基板と同軸中心とした円周線に対して、突き抜け孔15の配置状況が、いわゆる千鳥模様となるように配列した。また、図5(2)は2つの半円を直線で結んだ長円形状の突き抜け孔15を円周線に対して千鳥模様となるように配列した。両方の例において、円周線に対して、隣り合う突き抜け孔15がお互いに半分程度の長さほどずれる、いわゆる千鳥模様に配列したため、同一円周線上に梁12の部分が集中することを避けやすい形状とすることができる。円周線上に梁12の部分だけが存在した場合、この部分では砥粒が配置されないため、その部分では切削能力が低くなり切断速度に変動を与える結果となるため、隣り合う突き抜け孔は円周線上で一部重なりを持つ形状であることが望ましい。例えば一つの突き抜け孔と左右に付与する孔の基板内径側の端面は、基板直径方向を基準とした長さLに比べ、重複する長さL1が25〜35%とすることが望ましい。この位置が前記の値より小さくなった場合、梁の部分が多い円周断面が発生し易くなることで砥粒の露出も減少し切削性能を低下させ易い。金属シートの孔が全ての円周上において同レベルで存在する形状とすることで、この中に介在する砥粒がほぼ均等に配置されることが可能になる。
尚、図5(1)、(2)において、孔形状が楕円または長円で形成したが、これに限定されることはなく、各種の円や角型またはその組み合わせから構成された形状としてもよい。この形状は、製造の容易性から決めても良く、腐食による形状成形による任意の形状であっても良い。なお、突き抜け孔15の形状は角型でも可能であるが成形あるいは焼結時の型の加圧により金属シートの破損を防止する点からも隅部には2以上の曲率を付与することが望ましい。
金属シートの材質は、金属シートの主材質を95%以上のCuとし、これに5%以下の、Sn、Ni、P、Mn、Feのいずれか、又は、こららと不純物元素を有するようにした。これにより、チップのボンド組成との密着性を高めると共にクラックが発生した場合の抑制効果を得ることができ、各種の切り刃断面形状を持つチップの成形時にスプリングバックによって生じるボンドと金属シートの剥離の防止、更には成形したボンドを焼結する際に金属シートとボンドとの金属拡散により両者をより強固に一体化することができる。一般にセメントの加工を主体としたカッターでは砥粒に主としてダイヤモンドを用いており、この砥粒結合のためのボンドはNi、Cu、Fe、W、Sn、Ag他の金属粉末の混粉体を700〜900℃の温度で焼結する。従ってこれらの条件下において拡散結合を起こす金属はCu及びその合金が最も望ましく、かつ自身が溶融しない合金組成とすることが必要である。なお、同様の効果を得るための手段としてFeを主とした鋼鈑を完全焼鈍後メッキ処理しても類似の効果を得ることは可能であるが、この場合メッキの剥離や斑があってはならない。
発明者等は、金属シートの材質について、Fe系鋼材ではチップ成形時、特に断面形状が変化するチップでは成形時にスプリングバックによりボンドとの間で剥離現象を発生し易く、また焼結時にも金属間での拡散現象が発生しないため密着力が低下して、結果的にチップ強度も低下するということを見いだした。この現象は基板の一部をチップ層で包囲するものにおいて、また基板の厚いもの程顕著に見られた。その対応策としてメッキ等の表面処理が必要となりコストアップに繋がること、また、成形時に金属シートの梁の部位に砥粒が存在した場合は、その部分で成形荷重を受けるため、空孔部の密度をより低下させる等の問題があることを見いだした。このため硬質の砥粒が梁の部分に存在し、かつ断面変化を持つチップ成形にあっても比較的容易に変形し、更に焼結時にボンドとの結合力を高める補強部材の材質として主材質を95%以上のCuとし、これに5%以下の、Sn、Ni、P、Mn、Feのいずれか、又は、これらと不純物元素を含んだ合金により構成した。
Sn等のCuより融点の低い金属が増加すると、融点が低下することでボンド境界での合金化が進み、適切なボンド合金設計の範囲から逸脱した組成となることで、最適なボンドテールの発生が阻害されて切削性能を低下させることにも繋がる。よって、チップの焼結温度より100℃以上高い融点の材料とすることが望ましい。また、Cuであっても極度の加工硬化を受けたものはスプリングバックを発生するため焼きなまし材が適切で、ビッカース硬さ40〜90の硬さ範囲が望ましい。
以上説明した実施形態により、チップ厚さを従来のものに比べ30%低減して作成することができ、その場合の切断速度は50〜80%向上することが確認できた。
図6は、本願発明の第三の実施形態であり、金属シート9の代わりに、金属メッシュ19を配置したものである。即ち、チップ成形時に、チップ表面をネット状の金属で被覆、或いは表面直下または内部にネット状の金属を介在させたものである。ネット状の金属の配置位置は、チップ4の厚さ方向のほぼ中央部であり、その大きさは、1インチあたり5〜15メッシュ、線径0.1〜0.5mmのネット状金属である。このように、金属メッシュ19を配置したことにより、切削時の衝撃によって破損をしたチップ破片の飛散を抑制できる。さらに、金属メッシュ19としたことでダイヤモンド他の砥粒10による自生作用が損なわれず、金属メッシュ19も砥粒層5と一緒に摩耗することでそれ自身により切断性能を低下させることはない。金属メッシュ19を配置する範囲は、ダイヤモンドや砥粒を含まない接合層6の部分までとすることで、相互の接合強度を向上でき、砥粒層5と接合層6の境界面からの破壊を抑制できる。さらに、接合層6にあって、金属メッシュ19の保有範囲を基板2との溶接面までとすることで、基板2と金属メッシュ19との溶接が達成されるためチップと基板の接合強度を確保できる。
以上説明した、本願発明の第三の実施形態では、チップを構成する成分をネット状金属で固定させたことで、チップ自身の強度向上が図れ、更に基板との接合強度向上が図れることで薄いチップ厚さとすることが可能となった。その結果、高速切断で精密な切断が可能となり、またチップ破損時の飛散を抑制できるカッターが実現できた。
次に、チップの厚さ方向における金属メッシュの配置位置の例を図7(1)〜(4)で説明する。基板2、接合層6、砥粒層5、砥粒10及び接合7の配置は、図2〜6で説明した例と同じであるので、ここでは繰り返しの説明を省略する。本実施形態で違うのは、金属メッシュ19a〜19dの配置である。図7(1)〜(4)では、説明の便宜上、金属メッシュ19a〜19dに形成された突き抜け孔や、メッシュの貫通部分の記載を省略しているが、図3、5〜6と同様に形成されるものである。
図7(1)は、金属メッシュ19aが半径方向で砥粒層5の先端まで達しており、補強部材が半径方向において砥粒部の略全体まで延びている例である。図7(2)は、金属メッシュ19aが半径方向で砥粒層5の先端まで達しておらず、内周側から砥粒層の約半分〜2/3程度しか伸びていない。このように構成しても、砥粒層5と接合層6の接合面を跨いでいるので、これらの接合強度を高める効果が得られるものである。尚、本図では、金属メッシュ19bは基板2に接合されていないが、このように接合をしなくても、砥粒層5と接合層6を強化するという効果は十分得られるものである。
図7(3)は、金属メッシュ19bを、その断面が薄いコの字型に成型して配置したものである。メッシュが位置する箇所は、チップの厚さ方向において、中央部に近づける。一方、図7(4)は、金属メッシュ19cを厚い材質でコの字型に形成したものであり、チップの厚さ方向において、より周辺部に近づけたものである。また、金属メッシュ19dの厚さも、(2)に比べて厚い。このように構成することにより、チップ部分の剛性を著しく高めることができ、特に堅い被切削材を切断するためのカッターに適している。尚、図7で説明した第三の実施形態では、金属メッシュの例で説明したが、これを金属シートに変えて図7(2)〜(4)の形態を適用しても良い。また、図7(3)、(4)では金属メッシュ19c、dをコの字型としたが、図7(1)、(2)で示した金属メッシュ19a,bを厚さ方向に2枚以上、距離を隔てて配置するようにしても良い。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、切り刃となる砥粒層5と基板2への接合層6及び接合層6と基板2の接合強度を向上させることが可能となる。また、チップ破損時の飛散を効果的に抑制できる。さらに、チップ4及び接合層6の強度を向上できる効果が得られるためチップ4の厚さを薄くすることが可能となり、切削抵抗が少なくなることで高速切断性能を持つカッター1の実現が可能となる。
以上、本発明を示す実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、セグメントタイプのカッターで説明したが、本発明を外周全域に切り刃を持つリムタイプのカッターにも同様に用いることができる。また、セグメントタイプにおいても、図1の構成と異なり、図8のように、各セグメント間にスリット17を有するタイプの基板2aであっても同様に適用できる。
また、本実施形態ではチップ4はレーザー溶接にて基板2に接合したが、接合の仕方は溶接に限られるものではなく、他の接合方法、例えば接着であっても良い。
本発明の第一の実施形態によるカッターの正面図である。 図1のA−A部の断面図である。 図2の金属シート9の形状を説明する断面図である。 金属シート9の突き抜け孔15と切削面との関係を説明するための模式図である 本発明の第二の実施形態の変形例による金属シー9の形状を示す図である。 本発明の第三の実施形態によるカッターの構造図である。 (1)〜(4)は、本発明の第二の実施形態によるカッターの断面図である。 本発明のカッター1の異なるタイプの基板2aを示す図である。 従来の技術によるカーターのチップ部の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 カッター 2、2a 基板 3 取り付け穴 4 チップ
5 砥粒層 6 接合層 7 接合面
9、9a、9b 金属シート 10 砥粒 12 梁
15 突き抜け孔 17 スリット
19、19a、19b、19c、19d 金属メッシュ

Claims (10)

  1. 取り付け孔が形成された基板と、
    前記基板の半径方向外側に設けられた接合層と、
    前記接合層の半径方向外側に設けられた砥粒層を有する回転式のカッターにおいて、
    前記接合層と前記砥粒層の厚さ方向の内側において、半径方向内側から外側に両方の層内に延びる補強部材を介在させるように前記接合層と前記砥粒層を成形したことを特徴とするカッター。
  2. 前記接合層及び前記補強部材は、前記基板と接合されることを特徴とする請求項1に記載のカッター。
  3. 前記補強部材は突き抜け孔を有する金属シートからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカッター。
  4. 前記突き抜け孔は、前記取り付け穴を中心とした任意の円周線を引いたとき、必ず突き抜け孔が出現するように配列されることを特徴とする請求項3に記載のカッター。
  5. 前記金属シートはCu又は主たる組成がCuからなる合金であり、その厚さは前記砥粒層の厚さの15〜30%であり、前記突き抜け孔の出現する長さの比率が、前記基板と同軸の任意の円周上で35〜80%であること特徴とする請求項4に記載のカッター。
  6. 前記突き抜け孔の形状が、円や角型またはその組み合わせから構成されることを特徴とする請求項5に記載のカッター。
  7. 前記金属シートの主材質は95%以上のCuであり、これに5%以下の、Sn、Ni、P、Mn、Feのいずれか、又は、これらと不純物元素、を含む合金であることを特徴とする請求項5又は6に記載のカッター。
  8. 前記補強部材は、ネット状金属からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカッター。
  9. 前記ネット状金属は、1インチ当たり5〜15メッシュ、線径0.1〜0.5mmであることを特徴とする請求項8に記載のカッター。
  10. 前記基板と前記補強部材は、レーザー溶接により接合されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のカッター。
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