《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1(A)〜図2(B)に基づいて説明する。
図1(A)には、第1の実施形態に係るアブソリュートエンコーダ10の構成が概略的に示されている。アブソリュートエンコーダ10は、符号板(スケール)11、検出部(ヘッド)20、及び信号処理系30等を備えている。
スケール11は、表面(+Z側の面)に2つのパターン領域が形成された板状部材(以下、便宜上スケール部材と呼ぶ)から成る。すなわち、スケール部材の上面には、図1(A)に示されるように、X軸方向に所定間隔W隔てて、2つの領域PA1,PA2が併設されている。2つの領域の一方(−X側の第1領域)PA1には、X軸方向を後述する単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAが形成され、他方(+X側の第2領域)PA2には、アブソリュートパターンAと組をなすX軸方向を周期方向とするインクリメンタルパターンIが形成されている。ここで、アブソリュートパターンA及びインクリメンタルパターンIのY軸方向(非計測方向)に関する有効幅LWは、両パターンA,IのX軸方向(計測方向)に関する有効長LA,LI(LA=LI)より長く設定されている。ここで、2つの領域のX軸方向に関する相対距離(配置間隔)は、LH=(LA+LI)/2+Wである。なお、図1(A)では、W≠0としているが、W=0であっても良い。
アブソリュートパターンAとインクリメンタルパターンIでは、例えば、スケール11を構成するスケール部材の表面に金属蒸着又はパターンニングにより形成された、周囲に比べて格段に反射率の高いライン状の領域がライン部(両パターンA,Iの白色部分)を形成している。後述するように、スケール11に計測光を投射し、ライン部で反射された計測光を受光することによって、両パターンA,Iを光学的に読み取ることができる。
第1領域PA1内のアブソリュートパターンAは、有効長LAの範囲内に設けられた複数(図1(A)の例では8つ)の単位パターンから構成される。ここで、1つの単位パターンが1目盛りに対応し、その内部領域が上述の高反射率の部分(ライン部)であればコード「0」、低反射率(反射率がほぼ零)の部分であればコード「1」を表す。従って、図1(A)のアブソリュートパターンAは、目盛り数8(3ビット)のアブソリュートコード「11010001」を表す。なお、本実施形態では、単位パターンの幅(X軸方向に関する幅)を、例えば1mmとし、アブソリュートパターンAの有効長LAを8mmとする。
第2領域PA2内のインクリメンタルパターンIは、その有効長LIの範囲内に設けられた複数(図1(A)の例では16)のパターンから構成される。ここで、インクリメンタルパターンIは、高反射率のライン部と低反射率のスペース部とが交互に設けられたデューティ比1:1のラインアンドスペースパターンである。インクリメンタルパターンIは、アブソリュートパターンAに対して、所定の位相差(単位パターンのX軸方向に関する幅の1/4に相当する位相差)を設けて配置されている。なお、本実施形態では、インクリメンタルパターンIの複数のパターンのそれぞれのX軸方向に関する幅(ライン部の幅)を0.5mm、位相差を0.25mmとする。
ヘッド20は、図1(B)に示されるように、プレートPの一面(−Z側の面)にX軸方向に所定間隔(中心間距離d1)隔てて固定されたアブソリュート信号用検出器(以下、適宜、検出器と略述する)211と、インクリメンタル信号用検出器(以下、適宜、検出器と略述する)212と、を有する。なお、実際には、プレートPの−Z側の面(図1(A)のスケール11に対向する側の面)に、両検出器211、212が設けられているが、図示及び説明の便宜上から、図1(A)〜図1(C)等では、プレートPの+Z側の面に、両検出器211、212が存在するように図示している。以下に説明する、各実施形態及び各変形例においても同様である。
アブソリュート信号用検出器211は、図1(B)に示されるように、2つずつ3組(計6つ)の検出素子21a1,21a2,21b1,21b2,21c1,21c2から、インクリメンタル信号用検出器212は、1つの検出素子から、構成されている。ここで、各検出素子は、スケール11に計測光を投射する発光素子と、その計測光のスケール11(対向するライン部)からの反射光を受光する受光素子とを含む。
アブソリュート信号用検出器211とインクリメンタル信号用検出器212は、両検出器211,212のX軸方向に関する中心間距離d1が第1、第2領域PA1、PA2の間のX軸方向に関する相対距離LH(図1(A)参照)にほぼ等しく、中心間距離d1と相対距離LHの差が必ずアブソリュートパターンAの有効長LA以下になるように、設定されている。これにより、両検出器211,212は、それぞれスケール11の第1、第2領域PA1,PA2のほぼ全有効領域を走査することができる。
また、図1(C)に示されるように、アブソリュート信号用検出器211とインクリメンタル信号用検出器212を、Y軸方向に離間させても良い。ただし、図1(A)のスケール11では、第1、第2領域PA1,PA2の間のY軸方向に関する相対距離がほぼゼロなので、両検出器211,212のY軸方向に関する中心間距離d2は、アブソリュートパターンAの有効幅LWを超えてはならない。検出器211の+Y端と検出器212の−Y端との距離が、有効幅LW以下であることが望ましい。
図1(A)に示されるように、ヘッド20はスケール11の+Z側に配置されている。ヘッド20は、両検出器211,212を構成する各検出素子からスケール11に計測光を投射し、スケール11(ライン部)で反射された計測光をアブソリュート信号用検出器211とインクリメンタル信号用検出器212を用いて受光する。両検出器211,212を構成する各検出素子は、計測光を受光したときにはコード「0」を、計測光を受光しなかったときにはコード「1」を、出力する。これによって、アブソリュート信号用検出器211はアブソリュートパターンA(にコード化されたアブソリュートコード)を、インクリメンタル信号用検出器212はインクリメンタルパターンIを読み取り、その読み取り結果を信号処理系30に出力する。
信号処理系30は、上述のヘッド20からの出力信号を、ヘッド20(ヘッドが可動の場合)又はスケール11(スケールが可動の場合)の計測方向(X軸方向)に関する絶対位置に変換する。なお、信号処理系30の詳細は、例えば、特開平02−168115号公報において開示されている。
信号処理系30は、インクリメンタル信号用検出器212の出力(インクリメンタルパターンIの読み取り結果)が「0」の時、アブソリュート信号用検出器211を構成する検出素子21a1,21b1,21c1の読み取り結果(アブソリュートパターンAの読み取り結果)を、「1」の時、残りの検出素子21a2,21b2,21c2の読み取り結果を、その内部に設けられた演算部を用いて処理する。ここで、検出素子21a1,21b1,21c1(及び21a2,21b2,21c2)の読み取り結果を、それぞれqa,qb,qcと表記する。演算部は、読み取り結果qa,qb,qcを用いて、ヘッド20(ヘッドが可動の場合)又はスケール11(スケールが可動の場合)のX軸方向に関する絶対位置を表すコード番号Q=22×qa+21×qb+20×qcを求める。
例えば、ヘッド20が−X側から+X側へとスケール11を走査すると、順にアブソリュートパターンAの読み取り結果qaqbqc=111,110,101,010,100,000,001,011が得られる。これらの読み取り結果は、演算部によって、コード番号Q=7,6,5,2,4,0,1,3と変換される。信号処理系30は、さらに、これらのコード番号を順に出力用番号0,1,2,3,4,5,6,7に変換して、ヘッド20(ヘッドが可動の場合)又はスケール11(スケールが可動の場合)のX軸方向に関する絶対位置を表すコード番号として出力する。
上述のヘッド20が有する検出器211,212及び信号処理系30の動作より明らかなように、本実施形態のアブソリュートエンコーダ10では、スケール11(アブソリュートパターンA)上に、実質的に、その有効幅LA内に8等分の絶対位置を表す目盛りが設けられているとも言える。
上述の通り、本実施形態のアブソリュートエンコーダ10の一部を構成するスケール11には、アブソリュートパターンAが設けられた第1領域PA1とインクリメンタルパターンIが設けられた第2領域PA2とが、従来と異なり、計測方向(X軸方向)に関して異なる位置に併設されている。このため、第1領域PA1及び第2領域PA2を非計測方向(Y軸方向)に広げて(すなわちLW>LA=LI)、アブソリュートパターンA及びインクリメンタルパターンIを非計測方向に延設することができる。これにより、スケール11に対する、ヘッド20の非計測方向への可動範囲(相対的な可動範囲)を広げることができる。
また、本実施形態のアブソリュートエンコーダ10では、従来の構成のアブソリュートエンコーダ(特開平2−168115参照)と比較した場合に、スケール11とヘッド20とが相対的にヨーイング(Z軸回りの回転)しても、誤動作し難いというメリットがある。以下、この点について説明する。
図2(A)及び図2(B)に、それぞれ、本実施形態のアブソリュートエンコーダ10と従来の構成のアブソリュートエンコーダが示されている。ただし、両者の比較のため、図2(A)及び図2(B)では、スケール11上のアブソリュートパターンAとインクリメンタルパターンIとの配置方向、及びヘッド20が有するアブソリュート信号用検出器211とインクリメンタル信号用検出器212との離間方向が異なっている点を除けば、スケール11とヘッド20の構成は全く同一であるものとされている。
図2(A)に示されるように、ヘッド20がスケール11に対して角度θ回転した場合、アブソリュートパターンAとインクリメンタルパターンIの計測方向(X’軸方向)に関する相対的なずれ、すなわち位相誤差d1(1−cosθ)が発生する。ここで、d1は、アブソリュート信号用検出器201とインクリメンタル信号用検出器202の中心間距離である。一方、図2(B)に示される従来型では、位相誤差d1sinθが発生する。通常ヨーイング量(角度θ)は十分小さいので、位相誤差は、本実施形態のアブソリュートエンコーダ10の方が小さい。これにより、本実施形態のアブソリュートエンコーダ10では、ヨーイング回転による誤動作が発生し難いことが分かる。
なお、上記実施形態では、一例として3ビットのアブソリュートパターンAを用いたが、勿論、任意のビット数のアブソリュートパターンを用いることとしても良い。ビット数の大きなアブソリュートパターンを用いることにより、計測範囲を広げる又は計測分解能を向上させることができる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を、図3〜図6に基づいて説明する。
図3には、第2の実施形態に係るステージ装置40の構成が、概略的に示されている。このステージ装置40は、XY平面に平行に設置されたステージベース42、及び該ステージベース42に沿ってXY2次元方向に移動するステージST等を備えている。
ステージベース42は、板状のベース本体43と、該ベース本体43の上面に貼り付けられたスケール11Aとを有している。スケール11Aの具体的構成については後述する。
ステージSTは、直方体状のステージ本体44と、該ステージ本体44の下面(−Z側の面)に固定されたヘッド20Aとを備えている。ヘッド20Aの構成についても後述する。
ステージSTは、不図示のリニアモータ等の駆動系によって、スケール11Aの上面に対して非接触でXY2次元方向に駆動される。駆動系が、制御装置50(図3では不図示、図5参照)によって制御される。
スケール11Aは、図6に示されるように、表面(+Z側の面)に4つのパターン領域PA1〜PA4が形成された板状部材(以下、便宜上スケール部材と呼ぶ)から成る。すなわち、スケール部材の上面には、X軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAXが設けられた第1領域PA1と、アブソリュートパターンAXと組11XをなすインクリメンタルパターンIXが設けられた第2領域PA2とが、X軸方向に離間して併設されている。また、Y軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAYが設けられた第3領域PA3と、アブソリュートパターンAYと組11YをなすインクリメンタルパターンIYが設けられた第4領域PA4とが、Y軸方向に離間して併設されている。この場合、インクリメンタルパターンIX,IYは、それぞれ組を成すアブソリュートパターンAX,AYに対して、前述と同様の位相差を設けて配置されている。
ヘッド20Aは、図4及び図6に示されるように、正方形板状の取り付け部材46と、該取り付け部材46の−X側、+X側、+Y側及び−Y側の面にそれぞれ一端が固定された長方形板状の支持部材48a、48b、48c及び48dと、該支持部材48a、48b、48c及び48dそれぞれの他端部の下面(−Z側の面)に固定されたアブソリュート信号用検出器21X1、インクリメンタル信号用検出器21X2、アブソリュート信号用検出器21Y1、及びインクリメンタル信号用検出器21Y2とを有している。
アブソリュート信号用検出器21X1、21Y1は、前述の検出器211と同様に構成され、インクリメンタル信号用検出器21X2、21Y2は、前述の検出器212と同様に構成されている。アブソリュート信号用検出器21X1、インクリメンタル信号用検出器21X2、アブソリュート信号用検出器21Y1、及びインクリメンタル信号用検出器21Y2は、それぞれ第1、第2、第3、及び第4領域PA1,PA2、PA3及びPA4に対向している。
アブソリュート信号用検出器21X1とインクリメンタル信号用検出器21X2は、両検出器21X1,21X2のX軸方向に関する中心間距離が第1、第2領域PA1、PA2の間のX軸方向に関する相対距離にほぼ等しく、中心間距離と相対距離の差が必ずアブソリュートパターンAXの有効長以下になるように、設定されている。同様に、アブソリュート信号用検出器21Y1とインクリメンタル信号用検出器21Y2は、両検出器21Y1,21Y2のY軸方向に関する中心間距離が第3、第4領域PA3、PA4の間のY軸方向に関する相対距離にほぼ等しく、中心間距離と相対距離の差が必ずアブソリュートパターンAYの有効長以下になるように、設定されている。説明の重複を避ける観点から詳細説明を省略するが、以下の各実施形態及び各変形例においても、各アブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器との計測方向に関する中心間距離と、アブソリュートパターンが形成された領域とインクリメンタルパターンが形成された領域との計測方向に関する中心間距離との間、及び中心間距離と相対距離の差とアブソリュートパターンの有効長との間には、本実施形態と同様の関係が成り立つものとする。
アブソリュート信号用検出器21X1とインクリメンタル信号用検出器21X2は、前述のアブソリュートエンコーダ10の検出器211,212と同様に、それぞれアブソリュートパターンAXとインクリメンタルパターンIXを読み取り、その読み取り結果を信号処理系30に出力する(図5参照)。信号処理系30は、アブソリュートパターンAXとインクリメンタルパターンIXとの読み取り結果を、前述と同様にしてヘッド20AのX軸方向に関する絶対位置情報に変換する。すなわち、アブソリュートパターンAX及びインクリメンタルパターンIXと、検出器21X1及び21X2とを含んで、前述のアブソリュートエンコーダ10と同様の計測方向をX軸方向とするXアブソリュートエンコーダが構成されている。
また、アブソリュート信号用検出器21Y1とインクリメンタル信号用検出器21Y2は、それぞれアブソリュートパターンAYとインクリメンタルパターンIYを読み取り、その読み取り結果を信号処理系30に出力する(図5参照)。信号処理系30は、アブソリュートパターンAYとインクリメンタルパターンIYとの読み取り結果を、前述と同様にしてヘッド20AのY軸方向に関する絶対位置情報に変換する。すなわち、アブソリュートパターンAY及びインクリメンタルパターンIYと、検出器21Y1及び21Y2とを含んで、前述のアブソリュートエンコーダ10と同様の計測方向をY軸方向とするYアブソリュートエンコーダが構成されている。
そして、上述のXアブソリュートエンコーダとYアブソリュートエンコーダとによって、ヘッド20AのX軸方向及びY軸方向に関する絶対位置情報を計測する2次元アブソリュートエンコーダが構成されている。
制御装置50は、信号処理系30から出力されるヘッド20AのX軸方向及びY軸方向に関する絶対位置情報(2次元アブソリュートエンコーダの計測情報)に基づいて、不図示の駆動系を介してステージSTを2次元駆動する。
以上説明したように、本第2の実施形態に係るステージ装置40が備える、2次元アブソリュートエンコーダによると、ステージSTの2次元方向の絶対位置情報を計測することができる。また、ステージ装置40によると、ステージSTの2次元方向の絶対位置情報に基づいて、ステージSTを高精度に2次元駆動することができる。
《第2の実施形態の変形例》
図6の2つのインクリメンタルパターンIX,IYを、図7に示される1つのインクリメンタルパターンIXYに置き換えることも可能である。ここで、インクリメンタルパターンIXYは、X軸方向とY軸方向とを周期方向とする2次元格子である。
図7に示されるスケール11Bでは、スケール部材の上面に、インクリメンタルパターンIXYが設けられた第2領域PA2が、インクリメンタルパターンIXY(のX軸方向の周期パターンIX)と組11XをなすアブソリュートパターンAXが設けられた第1領域PA1とX軸方向に離間して、且つ、インクリメンタルパターンIXY(のY軸方向の周期パターンIY)と組11YをなすアブソリュートパターンAYが設けられた第3領域PA3とY軸方向に離間して配置されている。ヘッド20Bは、第1,第3領域PA1,PA3にそれぞれ対向するアブソリュート信号用検出器21X1,21Y1と、第2領域PA2に対向する2つのインクリメンタル信号用検出器21X2,21Y2とを有している。なお、図7では、検出器21X2,21Y2が一部で交差しているが、これに限らず、両者が離間していても良い。
検出器21X1、21X2は、それぞれアブソリュートパターンAX、インクリメンタルパターンIXY(のX軸方向の周期パターンIX)を読み取り、読取り結果を信号処理系(不図示)に送る。また、検出器21Y1、21Y2は、それぞれアブソリュートパターンAY、インクリメンタルパターンIXY(のY軸方向の周期パターンIY)を読み取り、読取り結果を信号処理系(不図示)に送る。信号処理系によって、前述と同様の処理が行われる。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態を、図8に基づいて、説明する。図8には、第3の実施形態に係る2次元アブソリュートエンコーダの構成が示されている。
本第3の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダでは、スケール11Cのスケール部材上に、X軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAXが設けられた第1領域PA1と、アブソリュートパターンAXと組11XをなすインクリメンタルパターンIXが設けられた第2領域PA2と、Y軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAYが設けられた第3領域PA3と、アブソリュートパターンAYと組11YをなすインクリメンタルパターンIYが設けられた第4領域PA4と、が、X軸方向に並んで併設されている。
ここでは、4つのパターンAX,IX,AY,IYの配置順は、図8に示されるように、互いに組11X又は組11Yをなすアブソリュートパターンとインクリメンタルパターンとが隣接するものとしているが、これに限らず、後述するヘッド20Cを領域の配置に従って構成するのであれば、任意の順に配置しても良い。
ヘッド20Cは、プレートPの−Z側の面(スケール11Cに対向する面)に、第1〜第4領域PA1〜PA4の配置に応じて、X軸方向に並んで併設されたアブソリュート信号用検出器21X1、インクリメンタル信号用検出器21X2、アブソリュート信号用検出器21Y1、及びインクリメンタル信号用検出器21Y2を有している。
ここで、検出器21X1,21X2は、それらの計測方向であるX軸方向に離間している。それに対し、検出器21Y1,21Y2は、前述の従来例と同様に、非計測方向であるX軸方向に離間している。なお、検出器21X1,21X2と検出器21Y1,21Y2とを、後述する図9の2次元アブソリュートエンコーダのヘッド20Dように、Y軸方向に離間させても良い。
検出器21X1,21X2,21Y1,21Y2と、検出器21X1,21X2,21Y1,21Y2に接続された信号処理系30とは、先と同様の機能を有する。
このようにして構成された本第3の実施形態に係る2次元アブソリュートエンコーダによると、前述の第2の実施形態に係る2次元アブソリュートエンコーダと同等の効果が得られる。これに加え、本第3の実施形態に係る2次元アブソリュートエンコーダによると、第1〜第4領域PA1〜PA4をY軸方向に拡張し、各領域内のパターンAX,IX,AY,IYをY軸方向に延設することで、ヘッド20のY軸方向への可動範囲を広げることができる。従って、Y軸方向に広い計測領域を有する2次元アブソリュートエンコーダを容易に実現することができる。
《第3の実施形態の変形例1》
本例は、図8に示される2つのインクリメンタルパターンIX,IYを、図9に示される1つのインクリメンタルパターンIXYに置き換えたものである。ここで、インクリメンタルパターンIXYは、X軸方向とY軸方向とを周期方向とする2次元格子である。スケール11Dのスケール部材の上面には、インクリメンタルパターンIXYが設けられた第2領域PA2が、インクリメンタルパターンIXY(のX軸方向の周期パターン)と組11XをなすアブソリュートパターンAXが設けられた第1領域PA1と、インクリメンタルパターンIXY(のY軸方向の周期パターン)と別の組11YをなすアブソリュートパターンAYが設けられた第3領域PA3とによってX軸方向に挟まれる状態で、設けられている。
ヘッド20Dは、第1、第2、及び第3領域PA1、PA2及びPA3の配置に応じて、プレートPの−Z側の面に、図9に示されるような位置関係で配置されたアブソリュート信号用検出器21X1、インクリメンタル信号用検出器21X2、インクリメンタル信号用検出器21Y2、及びアブソリュート信号用検出器21Y1を有する。
なお、検出器21X1,21X2,21Y1,21Y2と、検出器21X1,21X2,21Y1,21Y2に接続された信号処理系30とは、先と同様の機能を有する。
このようにして構成された本例の2次元アブソリュートエンコーダにおいても、前述した第3の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、3つの領域PA1〜PA3は、これらの配置に応じてヘッド20Dを構成すれば、任意の順に配置しても良い。
《第3の実施形態の変形例2》
本例は、上記第3の実施形態の第1〜第4領域PA1〜PA4が、図10のように、2行2列のマトリクス状の配置でスケール11のスケール部材上に設けられ、第1〜第4領域PA1〜PA4の配置に応じた配置で、ヘッド20EのプレートP上に、アブソリュート信号用検出器20X1、インクリメンタル信号用検出器21X2、アブソリュート信号用検出器21Y1、及びインクリメンタル信号用検出器20Y2が配置されたものである。本例でも、検出器21X1,21X2は、計測方向であるX軸方向に離間しているのに対し、検出器21Y1,検出器21Y2は、非計測方向であるX軸方向に離間している。
検出器21X1,21X2,21Y1,21Y2及び信号処理系30は、先と同様の機能を有する。
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態を、図11(A)〜図11(D)に基づいて説明する。
図11(A)には、第4の実施形態のアブソリュートエンコーダの構成が一部省略して示されている。本第4の実施形態のアブソリュートエンコーダは、第1の実施形態のアブソリュートエンコーダ10と同様に、符号板(スケール)11F及び検出部(ヘッド)20F等を備えている。
スケール11Fを構成するスケール部材(不図示)の表面には、X軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAk(k=1,2,…)が設けられた第1領域と、アブソリュートパターンAkと組(11k)をなすX軸方向を周期方向とするインクリメンタルパターンIkが設けられた第2領域とが、X軸方向に交互に並んで併設されている。ここで、パターンAk,Ikが設けられる第1及び第2領域の配置間隔(X軸方向に関する相対距離)がLHに設定されている。なお、アブソリュートパターンAkとインクリメンタルパターンIkは、第1の実施形態におけるそれらと同様に構成されている。
ヘッド20Fは、図11(D)に示されるように、プレートPの一面(−Z側の面)に固定された各2つのアブソリュート信号用検出器211,221とインクリメンタル信号用検出器212,222とを有する。検出器211,221,212,222も、第1の実施形態における検出器211,212と同様に構成されている。ここで、検出器211,212が第1のXヘッド21を、検出器221,222が第2のXヘッド22を、構成する。ここで、検出器211,212は、それらのX軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。このため、検出器211が、アブソリュートパターンAkが設けられた第1領域に対向すると同時に、検出器212が、アブソリュートパターンAkと組(11k)をなすインクリメンタルパターンIkが設けられた第2領域に対向する。また、検出器221,222も、同様の位置関係に設定されている。このため、検出器221が、アブソリュートパターンAkが設けられた第1領域に対向すると同時に、検出器222が、アブソリュートパターンAkと組(11k)をなすインクリメンタルパターンIkが設けられた第2領域に対向する。
さらに、本第4の実施形態のヘッド20Fでは、Xヘッド21,22が、X軸方向に距離LH離間して配置されている。これにより、図11(A)〜(C)に示されるように、ヘッド20FのX位置に依らず、常に、Xヘッド21,22の一方を構成する2つの検出器211,212又は221,222が、パターンAk,Ikが設けられた第1、第2領域に対向する。
詳述すると、図11(A)では、Xヘッド21を構成する検出器211,212が、それぞれアブソリュートパターンA1が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンI1が設けられた第2領域に対向している。この状態では、Xヘッド21によりパターンA1,I1を読み取ることができる。図11(A)の位置からヘッド20Fが白抜き矢印の方向(+X方向)に移動すると、図11(B)に示されるように、検出器211,212は、それまでに対向していたパターンA1,I1が設けられた第1及び第2領域から外れる。代わりにXヘッド22を構成する検出器221,222が、それぞれ、アブソリュートパターンA2が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンI2が設けられた第2領域に対向する。この状態では、Xヘッド22によりパターンA2,I2を読み取ることができる。ヘッド20Fが、図11(B)の位置からさらに白抜き矢印の方向(+X方向)に移動すると、図11(C)に示されるように、検出器221,222は、それまでに対向していた第1及び第2領域から外れ、代わりにXヘッド21が有する検出器211,212が、それぞれ、アブソリュートパターンA2が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンI2が設けられた第2領域に対向する。この状態では、Xヘッド21を用いてパターンA2,I2を読み取ることができる。
そこで、本第4の実施形態に係るアブソリュートエンコーダでは、組11kのパターンAk,Ikが設けられた第1、第2領域にそれぞれ対向するXヘッド21,22の一方(が有する検出器211,212又は221,222)により、パターンAk,Ikが読み取られ、その読取り結果が、前述の第1の実施形態と同様に、信号処理系(不図示)によって、ヘッド20F(ヘッドが可動の場合)又はスケール11F(スケールが可動の場合)の計測方向(X軸方向)に関する絶対位置の情報に変換され、計測結果として制御装置(不図示)へ出力される。
上述のように、ヘッド20FのX位置に応じて、すなわちヘッド20FがX軸方向に距離LH移動する毎にXヘッドを切り換えて使用することにより、個々のアブソリュートパターンAkとインクリメンタルパターンIkの計測方向に関する有効長を超えて、ヘッド20F(ヘッドが可動の場合)又はスケール11F(スケールが可動の場合)の計測方向(X軸方向)に関する絶対位置を計測することが可能になる。
ただし、Xヘッド21,22は、それらの計測方向であるX軸方向に離間しているので、互いに異なるX位置を提示する。そのため、Xヘッドの切り換えと同時に、計測結果を較正する必要がある。そこで、制御装置(又は信号処理系)は、切り換え後に使用を停止するXヘッドが提示する絶対位置情報に一致するように、切り換え後に使用するXヘッドが提示する絶対位置情報を較正する。このような処理により、計測結果の連続性が保障される。
なお、図11(D)のヘッド20Fでは、Xヘッド21,22のX軸方向に関する離間距離を第1及び第2領域の配置間隔LHに一致させたため、Xヘッドの切り換え時には上述の較正処理を瞬時に実行しなければならない。そこで、次の第5の実施形態のように、Xヘッドをさらに増やし、間隔LHよりも小さい間隔で複数のヘッドを配置することとしても良い。
《第5の実施形態》
図12(A)には、第5の実施形態のアブソリュートエンコーダが示されている。本第5の実施形態のアブソリュートエンコーダでは、スケール11Gは、上記第4の実施形態のスケール11Fと同様に構成されている。一方、ヘッド20GのプレートPには、3つのXヘッド21,22,23が、間隔LHよりも小さい間隔で配置されている。
図12(A)に示される状態では、Xヘッド23を構成する検出器231,232が、それぞれアブソリュートパターンA1が設けられた第1領域とインクリメンタルパターンI1が設けられた第2領域に対向している。この位置から、ヘッド20Gが白抜き矢印の方向(+X方向)に移動すると、図12(B)に示されるように、検出器231,232とともに、Xヘッド22を構成する検出器221,222が、それぞれ同じ第1及び第2領域に対向する。そこで、制御装置(不図示)は、Xヘッド23の検出器231,232が第1及び第2領域から外れる前に、Xヘッド23からXヘッド22への切り換えを実行する。このとき、制御装置は、同時に、上述の較正処理を実行し、計測結果の連続性を維持する。
ヘッド20Gが、図12(B)に示される位置から白抜き矢印の方向(+X方向)にさらに移動すると、図12(C)に示されるように、検出器221,222とともに、Xヘッド21を構成する検出器211,212が、それぞれ同じ第1及び第2領域に対向する。そこで、制御装置は、Xヘッド22の検出器221,222が第1及び第2領域から外れる前に、先と同様に、Xヘッド22からXヘッド21への切り換えを実行する。
ヘッド20Gが、図12(C)に示される位置から白抜き矢印の方向(+X方向)にさらに移動すると、図12(D)に示されるように、検出器211,212が、それぞれ、アブソリュートパターンA1が設けられた第1領域とインクリメンタルパターンI1が設けられた第2領域に対向するとともに、Xヘッド23を構成する検出器231,232が、それぞれ、アブソリュートパターンA2が設けられた第1領域とインクリメンタルパターンI2が設けられた第2領域に対向する。そこで、制御装置は、Xヘッド21からXヘッド23への切り換えを実行する。この切り換えにおいて、ヘッド20Gが走査するアブソリュートパターンとインクリメンタルパターンの組が、組111から組112へと替わる。
本第5の実施形態によると、Xヘッドの切り換え時には、必ず2つのXヘッドが、有限の範囲にわたって、同じ又は異なる第1及び第2領域に対向する。そのため、十分な時間を費やして上述の較正処理を確実に実行することできるので、安定な位置計測が可能になる。
《第6の実施形態》
次に、本発明の第6の実施形態を、図13〜図14(D)に基づいて説明する。図13には、第6の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダの構成が一部省略して示されている。
本第6の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダでは、図8の2次元アブソリュートエンコーダと同様に、スケール11Hを構成するスケール部材(不図示)の上面に、X軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAXkが設けられた第1領域と、アブソリュートパターンAXkと組11XkをなすインクリメンタルパターンIXkが設けられた第2領域と、Y軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域と、アブソリュートパターンAYkと組11YkをなすインクリメンタルパターンIYkが設けられた第4領域とが、X軸方向に並んで併設されている。さらに、これらの第1〜第4領域が、X軸方向に繰り返し配置されている。本第6の実施形態では、図13に示されるように、隣接する領域間の配置間隔(X軸方向に関する相対距離)がLHとされている。
なお、第1〜第4領域の配置順は、図13に示されるように、互いに組11Xk又は組11Ykをなすアブソリュートパターンとインクリメンタルパターンが設けられた領域が隣接するように選ぶと良い。勿論、ヘッド20Hを領域の配置に従って構成するのであれば、任意の順に配置しても良い。
ヘッド20Hは、アブソリュートパターンAXkを読み取るための4つのアブソリュート信号用検出器21X1,22X1,23X1,24X1と、インクリメンタルパターンIXkを読み取るための4つのインクリメンタル信号用検出器21X2,22X2,23X2,24X2と、アブソリュートパターンAYkを読み取るための4つのアブソリュート信号用検出器21Y1,22Y1,23Y1,24Y1と、インクリメンタルパターンIYkを読み取るための4つのインクリメンタル信号用検出器21Y2,22Y2,23Y2,24Y2と、を有する。
ここで、検出器21X1,21X2がXヘッド21Xを構成する。検出器21X1,21X2は、それらのX軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。このため、検出器21X1が、アブソリュートパターンAXkが設けられた第1領域に対向すると同時に、検出器21X2が、アブソリュートパターンAXkと組(11Xk)をなすインクリメンタルパターンIXkが設けられた第2領域に対向する。その他の検出器(22X1〜24X1,22X2〜24X2)についても、同様に、各1つのアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが1つのXヘッド(22X〜24X)を構成し、X軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。
また、検出器21Y1,21Y2がYヘッド21Yを構成する。検出器21Y1,21Y2は、それらのX軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。このため、検出器21Y1が、アブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域に対向すると同時に、検出器21Y2が、アブソリュートパターンAYkと組(11Yk)をなすインクリメンタルパターンIYkが設けられた第4領域に対向する。その他の検出器(22Y1〜24Y1,22Y2〜24Y2)についても、同様に、各1つのアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが1つのYヘッド(22Y〜24Y)を構成し、X軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。
さらに、ヘッド20Hでは、4つのXヘッド21X〜24Xが、X軸方向に距離LH離間して配置されている。同様に、4つのYヘッド21Y〜24Yが、X軸方向に距離LH離間して配置されている。これにより、図14(A)〜図14(D)に示されるように、ヘッド20Hの位置に依らず、常に、4つのXヘッド21X〜24Xのいずれかが有するアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが、パターンAXk,IXk(組11Xk)が設けられた第1及び第2領域に対向するとともに、4つのYヘッド21Y〜24Yのいずれかが有するアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが、パターンAYk’,IYk’(組11Yk’)が設けられた第3及び第4領域に対向する。
なお、Xヘッド21X〜24X及びYヘッド21Y〜24YのY軸方向に関する配置は任意で構わない。図13では、Xヘッド21Xと23X、Xヘッド22Xと24X、Yヘッド21Yと23Y、及びYヘッド22Yと24Yが、それぞれ同じY位置に配置されている。
図14(A)では、Xヘッド21Xを構成する検出器21X1,21X2が、それぞれ、アブソリュートパターンAX1が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンIX1が設けられた第2領域に、対向している。同時に、Yヘッド23Yを構成する検出器23Y1,23Y2が、それぞれ、アブソリュートパターンAY1が設けられた第3領域、インクリメンタルパターンIY1が設けられた第4領域に、対向している。この状態では、Xヘッド21XによりパターンAX1,IX1(組11X1)を、Yヘッド23YによりパターンAY1,IY1(組11Y1)を、読み取ることができる。
図14(A)に示される位置からヘッド20Hが白抜き矢印の方向(+X方向)に移動すると、図14(B)に示されるように、検出器21X1,21X2は、それまでに対向していた第1及び第2領域から外れる。また、検出器23Y1,23Y2も、それまでに対向していた第3及び第4領域から外れる。代わりにXヘッド24Xを構成する検出器24X1,24X2が、それぞれ、アブソリュートパターンAX2が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンIX2が設けられた第2領域に、対向する。同時に、Yヘッド22Yを構成する検出器22Y1,22Y2が、それぞれ、アブソリュートパターンAY1が設けられた第3領域、インクリメンタルパターンIY1が設けられた第4領域に、対向する。従って、この状態では、Xヘッド24XによりパターンAX2,IX2(組11X2)を、Yヘッド22YによりパターンAY1,IY1(組11Y1)を、読み取ることができる。ここで、ヘッド20Hが走査するパターンAXk,IXkの組が、組11X1から組11X2へと替わる。
ヘッド20Hが、図14(B)に示される位置から白抜き矢印の方向(+X方向)にさらに移動すると、図14(C)に示されるように、Xヘッド23XによりパターンAX2,IX2(組11X2)を、Yヘッド21YによりパターンAY1,IY1(組11Y1)を、読み取ることができる。
ヘッド20Hが、図14(C)に示される位置から白抜き矢印の方向(+X方向)にさらに移動すると、図14(D)に示されるように、Xヘッド22XによりパターンAX2,IX2(組11X2)を、Yヘッド24Y(不図示)によりパターンAY2,IY2(組11Y2、ただし不図示)を、読み取ることができる。ここで、ヘッド20が走査するパターンAYk’,IYk’の組が、組11Y1から組11Y2へと替わる。
そこで、本第6の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダでは、パターンAXk,IXk(組11Xk)が設けられた第1及び第2領域に対向するXヘッド21X〜24Xのいずれか(が有する検出器、例えば21X1,21X2)により、パターンAXk,IXkが読み取られる。同時に、パターンAYk’,IYk’(組11Yk’)が設けられた第3及び第4領域に対向するYヘッド21Y〜24Yのいずれか(が有する検出器、例えば21Y1,21Y2)により、パターンAYk’,IYk’が読み取られる。読み取られた結果は、信号処理系(不図示)によって、ヘッド20H(ヘッドが可動の場合)又はスケール11H(スケールが可動の場合)の計測方向(X軸方向)に関する絶対位置の情報に変換され、計測結果として制御装置(不図示)へ出力される。アブソリュート信号用検出器21X1〜24X1及び21Y1〜24Y1と、インクリメンタル信号用検出器21X2〜24X2及び21Y2〜24Y2と、信号処理系(不図示)とは、先と同様の機能を有する。
本第6の実施形態の2次元エンコーダでは、前述の図8の2次元エンコーダとは異なり、X軸方向に関する計測領域が、個々のパターンAX,IX,AY,IYのX軸方向に関する有効長又は有効幅により、制限されることがない。すなわち、本第6の実施形態の2次元エンコーダでは、ヘッド20HのX位置に応じて、換言すればヘッド20HがX軸方向に距離LH移動する毎に、Xヘッド21X〜24X及びYヘッド21Y〜24Yを切り換えて使用することにより、個々のパターンAXk,IXk,AYk’,IYk’のX軸方向に関する有効長又は有効幅を超えて、ヘッド20H(ヘッドが可動の場合)又はスケール11(スケールが可動の場合)の計測方向に関する絶対位置を計測することが可能になる。
ただし、Xヘッド21X〜24Xは、それらの計測方向であるX軸方向に離間しているので、互いに異なるX位置を提示する。また、Yヘッド21Y〜24Yは、(一部を除いて)それらの計測方向であるY軸方向に離間しているので、互いに異なるY位置を提示する。そのため、XヘッドとYヘッドの切り換えと同時に、計測結果を較正する必要がある。そこで、制御装置(不図示)は、切り換え後に使用を停止するXヘッド又はYヘッドが提示する絶対位置情報に一致するように、切り換え後に使用するXヘッド又はYヘッドが提示する絶対位置情報を較正する。このような処理により、計測結果の連続性が保障される。
また、本第6の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダでは、第1〜第4領域をY軸方向に拡張して、各領域内のパターンAXk,IXk,AYk,IYkをY軸方向に延設することができる。これにより、ヘッド20HのY軸方向への可動範囲を広げることができる。従って、X軸方向だけでなく、Y軸方向にも広い計測領域を有する2次元アブソリュートエンコーダを実現することができる。ただし、図13〜図14(D)では、作図の便宜上、各パターンが設けられる第1〜第4領域のY軸方向の長さが、ヘッド20HのY軸方向の長さとほぼ等しくなるように描かれている。
《第7の実施形態》
次に、本発明の第7の実施形態を、図15〜図16(C)に基づいて説明する。
図15には、第7の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダの構成が一部省略して示されている。
この第7の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダでは、図13における2つのインクリメンタルパターンIXk,IYkが、図15及び図16(A)に示される1つのインクリメンタルパターンIXYkに置き換えられている。
ここで、インクリメンタルパターンIXYkは、X軸方向とY軸方向とを周期方向とする2次元格子である。スケール11Jのスケール部材の上面には、インクリメンタルパターンIXYkが設けられた第2領域が、インクリメンタルパターンIXYk(のX軸方向の周期パターン)と組11XkをなすアブソリュートパターンAXkが設けられた第1領域と、インクリメンタルパターンIXYk(のY軸方向の周期パターン)と別の組11YkをなすアブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域とによって、X軸方向に挟まれるように配置されている。さらに、スケール11のスケール部材の上面には、これらの第1、第2、及び第3領域が、X軸方向に繰り返し配置されている。本第7の実施形態では、隣接する領域間の配置間隔(X軸方向に関する相対距離)がLHに設定されている。
ヘッド20Jは、アブソリュートパターンAXkを読み取るための3つのアブソリュート信号用検出器21X1,22X1,23X1と、インクリメンタルパターンIXYkのX軸方向及びY軸方向の周期パターンを読み取るための各3つのインクリメンタル信号用検出器21X2,22X2,23X2及び21Y2,22Y2,23Y2と、アブソリュートパターンAYkを読み取るための3つのアブソリュート信号用検出器21Y1,22Y1,23Y1と、を有する。なお、ここでは、検出器21X2と検出器21Y2とが一部交差し、検出器22X2と検出器22Y2とが一部交差し、検出器23X2及と検出器23Y2とが一部交差するものとしているが、これに限らず、検出器21X2と21Y2、検出器22X2と22Y2、検出器23X2と23Y2、を、交差させることなく離間させても良い。
ここで、検出器21X1,21X2がXヘッド21Xを構成する。検出器21X1,21X2は、それらのX軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。このため、検出器21X1が、アブソリュートパターンAXkが設けられた第1領域に対向すると同時に、検出器21X2が、アブソリュートパターンAXkと組(11Xk)をなすインクリメンタルパターンIXYkが設けられた第2領域に対向する。同様に、検出器21Y1,21Y2がYヘッド21Yを構成する。検出器21Y1,21Y2も、それらのX軸方向に関する中心間距離が距離LHに一致するように、配置されている。このため、検出器21Y1が、アブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域に対向すると同時に、検出器21Y2が、アブソリュートパターンAYkと組(11Yk)をなすインクリメンタルパターンIXYkが設けられた第2領域に対向する。その他の検出器についても、同様に、各1つのアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが1つのXヘッド又は1つのYヘッドを構成し、それらのX軸方向に関する中心間距離が距離LHに設定されている。
さらに、本第7の実施形態のヘッド20Jでは、3つのXヘッド21X〜23Xが、X軸方向に距離LH離間してプレートP上に配置されている。同様に、3つのYヘッド21Y〜23Yが、X軸方向に距離LH離間してプレートP上に配置されている。これにより、図16(A)〜図16(C)に示されるように、ヘッド20Jの位置に依らず、常に、3つのXヘッド21X〜23Xのいずれかが有するアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが、パターンAXk,IXYkが設けられた第1及び第2領域に対向すると同時に、3つのYヘッド21Y〜23Yのいずれかが有するアブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器とが、パターンAYk,IXYkが設けられた第3及び第2領域に対向する。
図16(A)では、Xヘッド22Xを構成する検出器22X1,22X2が、それぞれ、アブソリュートパターンAX1が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンIXY1が設けられた第2領域に、対向している。同時に、Yヘッド22Yを構成する検出器22Y1,22Y2が、それぞれ、アブソリュートパターンAY1が設けられた第3領域、インクリメンタルパターンIXY1が設けられた第2領域に、対向している。この状態では、Xヘッド22XによりパターンAX1,IXY1(組11X1)を、Yヘッド22YによりパターンAY1,IXY1(組11Y1)を、読み取ることができる。
ヘッド20Jが、図16(A)に示される位置から白抜き矢印の方向(+X方向)に移動すると、図16(B)に示されるように、検出器22X1,22X2は、それまでに対向していた第1及び第2領域から外れる。また、検出器22Y1,22Y2も、それまでに対向していた第3及び第2領域から外れる。代わりにXヘッド21Xを構成する検出器21X1,21X2が、それぞれ、アブソリュートパターンAX1が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンIXY1が設けられた第2領域に、対向する。同時に、Yヘッド21Yを構成する検出器21Y1,21Y2が、それぞれ、アブソリュートパターンAY1が設けられた第3領域、インクリメンタルパターンIXY1が設けられた第2領域に、対向する。従って、この状態では、Xヘッド21XによりパターンAX1,IXY1(組11X1)を、Yヘッド21YによりパターンAY1,IXY1(組11Y1)を、読み取ることができる。
ヘッド20Jが、図16(B)に示される位置から白抜き矢印の方向(+X方向)にさらに、移動すると、図16(C)に示されるように、検出器21X1,21X2は、それまでに対向していた第1及び第2領域から外れる。また、検出器21Y1,21Y2も、それまでに対向していた第3及び第2領域から外れる。代わりにXヘッド23Xを構成する検出器23X1,23X2が、それぞれ、アブソリュートパターンAX2が設けられた第1領域、インクリメンタルパターンIXY2が設けられた第2領域に、対向する。同時に、Yヘッド23Yを構成する検出器23Y1,23Y2が、それぞれ、アブソリュートパターンAY2が設けられた第3領域、インクリメンタルパターンIXY2が設けられた第2領域に、対向する。従って、この状態では、Xヘッド23XによりパターンAX2,IXY2(組11X2)を、Yヘッド23YによりパターンAY2,IXY2(組11Y2)を、読み取ることができる。ここで、ヘッド20Jが走査するパターンAXk,IXYkの組が、組11X1から組11X2へと替わる。同時に、ヘッド20Jが走査するパターンAYk,IXYkの組が、組11Y1から組11Y2へと替わる。
本第7の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダでは、パターンAXk,IXYk(組11Xk)が設けられた第1及び第2領域に対向するXヘッド21X〜23Xのいずれか(が有する検出器、例えば21X1,21X2)により、パターンAXk,IXYkが読み取られる。同時に、パターンAYk,IXYk(組11Yk)が設けられた第3及び第2領域に対向するYヘッド21Y〜23Yのいずれか(が有する検出器、例えば21Y1,21Y2)により、パターンAYk,IXYkが読み取られる。読み取られた結果は、信号処理系(不図示)により、ヘッド20J(ヘッドが可動の場合)又はスケール11J(スケールが可動の場合)の計測方向(X軸方向)に関する絶対位置の情報に変換され、計測結果として制御装置(不図示)へ出力される。アブソリュート信号用検出器21X1〜23X1及び21Y1〜23Y1と、インクリメンタル信号用検出器21X2〜23X2及び21Y2〜23Y2と、信号処理系(不図示)とは、先と同様の機能を有する。
本第7の実施形態の2次元エンコーダでは、前述の図9の2次元エンコーダとは異なり、X軸方向に関する計測領域が、個々のパターンAX,IXY,AYのX軸方向に関する有効長又は有効幅により、制限されることがない。すなわち、本第7の実施形態の2次元エンコーダでは、ヘッド20JのX位置に応じて、換言すればヘッド20JがX軸方向に距離LH移動する毎に、Xヘッド21X〜23X及びYヘッド21Y〜23Yを切り換えて使用することにより、個々のパターンAXk,IXYk,AYkのX軸方向に関する有効長又は有効幅を超えて、ヘッド20J(ヘッドが可動の場合)又はスケール11J(スケールが可動の場合)の計測方向に関する絶対位置を計測することが可能になる。
ただし、Xヘッド21X〜23Xは、それらの計測方向であるX軸方向に離間しているので、互いに異なるX位置を提示する。また、Yヘッド21Y〜23Yは、それらの計測方向であるY軸方向に離間しているので、互いに異なるY位置を提示する。そのため、Xヘッド又はYヘッドの切り換えと同時に、計測結果を較正する必要がある。そこで、制御装置(不図示)は、切り換え後に使用を停止するXヘッド又はYヘッドが提示する絶対位置情報に一致するように、切り換え後に使用するXヘッド又はYヘッドが提示する絶対位置情報を較正する。このような処理により、計測結果の連続性が保障される。
本第7の実施形態の2次元アブソリュートエンコーダの場合も、第1、第2、及び第3領域をY軸方向に拡張して、各領域内のパターンAXk,IXYk,AYkをY軸方向に延設することができる。これにより、ヘッド20JのY軸方向への可動範囲を広げることができる。従って、X軸方向だけでなく、Y軸方向にも広い計測領域を有する2次元アブソリュートエンコーダを実現することができる。図15〜図16(C)では、作図の便宜上、各パターンが設けられる第1、第2、及び第3領域のY軸方向の長さが、ヘッド20Jのそれとほぼ等しくなるように描かれている。
上記第6、第7の実施形態等では、スケール(11H又は11J)が、X軸方向に繰り返し配置されたアブソリュートパターンとインクリメンタルパターンとが設けられる領域を有し、かつそれらの領域をY軸方向に広げて両パターンを延設することにより、2次元方向に広い計測領域を有する2次元アブソリュートエンコーダが構成される場合について説明した。しかし、これに限らず、次の変形例のように、アブソリュートパターンとインクリメンタルパターンとが設けられる領域を、X軸方向だけでなくY軸方向に関しても、繰り返し配置して、2次元アブソリュートエンコーダを構成することも可能である。
ここで、図17、図18、及び図19に基づいて、異なる3つの変形例について簡単に説明する。
図17に示される変形例では、スケール部材上に、X軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAXαが設けられた第1領域と、アブソリュートパターンAXαと組をなすインクリメンタルパターンIXが設けられた第2領域と、Y軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域と、アブソリュートパターンAYkと組をなすインクリメンタルパターンIYが設けられた第4領域とが、前述した図10の2次元アブソリュートエンコーダと同様の2行2列のマトリックス状に配置されている(ただし、隣接領域間には空隙部が存在しない)。そして、スケール部材上に、この一組の第1〜第4領域が、X軸方向とY軸方向とに、繰り返し配置され、これによって、スケール11Kが構成されている。
図17では、隣接する領域間の配置間隔(X軸方向及びY軸方向に関する相対距離)がLHとされている。また、図17中、4つの領域(パターン)の場所(区画領域)を表すために、X軸方向に関する配列に対してaからfの符号が、Y軸方向に関する配列に対して1から6の符号が付されている。例えば、X列a内のY列1(領域a1)には、アブソリュートパターンAXaが設けられている。
ヘッド20Kでは、アブソリュートパターンAXα(α=a,c,e)を読み取るための4つのアブソリュート信号用検出器と、インクリメンタルパターンIXを読み取るための4つのインクリメンタル信号用検出器と、アブソリュートパターンAYk(k=2,4,6)を読み取るための4つのアブソリュート信号用検出器と、インクリメンタルパターンIYを読み取るための4つのインクリメンタル信号用検出器と、が、スケール11Kのパターン領域の配置に応じて、プレートP上に配置されている。
図18に示される変形例では、スケール部材上に、X軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAXαが設けられた第1領域と、アブソリュートパターンAXαと組をなすインクリメンタルパターンIXが設けられた第2領域と、Y軸方向を単位パターンの配列方向とするアブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域と、アブソリュートパターンAYkと組をなすインクリメンタルパターンIYが設けられた第4領域とが、図8及び図14の2次元アブソリュートエンコーダと同様に、X軸方向に並んで配置されている(ただし、隣接領域間には空隙部が存在しない)。そして、スケール部材上に、この一組の第1〜第4領域が、X軸方向とY軸方向とに、繰り返し配置され、これによって、スケール11Lが構成されている。この場合、Y軸方向に関しても、第1〜第4領域が一定順に並ぶように、配置されている。
図18では、隣接する領域間の配置間隔(X軸方向及びY軸方向に関する相対距離)がLHとされている。また、図17と同様に、4つの領域(パターン)の場所(区画領域)を表すために、X軸方向に関する配列に対してaからfの符号が、Y軸方向に関する配列に対して1から6の符号が付されている。
ヘッド20Lは、アブソリュートパターンAXα(α=a〜f)を読み取るための4つのアブソリュート信号用検出器と、インクリメンタルパターンIXを読み取るための4つのインクリメンタル信号用検出器と、アブソリュートパターンAYk(k=1〜6)を読み取るための4つのアブソリュート信号用検出器と、インクリメンタルパターンIYを読み取るための4つのインクリメンタル信号用検出器と、が、スケール11Lのパターン領域の配置に応じて、プレートP上に配置されている。
図19に示される変形例では、スケール部材上に、図9の2次元アブソリュートエンコーダと同様に、インクリメンタルパターンIXYが設けられた第2領域が、インクリメンタルパターンIXY(のX軸方向の周期パターン)と組をなすアブソリュートパターンAXαが設けられた第1領域と、インクリメンタルパターンIXY(のY軸方向の周期パターン)と別の組11YをなすアブソリュートパターンAYkが設けられた第3領域とによって、X軸方向に挟まれるように配置されている(ただし、隣接領域間には空隙部が存在しない)。そして、この一組の第1〜第3領域が、X軸方向とY軸方向とに、繰り返し配置され、これによって、スケール11Mが構成されている。ただし、Y軸方向に関しても、第1〜第3領域が一定順に並ぶように、配置されている。
図19では、隣接する領域間の配置間隔(X軸方向及びY軸方向に関する相対距離)がLHとされている。また、図17(A)及び図18(A)と同様に、4つの領域(パターン)の場所(区画領域)を表すために、X軸方向に関する配列に対してaからfの符号が、Y軸方向に関する配列に対して1から6の符号が付されている。
ヘッド20Mでは、アブソリュートパターンAXα(α=a〜f)を読み取るための3つのアブソリュート信号用検出器21X1,22X1,23X1と、インクリメンタルパターンIXY(のX軸方向の周期パターン)を読み取るための3つのインクリメンタル信号用検出器21X2,22X2,23X2と、アブソリュートパターンAYk(k=1〜6)を読み取るための3つのアブソリュート信号用検出器21Y1,22Y1,23Y1と、インクリメンタルパターンIXY(のY軸方向の周期パターン)を読み取るための3つのインクリメンタル信号用検出器21Y2,22Y2,23Y2と、が、スケール11のパターン領域の配置に応じて、プレートP上に配置されている。
以上、3つの変形例における2次元アブソリュートエンコーダでは、ヘッド(20K、20L又は20M)の位置(X位置及びY位置)に応じて、Xヘッド及びYヘッドを切り換えて使用することで、2次元方向に計測領域を広げることができる。なお、アブソリュート信号用検出器とインクリメンタル信号用検出器と、信号処理系と、は先と同様の機能を有する。
なお、上記各実施形態及び各変形例では、反射型のエンコーダヘッドを有するアブソリュートエンコーダについて例示したが、本発明がこれに限定されないことは勿論である。すなわち、発光部と受光部とが、スケール(符号板)を介して対峙する透過型のエンコーダヘッドを有するアブソリュートエンコーダにも、本発明は好適に適用することができる。
また、上記第1、第3〜第7の実施形態、及び各変形例では、2次元アブソリュートエンコーダについて説明したが、前述の第2の実施形態と同様に、図3のステージベース42を構成するスケール11Aに代えて、各スケール(第1、第3〜第7の実施形態、及び各変形例のスケール)をステージベース42に設けるとともに、各ヘッド(第1、第3〜第7の実施形態、及び各変形例のヘッド)を図3のヘッド20Aに代えて、ステージ本体44の下面に取り付けることで、前述と同様のステージ装置を構成しても良い。このようにしても、第2の実施形態に係るステージ装置40と同様に、ステージの2次元方向の絶対位置情報に基づいて、ステージSTを高精度に2次元駆動することができる。
なお、上記第2の実施形態及び上記変形例の説明では、ヘッドがステージ(移動体)に取り付けられ、スケールがステージベース(固定部)に設けられる場合について説明したが、これに限らず、スケール(符号板)を移動体に取り付け、ヘッドを固定部に設けても良い。