以下、図面を参照して、本発明に係る通信端末及び通知方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信端末1の機能構成を示すブロック図である。通信端末1は、例えば携帯電話機であって、バッテリーで動作し、移動体通信等の通信機能を備えている装置である。後述するように、通信端末1は、通信に要するバッテリー必要量を予測し、バッテリー残量との比較結果に応じた通知を行う。具体的には、通信端末1は、通信ログ(通信履歴)に基づいて、通信に要するバッテリー必要量を予測し、バッテリー残量より大きい場合に、通信可能時間等の通知を行う。
図2は、通信端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、通信端末1は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM103(Read Only Memory)、ハードディスク装置等の補助記憶装置104、他の通信端末との間で通信ネットワークを介したデータの送受信を行う通信モジュール105、通信端末1に電力を供給するバッテリー106、入力デバイスである入力キー、マイクロフォン等の入力装置107、出力デバイスであるディスプレイ、スピーカ等の出力装置108、通信端末1の周囲温度を検出する温度センサ、通信端末1の電波状況を検出する電波センサ等の検出装置109等のハードウェアにより構成されている。
後述する通信端末1の各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール105、入力装置107、出力装置108、検出装置109等を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置104におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
続いて、通信端末1の各機能について説明する。図1に示すように、通信端末1は、通信部11と、通信ログ記憶部13と、バッテリー必要量予測部15と、バッテリー残量検出部16と、通知部17と、を備えて構成されている。なお、通信端末1は、上記機能以外にも通常の携帯電話機としての機能を備えてもよい。また、通信端末1は、電話帳登録部12と、通信情報生成部14と、をさらに備えてもよい。
通信部11は、通信相手の端末である通信相手端末との通信を行う通信手段として機能する。通信部11は、例えば、指定された通信相手端末に対して発信を行い、又は、所定の通信相手端末からの着信を受け付けて、通信相手端末との通信(通話)を行う。
電話帳登録部12は、通信相手端末を登録する端末登録手段として機能する。具体的には、電話帳登録部12は、通信相手端末の所有者の名前と、通信相手端末の電話番号等といった通信相手端末の固有情報とを関連付けて登録情報として記憶している、いわゆる電話帳機能である。この登録情報は、ユーザが入力装置107を操作することで入力され、登録される。
通信ログ記憶部13は、通信相手又は通信の時間帯を示す情報に対応付けて通信時間を示す情報を含む通信ログを蓄積する履歴記憶手段として機能する。具体的には、通信ログ記憶部13は、通信部11によって行われた通信に関する情報を、通信相手又は通信の時間帯ごとに通信ログとして蓄積している。通信ログは、少なくとも通信時間(通話時間)を示す情報である通信時間情報を含み、例えば、通信時間帯(通話時間帯)(曜日)を示す情報である通信時間帯情報、通信(通話)時の周囲温度を示す情報である温度情報、通信(通話)時の電波状況を示す情報である電波情報等をさらに含んでもよい。
通信時間情報は、例えば、通信端末1に備えられた計時装置(不図示)によって、通信部11が通信を開始してから終了するまでの時間を計測することで取得される。通信時間帯情報は、例えば、通信端末1に備えられた計時装置によって、通信部11が通信を行った時間帯を計測することで取得される。温度情報は、検出装置109(例えば、温度センサ)によって取得される。電波情報は、検出装置109(例えば、電波センサ)によって取得される。
そして、通信ログ記憶部13は、通信部11によって行われた通信に係る通信相手端末が電話帳登録部12に登録されているか否かを判断する。電話帳登録部12に登録されている場合には、通信ログ取得更新部16は、取得した各情報を電話帳登録者(通信相手)ごとに通信ログ記憶部13に蓄積する。一方、電話帳登録部12に登録されていない場合には、未登録者(未登録端末)として各情報を通信ログ記憶部13に蓄積する。なお、通信ログ記憶部13は、通信時間帯ごとに通信ログを蓄積してもよい。
図3は、通信ログ記憶部13に蓄積されている通信ログの一例を示す図である。通信ログL1は、通信相手がA、通話時間が30分20秒、通話時間帯が2011年1月1日(土曜日)の22時25分から22時55分までの時間帯、通話時の温度が平均5℃、通話時の電波状況が20分間強レベルで10分20秒間弱レベルであったことを示している。通信ログL2は、通信相手がB、通話時間が5分40秒、通話時間帯が2011年1月5日(水曜日)の7時00分から7時05分までの時間帯、通話時の温度が平均7℃、通話時の電波状況が5分40秒間強レベルであったことを示している。通信ログL3は、通信相手が電話帳登録部12に登録されていない未登録者、通話時間が4分10秒、通話時間帯が2011年1月7日(金曜日)の17時00分から17時04分までの時間帯、通話時の温度が平均11℃、通話時の電波状況が4分10秒間強レベルであったことを示している。
通信情報生成部14は、通信ログ記憶部13に記憶されている通信ログに基づいて、後述のバッテリー必要量を予測するために必要な通信情報を生成する通信情報生成手段として機能する。通信情報生成部14は、例えば、通信情報として平均通信時間を算出する。通信情報生成部14は、平均通信時間の算出を、通信に関する情報が通信ログ記憶部13に蓄積された後すぐに行ってもよいし、予め決められた周期(例えば、24時間周期)で行ってもよい。以下に、平均通信時間の算出方法について説明する。
通信情報生成部14は、通信ログ記憶部13から通信相手ごとに通信ログの通信時間を読み出し、その平均を算出して通信相手ごとの平均通信時間とする。なお、通信情報生成部14は、各時間帯(例えば、1時間単位)における通信相手ごとの通信時間の平均を算出して、各時間帯における通信相手ごとの平均通信時間としてもよい。また、通信情報生成部14は、通信ログ記憶部13から時間帯ごとの通信ログの通信時間を読み出し、各時間帯における通信相手全体に対する平均通信時間を算出してもよい。
さらに、通信情報生成部14は、電話帳登録部12に登録されていない未登録者の通信ログの通信時間を読み出し、未登録者全体の平均通信時間を算出してもよい。また、通信情報生成部14は、各時間帯における未登録者全体の平均通信時間を算出してもよい。通信情報生成部14は、上述した平均通信時間のいずれか又は全てを算出し、その平均通信時間を示す情報を保持している。
図4は、通信情報生成部14によって算出された平均通信時間の一例を示す図である。平均通信時間TAは、通信相手Aとの平均通話時間であって、7時〜8時の時間帯で12分12秒、8時〜9時の時間帯で1分14秒であることを示している。平均通信時間Tallは、全通信相手との平均通話時間であって、7時〜8時の時間帯で1分12秒、8時〜9時の時間帯で3分14秒であることを示している。
バッテリー必要量予測部15は、通信部11によって行われる通信に係る通信相手の通信情報又は通信部11によって行われる通信の時間帯の通信情報に基づいて、通信に必要なバッテリー必要量を予測するバッテリー必要量予測手段として機能する。バッテリー必要量予測部15は、バッテリー必要量を示す情報を通知部17に送信する。以下に、バッテリー必要量の予測方法を説明する。
バッテリー必要量予測部15は、通信相手との平均通信時間を示す情報を通信情報生成部14から取得する。そして、バッテリー必要量予測部15は、通信相手との平均通信時間を予想通信時間とする。次に、バッテリー必要量予測部15は、バッテリーの最大容量に対する1%あたりの通信可能時間(以下、単に「バッテリー1%あたりの通信可能時間」という。)に基づいて、通信に必要なバッテリー必要量を予測する。バッテリー必要量予測部15は、例えば、以下の式(1)を用いてバッテリー必要量を予測する。
P=τ/T…(1)
なお、式(1)において、Pはバッテリー必要量、τは予想通信時間、Tはバッテリー1%あたりの通信可能時間を示す。このバッテリー1%あたりの通信可能時間Tは、予めバッテリー必要量予測部15に設定されている。例えば、バッテリー1%あたりの通信可能時間Tが120秒に設定されているとすると、予想通信時間τが20分の場合、バッテリー必要量Pは10%と予測される。
通信情報生成部14が各時間帯における通信相手ごとの平均通信時間を保持している場合には、バッテリー必要量予測部15は、通信部11によって行われる通信がいずれの時間帯に属するかを判定し、判定した時間帯に対応する通信相手との平均通信時間を通信情報生成部14から取得してもよい。そして、バッテリー必要量予測部15は、取得した平均通信時間を予想通信時間としてもよい。
通信情報生成部14が各時間帯における通信相手全体に対する平均通信時間を保持している場合には、バッテリー必要量予測部15は、通信部11によって行われる通信がいずれの時間帯に属するかを判定し、判定した時間帯に対応する平均通信時間を取得してもよい。そして、バッテリー必要量予測部15は、取得した平均通信時間を予想通信時間としてもよい。
なお、バッテリー必要量予測部15は、通信ログに基づいて、バッテリー1%あたりの通信可能時間を算出し、設定してもよい。例えば、通信ログ記憶部13は、通信開始前のバッテリー残量と通信終了後のバッテリー残量とをさらに含む通信ログを蓄積する。そして、バッテリー必要量予測部15は、通信ログから取得した通信時間と通信前後のバッテリー残量の差分とに基づいて、バッテリー1%あたりの通信可能時間を算出してもよい。
また、バッテリー必要量予測部15は、通信環境を示す通信環境情報に基づいて、バッテリー必要量を予測してもよい。具体的に説明すると、バッテリー必要量予測部15は、温度センサにより検出した通信端末1の周囲温度、電波センサにより検出した通信端末1の電波状況等の通信環境の影響を考慮して、バッテリー1%あたりの通信可能時間を補正し、補正した通信可能時間からバッテリー必要量を予測してもよい。以下に、バッテリー1%あたりの通信可能時間の補正方法を説明する。
バッテリー必要量予測部15は、例えば、常温(例えば、20℃)のバッテリー1%あたりの通信可能時間を基準として、周囲温度の影響度に基づいて、通信可能時間の補正を行う。この常温のバッテリー1%あたりの通信可能時間は、予めバッテリー必要量予測部15に設定されている。また、周囲温度の影響度は、常温のバッテリー1%あたりの通信可能時間を補正する温度補正係数として、周囲温度ごとに予めバッテリー必要量予測部15に設定されている。
例えば、通信端末1の周囲温度が5〜10℃の温度補正係数は、15%減、すなわち0.85に設定されている。通信端末1の周囲温度が0〜5℃の温度補正係数は、20%減、すなわち0.8に設定されている。常温のバッテリー1%あたりの通信可能時間が、例えば150秒に設定されているとすると、周囲温度が5〜10℃、0〜5℃でのバッテリー1%あたりの通信可能時間はそれぞれ、127.5秒、120秒となる。
なお、バッテリー必要量予測部15は、通信ログに基づいて、温度補正係数を算出し、設定してもよい。例えば、通信ログ記憶部13は、通信開始前のバッテリー残量と通信終了後のバッテリー残量とをさらに含む通信ログを蓄積する。そして、バッテリー必要量予測部15は、通信ログから取得した通信時間と、通信時の周囲温度、通信前後のバッテリー残量の差分とに基づいて、温度補正係数を算出してもよい。
また、バッテリー必要量予測部15は、例えば、電波状況が強レベルのバッテリー1%あたりの通信可能時間を基準として、電波状況の影響度に基づいて、通信可能時間の補正を行ってもよい。この電波状況が強レベルのバッテリー1%あたりの通信可能時間は、予めバッテリー必要量予測部15に設定されている。また、電波状況の影響度は、電波状況が強レベルのバッテリー1%あたりの通信可能時間を補正する電波補正係数として、電波レベルごとに予めバッテリー必要量予測部15に設定されている。
例えば、通信端末1の電波状況が中レベル(ディスプレイに表示されるアンテナが2本)の電波補正係数は、11%減、すなわち0.89に設定されている。通信端末1の電波状況が弱レベル(アンテナ1本)の電波補正係数は、31%減、すなわち0.69に設定されている。電波状況が強レベルでのバッテリー1%あたりの通信可能時間が、例えば180秒に設定されているとすると、電波状況が中レベル、弱レベルでのバッテリー1%あたりの通信可能時間はそれぞれ、160秒、125秒となる。
なお、バッテリー必要量予測部15は、通信ログに基づいて、電波補正係数を算出し、設定してもよい。例えば、通信ログ記憶部13は、通信開始前のバッテリー残量と通信終了後のバッテリー残量とをさらに含む通信ログを蓄積する。そして、バッテリー必要量予測部15は、通信ログから取得した通信時間と、通信時の電波状況、通信前後のバッテリー残量の差分とに基づいて、電波補正係数を算出してもよい。
すなわち、バッテリー必要量予測部15は、基準となる通信環境(例えば、周囲温度:20℃、電波状況:強レベル)におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間と、通信環境の各要素の影響度(補正係数)とを用いて、例えば、以下の式(2)に基づいて通信環境でのバッテリー1%あたりの通信可能時間を算出する。なお、式(2)において、Tenvは通信環境でのバッテリー1%あたりの通信可能時間、Toは基準となる通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間、αenviは通信環境の要素i(iは、1〜Nの整数値)による通信可能時間の補正係数を示す。この基準となる通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間To、通信環境の要素iによる通信可能時間の補正係数αenviは、バッテリー必要量予測部15に予め設定されている。
Tenv=To×αenv1×αenv2×…×αenvN…(2)
このようにして補正したバッテリー1%あたりの通信可能時間、すなわち通信環境でのバッテリー1%あたりの通信可能時間を用いて、バッテリー必要量予測部15は、例えば、以下の式(3)に基づいてバッテリー必要量を予測する。なお、式(3)において、Pはバッテリー必要量、τは予想通信時間、Tenvは通信環境でのバッテリー1%あたりの通信可能時間を示す。
P=τ/Tenv…(3)
図5の(a)は、通信端末1が、通信相手端末Aに対して7時15分に発信することを示す図である。図5の(a)に示すように、発信時、温度センサにより検出した周囲温度は7℃、電波センサにより検出した電波状況は強レベルである。この場合、バッテリー必要量予測部15は、例えば、通信相手端末Aとの7時〜8時の時間帯における平均通信時間を通信情報生成部14から取得し、予想通信時間とする。ここで、7時〜8時の時間帯における通信相手端末Aの所有者との平均通信時間が11分であったとする。
次に、バッテリー必要量予測部15は、発信時の通信端末1の通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間を算出する。この通信可能時間は、周囲温度が7℃であるため常温のバッテリー1%あたりの通信可能時間に対して15%減となり、電波状況が強レベルであるため電波による影響はない。したがって、発信時の通信端末1の通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間は、常温で電波状況が強レベルのバッテリー1%あたりの通信可能時間が150秒に設定されているとすると、127.5秒と算出される。そして、バッテリー必要量予測部15は、上述の式(3)により、予想通信時間と発信時の通信端末1の通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間とに基づいてバッテリー必要量を予測する。その結果、バッテリー必要量は、5.2%と予測される。
図5の(b)は、通信端末1が、通信相手端末Aから7時15分に着信を受けることを示す図である。この場合も、バッテリー必要量予測部15は、図5の(a)の場合と同様にバッテリー必要量を算出する。
また、バッテリー必要量予測部15は、通信部11により通信が行われていない場合(非通信時)に、時間帯ごとの通信情報に基づいて、バッテリー必要量を予測してもよい。以下に、非通信時のバッテリー必要量の予測方法について説明する。バッテリー必要量予測部15は、通信部11により通信が行われているか否かの判断を定期的(例えば、10分周期)に行う。
バッテリー必要量予測部15は、通信が行われていないと判断すると、現在時刻が属する時間帯における通信相手全体に対する平均通信時間を通信情報生成部14から取得する。あるいは、バッテリー必要量予測部15は、通信相手ごとの平均通信時間のうち最大の平均通信時間を通信情報生成部14から取得してもよい。そして、バッテリー必要量予測部15は、取得した平均通信時間を予想通信時間として、上述の式(1)又は(3)に基づいて、非通信時のバッテリー必要量を予測する。この非通信時のバッテリー必要量は、非通信状態で必要なバッテリー必要量ではなく、仮に通信が行われた場合に必要となるであろうバッテリー必要量である。
バッテリー残量検出部16は、バッテリー残量を検出するバッテリー残量検出手段として機能する。具体的には、バッテリー残量検出部16は、従来から知られている方法を用いてバッテリー106の残量を検出する。バッテリー残量は、例えば、バッテリーの最大容量に対する割合(%)として検出される。そして、バッテリー残量検出部16は、バッテリー残量を示す情報を通知部17に送信する。
通知部17は、バッテリー必要量予測部15によって予測されたバッテリー必要量と、バッテリー残量検出部16によって検出されたバッテリー残量と、に基づいて、所定の通知を行う通知手段として機能する。具体的には、通知部17は、バッテリー残量がバッテリー必要量よりも少ない場合、バッテリー残量が不十分であると判断して、ディスプレイにバッテリー不足である旨を表示する。また、通信端末1が通信を行う場合は、通知部17は、通信部11を介して、例えばSMS(Short Message Service)によるメッセージを用いて通信相手端末にバッテリー不足である旨を通知してもよい。
この際、バッテリー不足の表示に代えて通信可能時間の表示を行ってもよく、バッテリー不足の表示とともに通信可能時間の表示を行ってもよい。この通信可能時間は、バッテリー必要量予測部15によって算出された通信端末1の通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間と、バッテリー残量検出部16によって検出されたバッテリー残量と、に基づいて、例えば、以下の式(4)により算出される。なお、式(4)において、Tは通信可能時間、Tenvは通信環境でのバッテリー1%あたりの通信可能時間、Prはバッテリー残量を示す。
T=Pr×Tenv…(4)
通知部17は、例えばポップアップにより「バッテリー不足(通話可能時間:10分)」といった警告を表示する。また、通知部17は、通信部11を介して通信相手端末に通信端末1のバッテリー不足および通信可能時間の少なくともいずれかを通知するようにしてもよい。通信相手端末への通知は、アラーム又はガイダンスにより行うようにしてもよい。
通知部17は、バッテリー残量検出部16によって検出されたバッテリー残量が所定の値より小さい場合に、通信相手端末にバッテリー不足を通知するようにしてもよい。具体的には、通知部17は、バッテリー残量が閾値Bthより少なくなった場合、バッテリー不足のため通話が切断されてしまうと判断して、例えばSMSによるメッセージを用いて通信相手端末にバッテリー不足を通知する。通知部17は、例えば「バッテリー切れです。通話できる状態になるまでしばらくお待ちください。」等といったメッセージを通信相手端末に送信する。閾値Bthは、SMS等によって通信相手端末に通知を行うのに必要なバッテリーの必要量以上に設定すればよく、通話が切断される直前又は直後のバッテリー残量に設定するのが好ましい。
通知部17は、発着信時以外であっても、バッテリー不足と判断した場合には、例えばポップアップにて充電を促すよう通知してもよい。通知部17は、例えば、予め設定された周期(例えば、10分周期)で、バッテリー必要量予測部15によって予測された非通信時のバッテリー必要量とバッテリー残量とを比較する。そして、バッテリー残量が少ない場合、通知部17は、例えば充電を促す通知を行う。すなわち、この通知は、非通信状態で必要なバッテリー必要量に基づいて行われるのではなく、仮に通信が行われた場合に必要となるであろうバッテリー必要量に基づいて行われる。
図6は、通信端末1の通信ログ蓄積処理を示すフローチャートである。本処理は、例えば、通信部11による通信が終了した場合に行われる。まず、通信ログ記憶部13は、通信部11によって行われた通信に関する情報を取得する(S01)。次に、通信ログ記憶部13は、通信部11によって行われた通信に係る通信相手端末が電話帳登録部12に登録されているか否かの判定を行う(S02)。
判定の結果、電話帳登録部12に登録されていると判定された場合(S02;Yes)、通信ログ記憶部13は、通信相手(登録者)ごとに通信に関する情報を蓄積する(S03)。そして、通信情報生成部14は、通信相手ごとに平均通信時間を算出する(S04)。S04の処理において、通信情報生成部14は、各時間帯における通信相手ごとの平均通信時間を算出してもよい。このS04は、S03の処理後の任意のタイミングで実施される。例えば、S03の処理の直後に実施されてもよいし、一定周期で実施されてもよいし、一定量の通信ログが蓄積されるごとに実施されてもよい。
一方、S02の判定において、電話帳登録部12に登録されていないと判定された場合(S02;No)、通信ログ記憶部13は、未登録者として通信に関する情報を蓄積する(S05)。そして、通信情報生成部14は、未登録者全体の平均通信時間を算出する(S06)。S06の処理において、通信情報生成部14は、各時間帯における未登録者全体の平均通信時間を算出してもよい。このS06は、S05の処理後の任意のタイミングで実施される。例えば、S05の処理の直後に実施されてもよいし、一定周期で実施されてもよいし、一定量の通信ログが蓄積されるごとに実施されてもよい。
次に、図7を参照して、通信端末1の動作について説明する。図7は、通信端末1の通信開始時の通知処理を示すフローチャートである。まず、通信部11は、通信相手端末と通信を開始する(S11,通信ステップ)。次に、バッテリー残量検出部16は、バッテリー残量を検出する(S12,バッテリー残量検出ステップ)。また、バッテリー必要量予測部15は、通信情報生成部14によって算出された通信相手ごとの平均通信時間又は通信時間帯ごとの平均通信時間を取得する。そして、バッテリー必要量予測部15は、取得した平均通信時間に基づいて、通信に必要なバッテリー必要量を予測する(S13,バッテリー必要量予測ステップ)。
S13の処理において、バッテリー必要量予測部15は、周囲温度、電波状況等の通信環境を考慮してバッテリー必要量を予測してもよい。バッテリー必要量予測部15は、例えば、温度センサから温度情報を取得し、電波センサから電波情報を取得する。次に、バッテリー必要量予測部15は、上述の式(2)を用いて、通信環境におけるバッテリー1%あたりの通信可能時間を算出する。そして、バッテリー必要量予測部15は、上述の式(3)を用いてバッテリー必要量を予測する。
次に、通知部17は、S13において予測されたバッテリー必要量がS12において検出されたバッテリー残量より大きいか否かを判定する(S14)。判定の結果、バッテリー残量がバッテリー必要量以上であると判定された場合(S14;No)、通知部17は、通知を行うことなく処理を終了する。一方、S14の判定において、バッテリー残量がバッテリー必要量より少ないと判定された場合(S14;Yes)、通知部17は、所定の通知を行う(S15,通知ステップ)。
通知部17は、例えば、通信端末1のディスプレイにポップアップでバッテリー不足の表示を行う。また、通知部17は、通信相手端末にバッテリー不足のガイダンスを表示する。この際、バッテリー不足の表示に代えて通話可能時間の表示を行ってもよく、バッテリー不足の表示とともに通話可能時間の表示を行ってもよい。なお、S12の処理とS13の処理は、いずれの順に行ってもよく、並行してもよい。また、本処理は、通信開始時だけでなく、通信中に行ってもよい。
図8は、通信端末1の他の通知処理を示すフローチャートである。本処理は、定期的(例えば、5分周期)に行われる。まず、バッテリー残量検出部16は、バッテリー残量を検出する(S21)。次に、通知部17は、S21において検出されたバッテリー残量が閾値Bth以上であるか否かの判定を行う(S22)。判定の結果、バッテリー残量が閾値Bth以上であると判定された場合(S22;Yes)、通知部17は、通知を行うことなく処理を終了する。一方で、S22の判定において、バッテリー残量が閾値Bth未満であると判定された場合(S22;No)、通知部17は、バッテリー不足により電源が切断される旨を通知する(S23)。
通知部17は、例えば、通信端末1のディスプレイにポップアップでバッテリー不足の表示を行う。また、通知部17は、通信中であれば、SMSを用いて通信相手端末にバッテリー不足のメッセージを送信する。
次に、本実施形態の通信端末1の作用効果について説明する。通信端末1において、通信部11は、通信相手の端末である通信相手端末との通信を行い、通信ログ記憶部13は、通信相手又は通信の時間帯ごとに通信時間を示す情報を含む通信ログを蓄積する。また、バッテリー残量検出部16は、バッテリー残量を検出し、バッテリー必要量予測部15は、通信部11によって行われる通信に係る通信相手の通信ログ又は通信部11によって行われる通信の時間帯の通信ログに基づいて、通信に必要なバッテリー必要量を予測する。そして、通知部17は、バッテリー必要量予測部15によって予測されたバッテリー必要量と、バッテリー残量検出部16によって検出されたバッテリー残量と、に基づいて、所定の通知を行う。
このように、通信端末1は、通信相手の通信ログ又は通信部11によって行われる通信の時間帯の通信ログに基づいて、通信に必要なバッテリー必要量を予測し、予測されたバッテリー必要量とバッテリー残量とに基づいて、所定の通知を行うことができる。すなわち、通信端末1によれば、通信相手によって通信時間が異なる傾向がある場合に、通信相手に応じて通信に要するバッテリー必要量を予測し、予測したバッテリー必要量に基づいて、バッテリー不足などの通知を行うことができる。また、時間帯によって通信時間が異なる傾向がある場合に、通信時間帯に応じて通信に要するバッテリー必要量を予測し、予測したバッテリー必要量に基づいて、バッテリー不足などの通知を行うことができる。このため、通信端末1によれば、より適切にバッテリーに関する通知を行うことができる。
また、通信端末1において、バッテリー必要量予測部15は、通信部11によって発着信が行われる際に、バッテリー必要量を予測してもよい。この構成によれば、発着信の際にその発着信に係る通話に要するバッテリー必要量を予測し、予測したバッテリー必要量に基づいて、バッテリー不足などの通知を行うことができる。このため、発着信時に予めバッテリー不足などの通知を行うことができる。
また、通信端末1において、バッテリー必要量予測部15は、通信環境を示す通信環境情報に基づいて、バッテリー必要量を予測してもよい。この構成によれば、通信環境に応じて通話に必要なバッテリー必要量を予測することができる。例えば、環境温度が低い環境では、常温環境と比較してバッテリーの通信可能時間が短くなる。また、電波状況が悪い環境では、電波状況が良好(強レベル)な環境と比較してバッテリーの通信可能時間が短くなる。このように、通信環境がバッテリーに及ぼす影響を考慮して、通信に必要なバッテリー必要量を予測することができる。
また、通信端末1において、予測されたバッテリー必要量と比較して、バッテリー残量が少ない場合に、通信可能時間を通知してもよい。この構成によれば、バッテリー必要量よりバッテリー残量が少ない場合に、ユーザに通信可能時間を認識させることができる。従って、ユーザに通信可能時間を意識させて通信を行わせることが可能となる。
また、通信端末1において、通知部17は、バッテリー残量が所定の値より小さい場合に、通信相手端末にバッテリー不足を通知してもよい。この構成によれば、バッテリー残量不足により通信が切断される前に、通信相手端末にバッテリー不足を通知することができる。このため、バッテリー不足により通信が切断されたとしても、通信相手に切断理由を予め知らせておくことが可能となる。
また、通信端末1において、通信相手端末を登録する電話帳登録部12をさらに備えてもよい。そして、通信相手端末が電話帳登録部12に登録されていない場合、未登録端末として通信ログ記憶部13に通信ログが蓄積されてもよく、バッテリー必要量予測部15は、通信相手端末が電話帳登録部12に登録されていない場合、未登録端末の通信ログに基づいて、バッテリー必要量を予測するようにしてもよい。この構成によれば、未登録の通信相手端末全体の通信ログに基づいて、未登録の通信相手端末との通信に必要なバッテリー必要量を予測することができる。このため、通信相手に係る通信ログが蓄積されていなかったとしても、通信に必要なバッテリー必要量を予測することができる。
また、通信端末1において、バッテリー必要量予測部15は、通信部11によって通信が行われていない場合、現在時刻が属する時間帯の通信ログに基づいて、バッテリー必要量を予測してもよい。この構成によれば、非通信時において、通信が行われた場合のバッテリー必要量を予測し、予測したバッテリー必要量に基づいて、バッテリー不足などの通知を行うことができる。従って、例えば、21時以降に長時間通信を行う傾向がある場合に、通信途中で電源が切断されないように、非通信時に予めバッテリー不足などの通知を行っておくことができる。
なお、本発明に係る通信端末および通知方法は本実施形態に記載したものに限定されない。本発明に係る通信端末および通知方法は、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係る通信端末および通知方法を変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記実施形態において通信端末1では、通信相手又は通信の時間帯ごとに通信ログを通信ログ記憶部13に蓄積しているが、全通信ログを区分せずに蓄積してもよい。この場合、通信情報生成部14は、通信ログに含まれるいずれかの情報をキーとして通信ログを読み出すことで、必要な通信ログを取得することができる。
また、上記実施形態において通信端末1では、通信相手端末が電話帳登録部12に登録されている場合、通信相手ごとに通信ログを蓄積しているが、通信相手端末ごとに通信ログを蓄積し、通信相手端末ごとに平均通信時間を算出してもよい。このようにすることで、通信相手端末ごとの通信ログを蓄積し、通信相手端末ごとの平均通信時間を算出することができる。そして、通信相手端末によって通信時間が異なる傾向がある場合に、バッテリーに関する通知をより適切に行うことが可能となる。
また、上記実施形態において通信端末1では、電話帳登録部12に登録されていない場合、未登録端末として通信ログを蓄積しているが、電話帳登録部12に登録されていない場合であっても、電話番号等の通信相手端末を識別可能な情報を用いて、通信相手端末ごとに通信ログを蓄積してもよい。このようにすることで、電話帳登録部12への登録を行っていない通信相手端末であっても、通信相手端末の通信ログに基づいてバッテリー必要量を予測することができる。
また、上記実施形態において通信端末1では、通信ログ取得更新部16が所定のタイミングで平均通信時間を算出しているが、バッテリー必要量予測部15がバッテリー必要量を予測する際に、所望の平均通信時間を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態において通信端末1では、周囲温度、電波状況を考慮してバッテリー必要量を予測しているが、バッテリーに影響を及ぼす他の通信環境をさらに考慮してもよい。また、いずれか1つの通信環境のみを考慮してもよいし、複数の通信環境を複合的に考慮してバッテリー必要量を予測してもよい。
また、上記実施形態において通信端末1では、通知部17は、ディスプレイに警告等を表示することにより通知を行っているが、これに限定されない。通知部17は、例えば、不図示のスピーカにより音声でバッテリー不足等の警告を行ってもよい。