JP5335660B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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この発明は、貯湯タンクに貯湯された高温水を用いて給湯を行う貯湯式給湯装置に関するものである。
従来よりこの種のものに於いては、過圧逃がし弁の排水管に温度センサを設け、この温度センサにより過圧逃がし弁から湯水が流出しているか否かを検知して、過圧逃がし弁の故障等の異常を判断するものであった。(特許文献1参照)
又給湯管に備えられた給湯流量カウンタの他に、給水管にも流量カウンタを設け、この両流量カウンタのカウント値を比較することで、どちらかの流量カウンタが故障中であることを表示して使用者に知らせるものであった。(特許文献2参照)
特開平7−217992号公報 特開2006−57890号公報
ところでこの従来のものでは、温度センサや給水管に流量カウンタなどの新たな部品を追加する必要があり、コスト高となったり、組み付け工数のアップや制御面の構成の再構築などの問題が発生し、何とか今ある部品を利用して、過圧逃がし弁や給湯管の給湯流量カウンタの故障を検知するかを課題としたものである。
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱して沸き上げる加熱手段と、貯湯タンク底部に接続された給水管に備えられ給水温度を検知する給水サーミスタと、貯湯タンク上部に接続された出湯管の先端に備えられ該貯湯タンク内の過圧を逃がす過圧逃がし弁と、前記出湯管から分岐し高温水と給水とを混合して設定温度の給湯とする給湯混合弁を備えた給湯管と、前記給湯管の給湯混合弁下流側で給湯温度を検知して給湯設定温度になるように給湯混合弁を制御する給湯サーミスタと、給湯量をカウントする給湯流量カウンタとを備えたものに於いて、前記給水サーミスタの検知温度が待機状態で平均給水温度迄低下することで、前記給湯サーミスタの検知温度を確認し、給湯設定温度未満の時は過圧逃がし弁の故障を報知し、給湯設定温度の時は給湯流量カウンタを確認して、不作動の時には給湯流量カウンタの故障を報知するようにしたものである。
この発明によれば、通常待機状態では貯湯タンクや給水管、給湯管からの熱伝導や放熱を受けて給水サーミスタは、平均給水温度よりは遙かに高温状態であることを利用して、この給水サーミスタが平均給水温度迄低下することで、先ず異常状態であることを認識し、そして、過圧逃がし弁の故障か、給湯流量カウンタの故障かを判断して報知するようにしたので、異常検知の為の特別なセンサが不用で、コスト高となったり、組み付け工数のアップや制御面の構成の再構築などの問題が発生することがなく、安価でありながら確実に過圧逃がし弁の故障や給湯流量カウンタの故障を報知することが出来、常に安心して使用することが出来るものである。
この発明の一実施形態を示す貯湯式給湯装置の概略構成図。 同異常検知状態を説明するフローチャート。
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニットであり、3は貯湯タンク2内に貯湯された湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、4は台所や洗面所等に設けられた給湯栓、5は前記貯湯式給湯装置を遠隔操作するリモコン、6は浴槽である。
前記貯湯タンクユニット1内にある貯湯タンク2は、上端に高温水を出湯する出湯管7と、下端に水道水を給水する給水管8とが接続されている。また、貯湯タンク2下部からヒートポンプユニット3を配管で繋ぐヒーポン往き管9と、ヒートポンプユニット3から貯湯タンク2上部を配管で繋ぐヒーポン戻り管10とが接続されている。
前記ヒートポンプユニット3内には、圧縮機11、凝縮器としての冷媒水熱交換器12、電子膨張弁13、強制空冷式の蒸発器14で構成されたヒートポンプサイクル15が設置されており、貯湯タンク2内の湯水を前記ヒーポン往き管9からヒートポンプユニット3へ搬送して、冷媒水熱交換器12で加熱されヒーポン戻り管10から貯湯タンク2へ搬送するヒーポン循環ポンプ16がヒーポン往き管9途中に設置されており、その駆動を制御するヒーポン制御部17が備えられている。
18は前記浴槽6の湯水を加熱するためのステンレス製の蛇管よりなる風呂熱交換器であり、貯湯タンク2内の上部に配置されており、この風呂熱交換器18には風呂往き管19及び浴槽水を搬送するための風呂循環ポンプ20を備えた風呂戻り管21よりなる風呂循環回路22が接続され、浴槽6内の湯水が貯湯タンク2内の高温水によって加熱されて保温あるいは追い焚きが行われる。
23は風呂戻り管21から風呂熱交換器18に流入する浴槽水の温度を検出する風呂戻り管温度センサであり、24は風呂熱交換器18から流出して風呂戻り管19から浴槽6へ流れ込む浴槽水の温度を検出する風呂往き管温度センサである。
25は風呂戻り管21の風呂戻り管温度センサ23と風呂熱交換器18の間に設置された風呂三方弁であり、26は風呂三方弁25の弁開度を変えることで風呂往き管19の風呂往き温度センサ24と風呂熱交換器18の間の配管に湯水が流入するように接続された風呂循環バイパス管である。
27は出湯管7で搬送されてきた高温水と給水管8から分岐した給水バイパス管28内の低温水を混合する給湯混合弁であり、その下流に接続された給湯管29に設けられた給湯サーミスタ30で検出した温度がリモコン5で使用者が設定した給湯温度になるよう弁開度を調節するものであり、31は給湯する湯水の量をカウントする給湯流量カウンタである。
32は給湯管29から分岐されて風呂戻り管21に連通された湯張り管で、この湯張り管32には浴槽6への湯張り開始と停止を行う湯張り弁33と、浴槽6への湯張り量をカウントする風呂流量カウンタ34と、浴槽6内の湯水が給湯管29に逆流するのを防止する逆止弁35とが設けられており、貯湯タンク2内の高温水を浴槽6に直接差し湯して追い焚きを行う際にもこの湯張り管32を介して行われる。
36は貯湯タンク2の上下方向に複数個配置された貯湯温度センサであり、貯湯タンク2の上方向から順に36a、36b、36c、36d、36eとし、この貯湯温度センサ36が検出する温度情報によって貯湯タンク2内の残熱量を検知し、そして貯湯タンク2の上下方向の温度分布を検知するものである。
前記リモコン5には、給湯設定温度を設定する給湯温度設定スイッチ37と、風呂設定温度を設定する風呂温度設定スイッチ38とがそれぞれ設けられていると共に、浴槽6へ風呂設定温度の湯をリモコン5の湯張り量設定スイッチ(図示せず)で設定された湯張り量だけ湯張りする風呂自動スイッチ39と、浴槽水を追い焚きさせる追い焚きスイッチ40とが設け。
41は貯湯タンクユニット1内に設置された各センサの入力を受け各アクチュエーターの駆動を制御すると共に、保温運転時の計時タイマー機能も有したマイコンから成る制御部を構成する給湯制御部である。この給湯制御部41に前記リモコン5が無線もしくは有線によって接続され、使用者が所望の給湯設定温度及び風呂設定温度を設定可能としている。
42は貯湯タンク2内の圧力が所定値を超えた際に作動する過圧逃がし弁であり、出湯管7の先端に備えられ過圧で開弁して、過圧分の高温水を排水管43を介して排水して圧力を調整し閉弁するものであり、44は給水バイパス管28の分岐部分より上流側の給水管8に備えられた給水サーミスタで、給湯制御部41に接続し給水温度を検知してヒートポンプユニット3の加熱能力を制御するものであり、又この給水サーミスタ44の待機時の検知温度を給湯制御部41が常時検知し、この温度が算出された平均給水温度(秋口春先16℃、夏季24℃、冬季9℃)迄低下すると、過圧がし弁42と給湯流量カウンタ31の異常確認を行うようにしたものである。45は水道水を貯湯タンク2内に一定の圧力で給水するように調節された給水栓であり、46は給水バイパス管28の分岐部分より貯湯タンク2側に備えられ該貯湯タンク2側から給水バイパス管28側に逆流する湯水を阻止する逆止弁である。
次にこの一実施形態の作動を説明する。
まず、深夜電力時間帯(例えば23時から翌日の7時までの間)になって貯湯温度センサ36が貯湯タンク2内に翌日に必要な湯量が足りないことを検出すると、給湯制御部41はヒーポン制御部17に対して湯水の沸き上げ開始指令を出す。指令を受けたヒーポン制御部17はヒーポン循環ポンプ15を駆動させヒーポン往き管9内を流れる貯湯タンク2内の低温水を冷媒水熱交換器12で加熱してヒーポン戻り管10から貯湯タンク2の上部に戻して、貯湯タンク2の上部から順次積層して高温水を貯湯していく。貯湯温度センサ36が必要な熱量が貯湯されたことを検知すると、給湯制御部41はヒーポン制御部17に対して沸き上げ停止指令を出し、ヒーポン制御部17はヒーポン循環ポンプ15の駆動を止めて沸き上げを終了させる。
次に給湯運転について説明すると、給湯栓4を開くことで給水管8から水道水が貯湯タンク2内に流入する。そして、貯湯タンク2に貯められた高温水が出湯管7内を流通して給湯混合弁27に流入し、給湯設定温度になるよう給湯制御部41で給湯混合弁27の弁開度を調節して給水バイパス管28内の低温水と混合させることで出湯される。また、給湯栓4を閉じることで給湯が終了するものである。
次に浴槽6への湯張り運転について説明すると、リモコン5の風呂自動スイッチ39が操作されると、給湯制御部41が湯張り弁33を開弁する。そして、給湯混合弁27によって風呂設定温度に調節された湯水が湯張り管32から風呂戻り管21を介して浴槽6に流入して湯張りが行われ、湯張り管32途中に設けられた風呂流量カウンタ34が所定の流量をカウントし終えたら給湯制御部41が湯張り弁33を閉弁させて湯張り運転が終了する。
次に給湯運転や風呂運転が停止した待機時の異常検知について図2のフローチャートに従って説明すれば、常に貯湯タンク2や給水管8、給湯管29からの熱伝導や放熱を受けて、平均給水温度よりは高い温度を検知している給水サーミスタ44が、ステップ47で給水サーミスタ44の検知温度が平均給水温度以下に低下するかを給湯制御部41で見ていて、平均給水温度以下に低下すると、YESでステップ48に進んで今度は給湯サーミスタ30の検知温度を見て、給湯設定温度かを判断して給湯設定温度未満では、給湯が行われていないが貯湯タンク2内の湯水が流出しているとして、NOでステップ49に進み過圧逃がし弁42の故障を報知するものである。
又ステップ48で給湯サーミスタ30が給湯設定温度を検知すれば、給湯が行われているので過圧逃がし弁42は正常動作しており、YESでステップ50に進み給湯流量カウンタ31の不作動状態かをチェックし、不作動状態であればYESでステップ51に進んで給湯流量カウンタ31の故障を報知するものであり、ステップ50で給湯流量カウンタ31が正常状態であれば、NOでステップ52に進み給湯動作を継続させるものである。
このように給水サーミスタ44の温度変化を利用して、先ず異常状態であることを認識し、そして、過圧逃がし弁42の故障か、給湯流量カウンタ31の故障かを判断して報知するようにしたので、異常検知の為の特別なセンサが不用で、コスト高となったり、組み付け工数のアップや制御面の構成の再構築などの問題が発生することがなく、安価でありながら確実に過圧逃がし弁42の故障や給湯流量カウンタ31の故障を報知することが出来、常に安心して使用することが出来るものである。
2 貯湯タンク
3 ヒートポンプユニット(加熱手段)
8 給水管
29 給湯管
30 給湯サーミスタ
31 給湯流量カウンタ
41 給湯制御部
42 過圧逃がし弁
44 給水サーミスタ

Claims (1)

  1. 湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱して沸き上げる加熱手段と、貯湯タンク底部に接続された給水管に備えられ給水温度を検知する給水サーミスタと、貯湯タンク上部に接続された出湯管の先端に備えられ該貯湯タンク内の過圧を逃がす過圧逃がし弁と、前記出湯管から分岐し高温水と給水とを混合して設定温度の給湯とする給湯混合弁を備えた給湯管と、前記給湯管の給湯混合弁下流側で給湯温度を検知して給湯設定温度になるように給湯混合弁を制御する給湯サーミスタと、給湯量をカウントする給湯流量カウンタとを備えたものに於いて、前記給水サーミスタの検知温度が待機状態で平均給水温度迄低下することで、前記給湯サーミスタの検知温度を確認し、給湯設定温度未満の時は過圧逃がし弁の故障を報知し、給湯設定温度の時は給湯流量カウンタを確認して、不作動の時には給湯流量カウンタの故障を報知するようにした事を特徴とする貯湯式給湯装置。
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