JP5334614B2 - 土壌サンプリング方法 - Google Patents
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Description
ここで、比較的面積が小さい汚染領域PVが分散している場合には、汚染領域PVをピンポイントで通過するように掘削しないと、図14で示すように、調査用ボーリングロッドBRは汚染領域PVにおける汚染土壌をサンプリングすることが出来ず、汚染土壌の存在そのものが把握できない。
換言すれば、図15において、符号PV1〜PV3は汚染領域の汚染濃度分布を示している。
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、図14で示すサンプリング方法と同様に、垂直方向へのサンプリングを前提としているので、比較的面積が小さいホットポイントが分散している場合には、汚染土壌をサンプリングすることが出来ない。
また、例えばジャイロを使用して、ボーリングロッド内でジャイロを引き抜く軌跡を演算し、ボーリングロッドの先端の位置を高精度にて把握することが出来るので、サンプリングの位置或いはホットポイント(PV1)の位置を正確に把握することができる。
さらに、掘削経路を自在に設定することが出来るので、ホットポイント(PV1)が形成され易い難透水層(Gc)と透水層(Gs)の境界を水平方向に掘削して、サンプリングすることが可能となる。
上述した様に、汚染領域PV或いはホットポイントPV1は、難透水層Gcと透水層Gsの境界に存在することが多い。そのため、図示の実施形態では、図1で示す様に、ボーリングマシン1により比較的小径で、且つ、可撓性の高い中空のロッド2を用いて掘削を行い(いわゆる「自在ボーリング」或いは「曲がりボーリング」)、難透水層Gcと透水層Gsの境界と平行して、概略水平方向へ掘削している。
そして図1で示す様に、係る難透水層Gcと透水層Gsの境界に沿って、水平方向(図1の左右方向)にボーリング孔を掘削するべく、可撓性の高いロッド2を用いたボーリング孔の掘削(自在ボーリング)を施工する。
図1において、符号Lwは地下水位を示している。
先ず、図3で示すように、可撓性の高いボーリングロッド2を用いて掘削するためのボーリングマシン1(自在ボーリング用のボーリングマシン)を、地上側Gfの適所に設置して、掘削(自在ボーリング)を開始する。
ここで、ボーリングマシン1の設置個所は、汚染領域(ホットポイント)PVから離隔していても良い。
特に都市部のように、ボーリングマシン1を設置できるスペースが少なく、そのレイアウトに制限が多い場合に、ボーリングマシン1の設置の自由度が大きい事は、非常に有利である。
明確には図示されていないが、図4において、水平に掘削している深度が、難透水層Gcと透水層Gsの境界の深度である。
図3で示すように斜め方向に掘削する状態から、難透水層Gcと透水層Gsの境界を概略水平方向へ掘削方向を変化させるには、例えば図6の掘削方向調整部材22(掘削方向を調整する部材)の位置を適宜調整して行なう。
また図示はされていないが、掘削に際しては、ジャイロを使用して、掘削経路及びボーリングロッド先端位置を正確に把握することが出来る。例えば、所定個所まで掘削した際に、図示しないジャイロを可撓性の高いボーリングロッド2の先端まで挿入し、ボーリングロッド2の先端から地上側Gfまでジャイロの傾斜角度を計測しつつ所定距離毎に引き抜く。ジャイロ引き抜きにおける微小な引き抜き距離とジャイロの傾斜角から、ボーリングロッド2の先端から地上側Gfまでジャイロの移動軌跡を演算することが出来て、ボーリングロッド2の先端の位置を高精度で特定できるのである。
ボーリングロッド2先端までサンプラー3を移動するに際しては、回収装置4(サンプラー回収用の機器)を地上側Gfでサンプラー3に装着し、当該回収装置4でサンプラー3を押圧して行なうことが可能である。
図5において、符号5は、回収装置4を巻取るための巻取り機を示す。
図6では、流体圧を用いて、サンプラー3を地上側からボーリングロッド2の先端まで移動している。
明確には図示されていないが、図6で示す状態では、サンプラー3には流体圧が依然として作用しており、流体圧によりサンプラー3を押圧して、ボーリングロッド2の先端の位置に保持している。
ボーリングロッド2は、ロッド本体21と先端の掘削方向調整部材22とを有している。
ロッド本体21の先端部近傍では、ロッド内径部211の段部213が形成されており、段部213より先端側(図6では左側)が、ロッド内径部211よりも内径寸法が小さい内径部212となっている。
図6で示す状態では、ロッド本体21の内径部212〜内径部211の先端側(図6の左側)領域2に、サンプラー3が配置されている。
サンプラー3は、サンプラー本体31、円環状の移動部材32、シール部材33を有している。
サンプラー本体31の先端部には、ロッド内径部における段差213と相補的な形状の段部が形成されている。図6で示す状態では、サンプラー本体31の段部とロッド内径部の段差213とが係合しており、以って、サンプラー3をボーリングロッド2の先端に挿入した際の位置決めを構成している。
円環状の移動部材32は、図8に示すように、土壌Gをサンプリングした際に、当該サンプリングされた土壌Gに押圧されて、第1の盲孔311の底部311bまで移動するように構成されている。
小径部313には、図9で後述する様に、回収装置4でサンプラー3を回収する際に回収装置4の先端軸部42が挿入される。
そして小径部313と大径部314の境界における段部は、回収装置4のラッチ部44(図9、図10参照)と係合するように構成されている。
サンプリングされた土壌Gが盲孔311内に充填される際に、移動部材32はサンプリングされた土壌Gに押圧されて、第1の盲孔311の底部311bに押し付けられる。
回収装置4の先端がサンプラー3の第2の盲孔312に挿入されると、回収装置4先端のラッチ44がサンプラー3の盲孔312における大径部314内で拡径し、ラッチ44が小径部313と大径部314の境界における段部と係合する(図9)。
先端軸部41の先端43は概略円錐台形状である。そして、先端軸部41の先端43を除く軸部42には、複数のラッチ44が設けられている。このラッチ44は、半径方向外方に拡張する様に、図示しない弾性体で付勢されている。
上述した様に、回収装置4の先端がサンプラー3の第2の盲孔312に挿入されるとラッチ44が拡径して、小径部313と大径部314の境界における段部と係合する。その状態で、図10で示すように回収装置4を地上側Gfに引き抜けば、回収装置4先端のラッチ44と係合しているサンプラー3が、その内部に充填された土壌G(サンプリングされた土壌)と共に、地上側Gfに移動するのである(図11参照)。
そして、図5〜図11で説明した手順或いは工程を繰り返し実行する。
そしてサンプリングのタイミングや頻度を適切に設定すれば、ホットポイントPV1における土壌をサンプリングできる可能性が増大し、汚染の実態を地上側で把握することが可能になる。
2・・・可撓性の高いボーリングロッド/ボーリングロッド
3・・・サンプラー
4・・・回収装置
5・・・巻取り機
21・・・ロッド本体
22・・・掘削方向調整部材
31・・・サンプラー本体
32・・・円環状の移動部材
33・・・シール部材
41・・・本体
42・・・先端軸部
44・・・ラッチ
311・・・第1の盲孔
312・・・第2の盲孔
G・・・土壌
Gf・・・地上側
Claims (1)
- 予め垂直方向の調査ボーリングを行い、施工地盤の難透水層(Gc)と透水層(Gs)との境界が存在する深度を決定し、その難透水層(Gc)と透水層(Gs)との境界に存在する汚染領域(PV)の汚染土壌(Gp)をサンプリングするための土壌サンプリング方法において、先端面が斜めに削がれており、当該先端面に掘削方向調整部材(22)が設けられ、可撓性の高い中空のロッド(2)を用いて、水平方向に延在する難透水層(Gc)と透水層(Gs)との境界を含む自在に設定された掘削経路を掘削する掘削工程と、当該ロッド(2)の先端までジャイロを挿入し、そのジャイロを引き抜き、ジャイロ引き抜きの際の微小な引抜距離とジャイロの傾斜角から引き抜かれたジャイロの移動軌跡を演算して、当該ロッド(2)の先端の位置を把握する位置把握工程と、当該ロッド(2)の先端が土壌をサンプリングするべき位置に到達した際に、当該ロッド(2)内部に移動部材(32)を有する土壌サンプリング用機器(3)を挿入する挿入工程と、土壌サンプリング用機器(3)を前記ロッド(2)の先端に配置された状態を維持しつつ前記ロッド(2)を前進させて、サンプリングされた土壌により移動部材(32)を地上側(Gf)に押圧ししつつ、サンプリングされた土壌を土壌サンプリング用機器(3)内に充填する充填工程と、土壌サンプリング用機器(3)と係合可能に構成されている回収装置(4)に設けられているラッチ(44)を、土壌サンプリング用機器(3)の地上側(Gf)に形成されている盲孔(312)の大径部(314)と係合させて、土壌サンプリング用機器(3)を、前記ロッド(2)内部を経由して地上側(Gf)に引き抜いて回収する回収工程を有することを特徴とする土壌サンプリング方法。
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