JP5333864B2 - 掛け布団 - Google Patents

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Description

この発明は、掛け布団に係り、特に、蒲団の中で足を重ねて寝る人の欝血を解消でき、人間工学的見地から腰痛等を軽減し、しかも、掛け布団の重さや幅を軽減してベッドからのずれ落ちを防止し得る新規な掛け布団に関する。
掛け布団は、周知のように、平たい袋状の所謂布団の側(かわ)の中に綿や羽毛を詰めたもので、就寝時体に掛けて身体の保温をするものである。
この掛け布団は、その側の材質や中に詰めるものの改良はあるものの、その構造は従来変化していない。
その証拠に、発明者がFターム掛け布団、IPC分類A47G9/00で先行技術を捜したところ、下記のように関係の無いものしか抽出できなかった。
特開2000−316691 特開2000−197552 再表01−015573
従来の掛け布団は、側や詰め物に改良が見られるものの構造そのものは古来から同じであり、また、特に不都合な点があるわけではない。
しかしながら、横向きに寝るとき一方の足を他方の足に重ねることになり、この場合下方の足の上方の足と重なる部分に鬱血が生じ、また、上方の足が腰の位置より下方、換言すれば足元側になるため、腰の部分に捩れが生じ、そのため人は就寝時その体位(所謂寝相)を無意識に何回も変えるようである。
この寝相を変えるために生じる悪影響は皆問題にしていないが、鬱血そのものは決して望ましいものではないし、また、寝入り端に寝相を変えることにより眠気が覚めてしまう、という明らかな悪影響がある。
また、欝血の問題とは別に、従来の掛け布団は、その重量が直接に人に掛かるので、例えば病人など長時間病臥している人はその重量が負担となることがあり、江戸時代の風俗画には、掛け布団の中央部を紐を介して天井から引っ張り上げているものがある。
そこで、この発明は、蒲団の中で足を重ねて寝る人の欝血や体位の負担を解消でき、しかも、掛け布団の重さを軽減できる新規な掛け布団を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、掛け布団の本体部の両側端に、細長い袖布団を一体的かつ本体部内面側に山折りできるように接続し、本体部両側の一対の袖布団を本体部内面側に折り畳んで敷布団に重合させたとき、上記本体部、敷布団、及び一対の袖布団に包囲された空間内で人が遊動できるようにしたことを特徴とする。
上記のように構成された請求項1に記載された発明は、横向きに寝るとき両足の間に袖布団を挟む寝相を採ると、上方の足の重量が直接下方の足の重合部に印加されず、足の重量の一部が袖布団によって水平方向に分散され、その後敷布団に担持されるようになるので、下方の足の鬱血が有効に予防され、あるいは軽減される結果、寝返りを打つ間隔が長くなる。
更にまた、就寝時に寝つきが良く、快眠がとれる。実際に使用した人の感想によると寝覚めが良いそうである。
また、本体部の両側部分の重量は袖布団を介して直接敷布団に担持されるので、見掛け上掛け布団の重量が半減近くにまで軽減する、等種々の効果を奏する。
この発明の一実施例による掛け布団の平面図。 その外観斜視図。 その使用状態の一例を示す平面図で、図面を明瞭にするため本体部を透明にして示す。 請求項2に記載の発明による掛け布団の平面図。 請求項3に記載の発明による掛け布団の平面図。
本体部の両側端に、細長い袖布団を一体的かつ本体部内面側に山折りできるように接続する、という簡単な構成で、足を重ねて横向きに寝るときに生じる鬱血を予防でき、或いは掛け布団の見掛け上の重量を軽減できる、という効果を奏する。
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1において符号1は本体部を、符号2は袖布団を夫々示し、図1における一対の袖布団2、2は夫々本体部1の両側端に一体的かつ本体部1の内面側に山折りできるように(図2参照)接続されている。
なお、図1において左右方向が人の身長方向とし、水平方向の横線は、その間隔が反物の幅を示す仮想の線である。
すなわち、上記のように構成された本発明による掛け布団は、反物の幅の5倍を幅方向の長さとする布団である(所謂五布(いつの)布団)。
また、図1にその表面を示す側の材質、模様なども従来のものと同様で、更にまた、側の中に充填される詰め物も、綿や羽毛など従来のものと異なるところは無い。
一方、上記したように本体部1と袖布団2とを接続する、という意味は、本体部1と袖布団2とを別々に製造し、後に縫合などの手段により一体的に接続しても良い。
或いは、本体部1と袖布団2を一体的に接続した一つの側を作り、その中に詰め物を充てんした後、例えば図1に示す2重の縫合線3により本体部1と袖布団2とを画成(形成)しても良い。
上記のように構成されたこの発明による掛け布団は、図2に示すように、本体部1の両側の一対の袖布団2、2を本体部内面側に折り畳んで敷布団に重合させて使用する。
このとき、本体部1、敷布団4、及び一対の袖布団2、2に包囲された空間5内で人が遊動できるように諸元を設定するとこの掛け布団を使用し易くなる。
そして、図3に示すように、この発明の掛け布団を掛けて横向きに寝るとき、袖布団を足で挟んで寝るようにすると、上方の足の荷重が分散して下の足、或いは敷布団に平均して担持されるので、足の鬱血が予防され、或いは著しく軽減される。
なお、図3に示すように横を向き、袖布団2を両足で挟むような寝相の他に、仰向けになる寝相も考えられる。
この場合には、両足の夫々を左右の袖布団2、2の夫々の上(本体部の下)に乗せるようにすると(図示せず)、両足が持ち上がるので、これまた安定な寝相になり、寝つきが良く、また快眠が取れる。
図4は請求項2に記載の発明の一実施例による掛け布団を示し、この掛け布団には、本体部1の足元側に、本体部1を延長するようにして、足元延長部6が接続されている。
この足元延長部6は、例えば本体部1と同じ厚さの布団でも良いし、或いは厚い毛布様のものでも良く、夜寒いときに袖布団の下に折り込んで寒気が掛け布団の中に侵入するのを防ぐためのものである。
上記の目的から、足元延長部の幅(図3における幅)は本体部1のそれど同程度が望ましく、一方、その長さ(図3における上下方向の寸法)は、袖布団2或いは敷布団4の下に折り込んだとき余裕をもって折り込めるように適切に設定する。
また、足元延長部6を本体部1に接続する方法は、例えば縫着、面ファスナーによる接続、釦止め、或いはファスナーによる接続など、種々の接続方法を採ることができる。
上記のように構成された足元延長部6を有する掛け布団は、冬寒い夜に寒気が掛け布団の中に侵入することを有効に阻止する。
図5は請求項3に記載の発明の一実施例による掛け布団を示し、この掛け布団には、本体部1の襟元側の端縁部に、本体部1を延長するようにして、襟元延長部7が接続されている。
この襟元延長部7は、掛け布団の中の人の頭部や首部が入るU字形の切欠を有するもので、例えば本体部1と同じ厚さの布団でも良いし、或いは厚い毛布様のものでも良く、夜寒いときに肩先を覆うようにして、寒気が掛け布団の中に侵入するのを防ぐためのものである。
また、襟元延長部7を本体部1に接続する方法は、例えば縫着、面ファスナーによる接続、釦止め、或いはファスナーによる接続など、種々の接続方法を採ることができる。
上記のように構成された襟元延長部7を有する掛け布団は、冬寒い夜に寒気が掛け布団の中に侵入することを有効に阻止する。
1 本体部
2 袖布団
3 縫合線
4 敷布団
5 空間
6 足元延長部
7 襟元延長部

Claims (3)

  1. 掛け布団の本体部の両側端に、細長い袖布団を一体的かつ本体部内面側に山折りできるように接続し、本体部両側の一対の袖布団を本体部内面側に折り畳んで敷布団に重合させたとき、上記本体部、敷布団、及び一対の袖布団に包囲された空間内で人が遊動できるようにしたことを特徴とする掛け布団。
  2. 本体部1の足元側に、本体部1を延長するようにして、足元延長部6を接続したことを特徴とする請求項1に記載の掛け布団。
  3. 本体部1の襟元側の端縁部に、本体部1を延長するようにして、襟元延長部7を接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載の掛け布団。
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