JP5333503B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータをPWM制御により駆動するモータ駆動装置に関する。
誘導性負荷であるモータと直列に接続されているMOSFET等の半導体スイッチング素子をPWM制御して前記モータを駆動する装置については、モータの断線を検出する機能を備えているものがある。例えば、断線時には負荷電流が流れなくなり、負荷側にPWM信号が出力されなくなることを利用して検出を行う場合がある。このような検出方式では、例えば車両に搭載されるファンモータの場合、風等の外乱を受けてモータが回転すると巻線に起電力が発生するため、見掛け上負荷側ではPWM発振が停止した状態となって断線を誤検出するおそれがある。
上記の問題を解決するため、特許文献1には、モータを駆動するトランジスタに抵抗素子を並列に接続して、モータとトランジスタとの共通接続点の電圧Sdを監視し、その電圧Sdが制御信号(PWM信号)Sbに追従して変化しない状態が判定時間以上継続すると、断線を判定する構成が開示されている。そして、平均電圧検出回路19により検出される駆動電圧V2が、目標駆動電圧V1を超えた場合は制御信号Sbの出力を停止することで、誤検出を回避している(図12(b)参照)。尚、図12では、駆動電圧V2をVmとしている。
特開2001−298988号公報(図1参照)
しかしながら、特許文献1の構成においても、デューティ100%で連続通電する場合や、100%に近いデューティで駆動することで、駆動電圧V2が目標駆動電圧V1を僅かに下回った状態で起電力が発生すると、断線時と同様に見掛け上PWM発振が停止した状態となるため、誤検出するおそれがある(図12(c)参照)。また、トランジスタに抵抗素子を並列に接続しているので暗電流が増加し、駆動電源をバッテリから供給する場合に電力消費が問題となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、暗電流を増加させることなく断線検出を正確に行うことができるモータ駆動装置を提供することにある。
請求項1記載のモータ駆動装置によれば、断線判定手段は、モータと駆動用スイッチング素子との共通接続点で検出される出力電圧を第1閾値と比較した結果、前記出力電圧がPWM信号に応じた変化をしていないと判定すると、PWM信号の出力を停止させる。すなわち、この状態でモータの断線が発生している可能性があるからである。そして、断線判定手段は、モータに並列に接続された直列回路のスイッチを閉じた状態で検出される出力電圧が、第2閾値を交差する変化を示すと断線を判定する。ここで、「第2閾値を交差する変化」とは、出力電圧が高電位側から低電位側に変化する場合、若しくは低電位側から高電位側に変化する場合において、その電位変化の途中に第2閾値のレベルが存在する状態を示す。
つまり、直列回路のスイッチを閉じることにより電流制限素子を介して電流を流す経路が形成されるが、この状態でモータが例えば外乱を受けて回転することで起電力を発生させていれば、検出される出力電圧は第2閾値を交差する変化を示さない。したがって、2段階に亘って断線判定を行うことで、モータが外乱を受けて回転している状態を判別して断線を確実に検出することができる。そして、特許文献1のように暗電流を増加させることなく検出が可能となる。
請求項2記載のモータ駆動装置によれば、断線判定手段は、制御回路がモータに連続通電を行っている場合は、電流検出手段により検出されるモータの通電電流が所定の判定閾値を下回ったか否かを判定し、前記判定閾値を下回っていると、PWM信号のデューティを100%未満に設定した状態で出力電圧を第1閾値と比較する。すなわち、モータに連続通電を行っている(PWMデューティ100%)状態では、モータの通電電流は最大になっているので判定閾値を確実に上回るはずであるから、判定閾値を下回っていれば断線が発生している可能性がある。したがって、その際にPWM信号のデューティを100%未満に設定し、出力電圧を第1閾値と比較することで、連続通電を行っている場合についても断線検出を行うことができる。
請求項3記載のモータ駆動装置によれば、制御回路は、駆動用スイッチング素子がオフする期間に還流経路形成手段を構成する還流用スイッチング素子をオンするように制御する。これにより、駆動用スイッチング素子がオフする期間は、還流用スイッチング素子を介して還流電流が流れるようになり、所謂同期整流が行われる。そして、断線判定手段が電流検出手段により検出される電流が判定閾値を下回ったと判定すると、還流用スイッチング素子の動作を停止させる。すなわち、同期整流を行っていると、モータの断線が発生していても、出力電圧はPWM信号に応じて変化しているように検出される。そこで、電流検出手段により検出される電流が判定閾値を下回ることで断線が発生した可能性がある場合には、同期整流動作を停止させて判定を確実に行うことができる。
請求項4記載のモータ駆動装置によれば、制御回路は、モータに出力される電圧を検出してフィードバック制御によりPWM信号を出力する際に、PWM信号のデューティに下限を設定する。すなわち、モータが起電力を発生させることでモータ電圧がフィードバック制御における制御目標電圧を上回ると、制御回路は駆動用スイッチング素子をオフさせるため、出力電圧がPWM信号に応じた変化、つまりPWM発振しなくなり断線検出ができない、あるいは、誤検出してしまうことが想定される。そこで、PWM信号のデューティに下限を設定すれば、断線検出を確実に行うことができる。
請求項5記載のモータ駆動装置によれば、駆動用スイッチング素子に並列に接続されるスナバ回路を備えるので、断線が発生した場合の検出される出力電圧を安定させることができる。また、駆動用スイッチング素子がスイッチング動作することによるノイズの発生レベルを低減することもできる。
請求項6又は7記載のモータ駆動装置によれば、モータをハイサイド駆動する構成において、断線判定手段は第2閾値を第1閾値以下に設定し(請求項6)、モータをローサイド駆動する構成において、断線判定手段は第2閾値を第1閾値以上に設定する(請求項7)。すなわち、ハイサイド駆動の場合に断線が発生すると、出力電圧は第2閾値を交差してグランドレベル側に変化し、ローサイド駆動の場合に断線が発生すると、出力電圧は第2閾値を交差して電源電圧側に変化する。したがって、各駆動方式に対応して断線を検出することができる。
第1実施例であり、モータ駆動装置の構成を示す機能ブロック図 演算処理回路,断線判定回路を中心とする処理内容を示すフローチャート PWM制御している場合の電流Imと出力電圧Vmの変化を示す波形図であり、(a)は正常な駆動状態、(b)はモータの巻線に起電力が発生している場合、(c)はモータに断線が発生している場合を示す図 モータを連続通電制御している場合の図3相当図 第2実施例を示す図1相当図 図3相当図 図4相当図 第3実施例を示す図1相当図 図2相当図 第4実施例を示す図1の一部相当図 第5実施例を示す図1の一部相当図 従来技術を説明する図
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、例えば車両に搭載され、ファンを回転駆動するモータ駆動装置の構成を示す機能ブロック図である。モータ駆動装置1には、外部の上位制御装置より制御命令が与えられ、その制御命令は、内部の制御回路2を構成する入力処理回路3に入力される。制御命令は、例えば低周波数(100Hz程度)のPWM信号(デューティ信号)として与えられ、入力処理回路3は、上記PWM信号を積分した電圧信号を演算処理回路4に出力する。演算処理回路4は、図示しないが例えば三角波の搬送波を生成する回路を内蔵しており、入力される電圧信号と前記搬送波のレベルとを比較してPWM信号を生成、あるいは、入力される電圧信号に応じてPWM出力信号をデジタル演算にて生成すると、駆動回路5に出力する。
電源であるバッテリ6(電圧+B)とグランドとの間には、PチャネルMOSFET(駆動用スイッチング素子;T1)7及びモータ(ファンモータ)8の直列回路が接続されている。モータ8は、モータ駆動装置1の外部に接続されており、モータ駆動装置1の内部では、モータ8に対して並列に、逆方向となるダイオード(還流経路形成手段)9と、抵抗素子(電流制限素子)10及びスイッチ(T2)11の直列回路とが接続されている。スイッチ11は、例えばトランジスタ等のスイッチング素子で構成されている。駆動回路5が出力する駆動信号(PWM信号)は、PチャネルMOSFET7のゲートに与えられており、モータ駆動装置1はハイサイド駆動方式となっている。
制御回路2を構成する平均電圧検出回路12は、モータ8に対する出力電圧Vmの平均電圧を検出するもので、その検出結果を演算処理回路4に出力する。上記検出結果は、PWM制御における制御目標電圧に対応するので、演算処理回路4は、出力電圧Vmが制御目標電圧に一致するようにフィードバック制御を行う。
また、モータ駆動装置1は、断線判定回路(断線判定手段)13を内蔵している。差動増幅回路(電流検出手段)14は、PチャネルMOSFET7のソース,ドレイン間の電圧を差動増幅した信号を、低電流判定回路15に出力する。差動増幅回路14が検出する差電圧は、PチャネルMOSFET7のオン抵抗とPチャネルMOSFET7を介して流れるドレイン電流との積であるから、ドレイン電流を検出することに等しい。そして、低電流判定回路15は、入力される差動増幅信号を判定閾値(閾値電流Ithに相当する電圧値)と比較することで、前者が後者を下回ると低電流状態の検出を判定して判定信号をアクティブ(ハイ)にする。前記判定信号は、ANDゲート16の入力端子の一方に与えられると共に、演算処理回路4にも入力されている。
出力電圧Vmは、発振停止判定回路17及び起電力発生判定回路18にも入力されている。また、発振停止判定回路17,起電力発生判定回路18には、第1閾値Vth1,第2閾値Vth2(<Vth1)がそれぞれ与えられている。発振停止判定回路17は、後述する発振停止判定期間において、出力電圧Vmが第1閾値Vth1を交差しない(下回らない)場合に出力側の「発振停止」を検出し、発振停止信号をアクティブ(ハイ)にする。その発振停止信号は、ANDゲート16の入力端子の他方に与えられると共に、演算処理回路4にも入力されている。
尚、ここで言う「発振停止」とは、出力電圧VmがPWM信号に応じた変化をしていないことを意味する。また、第1閾値Vth1については、負荷断線時のPWMオフ期間の最低電圧値より低く、負荷断線時にT1;PチャネルMOSFET7をオフし、T2;スイッチ11をオンしたときの最大電圧より高い値に設定する。
ANDゲート16の出力信号は、時間監視回路(1)19に入力されている。時間監視回路19は、外部ノイズ等による誤判定を防止するため、低電流判定及び発振停止判定が何れもアクティブとなることで、ANDゲート16の出力信号がハイレベルを示している時間が所定の監視時間を超えて継続するとラッチして、ハイレベル信号をANDゲート20の入力端子の一方に出力する。また、前記信号はイッチ11のオンオフを制御する信号としても与えられている。
起電力発生判定回路18は、後述する起電力発生有無確認期間において、出力電圧Vmが第2閾値Vth2を下回っている場合にモータ8の断線を検出し、断線検出信号をアクティブ(ロー)にする。断線検出信号は、NOTゲート21を介して時間監視回路(2)22に入力されており、時間監視回路22の出力信号は、ANDゲート20の入力端子の他方に与えられている。時間監視回路22は、やはり外部ノイズ等による誤判定を防止するため、起電力発生なしの状態、すなわちNOTゲート21の出力信号がハイレベルを示す状態が所定の監視時間を超えて継続するとラッチして、ハイレベル信号をANDゲート20の入力端子の他方に出力する。ANDゲート20の出力信号は、警告出力回路23に入力されている。警告出力回路23は、ANDゲート20の出力信号がハイレベルになると、上位の制御装置に警告信号を出力する。
次に、本実施例の作用について図2ないし図4も参照して説明する。図2は、モータ駆動装置1の制御回路2を構成する演算処理回路4や、断線判定回路13を中心とする処理内容を示すフローチャートであるが、これらの動作はハードロジックで行われる。演算処理回路4は、低電流判定回路15により低電流状態が検出されているか否かを判定する(ステップS1)。
ステップS1において低電流状態が検出されていなければ(無)、通常制御,すなわち、モータ8の通電制御を継続する(ステップS2)。一方、低電流状態が検出されていれば(有)、断線が発生している可能性がある。そこで、続くステップS3において、その時点での制御状態がデューティ100%の連続通電であれば、例えばデューティ90%のPWM制御に強制的に切り替えて(ステップS4)ステップS5に移行する。また、ステップS3における制御状態がPWM制御であれば、そのままステップS5に移行する。
ステップS5では、発振停止判定回路17において「Vm<Vth1」の状態であれば(YES)、出力電圧Vmは、PチャネルMOSFET7がPWM信号に応じたスイッチング動作の結果により変化している(発振有り)。したがって、ステップS1に戻る。一方、ステップS5において、「Vm≧Vth1」の状態であれば(NO)、出力電圧Vmは、PWM信号に応じたスイッチング動作により変化していない(発振なし)。この時、発振停止判定回路17は発振停止検出信号をアクティブにするので、ANDゲート16及び時間監視回路19を介してハイレベルの信号が出力される。これにより、演算処理回路4はPWM制御を停止し、スイッチ11はターンオンする(ステップS6)。尚、ステップS5において判定を行う期間が「発振停止確認期間」に相当する。
続くステップS7では、起電力発生回路18において「Vm>Vth2」か否かが判定され、「Vm>Vth1」であれば(YES)、例えばファンが風等の外乱を受けて回転していることでモータ8の巻線に起電力が発生していることが想定される(起電力有り)。したがって、ステップS1に戻る。一方、「Vm≦Vth2」であれば(NO)、モータ8の巻線に起電力は発生しておらず(起電力なし)、モータ8が断線していることが想定される。したがって、NOTゲート21及び時間監視回路22を介してハイレベルの信号が出力される。これにより、ANDゲート20の出力信号はハイレベルとなり(ステップS8)、外部に警告信号が出力される。尚、ステップS7において判定を行う期間が「起電力有無発生確認期間」に相当する。
ここで、図3は、演算処理回路4がモータ8をPWM制御している場合にモータ8を介して流れる電流Imと出力電圧Vmの変化を示す波形図であり、(a)は正常な駆動状態を示している。尚、出力電圧Vmのローレベルについてはグランドレベル相当の0Vで示しているが、実際にはPチャネルMOSFET7がオフしている期間は、ダイオード9を介して還流電流が流れるため、0Vよりもダイオード9の順方向電圧Vf分低下した負電位になっている。
図3(b)は、モータ8の巻線に起電力が発生している場合であり、発振停止確認期間(時間監視回路19における監視時間に相当)に低電流判定回路17で検出される電流Imは低下するが、出力電圧Vmに起電圧が重畳されるため第1閾値Vth1を超える状態となる。そして、起電力発生有無確認期間(時間監視回路22における監視時間に相当)においてPWM制御を停止させても、起電圧が第2閾値Vth2を超えるため、起電力の発生が判定可能となる。
図3(c)は、モータ8に断線が発生している場合であり、発振停止確認期間に低電流判定回路17で検出される電流Imは低下するが、出力電圧Vmは略電源電圧+Bとなる。そして、起電力発生有無確認期間においてPWM制御を停止させれば、出力電圧Vmは起電圧が第2閾値Vth2を下回るため、断線の発生が判定可能となる。
また、図4は、演算処理回路4がモータ8を連続通電制御(デューティ100%)している場合にモータ8を介して流れる電流Imと出力電圧Vmの変化を示す波形図である。(a)は正常な駆動状態を示しており、出力電圧Vmは電源電圧+Bに一致している。
図4(b)は、モータ8の巻線に起電力が発生している場合であり、発振停止確認期間に低電流判定回路17で検出される電流Imは低下するが、デューティ90%でPWM制御を行うと出力電圧Vmに起電圧が重畳されるため、図3(b)と同様に第1閾値Vth1を超える状態となる。そして、起電力発生有無確認期間にPWM制御を停止させると、図3(b)と同様に起電圧が第2閾値Vth2を超えるため、起電力の発生が判定可能となる。図4(c)は、モータ8に断線が発生している場合であり、発振停止確認期間,起電力発生有無確認期間については図3(c)と略同様の変化を示すため、断線の発生が判定可能となる。
ここで、断線検出を確実に行うには、PWM信号のデューティに下限を設定することが好ましい。すなわち、モータが起電力を発生させることでモータ電圧がフィードバック制御における制御目標電圧を上回ると、制御回路は駆動用スイッチング素子をオフさせるため、PWM発振しなくなり断線検出ができない、あるいは、誤検出してしまうことが想定される。そこで、PWM信号のデューティに下限を設定すれば、断線検出を確実に行うことができる。
以上のように本実施例によれば、断線判定回路13は、モータ8をPチャネルMOSFET7によりハイサイド駆動する構成において、両者の共通接続点で検出される出力電圧Vmを第1閾値Vth1と比較した結果、出力電圧VmがPWM信号に応じた変化をしていないと判定するとPWM信号の出力を停止させ、モータ8に並列に接続された直列回路のスイッチ11を閉じた状態で検出される出力電圧Vmが、第2閾値Vth2を下回る変化を示すと断線を判定するようにした。したがって、2段階に亘って断線判定を行うことで、モータ8が外乱を受けて回転している状態を判別して断線を確実に検出することができる。そして、特許文献1のように暗電流を増加させることなく検出が可能となる。
また、断線判定回路13は、制御回路2がモータ8に連続通電を行っている場合は、モータ8の通電電流Imが所定の判定閾値Ithを下回っていると、PWM信号のデューティを100%未満に設定した状態で出力電圧Vmを第1閾値Vth1と比較する。すなわち、モータ8に連続通電を行っている状態では、通電電流Imは最大になっているので判定閾値Ithを確実に上回るはずであるから、判定閾値Ithを下回っていれば断線が発生している可能性がある。したがって、連続通電を行っている場合についても断線検出を行うことができる。
加えて、制御回路2は、モータ8に出力される電圧を検出してフィードバック制御によりPWM信号を出力する際に、PWM信号のデューティに下限を設定するので、断線が発生していない正常時に、出力電圧Vmを確実にPWM信号に応じて変化させることができる。
(第2実施例)
図5ないし図7は第2実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例のモータ駆動装置31は、モータ8をNチャネルMOSFET(駆動用スイッチング素子;T1)32によりローサイド駆動する構成となっている。NチャネルMOSFET32のソースはグランドに接続され、モータ8,ダイオード9,抵抗素子10及びスイッチ11の直列回路の並列回路は、バッテリ6の正側端子とNチャネルMOSFET32のドレインとの間に接続されている。上記ドレイン電位は、出力電圧Vmに相当する。
制御回路2Lの平均電圧検出回路12Lは、バッテリ6の正側端子とNチャネルMOSFET32のドレインとの間の電圧を検出する。また、断線判定回路13Lの差動増幅回路14Lは、NチャネルMOSFET32のドレイン電位とグランド電位との差電圧を差動増幅する。発振停止判定回路17L,起電力発生判定回路18Lに与えられている第1閾値Vth1,第2閾値Vth2の大小関係は、第1実施例とは逆にVth1<Vth2に設定されている。そして、発振停止判定回路17Lは、発振停止確認期間において出力電圧Vmが第1閾値Vth1を下回るとハイレベルの発振停止検出信号を出力し、起電力発生判定回路18Lは、起電力発生有無確認期間において出力電圧Vmが第2閾値Vth2を上回るとハイレベルの起電力発生確認信号を出力する。
図6,図7は、第1実施例の図3,図4相当図である。発振停止確認期間では、PWM制御が行われている状態での出力電圧Vmが第1閾値Vth1を下回るようになり、起電力発生有無確認期間において断線が発生していると、出力電圧Vmは第2閾値Vth2を上回るように変化する点が第1実施例と相違している。したがって、図2に示すフローチャートのステップS5,S7については、不等号の向きがそれぞれ逆になる。
以上のように第2実施例によれば、モータ8をNチャネルMOSFET32によりローサイド駆動する構成において、断線判定回路13Lは第2閾値Vth2を第1閾値Vth1よりも高い値に設定するので、断線が発生して出力電圧Vmが第2閾値Vth2を交差して電源電圧+B側に変化したことを捉えることができる。
(第3実施例)
図8及び図9は第3実施例であり、第1実施例と異なる部分のみ説明する。第3実施例のモータ駆動装置41は、第1実施例のモータ駆動装置1におけるダイオード9に替えて、NチャネルMOSFET(還流経路形成手段,還流用スイッチング素子;T3)42を配置している。そして、制御回路43においては、演算処理回路4の出力信号を、NOTゲート44及び駆動回路(2)45を介してNチャネルMOSFET42のゲートに与え、NチャネルMOSFET42をスイッチング動作させる。
NチャネルMOSFET42は、PチャネルMOSFET7がオフの期間にオンすることで、還流電流をNチャネルMOSFET42のボディダイオードを介すことなくソース−ドレインを経由させて流し、損失の低減を図る所謂同期整流動作を行うために使用される。そして、制御回路43は、低電流判定回路17が出力する低電流検出信号がアクティブになると、連続通電の場合はステップS4においてデューティを90%に設定して強制的にPWM制御を行うと共に、続くステップS11においてNチャネルMOSFET42をオフにして同期整流動作を停止させる。
すなわち、同期整流を行っている場合、モータ8の断線が発生していても、出力電圧VmはPWM信号に応じて変化しているように検出される。そこで、第3実施例によれば、検出される通電電流Imが判定閾値Ithを下回ることで断線が発生した可能性がある場合に同期整流動作を停止させることで、断線検出を確実に行うことができる。
(第4,第5実施例)
図10,図11は第4,第5実施例を示すものである。第4,第5実施例では、第1実施例のハイサイド駆動方式に対応してスナバ回路を配置した構成を示す。図10に示す第4実施例では、ダイオード9に対して並列に、抵抗素子51及びコンデンサ52の直列回路で構成されるスナバ回路53を接続し、図11に示す第5実施例では、スナバ回路53をPチャネルMOSFET7に並列に接続している。
これらにより、断線が発生した場合の検出される出力電圧Vmをより安定させることができる。また、PチャネルMOSFET7がスイッチング動作することによるノイズの発生レベルを低減することもできる。
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変型又は拡張が可能である。
第1閾値と第2閾値とを、同じ値に設定しても良い。
電流制限素子は抵抗素子10に限ることなく、その他電流源等でも良い。
制御回路2や断線検出回路13の機能を、ソフトウェアによって実現しても良い。
スイッチング素子は、MOSFETに限ることなく、バイポーラトランジスタやIGBTなどでも良い。
デューティ100%で連続通電を行わない場合は、電流検出手段及びステップS1の判断を削除しても良い。
第2実施例のローサイド駆動方式の場合についても、第4実施例と同様にスナバ回路を設けても良い。
図面中、1はモータ駆動装置、2は制御回路、6はバッテリ(電源)、7はPチャネルMOSFET(駆動用スイッチング素子)、8はモータ、9はダイオード(還流経路形成手段)、10は抵抗素子(電流制限素子)、11はスイッチ、13は断線判定回路(断線判定手段)、14は差動増幅回路(電流検出手段)、31はモータ駆動装置、32はNチャネルMOSFET(駆動用スイッチング素子)、41はモータ駆動装置、42はNチャネルMOSFET(還流経路形成手段,還流用スイッチング素子)、43は制御回路、53はスナバ回路を示す。

Claims (7)

  1. 電源とグランドとの間に、モータと共に直列接続される駆動用スイッチング素子をPWM(Pulse Width Modulation)制御して、前記モータを駆動するモータ駆動装置において、
    前記モータに並列に接続され、前記駆動用スイッチング素子がオフした場合に還流電流を流す経路を形成するための還流経路形成手段と、
    この還流経路形成手段に並列に接続される電流制限素子及びスイッチの直列回路と、
    前記駆動用スイッチング素子の制御端子にPWM信号を出力する制御回路と、
    前記モータと前記駆動用スイッチング素子との共通接続点で検出される出力電圧を第1閾値と比較した結果、前記出力電圧が前記PWM信号に応じた変化をしていないと判定すると、前記PWM信号の出力を停止させると共に前記直列回路のスイッチを閉じて、その状態で検出される前記出力電圧が、第2閾値を交差する変化を示すと断線を判定する断線判定手段とを備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記駆動用スイッチング素子を介して前記モータに通電される電流を検出する電流検出手段を備え、
    前記断線判定手段は、前記制御回路が前記モータに連続通電を行っている場合は、前記電流検出手段により検出される電流が所定の判定閾値を下回ったか否かを判定し、前記判定閾値を下回っていると、前記PWM信号のデューティを100%未満に設定した状態で、前記出力電圧を前記第1閾値と比較することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記還流経路形成手段は、前記モータに並列に接続される還流用スイッチング素子を有し、
    前記制御回路は、前記駆動用スイッチング素子がオフする期間に前記還流用スイッチング素子をオンするように制御し、前記断線判定手段が前記電流検出手段により検出される電流が前記判定閾値を下回ったと判定すると、前記還流用スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御回路は、前記モータに出力される電圧を検出してフィードバック制御により前記PWM信号を出力する際に、前記PWM信号のデューティに下限を設定することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のモータ制御装置。
  5. 前記モータ又は前記駆動用スイッチング素子に並列に接続されるスナバ回路を備えたことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータをハイサイド駆動する構成において、
    前記断線判定手段は、前記第2閾値を前記第1閾値以下に設定することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のモータ制御装置。
  7. 前記モータをローサイド駆動する構成において、
    前記断線判定手段は、前記第2閾値を前記第1閾値以上に設定することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のモータ制御装置。
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