JP5333473B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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本発明は、基板上に過電流保護用の遮断配線が設けられる電子制御装置に関するものである。
近年、小型部品により高密度化される電子制御装置では、小型化された部品内での短絡故障時に生じる短絡電流が大電流に至らないために、電子制御装置に関する故障に対応して設けられるヒューズでの遮断までに長時間を要することとなり、特にヒューズ設置数を削減してコスト低減を目的とした複数の電子制御装置を保護する大型ヒューズでは、遮断に更に長時間を要することとなる。このため、遮断時に部品の高温度化や電源配線等での長時間の電圧低下などの問題が生じる。一方、電子制御の高度化や多機能化に伴って搭載される多くの回路や部品に共用されて作動に必要な電源を供給する電源配線(例えばバッテリ経路とアース経路)等の共用配線には、通常装置作動時でも比較的大きな電流が流れることとなる。このため、共用配線経路に設けられる大型ヒューズの遮断電流は更に大きくなる傾向から、個々の回路や部品の短絡故障で十分な遮断性能が確保出来ないことが懸念される。例えば、車両用の電子制御装置のように、環境温度が高いだけでなく搭載装置が多い装置では、上述した問題が顕著となる。
このため、下記特許文献1に開示されるプリント基板制御装置のように、各基板上での電源配線経路に遮断配線を設けて、過電流が流れたときにパターン遮断配線を溶断させることで、短絡故障したときには基板ごとまたは装置ごとに電源配線経路を遮断している。
特開2007−311467号公報
ところで、高密度化された基板面では、電子部品が実装されて接続されるランドなどの配線と、この電子部品を含めた複数の他の電子部品が、互いに近接するように配置される。このため、上記の配線に遮断配線を単に設けた場合、過電流により遮断配線などに生じた高熱が、基板などを介して近接する他の電子部品に伝わり、これらを高熱にさらしてしまう。その結果、性能の低下や耐用期間が短くなるなどの影響が他の電子部品に生じるおそれがあり、特に、温度によって特性が変化する電子部品の動作に不具合を来すおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高密度化された基板において、過電流により遮断配線に生じた高熱が電子部品に影響を及ぼすことを抑制し得る電子制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の電子制御装置では、基板上にて複数の電子部品がそれぞれ実装されて接続されるランドと前記複数電子部品により共用される共用配線とを接続する配線間に、少なくとも1つの過電流保護用の遮断配線が設けられる電子制御装置であって、当該遮断配線の溶断により接続を遮断された電子部品以外の保護対象電子部品を前記過電流により発生した熱から保護するために、前記遮断配線に近接して設けられた熱拡散用配線を備え、当該熱拡散用配線は、前記遮断配線および前記保護対象電子部品の間に配置され、前記遮断配線から伝達される熱を、当該熱拡散用配線の全体に拡散させるとともに蓄熱し、前記保護対象電子部品は、発振子であり、前記基板に表面実装されており、前記基板の表面は、当該基板を保護するための保護層で被覆されており、当該保護層には、前記熱拡散用配線を露出させるための開口が設けられており、当該開口により露出した前記熱拡散用配線には、放熱材が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電子制御装置において、前記開口により露出した前記熱拡散用配線には、前記放熱材としてはんだが塗布されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子制御装置において、前記基板は多層基板で構成され、前記熱拡散用配線は、互いに異なる層に配置された複数の配線層と、当該複数の配線層を熱伝達可能に互いに接続するスルーホールと、を有していることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電子制御装置において、前記スルーホール内には、前記複数の配線層間の熱の伝達効率を向上させるための充填材が充填されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の電子制御装置において、前記複数の配線層は、前記基板の前記保護対象電子部品が表面実装された側の最外層として設けられた外層配線と、当該外層配線よりも内層側に設けられた内層配線を有し、当該内層配線の表面積は、前記外層配線の表面積よりも大きいことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電子制御装置において、前記内層配線は、少なくとも一部が前記基板の厚さ方向に前記遮断配線と重なるように配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の電子制御装置において、前記内層配線は、少なくとも一部が前記基板の厚さ方向に前記遮断配線が接続された電子部品と重なるように配置されていることを特徴とする。
請求項1の発明では、過電流により遮断配線で発生した熱が、基板などを介して周囲に伝達される際、熱源である遮断配線に近接して設けられた熱拡散用配線に到達すると、熱拡散用配線の全体に拡散されるとともに蓄熱され、その分、熱から保護すべき保護対象電子部品への熱の伝達が抑制される。それにより、高熱にさらされることによる保護対象電子部品の性能の低下や耐用期間が短くなるなどの影響が、保護対象電子部品に生じることを抑制でき、保護対象電子部品の正常な動作を維持することができる。
また、請求項の発明では、遮断配線で発生した熱は、基板などを介して周囲に伝わる際、保護対象電子部品との間において遮断配線に近接して設けられた熱拡散用配線に到達すると、この熱拡散用配線によって拡散するとともにこれに蓄熱される。このように、遮断配線から保護対象電子部品への熱の伝達経路に熱拡散用配線を配置することによって、保護対象電子部品に到達する前に、確実に熱を拡散させられるので、保護対象電子部品への熱の伝達を確実に抑制することができる。
また、請求項の発明では、保護対象電子部品として発振子が、熱拡散用配線によって熱から保護される。発振子は、回路全体の動作を同期させるために用いられ、回路の正常な動作を司る重要な部品であり、そのような発振子を熱から保護することによって、発振子だけでなく、発振子を用いた回路全体の正常な動作を維持することができる。
また、請求項の発明では、基板に表面実装された電子部品が、熱拡散用配線によって保護される。通常、電子部品の表面実装にははんだが用いられており、その融点は比較的、低いため、高熱にさらされるとはんだが溶融し、電子部品の接続に不具合が発生するおそれがある。これに対し、熱拡散用配線を設けたことにより、保護対象電子部品の基板との接続部に到達する熱もまた、抑制されるので、保護対象電子部品の正常な動作を維持することができる。
また、請求項の発明では、熱拡散用配線に伝達された熱は、熱拡散用配線により拡散するだけでなく、基板を保護するためにその表面を被覆する保護層に設けられた開口から露出し放熱材が設けられた熱拡散用配線から、放熱される。それにより、保護対象電子部品への熱の伝達をさらに抑制でき、保護対象電子部品の正常な動作を確実に維持することができる。
請求項の発明では、熱拡散用配線に伝達された熱は、はんだが塗布された熱拡散用配線によって迅速に拡散されるとともに、放熱される。具体的には、熱拡散用配線だけの場合よりも、熱拡散用配線に塗布されたはんだの分、両者を併せた断面積が増大し、両者による熱伝導率が高くなるので、より迅速に熱を拡散させることができる。また、塗布されたはんだは、配線表面からわずかに隆起した状態になるので、その分、露出面の面積が増大することによって、効率的に放熱させることができる。したがって、保護対象電子部品への熱の伝達を、より効果的に抑制することができる。
請求項の発明では、熱拡散用配線に到達した熱は、複数の配線層を熱伝達可能に互いに接続するスルーホールによって、他の配線層に伝達される。このように、複数の配線層を設け、熱拡散用配線全体の熱容量を増大させることによって、より大きな熱量を複数の配線層全体に拡散させるとともに蓄熱することができるので、保護対象電子部品への熱の伝達をさらに抑制することができる。
請求項の発明では、充填材が充填されたスルーホールにより、配線層間の熱の伝達がより効率的に行われるので、熱拡散用配線の複数の配線層全体に迅速に熱を拡散させることができ、保護対象電子部品への熱の伝達をさらに抑制することができる。
請求項の発明では、最外層の外層配線と、これよりも大きな表面積を有する内層側の内層配線によって、熱が拡散させられる。前述したように、高密度基板の表面には多数の電子部品や配線が配置されており、基板の大型化を回避しながら表面積の大きな配線を配置することは困難である。これに対し、サイズや配置の自由度が比較的、高い内層配線の表面積をより大きくし、その体積を増大させることによって、熱拡散用配線全体の熱容量を容易に増大させることができ、熱拡散用配線による熱の拡散をより効果的に行うことができる。その結果、保護対象電子部品への熱の伝達をさらに抑制でき、保護対象電子部品を効果的に熱から保護することができる。
請求項の発明では、遮断配線で発生した熱は、基板の厚さ方向に遮断配線と少なくとも一部が重なるように配置された内層配線から、熱拡散用配線全体に拡散する。このように、熱拡散用配線の一部である内層配線を、熱源である遮断配線に近接して配置することにより、発生した熱を熱拡散用配線全体により迅速に拡散させることができ、保護対象電子部品への熱の伝達をより確実に抑制することができる。
請求項の発明では、遮断配線で発生した熱は、遮断配線が接続された電子部品と基板の厚さ方向に少なくとも一部が重なるように配置された内層配線から、熱拡散用配線全体に拡散する。電子部品の短絡故障時には、遮断配線だけでなく、これに接続された電子部品もまた発熱するため、この電子部品に熱拡散用配線の一部である内層配線を近接して配置することにより、電子部品で発生した熱を熱拡散用配線全体により迅速に拡散させることができ、保護対象電子部品への熱の伝達をより確実に抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るトラクションコントロール装置を備える車両制御システムの概略構成を示すブロック図である。 図1のトラクションコントロール装置の要部を示す説明図である。 図2の説明図を部分的に拡大して示す拡大図である。 図2のA−A線相当の切断面による断面図である。 第2実施形態に係るトラクションコントロール装置の要部を示す説明図である。 図5のB−B線相当の切断面による断面図である。 検証用遮断配線および検証用開口の詳細形状を説明するための説明図である。 検証用開口の有無について遮断電流値および遮断時間の関係を示すグラフである。 第3実施形態に係るトラクションコントロール装置の要部を示す説明図である。 図9のC−C線相当の切断面による断面図である。 第4実施形態に係るトラクションコントロール装置の要部を示す説明図である。 第5実施形態に係る電子制御装置の要部を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る電子制御装置について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るトラクションコントロール装置20(電子制御装置)を備える車両制御システム11の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両制御システム11は、自動車10に搭載される各種機器を制御するエンジンECUやブレーキECU、ステアリングECUをはじめボディECUやナビゲーション装置などの複数の電子制御装置12を備えて構成されている。
また、車両制御システム11には、上記複数の電子制御装置12に加えて、本第1実施形態に係る電子制御装置が適用されたトラクションコントロール装置20が設けられている。このトラクションコントロール装置20は、駆動輪の加速スリップを防止する加速スリップ防止機能を有する装置で、走行制御等の主要な車両制御に関して他の電子制御装置よりも比較的重要性が低い装置である。
トラクションコントロール装置20を含めた複数の電子制御装置12は、過電流保護用として採用されるヒューズ14aおよびヒューズ14bのいずれかを介して直流電源(以下、バッテリ13という)に電気的に接続されている。ヒューズ14aおよびヒューズ14bとしては、多くの電子制御装置等に対して作動に必要な電力を供給する経路に設けられるために、例えば15A用や20A用の大型のヒューズが採用されている。これにより、例えば、ヒューズ14aに接続される各種電子制御装置12のうちのいずれかに不具合が生じ、所定の電流値を超える過電流が発生すると、この過電流によりヒューズ14aが溶断し、当該ヒューズ14aを介した電力供給が遮断されて、他の電子制御装置12への影響が防止される。なお、本実施形態では、各電子制御装置12は、2つの大型ヒューズ14aおよびヒューズ14bのいずれかを介してバッテリ13にそれぞれ電気的に接続されているが、これに限らず、単一の大型ヒューズを介してバッテリ13にそれぞれ電気的に接続されてもよいし、3つ以上のヒューズのいずれかを介してバッテリ13にそれぞれ電気的に接続されてもよい。
次に、本第1実施形態に係るトラクションコントロール装置20の構成について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、図1のトラクションコントロール装置20の要部を示す説明図である。図3は、図2を部分的に拡大して示す拡大図であり、図4は、図2のA−A線相当の切断面による断面図である。
トラクションコントロール装置20は、上述した加速スリップ防止機能を実現するための複数の電子部品や回路を高密度化して実装した回路基板21(基板)が図略のケースに収容されて構成されている。この回路基板21は、図略のコネクタ等を介して外部の機器や他の電子制御装置12と電気的に接続されており、外部から入力される所定の信号に応じて駆動輪の加速スリップを防止するための制御を実行する。
図2に示すように、回路基板21の表面には、セラミックコンデンサ24(電子部品)および発振子22(保護対象電子部品)や、図示しない電子部品を含む多数の電子部品と、電源配線23および共用配線27などの銅で構成された多数の配線が、密集して配置されている。
図3に示すように、セラミックコンデンサ24の外部電極24aが、はんだ25を介して回路基板21の配線の一部として設けられたランド26に接続されており、それにより、セラミックコンデンサ24は回路基板21に表面実装されている。このセラミックコンデンサ24は、温度特性や周波数特性を向上させ小型で大容量を実現するため、例えばチタン酸バリウム系の高誘電率のセラミック誘電体と内部電極とを層状に積み重ねて一体化して構成されている。
共用配線27には、多くの回路や電子部品(図示せず)が接続され、これらによって共用されており、この共用配線27は、高密度化を図るため、セラミックコンデンサ24が接続されたランド26、26間を通るように配置されている。また、一方のランド26と共用配線27との間には、遮断配線30が配置されている。この遮断配線30は、過電流による発熱に応じて溶断することで過電流保護機能を発揮して当該遮断配線30を介した電気的接続を遮断する配線である。これにより、その基板に応じた過電流保護を実現することができる。
遮断配線30は、第1配線部31と、この第1配線部31よりも配線長が短い第2配線部32とでL字型に形成されており、第1配線部31が共用配線27の端部に接続され、第2配線部32がランド26に接続されている。また、遮断配線30は、その配線幅(基板上で電流の方向に直交する配線の幅)が共用配線27の配線幅に対して十分に小さくなるように設定されている。具体的には、例えば、遮断配線30の配線幅が0.2〜0.3mm程度に設定され、共用配線27の配線幅が2mm程度に設定されている。
また、前述した発振子22は、前述したセラミックコンデンサ24と同様に、回路基板21に表面実装されており、ランド26a、26aにはんだを介して接続されることによって、電源配線23に接続されている。この発振子22は、発振回路の一部として、回路全体の動作を同期させるために用いられる。また、発振子22の近傍には、他の電子部品22a、22b(保護対象電子部品)などが、回路基板21に表面実装されている。
図4に示すように、回路基板21は、例えば3層の絶縁層21aおよび4層の導体層を積層した多層基板で構成されている。絶縁層21aには、ガラス織布にエポキシ樹脂を含浸させたものが用いられており、導体層は、各種の回路の一部を構成する配線として、銅などの導電性材料で構成されている。前述した共用配線27および遮断配線30などの基板表面の各種配線は、最も外側の導体層の一部として形成されている。また、表裏の基板面は、いずれもソルダレジスト28によって被覆され、保護されている。なお、便宜上、回路基板21のセラミックコンデンサ24や遮断配線30が配置された表面側を「上」、裏面側を「下」として、以下の説明を行う。
回路基板21には熱拡散用配線40が設けられている。この熱拡散用配線40は、共用配線27などと同じく銅で構成されており、表裏の外層配線41、42および2層の内層配線43、43と、これらを互いに接続する一対のスルーホール44、44などを有している。表面側の外層配線41は、共用配線27などと同様、ソルダレジスト28で被覆されている。また、この外層配線41は、所定の配線幅を有し、遮断配線30およびセラミックコンデンサ24と、発振子22および他の電子部品22a、22bとの間に配置されており、両者を区画するように、まっすぐに延びている。
内層配線43、43は、中間の絶縁層21aと上下の絶縁層21a、21aの間にそれぞれ設けられており、各内層配線43は、矩形の平面形状、および外層配線41よりも大きな表面積を有している。また、内層配線43の形状およびサイズは、セラミックコンデンサ24、および遮断配線30に隣接する発振子22を含む他の電子部品(図示せず)と上下方向に重ならないように設定されている。
外層配線42は、回路基板21の裏面に形成されてソルダレジスト28で被覆されており、内層配線43と同じ形状およびサイズを有している。これら3者42、43、43は、遮断配線30およびこれを接続したセラミックコンデンサ24と上下方向(基板の厚さ方向)に重なるように、両者30、24の直下(図2に破線で示す位置)に配置されている。
一対のスルーホール44、44は、遮断配線30と発振子22の間に配置され、表面側の外層配線41から、上下の内層配線43、43を通過し、裏面側の外層配線42まで、回路基板21を貫通している。各スルーホール44の内周面には、外層配線41、42および内層配線43、43と一体の内周配線44aが、例えば銅めっきにより形成されている。また、スルーホール44の内部には、充填材45が充填されており、この充填材45は、例えば銅ペーストで構成されている。
このように構成されるトラクションコントロール装置20では、例えば、セラミックコンデンサ24が損傷等して短絡し、過電流が遮断配線30を流れると、この遮断配線30がその過電流に応じて発熱する。そして、この発熱が所定の温度以上になると、遮断配線30が溶断し、当該遮断配線30を介した電気的接続が遮断される。これにより、共用配線27に接続される他の電子部品が上記過電流から保護される。また、上記遮断時の電流はヒューズ14aを遮断するほど大きくならないので、当該ヒューズ14aを介して電力供給される他の電子制御装置12に対して、トラクションコントロール装置20の損傷が影響することもない。さらに、過電流の発生から遮断配線30の溶断までの時間は、数mS(ミリ秒)程度であり、上述した大型ヒューズ14a、14b等の溶断時間は通常0.02S(秒)程度であることから、処理速度の向上が図られる電子制御装置や電子部品であっても好適に過電流保護を実施することができる。
また、セラミックコンデンサ24が損傷等して短絡した場合、過電流により、遮断配線30だけでなく、セラミックコンデンサ24自体も発熱する場合がある。この場合、セラミックコンデンサ24および遮断配線30で発生した熱(以下、「過電流による熱」という)は、絶縁層21aおよび共用配線27などを介し、セラミックコンデンサ24および遮断配線30を中心として、周囲に伝達される。熱拡散用配線40は、前述したように銅で構成され、絶縁層21aよりも高い熱伝導率を有しているので、過電流による熱が熱拡散用配線40に到達すると、他の部位に伝わるよりも早く、熱拡散用配線40全体に迅速に拡散するとともに蓄熱される。
より具体的には、まず、遮断配線30に隣接する外層配線41や直下の内層配線43に到達した過電流による熱は、当該外層配線41および内層配線43の全体に伝わり、拡散されるだけでなく、スルーホール44、44を介して、下側の内層配線43および裏面側の外層配線42に伝達される。その際、スルーホール44内に充填材45が充填されていることにより、過電流による熱は、充填材45やスルーホール44の内周配線44aを介して迅速に伝達され、熱拡散用配線40全体に拡散するとともに蓄熱される。このように、過電流による熱が、熱拡散用配線40の全体に迅速に拡散し、これに一時的に蓄熱されることによって、外層配線41の遮断配線30と反対側に設けられた発振子22や電子部品22a、22bなどに伝達される熱が抑制される。
以上説明したように、本実施形態によるトラクションコントロール装置20によれば、遮断配線30から発振子22や他の電子部品22a、22bへの熱の伝達経路に熱拡散用配線40を配置したことによって、発振子22などに到達する前に、過電流による熱を、熱拡散用配線40全体に確実に拡散させるとともに蓄熱することができ、発振子22などへの熱の伝達を確実に抑制することができる。また、発振子22が、熱拡散用配線40によって過電流による熱から保護されるので、発振子22だけでなく、発振子22を用いた回路全体の正常な動作を維持することができる。また、発振子22などを実装したランド26aへの熱の伝達もまた、抑制されるので、発振子22などの接続に不具合が発生するのを回避できる。
また、遮断配線30に隣接する外層配線41に加え、裏面側の外層配線42および内層配線43、43を設け、熱拡散用配線40全体の熱容量を増大させるとともに、スルーホール44、44により、熱拡散用配線40全体に迅速に熱を拡散および蓄熱させることによって、発振子22などへの熱の伝達をさらに抑制することができる。また、外層配線41よりも大きな表面積を有する内層配線43、43および外層配線42によって、熱拡散用配線40全体として、より大きな熱容量が確保されているので、熱拡散用配線40による熱の拡散および蓄熱をより効果的に行うことができる。
また、スルーホール44には充填材45が充填され、配線層間の熱の伝達が効率的に行われるので、熱拡散用配線40の4層の配線層全体に迅速に熱を拡散させることができ、発振子22などへの熱の伝達をさらに抑制することができる。
また、外層配線41だけでなく、熱源である遮断配線30およびセラミックコンデンサ24の直下に、内層配線43を近接して配置したことにより、発生した熱を熱拡散用配線40全体により迅速に拡散させることができ、発振子22などへの熱の伝達をより確実に抑制することができる。
以上の結果、発振子22や他の電子部品22a、22bなどに、性能の低下や耐用期間が短くなるなどの過電流による熱を原因とする不具合が生じることを抑制でき、発振子22などの電子部品と、これらを用いた回路の正常な動作を維持することができる。また、本実施形態では、発振子22および他の電子部品22a、22bを、熱から保護すべき保護対象電子部品の例として説明したが、セラミックコンデンサ24以外の回路基板21に実装されたすべての電子部品が、保護対象電子部品として過電流による熱から保護されることは言うまでもない。
なお、上述した第1実施形態では、スルーホール44に充填する充填材45として、銅ペーストを用いた例を説明したが、充填材としては、銅、アルミまたは銀などによる金属棒を埋め込んでもよく、また、アルミペースト、銀ペースト、放熱ゲルまたはセラミックス系の材料など、熱を良好に伝導するものであればよい。また、熱拡散用配線40の各配線を銅で構成した例を説明したが、充填材と同様に、アルミやセラミックス系の材料など、良好な熱伝導性を有するもので熱拡散用配線を構成してもよい。
また、スルーホール44の数および配置や、熱拡散用配線40の各配線層の形状およびサイズを、電子部品や他の配線の配置に応じて任意に設定してもよい。また、回路基板21の層数に応じて、内層配線43の層数やいずれの層に配置するかを任意に設定してもよい。さらに、内層配線43などを省略し、外層配線41だけを熱拡散用配線として用いてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るトラクションコントロール装置について、図5および図6を用いて説明する。図5は、第2実施形態に係るトラクションコントロール装置20aの要部を示す説明図である。図6は、図5のB−B線相当の切断面による断面図である。
本第2実施形態では、トラクションコントロール装置20aにおいて、遮断配線30および熱拡散用配線40に代えて、構成の異なる遮断配線30aおよび熱拡散用配線40aを採用した点が、主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略するとともに、第1実施形態との差異を中心として説明する。
図5に示すように、本実施形態の遮断配線30aは、直線状に形成されており、一方の端部において共用配線27の端部とほぼ90°の角度で接続され、他方の端部において、セラミックコンデンサ24を接続したランド26に接続されている。
また、本実施形態の熱拡散用配線40aは、回路基板21の表面に、外層配線41に加えて外層配線41aを有している。この外層配線41aは、外層配線41と同様に構成されており、遮断配線30aおよびセラミックコンデンサ24が間に位置するように、両者30a、24の外層配線41と反対側に配置され、外層配線41と平行に延びている。
また、この外層配線41aの端部にも、外層配線41側と同じく一対のスルーホール44、44が設けられており、図6に示すように、これらによって、外層配線41a、内層配線43、43および外層配線42が互いに接続されている。それにより、遮断配線30aは、両側の外層配線41、41a、計4つのスルーホール44、および直下の内層配線43によって取り囲まれている。
また、図6に示すように、ソルダレジスト28には、遮断配線30aの少なくとも一部を外方に露出させるための矩形状の開口28bが形成されている。具体的には、開口28bは、遮断配線30aのうち最も発熱する部位であるその全長の中央近傍部位を外方に露出させるように形成されている。
ここで、開口28bを形成する理由について、図7および図8を用いて説明する。図7は、検証用遮断配線101および検証用開口102の詳細形状を説明するための説明図である。図8は、検証用開口102の有無について遮断電流値Iおよび溶断時間tの関係を示すグラフである。
図7に示す寸法の検証用開口102により一部が露出する検証用遮断配線101に対して所定の電流を流し、この検証用遮断配線101が溶断するときの遮断電流値Iと当該検証用遮断配線101が溶断するまでの溶断時間tとを測定する。また、検証用開口102が形成されない検証用遮断配線101に対して所定の電流を流したときの遮断電流値Iおよび溶断時間tを測定する。ここで、検証用遮断配線101は、その全体長さL1が2.85mmに設定され、その幅W1が0.25mmに設定される。また、検証用開口102は、L1に平行な開口長L2が0.6mmに設定され、その開口幅W2が0.25mmに設定される。なお、図7では、説明の便宜上、開口幅W2が幅W1よりも長くなるように図示されている。
上述のように測定された遮断電流値Iおよび溶断時間tの関係を図8のグラフに示す。ここで、図8に示す太実線S1は、検証用開口102により一部が露出する検証用遮断配線101における遮断電流値Iと溶断時間tとの関係を示し、太実線S1を中心に太破線にて囲まれる範囲は、その遮断電流値Iにおける溶断時間tのばらつきの範囲を示す。また、図8に示す細実線S2は、検証用開口102が形成されない検証用遮断配線101における遮断電流値Iと溶断時間tとの関係を示し、細実線S2を中心に細破線にて囲まれる範囲は、その遮断電流値Iにおける溶断時間tのばらつきの範囲を示す。
図8からわかるように、同じ遮断電流値では、検証用開口102を形成することで、溶断時間tが短くなっている。さらに、同じ遮断電流値では、溶断時間tのばらつきが小さくなっている。一方、検証用開口102が形成されない検証用遮断配線101では、検証用開口102が形成される場合と比較して、各過大電流域で溶断時間tが長くなり、かつ、溶断時間tのばらつきが生じている。これは、検証用遮断配線101が溶断することで生成された溶融導体が、検証用開口102から流れ出て、溶断前の検証用遮断配線101の位置に滞留しにくくなるからである。
このようなことから、開口28bにより遮断配線30aの少なくとも一部を露出させることで、溶断時間tが短くなり保護作用が早期に得られ、保護対象となる部品の温度上昇を抑制することができる。さらに、遮断配線30aの溶断時における電源配線23への電圧低下の影響時間を大きく短縮することができる。また、溶断時間tのばらつきが小さくなることで、各装置や回路で遮断配線30aの溶断時間を考慮した安定化コンデンサなど(電源安定化手段)について容量のより小さなものを採用することができ、低コスト化や小型化を図ることができる。さらに電流の定格領域でも溶断時間tを小さくできるので、回路設計における自由度を向上させることができる。
他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。
このように構成されるトラクションコントロール装置20aでは、過電流による熱が、より遠くに伝達される前に、遮断配線30aおよびセラミックコンデンサ24を取り囲む両側の外層配線41、41a、および直下の内層配線43によって、迅速に拡散するとともに、4つのスルーホール44によって、より下層の内層配線43および外層配線42に迅速に伝達されることによって、熱拡散用配線40a全体に蓄熱される。
以上説明したように、本実施形態によるトラクションコントロール装置20aによれば、外層配線41の反対側にも別の外層配線41aおよびスルーホール44を設けて、熱源である遮断配線30aおよびセラミックコンデンサ24などを取り囲むように熱拡散用配線40aを配置したことにより、過電流による熱が周囲に伝達される前に、より確実かつ迅速に熱拡散用配線40a全体に熱を伝達し、蓄熱させることができるので、発振子22などの保護対象電子部品の正常な動作をより確実に維持することができる。
また、本実施形態では、遮断配線30aが溶断することで生成された溶融導体が開口28bから流れ出ることとなる。これにより、溶融導体が溶断前の遮断配線30aの位置に滞留しにくくなるので、溶融導体の滞留に起因する遮断配線30aの溶断位置や溶断時間のばらつきが抑制されて、遮断配線30aによる遮断性能の低下を抑制することができる。
さらに、開口28bは、遮断配線30aのうち最も発熱する部位を露出させるように形成されるため、開口28bが遮断配線30aのうち溶断しやすい部位に対応して設けられることとなり、溶融導体の滞留を確実に抑制して、遮断配線30aによる遮断性能の低下を確実に抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るトラクションコントロール装置について、図9および図10を用いて説明する。図9は、第3実施形態に係るトラクションコントロール装置20bの要部を示す説明図である。図10は、図9のC−C線相当の切断面による断面図である。
本第3実施形態では、トラクションコントロール装置20bにおいて、遮断配線30および熱拡散用配線40に代えて、上述した第2実施形態と同様の遮断配線30aと、構成の異なる熱拡散用配線40bを採用した点が、主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1および第2実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略するとともに、両実施形態との差異を中心として説明する。
図9に示すように、遮断配線30aは、共用配線27の途中から分岐するように設けられ、セラミックコンデンサ24を実装したランド26に接続されている。また、熱拡散用配線40bは、一対の外層配線41b、41bを基板表面に有しており、これらは、遮断配線30aおよびセラミックコンデンサ24の両側にそれぞれ配置されていて、互いに平行にまっすぐ延びている。
また、図10に示すように、表面側のソルダレジスト28には開口28a、28aが設けられている。各開口28aは、外層配線41bに沿って延びており、外層配線41bのほぼ全面を露出させている。また、露出した外層配線41bのうち、遮断配線30aおよびセラミックコンデンサ24の近傍の部位には、放熱材としてはんだ41cが塗布されている。このはんだ41cは、外層配線41bの表面から隆起しており、外層配線41b単独の場合よりも、両者41b、41cを併せた断面積および露出面積が増大している。
遮断配線30aは、その一端にて一側接続配線30bを介して共用配線27に電気的に接続されており、その他端にて他側接続配線30cを介してランド26に電気的に接続されている。一側接続配線30bおよび他側接続配線30cは、遮断配線30aや共用配線27と同じ銅などの導電性材料により、遮断配線30aよりも導体体積が大きくなるように形成されている。
具体的には、一側接続配線30bは、接続対象である共用配線27に向かうにつれて円弧状に広がるように、形成されている。すなわち、一側接続配線30bは、その配線幅が共用配線27側ほど広くなるように形成されることで、遮断配線30aとの接続部位での断面積が共用配線27との接続部位での断面積よりも小さくなるように構成されている。
また、他側接続配線30cは、両側の側縁が遮断配線30aの両側の側縁となだらかに連続しており接続対象であるランド26に向かうにつれて円弧状に広がるように、形成されている。すなわち、他側接続配線30cは、その配線幅がランド26側ほど広くなるように形成されることで、遮断配線30aとの接続部位での断面積が接続対象であるランド26との接続部位での断面積よりも小さくなるように構成されている。
また、遮断配線30aの両側には、当該遮断配線30aの溶断に伴い生成された溶融導体を付着させるための付着用配線70、70が、遮断配線30aに近接して設けられている。この付着用配線70もまた、共用配線27などと同様、銅などの導電性材料で構成されている。また、ソルダレジスト28には、付着用配線70と位置および形状を合わせて開口28cが設けられており、これにより、付着用配線70が露出している。
このような構成のトラクションコントロール装置20bによれば、過電流による熱は、セラミックコンデンサ24および遮断配線30aの両側に配置された外層配線41b、41bに到達すると、これらの全体に拡散する。その際、外層配線41b単独の場合よりも、これに塗布されたはんだ41cの分、両者41b、41cを併せた断面積が増大し、両者41b、41cの熱伝導率がより高くなっているので、過電流による熱は、迅速に熱拡散用配線40b全体に拡散するとともに蓄熱される。また、開口28aにより外層配線41bが露出していることと、塗布されたはんだ41cが外層配線41bから隆起していることにより両者41b、41cの表面積が増大していることによって、蓄熱された熱は、外層配線41bおよびはんだ41cから効率的に放熱される。
以上説明したように、本実施形態によるトラクションコントロール装置20bによれば、外層配線41bおよびはんだ41cを併せた断面積が増大していることにより、熱拡散用配線40b全体により迅速に過電流による熱を拡散させるとともに蓄熱させることができる。また、両者41b、41cの表面積が増大していることにより、両者41b、41cから効率的に放熱させることができる。したがって、発振子22などの保護対象電子部品への熱の伝達を、より効果的に抑制することができ、それらの正常な動作をより確実に維持することができる。
なお、本実施形態では、熱拡散用配線40bを回路基板21の表面のみに設けた例を説明したが、前述した第1および第2実施形態のように、より下層に内層配線などを設けるとともにスルーホールによってそれらを接続し、熱拡散用配線全体の熱容量を増大させることによって、熱の伝達をさらに抑制できるようにしてもよい。
また、本実施形態に係るトラクションコントロール装置20bでは、遮断配線30aは、一側接続配線30bおよび他側接続配線30cを介して共用配線27およびランド26に接続されており、遮断配線30aおよび両接続配線30b、30cの側縁がなだらかに連続するため、これら各配線30a、30b、30cをエッチング液を用いて形成する場合には、遮断配線30aの側縁と両接続配線30b、30cの側縁でエッチング液が均一に流れやすくなる。これにより、遮断配線30aと両接続配線30b、30cの接続部位でのエッチング液の滞留が抑制されて遮断配線30aの配線幅のばらつきが抑えられるので、基板面に設けられる遮断配線30aによる遮断性能の低下を抑制することができる。
また、遮断配線30aの溶断時に高温の溶融導体が生成されると、この溶融導体は、回路基板21の表面を流動する際に、当該遮断配線30aに近接して設けられた付着用配線70に付着する。これにより、溶融導体は、付着用配線70に付着した状態で保持され、放熱とともに硬化することによって流動性を失うので、溶融導体の流動による他の電子部品等への影響を抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るトラクションコントロール装置について図11を用いて説明する。図11は、第4実施形態に係るトラクションコントロール装置20cの要部を示す説明図である。
本第4実施形態では、熱拡散用配線40cの外層配線41dを、共用配線として使用される電源配線23に接続させた点が、主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、回路基板21には、バッテリ13からの電力を供給する電源配線23が、セラミックコンデンサ24や発振子22などの電子部品に対してそれぞれ電気的に接続されている。このため、電源配線23は、各電子部品により共用される共用配線として機能する。また、熱拡散用配線40cの外層配線41dは、遮断配線30と発振子22などの間に配置され、電源配線23に接続されており、遮断配線30と、発振子22および他の電子部品22a、22bとを区画している。
このような構成のトラクションコントロール装置20cによれば、過電流による熱は、絶縁層21aだけでなく、電源配線23にも伝達される。電源配線23に伝達された熱の一部は、外層配線41dに伝達され、熱拡散用配線40c全体に拡散するとともに蓄熱されることによって、電源配線23を介した発振子22などへの熱の伝達を抑制することができる。
また、電源配線23は、トラクションコントロール装置20cと異なる他の電子制御装置12にも電力を供給するバッテリ13から電線を介して各々のコネクタに接続されており、当該トラクションコントロール装置20cおよび複数の電子制御装置12を保護するための共通のヒューズ14aが、バッテリー13からの電源経路上に設けられているので、遮断配線30を設けたトラクションコントロール装置20cが短絡故障等する場合であっても、その遮断配線30が溶断することで、他の電子制御装置12への電源供給に関する影響をなくすことができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る電子制御装置について図12を用いて説明する。図12は、第5実施形態に係る電子制御装置110の要部を示す説明図である。
本第5実施形態に係る電子制御装置110では、同一の基板120上に、上記第1実施形態に係るトラクションコントロール装置20の機能を回路ブロック化した回路ブロック130と、さらに他の機能を回路ブロック化した回路ブロック140、150とを配置して構成されている。なお、他の機能としては、回路ブロック130の機能よりも重要性が高い機能であって、例えば、エンジンECUに対応する機能やブレーキECUに対応する機能であり、回路ブロック140は、エンジンECUに対応する機能を回路ブロック化して構成され、回路ブロック150は、ブレーキECUに対応する機能を回路ブロック化して構成されている。
図12に示すように、各回路ブロック130、140、150には、コネクタ121を介してバッテリ13からの電力を供給する電源配線23が、それぞれ分岐配線131、141、151を介して電気的に接続されている。そして、上述した遮断配線30が回路ブロック130の分岐配線131上に当該回路ブロック130に対して過電流保護として機能するように配置されている。そして、電源配線23上に、当該基板120に対して過電流保護として機能する遮断配線122が設けられている。すなわち、基板120上には、全ての回路ブロック130〜150を含めた基板120を保護する遮断配線122と、回路ブロック130を保護する遮断配線30との2つの遮断配線が設けられている。
これにより、遮断配線30が設けられる回路ブロック130において短絡故障等により過電流が生じることから当該遮断配線30が溶断する場合でも、他の回路ブロック140、150では、分岐配線141、151を介した電源配線23との接続が維持されるので、溶断した遮断配線30を有する回路ブロック130のみ機能を停止して、他の回路ブロック140、150での機能を継続することができる。特に、回路ブロック130の機能は、他の回路ブロック140、150よりも重要性が低いので、重要性が低い回路ブロック130の機能停止が、重要性が高い回路ブロック140、150の機能に影響を及ぼすことを抑制することができる。また、遮断配線30が設けられない回路ブロック140、150において短絡故障等により過電流が生じる場合でも、その過電流が電源配線23を流れることで遮断配線122が溶断して各回路ブロック130、140、150での機能が停止するので、発生した過電流が他の回路ブロックへ流れることを抑制することができる。
特に、遮断配線30を、遮断配線122に対して遮断時の電流値が小さくなるようにその配線幅を小さく形成することで、遮断配線30が設けられる回路ブロック130において短絡故障等により過電流が生じる場合には、遮断配線30が遮断配線122よりも確実に早く溶断する。これにより、他の回路ブロック140、150への影響を確実に抑制することができる。
なお、本実施形態における1つの基板上に2つの遮断配線を設ける構成は、他の実施形態や変形例に採用されてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。例えば、上述した第1〜第4実施形態のトラクションコントロール装置20、20a〜20cでそれぞれ説明した熱拡散用配線40、40a〜40cを、前述したエンジンECUやブレーキECU、ステアリングECUをはじめボディECUやナビゲーション装置などの複数の電子制御装置12において、過電流による熱から保護するために採用してもよい。
10…自動車
11…車両制御システム
12…電子制御装置
13…バッテリ(電源)
14a、14b…ヒューズ
20、20a〜20c…トラクションコントロール装置(電子制御装置)
21…回路基板(基板)
22…発振子(保護対象電子部品)
22a、22b…電子部品(保護対象電子部品)
23…電源配線(共用配線)
24…セラミックコンデンサ(電子部品)
26…ランド(配線)
28…ソルダレジスト(保護層)
28a〜28c…開口
30、30a…遮断配線
40、40a〜40c…熱拡散用配線
41、41a、41b、41d…外層配線(配線層)
41c…はんだ(放熱材)
43…内層配線(配線層)
44…スルーホール
45…充填材

Claims (7)

  1. 基板上にて複数の電子部品がそれぞれ実装されて接続されるランドと前記複数電子部品により共用される共用配線とを接続する配線間に、少なくとも1つの過電流保護用の遮断配線が設けられる電子制御装置であって、
    当該遮断配線の溶断により接続を遮断された電子部品以外の保護対象電子部品を前記過電流により発生した熱から保護するために、前記遮断配線に近接して設けられた熱拡散用配線を備え、
    当該熱拡散用配線は、前記遮断配線および前記保護対象電子部品の間に配置され、前記遮断配線から伝達される熱を、当該熱拡散用配線の全体に拡散させるとともに蓄熱し、
    前記保護対象電子部品は、発振子であり、前記基板に表面実装されており、
    前記基板の表面は、当該基板を保護するための保護層で被覆されており、
    当該保護層には、前記熱拡散用配線を露出させるための開口が設けられており、
    当該開口により露出した前記熱拡散用配線には、放熱材が設けられていることを特徴とする電子制御装置。
  2. 前記開口により露出した前記熱拡散用配線には、前記放熱材としてはんだが塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
  3. 前記基板は多層基板で構成され、
    前記熱拡散用配線は、
    互いに異なる層に配置された複数の配線層と、
    当該複数の配線層を熱伝達可能に互いに接続するスルーホールと、
    を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  4. 前記スルーホール内には、前記複数の配線層間の熱の伝達効率を向上させるための充填材が充填されていることを特徴とする請求項に記載の電子制御装置。
  5. 前記複数の配線層は、前記基板の前記保護対象電子部品が表面実装された側の最外層として設けられた外層配線と、当該外層配線よりも内層側に設けられた内層配線を有し、
    当該内層配線の表面積は、前記外層配線の表面積よりも大きいことを特徴とする請求項3または4に記載の電子制御装置。
  6. 前記内層配線は、少なくとも一部が前記基板の厚さ方向に前記遮断配線と重なるように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電子制御装置。
  7. 前記内層配線は、少なくとも一部が前記基板の厚さ方向に前記遮断配線が接続された電子部品と重なるように配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載の電子制御装置。
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