以下、本発明にかかる熱交換器及びそれを備えた冷凍装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
(1)空気調和装置の全体構成
図1は、本発明にかかる冷凍装置の第1実施形態としての空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、冷房運転が可能となるように構成された冷媒回路10を有している。そして、この冷媒回路10には、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)が封入されており、二段圧縮式冷凍サイクルが行われるようになっている。
空気調和装置1の冷媒回路10は、主として、圧縮機構2と、熱源側熱交換器3と、膨張機構4と、利用側熱交換器5と、インジェクション管11と、エコノマイザ熱交換器12とを有している。
圧縮機構2は、ここでは、2つの圧縮要素で冷媒を二段圧縮する圧縮機21から構成されている。圧縮機21は、ケーシング21a内に、圧縮機駆動モータ21bと、駆動軸21cと、圧縮要素2c、2dとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ21bは、駆動軸21cに連結されている。そして、この駆動軸21cは、2つの圧縮要素2c、2dに連結されている。すなわち、圧縮機21は、2つの圧縮要素2c、2dが単一の駆動軸21cに連結されており、2つの圧縮要素2c、2dがともに圧縮機駆動モータ21bによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。圧縮要素2c、2dは、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素である。そして、圧縮機21は、吸入管2aから冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を圧縮要素2cによって圧縮した後に中間冷媒管6に吐出し、中間冷媒管6に吐出された冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を圧縮要素2dに吸入させて冷媒をさらに圧縮した後に吐出管2bに吐出するように構成されている。ここで、中間冷媒管6は、圧縮要素2dの前段側に接続された圧縮要素2cから吐出された冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を、圧縮要素2cの後段側に接続された圧縮要素2dに吸入させるための冷媒管である。また、吐出管2bは、圧縮機構2の圧縮要素2dから吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を放熱器としての熱源側熱交換器3に送るための冷媒管である。また、吸入管2aは、蒸発器としての利用側熱交換器5から戻る冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を圧縮機構2の圧縮要素2cに送るための冷媒管である。
このように、圧縮機構2は、ここでは、2つの圧縮要素2c、2dを有しており、これらの圧縮要素2c、2dのうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成されている。また、冷媒回路10には、圧縮機構2(ここでは、圧縮機21)の圧縮要素2c、2d等の摺動部を潤滑するための冷凍機油として、ポリアルキレングリコール(以下、PAGとする)が冷媒とともに封入されている。このPAGは、高粘性の特性を有しており、圧縮要素2c、2d等の摺動部に対して良好な潤滑性を示すものであるが、冷媒に対する相溶性が低い、いわゆる難溶性の冷凍機油である。そして、この冷凍機油の大部分は、圧縮機21のケーシング21a内に溜まっているが、冷凍機油の一部は、圧縮機構2から冷媒に同伴して圧縮機構2(ここでは、ケーシング21a)の外部に流出し、冷媒回路10内を循環することになる。
熱源側熱交換器3は、圧縮機構2によって圧縮された冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器3は、その一端が第1高圧冷媒管3a及び吐出管2bを介して圧縮機構2に接続されており、その他端が第2高圧冷媒管3b、エコノマイザ熱交換器12(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)及び第3高圧冷媒管3cを介して膨張機構4に接続されている。ここで、第1高圧冷媒管3aは、吐出管2bと放熱器としての熱源側熱交換器3の入口を接続する冷媒管である。また、第2高圧冷媒管3bは、放熱器としての熱源側熱交換器3の出口とエコノマイザ熱交換器12の入口(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路の入口)とを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、熱源側熱交換器3には、熱源側熱交換器3を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源として水や空気が供給されるようになっている。
膨張機構4は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒を減圧する機構であり、ここでは、膨張弁の一種である電動膨張弁が使用されている。膨張機構4は、その一端が第3高圧冷媒管3c、エコノマイザ熱交換器12(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)及び第2高圧冷媒管3bを介して熱源側熱交換器3に接続され、その他端が第1低圧冷媒管5aを介して利用側熱交換器5に接続されている。この膨張機構4は、放熱器としての熱源側熱交換器3及びエコノマイザ熱交換器12(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)において冷却された高圧の冷媒を蒸発器としての利用側熱交換器5に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。ここで、第1低圧冷媒管5aは、膨張機構4と蒸発器としての利用側熱交換器5の入口とを接続する冷媒管である。
利用側熱交換器5は、放熱器としての熱源側熱交換器3によって放熱された冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する熱交換器である。利用側熱交換器5は、その一端が第1低圧冷媒管5aを介して膨張機構4に接続されており、その他端が第2低圧冷媒管5b及び吸入管2aを介して圧縮機構2に接続されている。ここで、第2低圧冷媒管5bは、蒸発器としての利用側熱交換器5の出口と吸入管2aとを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、利用側熱交換器5には、利用側熱交換器5を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
インジェクション管11は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒を分岐して後段側の圧縮要素2dに戻す戻し管として機能する冷媒管である。ここで、インジェクション管11は、放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒を分岐するように設けられている。より具体的には、インジェクション管11は、エコノマイザ熱交換器12(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)の上流側の位置(ここでは、第2高圧冷媒管3b)から冷媒を分岐して中間冷媒管6に戻すように設けられている。インジェクション管11は、第2高圧冷媒管3bとエコノマイザ熱交換器12の入口(第2高圧冷媒管3bから分岐された冷媒側の流路の入口)とを接続する第1管11aと、エコノマイザ熱交換器12の出口(第2高圧冷媒管3bから分岐された冷媒側の流路の出口)と中間冷媒管6とを接続する第2管11bとを有している。そして、このインジェクション管11の第1管11aには、開度制御が可能な戻し弁として機能するインジェクション弁11cが設けられており、ここでは、膨張弁の一種である電動膨張弁が使用されている。このインジェクション弁11cは、第2高圧冷媒管3bからインジェクション管11に分岐された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒をエコノマイザ熱交換器12(第2高圧冷媒管3bから分岐された冷媒側の流路)に送る前に冷凍サイクルにおける中間圧付近まで減圧する。
エコノマイザ熱交換器12は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒と戻し管としてのインジェクション管11を流れる冷媒(より具体的には、戻し弁としてのインジェクション弁11cにおいて冷凍サイクルにおける中間圧付近まで減圧された後の冷媒)との熱交換を行う冷却器として機能する熱交換器である。ここで、エコノマイザ熱交換器12は、放熱器としての熱源側熱交換器3と膨張機構4との間(ここでは、第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3c)を流れる冷媒とインジェクション管11を流れる冷媒との熱交換を行うように設けられている。すなわち、エコノマイザ熱交換器12は、熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路と、インジェクション管11を流れる冷媒側の流路とを有しており、両流路間で冷媒の熱交換を行うようになっている。また、ここでは、インジェクション管11は、第2高圧冷媒管3bから分岐されている。このため、放熱器としての熱源側熱交換器3において冷却された冷媒は、エコノマイザ熱交換器12を通過する前に、インジェクション管11に分岐され、エコノマイザ熱交換器12において、インジェクション管11を流れる冷媒と熱交換を行うことになる。
(2)エコノマイザ熱交換器の構成
ここでは、上記のエコノマイザ熱交換器12として、図2〜図5に示すような、金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を有する熱交換器を採用している。ここで、図2は、エコノマイザ熱交換器12の概略斜視図であり、図3は、管部材21の横断面図であり、図4は、接続部材31、32及び管部材21の縦断面図であり、図5は、図4のA部の拡大図である。
エコノマイザ熱交換器12は、上記のように、主として、管部材21を有している。
管部材21は、内側流路22と、内側流路22の周囲に配置された複数(ここでは、12個)の外側流路23とを有する略円管状の部材である。ここでは、管部材21は、その全長が約1m〜数m程度であり、コイル状に巻かれた状態となっている。尚、管部材21は、直管状態やヘアピン状に折り曲げた状態であってもよい。また、管部材21の素材としては、アルミニウム又はアルミニウム合金が使用されている。
内側流路22は、管部材21の中心軸O方向(以下、単に軸方向とする)にわたって形成された孔である。内側流路22は、管部材21の横断面視において、管部材21の軸方向中心に対して同心的に配置されている。ここで、内側流路22の孔形状は、管部材21の横断面視において、略円形である。また、内側流路22の内径は、約4mm〜20mm程度である。
外側流路23は、内側流路22と同様、管部材21の軸方向にわたって形成された孔である。外側流路23は、管部材21の横断面視において、内側流路22の外周側でかつ管部材21の周方向に略等間隔に並ぶように配置されている。ここで、外側流路23の孔形状は、管部材21の横断面視において、外周側に向かうにつれて周方向幅が大きくなるような略四角形である。また、外側流路23の径方向又は周方向のサイズは、約1mm〜8mm程度である。
そして、外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aと対向する外周側面23bには、油引き込み部24が形成されている。ここで、内周側面23aとは、外側流路23を径方向外周側の部分と径方向内周側の部分とに分けた場合において、径方向内周側の部分を形成している内面である。また、外周側面23bとは、外側流路23を径方向外周側の部分と径方向内周側の部分とに分けた場合において、径方向外周側の部分を形成している内面である。そして、油引き込み部24は、管部材21の横断面視において、少なくとも2辺で囲まれた角部を含む空間である。より具体的には、油引き込み部24は、外側流路23の外周側面23bに形成された溝部24a〜24eである。すなわち、溝部24aは、管部材21の横断面視において、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25aと、辺25aと周方向に隣り合う辺25bとに囲まれる角部である。溝部24bは、管部材21の横断面視において、辺25bと周方向に隣り合う辺25cと、辺25cと周方向に隣り合う辺25dと、辺25dと周方向に隣り合う辺25eとに囲まれる角部である。溝部24cは、管部材21の横断面視において、辺25eと周方向に隣り合う辺25fと、辺25fと周方向に隣り合う辺25gと、辺25gと周方向に隣り合う辺25hとに囲まれる角部である。溝部24dは、管部材21の横断面視において、辺25hと周方向に隣り合う辺25iと、辺25iと周方向に隣り合う辺25jと、辺25jと周方向に隣り合う辺25kとに囲まれる角部である。溝部24eは、管部材21の横断面視において、辺25kと周方向に隣り合う辺25lと、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25m(辺25aの対辺)とに囲まれる角部である。これらの溝部24a〜24eがなす角部の半径R1〜R8は、0.2mm未満となっている。尚、外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aについても角部26a、26bが形成されている。より具体的には、角部26aは、管部材21の横断面視において、内周側面23aの周方向の端面をなす辺25aと、辺25aと周方向に隣り合う辺25nとに囲まれる角部である。角部26bは、管部材21の横断面視において、辺25nと、内周側面23aの周方向の端面をなす辺25m(辺25aの対辺)とに囲まれる角部である。しかし、これらの角部26a、26bは、外周側面23bに形成された油引き込み部24を形成する角部(ここでは、溝部24a〜24e)とは異なり、半径r1、r2が0.2mm以上となっている。
また、管部材21の内側流路22を形成する部分は、外側流路23を形成する部分よりも軸方向両端側に突出している。そして、管部材21の軸方向両端には、接続部材31、32が設けられている。接続部材31、32は、主として、キャップ33と、ノズル34とを有している。キャップ33は、複数の外側流路23を流れる流体を合流させるため、又は、複数の外側流路23へ流体を分岐させるための空間Sを形成するための部材である。キャップ33は、筒状の部材であり、その一端が管部材21の軸方向端の外周部に嵌合しており、その他端に管部材21の内側流路22を形成する部分の軸方向端部21aが管部材21の軸方向に向かって貫通する第1貫通孔33aが形成されている。そして、管部材21の軸方向端部21aは、内側流路22を流れる流体の入口又は出口を構成している。また、キャップ33には、管部材21の軸方向に交差する方向に向かって貫通する第2貫通孔33bが形成されており、ノズル34が挿入されている。ノズル34は、両端が開口した筒状の部材であり、外側流路23を流れる流体の入口又は出口を構成している。
そして、ここでは、管部材21の軸方向両端部21aにインジェクション管11の第1管11a及び第2管11bを接続し、接続部材31、32の両ノズル34に第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3cを接続するようにしている。これにより、このエコノマイザ熱交換器12では、内側流路22を流れる流体がインジェクション管11を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっている。
このように、このエコノマイザ熱交換器12では、内側流路22と外側流路23とが金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を使用しているため、低コストでかつコンパクトなものとなっている。
(3)空気調和装置の動作、及び、エコノマイザ熱交換器の特徴
次に、上記の空気調和装置1の動作である冷房運転について、図1〜図5を用いて説明する。
冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管2aから圧縮機構2に吸入される。この圧縮機構2に吸入された冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮要素2cによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管6に吐出される。この前段側の圧縮要素2cから吐出された冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒は、インジェクション管11から後段側の圧縮要素2dに戻される冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒と合流することで冷却される(以下、中間圧インジェクションとする)。このインジェクション管11から戻る冷媒と合流した冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒は、圧縮要素2cの後段側に接続された圧縮要素2dに吸入される。この圧縮要素2dに吸入された冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒は、圧縮要素2dによってさらに圧縮されて、圧縮機構2から吐出管2bに吐出される。ここで、圧縮機構2から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素2c、2dによる二段圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。そして、この圧縮機構2から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第1高圧冷媒管3aを通じて冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器3に送られる。この熱源側熱交換器3に送られた高圧の冷媒は、熱源側熱交換器3によって冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される。この熱源側熱交換器3において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、その一部が第2高圧冷媒管3bにおいて、戻し管としてのインジェクション管11に分岐される。そして、インジェクション管11を流れる冷媒は、戻し弁としてのインジェクション弁11cにおいて冷凍サイクルにおける中間圧付近まで減圧された後に、冷却器としてのエコノマイザ熱交換器12の内側流路22に送られる。また、インジェクション管11に分岐された後の(すなわち、第2高圧冷媒管3bを流れる)冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器12の外側流路23に流入し、内側流路22を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒と熱交換を行って冷却される。一方、インジェクション管11を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒は、外側流路23を流れる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒と熱交換を行って加熱されて、上述のように、前段側の圧縮要素2cから吐出された冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒に合流することになる。そして、エコノマイザ熱交換器12の外側流路23において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第3高圧冷媒管3cを通じて膨張機構4に送られる。膨張機構4に送られた冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、膨張機構4によって減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となり、第1低圧冷媒管5aを通じて冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器5に送られる。そして、この利用側熱交換器5に送られた冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器5によって加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて蒸発する。そして、この利用側熱交換器5において加熱され蒸発した冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、第2低圧冷媒管5b及び吸入管2aを通じて再び圧縮機構2に吸入される。このようにして、空気調和装置1の冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置1では、エコノマイザ熱交換器12及びインジェクション管11を用いた中間圧インジェクションを採用しているため、外部への放熱を行うことなく、後段側の圧縮要素2dに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、また、利用側熱交換器5に送られる冷媒を冷却することができる。これにより、エコノマイザ熱交換器12及びインジェクション管11による中間圧インジェクションを採用しない場合に比べて、圧縮機構2から吐出される冷媒の温度が低く抑えられ、また、利用側熱交換器5に送られる冷媒の単位流量当たりの冷房能力が高められるため、圧縮機構2の消費動力を減らし、空気調和装置1の運転効率や冷房能力を向上させることができる。
ところで、空気調和装置1では、圧縮機構2内に溜まっている冷凍機油の一部が、冷媒とともに圧縮機構2の外部に流出して、冷媒回路10内を循環することになる。このため、エコノマイザ熱交換器12の内側流路22や外側流路23にも、冷凍機油が混入した冷媒が流れることになる。ここで、この冷凍機油は冷媒に難溶であるため、仮に、外側流路23を流れる冷媒に混入する冷凍機油が外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aに付着すると、冷凍機油だけが外側流路23の内周側面23aに付着した状態が維持されやすい。このため、外側流路23を流れる冷媒の伝熱性能の低下が生じて、エコノマイザ熱交換器12の熱交換効率が低下し、これにより、エコノマイザ熱交換器12及びインジェクション管11を用いた中間圧インジェクションも十分に行えなくなり、空気調和装置1の運転効率や冷房能力を向上させにくくなる。
しかし、このエコノマイザ熱交換器12では、外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aと対向する外周側面23bに油引き込み部24が形成されているため、油引き込み部24によって外側流路23の外周側面23bに冷凍機油を引き込んで捕捉することができるようになっている。
これにより、このエコノマイザ熱交換器12では、内側流路22との熱交換を行う内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくすることができ、冷凍機油の混入による外側流路23の伝熱性能の低下を抑えることができるため、熱交換効率の低下を抑えることができ、その結果、エコノマイザ熱交換器12及びインジェクション管11を用いた中間圧インジェクションを十分に行うことができ、空気調和装置1の運転効率や冷房能力を向上させやすくなっている。しかも、このエコノマイザ熱交換器12では、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに捕捉することによって外側流路23の外周側面23bに断熱層を形成するため、外側流路23を流れる冷媒の熱が外側流路23の外周側面23bを通じて熱ロスとなって失われてしまうことを抑えることができる。
また、このエコノマイザ熱交換器12では、油引き込み部24が少なくとも2辺で囲まれた角部(ここでは、溝部24a〜24e)を含む空間であるため、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに引き込みやすく、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態を維持しやすくできる。しかも、このエコノマイザ熱交換器12では、角部(ここでは、溝部24a〜24e)の半径R1〜R8が0.2mm未満であるため、冷凍機油を油引き込み部24にさらに引き込みやすく、また、外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
尚、このエコノマイザ熱交換器12では、外側流路23の内周側面23aにも角部26a、26bが形成されているが、これらの角部26a、26bの半径r1、r2が0.2mm以上であり、外側流路23の外周側面23bに形成された角部(ここでは、溝部24a〜24e)よりも半径が大きいため、冷凍機油を外側流路23の内周側面23aに引き込みにくく、しかも、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくなっている。
(4)変形例1
上記の空気調和装置1(図1参照)に設けられたエコノマイザ熱交換器12(図2〜図5参照)では、外側流路23が管部材21の周方向にねじれなく軸方向に真っ直ぐに延びているが、例えば、管部材21を管部材21の周方向にねじる加工を施すことによって、外側流路23が管部材21の周方向にねじれながら軸方向に延びるようにしてもよい。すなわち、外側流路23が内側流路22の周囲を旋回しながら管部材21の軸方向に延びるようにしてもよい。
このエコノマイザ熱交換器12においては、外側流路23を流れる冷凍機油に遠心力が作用して、冷凍機油が外周側面23b寄りに移動するため、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油がさらに付着しにくくなり、これによって、冷凍機油が油引き込み部24に引き込まれることを促進することができ、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
(5)変形例2
上記の空気調和装置1(図1参照)では、インジェクション管11が熱源側熱交換器3とエコノマイザ熱交換器12とを接続する第2高圧冷媒管3b(すなわち、エコノマイザ熱交換器12の上流側の位置)から分岐されているが、図6に示すように、インジェクション管11がエコノマイザ熱交換器12と膨張機構4とを接続する第3高圧冷媒管3c(すなわち、エコノマイザ熱交換器12の下流側の位置)から分岐されていてもよい。
この場合においても、上記のエコノマイザ熱交換器12及びそれを備えた空気調和装置1と同様の作用効果を得ることができる。
(6)変形例3
上記の空気調和装置1(図1、図6参照)に設けられたエコノマイザ熱交換器12(図2〜図5参照)では、内側流路22を流れる流体がインジェクション管11を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっているが、内側流路22を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体がインジェクション管11を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒となっていてもよい。
この場合においても、エコノマイザ熱交換器12の外側流路23を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒に冷凍機油が混入することになるため、上記のエコノマイザ熱交換器12及びそれを備えた空気調和装置1と同様の作用効果を得ることができる。
(7)変形例4
上記の空気調和装置1(図1、図6参照)に設けられたエコノマイザ熱交換器12(図2〜図5参照)では、油引き込み部24として溝部24a〜24eが設けられているが、これに代えて、図7及び図8に示すような、管部材21の横断面視において、外周側面23bに形成された2つの角部24f、24gを油引き込み部24としてもよい。ここで、角部24fは、管部材21の横断面視において、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25aと、辺25aと周方向に隣り合う辺25oとに囲まれる角部である。角部24gは、管部材21の横断面視において、辺25oと、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25m(辺25aの対辺)とに囲まれる角部である。そして、これらの角部24f、24gがなす半径R9、R10は、溝部24a〜24eと同様、0.2mm未満である。また、内周側面23aに形成された2つの角部26a、26bは、角部24f、24gとは異なり、半径r1、r2が0.2mm以上である。
この場合においても、角部24f、24gが上記の溝部24a〜24eと同様の機能を果たすため、上記のエコノマイザ熱交換器12及びそれを備えた空気調和装置1と同様の作用効果を得ることができる。
<第2実施形態>
(1)空気調和装置の全体構成
図9は、本発明にかかる冷凍装置の第2実施形態としての空気調和装置101の概略構成図である。空気調和装置101は、冷房運転が可能となるように構成された冷媒回路110を有している。そして、この冷媒回路110には、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)が封入されているが、第1実施形態の空気調和装置1とは異なり、単段圧縮式冷凍サイクルが行われるようになっている。
空気調和装置101の冷媒回路110は、主として、圧縮機構102と、熱源側熱交換器3と、膨張機構4と、利用側熱交換器5と、吸入戻し管13と、過冷却熱交換器14とを有している。尚、圧縮機構102、吸入戻し管13及び過冷却熱交換器14を除く構成は、第1実施形態の空気調和装置1と同様であるため、ここでは、第1実施形態の空気調和装置1と同じ符号を付するものとする。
圧縮機構102は、ここでは、圧縮機121から構成されている。圧縮機121は、ケーシング121a内に、圧縮機駆動モータ121bと、駆動軸121cと、圧縮要素102cとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ121bは、駆動軸121cに連結されている。そして、この駆動軸121cは、圧縮要素102cに連結されている。すなわち、圧縮機121は、1つの圧縮要素102cが圧縮機駆動モータ121bによって回転駆動される、いわゆる単段圧縮構造となっている。圧縮要素102cは、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素である。そして、圧縮機121は、吸入管2aから冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を圧縮要素102cによって圧縮した後に吐出管2bに吐出するように構成されている。ここで、吐出管2bは、圧縮機構102の圧縮要素102cから吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を放熱器としての熱源側熱交換器3に送るための冷媒管である。また、吸入管2aは、蒸発器としての利用側熱交換器5から戻る冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を圧縮機構102の圧縮要素102cに送るための冷媒管である。
また、冷媒回路110には、圧縮機構102(ここでは、圧縮機121)の圧縮要素102c等の摺動部を潤滑するための冷凍機油として、ポリアルキレングリコール(以下、PAGとする)が冷媒とともに封入されている。このPAGは、高粘性の特性を有しており、圧縮要素102c等の摺動部に対して良好な潤滑性を示すものであるが、冷媒に対する相溶性が低い、いわゆる難溶性の冷凍機油である。そして、この冷凍機油の大部分は、圧縮機121のケーシング121a内に溜まっているが、冷凍機油の一部は、圧縮機構102から冷媒に同伴して圧縮機構102(ここでは、ケーシング121a)の外部に流出し、冷媒回路110内を循環することになる。
熱源側熱交換器3は、圧縮機構102によって圧縮された冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器3は、その一端が第1高圧冷媒管3a及び吐出管2bを介して圧縮機構102に接続されており、その他端が第2高圧冷媒管3b、過冷却熱交換器14(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)及び第3高圧冷媒管3cを介して膨張機構4に接続されている。ここで、第1高圧冷媒管3aは、吐出管2bと放熱器としての熱源側熱交換器3の入口を接続する冷媒管である。また、第2高圧冷媒管3bは、放熱器としての熱源側熱交換器3の出口と過冷却熱交換器14の入口(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路の入口)とを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、熱源側熱交換器3には、熱源側熱交換器3を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源として水や空気が供給されるようになっている。
膨張機構4は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒を減圧する機構であり、ここでは、膨張弁の一種である電動膨張弁が使用されている。膨張機構4は、その一端が第3高圧冷媒管3c、過冷却熱交換器14(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)及び第2高圧冷媒管3bを介して熱源側熱交換器3に接続され、その他端が第1低圧冷媒管5aを介して利用側熱交換器5に接続されている。この膨張機構4は、放熱器としての熱源側熱交換器3及び過冷却熱交換器14(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)において冷却された高圧の冷媒を蒸発器としての利用側熱交換器5に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。ここで、第1低圧冷媒管5aは、膨張機構4と蒸発器としての利用側熱交換器5の入口とを接続する冷媒管である。
利用側熱交換器5は、放熱器としての熱源側熱交換器3によって放熱された冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する熱交換器である。利用側熱交換器5は、その一端が第1低圧冷媒管5aを介して膨張機構4に接続されており、その他端が第2低圧冷媒管5b及び吸入管2aを介して圧縮機構102に接続されている。ここで、第2低圧冷媒管5bは、蒸発器としての利用側熱交換器5の出口と吸入管2aとを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、利用側熱交換器5には、利用側熱交換器5を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
吸入戻し管13は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒を分岐して圧縮機構102に戻す戻し管として機能する冷媒管である。ここで、吸入戻し管13は、放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒を分岐するように設けられている。より具体的には、吸入戻し管13は、過冷却熱交換器14(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)の上流側の位置(ここでは、第2高圧冷媒管3b)から冷媒を分岐して吸入管2aに戻すように設けられている。吸入戻し管13は、第2高圧冷媒管3bと過冷却熱交換器14の入口(第2高圧冷媒管3bから分岐された冷媒側の流路の入口)とを接続する第1管13aと、過冷却熱交換器14の出口(第2高圧冷媒管3bから分岐された冷媒側の流路の出口)と吸入管2b又は第2低圧冷媒管5bとを接続する第2管13bとを有している。そして、この吸入戻し管13の第1管13aには、開度制御が可能な戻し弁として機能する吸入戻し弁13cが設けられており、ここでは、膨張弁の一種である電動膨張弁が使用されている。この吸入戻し弁13cは、第2高圧冷媒管3bから吸入戻し管13に分岐された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を過冷却熱交換器14(第2高圧冷媒管3bから分岐された冷媒側の流路)に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。
過冷却熱交換器14は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒と戻し管としての吸入戻し管13を流れる冷媒(より具体的には、戻し弁としての吸入戻し弁13cにおいて冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧された後の冷媒)との熱交換を行う冷却器として機能する熱交換器である。ここで、過冷却熱交換器14は、放熱器としての熱源側熱交換器3と膨張機構4との間(ここでは、第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3c)を流れる冷媒と吸入戻し管13を流れる冷媒との熱交換を行うように設けられている。すなわち、過冷却熱交換器14は、熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路と、吸入戻し管13を流れる冷媒側の流路とを有しており、両流路間で冷媒の熱交換を行うようになっている。また、ここでは、吸入戻し管13は、第2高圧冷媒管3bから分岐されている。このため、放熱器としての熱源側熱交換器3において冷却された冷媒は、過冷却熱交換器14を通過する前に、吸入戻し管13に分岐され、過冷却熱交換器14において、吸入戻し管13を流れる冷媒と熱交換を行うことになる。
(2)過冷却熱交換器の構成
ここでは、上記の過冷却熱交換器14として、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、図2〜図5に示すような、金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を有する熱交換器を採用している。このため、過冷却熱交換器14の各部の構成については、ここでは、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同じ符号を付するものとする。
そして、ここでは、管部材21の軸方向両端部21aに吸入戻し管13の第1管13a及び第2管13bを接続し、接続部材31、32の両ノズル34に第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3cを接続するようにしている。これにより、この過冷却熱交換器14では、内側流路22を流れる流体が吸入戻し管13を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっている。
このように、この過冷却熱交換器14では、内側流路22と外側流路23とが金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を使用しているため、低コストでかつコンパクトなものとなっている。
(3)空気調和装置の動作、及び、過冷却熱交換器の特徴
次に、上記の空気調和装置101の動作である冷房運転について、図9及び図2〜図5を用いて説明する。
冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管2aから圧縮機構102に吸入される。この圧縮機構102に吸入された冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮要素102cによって冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、吐出管2bに吐出される。ここで、圧縮機構102から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素102cによる圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。そして、この圧縮機構102から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第1高圧冷媒管3aを通じて冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器3に送られる。この熱源側熱交換器3に送られた高圧の冷媒は、熱源側熱交換器3によって冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される。この熱源側熱交換器3において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、その一部が第2高圧冷媒管3bにおいて、戻し管としての吸入戻し管13に分岐される。そして、吸入戻し管13を流れる冷媒は、戻し弁としての吸入戻し弁13cにおいて冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧された後に、冷却器としての過冷却熱交換器14の内側流路22に送られる。また、吸入戻し管13に分岐された後の(すなわち、第2高圧冷媒管3bを流れる)冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、過冷却熱交換器14の外側流路23に流入し、内側流路22を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒と熱交換を行って冷却される。一方、吸入戻し管13を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、外側流路23を流れる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒と熱交換を行って加熱されて、圧縮機構102の吸入側の冷凍サイクルにおける低圧の冷媒に合流することになる。そして、過冷却熱交換器14の外側流路23において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第3高圧冷媒管3cを通じて膨張機構4に送られる。膨張機構4に送られた冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、膨張機構4によって減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となり、第1低圧冷媒管5aを通じて冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器5に送られる。そして、この利用側熱交換器5に送られた冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器5によって加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて蒸発する。そして、この利用側熱交換器5において加熱され蒸発した冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、第2低圧冷媒管5b又は吸入管2aにおいて、吸入戻し管13から圧縮機構102に戻される冷凍サイクルにおける低圧の冷媒と合流する。そして、この吸入戻し管13から戻る冷媒と合流した冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、再び圧縮機構2に吸入される。このようにして、空気調和装置101の冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置101では、過冷却熱交換器14及び吸入戻し管13を用いて、熱源側熱交換器3において放熱した冷媒をさらに冷却した後に、利用側熱交換器5に送ることができる。これにより、過冷却熱交換器14及び吸入戻し管13を用いない場合に比べて、利用側熱交換器5に送られる冷媒の単位流量当たりの冷房能力が高められるため、空気調和装置101の冷房能力を向上させることができる。
ところで、空気調和装置101では、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、圧縮機構102内に溜まっている冷凍機油の一部が、冷媒とともに圧縮機構102の外部に流出して、冷媒回路110内を循環することになる。このため、過冷却熱交換器14の内側流路22や外側流路23にも、冷凍機油が混入した冷媒が流れることになる。ここで、仮に、外側流路23を流れる冷媒に混入する冷凍機油が外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aに付着すると、外側流路23を流れる冷媒の伝熱性能の低下を生じさせることになるため、過冷却熱交換器14の熱交換効率が低下し、これにより、過冷却熱交換器14及び吸入戻し管13を用いて、熱源側熱交換器3において放熱した冷媒を十分に冷却することができなくなり、空気調和装置101の冷房能力も向上させにくくなる。
しかし、この過冷却熱交換器14では、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aと対向する外周側面23bに油引き込み部24が形成されているため、油引き込み部24によって外側流路23の外周側面23bに冷凍機油を引き込んで捕捉することができるようになっている。
これにより、この過冷却熱交換器14では、内側流路22との熱交換を行う内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくすることができ、冷凍機油の混入による外側流路23の伝熱性能の低下を抑えることができるため、熱交換効率の低下を抑えることができ、その結果、過冷却熱交換器14及び吸入戻し管13を用いて、熱源側熱交換器3において放熱した冷媒を十分に冷却することができ、空気調和装置101の冷房能力を向上させやすくなっている。しかも、この過冷却熱交換器14では、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに捕捉することによって外側流路23の外周側面23bに断熱層を形成するため、外側流路23を流れる冷媒の熱が外側流路23の外周側面23bを通じて熱ロスとなって失われてしまうことを抑えることができる。
また、この過冷却熱交換器14では、油引き込み部24が少なくとも2辺で囲まれた角部(ここでは、溝部24a〜24e)を含む空間であるため、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに引き込みやすく、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態を維持しやすくできる。しかも、この過冷却熱交換器14では、角部(ここでは、溝部24a〜24e)の半径R1〜R8が0.2mm未満であるため、冷凍機油を油引き込み部24にさらに引き込みやすく、また、外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
尚、この過冷却熱交換器14では、外側流路23の内周側面23aにも角部26a、26bが形成されているが、これらの角部26a、26bの半径r1、r2が0.2mm以上であり、外側流路23の外周側面23bに形成された角部(ここでは、溝部24a〜24e)よりも半径が大きいため、冷凍機油を外側流路23の内周側面23aに引き込みにくく、しかも、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくなっている。
(4)変形例1
上記の空気調和装置101(図9参照)に設けられた過冷却熱交換器14(図2〜図5参照)では、外側流路23が管部材21の周方向にねじれなく軸方向に真っ直ぐに延びているが、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、例えば、管部材21を管部材21の周方向にねじる加工を施すことによって、外側流路23が管部材21の周方向にねじれながら軸方向に延びるようにしてもよい。すなわち、外側流路23が内側流路22の周囲を旋回しながら管部材21の軸方向に延びるようにしてもよい。
この過冷却熱交換器14においては、外側流路23を流れる冷凍機油に遠心力が作用して、冷凍機油が外周側面23b寄りに移動するため、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油がさらに付着しにくくなり、これによって、冷凍機油が油引き込み部24に引き込まれることを促進することができ、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
(5)変形例2
上記の空気調和装置101(図9参照)では、吸入戻し管13が熱源側熱交換器3と過冷却熱交換器14とを接続する第2高圧冷媒管3b(すなわち、過冷却熱交換器14の上流側の位置)から分岐されているが、図10に示すように、吸入戻し管13が過冷却熱交換器14と膨張機構4とを接続する第3高圧冷媒管3c(すなわち、過冷却熱交換器14の下流側の位置)から分岐されていてもよい。
この場合においても、上記の過冷却熱交換器14及びそれを備えた空気調和装置101と同様の作用効果を得ることができる。
(6)変形例3
上記の空気調和装置101(図9、図10参照)に設けられた過冷却熱交換器14(図2〜図5参照)では、内側流路22を流れる流体が吸入戻し管13を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっているが、内側流路22を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が吸入戻し管13を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒となっていてもよい。
この場合においても、過冷却熱交換器14の外側流路23を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒に冷凍機油が混入することになるため、上記の過冷却熱交換器14及びそれを備えた空気調和装置101と同様の作用効果を得ることができる。
(7)変形例4
上記の空気調和装置101(図9、図10参照)に設けられた過冷却熱交換器14(図2〜図5参照)では、油引き込み部24として溝部24a〜24eが設けられているが、これに代えて、第1実施形態におけるエコノマイザ熱交換器12と同様に、図7及び図8に示すような、管部材21の横断面視において、外周側面23bに形成された2つの角部24f、24gを油引き込み部24としてもよい。ここで、角部24fは、管部材21の横断面視において、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25aと、辺25aと周方向に隣り合う辺25oとに囲まれる角部である。角部24gは、管部材21の横断面視において、辺25oと、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25m(辺25aの対辺)とに囲まれる角部である。そして、これらの角部24f、24gがなす半径R9、R10は、溝部24a〜24eと同様、0.2mm未満である。また、内周側面23aに形成された2つの角部26a、26bは、角部24f、24gとは異なり、半径r1、r2が0.2mm以上である。
この場合においても、角部24f、24gが上記の溝部24a〜24eと同様の機能を果たすため、上記の過冷却熱交換器14及びそれを備えた空気調和装置101と同様の作用効果を得ることができる。
<第3実施形態>
(1)空気調和装置の全体構成
図11は、本発明にかかる冷凍装置の第3実施形態としての空気調和装置201の概略構成図である。空気調和装置201は、冷房運転が可能となるように構成された冷媒回路210を有している。そして、この冷媒回路210には、第1及び第2実施形態の空気調和装置1、101と同様に、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)が封入されており、第2実施形態の空気調和装置101と同様に、単段圧縮式冷凍サイクルが行われるようになっている。
空気調和装置201の冷媒回路210は、主として、圧縮機構102と、熱源側熱交換器3と、膨張機構4と、利用側熱交換器5と、液ガス熱交換器15とを有している。尚、液ガス熱交換器15を除く構成は、第2実施形態の空気調和装置101と同様であるため、ここでは、第2実施形態の空気調和装置101と同じ符号を付するものとする。
熱源側熱交換器3は、圧縮機構102によって圧縮された冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器3は、その一端が第1高圧冷媒管3a及び吐出管2bを介して圧縮機構102に接続されており、その他端が第2高圧冷媒管3b、過冷却熱交換器14(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)及び第3高圧冷媒管3cを介して膨張機構4に接続されている。ここで、第1高圧冷媒管3aは、吐出管2bと放熱器としての熱源側熱交換器3の入口を接続する冷媒管である。また、第2高圧冷媒管3bは、放熱器としての熱源側熱交換器3の出口と液ガス熱交換器15の入口(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路の入口)とを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、熱源側熱交換器3には、熱源側熱交換器3を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源として水や空気が供給されるようになっている。
膨張機構4は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒を減圧する機構であり、ここでは、膨張弁の一種である電動膨張弁が使用されている。膨張機構4は、その一端が第3高圧冷媒管3c、過冷却熱交換器14(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)及び第2高圧冷媒管3bを介して熱源側熱交換器3に接続され、その他端が第1低圧冷媒管5aを介して利用側熱交換器5に接続されている。この膨張機構4は、放熱器としての熱源側熱交換器3及び液ガス熱交換器15(熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)において冷却された高圧の冷媒を蒸発器としての利用側熱交換器5に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。ここで、第1低圧冷媒管5aは、膨張機構4と蒸発器としての利用側熱交換器5の入口とを接続する冷媒管である。
利用側熱交換器5は、放熱器としての熱源側熱交換器3によって放熱された冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する熱交換器である。利用側熱交換器5は、その一端が第1低圧冷媒管5aを介して膨張機構4に接続されており、その他端が第2低圧冷媒管5b、液ガス熱交換器15(利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷媒側の流路)及び吸入管2aを介して圧縮機構102に接続されている。ここで、第2低圧冷媒管5bは、蒸発器としての利用側熱交換器5の出口と液ガス熱交換器15の入口(利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷媒側の流路の入口)とを接続する冷媒管である。また、吸入管2aは、液ガス熱交換器15の出口(利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷媒側の流路の出口)と圧縮機構102とを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、利用側熱交換器5には、利用側熱交換器5を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
液ガス熱交換器15は、放熱器としての熱源側熱交換器3から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒と蒸発器としての利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷媒との熱交換を行う冷却器として機能する熱交換器である。ここで、液ガス熱交換器15は、放熱器としての熱源側熱交換器3と膨張機構4との間(ここでは、第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3c)を流れる冷媒と蒸発器としての利用側熱交換器5と圧縮機構102との間(ここでは、第2低圧冷媒管5b及び吸入管2a)を流れる冷媒との熱交換を行うように設けられている。すなわち、液ガス熱交換器15は、熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒側の流路と、利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷媒側の流路とを有しており、両流路間で冷媒の熱交換を行うようになっている。
(2)液ガス熱交換器の構成
ここでは、上記の液ガス熱交換器15として、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、図2〜図5に示すような、金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を有する熱交換器を採用している。このため、液ガス熱交換器15の各部の構成については、ここでは、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同じ符号を付するものとする。
そして、ここでは、管部材21の軸方向両端部21aに第2低圧冷媒管5b及び吸入管2aを接続し、接続部材31、32の両ノズル34に第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3cを接続するようにしている。これにより、この液ガス熱交換器15では、内側流路22を流れる流体が利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっている。
このように、この液ガス熱交換器15では、内側流路22と外側流路23とが金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を使用しているため、低コストでかつコンパクトなものとなっている。
(3)空気調和装置の動作、及び、液ガス熱交換器の特徴
次に、上記の空気調和装置201の動作である冷房運転について、図11及び図2〜図5を用いて説明する。
冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管2aから圧縮機構102に吸入される。この圧縮機構102に吸入された冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮要素102cによって冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、吐出管2bに吐出される。ここで、圧縮機構102から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素102cによる圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。そして、この圧縮機構102から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第1高圧冷媒管3aを通じて冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器3に送られる。この熱源側熱交換器3に送られた高圧の冷媒は、熱源側熱交換器3によって冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される。この熱源側熱交換器3において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第2高圧冷媒管3bを通じて、冷却器としての液ガス熱交換器15の外側流路23に流入し、内側流路22を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒(ここでは、利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷媒)と熱交換を行って冷却される。そして、液ガス熱交換器15の外側流路23において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第3高圧冷媒管3cを通じて膨張機構4に送られる。膨張機構4に送られた冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、膨張機構4によって減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となり、第1低圧冷媒管5aを通じて冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器5に送られる。そして、この利用側熱交換器5に送られた冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器5によって加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて蒸発する。そして、この利用側熱交換器5において加熱され蒸発した冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、第2低圧冷媒管5bを通じて、液ガス熱交換器15の内側流路22に流入し、外側流路23を流れる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒(ここでは、熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷媒)と熱交換を行って加熱される。そして、液ガス熱交換器15の内側流路22において加熱された冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管2aを通じて再び圧縮機構2に吸入される。このようにして、空気調和装置201の冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置201では、液ガス熱交換器15を用いて、熱源側熱交換器3において放熱した冷媒をさらに冷却した後に、利用側熱交換器5に送ることができる。これにより、液ガス熱交換器15を用いない場合に比べて、利用側熱交換器5に送られる冷媒の単位流量当たりの冷房能力が高められるため、空気調和装置201の冷房能力を向上させることができる。
ところで、空気調和装置201では、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、圧縮機構102内に溜まっている冷凍機油の一部が、冷媒とともに圧縮機構102の外部に流出して、冷媒回路210内を循環することになる。このため、過冷却熱交換器14の内側流路22や外側流路23にも、冷凍機油が混入した冷媒が流れることになる。ここで、仮に、外側流路23を流れる冷媒に混入する冷凍機油が外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aに付着すると、外側流路23を流れる冷媒の伝熱性能の低下を生じさせることになるため、液ガス熱交換器15の熱交換効率が低下し、これにより、液ガス熱交換器15を用いて、熱源側熱交換器3において放熱した冷媒を十分に冷却することができなくなり、空気調和装置201の冷房能力も向上させにくくなる。
しかし、この液ガス熱交換器15では、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aと対向する外周側面23bに油引き込み部24が形成されているため、油引き込み部24によって外側流路23の外周側面23bに冷凍機油を引き込んで捕捉することができるようになっている。
これにより、この液ガス熱交換器15では、内側流路22との熱交換を行う内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくすることができ、冷凍機油の混入による外側流路23の伝熱性能の低下を抑えることができるため、熱交換効率の低下を抑えることができ、その結果、液ガス熱交換器15を用いて、熱源側熱交換器3において放熱した冷媒を十分に冷却することができ、空気調和装置201の冷房能力を向上させやすくなっている。しかも、この液ガス熱交換器15では、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに捕捉することによって外側流路23の外周側面23bに断熱層を形成するため、外側流路23を流れる冷媒の熱が外側流路23の外周側面23bを通じて熱ロスとなって失われてしまうことを抑えることができる。
また、この液ガス熱交換器15では、油引き込み部24が少なくとも2辺で囲まれた角部(ここでは、溝部24a〜24e)を含む空間であるため、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに引き込みやすく、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態を維持しやすくできる。しかも、この過冷却熱交換器14では、角部(ここでは、溝部24a〜24e)の半径R1〜R8が0.2mm未満であるため、冷凍機油を油引き込み部24にさらに引き込みやすく、また、外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
尚、この液ガス熱交換器15では、外側流路23の内周側面23aにも角部26a、26bが形成されているが、これらの角部26a、26bの半径r1、r2が0.2mm以上であり、外側流路23の外周側面23bに形成された角部(ここでは、溝部24a〜24e)よりも半径が大きいため、冷凍機油を外側流路23の内周側面23aに引き込みにくく、しかも、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくなっている。
(4)変形例1
上記の空気調和装置201(図11参照)に設けられた液ガス熱交換器15(図2〜図5参照)では、外側流路23が管部材21の周方向にねじれなく軸方向に真っ直ぐに延びているが、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、例えば、管部材21を管部材21の周方向にねじる加工を施すことによって、外側流路23が管部材21の周方向にねじれながら軸方向に延びるようにしてもよい。すなわち、外側流路23が内側流路22の周囲を旋回しながら管部材21の軸方向に延びるようにしてもよい。
この液ガス熱交換器15においては、外側流路23を流れる冷凍機油に遠心力が作用して、冷凍機油が外周側面23b寄りに移動するため、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油がさらに付着しにくくなり、これによって、冷凍機油が油引き込み部24に引き込まれることを促進することができ、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
(5)変形例2
上記の空気調和装置201(図11参照)に設けられた液ガス熱交換器15(図2〜図5参照)では、内側流路22を流れる流体が吸入戻し管13を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっているが、内側流路22を流れる流体が放熱器としての熱源側熱交換器3から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となり、外側流路23を流れる流体が蒸発器としての利用側熱交換器5から圧縮機構102に送られる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒となっていてもよい。
この場合においても、液ガス熱交換器15の外側流路23を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒に冷凍機油が混入することになるため、上記の液ガス熱交換器15及びそれを備えた空気調和装置201と同様の作用効果を得ることができる。
(6)変形例3
上記の空気調和装置201(図11参照)に設けられた液ガス熱交換器15(図2〜図5参照)では、油引き込み部24として溝部24a〜24eが設けられているが、これに代えて、第1実施形態におけるエコノマイザ熱交換器12と同様に、図7及び図8に示すような、管部材21の横断面視において、外周側面23bに形成された2つの角部24f、24gを油引き込み部24としてもよい。ここで、角部24fは、管部材21の横断面視において、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25aと、辺25aと周方向に隣り合う辺25oとに囲まれる角部である。角部24gは、管部材21の横断面視において、辺25oと、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25m(辺25aの対辺)とに囲まれる角部である。そして、これらの角部24f、24gがなす半径R9、R10は、溝部24a〜24eと同様、0.2mm未満である。また、内周側面23aに形成された2つの角部26a、26bは、角部24f、24gとは異なり、半径r1、r2が0.2mm以上である。
この場合においても、角部24f、24gが上記の溝部24a〜24eと同様の機能を果たすため、上記の液ガス熱交換器15及びそれを備えた空気調和装置201と同様の作用効果を得ることができる。
<第4実施形態>
(1)ヒートポンプ給湯機の全体構成
図12は、本発明にかかる冷凍装置の第4実施形態としてのヒートポンプ給湯機301の概略構成図である。ヒートポンプ給湯機301は、給湯運転が可能となるように構成された冷媒回路310を有している。そして、この冷媒回路310には、第1〜第3実施形態の空気調和装置1、101、201と同様に、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)が封入されており、第2及び第3実施形態の空気調和装置101、201と同様に、単段圧縮式冷凍サイクルが行われるようになっている。
ヒートポンプ給湯機301の冷媒回路310は、主として、圧縮機構102と、冷媒−水熱交換器16と、膨張機構4と、利用側熱交換器5とを有している。尚、冷媒−水熱交換器16を除く構成は、第3実施形態の空気調和装置201と同様であるため、ここでは、第2実施形態の空気調和装置201と同じ符号を付するものとする。
圧縮機構102は、ここでは、圧縮機121から構成されている。圧縮機121は、ケーシング121a内に、圧縮機駆動モータ121bと、駆動軸121cと、圧縮要素102cとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ121bは、駆動軸121cに連結されている。そして、この駆動軸121cは、圧縮要素102cに連結されている。すなわち、圧縮機121は、1つの圧縮要素102cが圧縮機駆動モータ121bによって回転駆動される、いわゆる単段圧縮構造となっている。圧縮要素102cは、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素である。そして、圧縮機121は、吸入管2aから冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を圧縮要素102cによって圧縮した後に吐出管2bに吐出するように構成されている。ここで、吐出管2bは、圧縮機構102の圧縮要素102cから吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を放熱器としての冷媒−水熱交換器16に送るための冷媒管である。また、吸入管2aは、蒸発器としての利用側熱交換器5から戻る冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を圧縮機構102の圧縮要素102cに送るための冷媒管である。
冷媒−水熱交換器16は、圧縮機構102によって圧縮された冷媒の放熱器として機能して、水回路17を流れる水を加熱する熱交換器である。ここで、冷媒−水熱交換器16は、圧縮機構102と膨張機構4との間(ここでは、第1〜第3高圧冷媒管3a〜3c)を流れる冷媒と水回路17(ここでは、第1水管17a及び第2水管17b)を流れる水との熱交換を行うように設けられている。すなわち、冷媒−水熱交換器16は、圧縮機構102から膨張機構4に送られる冷媒側の流路と、水回路17を流れる水側の流路とを有しており、両流路間で冷媒と水との熱交換を行うようになっている。尚、第1高圧冷媒管3aは、吐出管2bと放熱器としての冷媒−水熱交換器16の入口(圧縮機構102から膨張機構4に送られる冷媒側の流路の入口)を接続する冷媒管である。また、第2高圧冷媒管3b及び第3高圧冷媒管3cは、放熱器としての冷媒−水熱交換器16の出口(圧縮機構102から膨張機構4に送られる冷媒側の流路の出口)と膨張機構4とを接続する冷媒管である。
膨張機構4は、放熱器としての冷媒−水熱交換器16から蒸発器としての利用側熱交換器5に送られる冷媒を減圧する機構であり、ここでは、膨張弁の一種である電動膨張弁が使用されている。膨張機構4は、その一端が第3高圧冷媒管3c及び第2高圧冷媒管3bを介して冷媒−水熱交換器16(圧縮機構102から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)に接続され、その他端が第1低圧冷媒管5aを介して利用側熱交換器5に接続されている。この膨張機構4は、放熱器としての冷媒−水熱交換器16(圧縮機構102から膨張機構4に送られる冷媒側の流路)において冷却された高圧の冷媒を蒸発器としての利用側熱交換器5に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。ここで、第1低圧冷媒管5aは、膨張機構4と蒸発器としての利用側熱交換器5の入口とを接続する冷媒管である。
利用側熱交換器5は、放熱器としての冷媒−水熱交換器16によって放熱された冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する熱交換器である。利用側熱交換器5は、その一端が第1低圧冷媒管5aを介して膨張機構4に接続されており、その他端が第2低圧冷媒管5b及び吸入管2aを介して圧縮機構102に接続されている。ここで、第2低圧冷媒管5bは、蒸発器としての利用側熱交換器5の出口と吸入管2aとを接続する冷媒管である。尚、ここでは図示しないが、利用側熱交換器5には、利用側熱交換器5を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
(2)冷媒−水熱交換器の構成
ここでは、上記の冷媒−水熱交換器16として、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、図2〜図5に示すような、金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を有する熱交換器を採用している。このため、冷媒−水熱交換器16の各部の構成については、ここでは、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同じ符号を付するものとする。
そして、ここでは、管部材21の軸方向両端部21aに第1水管17a及び第2水管17bを接続し、接続部材31、32の両ノズル34に第1高圧冷媒管3a及び第2高圧冷媒管3bを接続するようにしている。これにより、この冷媒−水熱交換器16では、内側流路22を流れる流体が水回路17を流れる水となり、外側流路23を流れる流体が圧縮機構102から膨張機構4に送られる冷凍サイクルにおける高圧の冷媒となっている。
このように、この冷媒−水熱交換器16では、内側流路22と外側流路23とが金属素材の押し出し加工によって一体成形された管部材21を使用しているため、低コストでかつコンパクトなものとなっている。
(3)ヒートポンプ給湯機の動作、及び、冷媒−水熱交換器の特徴
次に、上記のヒートポンプ給湯機301の動作である給湯運転について、図12及び図2〜図5を用いて説明する。
冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管2aから圧縮機構102に吸入される。この圧縮機構102に吸入された冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮要素102cによって冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、吐出管2bに吐出される。ここで、圧縮機構102から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素102cによる圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。そして、この圧縮機構102から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第1高圧冷媒管3aを通じて冷媒の放熱器として機能する冷媒−水熱交換器16の外側流路23に送られる。この冷媒−水熱交換器16の外側流路23に送られた高圧の冷媒は、冷媒−水熱交換器16の内側流路22を流れる水と熱交換を行って冷却される。この冷媒−水熱交換器16において冷却された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、第2高圧冷媒管3bを通じて膨張機構4に送られる。膨張機構4に送られた冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、膨張機構4によって減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となり、第1低圧冷媒管5aを通じて冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器5に送られる。そして、この利用側熱交換器5に送られた冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器5によって加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて蒸発する。そして、この利用側熱交換器5において加熱され蒸発した冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管2aを通じて再び圧縮機構2に吸入される。
一方、水回路17を流れる水は、第1水管17aを通じて冷媒−水熱交換器16の内側流路22に送られる。この冷媒−水熱交換器16の内側流路22に送られた水は、上記のように、冷媒−水熱交換器16の外側流路23を流れる冷媒と熱交換を行って加熱される。この冷媒−水熱交換器16において加熱された水は、第2水管17bを通じて給湯に供される。このようにして、ヒートポンプ給湯機301の給湯運転が行われる。
ところで、ヒートポンプ給湯機301では、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、圧縮機構102内に溜まっている冷凍機油の一部が、冷媒とともに圧縮機構102の外部に流出して、冷媒回路310内を循環することになる。このため、冷媒−水熱交換器16の外側流路23にも、冷凍機油が混入した冷媒が流れることになる。ここで、仮に、外側流路23を流れる冷媒に混入する冷凍機油が外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aに付着すると、外側流路23を流れる冷媒の伝熱性能の低下を生じさせることになるため、冷媒−水熱交換器16の熱交換効率が低下し、これにより、冷媒−水熱交換器16を用いて、水回路17を流れる水を十分に加熱することができなくなり、ヒートポンプ給湯機301の給湯能力の低下が生じるおそれがある。
しかし、この冷媒−水熱交換器16では、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、外側流路23の内面のうち内側流路22に近い内周側面23aと対向する外周側面23bに油引き込み部24が形成されているため、油引き込み部24によって外側流路23の外周側面23bに冷凍機油を引き込んで捕捉することができるようになっている。
これにより、この冷媒−水熱交換器16では、内側流路22との熱交換を行う内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくすることができ、冷凍機油の混入による外側流路23の伝熱性能の低下を抑えることができるため、熱交換効率の低下を抑えることができ、その結果、冷媒−水熱交換器16を用いて、水回路17を流れる水を十分に加熱することができ、ヒートポンプ給湯機301の給湯能力の低下が生じることを抑えることができる。しかも、この冷媒−水ガス熱交換器16では、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに捕捉することによって外側流路23の外周側面23bに断熱層を形成するため、外側流路23を流れる冷媒の熱が外側流路23の外周側面23bを通じて熱ロスとなって失われてしまうことを抑えることができる。
また、この冷媒−水熱交換器16では、油引き込み部24が少なくとも2辺で囲まれた角部(ここでは、溝部24a〜24e)を含む空間であるため、冷凍機油を外側流路23の外周側面23bに引き込みやすく、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態を維持しやすくできる。しかも、この過冷却熱交換器14では、角部(ここでは、溝部24a〜24e)の半径R1〜R8が0.2mm未満であるため、冷凍機油を油引き込み部24にさらに引き込みやすく、また、外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
尚、この冷媒−水熱交換器16では、外側流路23の内周側面23aにも角部26a、26bが形成されているが、これらの角部26a、26bの半径r1、r2が0.2mm以上であり、外側流路23の外周側面23bに形成された角部(ここでは、溝部24a〜24e)よりも半径が大きいため、冷凍機油を外側流路23の内周側面23aに引き込みにくく、しかも、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油が付着しにくくなっている。
(4)変形例1
上記のヒートポンプ給湯機301(図12参照)に設けられた冷媒−水熱交換器16(図2〜図5参照)では、外側流路23が管部材21の周方向にねじれなく軸方向に真っ直ぐに延びているが、第1実施形態のエコノマイザ熱交換器12と同様に、例えば、管部材21を管部材21の周方向にねじる加工を施すことによって、外側流路23が管部材21の周方向にねじれながら軸方向に延びるようにしてもよい。すなわち、外側流路23が内側流路22の周囲を旋回しながら管部材21の軸方向に延びるようにしてもよい。
この冷媒−水熱交換器16においては、外側流路23を流れる冷凍機油に遠心力が作用して、冷凍機油が外周側面23b寄りに移動するため、外側流路23の内周側面23aに冷凍機油がさらに付着しにくくなり、これによって、冷凍機油が油引き込み部24に引き込まれることを促進することができ、また、冷凍機油が外側流路23の外周側面23bに捕捉された状態をさらに維持しやすくできる。
(5)変形例2
上記のヒートポンプ給湯機301(図12参照)に設けられた冷媒−水熱交換器16(図2〜図5参照)では、油引き込み部24として溝部24a〜24eが設けられているが、これに代えて、第1実施形態におけるエコノマイザ熱交換器12と同様に、図7及び図8に示すような、管部材21の横断面視において、外周側面23bに形成された2つの角部24f、24gを油引き込み部24としてもよい。ここで、角部24fは、管部材21の横断面視において、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25aと、辺25aと周方向に隣り合う辺25oとに囲まれる角部である。角部24gは、管部材21の横断面視において、辺25oと、外周側面23bの周方向の端面をなす辺25m(辺25aの対辺)とに囲まれる角部である。そして、これらの角部24f、24gがなす半径R9、R10は、溝部24a〜24eと同様、0.2mm未満である。また、内周側面23aに形成された2つの角部26a、26bは、角部24f、24gとは異なり、半径r1、r2が0.2mm以上である。
この場合においても、角部24f、24gが上記の溝部24a〜24eと同様の機能を果たすため、上記の冷媒−水熱交換器16及びそれを備えたヒートポンプ給湯機301と同様の作用効果を得ることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)上記の実施形態及びその変形例では、内側流路22の内面が平滑な円形面を構成しているが、これに限定されず、内面を溝付きにする等の他の内面を採用してもよい。また、内側流路22及び外側流路23の横断面視における形状や接続部材31、32の形状は、上記の実施形態及びその変形例のものに限定されない。
(2)上記の第1〜第3実施形態及びその変形例では、冷房専用の空気調和装置1、101、201に本発明を適用した例を説明したが、冷暖切換可能な空気調和装置のような他の型式の空気調和装置に適用してもよい。
(3)第1実施形態において、第2実施形態及びその変形例と同様の過冷却熱交換器14及び吸入戻し管13を追加してもよい。また、第1実施形態において、第2実施形態及びその変形例と同様の液ガス熱交換器15を追加してもよい。また、第1実施形態において、第2、第3実施形態及びその変形例と同様の過冷却熱交換器14、吸入戻し管13及び液ガス熱交換器15を追加してもよい。
(4)第2実施形態において、第2実施形態及びその変形例と同様の過冷却熱交換器14及び吸入戻し管13を追加してもよい。
(5)第4実施形態において、第3実施形態と同様の液ガス熱交換器15を追加してもよい。また、第4実施形態において、第1実施形態及びその変形例と同様の2段圧縮式の圧縮機構2を採用してもよい。また、第4実施形態において、第1実施形態及びその変形例と同様の2段圧縮式の圧縮機構2を採用するとともに、第1実施形態及びその変形例と同様のエコノマイザ熱交換器12及びインジェクション管11を追加してもよい。