JP5332755B2 - 紙冊子、その製造方法及び転写装置 - Google Patents

紙冊子、その製造方法及び転写装置 Download PDF

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Description

本発明は、紙冊子、その製造方法及び転写装置に関し、更に詳しくは、通帳やパスポート等の紙冊子に転写箔を不具合なく転写してなる紙冊子、その製造方法及び転写装置に関する。
キャッシュカード、クレジットカード、ポイントカード等のカード類、学生証、社員証、会員証、外国人登録証、免許証等のカード型証明書類、通帳、パスポート等の紙冊子型重要書類等には、保護層を転写することがしばしば行われている。例えば、下記特許文献1には、カードの印刷面を保護するための箔を転写する方法が提案されている。同文献で用いる転写フィルムは、支持体(基材フィルムともいう。)、剥離層、転写箔、接着層がその順で設けられたものであり、その接着層をカードに当てて接着させ、その後に基材フィルムを引き剥がすことにより、転写箔をカード上に転写している。
ところで、下記特許文献1の転写方法を含む従来の転写方法においては、転写フィルムの製造や取り扱い(ハンドリング)の関係から、転写箔を基材フィルムにある程度の剥離強度で接着させていなければならないが、その剥離強度は、転写箔をカード等の被転写体に転写させる際の箔切れ性(基材フィルムからの転写箔の剥がれ性のこと。)が問題となることが多い。特許文献1においても、転写箔のバリがカードに残ってしまうという箔切れ性の問題に対する解決手段を提案している。
特開2001−63294号公報(第0077段落、図12)
上記特許文献1においては、それ自体の強度が強いカードを被転写体としているので、転写フィルムの接着層がカードに接着する接着力を大きくし且つ基材フィルムを強い力で引き剥がしても、被転写体であるカードに破損等が生じるおそれがなく、転写箔を良好に転写することができる。
しかしながら、紙のようにそれ自体の強度が弱い被転写体を用いた場合には問題は複雑になる。例えば、(i)転写フィルムの接着層が紙に接着する接着力を大きくし且つその接着力に抗する力で基材フィルムを引き剥がす場合は、紙が転写フィルム側に引っ張られて裂けてしまうという問題が生じ易く、(ii)転写フィルムの接着層が紙に接着する接着力を小さくし且つその接着力に抗する力で基材フィルムを引き剥がす場合は、紙に対する転写箔の転写性(転写すべき領域が確実に転写されているか否か)や接着性(転写後の転写箔が十分な接着強度で接着されているか否か)が問題となり易い。
こうした問題に対し、転写フィルムを構成する基材フィルムと転写箔との剥離強度を調整したり、被転写体である紙に対する接着層の接着強度を調整したりすることも考えられるが、それらの調整は極めて複雑である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、箔切れ性の悪い転写フィルムを用いた場合であっても、通帳やパスポート等の紙冊子に転写箔を不具合なく安定且つ簡単に転写してなる紙冊子の製造方法及び転写装置を提供することにある。また、そうした製造方法及び転写装置で作製された紙冊子を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る紙冊子の製造方法は、基材フィルム上に転写箔が設けられた長尺の転写フィルムを用い、該転写箔を紙冊子に転写してなる紙冊子の製造方法であって、
前記長尺の転写フィルムを巻き出す巻出部と巻き取る巻取部との間で、前記転写フィルムの長尺方向に順次供給される前記紙冊子に前記転写フィルムを接着した後に、前記基材フィルムを引き剥がして前記転写箔を転写するとき、
前記紙冊子の綴じ部の延在方向が前記転写フィルムの長尺方向と一致するように該紙冊子を供給し、
前記転写フィルムの長手方向に直交する仮想線と、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの該転写フィルムと該紙冊子との剥離接線とを非平行にして、前記剥離接線が前記紙冊子の綴じ部と前記仮想線との直交部分の斜辺となるように前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がす、ことを特徴とする。
カード等に比べて強度の弱い紙冊子に転写箔を転写してなる本発明に係る製造方法によれば、第1に、紙冊子の綴じ部の延在方向が転写フィルムの長尺方向と一致するように紙冊子を供給し、第2に、転写フィルムの長手方向に直交する仮想線と、基材フィルムを紙冊子から引き剥がすときの転写フィルムと紙冊子との剥離接線とを非平行にして、剥離接線が紙冊子の綴じ部と仮想線との直交部分の斜辺となるように基材フィルムを紙冊子から引き剥がすようにしたので、裂け難い綴じ部側から基材フィルムを引き剥がすことができる。その結果、綴じ部反対側のめくり部での紙の裂けを防ぐことができ、通帳やパスポート等の紙冊子に転写箔を不具合なく安定且つ簡単に転写することができる。この理由は、上記第1,2の構成に基づくものであり、特に「仮想線」と「剥離接線」とを非平行にするとともに「剥離接線」が紙冊子の綴じ部と仮想線との「直交部分の斜辺」となるようにしたことによる。こうすることで、基材フィルムの引き剥がしが、強度の強い綴じ部の「直交部分」から開始し、強度の弱い綴じ部反対側のめくり部に向かうようになる。
本発明に係る紙冊子の製造方法の好ましい態様は、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすための剥離部材を用い、前記剥離部材が棒状部材又は回転ロールであり、該剥離部材を前記転写フィルムの長尺方向に直交する仮想線と非平行に延びるように配置して前記転写を行うように構成する。
本発明に係る紙冊子の製造方法の好ましい態様は、前記剥離部材と前記巻取部との間に1又は2以上のフィルムガイド部材を設け、転写後の転写フィルムを、前記フィルムガイド部材で案内しながら前記巻取部で巻き取るように構成する。
本発明に係る紙冊子の製造方法の好ましい態様は、前記転写箔が、前記基材フィルムに剥離可能な保護層と、ホログラムが形成された機能層と、被転写体に接着する接着層とがその順で積層されてなるように構成する。
本発明に係る紙冊子の製造方法の好ましい態様は、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの前記剥離接線と、前記仮想線との角度θ1を0°<θ1≦60°にするように構成する。
本発明に係る紙冊子の製造方法の好ましい態様は、前記転写フィルムを前記紙冊子から上方に引き剥がすときの前記剥離接線と、上方に引き剥がされた前記基材フィルム面との角度θ2を90°≦θ2<180°にするように構成する。
上記課題を解決する本発明に係る転写装置は、基材フィルム上に転写箔が設けられた長尺の転写フィルムを用い、該転写箔を紙冊子に転写するための転写装置であって、
前記長尺の転写フィルムを巻き出す巻出手段と、前記長尺の転写フィルムを巻き取る巻取手段と、前記巻出手段及び前記巻取手段の間で、前記転写フィルムの長尺方向に順次供給される紙冊子に前記転写フィルムを接着する接着手段と、前記接着後に前記基材フィルムを引き剥がして前記転写箔を転写する転写手段と、前記紙冊子の綴じ部の延在方向が前記転写フィルムの長尺方向と一致するように該紙冊子を供給する紙冊子供給手段と、を少なくとも有し、
前記転写手段は、前記転写フィルムの長手方向に直交する仮想線と、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの該転写フィルムと該紙冊子との剥離接線とを非平行にする剥離部材を有し、該剥離接線が前記紙冊子の綴じ部の延在方向と前記仮想線との直交部分の斜辺となるように前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がす、ことを特徴とする。
カード等に比べて強度の弱い紙冊子に転写箔を転写する本発明に係る転写装置によれば、第1に、紙冊子の綴じ部の延在方向が転写フィルムの長尺方向と一致するように紙冊子を供給する紙冊子供給手段を有し、第2に、転写フィルムの長手方向に直交する仮想線と、基材フィルムを紙冊子から引き剥がすときの転写フィルムと紙冊子との剥離接線とを非平行にする剥離部材を有し、剥離接線が紙冊子の綴じ部と仮想線との直交部分の斜辺となるように基材フィルムを紙冊子から引き剥がす転写手段を有するようにしたので、この転写装置を用いれば、裂け難い綴じ部側から基材フィルムを引き剥がすことができる。その結果、綴じ部反対側のめくり部での紙の裂けを防ぐことができ、通帳やパスポート等の紙冊子に転写箔を不具合なく安定且つ簡単に転写することができる。この理由は上記の紙冊子の製造方法と同様である。
本発明に係る転写装置の好ましい態様は、前記剥離部材が棒状部材又は回転ロールであるように構成する。
本発明に係る転写装置の好ましい態様は、前記剥離部材と前記巻取手段との間に1又は2以上のフィルムガイド部材を有し、転写後の転写フィルムを、前記フィルムガイド部材で案内しながら前記巻取手段で巻き取るように構成する。
本発明に係る転写装置の好ましい態様は、前記巻出手段の巻き出し軸と、前記巻取手段の巻き取り軸とが平行になるように、前記フィルムガイド部材の延在方向を前記仮想線と平行にするように構成する。
本発明に係る転写装置の好ましい態様は、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの前記剥離接線と、前記仮想線との角度θ1を0°<θ1≦60°にするように、前記剥離部材が取り付けられているように構成する。
本発明に係る転写装置の好ましい態様は、前記転写フィルムを前記紙冊子から上方に引き剥がすときの前記剥離接線と、上方に引き剥がされた前記基材フィルム面との角度θ2を90°≦θ2<180°にするように、前記フィルムガイド部材が取り付けられているように構成する。
本発明に係る転写装置の好ましい態様は、前記転写箔が、前記基材フィルムに剥離可能な保護層と、ホログラムが形成された機能層と、被転写体に接着する接着層とがその順で積層されてなり、前記被転写体が紙冊子であるように構成する。
上記課題を解決するための本発明に係る紙冊子は、上記本発明に係る紙冊子の製造方法によって作製された、転写箔が転写された紙冊子であり、また、上記本発明に係る転写箔の転写装置によって作製された、転写箔が転写された紙冊子である。
本発明に係る紙冊子の製造方法及び転写装置によれば、「仮想線」と「剥離接線」とを非平行にするとともに「剥離接線」が紙冊子の綴じ部と仮想線との「直交部分の斜辺」となるようにしたことで、基材フィルムの引き剥がしが、強度の強い綴じ部の「直交部分」から開始し、強度の弱い綴じ部反対側のめくり部に向かうようにしたので、裂け難い綴じ部側から基材フィルムを引き剥がすことができる。その結果、綴じ部反対側のめくり部での紙の裂けを防ぐことができ、通帳やパスポート等の紙冊子に転写箔を不具合なく安定且つ簡単に転写することができる。
本発明に係る紙冊子は、上記本発明に係る紙冊子の製造方法及び転写装置によって作製された、転写箔が転写された通帳やパスポート等の紙冊子であるので、不具合なく安定且つ簡単に転写箔が転写された、歩留まりのよいコスト競争力のある紙冊子である。
本発明に係る紙冊子の製造方法及び転写装置で用いる転写フィルムの層構成の一例を示す模式的な断面図である。 本発明で用いる紙冊子の一例を示す模式図である。 本発明に係る紙冊子の製造方法及び転写装置の基本構造を示す模式的な斜視図である。 基材フィルムを剥がして転写箔を転写する態様を示す斜視図である。 基材フィルムを剥がして転写箔を転写する態様を示す平面図である。 基材フィルムを剥がして転写箔を転写する態様を示す正面図である。 本発明で用いるフィルムガイド部材の配置態様の例を示す模式的な構成図である。
本発明に係る紙冊子の製造方法及び製造装置について図面を参照しつつ説明する。本発明はその特徴を備えるかぎり、以下に例示する実施形態以外の変形も可能である。
[転写フィルムと紙冊子]
本発明で用いる転写フィルム1は、図1に示すように、基材フィルム10上に転写箔11が設けられた長尺の転写フィルムである。転写フィルムを構成する転写箔11の構成は特に限定されないが、例えば図1に示すように、基材フィルム1に対して剥離可能な保護層12と、ホログラムが形成された機能層13と、被転写体(紙冊子)2に接着する接着層14とがその順で積層されているものを挙げることができる。こうした構成からなる転写フィルム1には、さらに他の層を任意に設けてもよい。
基材フィルム10は転写フィルム1の支持基材として作用するものであり、転写箔11を被転写体2に接着した後に基材フィルム10を引き剥がすことによって、転写箔11を被転写体2に転写させることができる。基材フィルム10の材質や厚さは特に限定されないが、材質としては、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、セルローストリアセテート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を例示できる。また、厚さとしては、通常、1μm〜100μm程度のものを例示できる。
保護層12は、転写箔11が被転写体2に転写された後には最上層となって機能層13を保護するように作用するとともに、転写時には基材フィルム10から剥離し易くする易剥離層として作用する。こうした保護層12の材質や厚さも特に限定されないが、材質としては、例えばジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーンをUV硬化型インキに含有させたもの等を例示できる。また、厚さとしては、通常、0.1μm〜20μm程度のものを例示できる。
機能層13は、ホログラムが形成された層であり、このホログラムは、エンボス型ホログラム(レリーフ型ホログラムともいう。)又は体積型ホログラム(リップマン型ホログラムともいう。)と言い換えることもできる。エンボス型ホログラムは、干渉縞を表面凹凸として記録したものであり、体積型ホログラムは、ホログラフィーの信号波と参照波を互いに乾板の反対側から入射させ、乳剤中に多層の干渉縞を作ったホログラムであり、再生時には特定の波長の光だけが干渉によって強く反射されるものである。こうした機能層13は、アクリル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、メラミン、エポキシ、ポリエステル、ウレタン等の樹脂の中から選択して、単独又は混合して使用することができ、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質やこれらにラジカル重合性不飽和単量体を加えて電離放射線硬化性としたもの等を使用することができる。また、機能層13の厚さとしては、通常、0.1μm〜50μm程度のものを例示できる。
接着層14は、被転写体2に接着して転写箔11を転写させるための層である。接着は、被転写体2に熱接着するヒートシール型接着層であってもよいし、被転写体2に粘着する粘着型接着層であってもよい。こうした接着層14の材質や厚さは特に限定されないが、例えばヒートシール型接着層である場合には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物等から適宜選択されたものを挙げることができ、また、粘着型接着層である場合には、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂またはこれらの共重合体、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等から選択したものを挙げることができる。接着層14の厚さとしては、通常、3μm〜20μm程度のものを例示できる。
なお、接着層14として粘着型接着層を適用した場合は、転写フィルム1をロール巻きにしてハンドリングする場合や粘着型接着層の粘着性を維持する点で不便であるので、その粘着型接着層の表面に保護フィルム(図示しない)を設けておくことが好ましい。保護フィルムとしては、例えばポリエステルフィルム等の樹脂フィルムや、半晒、上質紙、グラシン紙等の表面にポリエチレン、ワックス、シリコン等を塗布したフィルムを例示できる。
本発明で用いる被転写体は、図2に示すように、例えば通帳、パスポート等のように、綴じ部3とめくり部4とを有する紙冊子2である。綴じ部3とは、紙冊子を開いたときの中央にある部分であり、中綴じ、平綴じ、無線綴じ、かがり綴じ等のいずれの綴じ形態であってもよい。めくり部4は、冊子を一枚毎めくる側の部分である。本発明で用いる紙冊子2は、上質紙、グラシン紙、和紙、合成紙等の紙媒体で作製されたものでもよいし、その表面にポリエチレン、ワックス、シリコン等を塗布した紙媒体で作製されたものであってもよく、本願ではこれらの紙媒体で作製されたものを紙冊子として定義する。なお、綴じ部3の延在方向F2とは、図2に示すように、紙冊子2の綴じ部3が延びる方向である。
[紙冊子の製造方法及び転写装置]
次に、本発明に係る紙冊子の製造方法と転写装置について図面を参照しつつ説明する。なお、紙冊子の製造方法と転写装置は同様の構成であるので、巻出部と巻出工程と巻き出し手段は符号21で表し、巻取部と巻取工程と巻き取り手段は符号22で表し、接着部と接着工程と接着手段は符号23で表し、転写部と転写工程と転写手段は符号24で表すこととし、以下では両者を併せて説明する。
本発明に係る紙冊子の製造方法は、図3に示すように、基材フィルム10上に転写箔11が設けられた長尺の転写フィルム1を用い、転写箔11を紙冊子2に転写してなる紙冊子の製造方法である。そして、その特徴は、長尺の転写フィルム1を巻き出す巻出部21と巻き取る巻取部22との間で、転写フィルム1の長尺方向F1に順次供給される紙冊子2に転写フィルム1を接着した後に、基材フィルム10を引き剥がして転写箔11を転写するとき、(i)紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2が転写フィルム1の長尺方向F1と一致するように紙冊子2を供給し、(ii)転写フィルム1の長手方向F1に直交する仮想線L1と、転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすときの転写フィルム1と紙冊子2との剥離接線L2とを非平行にして、剥離接線L1が紙冊子2の綴じ部3と仮想線L1との直交部分5の斜辺となるように転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がす、ことにある。
なお、本発明に係る紙冊子の製造方法は、言い換えれば、基材フィルム10上に転写箔11が設けられた長尺の転写フィルム1を用い、転写箔11を紙冊子2に転写してなる紙冊子の製造方法であって、長尺の転写フィルム1を巻き出す巻出工程21と、巻出工程21後に、紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2が転写フィルム1の長尺方向F1と一致するように紙冊子2を供給する紙冊子供給工程25と、紙冊子供給工程25後に、紙冊子2に転写フィルム1を接着する接着工程23と、接着工程23後に、基材フィルム10を引き剥がして転写箔11を転写する転写工程24と、転写工程24後に、長尺の転写フィルム1を巻き取る巻取工程22と、を少なくとも有している。そして、その特徴は、その転写工程24が、転写フィルム1の長手方向F1に直交する仮想線L1と、転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすときの転写フィルム1と紙冊子2との剥離接線L2とを非平行にして、剥離接線L2が紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2と仮想線L1との直交部分5の斜辺となるように転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすように構成したことにある。
また、本発明に係る転写箔の転写装置20も上記製造方法と同様、図3に示すように、基材フィルム10上に転写箔11が設けられた長尺の転写フィルム1を用い、転写箔11を紙冊子2に転写するための転写装置であって、長尺の転写フィルム1を巻き出す巻出手段21と、長尺の転写フィルム1を巻き取る巻取手段22と、巻出手段21及び巻取手段22の間で、転写フィルム1の長尺方向F1に順次供給される紙冊子2に転写フィルム1を接着する接着手段23と、接着後に基材フィルム10を引き剥がして転写箔11を転写する転写手段24と、紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2が転写フィルム1の長尺方向F1と一致するように紙冊子2を供給する紙冊子供給手段25と、を少なくとも有している。そして、その特徴は、転写手段24が、転写フィルム1の長手方向F1に直交する仮想線L1と、転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすときの転写フィルム1と紙冊子2との剥離接線L2とを非平行にする剥離部材24を有し、その剥離接線L2が紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2と仮想線L1との直交部分5の斜辺となるように転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすように構成したことにある。
以下、各構成について説明する。なお、各部(例えば転写部)、各工程、各手段についての説明は、工程(例えば転写工程)を例にして説明する。
(巻出部、巻出工程、巻出手段)
巻出工程21は、図3に示すように、長尺の転写フィルム1を巻き出す工程である。巻き取り態様は特に限定されないが、例えば長尺の転写フィルム1の原反ロール(図示しない)を巻き出し軸31に着脱可能に装着し、その原反ロールから転写フィルム1を引き出す態様を例示できる。巻き出された長尺の転写フィルム1は、接着工程に送られる。図3に示す巻き出し軸31は、他の軸(巻き取り軸32、熱接着ローラ33又は圧着ローラ)と同期回転させるものであってもよいし、逆張力を与えたフリー回転軸であってもよい。なお、原反ロールは、長尺の転写フィルム1の接着層14の側が中心軸側になるように巻かれたものであってもよいし外周側になるように巻かれたものであってもよい。
(巻取部、巻取工程、巻取手段)
巻取工程22は、図3に示すように、長尺の転写フィルム1を巻き取る工程である。巻き取り態様は特に限定されないが、例えば転写工程24で転写箔11を紙冊子2に転写して分離した基材フィルム10を巻き取り軸32に巻き取る態様を例示できる。図3に示す巻き取り軸32は、他の軸(巻き出し軸31、熱接着ローラ33又は圧着ローラ)と同期回転させるものであってもよいし、順張力を与えたフリー回転軸であってもよい。
(紙冊子供給部、紙冊子供給工程、紙冊子供給手段)
紙冊子供給工程25は、図3に示すように、接着工程23や転写工程24に紙冊子2を供給する工程である。紙冊子3を供給する態様は特に限定されないが、例えば転写箔11を転写する面が、転写フィルム1の接着層14側になるようにして供給する態様を例示できる。転写する面は、図3に示すように、紙冊子3を開いた面であってもよいし、閉じた表紙等であってもよい。特に本発明では、紙冊子3の供給に当たり、図3に示すように、紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2が転写フィルム1の長尺方向F1と一致するように供給する。図3の例では、紙冊子2を開いた状態で、綴じ部3の延在方向F2と転写フィルム1の長尺方向F1とが一致するように供給している。
紙冊子供給工程25では、紙冊子3の綴じ部3の延在方向F2を転写フィルムの長尺方向F1に一致させて接着工程23及び転写工程24に供給するように、紙冊子3を上下から挟んでガイドする搬送ロール36,36や進行方向の左右からガイドする案内ガイド(図示しない)を設けることが望ましい。なお、搬送ロール36,36は、上記した熱接着ロール33等と同期回転する駆動ロールであることが好ましい。なお、紙冊子2は、転写箔11が転写された後に排出されるが、その排出においても、例えば図3に示すように、紙冊子3を上下から挟んでガイドする搬送ロール37,37で排出することが好ましい。
(接着部、接着工程、接着手段)
接着工程23は、図3に示すように、巻出工程21及び巻取工程22の間で、転写フィルム1の長尺方向F1に順次供給される紙冊子2に転写フィルム1を接着する工程である。このときの接着工程23は、被転写体2に熱接着するヒートシール型接着工程であってもよいし、被転写体2に粘着する粘着型接着工程であってもよい。ヒートシール型接着工程の場合は、転写フィルム1を構成する接着層14がヒートシール型接着層となり、接着ロール33が熱接着ロールとなる。一方、粘着型接着工程の場合は、転写フィルム1を構成する接着層14が粘着型接着層となり、接着ロール33が圧着ロールとなる。本発明では、この接着工程23により、転写フィルム1を構成する転写箔11を紙冊子3に接着することができる。なお、接着ロール33は、図3に示すように、転写フィルム1の長尺方向F1に直交する方向に延びるように配置され、必要に応じて巻き出し軸31や巻き取り軸32等と同期して駆動するように構成することができる。
(転写部、転写工程、転写手段)
転写工程24は、図3に示すように、転写フィルム1の接着層側を紙冊子3に接着させた後に基材フィルム10を引き剥がして転写箔11を紙冊子3に転写する工程である。この転写工程24では、基材フィルム10を引き剥がす方向に特徴があり、具体的には、図4及び図5に示すように、転写フィルム1の長手方向F1に直交する仮想線L1と、基材フィルム10を紙冊子2から引き剥がすときの転写フィルム1と紙冊子2との剥離接線L2とを、非平行にして引き剥がす。
図3に示す剥離部材34は、上記した剥離接線L2を特定(規制)する部材であり、転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすために用いられる。剥離部材34は、図3に示すような回転ロールであってもよいし、未回転の棒状部材(図示しない)であってもよく、その延在方向が上記した剥離接線L2となる。なお、剥離部材34が未回転の棒状部材である場合には、基材フィルム10に対して滑り性がよいことが好ましい。
本発明では、図3に示すように、剥離部材34で特定される剥離接線L2を、転写フィルム1の長尺方向F1に直交する仮想線L1と非平行にして転写を行う。さらに、その剥離接線L2が、紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2と仮想線L1との直交部分5の斜辺となるように剥離部材34を配置する。本発明は、こうした態様で基材フィルム10を紙冊子2から引き剥がす。なお、「剥離接線L2が直交部分5の斜辺である」とは、図4及び図5に示すように、仮想線L1と剥離接線L2とを角度θ1を挟む両辺とした三角形において、紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2と仮想線L1との直交部分5は直角となるが、その直交部分5の斜辺とは、幾何学的には「剥離接線L2」を指すものとなる。
本発明では、図3〜図5に示すように、剥離接線L2が直交部分5の斜辺となるように剥離部材34を配置することにより、紙冊子2に転写した後における基材フィルム10の剥離を、紙冊子2の綴じ部3の側から剥離することができる。その結果、紙冊子2のめくり部4の側から剥離する場合のような紙の浮き上がりがなく、この場合に起こる紙の破れ等を防止することができ、安定した転写工程を実現できる。
このように、本発明では、裂け難い綴じ部3側から基材フィルム10を引き剥がすことができるので、綴じ部反対側のめくり部4での紙の裂けを防ぐことができ、通帳やパスポート等の紙冊子2に転写箔11を不具合なく安定且つ簡単に転写することができる。この理由は、特に「仮想線L1」と「剥離接線L2」とを非平行にするとともに「剥離接線L2」が紙冊子2の綴じ部3と仮想線L1との「直交部分5の斜辺」となるようにしたことによるものであり、その結果、基材フィルム10の引き剥がしが、強度の強い綴じ部3の「直交部分5」から開始し、強度の弱い綴じ部反対側のめくり部4に向かうようになるのである。
なお、仮想線L1と剥離接線L2とが平行である場合は、基材フィルム10の剥離時に、その剥離接線L2の全長で基材フィルム10の剥離が起こらなければならず、引き剥がしに大きな力が必要になる。その結果、綴じ部3とめくり部4とで引き剥がしに対抗する強度が異なる部分を持つ紙冊子2では、抗強度の弱いめくり部4で破損が生じ易い。本発明は、仮想線L1と剥離接線L2とを非平行にして、基材フィルム10の剥離時に、その剥離接線L2の全長で基材フィルム10の剥離が起きることを避け、小さな力でも引き剥がしを可能とするとともに、さらに、引き剥がしに対抗する強度の強い綴じ部3から引き剥がしが起こるように、剥離接線L2が紙冊子2の綴じ部3と仮想線L1との直交部分5の斜辺となるようにしていることに特徴がある。
次に、引き剥がし角度について詳しく説明する。
図4及び図5に示すように、基材フィルム10を紙冊子2から引き剥がすときの剥離接線L2と、仮想線L1との角度θ1は、原理的には、0°<θ1<90°の範囲とすることが可能であるが、θ1が60°以上の場合には、基材フィルム10を引き剥がすときの剥離接線L2が長くなって基材フィルム10を引き剥がすために大きな力が必要になるので、剥がし易さの観点から、好ましくは角度θ1は0°<θ1≦60°であることが好ましい。また、後述する図7(A)の態様で基材フィルム10を巻き取る場合には、構造設計の観点から、角度θ1は0°<θ1≦30°程度であることが好ましく、図7(B)の態様で基材フィルム10を巻き取る場合には、構造設計の観点から、角度θ1は15°≦θ1≦60°程度であることが好ましく、図7(C)の態様で基材フィルム10を巻き取る場合には、構造設計の観点から、角度θ1は45°又はその前後であることが好ましい。
図6に示すように、基材フィルム10を紙冊子2から上方に引き剥がすときの剥離接線L2と、上方に引き剥がされた基材フィルム面との角度θ2は、原理的には、0°<θ2<180°の範囲とすることが可能である。しかし、カード等に比べて強度の弱い紙冊子2に転写箔11を転写する本発明においては、剥がし易さの観点から、その角度θ2を90°≦θ2<180°の範囲とすることが好ましい。
(フィルムガイド部材)
フィルムガイド部材35は、図3に示すように、剥離部材35と巻取工程22(巻き取り軸32)との間に設けられ、転写工程24で転写箔11が剥離した基材フィルム10を案内しながら巻取工程22に送るように作用する。なお、図3の例では1つのフィルムガイド部材35が設けられているが、フィルムガイド部材35の数は2以上であってもよく、その配置態様は特に限定されない。本発明では、転写工程24で用いられる剥離部材34が上記した所定の角度θ2で配置されているので、フィルムガイド部材35をどのように配置するかにより、基材フィルム10を巻き取る巻取工程(巻取手段)22の態様が異なってくる。なお、このフィルムガイド部材35は、他の軸(接着ロール33等)と同期する駆動ロールであってもよいし、フリーロールであってもよい。
具体的には、図7に示すように、巻き出し軸31から巻き出された転写フィルム1は、上記仮想線L1に対して所定の角度θ1で配置された剥離部材34によって、転写フィルム1の長尺方向F1と平行な仮想線L3(転写フィルム1の左右辺と同じ。)に対して所定の角度θ3(=θ1)ずれてフィルムガイド部材35に向かう。
このとき、図7(A)に示すように、フィルムガイド部材35の延在方向を仮想線L1と平行(すなわち巻き出し軸31に対して平行)に配置することにより、ずれた角度θ3を再び仮想線L3と平行に戻して巻き取り軸32に向かわせることができる。このように構成することにより、巻き出し軸31と、熱接着ロール33と、フィルムガイド部材35と、巻き取り軸32とを平行に配置することができるので、例えばこれらの駆動系をリンクさせて同期等させる場合に構造設計が容易になるという利点がある。なお、角度θ1の大きさにより、巻き出し軸31から送り出された転写フィルム1の走行位置と、フィルムガイド部材35を経由した後の基材フィルム10の走行位置とは平面視でずれるが、そのずれの程度は、角度θ1の大きさに依存し、角度θ1が大きいほどずれの程度は大きくなる。
また、図7(B)に示すように、フィルムガイド部材35の延在方向を仮想線L1に対して所定の角度θ1(すなわち剥離部材34の延在方向と平行)に配置することにより、ずれた角度θ3はそのままで巻き取り軸32に向かわせることができる。このように構成した場合は、剥離部材34と、フィルムガイド部材35と、巻き取り軸32とを平行に配置することができるので、例えばこれらの駆動系をリンクさせて同期等させる場合に構造設計が容易になるという利点がある。一方、図7(A)に示す態様とは異なり、巻き出し軸31とフィルムガイド部材35とは軸方向が異なる。なお、この場合も、角度θ1の大きさにより、巻き出し軸31から送りされた転写フィルム1の走行位置と、フィルムガイド部材35を経由した後の基材フィルム10の走行位置とは平面視でずれるが、そのずれの程度は、角度θ1の大きさに依存し、角度θ1が大きいほどずれの程度は大きくなる。
また、図7(C)に示すように、フィルムガイド部材35の延在方向を転写フィルム1の長尺方向F1と平行にすることにより、巻き出し軸31と巻き取り軸32とが直交する位置に配置することもできる。すなわち、フィルムガイド部材35の延在方向を転写フィルム1の長尺方向F1と平行に配置することにより、その長手方向F1に平行な仮想線L3からずれた角度θ3をその仮想線L3に直交するようにして巻き取り軸32に向かわせることができる。このように構成した場合は、巻き出し軸31と巻き取り軸32とを直交させることができるので、駆動系統の構造設計や装置構造の自由度を高めることができる。
以上説明したように、カード等に比べて強度の弱い紙冊子2に転写箔11を転写する本発明に係る紙冊子の製造方法及び転写装置によれば、第1に、紙冊子2の綴じ部3の延在方向F2が転写フィルム1の長尺方向F1と一致するように紙冊子2を供給する紙冊子供給手段を有し、第2に、転写フィルム1の長手方向F1に直交する仮想線L1と、転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすときの転写フィルム1と紙冊子2との剥離接線L2とを非平行にする剥離部材34を有し、剥離接線L2が紙冊子2の綴じ部3と仮想線L1との直交部分5の斜辺となるように転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がす転写工程を有するので、この方法乃至装置を用いれば、裂け難い綴じ部3側から基材フィルム10を引き剥がすことができる。その結果、綴じ部反対側のめくり部4での紙の裂けを防ぐことができ、通帳やパスポート等の紙冊子2に転写箔11を不具合なく安定且つ簡単に転写することができる。この理由は、上記第1、2の構成に基づくものであり、特に「仮想線L1」と「剥離接線L2」とを非平行にするとともに「剥離接線L2」が紙冊子2の綴じ部3と仮想線L1との「直交部分5の斜辺」となるようにしたことによる。こうすることで、基材フィルム10の引き剥がしが、強度の強い綴じ部3の「直交部分5」から開始し、強度の弱い綴じ部反対側のめくり部4に向かうようになる。
上記本発明に係る紙冊子の製造方法及び転写装置で作製された紙冊子2は、その製造工程において、歩留まりよく作製された、転写箔が転写された通帳やパスポート等の紙冊子であるので、コスト競争力のある紙冊子である。
レリーフ型ホログラム(エンボス型ホログラム)はホログラムの代表例であるが、近年、その偽造品(模造品)が市場に出回っているのが実情であり、レリーフ型ホログラムと別の原理を用いた体積型ホログラム(リップマン型ホログラム)が適用され始めている。この体積型ホログラムは特殊な感光材料にレーザーを用いて干渉縞を形成するものであることから、レリーフ型ホログラムよりもセキュリティ性が高いものとされ、近年、偽造防止手段としての用途が期待されている。しかし、この体積型ホログラムは屈折率の異なる複数の材料が用いられるのが一般的であり、通常は特定の光を照射することによって重合させることが可能な光重合性材料が用いられている。このため、体積型ホログラムは機械強度が大きくなる傾向であった。また、体積型ホログラムは屈折率差が三次元的に配列されてホログラム像が記録されるという性質上、ホログラム形成層の厚みが厚くなる傾向があった。
上記のように、機械強度が大きく厚みが厚い体積型ホログラム形成層を機能層として含む転写フィルム1は、レリーフ型ホログラム形成層を機能層として含む転写フィルムに比べ、転写時の箔切れ性が悪く、転写領域範囲を超えて被転写媒体に転写され、バリが発生し易かった。
(転写実験例)
体積型ホログラムを機能層13(転写箔11)として含む転写フィルム1を用い、図3に示す原理の市販の転写装置20(セキュリティーフォイリング社製)を利用し、本発明に係る方法で紙冊子2に転写した。転写装置20の転写部24にはSUS製ローラからなる剥離部材34を設置した。転写フィルム1を紙冊子2から引き剥がすときの剥離接線L2と、転写フィルム1の長尺方向に直交する仮想線L1との角度θ1を45°とした。また、紙冊子2から上方に引き剥がすときの剥離接線と、上方に引き剥がされた前記基材フィルム面との角度θ2を135°とした。転写は、転写フィルム1を通帳用紙冊子2に150℃で熱接着し、転写スピード1m/minで行った。転写フィルム1は紙冊子2の綴じ部3から綴じ部反対側に向かい斜めに剥がれ、良好な転写物(通帳用紙冊子)が得られた。
一方、SUS製ローラからなる剥離部材34を設置しなかった場合には、転写フィルム1を通帳用紙冊子2に熱接着した後、転写箔11(機能層13)と基材フィルム10との間から剥離が起きず、紙冊子2の綴じ部3付近から紙が破壊され、破壊された紙は転写フィルム1とともに巻取部22へ巻き取られた。
以上のように、本発明に係る方法によれば、機械強度が大きく厚みが厚い体積型ホログラム形成層を機能層として含んだ、特に箔切れ性が悪いとされる転写フィルム1であっても、問題なく良好に転写することができた。
1 転写フィルム
2 被転写体(紙冊子)
3 綴じ部
4、4’ めくり部
5 直交部分
10 基材フィルム
11 転写箔
12 保護層
13 機能層(ホログラム)
14 接着層
20 転写装置
21 巻出部、巻出工程、巻出手段
22 巻取部、巻取工程、巻取手段
23 接着部、接着工程、接着手段
24 転写部、転写工程、転写手段
25 紙冊子供給手段
26 紙冊子送り手段
31 巻き出し軸
32 巻き取り軸
33 熱接着ローラ、圧着ローラ
34 剥離部材
35 フィルムガイド部材
36,37 搬送ロール
L1 仮想線
L2 剥離接線
L3 転写フィルムの長尺方向と平行な仮想線
F1 転写フィルムの長尺方向
F2 綴じ部の延在方向
θ1 剥離接線と仮想線との角度
θ2 剥離接線と基材フィルム面との角度
θ3 フィルムガイド部材に向かう基材フィルムの仮想線L3に対する角度(=θ1)

Claims (15)

  1. 基材フィルム上に転写箔が設けられた長尺の転写フィルムを用い、該転写箔を紙冊子に転写してなる紙冊子の製造方法であって、
    前記長尺の転写フィルムを巻き出す巻出部と巻き取る巻取部との間で、前記転写フィルムの長尺方向に順次供給される前記紙冊子に前記転写フィルムを接着した後に、前記基材フィルムを引き剥がして前記転写箔を転写するとき、
    前記紙冊子の綴じ部の延在方向が前記転写フィルムの長尺方向と一致するように該紙冊子を供給し、
    前記転写フィルムの長手方向に直交する仮想線と、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの該転写フィルムと該紙冊子との剥離接線とを非平行にして、前記剥離接線が前記紙冊子の綴じ部と前記仮想線との直交部分の斜辺となるように前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がす、ことを特徴とする紙冊子の製造方法。
  2. 前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすための剥離部材を用い、前記剥離部材が棒状部材又は回転ロールであり、該剥離部材を前記転写フィルムの長尺方向に直交する仮想線と非平行に延びるように配置して前記転写を行う、請求項1に記載の紙冊子の製造方法。
  3. 前記剥離部材と前記巻取部との間に1又は2以上のフィルムガイド部材を設け、転写後の転写フィルムを、前記フィルムガイド部材で案内しながら前記巻取部で巻き取る、請求項2に記載の紙冊子の製造方法。
  4. 前記転写箔が、前記基材フィルムに剥離可能な保護層と、ホログラムが形成された機能層と、被転写体に接着する接着層とがその順で積層されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙冊子の製造方法。
  5. 前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの前記剥離接線と、前記仮想線との角度θ1を0°<θ1≦60°にする、請求項1〜4に記載の紙冊子の製造方法。
  6. 前記転写フィルムを前記紙冊子から上方に引き剥がすときの前記剥離接線と、上方に引き剥がされた前記基材フィルム面との角度θ2を90°≦θ2<180°にする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙冊子の製造方法。
  7. 基材フィルム上に転写箔が設けられた長尺の転写フィルムを用い、該転写箔を紙冊子に転写するための転写装置であって、
    前記長尺の転写フィルムを巻き出す巻出手段と、
    前記長尺の転写フィルムを巻き取る巻取手段と、
    前記巻出手段及び前記巻取手段の間で、前記転写フィルムの長尺方向に順次供給される紙冊子に前記転写フィルムを接着する接着手段と、
    前記接着後に前記基材フィルムを引き剥がして前記転写箔を転写する転写手段と、
    前記紙冊子の綴じ部の延在方向が前記転写フィルムの長尺方向と一致するように該紙冊子を供給する紙冊子供給手段と、を少なくとも有し、
    前記転写手段は、前記転写フィルムの長手方向に直交する仮想線と、前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの該転写フィルムと該紙冊子との剥離接線とを非平行にする剥離部材を有し、該剥離接線が前記紙冊子の綴じ部の延在方向と前記仮想線との直交部分の斜辺となるように前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がす、ことを特徴とする転写装置。
  8. 前記剥離部材が棒状部材又は回転ロールである、請求項7に記載の転写装置。
  9. 前記剥離部材と前記巻取手段との間に1又は2以上のフィルムガイド部材を有し、転写後の転写フィルムを、前記フィルムガイド部材で案内しながら前記巻取手段で巻き取る、請求項7又は8に記載の転写装置。
  10. 前記巻出手段の巻き出し軸と、前記巻取手段の巻き取り軸とが平行になるように、前記フィルムガイド部材の延在方向を前記仮想線と平行にする、請求項9に記載の転写装置。
  11. 前記転写フィルムを前記紙冊子から引き剥がすときの前記剥離接線と、前記仮想線との角度θ1を0°<θ1≦60°にするように、前記剥離部材が取り付けられている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の転写装置。
  12. 前記転写フィルムを前記紙冊子から上方に引き剥がすときの前記剥離接線と、上方に引き剥がされた前記基材フィルム面との角度θ2を90°≦θ2<180°にするように、前記フィルムガイド部材が取り付けられている、請求項9〜11のいずれか1項に記載の転写装置。
  13. 前記転写箔が、前記基材フィルムに剥離可能な保護層と、ホログラムが形成された機能層と、被転写体に接着する接着層とがその順で積層されてなり、前記被転写体が紙冊子である、請求項7〜12のいずれか1項に記載の転写装置。
  14. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の紙冊子の製造方法によって作製された、転写箔が転写された紙冊子。
  15. 請求項7〜13のいずれか1項に記載の転写装置によって作製された、転写箔が転写された紙冊子。
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