JP5332178B2 - 多色ルシフェラーゼの検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ルシフェリン−ルシフェラーゼの発光反応を用いた、サンプル中のルシフェラーゼの存在量の検出方法に関する。さらに詳しくは、複数の発光スペクトル特性を有する甲虫由来のルシフェラーゼをノニデット(登録商標)P40またはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む発光試薬を用いて同時検出する方法ならびにその為の試薬に関する。
レポーター遺伝子を用いた遺伝子発現制御解析は、レポーター遺伝子に連結されたシス作用性塩基配列要素(プロモーター、エンハンサー、サイレンサーなどの遺伝子発現制御配列)を含むプラスミドを細胞に導入して、ある条件下において発現されるレポーター酵素の活性を指標に遺伝子発現制御を評価する手法である。これまで多くのレポーター酵素がこの評価に用いられてきたが、ホタルルシフェラーゼの発光を利用したシステムは感度が高く、活性測定が簡便なことから、現在広く用いられている。
しかしながら、レポーター活性をサンプル間で評価する際には、トランスフェクション効率、細胞数、生育状態、細胞死等、遺伝子発現制御とは関係しない、レポーター酵素の絶対量の変化をもたらす要因が存在する。このため、被験配列に連結されたレポーター遺伝子とあわせて、一定発現(コントロール)プロモーターに連結された基質特異性、あるいは反応性の異なるレポーター分子を内部標準として加え、サンプル間で標準化処理を行う必要がある。このように2つ以上の遺伝子発現を同時に測定するために、これまで種々の遺伝子、特にホタルルシフェラーゼと異なった基質特異性を示すウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla luciferase)がクローニングされ用いられてきた。しかし、この方法では発光の機構が異なるため、複数の反応及び測定を行わなければならず煩雑であった。
一方、ホタルルシフェラーゼ遺伝子から発光色の異なる変異体を見つける研究(非特許文献1)や、発光色の異なる4種類のヒカリコメツキムシ由来ルシフェラーゼの単離(非特許文献2)、2色の鉄道虫由来のルシフェラーゼの研究(非特許文献3)、イリオモテボタル由来ルシフェラーゼの変異体の研究(非特許文献4)などが進められてきた。これらのルシフェラーゼは同じ基質で異なった発光色を示すことで注目された。特に、ホタルルシフェラーゼ変異体はpHにより発光スペクトルが変動してしまうことから、多色測定においてはコメツキムシ、鉄道虫、イリオモテボタル由来ルシフェラーゼなどのようにpHに対して発光スペクトルが変動しないルシフェラーゼが好ましく、3色の発光ルシフェラーゼを用いたアッセイシステムが実用化されている(近江谷ら、マルチ遺伝子転写活性測定システム、特許文献1)。しかし、これらのルシフェラーゼの安定性が異なるため、特に複数のルシフェラーゼを同時に検出しようとする際、いずれのルシフェラーゼも細胞から安定して効率よく抽出し、発光反応を行える検出試薬の開発が望まれていた。
Contag C. et al, Red Shifted luciferase, United Sates Patent 6,495,355 (2002) Wood K.V., Lam Y.A., Seliger H.H., and McElroy W.D. 1989, Science, 244, 700−702:Complementary DNA Coding Click Beetles Luciferases Can Elicit Bioluminescence of Different Colors Viviani V.R., Bechara E.J.H., Ohmiya Y. 1999, Biochemistry, 38, 8271−8279 Viviani V., Uchida A., Suenaga N., Ryufuku M., and Ohmiya Y. 2001, Biochem. Biophys. Res. Commun. 280, 1286−1291 WO2004/099421
本発明の目的は、複数色の発光酵素に対し、細胞試料からルシフェラーゼを安定して効率よく抽出し、発光反応を行える検出試薬に関する。さらに詳しくは、複数色の発光酵素を同時に安定して効率よく抽出し、発光反応を行える検出試薬に関する。
本発明者らは、上記課題を解決するため、発光反応液にルシフェリンの発光基質であるD−ルシフェリン、アデノシン三リン酸などの他に、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含有させることによって、安定して抽出・発光反応を行うことができることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
[項1]
イリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの群から選択される1ないし2以上のルシフェラーゼを発現する細胞培養液中のルシフェラーゼの発光量を測定するための試薬であって、D−ルシフェリン、アデノシン三リン酸、マグネシウム塩、及び界面活性剤として、ノニデット(登録商標)P40またはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む発光試薬。
[項2]
前記ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルが、細胞培養液と混合後、0.025〜1.5%である、項1に記載の試薬。
[項3]
前記ノニデット(登録商標)P40が、細胞培養液と混合後、0.025〜0.25%である、項1に記載の試薬。
[項4]
イリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの群から選択される1ないし2以上のルシフェラーゼを発現する細胞培養液中のルシフェラーゼの発光量を測定するための試薬であって、細胞をD−ルシフェリン、アデノシン三リン酸、マグネシウム塩、及び界面活性剤として、ノニデット(登録商標)P40またはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む試薬。
本発明の方法により、複数色のルシフェラーゼを含む検体中の各ルシフェラーゼの相対光量を安定して測定できるため、複数の遺伝子の転写活性を同時にモニターするなど、複数のレポーターを用いた種々の生命現象の定量が可能となった。さらに、本発明の方法によりプレートリーダーを用いて多検体を一度により安定して測定することが可能となり、創薬スクリーニング、化学物質の毒性評価などに広く応用できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で検出するルシフェラーゼは、イリオモテボタルRhagophthalmidae Ohbai由来の緑色発光ルシフェラーゼ(非特許文献5)、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ(非特許文献4)、鉄道虫Phrixothrix hirtus由来の赤色発光ルシフェラーゼ(非特許文献3)などが挙げられる。これらルシフェラーゼは野生型の配列、あるいは1ないし2以上のアミノ酸残基の置換、挿入、欠失があってもよい。これらは通常、発現可能な遺伝子構築物の形で細胞に導入されるが、ルシフェラーゼ遺伝子はcDNA由来などの天然の遺伝子を使用してもよいが、試験に使用される細胞種において翻訳効率が向上するように遺伝子工学的に改変された遺伝子を用いることがより好ましく、近江谷らのルシフェラーゼが例示される(マルチ遺伝子転写活性測定システム、特許文献1)。
Ohmiya Y.,Mina Y.,Viviani V.R.,Ohba N.2000,Sci.Rep.Yokosuka City Mus.47,31−38
さらに、天然の発光酵素と同一のアミノ酸配列を有しても、また1又は2以上のアミノ酸の置換、付加、欠失または挿入が含まれるものであってもよいし、N末端またはC末端に第2のタンパク質が結合した融合タンパク質であってもよい。
前記ルシフェラーゼは、ホタルルシフェラーゼと同様D−ルシフェリンを発光基質として検出することが可能である。すなわち、ルシフェラーゼを含むサンプル溶液を発光反応に十分な濃度のD−ルシフェリン、アデノシン三リン酸(ATP)、マグネシウム塩などを含む発光試薬を混合し、この反応によって生じる発光量を測定し、各サンプル中のルシフェラーゼの相対的な存在量を決定する。
前記ルシフェラーゼの検出は、D−ルシフェリンを細胞に浸透させることによっても発光を生じせしめることができるが、より高感度な検出を行うにはルシフェラーゼを発現する細胞を物理的に破砕あるいは化学的に溶解し、その処理液の全部または一部と発光反応に十分な濃度のMgイオン、ATP、ルシフェリンなどを含む発光反応液を調製し、前記反応液の発光量をもとに各サンプル中のルシフェラーゼの相対的な存在量を決定することが好ましい。細胞を物理的に破砕する方法としては、超音波破砕法が挙げられる。化学的に溶解する手法としては、細胞を界面活性剤を含む溶液と接触させる方法である。この破砕/溶解された細胞抽出液を前記試薬と混合し、発光を測定することによってルシフェラーゼの存在量を調べることができる。しかしながら、このような細胞で発現するルシフェラーゼの検出においては、発光試薬に界面活性剤を添加することによって、細胞を溶解しながら発光反応を行う方法は操作性がよく、サンプル数が多い場合に最適である。
前記、細胞を溶解してルシフェラーゼを抽出しながら発光反応を行うために発光試薬に添加される界面活性剤としては、ルシフェラーゼを失活させたり、その活性をできるだけ阻害しない種類、濃度でなければならない。本発明に用いられるルシフェラーゼの抽出には非イオン性界面活性剤の使用が好ましい。一般に、ホタルPhotinus Pyralis由来ルシフェラーゼを細胞から抽出する界面活性剤としてTriton X100(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)が用いられるが、本発明に用いられるルシフェラーゼの抽出には、Nonidet P40(NP40、ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル)(CAS 9036−19−5)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(ブリジ(登録商標)−58)(CAS 9004−95−9)を使用することが好ましい。使用濃度としてはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルについては、細胞培養液と混合後0.025〜1.5%が好ましい。下限は、さらに好ましくは0.05%である。上限は、さらに好ましくは0.5%、最も好ましくは0.25%である。一方、ノニデット(登録商標)P40が、細胞培養液と混合後、0.025〜0.25%が好ましい。
本発明に使用するルシフェリンは、本発明に用いられるルシフェラーゼが作用するものであれば特に限定されないが、好ましくはD−ルシフェリンで、塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩などである。天然物と化学合成品いずれであってもよいが、化学合成品の方がロット間のバラツキが少ないようである。さらに、D−ルシフェリン誘導体であってもよい。本発明で使用されるルシフェリンの濃度は、好ましくは0.01mM〜10mMであり、さらに好ましくは0.1mM〜3mMである。
本発明に使用するATPは、塩であってもよく、ナトリウム塩やカリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。本発明で使用されるATPの濃度の下限は0.01mMが好ましいが、さらに好ましくは0.5mM、さらに好ましくは1mM、さらには1.5mM以上であることが好ましい。一方、ATPの濃度の上限は100mMが好ましいが、さらに好ましくは10mM、さらに好ましくは5mMである。
本発明に使用するマグネシウム塩は、マグネシウムイオンを含む化合物から提供され、このような化合物としては、硫酸マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、シュウ酸マグネシウムなどが挙げられる。マグネシウムイオンの濃度は、0.01〜25mMであり、より好ましくは0.1〜10mM、さらに好ましくは4〜8mMである。
本発明ではさらに、発光反応を増強するため補酵素Aを含むことが好ましい。好ましい濃度は0.1〜10mM、より好ましくは0.1〜1mM以上である。
本発明では、さらにイオン強度やpHを維持するために、緩衝成分を含んでもよい。緩衝成分としては、HEPES、Tricine、Tris、MOPS、グリシルグリシンなどが挙げられ、通常は20〜100mMの使用が好ましい。好ましいpH範囲は7.0〜8.5である。pH7.8〜8.0で最大発光を得ることができるが、pHを7.8以下にすることによって発光持続性を高めることができる。本発明ではさらにルシフェラーゼの活性を増強するタンパク質性材料、例えば、ウシなどの哺乳類血清アルブミン、ラクトアルブミンなどを存在させることもできる。
本発明の方法は、さらにサンプル中に存在して、ルシフェラーゼやATPなどに悪影響を及ぼす可能性のある金属含有プロテアーゼやホスファターゼの活性を抑制するため、EDTAまたはCDTA、EGTAなどのキレート剤などを含有させることができる。好ましい濃度としては1〜5mMである。
さらに、本発明の方法では、ルシフェラーゼのタンパク質の安定性を保護する作用が考えられる還元剤を含んでもよい。還元剤としてはジチオトレイトールや2−メルカプトエタノールなどのスルフィドリル化合物が挙げられる。しかしながら、特許文献1に開示されるホタルルシフェラーゼのような発光増強効果は認められないため、通常使用される0.5〜5mMの範囲であれば、いずれでもよい。
本発明の一つの態様としては、前記ルシフェラーゼをコードする遺伝子の上流に転写調節配列を連結し、この遺伝子構築物を細胞に導入することによって発現するルシフェラーゼの検出である。これによって、ルシフェラーゼの発現量を指標に前記細胞における前記転写制御配列の転写制御を解析することが可能である。
本発明に用いられる細胞とは動物由来の細胞であるが、好ましくは哺乳類由来の細胞であって、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、ブタなどの細胞が挙げられる。
本発明の別の態様としては、前記ルシフェラーゼを試験対象となる第2のタンパク質との融合タンパク質の形で発現させ、その存在量を発光を測定することによって、試験対象となったタンパク質量の調節をモニターする方法である。例えば、IκBとの融合タンパク質として細胞内で発現させることによって、TNFα、IL−1など刺激によってIκBが分解され、転写因子NFκBの活性化される経路の活性化されるが、一定発現プロモーターに連結されたIκBとの融合タンパク質の分解の程度を測定することによって、この活性化を定量的にモニターすることができる。
本発明の別の態様としては、前記ルシフェラーゼを検出するための試薬・キットであって、ルシフェリン、1mM以上のアデノシン三リン酸、マグネシウムイオン、緩衝成分、及び界面活性剤としてノニデット(登録商標)P40またはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む。1つのこのような組成物は、0.1mM〜3mM ルシフェリン、1〜3mM ATP、0.1〜10mM マグネシウムイオン、0.025〜1.5%のノニデット(登録商標)P40またはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む水溶液である。さらに、0.1〜10mM 補酵素A、及び/または1〜4.5mMのジチオトレイトールまたは2−メルカプトエタノールを含む組成物である。これら検出に必要な成分をすべて含有する試薬であってもよいし、別個のパーツからなるキットであってもよい。
なお、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルの濃度の、さらに好ましい下限は0.05%である。また、さらに好ましい上限は0.5%、最も好ましくは0.25%である。
以下、本発明の実施例を例示することによって、本発明の効果をより一層明確なものとする。
実施例1 ルシフェラーゼの抽出/発光に対する界面活性剤の比較
96ウェル白色不透明プレートにCHO細胞を播種し(3×105 cells/ウェル)、10%FCSを含むHam‘s F12培地(日水製薬)100μl/ウェル中で培養した。翌日、イリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの発現プラスミド(それぞれ、東洋紡績製、MultiReporter Assay System −Tripluc(登録商標)− SV40コントロールベクターの、pSLG−SV40 control、pSLO−SV40 control、pSLR−SV40 control)をGeneJuice Transfection Reagent(Novagen社)を用いて、トランスフェクションした。24時間培養後、60mM Tricine pH8.0、4mM MgSO、3mM EDTA、0.3mM Coenzyme A、0.58mM D−luciferin、4mM DTT、1.5mM ATP、さらに界面活性剤として0.05〜1%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、0.01〜0.5%Triton X−100,0.01〜0.5%Nonidet(ノニデット)(登録商標)P−40のいずれかを含む発光試薬を調製し、培地100μlを含んだままの細胞に100μlの発光試薬を添加した(すなわち、各試薬成分濃度は反応液中では前記の1/2となる)。10分間インキュベートして細胞を溶解し、発光を測定し、さらにその15分後(試薬添加25分後)、30分後(試薬添加40分後)の発光を測定した。
図1はポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、Triton X−100を含む発光試薬、図2はポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、Nonidet P−40を含む発光試薬の測定結果を示す。それぞれ棒グラフは、試薬添加後、10分、25分、40分後の発光強度を、折れ線グラフは10分後を100として、40分後の10分後に対する相対発光強度の変化を示した。この結果、特にイリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ(SLG)、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ(SLO)において、Triton X−100に比べてポリオキシエチレン(20)セチルエーテルで細胞を溶解した方がルシフェラーゼの発光強度が高く、さらに発光持続性が高いことが認められた。また、Nonidet P−40についてもポリオキシエチレン(20)セチルエーテルほどではないが、比較的高い効果が認められた。
実施例2 ルシフェラーゼの抽出/発光に対する界面活性剤ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル有効濃度の検討
96ウェル白色不透明プレートにCHO細胞を播種し(3×105 cells/ウェル)、10%FCSを含むHam‘s F12培地(日水製薬)100μl/ウェル中で培養した。翌日、pSLG−SV40 control、pSLO−SV40 control、pSLR−SV40 controlをGeneJuice Transfection Reagent(Novagen社)を用いて、トランスフェクションした。24時間培養後、60mM Tricine pH8.0、4mM MgSO、3mM EDTA、0.3mM Coenzyme A、0.58mM D−luciferin、4mM DTT、1.5mM ATP、さらに界面活性剤として0.5〜3%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む発光試薬を調製し、培地100μlを含んだままの細胞に100μlの発光試薬を添加した(すなわち、各試薬成分濃度は反応液中では前記の1/2となる)。10分間インキュベートして細胞を溶解し、発光を測定し、さらにその15分後(試薬添加25分後)、30分後(試薬添加40分後)の発光を測定した。
図3はポリオキシエチレン(20)セチルエーテル0.25〜1.5%を含む発光試薬の測定結果を示す。それぞれ棒グラフは、試薬添加後、10分、25分、40分後の発光強度を、折れ線グラフは10分後を100として、40分後の10分後に対する相対発光強度の変化を示した。この結果、特にイリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ(SLG)、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ(SLO)、鉄道虫由来赤色発光ルシフェラーゼ(SLR)ともにポリオキシエチレン(20)セチルエーテル0.25〜1.5%において同等の発光強度、持続性が認められた。
実施例3 3色ルシフェラーゼの同時検出
96ウェル白色不透明プレートに培養したCHO細胞に、表1に示すように様々な比率で混合した pSLG−SV40 control,pSLO−SV40 control,pSLR−SV40 controlプラスミドをGeneJuice Transfection Reagentを用いてトランスフェクションした(n=6)。
翌日、60mM Tricine pH8.0、4mM MgSO、3mM EDTA、0.3mM Coenzyme A、0.58mM D−luciferin、4mM DTT、1.5mM ATP、0.1%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルからなる発光試薬を調製し、培地100μlを含んだままの細胞に100μlの発光試薬を添加した(すなわち、各試薬成分濃度は反応液中では前記の1/2となる)。10分間インキュベートした後、発光をプレートリーダーARVOMX (パーキンエルマー社)を用いて、[1]660±50nm、[2]595±30nm、[3]510±30nmの光学フィルター存在下で、それぞれ測定した。
別途あらかじめ各ルシフェラーゼを単独で発現する細胞を用いて、各ルシフェラーゼの各フィルター透過率(Tij;iはフィルターNo.、j=g,o,r)を設定し、この透過率と測定値(Fi)から特開2007−218774に開示された算出方法に基づいて、各ルシフェラーゼの活性(G,O,R)を算出した。
具体的には、測定値をMicrosoft(登録商標) Excelに入力し、MINVERSE関数、MMULT関数を用いて数1の関係式より各発光酵素のシグナル値を算出した。
Figure 0005332178
さらに、この算出値より内部標準として一定量添加したSLGの活性値を用いて、各ウェルサンプルにおけるSLO、SLRの相対活性を算出した(標準化)。
Figure 0005332178
図4は、SLGの活性で標準化されたSLO、SLRの相対活性をプロットした。この結果、各ルシフェラーゼについてプラスミドの添加量に比例した活性を確認することができました。また、n=6のサンプル間でもバラツキの少ない結果を得ることができた。特に、n=6は96ウェル内の3つのcolumeに分けて配置したが、プレート内の位置によるバラツキは認められず、安定した測定が行えたことが確認された。
本発明における多色発光ルシフェラーゼの測定方法は、近年注目される多色発光酵素を用いたアッセイ系の測定に用いられ、このアッセイ系は複雑な細胞内転写制御解析、遺伝子転写を指標としたシグナル伝達系などの解析、さらには化合物スクリーニングの系として利用することができ、創薬・医療などの産業界に寄与することが大である。
哺乳類細胞で発現したイリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの細胞抽出・発光反応におけるポリオキシエチレン(20)セチルエーテルとTriton X−100の効果を示す図である。 哺乳類細胞で発現したイリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの細胞抽出・発光反応におけるポリオキシエチレン(20)セチルエーテルとNonidet P−40の効果を示す図である。 哺乳類細胞で発現したイリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの細胞抽出・発光反応におけるポリオキシエチレン(20)セチルエーテルの有効濃度を示す図である 哺乳類細胞で同時発現したイリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼを本発明の細胞抽出・発光反応方法/試薬において定量的に測定できることを示す図である。

Claims (2)

  1. イリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの群から選択される2以上のルシフェラーゼを発現する細胞培養液中のルシフェラーゼの発光量を測定するための方法であって、(a)細胞と、D−ルシフェリンと、アデノシン三リン酸と、マグネシウム塩と、及び界面活性剤として、細胞培養液と混合後、0.025〜0.25%のポリオキシエチレン(20)セチルエーテルとを混合する工程、(b)該混合液の発光を測定する工程、からなる方法。
  2. イリオモテボタル由来の緑色発光ルシフェラーゼ、イリオモテボタル由来の変異体型橙色発光ルシフェラーゼ、鉄道虫由来の赤色発光ルシフェラーゼの群から選択される2以上のルシフェラーゼを発現する細胞培養液中のルシフェラーゼの発光量を測定するための試薬であって、細胞と、D−ルシフェリンと、アデノシン三リン酸と、マグネシウム塩と、及び界面活性剤として、細胞培養液と混合後、0.025〜0.25%のポリオキシエチレン(20)セチルエーテルとを含む試薬。
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