JP6579539B2 - 光識別方法、物質の検出方法、レポーターアッセイ方法、キット、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害方法及び装置 - Google Patents
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Description
正確な発光活性測定には、内在する比較標準(内部標準)が必要となる。そのためには、同時に複数の発光活性を測定できるアッセイ系であることが望ましい。そのような要求を満たす技術としてデュアルルシフェラーゼアッセイがあり、既存のデュアルルシフェラーゼアッセイとしては以下の手法のものが知られている。
また、発光波長帯が異なる2種類のシフェラーゼを用いた方法もある。これは、マルチカラールシフェラーゼを用い、発光測定時に偏光フィルターを切り替えることによって、例えば、緑色発光と赤色発光を独立に測定することが可能であり、上記DLRAとは異なり、同一の発光基質(D−ルシフェリン)を用いることが可能である。これは、Dual−color luciferase assay(DCLA)又はマルチカラールックレポーターアッセイシステムと称され、市販されており、遺伝子発現定量等に広く用いられている(非特許文献2)。図7右は、DCLAの手順を説明する模式図である。
上記に挙げたDCLAでは、マルチカラールシフェラーゼを用いて、発光測定時に偏光フィルターを切り替えることによって、例えば緑色発光と赤色発光を独立に測定することが可能であり、DLRAとは異なり、同一の発光基質(D−ルシフェリン)を用いることが可能である。しかし、DCRAでは変更フィルターを装備した測定器を準備する必要がある、また、偏光フィルターの介在によって、発光活性の定量限界は大きく低下する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来法であるDLRAよりも簡便で、DCLAよりも高感度にルシフェラーゼアッセイを行うことを可能とする光識別方法の提供を課題とする。
第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含む測定対象物の、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとを反応させ、前記測定対象物から発せられた光の発光量L1を測定する第1測定工程、
前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤と前記測定対象物とを接触させて、前記第1ルシフェラーゼと前記ルシフェリンとの反応によって生じる発光量を低下させ、測定対象物から発せられた発光量L2を測定する第2測定工程、
前記発光量L1の値と、前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2発光物質により生じた光Bを識別する識別工程、
を含むことを特徴とする光識別方法。
[2]前記第2発光物質がルシフェリンであり、前記測定対象物が、第1ルシフェリン、第1ルシフェラーゼ、前記ルシフェリン、及び前記ルシフェリンと反応させる第2ルシフェラーゼを含む、前記[1]に記載の光識別方法。
[3]前記ルシフェリンが前記第1ルシフェリンと同じ物質である前記[2]に記載の光識別方法。
[4]前記阻害剤非存在下における、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量を発光量A1とし、
前記阻害剤存在下における、前記第1ルシフェラーゼと前記ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量を発光量A2とし、
前記阻害剤非存在下における、前記第2ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Bの発光量を発光量B1とし、
前記阻害剤存在下における、前記第2ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量を発光量A2としたときに、
光Aの発光量の低下率(A2/A1)と、光Bの発光量の低下率(B2/B1)との比が1.1倍以上である前記[2]又は[3]に記載の光識別方法。
[5]前記第1ルシフェリンが、D−ルシフェリン又はその類縁体である前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の光識別方法。
[6]前記第1ルシフェラーゼがFluc、Luc2、SLO、SLG又はCBRである前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の光識別方法。
[7]前記測定対象物が細胞であり、測定対象物の前記細胞から発せられた光を、細胞非破壊的に測定する前記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の光識別方法。
[8]前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の光識別方法を用いることを特徴とする物質の検出方法。
[9]前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の光識別方法を用いることを特徴とするレポーターアッセイ方法。
[10]第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含む前記測定対象物が、遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子が導入され、前記第1ルシフェラーゼを発現している組み換え細胞又はその抽出物を含むことを特徴とする前記[9]に記載のレポーターアッセイ方法。
[11]前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の光識別方法、前記[8]に記載の物質の検出方法、又は、前記[9]又は[10]に記載のレポーターアッセイ方法を行うためのキットであって、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤を備えることを特徴とするキット。
[12]下記一般式(1)で表される化合物又はその塩であることを特徴とするルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤。
X1はCH又はNを表し、R1はハロゲン原子を表し、R2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。
nはR1の数を表し、0〜3のいずれかの整数であり、nが2以上のとき、R1同士は互いに同一でも異なっていてもよい。mはR2の数を表し、0〜2のいずれかの整数であり、mが2のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[13]下記一般式(2)で表される化合物又はその塩であることを特徴とするルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤。
X2はCH又はNを表し、R3はハロゲン原子を表し、R4は単結合又は2価の連結基を表し、R5は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。
pはR3の数を表し、0〜3のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R3同士は互いに同一でも異なっていてもよい。qはR5の数を表し、0〜2のいずれかの整数であり、qが2のとき、R5同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[14]ルシフェラーゼとルシフェリンとの反応を阻害する前記[12]又は[13]に記載のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤用いることを特徴とするルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害方法。
[15]前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の光識別方法を行うための装置であって、(a)前記測定対象物から発せられた光の発光量を測定する測定手段と、(b)前記測定手段によって測定された前記発光量L1の値と、前記測定手段によって測定された前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2発光物質により生じた光Bを識別するための算出手段と、を備えることを特徴とする装置。
また、該光識別方法を用いたレポーター遺伝子アッセイ方法によれば、従来のDLRAよりも簡便で、従来のDCLAよりも高感度にルシフェラーゼアッセイを行うことが可能となる。
また、該光識別方法を用いた物質の検出方法によれば、従来のDLRAよりも簡便で、従来のDCLAよりも高感度に物質を検出することが可能となる。
また、本発明によれば、ルシフェラーゼ阻害活性を有するルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤を提供でき、上記光識別方法に用いることができる。
本発明の光識別方法は、
以下の工程;
第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含む測定対象物の、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとを反応させ、前記測定対象物から発せられた光の発光量L1を測定する第1測定工程、
前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤と前記測定対象物とを接触させて、前記第1ルシフェラーゼと前記ルシフェリンとの反応によって生じる発光量を低下させ、測定対象物から発せられた発光量L2を測定する第2測定工程、
前記発光量L1の値と、前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2発光物質により生じた光Bを識別する識別工程、を含む。
本実施形態の光識別方法は、第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質であるルシフェリン、前記ルシフェリンと反応させる第2ルシフェラーゼを含む測定対象物の、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとを反応させ、前記測定対象物から発せられた光の発光量L1を測定する第1測定工程を含む。
本実施形態において、測定対象物は細胞抽出物の調整物である。細胞抽出物の由来となる細胞には、細胞内で発現させたFluc及びCBGが含まれている。当該細胞抽出物、D−ルシフェリン、及びバッファーを混合し、Fluc、CBG及びD−ルシフェリンを含む液である第1測定工程の測定対象物を得る。第1測定工程の測定対象物は、後述する阻害剤を含まない液であり、発光量L1の測定は、阻害剤非存在下における測定となる。
本実施形態の光識別方法は、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤と前記測定対象物とを接触させて、前記第1ルシフェラーゼと前記ルシフェリンとの反応によって生じる発光量を低下させ、測定対象物から発せられた発光量L2を測定する第2測定工程を含む。
阻害剤存在下における、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量を発光量A2とし、阻害剤存在下における、前記第2ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Bの発光量を発光量B2とすると、第2測定工程の測定対象物から発せられた光の発光量L2の値は、発光量L2 = 発光量A2 + 発光量B2である。
阻害剤は、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害するので、第2測定工程の測定対象物から発せられた光の発光量L2は、第1測定工程の測定対象物から発せられた光の発光量L1よりも低下している。本実施形態では、阻害剤として、FlucとD−ルシフェリンの反応を阻害する阻害剤を用い、該阻害剤は発光量A2の値をA1の1/10にする作用がある場合を例示する(図1)。
例えば、第1測定工程で測定する第1測定工程の測定対象物の液と、第1測定工程の測定対象物の組成であって第1測定工程で測定しない液との、2つの液を予め用意しておき、第1測定工程で測定しない液に阻害剤を添加して、これを第2測定工程の測定対象物としてもよい。
本実施形態の光識別方法は、前記発光量L1の値と、前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2ルシフェラーゼと第1ルシフェリンの反応により生じた光Bを識別する識別工程、を含む。
光Aの発光量の低下率を求めるには、第2発光物質を含まないこと以外は同様の条件で、前記第1測定工程及び前記第2測定工程を行えばよい。この場合、測定対象物から発せられる光は光Aのみに由来するものであるので、阻害剤非存在下での発光量A1及び阻害剤存在下での発光量A2を測定し、発光量の低下率(A2/A1)を求めればよい。
この場合も、阻害剤による第2発光物質の発光量の変化率が予め既知である必要がある。例えば、第2発光物質が第2ルシフェラーゼと反応する第1ルシフェリンであり、阻害剤が第2ルシフェラーゼと第1ルシフェリンの反応を阻害する場合には、光Bの発光量の低下率(B2/B1)が予め既知である必要がある。
光Bの発光量の低下率を求めるには、第1発光物質及び第1ルシフェリンを含まないこと以外は同様の条件で、前記第1測定工程及び前記第2測定工程を行えばよい。この場合、測定対象物から発せられる光は光Bのみに由来するものであるので、阻害剤非存在下での発光量B1及び阻害剤存在下での発光量B2を測定し、発光量の低下率(B2/B1)を求めればよい。
ルシフェラーゼは生物発光を触媒する酵素の総称であり、ルシフェリンは、ルシフェラーゼと反応して光を生み出す化合物の総称である。
これまでに様々な種類のルシフェラーゼ及びルシフェリンが発見されており、代表的なルシフェラーゼとしては、ウミシイタケルシフェラーゼ(Rluc)、ホタルルシフェラーゼ(Fluc)、ヒカリコメツキ(Click beetle)由来の緑色発光タンパク質(CBG:Click Beetle Green)及び赤色発光タンパク質(CBR:Click Beetle Red)が挙げられる。代表的なルシフェリンとしては、ウミシイタケルシフェリン、ホタルルシフェリン、セレンテラジン等が挙げられる。
ルシフェラーゼには、基質特性がある。特定のルシフェラーゼと反応して光を生み出すルシフェリンは、当業者によって適宜選択することができる。
ルシフェラーゼは、天然に存在する天然型のタンパク質であっても、天然型とは異なるアミノ酸配列、修飾、付加等を有する突然変異型又は人為的改変型のタンパク質であってもよい。ルシフェリンは、ルシフェラーゼと反応して光を生み出すものであれば、天然に存在する天然型の化合物であっても、天然型とは異なる構造を有する化合物であってもよい。
従来用いられてきたDLRAでは、例えば、ホタルルシフェラーゼ(firefly luciferase:Fluc)とウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla luciferase: Rluc)を用い、基質特異性と反応条件の差異を利用するので、異なる2種類の発光基質と、それらに対応する緩衝液を準備する必要がある。
一方、本実施形態の光識別方法では、適切なルシフェラーゼ及びルシフェリンを選択することにより、第1ルシフェラーゼ及び第2ルシフェラーゼをともに第1ルシフェリンと反応させることが可能であるので、ルシフェラーゼの反応条件を変更することなく、第1ルシフェラーゼと第1ルシフェリン及び第2ルシフェラーゼと第1ルシフェリンの両方の反応を同一反応系で行うことができる。そのため、緩衝液を変更する必要もなく、より簡便にルシフェラーゼアッセイを行うことができる。
共通のルシフェリンと反応する第1ルシフェラーゼ、第2ルシフェラーゼ及びルシフェリンの組合せとしては、種々の組み合わせが例示できるが、D−ルシフェリンと反応するルシフェラーゼとしては、例えば、Fluc、CBR、CBG、SLG(緑色発光ルシフェラーゼ)、SLO(橙色発光ルシフェラーゼ)、及びSLR(赤色発光ルシフェラーゼ)からなる群から、それぞれ異なるものをそれぞれ第1ルシフェラーゼ及び第2ルシフェラーゼとして選択すればよい。
本発明の光識別方法に係る測定対象物は、第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含むものであれば特に制限されないが、好ましい測定対象物として、細胞又は、細胞由来の物質が挙げられる。細胞を測定対象とすることは、細胞の集合である細胞集団、組織、器官、又は生物個体を測定対象とすることを包含する。細胞としては、例えば、植物細胞、植物体、動物細胞、昆虫細胞、酵母、真菌などの真核細胞であり、単細胞生物、微生物等も含む。細胞由来の物質としては、細胞抽出物、細胞培養上清、それらの調整物等が挙げられる。
測定対象物中には、第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質が均一に含まれていなくともよい。例えば、測定対象物が個体である場合、個体を構成する一部の細胞にのみ第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質が含まれていてもよい。他の例としては、個体を構成する一部の細胞にのみ第1ルシフェラーゼ及び第1発光物質である第1ルシフェリンが含まれており、さらに前記部分とは異なる部分に第2発光物質が含まれていてもよい。
上記に挙げたDLRAでは、例えば、ホタルルシフェラーゼ(firefly luciferase:Fluc)とウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla luciferase: Rluc)を用い、Flucに対する基質としてホタルルシフェリンを用い、Rlucに対する基質としてはセレンテラジンを用いる場合がある。しかし、セレンテラジンは比較的高分子なため、細胞への浸透が起こり難い。そのため、細胞内で発現させたRlucとセレンテラジンとを反応させるため、測定対象物としては細胞を破壊して得た細胞抽出物としなければならない。
一方、本発明の光識別方法では、上述のように第1ルシフェラーゼ及び第2ルシフェラーゼは、同一種のルシフェリンを用いて反応系を構築することも可能であるため、細胞浸透性に劣るルシフェリンを選択しなければならない必要性を低くすることができる。
例えば、上記第1実施形態では、細胞抽出物の調整物を測定対象物としていたが、上記第1実施形態では、細胞浸透性に優れるホタルルシフェリンのみを発光基質として用いているため、測定対象物を細胞とし、測定対象物の細胞から発生られた光を細胞非破壊的に測定することも可能である。また、後述する本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤が、細胞浸透性に優れていることによっても、測定対象物の細胞から発生られた光を細胞非破壊的に測定することを可能とする。
本発明の物質の検出方法は、本発明の光識別方法を用いるものである。検出とは、測定及び定量を含む。本発明の光識別方法は、従来ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を利用して行われてきた物質の検出方法に幅広く用いることができる。
例えば、ホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンの発光反応は、ATP存在下でのみ生じる反応であるので、本発明の光識別方法を用いれば、測定対象物中のATPの存在を検出することができる。検出対象をATPとする場合、本発明の物質の検出方法の一実施形態としては、
以下の工程;
検出対象であるATPを含み得る被験試料、第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含む測定対象物の、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとを反応させ、前記測定対象物から発せられた光の発光量L1を測定する第1測定工程、
前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤と前記測定対象物とを接触させて、前記第1ルシフェラーゼと前記ルシフェリンとの反応によって生じる発光量を低下させ、測定対象物から発せられた発光量L2を測定する第2測定工程、
前記発光量L1の値と、前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2発光物質により生じた光Bを識別する識別工程、
を含むものとすることができる。
また、ATPと同様に、ATPase等の酵素活性の測定、ATPを生産する細胞の測定、微生物の測定等を行うことができる。
図2には、第3ルシフェラーゼとしてRlucを用いる場合を例示する。このようにして、識別して検出可能な光の種類を増やすことができる。
本発明のレポーターアッセイ方法は、本発明の光識別方法を用いるものである。レポーターアッセイは、レポーターからのシグナルを介して、遺伝子の発現、遺伝子調節、細胞応答等を検出する手法である。本発明の光識別方法は、従来ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を利用して行われてきたレポーターアッセイに幅広く用いることができる。
例えば、本発明の光識別方法における前記測定対象物が、遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子が導入され、前記第1ルシフェラーゼを発現している組み換え細胞又はその抽出物を含むものであってもよい。ここで、遺伝子調節領域とは、下流に連結された遺伝子の転写を制御可能な配列であればよく、例えば、プロモーター、エンハンサー、ホルモン応答配列等である。
ルシフェラーゼ遺伝子は、天然に存在する天然型の塩基配列を有するものであっても、天然型とは異なる塩基酸配列、修飾、付加等を有する突然変異型又は人為的改変型の塩基配列を有するものであってもよい。例えば、Luc2は、ホタルルシフェラーゼの哺乳類細胞での発現効率化を目的としてコドンが最適化されている。ルシフェリンについても、天然に存在する天然型の化合物であっても、ルシフェラーゼと反応して光を生み出すものであれば、天然型とは異なる構造を有する化合物であってもよい。
レポーター遺伝子としては、GFP等の蛍光タンパク質、ルシフェラーゼが挙げられ、ルシフェラーゼであることが好ましい。ルシフェラーゼとしては、上記と同様のものが挙げられる。
よって、前記検出対象物は、遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子が導入され、さらに、遺伝子調節領域の下流に前記第2ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子が導入され、前記第1ルシフェラーゼ及び前記第2ルシフェラーゼを発現している組み換え細胞又はその抽出物を含むものであってもよい。遺伝子調整領域としては、上記と同様のものが挙げられる。以下に本発明のレポーターアッセイ方法の実施態様の一例を示す。
前記発現ベクターは、染色体外で自律複製できるものの他、染色体組込み型ベクターとして構築されていてもよい。また、形態としては、線状の断片、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルス、トランスポゾン、酵母人工染色体(YAC)や植物人工染色体(PAC)、哺乳類人工染色体(MAC)等を採ることができる。これらの中でも、プラスミドベクターが好ましい。
次いで、該細胞を前記第1ルシフェラーゼ及び第2ルシフェラーゼと反応するルシフェリンを含む溶液に浸し、細胞内にルシフェリンを導入する。このようにして、第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質であるルシフェリン、前記ルシフェリンと反応させる第2ルシフェラーゼを含む測定対象物である細胞を得ればよい。
次いで、本発明の光識別方法に係る第1測定工程、第2測定工程及び識別工程を行い、第1ルシフェリンの反応により生じた光Aと第2ルシフェリンにより生じた光Bを識別する。光Aは目的遺伝子の遺伝子発現を表し、光Bは内部コントロールの遺伝子の遺伝子発現を表す。
図2には、第3ルシフェラーゼとしてRlucを用いる場合を例示する。このようにして、識別して検出可能な光の種類を増やすことができる。
更には、本発明のレポーターアッセイ方法を用いることで、化合物の細胞に与える影響を評価することや、生理活性物質、薬物等のスクリーニングを行うことも可能である。
以下に、免疫応答に係る生理活性物質のスクリーニングを行う場合について説明する。
次いで、本発明の光識別方法に係る第1測定工程、第2測定工程及び識別工程を行い、第1ルシフェリンの反応により生じた光Aと第2ルシフェリンにより生じた光Bを識別する。光Aは免疫応答関連因子の遺伝子発現を表し、光Bは内部コントロールの遺伝子の遺伝子発現を表す。そして、例えば、予め被験物質の非存在下で同様のアッセイを行って光A及び光Bの発光量を取得しておき、被験物質の存在下と非存在下での光A及び光Bの発光量の変化に基づいて、被験物質が免疫応答に係る生理活性物質であるかを判別して被験物質を選択すればよい。例えば、被験物質を組み換え細胞と接触させない場合の光Bの発光量により補正した後の光Aの発光量と比較して、光Bの発光量により補正した後の光Aの発光量を増加させる被験物質を、免疫応答に係る生理活性物質の候補として選択すればよい。
本発明のキットは、本発明の光識別方法、本発明の物質の検出方法、又は、本発明のレポーターアッセイ方法を行うためのキットであって、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤を備えるものである。
当該阻害剤は、本発明の光識別方法に係る第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害するものであればよく、上述の<光識別方法>で説明した阻害剤を好適なものとして例示できる。
本発明のキットは、上記阻害剤の他に、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応のためのバッファー及び試薬類、反応容器および取扱い説明書を備えていてもよい。
バッファーは、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応の反応系となる液のpHを、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応に適したpHに保つ役割を有する。バッファーの種類は、反応させるルシフェリン、ルシフェラーゼの種類及び測定対象物の種類にあわせて当業者が適宜選択することができる。バッファーにはルシフェリン等の試薬が予め含まれていてもよい。
或いは、本発明のキットは、検出対象の遺伝子の遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子を構築するためのベクターを備えていてもよく、検出対象の遺伝子の遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子を構築するためのベクター、及び検出対象の遺伝子の遺伝子調節領域の下流に前記第2ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子を構築するためのベクターを備えていてもよい。遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子を構築するためのベクターの一例としては、第1ルシフェラーゼタンパク質をコードする第1ルシフェラーゼ遺伝子を含むものであり、第1ルシフェラーゼ遺伝子の上流に検出対象の遺伝子の遺伝子調節領域を挿入することにより、融合遺伝子を構築することができる。
また、本発明のキットは、免疫応答、アポトーシス、細胞毒性、細胞増殖、細胞分化、細胞周期等の細胞情報を取得するために用いられる試薬類をさらに備えていてもよい。
本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤は、下記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩、又は下記一般式(2)で表される化合物若しくはその塩である。
X1はCH又はNを表し、R1はハロゲン原子を表し、R2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。
nはR1の数を表し、0〜3のいずれかの整数であり、nが2以上のとき、R1同士は互いに同一でも異なっていてもよい。mはR2の数を表し、0〜2のいずれかの整数であり、mが2のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
R2の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を例示できる。R2の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数1〜3が好ましく、炭素数1又は2がより好ましい。
X2はCH又はNを表し、R3はハロゲン原子を表し、R4は単結合又は2価の連結基を表し、R5は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。
pはR3の数を表し、0〜3のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R3同士は互いに同一でも異なっていてもよい。qはR5の数を表し、0〜2のいずれかの整数であり、qが2のとき、R5同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
R4の2価の連結基としては、アルキレン基、NHを含む2価の連結基又はこれらの組合せが挙げられる。R4がアルキレン基である場合、炭素数1〜3が好ましく、炭素数1〜2がより好ましい。
R4がNHを含む2価の連結基である場合、NHを含む2価の連結基としては、−NH−、−C−NH−等が挙げられる。
R5の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を例示できる。R5の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数1〜3が好ましく、炭素数1又は2がより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物が反応を阻害する前記第1ルシフェリンとしては、D−ルシフェリン又はその類縁体であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物が反応を阻害する前記第1ルシフェリンとしては、D−ルシフェリン又はその類縁体であることが好ましい。
本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害方法は、本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤を用いる。
例えば、第1ルシフェラーゼ、及び第1発光物質である第1ルシフェリンを含む反応系に、本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤を添加することで、第1ルシフェラーゼと第1発光物質である第1ルシフェリンとの反応を阻害することができる。
このとき、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aと、前記第2発光物質により生じた光Bの発光波長が異なっている場合、本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤を添加することで、反応系から発せられた光の色調を、阻害剤存在下と阻害剤非存在下とで変化させることができる。
本発明のルシフェリン−ルシフェラーゼ反応阻害剤を用いた色調制御方法としては、例えば、第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含み、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aと、前記第2発光物質により生じた光Bの発光波長が異なる反応液に、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤を接触させて、前記反応液から発せられる光の色調を変化させる色調制御方法とすることができる。
本発明の装置は、本発明の光識別方法を行うための装置であって、
(a)前記測定対象物から発せられた光の発光量を測定する測定手段と、(b)前記測定手段によって測定された前記発光量L1の値と、前記測定手段によって測定された前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2発光物質により生じた光Bを識別するための算出手段と、を備えるものである。測定手段は、前記測定対象物から発せられた光の発光量又は発光強度を測定するものであってもよい。
測定手段10によって測定された発光量L1の値及び発光量L2の値は、算出手段20によって、測定された発光量のうち、光A由来の発光量と光B由来の発光量とが算出され、光Aと光Bを識別することが可能である。算出手段は、例えばコンピュータである。光A由来の発光量と光B由来の発光量の算出方法については、上述した<光識別方法>における(識別工程)で説明したものが挙げられる。
反応容器にルシフェラーゼ含有溶液(RLL extract)2.5μL、測定バッファー50μL、阻害剤のDMSO溶液3μLを加えて混合し反応溶液を調製した。ルシフェラーゼ含有溶液(RLL extract)のルシフェラーゼは、TnT(登録商標) Coupled Reticulocyte Lysate Systems(プロメガ社製)によって、添付の説明書に沿って合成した。測定バッファーは、Dual luciferase Assay kit(プロメガ社製)に添付のLARIIバッファーを用いた。LARIIバッファーには、D−ルシフェリンが含有されている。ルシフェラーゼは、Luc2、Fluc、CBR、CBGの計4種を用意し、阻害剤を含まないコントロールの反応溶液(阻害剤(−))を含め、計5種の反応溶液を用意した。阻害剤は、上記式(1−2)で表される化合物である。各反応溶液中の阻害剤の終濃度は、いずれも2mMとなるように調整した。反応溶液中でのルシフェリン−ルシフェラーゼ反応により生じた発光をルミノメーター(AB−2270、アトー社製)により測定した。
反応容器にルシフェラーゼ含有溶液(RLL extract)2.5μL、測定バッファー50μL、阻害剤のDMSO溶液3μLを加えて混合し反応溶液を調製した。ルシフェラーゼ含有溶液(RLL extract)のルシフェラーゼは、TnT(登録商標) Coupled Reticulocyte Lysate Systems(プロメガ社製)によって、添付の説明書に沿って合成した。測定バッファーは、Dual luciferase Assay kit(プロメガ社製)に添付のLARIIバッファーを用いた。LARIIバッファーには、D−ルシフェリンが含有されている。ルシフェラーゼは、Luc2、Fluc、CBR、CBGの計4種を用意し、阻害剤を含まないコントロールの反応溶液(阻害剤(−))を含め、計5種の反応溶液を用意した。阻害剤は、上記式(2−2)で表される化合物である。各反応溶液中の阻害剤の終濃度は、いずれも100μMとなるように調整した。反応溶液中でのルシフェリン−ルシフェラーゼ反応により生じた発光をルミノメーター(AB−2270、アトー社製)により測定した。
光によって誘導されることが知られている光誘導性プロモーターCAB1について、異なる光条件下での該プロモーター活性を確認した。
まず、光誘導性プロモーターCAB1とCBGとの融合遺伝子(CAB−CBG)、カリフラワーモザイクウイルス35SプロモーターCaMV−35SとCBRとの融合遺伝子(35S−CBR)、及びCaMV−35SとCBGの融合遺伝子(35S−CBG)をOgura et al., Plant Biotechnology 22(2), 151-155 (2005)(非特許文献2)に記載の方法により作製した。
CAB1プロモーターが遺伝子発現量を測定したい目的遺伝子のプロモーターであり、35Sプロモーターは、内部コントロールとなるプロモーターである。
細胞抽出液は、
・CAB−CBG及び35S−CBR導入細胞・明条件下、
・CAB−CBG及び35S−CBR導入細胞・暗条件下、
・35S−CBG及び35S−CBR導入細胞・明条件下、
・35S−CBG及び35S−CBR導入細胞・暗条件下、
の計4種を得た。
反応容器に上記の各細胞抽出液10μL、測定バッファーを加え、反応溶液とした。測定バッファーは、Dual luciferase Assay kit(プロメガ社製)に添付のLARIIバッファーを用いた。LARIIバッファーには、D−ルシフェリンが含有されている。各反応溶液から発せられた発光量(発光量L1)をルミノメーター(AB−2270、アトー社製)により測定した。次いで、各反応溶液に阻害剤を添加し、各反応溶液から発せられた発光量(発光量L2)を、ルミノメーターを用いて発光を測定した。阻害剤は、上記式(1−2)で表される化合物である。
図6のグラフ中、
・CAB−CBG及び35S−CBR導入細胞・明条件下処理の細胞抽出物を含む反応溶液に対する上記値を「CAB1−Light」、
・CAB−CBG及び35S−CBR導入細胞・暗条件下処理の細胞抽出物を含む反応溶液に対する上記値を「CAB1−Dark」、
・35S−CBG及び35S−CBR導入細胞・明条件下処理の細胞抽出物を含む反応溶液に対する上記値を「35S−Light」、
・35S−CBG及び35S−CBR導入細胞・暗条件下処理の細胞抽出物を含む反応溶液に対する上記値を「35S−Dark」と表記した。
以上のことから、測定対象物の細胞抽出物からCBRとD−ルシフェリンとの反応による光とCBGとD−ルシフェリンとの反応による光とを区別せずに検出した場合であっても、発光量L1の値と、発光量L2の値とに基づいて両光を識別でき、2種類のルシフェラーゼを用いたレポーターアッセイを実施可能であることが実証された。
また、多色ルシフェラーゼの組成を変化させずに,ルシフェラーゼ発光の色調を変化させる一般的手法としても用いることが出来る。
Claims (10)
- 以下の工程;
第1ルシフェラーゼ、発光量の測定対象であり発光量測定時に前記第1ルシフェラーゼと反応して光Aを発する第1発光物質である第1ルシフェリン、及び発光量の測定対象であり発光量測定時に光Bを発する第2発光物質(ただし、蛍光物質を除く)を含む測定対象物(ただし、前記第2発光物質がルシフェリンであり、前記測定対象物が、第1ルシフェリン、第1ルシフェラーゼ、前記ルシフェリン、及び前記ルシフェリンと反応させる第2ルシフェラーゼを含むとき、前記第1ルシフェラーゼと前記第2ルシフェラーゼとは異なる。)の、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとを反応させ、前記測定対象物から発せられた光の発光量L1を測定する第1測定工程、
前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンとの反応を阻害する阻害剤と前記測定対象物とを接触させて、前記第1ルシフェラーゼと前記ルシフェリンとの反応によって生じる発光量を低下させ、測定対象物から発せられた発光量L2を測定する第2測定工程、
前記発光量L1の値と、前記発光量L2の値と、予め取得された前記阻害剤による前記第1発光物質である第1ルシフェリンの発光量の低下率と、予め取得された前記阻害剤による前記第2発光物質の発光量の低下率と、に基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量、及び前記第2発光物質により生じた光Bの発光量を算出し、前記光Aの発光量と前記光Bの発光量とを識別する識別工程、
を含む(ただし、前記第1ルシフェリンの発光量の低下率と前記第2発光物質の発光量の低下率とが同一となる阻害剤を用いる場合を除く。)ことを特徴とする光識別方法。 - 前記第2発光物質がルシフェリンであり、前記測定対象物が、第1ルシフェリン、第1ルシフェラーゼ、前記ルシフェリン、及び前記ルシフェリンと反応させる第2ルシフェラーゼを含む、請求項1に記載の光識別方法。
- 前記ルシフェリンが前記第1ルシフェリンと同じ物質である請求項2に記載の光識別方法。
- 前記阻害剤非存在下における、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量を発光量A1とし、
前記阻害剤存在下における、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光Aの発光量を発光量A2とし、
前記阻害剤非存在下における、前記第2ルシフェラーゼと前記ルシフェリンの反応により生じた光Bの発光量を発光量B1とし、
前記阻害剤存在下における、前記第2ルシフェラーゼと前記ルシフェリンの反応により生じた光Bの発光量を発光量B2としたときに、
光Aの発光量の低下率(A2/A1)と、光Bの発光量の低下率(B2/B1)との比が1.1倍以上である請求項2又は3に記載の光識別方法。 - 前記第1ルシフェリンが、D−ルシフェリン、又はD−ルシフェリンを基質とするルシフェラーゼと反応して光を生み出すことのできる化合物であるD−ルシフェリン類縁体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の光識別方法。
- 前記第1ルシフェラーゼがFluc、Luc2、SLO、SLG又はCBRである請求項1〜5のいずれか一項に記載の光識別方法。
- 前記測定対象物が細胞であり、測定対象物の前記細胞から発せられた光を、細胞非破壊的に測定する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光識別方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光識別方法を用いることを特徴とするレポーターアッセイ方法。
- 第1ルシフェラーゼ、第1発光物質である第1ルシフェリン、及び第2発光物質を含む前記測定対象物が、遺伝子調節領域の下流に前記第1ルシフェラーゼ遺伝子が連結された融合遺伝子が導入され、前記第1ルシフェラーゼを発現している組み換え細胞又はその抽出物を含むことを特徴とする請求項8に記載のレポーターアッセイ方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光識別方法を行うための装置であって、(a)前記測定対象物から発せられた光の発光量を測定する測定手段と、(b)前記測定手段によって測定された前記発光量L1の値と、前記測定手段によって測定された前記発光量L2の値とに基づいて、前記第1ルシフェラーゼと前記第1ルシフェリンの反応により生じた光A、及び前記第2発光物質により生じた光Bを識別するための算出手段と、を備えることを特徴とする装置。
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