JP2008113619A - 発光持続性の高いルシフェラーゼを用いた破壊系細胞アッセイ法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを用いた細胞アッセイ方法をに関する。さらに詳しくは、発光安定性が高いルシフェラーゼを用いた細胞アッセイ方法に関する。

【解決手段】ホタルルシフェラーゼに比べ発光の減衰が少ないヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼをレポーターとして発現する細胞において、前記細胞中に存在するルシフェラーゼを細胞溶解・発光反応によって測定することによって、転写制御解析・細胞内タンパク質の存在量の変動解析などの細胞アッセイを高感度、高精度に行う方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、発光安定性の高いルシフェラーゼを用いた破壊系細胞アッセイ方法に関する。さらに詳しくは、転写活性の変動解析、細胞内タンパク質の存在量の変動解析に関する。
レポーター遺伝子、タンパク質を用いた細胞アッセイは、基礎研究ツールとして細胞内分子メカニズムの解析から、化合物の細胞への作用の調査や所望の細胞作用を有する化合物のスクリーニングなど、化学物質の毒性評価やドラッグディスカバリーなど、産業支援ツールとして種々の研究段階で使用される技術である。
細胞アッセイのマーカーとして、標識色素、標識抗体、レポータータンパク質などが用いられている。レポータータンパク質として、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)やβ−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの多くの酵素が用いられてきた。その中で、ホタルルシフェラーゼの発光を利用したシステムは定量性が高く、他のレポーター酵素アッセイに比べ簡便なことから、現在広く用いられている。GFPも基質を必要とせず、励起光を照射することによって容易に検出することが可能であるが、定量化には適していない。
ホタルルシフェラーゼは発光性甲虫由来の発光酵素であり、Photinus、Photuris及びLuciola属のホタルからcDNAが単離されている。特にPhotinus pylalis由来のものは、長年に渡って仔細な研究がなされている。ホタルを含む甲虫由来のルシフェラーゼは、多複素環式有機酸D―(−)−2−(6‘−ヒドロキシ―2’―ベンゾチアゾリル)-Δ2―チアゾリン―4―カルボン酸(以後、ルシフェリンと表記する)を基質とし、Mgイオン存在下でATPとルシフェリンが反応してルシフェニルアデニレートを形成し、酸素と結合し、励起状態のオキシルシフェリンが生じる。このオキシルシフェリンが基底状態に戻るときに光を発する。
この反応を用いたホタルルシフェラーゼの検出においては、発光の短時間性が問題となっていた。すなわち、ホタルルシフェラーゼの発光反応では、発光が急速にピーク強度に達し、閃光が放たれ、続いて、よりゆっくりではあるが依然急速に減衰する。そこで、正確な測定を実施するには発光基質を迅速に注入する機構を有するような検出器が必要であった。
これを解決するため、Keeth V.W.らは補酵素A(CoA)と5mM以上のジチオトレイトール(DTT)などのチオール試薬を発光反応に共存させることによって、発光量を増大させ、かつ発光半減期を5分以上に延長する方法を見出した(特許文献1)。さらに、ピロリン酸を添加する方法(特許文献2、3)、ルシフェラーゼ阻害剤を添加する方法(特許文献1)、AMPを添加する方法(特許文献4)などが開発された。しかしながら、これらの方法では発光強度の積分値は大きくなるものの、発光強度そのものが小さくなってしまう。そのため、発光強度が高く、持続性もあるアッセイ方法が望まれていた。
特許3171595号 US4,246,340 特開平8-47399 US5,618,682
本発明は、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを用いた細胞アッセイ方法を提供することを目的とする。さらに詳しくは、発光安定性が高いルシフェラーゼを用いた細胞アッセイ方法を提供する。
本発明者は、特願2005―332007において、発光による細胞内イメージングツールとして、哺乳類細胞などの生細胞において高い活性を示すヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを開示している。本発明者は、上記課題を解決するため、さらに鋭意研究を重ねた結果、本ルシフェラーゼはホタルルシフェラーゼに比べ発光の減衰が少ないこと、特に細胞溶解・発光を同時に行う検出においてホタルルシフェラーゼよりも発光強度の高い検出が可能であることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
項1.下記の工程からなる、細胞アッセイ方法:
(1)ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する試験細胞を所望の条件下で培養する工程、
(2)前記細胞を溶解する工程、

(3)前記細胞溶解液の一部またはすべてをルシフェリンを含む発光反応試薬と反応させる工程、
(4)前記反応による発光を測定し、サンプル中のルシフェラーゼの存在量を決定する工程。
項2.工程(2)、工程(3)を同時に行う、項1に記載の方法。
項3.ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼがPyrophorus属、Pyrearinus属由来またはその変異体の群より選択される、項1、2のいずれかに記載の方法。
項4.ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼが配列番号:2に示される配列を有する、項3に記載の方法。
項5.ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼが不安定化されたルシフェラーゼである、項4に記載の方法。
項6.ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ遺伝子が試験対象となる転写制御配列下にある、請求項1に記載の方法。
項7.ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼが試験対象となる第2のタンパク質との融合タンパク質である、請求項1に記載の方法。

本発明の方法により、発光安定性の高いルシフェラーゼを用いることによって、従来のホタルルシフェラーゼに比べ、安定した計測を簡便に行うことが可能になった。特に、細胞溶解、発光反応を同時に行う方法では、ホタルルシフェラーゼに比べ高感度な検出が可能である。さらに、本発明の方法により、高濃度のジチオトレイトール、AMP、阻害剤を添加することなく、安定した発光反応が行える。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の破壊系細胞アッセイ法とは、ルシフェラーゼを発現する試験細胞を界面活性剤で破壊し、細胞内で発現するルシフェラーゼの活性を測定することを意味する。前記ルシフェラーゼは細胞内イベントをモニターするためのプローブとして利用されるもので、前記ルシフェラーゼ量を調べることによって、細胞内で起こる事象を解析することが可能である。
本発明の実施態様の1つは、下記の工程からなる、細胞アッセイ方法である。
(1)ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する試験細胞を所望の条件下で培養する工程、
(2)前記細胞を溶解する工程、
(3)前記細胞溶解液の一部またはすべてをルシフェリンを含む発光反応試薬と反応させる工程、
(4)前記反応による発光を測定し、サンプル中のルシフェラーゼの存在量を決定する工程。
本発明で使用されるルシフェラーゼ遺伝子としては、ブラジル産ヒカリコメツキPyrearinus termitilluminans由来のルシフェラーゼ及びその変異体が好ましい。しかしながら、類縁生物由来のルシフェラーゼであれば同様の性質を有することが考えられ、類縁生物としてはヒカリコメツキが挙げられ、Pyrophorus属あるいはPyrearinus属由来のルシフェラーゼが用いられる。Pyrearinus属としては前記Pyrearinus termitilluminansが、Pyrearinus属としてはPyrearinus punctatisimusルシフェラーゼが例示される。
ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼはpHによる発光スペクトルの変動がなく、特にPyrearinus termitilluminans由来のルシフェラーゼは最大発光波長538 nmを有し(非特許文献1)、ルシフェラーゼによる発光検出の際に一般に用いられる光電子増倍管 (PMT) やcharged―coupled device (CCD)カメラの量子効率の最大域と一致するため、より高感度な検出が可能である。

Photochemistry and Photobiology,70,254−260(1990)
前記ルシフェラーゼ遺伝子は天然の遺伝子を使用してもよいが、試験に使用される細胞種において翻訳効率が向上するように遺伝子工学的に改変された遺伝子を用いることがより好ましい。
例えば、天然のヒカリコメツキルシフェラーゼ遺伝子としては配列番号1のものが挙げられ、それを改変したものとして配列番号2のヒカリコメツキ発光酵素遺伝子改変体を挙げることができる。
遺伝子の改変は、具体的には、a) 余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変えること、b)cDNAの配列を、昆虫のコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変え、さらにc)使用上、制限酵素部位が多いことで応用が限定されることからそのcDNAを変えることなどが挙げられ、これらを適宜組み合わせて翻訳効率を向上させることで、発光酵素の発現量を増大し、発光イメージングが容易に行える程度にまで発光量を高めることができ、例えば、配列番号2の遺伝子改変体は改変前の配列番号1の遺伝子と比較して150倍程度の発光量を有する。
例えば、哺乳類細胞における転写制御解析を行うのであれば、配列番号2のヒカリコメツキルシフェラーゼ改変体を用いることが好ましい。
あるいは、配列番号2のDNAとストリンジェントな条件下にハイブリダイズし、かつPhotinus Pyralis由来ルシフェラーゼ遺伝子よりも哺乳類細胞内の発現活性が高い変異型遺伝子を用いることもできる。
「ストリンジェントな条件」とは、特異的なハイブリダイゼーションのみがおき、非特異的なハイブリダイゼーションが起きないような条件をいう。このような条件は、通常、「1×SSC、0.1% SDS、37℃」程度であり、好ましくは「0.5×SSC、0.1% SDS、42℃」程度であり、さらに好ましくは「0.2×SSC、0.1% SDS、65℃」程度である。ハイブリダイゼーションによって得られるDNAは配列番号2記載の塩基配列によって表されるDNAと通常高い相同性を有する。高い相同性とは、80%以上の相同性、好ましくは85%以上の相同性、更に好ましくは90%以上、特に95%以上の相同性を示す。
さらに、天然の発光酵素と同一のアミノ酸配列を有しても、また1又は2以上のアミノ酸の置換、付加、欠失または挿入が含まれるものであってもよいし、N末端またはC末端に第2のタンパク質が結合した融合タンパク質であってもよい。

本発明で使用される、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する試験細胞は、特に限定されるものではないが、例えば、哺乳類細胞、植物細胞、昆虫細胞、酵母、細菌などが挙げられる。
哺乳類細胞を試験細胞として用いる場合には、配列番号2のヒカリコメツキルシフェラーゼ改変体のように、哺乳類細胞における翻訳効率が向上するように遺伝子工学的に改変されたルシフェラーぜ遺伝子を用いることが好ましい。試験細胞として他の細胞種を用いる場合には、配列番号1または2のヒカリコメツキルシフェラーゼ遺伝子及びその改変体遺伝子を用いることもできるが、より好ましくは試験細胞種のコドンユーセージの頻度を鑑み、改変された遺伝子であることがさらに好ましい。
上記の試験細胞は任意の所望の条件で培養することができる。例えば、ある生物学的過程に作用する薬剤をスクリーニングする場合、前記生物学的過程の促進または抑制の指標となるように作成されたルシフェラーゼ遺伝子構築体を試験細胞にあらかじめ導入しておき、前記細胞を種々の種類及び濃度の化合物の存在下で培養し、前記ルシフェラーゼの存在量の増減を評価する。あるいはある受容体タンパク質などの機能を解析する際には、前記タンパク質の活性化または不活性化の指標となるように作成されたルシフェラーゼ遺伝子構築体の他に、さらに前記タンパク質を発現する遺伝子構築体を試験細胞に導入し、培養することによって、前記ルシフェラーゼの存在量の増減をもとに前記タンパク質の機能を評価することもできる。
前記ルシフェラーゼ量の測定は、ルシフェラーゼを発現する細胞を化学的に溶解し、その処理液の全部または一部と発光反応に十分な濃度のMgイオン、ATP、ルシフェリンなどを含む発光反応液を調製し、発光量をもとに各サンプル中のルシフェラーゼの相対的な存在量を決定する。
細胞を化学的に溶解する方法としては、界面活性剤で細胞膜を破壊する方法があり、界面活性剤としてはdigitonin,saponin、Triton X−100、Triton X−114、Tween 20、Tween 80、N,N−Bis(3−D−gluconamidopropyl)cholamide[BIGCHAP]、N,N−Bis(3−D−gluconamidopropyl)deoxycholamide[Deoxy−BIGCHAP]、NIKKOL BL−9EX[Polyoxyethylene(9) Lauryl Ether]、Octanoyl−N−methylglucamide[MEGA−8]、Nonidet P−40等が挙げられるが、これに限らない。また、細胞膜を破壊する物質としては、細菌毒素の用いることができる。
ルシフェラーゼを発現する細胞を化学的に溶解する代わりに、物理的に破砕することも可能である。物理的に破砕する方法としては、超音波破砕などが挙げられる。しかしながら、ソニケーターなどの特別な装置を必要とすることや、特にサンプル数が多くなると煩雑さが増すため、より好ましくは化学的に溶解することが好ましい。
このようにして溶解した細胞溶解液の一部またはすべてをルシフェリンを含む発光反応試薬と反応させる工程は特に限定されないが、例えば細胞溶解液の一部を別の容器に移し、ルシフェリンを含む発光反応試薬と反応させてルシフェラーゼを活性を測定し、残った溶解液で他の細胞内成分量の測定を行うこともできる。しかしながら、細胞溶解液のすべてを用いる場合にはさらに発光試薬を添加するだけで、別の容器への移し変えなどの操作を省略できるため、煩雑さを低減できる。さらに、細胞溶解を行う試薬に発光反応成分を加えておくことによって、操作性は向上する。
前記反応による発光を測定し、サンプル中のルシフェラーゼの存在量を決定する方法は特に限定されないが、例えば光電子増倍管(PMT)や冷却CCDカメラを備えた発光測定装置などを用いて発光強度を測定し、サンプル中のルシフェラーゼの相対的な存在量を決定する。ホタルルシフェラーゼのような発光の持続性が特に低い場合には発光基質を迅速に注入するインジェクターを装着することが好ましいが、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼは発光安定性が比較的高いことから、インジェクターのない発光測定装置でも十分に精度の高い測定が可能である。さらに、多数のサンプルを測定する際には、96ウェル、384ウェル、1536ウェルなどのプレート対応型の発光測定装置を用いることによってハイスループットな測定を実施できる。
界面活性剤や細菌毒素を、発光反応に十分な濃度のMgイオン、ATP、ルシフェリンを含む溶液と、細胞に同時に添加することによって、細胞溶解と発光反応を同時に進めることも可能である。この場合は細胞溶解が十分に行われ、発光反応が安定した後に発光を測定することが望ましい。
特に多くの化合物ライブラリーの中から所望の作用のある化合物をスクリーニングする場合など、多条件の細胞で同時にアッセイを行う必要がある際には操作性を向上させるため、96ウェル、384ウェル、1536ウェルなどのプレートに細胞を培養し、その後細胞溶解と発光反応を同時に進め、そのまま発光測定装置にセットして測定できることが好ましい。
本発明は、前記ルシフェラーゼ遺伝子上流に転写活性(プロモーター活性)を有するか、有する可能性のある被験配列を連結して、前記配列の転写制御に応じて発現されるルシフェラーゼの活性を指標に、前記配列の転写制御を解析する。哺乳類細胞において転写活性を測定するには、ルシフェラーゼ遺伝子が効率的に発現可能なように、開始コドンの上流に翻訳を効率化するためのKozak配列を、ルシフェラーゼ遺伝子下流にはポリアデニル化シグナルを配置する。さらに好ましくは、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に配置される被験配列上流に転写終結シグナルを配置することによって、被験配列以外の配列による発現への影響をできるだけ排除することが好ましい。
さらに、例えば該日時計遺伝子の転写制御解析のように、ダイナミックな転写活性の増減変動をする解析するためには、ルシフェラーゼの細胞内寿命があまりに長いと、いったん合成されたルシフェラーゼが細胞内に長く留まり基底状態のシグナルが高くなるため、転写の活性化がモニターしづらい。このような場合、ルシフェラーゼの細胞内寿命を短縮化することによって、より明瞭な転写活性の変動解析を行うことが可能である。ルシフェラーゼを短寿命化するには、タンパク質分解促進シグナル、例えばユビキチン化シグナルやPEST配列、をルシフェラーゼに融合することで成し遂げられる。
さらに、本発明は、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを試験対象となる第2のタンパク質との融合タンパク質の形で発現させ、その存在量を発光を測定することによって、試験対象となったタンパク質量の調節をモニターする方法である。例えば、IκBとの融合タンパク質として細胞内で発現させることによって、TNFα、IL-1など刺激によってIκBが分解され、転写因子NFκBが活性化されるが、一定発現プロモーターに連結されたルシフェラーゼとIκBとの融合タンパク質を発現することが可能な細胞において、該融合タンパク質による発光シグナルを測定することによってIκBの分解の程度、NFκBの活性化の程度を測定することができる。
以下、本発明の実施例を例示することによって、本発明の効果をより一層明確なものとする。
実施例1 ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの発光安定性の評価(1)
CHO―K1細胞を、12ウェルプレートに1ウェル当たり2×10 cells (2 ml)ずつ播種し、10%FCSを含むHam‘s F12培地(日水製薬)中で培養した。翌日、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼPtGR(配列番号2)またはホタルルシフェラーゼFLucをSV40プロモーターに連結したプラスミドを1ウェル当たり1μgを3μl GeneJuice Transfection Reagent(Novagen社、Ham’s F12培地100μlで希釈)と混合し、10%FCSを含むHam‘s F12培地1 mlで置換した培地に添加して24時間インキュベートした。その後、培地を除去後、Dual Luciferase Assay System (Promega社)のPassive Lysis Buffer(5倍希釈済み)250μlを加え、5分間放置して細胞を溶解した。この細胞ライセート20μlを100μl Luciferase Assay Reagent IIを加え、混合直後、3分、6分、15分、40分経過後の発光を測定した。この結果を図1に示す。ホタルルシフェラーゼの発光は15分後には反応開始直後に対し26%まで減衰が認められたが、PtGRにおいてはほとんど減衰が認められなかった。さらに40分後には、ホタルルシフェラーゼの発光は3%に減衰したのに対し、PtGRでは73%の発光を維持していた。
実施例2 ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの発光安定性の評価(2)
CHO―K1細胞を、24ウェルプレートに1ウェル当たり1×10 cells (2 ml)ずつ播種し、10%FCSを含むHam‘s F12培地(日水製薬)中で培養した。翌日、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼPtGR(配列番号2)またはホタルルシフェラーゼをSV40プロモーターに連結したプラスミドを1ウェル当たり0.5μgを1.5μl Gene Juice Transfection Reagent(Novagen社、Ham’s F12培地50μlで希釈)と混合し、10%FCSを含むHam’s F12培地0.5 mlで置換した培地に添加して24時間インキュベートした。その後、培地を200μl残して除去し、200μlのBright―Glo Reagent(プロメガ社)または200μl発光試薬(40mM Hepes―NaOH pH 7.4、2.14mM 塩基性炭酸マグネシウム、5.34mM 硫酸マグネシウム、1mM EDTA、0.81mM 補酵素A、0.94mM D―ルシフェリン、1% Nonidet P―40、5% グリセロール)を加え、5分軽く振とうした。その直後、10分、20分、30分後の発光を測定した。この結果を図2に示す。ホタルルシフェラーゼの発光はいずれの試薬においても30分後には20〜30%に減衰したが、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼの発光は70〜90%維持されていた。
本発明は、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する試験細胞を用いた細胞アッセイ方法を提供する。ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する細胞を溶解し、前記ルシフェラーゼの存在量を測定する手法は、従来のホタルルシフェラーゼのアッセイに比べ発光が安定で、特に細胞溶解・発光反応を同時に行う検出方法ではシグナル強度が高いことから、プレートフォーマットで多検体を同時に処理するようなアッセイ系の感度・精度をあげることが可能である。化合物の評価・スクリーニングの系として利用することができ、化学物質の毒性評価、創薬・医療などの産業界に寄与することが大である。
細胞溶解、発光反応を別々に行う検出試薬で、ホタルルシフェラーゼに比べ、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの発光持続性が高いことを示す図である。 細胞溶解、発光反応を同時に行う検出試薬で、ホタルルシフェラーゼに比べ、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの発光持続性が高いことを示す図である。

Claims (7)

  1. 下記の工程からなる、細胞アッセイ方法:
    (1)ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する試験細胞を所望の条件下で培養する工程、
    (2)前記細胞を溶解する工程、
    (3)前記細胞溶解液の一部またはすべてをルシフェリンを含む発光反応試薬と反応させる工程、
    (4)前記反応による発光を測定し、サンプル中のルシフェラーゼの存在量を決定する工程。
  2. 工程(2)、工程(3)を同時に行う、請求項1に記載の方法。
  3. ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼがPyrophorus属、Pyrearinus属由来またはその変異体の群より選択される、請求項1、2のいずれかに記載の方法。
  4. ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼが配列番号:2に示される配列を有する、請求項3に記載の方法。
  5. ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ遺伝子が試験対象となる転写制御配列下にある、請求項1に記載の方法。
  6. ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼが不安定化されたルシフェラーゼである、請求項4に記載の方法。
  7. ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼが試験対象となる第2のタンパク質との融合タンパク質である、請求項1に記載の方法。
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