JP2008113620A - ルシフェラーゼの発光方法 - Google Patents

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明生 杉山
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Abstract

【課題】 本発明は、ルシフェリン−ルシフェラーゼの発光反応を用いた、サンプル中のルシフェラーゼの存在量の検出方法に関する。さらに詳しくは、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの発光安定性の高い検出方法に関する。

【解決手段】 ホタルルシフェラーゼに比べ発光の減衰が小さいヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼのサンプル中の存在量を決定する方法であって、(a) 該サンプルと、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応において有効な活性を示すために十分な濃度にD-ルシフェリン、1mM以上のアデノシン三リン酸、マグネシウムイオンを含む発光試薬とを混和する工程;(b) 得られた混合液から発光を測定する工程;からなる検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ルシフェリン−ルシフェラーゼの発光反応を用いた、サンプル中のルシフェラーゼの存在量の検出方法に関する。さらに詳しくは、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの発光安定性の高い検出方法に関する。
レポーター遺伝子を用いた遺伝子発現制御解析は、レポーター遺伝子に連結されたシス作用性塩基配列要素(プロモーター、エンハンサー、サイレンサーなどの遺伝子発現制御配列)を含むプラスミドを細胞に導入して、ある条件下において発現されるレポーター酵素の活性を指標に遺伝子発現制御を評価する手法である。この手法は、シス作用性塩基配列要素の評価は勿論、トランス作用性因子などの解析、さらには細胞内におけるシグナル伝達など、さまざまな生命現象の解析やそれを調整する薬剤の評価・スクリーニングなどに用いられている。これまで、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)やβ−ガラクトシダーゼなど、多くのレポーター酵素がこの評価に用いられてきたが、ホタルルシフェラーゼの発光を利用したシステムは感度が高く、他のレポーター酵素アッセイに比べ簡便なことから、現在広く用いられている。
ホタルルシフェラーゼは発光性甲虫由来の発光酵素であり、Photinus、Photuris及びLuciola属のホタルからcDNAが単離されている。特にPhotinus pylalis由来のものは、長年に渡って仔細な研究がなされている。ホタルを含む甲虫由来のルシフェラーゼは、多複素環式有機酸D―(―)―2―(6’-ヒドロキシ―2‘―ベンゾチアゾリル)―Δ2―チアゾリン―4―カルボン酸(以後、ルシフェリンと表記する)を基質とし、Mgイオン存在下でATPとルシフェリンが反応してルシフェニルアデニレートを形成し、酸素と結合し、励起状態のオキシルシフェリンが生じる。このオキシルシフェリンが基底状態に戻るときに光を発する。
ホタルルシフェラーゼの検出はこの発光機構を利用して行うが、発光の短時間性が問題となっていた。すなわち、ホタルルシフェラーゼの発光反応では、発光が急速にピーク強度に達し、閃光が放たれ、続いて、よりゆっくりではあるが依然急速に減衰する。そこで、正確な測定を実施するには発光基質を迅速に注入する機構を有するような検出器が必要であった。
これを解決するため、Keeth V.W.らは補酵素A(CoA)と5mM以上のジチオトレイトール(DTT)などのチオール試薬を発光反応に共存させることによって、発光量を増大、かつ発光半減期を5分以上に延長する方法を見出した(特許文献1)。さらに、ピロリン酸を添加する方法(特許文献2、3)、ルシフェラーゼ阻害剤を添加する方法(特許文献1)、AMPを添加する方法(特許文献4)などが開発された。しかしながら、これらの方法では発光強度の積分値は大きくなるものの、発光強度そのものが小さくなってしまう。そのため、発光強度が高く、持続性もあるアッセイ方法が望まれていた。
特許3171595号 US4,246,340 特開平8-47399 US5,618,682
本発明の目的は、ルシフェリン−ルシフェラーゼの発光反応を用いた、サンプル中のルシフェラーゼの存在量の検出方法に提供する。さらに詳しくは、発光安定性の高いヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼに対し、より発光持続性の高い検出試薬を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するため、発光反応液にAMPやピロリン酸などの阻害剤を含有せしめることなく発光安定性の高いブラジル産ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの特性を見出し、さらに、特に1mM以上のアデノシン三リン酸(ATP)を発光反応液に含有せしめることによって発光の減衰が低減される酵素特性を見出し、本発明を完成うるに到った。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
[項1]
ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを含むサンプル中のルシフェラーゼを検出する方法であって、
(a) 該サンプルと、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応において有効な活性を示すために十分な濃度にD―ルシフェリン、アデノシン三リン酸、マグネシウムイオンを含む発光試薬とを混和する工程;
(b) 得られた混合液から発光を測定する工程;
からなる検出方法。
[項2]
アデノシン三リン酸を1mM以上含む、請求項1に記載の方法。
[項3]
マグネシウムイオンを2mM以上含む、請求項1,2に記載の方法。
[項4]
補酵素Aを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
[項5]
該発光試薬が界面活性剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
[項6]
該界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項5に記載の方法。
[項7]
該非イオン性界面活性剤がTriton X―100、Nonidet P―40からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
[項8]
該サンプルがヒカリコメツキルシフェラーゼを発現する哺乳類細胞である請求項5〜7に記載の方法。
[項9]
該サンプルがヒカリコメツキルシフェラーゼを発現する哺乳類細胞であって、培養液を含んだままである請求項8に記載の方法。
[項10]
工程(b)において、30分間の発光減衰率が25%以内である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
[項11]
ヒカリコメツキがPyrophorus属、Pyrearinus属由来である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
[項12]
ルシフェリン、1mM以上のアデノシン三リン酸、マグネシウムイオンを含む、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ検出用測定試薬。
[項13]
さらに、補酵素Aを含む請求項12に記載の測定試薬。
[項14]
さらに、界面活性剤を含む、請求項12、13のいずれかに記載の測定試薬。
本発明の方法により、シグナル強度が高くかつ持続性の高い発光反応を行えるため、効率よく正確なルシフェラーゼの検出が可能となった。さらに、本発明の方法によりプレートリーダーを用いて多検体を一度により安定して測定することが可能となり、創薬スクリーニング、化学物質の毒性評価などに広く応用できる。さらに、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼは生細胞アッセイにも有効なルシフェラーゼであるため、生細胞によるリアルタイム検出及び細胞破砕による感度の高い検出を容易に組み合わせて実施できるため、生命現象の多角的な解析が可能である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の実施態様の1つは、下記の工程からなる、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを含むサンプル中のルシフェラーゼを検出する方法である。
(a) 該サンプルと、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応において有効な活性を示すために十分な濃度にD―ルシフェリン、アデノシン三リン酸、マグネシウムイオンを含む発光試薬とを混和する工程
(b) 得られた混合液から発光を測定する工程

本発明で使用されるルシフェラーゼ遺伝子としては、ブラジル産ヒカリコメツキPyrearinus termitilluminans由来のルシフェラーゼ及びその変異体が好ましい。しかしながら、類縁生物由来のルシフェラーゼであれば同様の性質を有することが考えられ、類縁生物としてはヒカリコメツキが挙げられ、Pyrearinus属あるいはPyrophorus属由来のルシフェラーゼが用いられる。Pyrearinus属としては前記Pyrearinus termitilluminans、Pyrearinus punctatissimusが、Pyrophorus属としてはPyrophorus plagiophthalamusルシフェラーゼが例示される。
上記のヒカリコメツキルシフェラーゼをコードする遺伝子は、ホタル由来発光酵素遺伝子と比較して哺乳類細胞内の発現活性が高い特徴を持つ。
ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼはpHによる発光スペクトルの変動がなく、特にPyrearinus termitilluminans由来のルシフェラーゼは最大発光波長538 nmを有し、ルシフェラーゼによる発光検出の際に一般に用いられる光電子増倍管 (PMT) やcharged−coupled device (CCD)カメラの量子効率の最大域と一致するため、より高感度な検出が可能である。
前記ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼは、ホタルルシフェラーゼと同様D−ルシフェリンを発光基質として検出することが可能である。すなわち、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを含むサンプル溶液を発光反応に十分な濃度のルシフェリン、ATP、Mgイオンなどを含む発光試薬を混合し、この反応によって生じる発光量を測定し、各サンプル中のルシフェラーゼの相対的な存在量を決定する。
本発明に使用するルシフェリンは、ヒカリコメツキルシフェラーゼが作用するものであれば特に限定されないが、好ましくはD−ルシフェリンで、塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩などである。天然物と化学合成品いずれであってもよいが、化学合成品の方がロット間のバラツキが少ないようである。さらに、D−ルシフェリン誘導体であってもよい。本発明で使用されるルシフェリンの濃度は、好ましくは0.01mM〜10mMであり、さらに好ましくは0.1mM〜3mMである。
本発明に使用するATPは、塩であってもよく、ナトリウム塩やカリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。本発明で使用されるATPの濃度の下限は0.01mMが好ましいが、さらに好ましくは0.5mM、さらに好ましくは1mM、さらには1.5mM以上であることが好ましい。特にヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの反応では、5mM以上の補酵素A以外のチオール試薬、AMP、ピロリン酸などのホタルルシフェラーゼの発光反応の持続性増大に効果のある化合物を添加しなくても、1mM以上のATPを共存せしめることによって顕著な発光の安定化効果が認められる。
一方、ATPの濃度の上限は100mMが好ましいが、さらに好ましくは10mM、さらに好ましくは5mM、さらに好ましくは4mMである。また、4mM以下のATPを共存せしめることによって比較的高い発光強度を得ることができる。5mMを越えるATPは発光持続性を増大させるが、発光強度を低下させてしまう。
本発明に使用するマグネシウムイオンは、マグネシウムイオンを含む化合物から提供され、このような化合物としては、硫酸マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、シュウ酸マグネシウムなどが挙げられる。マグネシウムイオンの濃度は、0.01〜25mMであり、より好ましくは0.1〜10mM、さらに好ましくは2〜7.5mMである。
本発明ではさらに、発光反応を増強するため補酵素Aを含むことが好ましい。好ましい濃度は0.1〜10mM、より好ましくは1mM以上である。
本発明では、さらにイオン強度やpHを維持するために、緩衝成分を含んでもよい。緩衝成分としては、HEPES、Tricine、Tris、MOPS、グリシルグリシンなどが挙げられ、通常は20〜100mMの使用が好ましい。好ましいpH範囲は7.0〜8.5である。pH7.8〜8.0で最大発光を得ることができるが、pHを7.8以下にすることによって発光持続性を高めることができる。本発明ではさらにルシフェラーゼの活性を増強するタンパク質性材料、例えば、ウシなどの哺乳類血清アルブミン、ラクトアルブミンなどを存在させることもできる。
本発明の方法は、さらにサンプル中に存在して、ルシフェラーゼやATPなどに悪影響を及ぼす可能性のある金属含有プロテアーゼやホスファターゼの活性を抑制するため、EDTAまたはCDTA、EGTAなどのキレート剤などを含有させることができる。好ましい濃度としては1〜5mMである。
さらに、本発明の方法では、ルシフェラーゼのタンパク質の安定性を保護する作用が考えられる還元剤を含んでもよい。還元剤としてはジチオトレイトールや2−メルカプトエタノールなどのスルフィドリル化合物が挙げられる。しかしながら、特許文献1に開示されるホタルルシフェラーゼのような発光増強効果は認められないため、通常使用される0.5〜5mMの範囲であれば、いずれでもよい。
本発明の一つの態様は、ヒカリコメツキルシフェラーゼがリポーターとなるELISA(enzyme−linked immunosorbent assay)や、酵素がリポーターとして採用する核酸プローブハイブリダイゼーションアッセイのようなイムノアッセイのごとき用途に使用される。本発明に従って検出されるルシフェラーゼは、それぞれのイムノアッセイやハイブリダイゼーションにおいて被験物質を検出するのに使用される抗体または核酸プローブに化学的に、該分野において多数の公知の方法のいずれかを用いて結合されている。前記イムノアッセイやハイブリダイゼーションは、生物学研究、病原体や遺伝子異常の検出、疾患の検出等に利用されている。
本発明の一つの態様としては、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼをコードする遺伝子の上流に転写制御配列を連結し、この遺伝子構築物を細胞に導入することによって発現するルシフェラーゼの検出である。これによって、ルシフェラーゼの発現量を指標に前記細胞における前記転写制御配列の転写制御を解析することが可能である。
本発明の別の態様としては、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを試験対象となる第2のタンパク質との融合タンパク質の形で発現させ、その存在量を発光を測定することによって、試験対象となったタンパク質量の調節をモニターする方法である。例えば、IκBとの融合タンパク質として細胞内で発現させることによって、TNFα、IL-1など刺激によってIκBが分解され、転写因子NFκBの活性化される経路の活性化されるが、一定発現プロモーターに連結されたIκBとの融合タンパク質の分解の程度を測定することによって、この活性化を定量的にモニターすることができる。
前記ルシフェラーゼの検出は、D−ルシフェリンを細胞に浸透させることによっても発光を生じせしめることでできるが、より高感度な検出を行うにはルシフェラーゼを発現する細胞を物理的に破砕あるいは化学的に溶解し、その処理液の全部または一部と発光反応に十分な濃度のMgイオン、ATP、ルシフェリンなどを含む発光反応液を調製し、前記反応液の発光量をもとに各サンプル中のルシフェラーゼの相対的な存在量を決定することが好ましい。細胞を物理的に破砕する方法としては、超音波破砕法が挙げられる。化学的に溶解する手法としては、細胞を界面活性剤を含む溶液と接触させる方法である。この破砕/溶解された細胞抽出液を前記試薬と混合し、発光を測定することによってルシフェラーゼの存在量を調べることができる。しかしながら、このような細胞で発現するルシフェラーゼの検出においては、発光試薬に界面活性剤を添加することによって、細胞を溶解しながら発光反応を行う方法は操作性がよく、サンプル数が多い場合に最適である。
前記ルシフェラーゼ遺伝子は天然の遺伝子を使用してもよいが、試験に使用される細胞種において翻訳効率が向上するように遺伝子工学的に改変された遺伝子を用いることがより好ましい。
例えば、天然のヒカリコメツキルシフェラーゼ遺伝子としては配列番号1のものが挙げられ、それを改変したものとして配列番号2のヒカリコメツキ発光酵素遺伝子改変体を挙げることができる。
遺伝子の改変は、具体的には、a) 余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変えること、b)cDNAの配列を、昆虫のコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変え、さらにc)使用上、制限酵素部位が多いことで応用が限定されることからそのcDNAを変えることなどが挙げられ、これらを適宜組み合わせて翻訳効率を向上させることで、発光酵素の発現量を増大し、発光イメージングが容易に行える程度にまで発光量を高めることができ、例えば、配列番号2の遺伝子改変体は改変前の配列番号1の遺伝子と比較して150倍程度の発光量を有する。
例えば、哺乳類細胞における転写制御解析を行うのであれば、配列番号2のヒカリコメツキルシフェラーゼ改変体を用いることが好ましい。
あるいは、配列番号2のDNAとストリンジェントな条件下にハイブリダイズし、かつPhotinus Pyralis由来ルシフェラーゼ遺伝子よりも哺乳類細胞内の発現活性が高い変異型遺伝子を用いることもできる。
「ストリンジェントな条件」とは、特異的なハイブリダイゼーションのみがおき、非特異的なハイブリダイゼーションが起きないような条件をいう。このような条件は、通常、「1×SSC、0.1% SDS、37℃」程度であり、好ましくは「0.5×SSC、0.1% SDS、42℃」程度であり、さらに好ましくは「0.2×SSC、0.1% SDS、65℃」程度である。ハイブリダイゼーションによって得られるDNAは配列番号2記載の塩基配列によって表されるDNAと通常高い相同性を有する。高い相同性とは、80%以上の相同性、好ましくは85%以上の相同性、更に好ましくは90%以上、特に95%以上の相同性を示す。
さらに、天然の発光酵素と同一のアミノ酸配列を有しても、また1又は2以上のアミノ酸の置換、付加、欠失または挿入が含まれるものであってもよいし、N末端またはC末端に第2のタンパク質が結合した融合タンパク質であってもよい。
前記、細胞を溶解しながら発光反応を行うために発光試薬に添加される界面活性剤としては、ルシフェラーゼを失活させたり、その活性をできるだけ阻害しない種類、濃度でなければならない。このような界面活性剤として非イオン性界面活性剤が好ましく、Triton X100、Triton X114、Tween20、Tween80、Nonidet P40(NP40)などが挙げれれるが、これに限定されるものではない。また、使用濃度としては0.01〜2%程度が好ましい。
本発明の別の態様としては、前記ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを検出するための試薬・キットであって、ルシフェリン、1mM以上のアデノシン三リン酸、マグネシウムイオン、緩衝成分を含む。1つのこのような組成物は、0.1mM〜3mM ルシフェリン、1〜3mM ATP、0.1〜10mM マグネシウムイオンを含む水溶液である。さらに、0.1〜10mM 補酵素Aを含む組成物である。、さらに、非イオン性界面活性剤を含む組成物である。これら検出に必要な成分をすべて含有する試薬であってもよいし、別個のパーツからなるキットであってもよい。
以下、本発明の実施例を例示することによって、本発明の効果をより一層明確なもとのする。
実施例1 ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ検出に対するATPの効果(1)
ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ酵素標品は、ベクターpELuc―test(東洋紡)のルシフェラーゼ遺伝子を大腸菌発現用ベクターに挿入し大腸菌で発現させ、組換え体として取得した。ホタルルシフェラーゼ酵素標品は、QuantiLum Recombinat Luciferase(Promega社)を用いた。それぞれの酵素標品について、100mM Tricine pH7.4、15mM MgSO、6mM EDTA、4mM CoenzymeA、1.2mM D−luciferin,6mM DTT、0.2% Nonidet P40、及び2μg/ml酵素標品の発光試薬を調製した。0.02mM、0.2mM、1mM ATP溶液100μlと前記発光試薬100μlを混合し、直後から5分毎に発光を計測した。
図1は発光測定値を、図2は各条件について、反応開始直後の活性を100としてそれぞれの時間の相対活性をプロットした。この結果、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼに特徴的なATPによる安定化効果が認められた。
実施例2 ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ検出に対するATPの効果(2)
ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ遺伝子、ホタル由来ルシフェラーゼ遺伝子をSV40プロモーターに連結したプラスミドを構築した。一方、96ウェル白色不透明プレートにCHO細胞を播種し(3×10 cells/ウェル)、10%FCSを含むHam‘s F12培地(日水製薬)100μl/ウェル中で培養した。翌日、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ遺伝子、ホタル由来ルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドをCHO細胞へGeneJuice Transfection Reagent(Novagen社)を用いて、トランスフェクションした。24時間培養後、50mM Tricine pH7.4、4mM MgSO、3mM EDTA、2.5mM Coenzyme A、0.8mM D−luciferin、1% Nonidet P40、3mM DTT及び0.5mM〜5mM ATPを含む発光試薬を調製し、培地100μlを含んだままの細胞に100μlの発光試薬を添加した(すなわち、ATPなど各試薬成分は反応液中では前記の1/2となる)。5分間インキュベートして細胞を溶解し、発光を測定し、さらに30分後の発光を測定して、残存活性を調べた。
結果を図3に示す。棒グラフは反応開始直後、及び30分後の発光測定値、折線は30分後の残存活性を示す。図中のATP濃度は反応液中の濃度を示している。この結果、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼではATP依存的な発光の安定化効果が認められ、1mM以上でほぼプラトーに近い状態であることがわかる。
実施例3 ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ検出に対するDTTの効果
実施例2と同じように、CHO細胞へヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ遺伝子、ホタル由来ルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドをトランスフェクションした。24時間培養後、50mM Tricine pH7.4、4mM MgSO、3mM EDTA、2.5mM Coenzyme A、0.8mM D−luciferin、1% Nonidet P40、2mM ATP及び0〜30mM DTTを含む発光試薬を調製し、培地100μlを含んだままの細胞に100μlの発光試薬を添加した。5分間インキュベートして細胞を溶解し、発光を測定し、さらに30分後の発光を測定して、残存活性を調べた。
結果を図4に示す。棒グラフは反応開始直後、及び30分後の発光測定値、折線は30分後の残存活性を示す。図中のDTT濃度は反応液中の濃度を示している。この結果、ホタルルシフェラーゼにおいては特許文献1に開示されるようにDTT濃度依存的な発光の安定化効果、増強効果が認められた。一方、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼではDTT依存的な発光の安定化効果、増強効果はいずれも認められず、異なった特性を示す酵素であることがわかる。
実施例4 ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ検出に対するMg 2+ の効果
ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現するCHO細胞を96ウェルプレートで培養し、100μlの培地を含んだままの細胞に50mM Tricine pH7.4、1〜10mM MgSO、3mM EDTA、2.5mM Coenzyme A、0.8mM D−luciferin、1% Nonidet P40、4mM ATP及び3mM DTTを含む発光試薬を調製し、100μlを添加した。5分間インキュベートして細胞を溶解し、発光を測定し、さらに30分後の発光を測定して、残存活性を調べた。さらに、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現するCHO細胞を96ウェルプレートで培養し、100μlの培地を含んだままの細胞に50mM Tricine pH7.4、5〜10mM MgSO、3mM EDTA、2.5mM Coenzyme A、0.8mM D−luciferin、1% Nonidet P40、4mM ATP及び3mM DTTを含む発光試薬を調製し、100μlを添加した。5分間インキュベートして細胞を溶解し、発光を測定し、さらに30分後の発光を測定して、残存活性を調べた。
結果を図5に示す。棒グラフは反応開始直後、及び30分後の発光測定値、折線は30分後の残存活性を示す。図中の硫酸マグネシウム濃度は反応液中の濃度を示している。最終2mM以上、より好ましくは2.5mM以上で残存活性は最大値に達した。ちなみに、この際のATP濃度は最終2mMになるように添加されいる。
本発明は、サンプル中のヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼの存在量を高感度に安定して測定する方法を提供する。特に、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを発現する試験細胞を用いた細胞アッセイにおいて、細胞を溶解し前記ルシフェラーゼの存在量を高感度に安定して測定する手法は、従来のホタルルシフェラーゼのアッセイに比べ発光が安定で、特に細胞溶解・発光反応を同時に行う検出方法ではシグナル強度が高いことから、プレートフォーマットで多検体を同時に分析するようなアッセイ系の感度・精度をあげることが可能である。これによって、化合物の評価・スクリーニングの系として利用することができ、化学物質の毒性評価、創薬・医療などの産業界に寄与することが大である。
ホタルルシフェラーゼ、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼの発光反応において、各ATP濃度における発光強度の推移を示す図である。 ホタルルシフェラーゼ、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼの発光反応において、各ATP濃度における発光強度の相対的な変化を示す図である。 ホタルルシフェラーゼ、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼを発現するCHO細胞を溶解と同時に発光反応を行った際の各ATP濃度における発光強度の推移を示す図である。 ホタルルシフェラーゼ、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼを発現するCHO細胞を溶解と同時に発光反応を行った際の各DTT濃度における発光強度の推移を示す図である。 ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼを発現するCHO細胞を溶解と同時に発光反応を行った際の各MgSO濃度における発光強度の推移を示す図である。横軸に同じ値が2つずつ記載されているのは、N=2で測定したからである。

Claims (14)

  1. ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼを含むサンプル中のルシフェラーゼを検出する方法であって、
    (a) 該サンプルと、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応において有効な活性を示すために十分な濃度にD―ルシフェリン、アデノシン三リン酸、マグネシウムイオンを含む発光試薬とを混和する工程;
    (b) 得られた混合液から発光を測定する工程;
    からなる検出方法。
  2. アデノシン三リン酸を1mM以上含む、請求項1に記載の方法。
  3. マグネシウムイオンを2mM以上含む、請求項1,2に記載の方法。
  4. 補酵素Aを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 該発光試薬が界面活性剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 該界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項5に記載の方法。
  7. 該非イオン性界面活性剤がTriton X―100、Nonidet P―40からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 該サンプルがヒカリコメツキルシフェラーゼを発現する哺乳類細胞である請求項5〜7に記載の方法。
  9. 該サンプルがヒカリコメツキルシフェラーゼを発現する哺乳類細胞であって、培養液を含んだままである請求項8に記載の方法。
  10. 工程(b)において、30分間の発光減衰率が25%以内である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. ヒカリコメツキがPyrophorus属、Pyrearinus属由来である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. ルシフェリン、1mM以上のアデノシン三リン酸、マグネシウムイオンを含む、ヒカリコメツキ由来ルシフェラーゼ検出用測定試薬。
  13. さらに、補酵素Aを含む請求項1に記載の測定試薬。
  14. さらに、界面活性剤を含む、請求項12、13のいずれかに記載の測定試薬。



















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