JP2008536519A - 延長した直線を用いる発光atp検出 - Google Patents

延長した直線を用いる発光atp検出 Download PDF

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Abstract

より広範囲のATP濃度を検出することができる発光アッセイを提供する。本発明は、甲虫ルシフェラーゼたとえばホタルルシフェラーゼのアデノシン三リン酸(ATP)に対するKを増加させることにより、0.05mMを超えるたとえば0.1mMを超えるATP濃度の、生物学的サンプル等のサンプル中のATPまたはATP消費酵素等の分析物を検出するための発光組成物および方法を提供する。本発明の組成物および方法は、甲虫ルシフェラーゼ反応におけるATP検出のための直線範囲を増加させることにより、生理学的サンプルを含む生物学的サンプル等のサンプル中の中程度、たとえば0.05mM〜5mMのATP濃度を測定することを提供する。

Description

(背景)
ルシフェラーゼは、ホタル、発光細菌、クラゲ、およびその他多くのものを含む種々様々な生物中で発見されている。ルシフェラーゼは、生物発光として一般に知られているプロセスで、基質たとえばルシフェリンをオキシルシフェリンに酸化することにより光の生成を触媒する酵素である。ルシフェリン、アデノシン三リン酸(ATP)、およびOを消費する2段階反応を介してルシフェラーゼによる光子の生成が生じる。第1段階において、ルシフェラーゼは、ルシフェリンおよびATPからのルシフェリルアデニレートの形成を触媒する。この第1段階において、ピロリン酸が放出され、ルシフェラーゼが適切に作用するためにMg2+補因子または他の二価カチオンが必要とされる。ルシフェリルアデニレートは形成されるとルシフェラーゼの活性部位内にとどまる。次の段階において、ルシフェラーゼは、酸素の消費を伴って、ルシフェリルアデニレートを電子的に励起したオキシルシフェリンに酸化する。電子的に励起したオキシルシフェリンが基底状態のオキシルシフェリンに減衰するとき、光の生成が生じる。励起状態から基底状態への減衰が光子の放出と同時に起こる。生成される光の色は、ルシフェラーゼの源によって異なり、様々なルシフェラーゼの構造の相違によって決定されるように思われる。全反応については以下のとおりである。
Figure 2008536519
非制限的な濃度のD−ルシフェリンおよびMg2+存在下で、反応のATP依存性は、特徴的な最大反応速度の2分の1(K)および最大反応速度(Vmax)を有するミカエリス メンテンの飽和反応速度式に従う。ATPを制限したルシフェラーゼ−ATP量曲線の範囲内で、生じた発光の量の変化としてATP濃度の変化を検出することができる。ATP量曲線の直線または見かけ上の直線の部分(KまたはK未満)でATP濃度を測定することは特に好都合である。発光は、ここで、ATP濃度に正比例して変化する(たとえば、ATPが倍増すると発光が倍増する)。
したがって、サンプル中のATPの存在を検出するための1つの方法はATP駆動型ルシフェラーゼ/ルシフェリン反応を利用することである。無視できるくらいの少量のATPを検出するためにルシフェラーゼを使用することができるが、ATP量曲線の上端ではATP濃度が変化しても発光は変化しないので、ATP濃度を検出するためのルシフェラーゼベースのアッセイはATP量曲線の上端において(たとえばATP曲線における飽和範囲において)制限されることになる。
必要となるのは、サンプル中のより高濃度のATPをたとえばサンプルを希釈することなく検出するための生物発光アッセイである。
(発明の要旨)
本発明は、甲虫ルシフェラーゼたとえばホタルルシフェラーゼのアデノシン三リン酸(ATP)に対するKを増加させることにより、0.05mMを超えるたとえば0.1mMを超えるATP濃度の、生物学的サンプル等のサンプル中のATPまたはATP消費酵素等の分析物を検出するための発光組成物および方法を提供する。本発明の組成物および方法は、甲虫ルシフェラーゼ反応におけるATP検出のための直線範囲を増加させることにより、生理学的サンプルを含む生物学的サンプル等のサンプル中の中程度、たとえば0.05mM〜5mMのATP濃度を測定することを提供する。
本明細書に記載されているように、無機ピロリン酸(たとえばPPi)およびアデノシン誘導体等の甲虫ルシフェラーゼインヒビターを含む因子は、発光アッセイにおけるATP検出のための直線範囲を拡大することができる。たとえば、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン5’−O−チオ一リン酸(5’−AMPS)、アデノシン5’−[β−チオ]二リン酸(ADPβS)、およびデオキシアデノシン三リン酸はそれぞれ、ルシフェラーゼのATPに対するKをたとえば10倍増加させたので、耐熱性甲虫ルシフェラーゼ(Luc146−1H2と呼ばれる耐熱性ルシフェラーゼを含む多数の耐熱性ルシフェラーゼについて記載している米国特許第6602677号を参照)媒介光生成反応の競合的インヒビターとされた。PPiはルシフェラーゼのATPに対するKに著しく影響を及ぼすことなく(2倍以下)、Vmaxを減少させたので、光生成反応における耐熱性ルシフェラーゼのPPiによる阻害は明らかに非競合的なものであり、一方、光生成反応における天然の甲虫ルシフェラーゼのPPiによる阻害は、ある種の二価金属存在下で競合的なものであった。驚いたことに、PPiおよびAMP、5’−AMPS、またはADPβSをホタルルシフェラーゼ反応混合物中で組み合わせることにより、ルシフェラーゼのATPに対するKが相乗的に増加し、値は、PPi存在下ではPPiの非存在下よりも何倍も高かった。このように、ルシフェラーゼのATPに対するKを、天然の低度のレベル(通常10〜20μM)からはるか高度のレベル(約30mMまたは40mMまで)まで増加させ、ATP検出のための直線範囲を拡大することができる。したがって、甲虫ルシフェラーゼ光生成反応における1つまたは複数のATPインヒビターの濃度を変動させることにより、ATP検出のための直線範囲を選択することができる。特に、PPiおよびアデノシン誘導体の組み合わせによるKの増加は、アデノシン誘導体のみで達成されたものよりも著しく大きい。ルシフェラーゼによるATP検出のための直線範囲の増加率は、PPiおよびアデノシン誘導体存在下でのKの増加率とほぼ同じである。さらに、いくつかの反応については、Mg以外の二価カチオンたとえばCaおよび1つのATPインヒビターたとえばAMPを甲虫ルシフェラーゼ光生成反応において使用することにより、ATP検出のための直線範囲を拡大することができる光生成反応(luminogenic reaction)混合物が得られる。
このように、本発明は、サンプル中の分析物の存在または量を直接的または間接的に検出するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、サンプル中のATPの存在または量を検出するための方法を提供する。この方法は、サンプルたとえばATPを有すると思われるサンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、および少なくとも1つのたとえば2つ以上のATPインヒビター(複数可)を接触させて光生成反応混合物を得ることを含む。一実施形態において、インヒビターはATPの非競合的インヒビターであってもよい。一実施形態において、インヒビターは、無機ピロリン酸たとえばPPiまたはμ−モノチオピロリン酸等のその誘導体であってもよい(Halkidesら、Biochemistry、30巻:10313頁(1991年))。一実施形態において、インヒビターはATP競合的インヒビターであってもよい。一実施形態において、インヒビターはアデノシン誘導体であってもよい。一実施形態において、光生成反応混合物は1種以上のインヒビターを含んでおり、インヒビターのうちの一方がATP非競合的インヒビターであり、他方がATP競合的インヒビターである。一実施形態において、ATP競合的インヒビターであるアデノシン誘導体および必要に応じて他のATPインヒビターは、サンプルと接触する前に、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と接触させる。他の実施形態において、競合的インヒビターであるアデノシン誘導体および必要に応じて他のインヒビターは、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と接触する前に、サンプルと接触する。本明細書において使用されている「甲虫ルシフェラーゼ反応混合物」は、甲虫ルシフェラーゼ光生成反応のための試薬たとえばキタアメリカホタル(Photinus pyralis)、ヒカリコメツキ(Pyrophorus plagiophthalamus)、またはフォツリス ペンシルバニカ(Photuris pennsylvanica)のルシフェラーゼ等の甲虫ルシフェラーゼであって、組換え耐熱性ルシフェラーゼおよび/または突然変異甲虫ルシフェラーゼ等の組換え甲虫ルシフェラーゼを含む甲虫ルシフェラーゼ、適切なルシフェラーゼ基質たとえばD−ルシフェリンまたはアミノルシフェリン等の修飾ルシフェリン基質、ならびに二価カチオンを含んでいる。一実施形態において、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物は実質的にATPを欠いていてもよく、たとえば約0.01pg未満(2×10−17モル未満)のATPを有していてもよく、そのため、甲虫ルシフェラーゼ光生成反応のためのATPはサンプルにより全般的に提供されることになる。しかしながら、他の実施形態において、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物が0.01pgを超えるATPを含んでいてもよく、その場合、たとえばサンプル中のATPを定量するために、対照の光生成反応すなわち試験サンプルなしの反応からの発光の量を、試験サンプルを含む光生成反応における発光から差し引いてもよい。光生成反応混合物中にATP競合的インヒビターであるアデノシン誘導体が存在すると、その量は、たとえば少なくとも1.5、2、5、10、100、もしくは1000倍またはそれより大きく、ルシフェラーゼのATPに対するKを、アデノシン誘導体非存在下のルシフェラーゼのATPに対するKに比べて増加させるのに効果的となる。一実施形態において、光生成反応混合物中に、2つ以上のATPインヒビターたとえばATP非競合的インヒビターおよびATP競合的インヒビターが存在することにより、ルシフェラーゼのATPに対するKが相乗的に増加する。サンプル中のATPの存在または量が、たとえば発光を検出または測定することにより検出または測定される。0.1mM〜5mMおよび0.25mM〜5mMを含む0.05〜5mMならびに約40mMまでのサンプル中のATP濃度を本発明の方法および組成物を使用して測定することができる。
本発明は、さらに、ATP消費酵素反応における分析物の存在または量を検出するための方法も提供する。一実施形態において、この方法は、サンプル中の非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の存在、量、または活性を検出することを含む。この方法は、光生成反応混合物を産出するために、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物を有し、必要に応じて、細胞溶解物または細胞下画分を含む他の成分を含んでもよいサンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、および甲虫ルシフェラーゼ反応における1つまたは複数のATPインヒビターたとえば2つのATPインヒビターを接触させることを含む。一実施形態において、インヒビターはATP非競合的インヒビターであってもよい。一実施形態において、インヒビターは無機ピロリン酸であってもよい。一実施形態において、インヒビターはATP競合的インヒビターであってもよい。一実施形態において、インヒビターはアデノシン誘導体であってもよい。他の実施形態において、2つのATPインヒビターが光生成反応において使用されており、一方がATP非競合的インヒビターであり、他方が、ATP競合的インヒビターであるアデノシン誘導体である。本明細書において使用されている「非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物」は、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を含み、必要に応じて、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素反応用の1つまたは複数の他の試薬を含んでおり、たとえば、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用のATPおよび/または基質がサンプル中に存在してもよくまたはサンプルに加えられてもよい。非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物中のATPは、1つまたは複数のATPインヒビターを含まない甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と後に組み合わせたときに甲虫ルシフェラーゼ媒介反応の直線範囲の外側になる量で存在する。光生成反応混合物中にアデノシン誘導体等の競合的インヒビターが存在すると、その量は、ルシフェラーゼのATPに対するKを、競合的インヒビター非存在下のルシフェラーゼのATPに対するKに比べて増加させるのに効果的な量である。発光の存在または量が検出または測定される。一実施形態において、光生成反応混合物中に2つのインヒビターたとえばATP非競合的インヒビターおよびATP競合的インヒビターが存在することにより、ルシフェラーゼのATPに対するKが相乗的に増加する。必要に応じて、発光の存在または量を、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を欠く対応する光生成反応における発光または非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素および効果的な量の非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素インヒビターを含んでいる対応する光生成反応における発光と比較する。
本発明の範囲内における非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は、1つまたは複数の甲虫ルシフェラーゼよりも高い、ATPに対するKを有する酵素である。一実施形態において、非制限的なATP濃度(Vmax)で非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を検出するために、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は、(インヒビター(複数可)非存在下の)甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKよりも少なくとも5倍たとえば少なくとも10倍高い、ATPに対するKを有している。他の実施形態において、KのATP濃度で非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を検出するために、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は、ATPに対するKが、(インヒビター(複数可)非存在下の)甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKの2倍以下である。一実施形態において、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は、ATPに対するKが約0.01mM〜約3mMである。一実施形態において、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は膜結合タンパク質である。他の実施形態において、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素はアデニリルシクラーゼである。さらに他の実施形態において、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は、キナーゼたとえばプロテインキナーゼA、プロテインキナーゼC、またはPI3キナーゼであり、チロシンキナーゼ、カルシウム/カルモジュリンプロテインキナーゼ、DNA依存性プロテインキナーゼ、またはcdc2キナーゼを含んでいる。サンプル中の非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素は、単離されたまたは精製された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素であってもよい。
一実施形態において、本発明は、サンプル中の非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の活性を検出するための方法を提供する。この方法は、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物を含むサンプルを提供することを含む。次いで、光生成反応混合物を得るために、この反応混合物を、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物および甲虫ルシフェラーゼ反応における少なくとも1つのATP競合的インヒビターと接触させる。少なくとも1つのインヒビターが、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のATPに対するKと同じまたはそれより高い、甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKをもたらす量で存在する。次いで、光生成反応混合物中の発光の存在または量が検出または測定される。
1つあるいは複数のモジュレーターたとえば1つあるいは複数のインヒビターあるいは活性剤あるいはpHまたはイオン強度等の反応条件は、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の活性を変えるが、これらを検出するための方法もさらに提供される。この方法は、酵素ならびに1つまたは複数の化合物および/または試験条件を有する非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物ならびに少なくとも1種のATPインヒビターたとえばATP非競合的インヒビターおよび/またはアデノシン誘導体等のATP競合的インヒビターを含む甲虫ルシフェラーゼ反応混合物を含む第1の光生成反応混合物からの発光を、酵素を含む(が、いかなる化合物をも含まないまたは試験反応条件下ではない)非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物および対応するATPインヒビター(複数可)を有する甲虫ルシフェラーゼ反応混合物含む第2の光生成反応混合物からの発光と比較することを含んでいる。各光生成反応混合物中にアデノシン誘導体等の競合的インヒビターが存在すると、その量は、ルシフェラーゼのATPに対するKを、アデノシン誘導体非存在下のルシフェラーゼのATPに対するKに比べて増加させるのに効果的な量であり、また、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のATPに対するKと同じにまたはそれより高くするためにルシフェラーゼのATPに対するKを増加させるのに効果的な量である。次いで、1種または複数の化合物および/または反応条件により、第1の光生成反応における発光が第2の光生成反応に比べて変わるかどうかについて測定する。一実施形態において、各光生成反応混合物中に、2つのATPインヒビターたとえばATP非競合的インヒビターおよびATP競合的インヒビターが存在することにより、ルシフェラーゼのATPに対するKが相乗的に増加する。第1の光生成反応混合物における発光の相対的な増加は、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のインヒビターによるものであることを示し、相対的な減少は活性剤によるものであることを示す。一実施形態において、甲虫ルシフェラーゼが耐熱性甲虫ルシフェラーゼである。一実施形態において、甲虫ルシフェラーゼが天然の甲虫ルシフェラーゼである。
一実施形態において、本発明はキットを提供する。このキットは、ATP競合的インヒビターであるアデノシン誘導体およびATPの非競合的または他の競合的インヒビター等の甲虫ルシフェラーゼ光生成反応における少なくとも2つのATPインヒビターを含む組成物を含んでいる。この組成物は、必要に応じて適切な容器中に置かれ、必要に応じて、組成物またはキットが、甲虫ルシフェラーゼ、甲虫ルシフェラーゼ基質、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素、および/または非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の基質のうちの少なくとも1つを含んでいる。組成物は、凍結乾燥されてもよく、または水溶液としてもよい。
ルシフェラーゼのATPに対するKを変える二価カチオンの濃度を同定する方法もさらに提供される。この方法は、複数の二価金属の1つまたは複数の濃度での光生成反応における、1つまたは複数のルシフェラーゼのATPに対するKを、必要に応じてATPインヒビター非存在下で提供することを含んでいる。次いで、光生成反応において選択されたATPに対するKを有する少なくとも1つの二価金属および少なくとも1つのルシフェラーゼの濃度が特定される。
定義
「分析物」は、試験サンプル中の検出される物質であるが、本明細書において使用されている場合、甲虫ルシフェラーゼまたはこれに対応するルシフェリン基質を含んでいない。発光反応は、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ATPアーゼ、グリコシダーゼ、およびATPまたはNADH等の様々な代謝産物等の分析物を検出し、定量するために使用することができる。
本明細書において使用されている「光生成アッセイ」は、特定の分子の存在に基づいて光を生成し、甲虫ルシフェラーゼを使用する任意のアッセイを含む。光生成アッセイにより、他の分子(分析物)の量または存在を直接的または間接的に検出たとえば測定してもよい。たとえば、一実施形態において、ATPを検出するために、甲虫ルシフェラーゼおよび適切なルシフェリン基質を光生成アッセイに使用してもよく、一方、他の実施形態において、ATPを生成するまたは消費する分析物を検出するために、甲虫ルシフェラーゼおよび適切なルシフェリン基質を光生成アッセイに使用してもよい。
本明細書において使用されている用語「消光する」は、酵素触媒反応を阻害するまたは阻止することを意味し、この阻害または阻止は直接的にまたは間接的にのどちらで生じてもよい。反応を消光するために使用することができる因子が「消光剤」として知られている。選択的に反応を消光する因子とは、少なくとも1つの濃度で1つの反応を消光するがすべての反応を消光するわけではない因子のことをいう。たとえば、一実施形態において、選択的なクエンチ剤は、非甲虫ルシフェラーゼ触媒反応を阻害する量で存在するが、甲虫ルシフェラーゼ触媒反応に対する消光作用を実質的に有していない。
「アデノシン誘導体」には、塩基としてアデニンあるいは修飾アデニンたとえばアジドアデニンおよびリボース、デオキシリボース、あるいは2’位にメトキシ基(MeO)のあるリボース等のこれらの修飾体を含む糖を有する一リン酸型ヌクレオチド、二リン酸型ヌクレオチド、または三リン酸型ヌクレオチドが含まれる。
用語「単離された」は、酵素に関して使用される場合、少なくとも1つの混在物質から特定され分離される、通常混在物質と共に存在する分子のことを言う。したがって、単離された酵素は、自然界で発見されるものとは異なる形態または環境で存在していることになる。
本明細書において使用されているように、「実質的に純粋な」または「精製された」とは、目的種が主に存在する種であることを意味し(つまり、モルベースまたは目的種の活性ベースで、目的種は、組成物中の他のいかなる個々の種よりも豊富である)、好ましくは、実質的に精製された画分は、存在するすべての高分子種のうち少なくとも約50パーセント(モルベースで)を目的種が構成する組成物である。通常、実質的に純粋な組成物または精製された組成物は、組成物中に存在するすべての高分子種が約80パーセント超、より好ましくは約85%、約90%、約95%、および約99%超を構成するであろう。最も好ましくは、目的種は本質的に均質に精製されており(混在物質種は、組成物中で、従来の検出方法により検出することができない)、この組成物は本質的に単一の高分子種からなる。
本発明は、ATP消費酵素反応においてより高度なレベルのATPまたは分析物を検出するのに使用するために、ルシフェラーゼベースの発光における既存のATP検出技術の有用性を広げるための組成物および方法を提供する。たとえば、上記の組成物および方法は、検出システムの直線範囲にATPレベルを至らせるための希釈段階なしでサンプル中のより高度なATPレベルを測定するのに有用である。さらに、この組成物および方法は、ATPを消費する酵素たとえば甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKとほぼ同じまたはそれよりも高い、ATPに対するKを有する酵素等の分析物の量または活性を検出するまたは測定するのにも有用である。一実施形態において、非甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKは、少なくとも10μM、100μM、500μM、1mM、5mM、10mM、またはそれより大きい。例示的な非甲虫ルシフェラーゼ酵素には、他のATP依存性の輸送体およびイオンポンプだけでなくP糖タンパク質、アデニリルシクラーゼ、およびキナーゼも含まれる。非制限的なATP濃度で非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素をアッセイすることは概して望ましく、このATP濃度は、ATPに対するルシフェラーゼ用量反応の直線範囲の外側にあってもよい。甲虫ルシフェラーゼ反応において、ルシフェラーゼのATPに対するKを増加させるのに効果的な量で、ATP非競合的インヒビターおよび/またはATP競合的インヒビターである1つまたは複数の甲虫ルシフェラーゼインヒビターを使用することにより、ATP飽和濃度を含む関心のある酵素に関するより高いATP濃度を包含するようATP検出のための直線範囲を調節することができる。したがって、甲虫ルシフェラーゼATP検出システムおよび1つまたは複数のATPインヒビターを使用して、より高い濃度のATPおよび/または関心のある酵素の活性を検出してもよい。たとえば、甲虫ルシフェラーゼATP検出システムおよび1つまたは複数のATPインヒビターを使用し、ATPを消費する酵素の活性を、ルシフェラーゼの直線範囲よりも高いATP濃度でのATP消費と相関する発光シグナルの減少として観察してもよい。
一実施形態において、サンプル中のATPの存在または量を検出するために、光生成反応混合物が調製される。この光生成反応混合物は、サンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、および少なくとも1種のたとえば少なくとも2つのATPインヒビターを含んでいる。一実施形態において、光生成反応混合物は、ATP非競合的インヒビターおよび/またはATP競合的インヒビターを含んでいる。他の実施形態において、光生成反応混合物は、少なくとも2つのATP競合的インヒビターを含んでいる。サンプルは、細胞サンプル、細胞溶解物、膜画分、S10画分、S100画分、もしくはS150画分等の細胞下画分、単離されたもしくは精製されたATP、生理学的流体サンプル、あるいはin vitro反応たとえばin vitro転写またはin vitro転写/翻訳における混合物または精製されたATPアーゼもしくはキナーゼ等の精製された酵素であってもよい。サンプルを、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と混合する前に、非競合的インヒビターおよび/または競合的インヒビターを含む1つまたは複数のインヒビター(複数可)と混合してもよい。あるいは、1つまたは複数のインヒビターたとえば非競合的インヒビターおよび/または競合的インヒビター(複数可)をサンプルと混合する前に甲虫ルシフェラーゼ反応と混合してもよい。さらに他の実施形態において、サンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、ならびに1つまたは複数のインヒビターたとえば非競合的および/または競合的インヒビター(複数可)は同時に組み合わせられる。次いで、発光が検出または測定される。必要に応じて、サンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、および1つもしくは複数のインヒビターのいずれかが接触する前からまたはサンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、ならびに非競合的インヒビターおよび/あるいは競合的インヒビターを含む1つあるいは複数のインヒビターのうちの2つ以下のものが接触する前から(対照として)1つまたは複数の時点で発光測定がなされてもよく、また、サンプル、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物、および/または1つもしくは複数のインヒビターが組み合わされた後いつでも(1つまたは複数の時点で)発光測定がなされてもよい。一実施形態において、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物および1つまたは複数のインヒビターと様々な濃度のATPをそれぞれ組み合わせ、標準曲線を作成する。上記曲線を、サンプルたとえば細胞溶解物中のATP濃度を測定するために使用してもよい。本明細書に記載された拡大された直線性のATPアッセイにおける発光がATP濃度に比例するので、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物およびインヒビター(複数可)で希釈した後にも中程度になるATP濃度を含んでもよいサンプル中のATP濃度を測定することができる。一実施形態において、少なくとも2つのインヒビターがアッセイに使用され、一方のインヒビターが、甲虫ルシフェラーゼ反応におけるATP競合的インヒビターたとえばアデノシン誘導体であり、他方が、PPi等の無機ピロリン酸である。インヒビター(複数可)の量は、甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKを、ルシフェラーゼのATPに対するKに比べて、たとえば、インヒビター(複数可)非存在下のルシフェラーゼのATPに対するKに比べて少なくとも1.5倍増加させるのに効果的である。
中程度のまたは高いATP濃度により最大活性がもたらされるATPアーゼ(すなわち、中程度のまたは高い、ATPに対するKを有する酵素)によるATP消費量を測定するために、ATP検出のために増加させた直線範囲に適した発光反応混合物を使用することができる。上記酵素の1つの例として、多剤排出トランスポーターであるP糖タンパク質(PgpまたはMDR1)が挙げられる。Pgpは、広範囲の薬物に対するATP依存性の排出ポンプであり、多重薬物抵抗性およびある種の有害な薬物−薬物相互作用に重要な役割を果たしている。Pgpにより輸送される薬物は、ATPアーゼ活性の刺激物質として同定することができる。4〜5mMのATPが最大のPgp ATPアーゼ活性をもたらし、このATP濃度は、ATP検出のための甲虫ルシフェラーゼたとえば耐熱性ルシフェラーゼの直線範囲よりも高い。甲虫ルシフェラーゼ反応混合物にAMP等のアデノシン誘導体およびPPiを加えることにより、非甲虫ルシフェラーゼATPアーゼの最大活性とするより高いATP濃度を含むよう直線範囲を拡大することができる。Pgp ATPアーゼアッセイは、Pgp ATPアーゼを有するまたは有すると思われるサンプルにATPを最初に加えることにより行なってもよい。一般に、陽性対照サンプルは単離されたPgpを含んでおり、単離されたPgpは、Pgpを発現させる細胞からの膜画分として通常提供される。非甲虫ルシフェラーゼATP消費アッセイを任意の期間たとえば0分から1時間以上までインキュベートしてもよい。次いで、この第1の反応は、1つまたは複数のATPインヒビターたとえばATP非競合的インヒビターおよび/またはATP競合的インヒビターを含む甲虫ルシフェラーゼ反応混合物ならびに必要に応じて非甲虫ルシフェラーゼATP消費反応の1つまたは複数のクエンチャーと組み合わせられ、拡大された直線範囲が提供される。必要に応じて、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素反応は、非競合的インヒビターおよび/または競合的インヒビターを含むインヒビター(複数可)ならびに/あるいは甲虫ルシフェラーゼ反応混合物を加える前に消光される。甲虫ルシフェラーゼ反応混合物はさらに、必要に応じて、1種または複数のピロホスファターゼインヒビターを含んでいてもよい。PgpによるATP消費は、Pgp ATPアーゼ活性を欠くサンプルに比べて、甲虫ルシフェラーゼ反応からの発光の減少として検出される。Pgp ATPアーゼを刺激する薬物により、発光が、薬物なしのサンプルに比べてより大きく減少し得る。P糖タンパク質は、多数の薬物の排出に影響を及ぼすATP依存性の薬物排出ポンプであるので、この糖タンパク質の基質およびインヒビターもまたATPアーゼ活性に対する影響により同定することができる。
類似するアッセイを他のATPアーゼに使用してもよい。一実施形態において、最大活性に対し比較的高いATP濃度を有するキナーゼ(すなわち、ATPに対して高いKを有する酵素)によるATP消費量を測定するために、ATP検出のために増加させた直線範囲を使用することができる。さらに他の実施形態において、最大活性に対し比較的高いATP濃度を有するアデニリルシクラーゼによりATP消費量を測定するために、ATP検出のために増加させた直線範囲を使用することができる。アッセイはまた、それらATPアーゼの基質、活性剤、および/またはインヒビターを同定するまたは検出するために使用することもできる。
ATPまたは非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素が、サンプルたとえば細胞を含むまたは細胞溶解物であるサンプル中に存在してもよい。本発明の範囲内の細胞には、植物細胞および脊椎動物細胞たとえば、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ネコ、イヌ、ミンク、げっ歯類、または鳥類の細胞を含むがこれらに限定されない哺乳動物細胞を含む原核細胞および真核細胞が含まれる。一般に、細胞を含むサンプルは、サンプル中の細胞を透過処理するまたは溶解させるために処理される。このように、ATPまたは細胞表面に存在しないもしくはそうでなければアッセイ試薬に到達できない細胞質ゾルもしくは他の酵素を検出するために、それらの細胞または細胞下画分を破壊することが好ましい。それらの細胞または細胞下画分を透過処理、溶解、または破壊するための方法は当技術分野においてよく知られている。超音波処理器(超音波発生装置)およびフレンチプレスを含む種々様々の機器が機械的な破壊に利用可能である。浸透圧衝撃により、一連の凍結融解サイクルまたは周囲のイオン強度の急速な変更等の処理により、あるいはリゾチームのような酵素または洗剤もしくは界面活性剤等の化学因子等の細胞膜を直接破壊する因子ならびにポリミキシンBおよびクロルヘキシジン等の抗菌性物質の使用により、細胞を破壊することができる。上記化学試薬は市販で入手可能であり、通常、「エクストラクタント」と呼ばれている。代表的なエクストラクタントとして、CTAB(セチルトリメチル臭化アンモニウム)等の一般的なカチオン洗剤、ドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン洗剤、ポロキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤(たとえば、Tritons(商標)、Sigma社より、セントルイス、Mo.)、Tergitol(登録商標)、たとえばTergitol(登録商標)NP−9、ノノキシノール、あるいは硫酸ポリミキシンBまたはクロルヘキシジン等の他の物質、ならびにExtractant(商標)(F352A、Promega社、マディソン、Wis.)およびCelsis−Lumac(1290142、Celsis社、エバンストン、Ill.)等の所有権付き配合成分が挙げられる。細胞を破壊するのに使用する上記浄剤の代表的な濃度は水溶液中約0.01%〜10.0%である。カチオン洗剤は、他のすべての種類の細胞の内容物に加えて真核細胞の内容物も放出させることが知られている。対照的に、非イオン洗剤の使用が、他の種類の細胞を妨害することなく真核細胞から物質を放出させるのに効果的である。したがって、細菌細胞と真核細胞を区別することができる。
一実施形態において、サンプルは単離されたまたは精製されたATPあるいは単離されたまたは精製された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を含んでおり、たとえば、サンプルは膜画分等の細胞下画分である。
ルシフェラーゼ/ルシフェリン反応は当技術分野においてよく知られており、必要な試薬を使用するためのプロトコールだけでなく必要な試薬を市販している供給源もある。たとえば、ルシフェラーゼと共にいくつかのルシフェラーゼ/ルシフェリン試薬がPromega社、マディソン、Wis.から入手可能である。市販で入手可能なルシフェラーゼには、野生型ルシフェラーゼおよびたとえば変異誘発または組換えによりin vitroで修飾されたルシフェラーゼを含む組換えルシフェラーゼが含まれる。一実施形態において、耐熱性ルシフェラーゼが使用されてもよい。耐熱性ルシフェラーゼは、細胞を透過処理するために使用される物質の不安定化作用に通常抵抗性があり、いくつかの混在活性を熱変性により低下させてもよい。
本発明について、以下の非限定的な実施例により説明することとする。
(実施例I)
直線性の拡大された発光ATPアッセイにおける2つの異なるルシフェラーゼの使用
ATPに対するKおよび飽和濃度の増加をもたらす甲虫ルシフェラーゼ発光反応混合物を作製し、それにより直線的なATP検出範囲を増加させるために、可能性のあるATP競合的ルシフェラーゼインヒビターについて試験した。競合的酵素インヒビターは競合する基質のKをVmaxに影響を及ぼさずに増加させるものと思われる。アデノシン誘導体およびPPiを、ルシフェラーゼインヒビターとして、甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKに対する効果について試験した。
材料と方法
図1および表1に示すデータの反応混合物には、0.2mg/mlの耐熱性ルシフェラーゼ(米国特許第6602677号を参照;Luc146−1H2)、20mMのNaCitrate(pH6.0)、55mMのモルホリノエタンスルホン酸(pH6.0)、11mMのMgSO、2.5mMの(4S)−4,5−ジヒドロ−2−(6−ヒドロキシベンゾチアゾリル)−4−チアゾールカルボン酸(D−ルシフェリン)、0.6mMの1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、1%のブタコラーゲン(Prionex(登録商標))、および0〜2.5mMのアデノシン三リン酸(ATP)が含まれた。AMPおよびPPiが存在する場合、それらをそれぞれ1mMおよび50μMとした。室温(23℃)で反応を実行した。
結果
ホタルルシフェラーゼ反応混合物中にAMPおよびPPiが存在することにより、ATP濃度が増加するにつれて直線的に増加する相対発光量(RLU)がもたらされた。図1および表1について、示した1mMのAMPおよび50μMのPPiを加えた状態でまたはAMPおよびPPiの非存在下(NT)で、耐熱性ルシフェラーゼ(フォツリス ペンシルバニカからのルシフェラーゼの組換え突然変異型)反応を、0〜2.5mMのATP濃度で行った。線形回帰を、ATP濃度の全範囲およびATP濃度の様々な部分的な範囲で行った。R値を直線性の定量的測度として表1に示す。さらに、ATPに対するKを算出するために双曲線関数(Y=Vmax・X/(K+X)、式中X=[ATP]、Y=RLU)にデータをフィットさせた。双曲線フィットから求めたK(μM)値を括弧中に示す。この分析により、Kが増加することに明確に関連して直線性が向上することが明らかとなり、AMPおよびPPiが相乗的に作用し、ルシフェラーゼのATPに対するKが相乗的に増加することにより直線性が向上することが示唆された。
Figure 2008536519
AMPおよびPPiの組み合わせに加えて、アデノシン5’−[β−チオ]二リン酸(ADPβS)、アデノシン5’−O−チオ一リン酸 (5’AMPS)、およびデオキシアデノシン三リン酸(dATP)とPPiとの組み合わせもまた、直線性を向上させ、耐熱性ルシフェラーゼのATPに対するKを増加させるよう相乗的に作用した(表2)。これは、AMPに加え、二リン酸および三リン酸を含む他のアデノシン誘導体がルシフェラーゼアッセイにおいてPPiと相乗作用を示し、ATP検出のための直線性を向上させることができることを実証するものである。ATP濃度の範囲が0〜1.67mMであることを除き上記に説明したように表2のデータを導き出した。表3のデータは、0〜1.67mMおよび0〜2.5mMのATP濃度の範囲を含んでいる。
Figure 2008536519
Figure 2008536519
耐熱性ルシフェラーゼのさらなる実験において、MgSOを、20mMのMgCl、MnCl、CaCl、CoCl、ZnCl、SrCl、またはNiClと置換した(表4)。様々な金属で基本的なKに差異がほとんどなかった。表4のデータは、非Mg金属をAMPおよびPPiと共に使用した場合、CoおよびNiならびにある程度CaおよびSrがKを相乗的に増加させたことを示す。非Mg金属をAMPと共に使用した場合、いくつかの金属、すなわちMn、Sr、Ca、およびNiはMgよりも大きくKを増加させた。非Mg金属をPPiと共に使用した場合、Niが、ATPに対するKを約10倍増加させた。金属およびインヒビター(複数可)の他の組み合わせではそれほど作用しなかった。
Figure 2008536519
ATPに対するKを相乗的に増加させ、ATPの発光検出のための直線性を向上させるAMPおよびPPiの効果は、耐熱性ルシフェラーゼに限られたものではなかった。この効果は、0〜2.5 mMのATP濃度の範囲にわたりキタアメリカホタルからの野生型ルシフェラーゼ(QuantiLum(登録商標)組換えルシフェラーゼ)においても観察された(表5)。この酵素を用い、PPiなしまたはAMPなしの反応と比較すると、PPiのみで、RおよびKがわずかに増加し(200μMのPPiによりRが9%増加し、Kが28%増加した)、AMPのみで、RおよびKが減少する一般的傾向を示した(3mMのAMPでRが2.5%減少し、Kが65%減少した)。しかしながら、PPiおよびAMPを組み合わせることにより、RおよびKの両方が実質的に増加した(200μMのPPiおよび3mMのAMPで、Rが1.64倍増加し、Kが3.9倍増加した)。QuantiLum(登録商標)および1つまたは複数のATPインヒビターを有する反応において、MgCl、MnCl、CaCl、CoCl、ZnCl、SrCl、またはNiClとMgSOを置換した場合、PPiおよびCoまたはNiを有する反応だけでなく、ZnおよびAMPまたはZn、AMP、およびPPiを有する反応においてKが増加した(表6)。
Figure 2008536519
表1〜6の結果に基づき、特定の二価金属および甲虫ルシフェラーゼを選択することにより、甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKを選択することができる。
(実施例II)
非ルシフェラーゼATPアーゼを検出するための拡大された直線性の発光ATPアッセイの使用
Pgpは、MDR1およびABCB1としても知られ、ATP依存性の薬物排出ポンプとして機能する170kDaの必須の形質膜タンパク質である。Pgpにより輸送される薬物および他の化学物質は通常、PgpのATPアーゼ活性を刺激する。Pgpは、ATPに対するKが高い(約0.5〜1.0mM)。このことは、Vmaxでの活性において、アッセイ反応混合物が約≧4mM ATPを含むことを意味する。拡大された直線性が形成されていない甲虫ルシフェラーゼたとえば耐熱性甲虫ルシフェラーゼによるATP検出のための直線範囲はおよそ≦50μM ATPである。≧4mM ATPで、Pgpは、甲虫ルシフェラーゼの直線範囲の外側にあるATPを消費するであろう。以下に説明するように、ルシフェラーゼ反応混合物にPPiおよびAMPを加え、PgpによるATP消費量を最適に検出するためにATP検出のための直線性を拡大することができる。
材料と方法
図2〜5に示したデータを得るために使用したPgp ATPアーゼ反応混合物には、以下のものを含んだ:660μg/mlの組換えヒトPgp(昆虫細胞発現系からの膜画分)、50mMのモルホリノエタンスルホン酸(MES)、2mMのエチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、2mMのジチオトレイトール(DTT)、50mMのKCl、5mMのアジ化ナトリウム、およびpHをpH6.8にするために加えたトリス塩基。示した濃度で、ベラパミルのアイソマー+および−の混合物を加えた。反応容量は、白色の不透明な96ウェルプレート中に加えた4mMのMgATPを含めて50μlであった。
等量の甲虫ルシフェラーゼ反応混合物(50μl)を加える前に反応を20分間37℃でインキュベートした。図2〜5に示したデータを得るために使用した甲虫ルシフェラーゼ反応混合物には、0.4mg/mlの耐熱性ルシフェラーゼ、40mMのNaCitrate(pH6.0)、110mMのモルホリノエタンスルホン酸(MES)(pH6.0)、22mMのMgSO、4mMのNaF、20mMのIDP、5.0mMの(4S)−4,5−ジヒドロ−2−(6−ヒドロキシベンゾチアゾリル)−4−チアゾールカルボン酸(D−ルシフェリン)、1.2mMの1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、2%のブタコラーゲン(Prionex(登録商標)、2%のTergitol、2mMのAMP、および100μMのPPiが含まれた。Pgp ATPアーゼ活性のアッセイ計画において、これらのすべての成分の濃度を、等量の耐熱性ルシフェラーゼ反応混合物を加えて半分に希釈する。両混合物がMESを含み、したがって、MESの最終濃度は80mMであったことに留意されたい。
結果
Pgpを含む膜画分中でのPgp ATPアーゼ活性を検出するために甲虫ルシフェラーゼベースATP検出アッセイを使用した。図2〜5に示す実施例において、ATPアーゼ反応混合物中の4mMのATPにPgp ATPアーゼ膜画分を最初に暴露させた。37℃20分間のPgpによるATP消費後に、等量のルシフェラーゼ反応混合物をPgp反応に加え、最大のATP濃度を2mMまで引き下げた。発光反応を開始させ、さらに、非イオン洗剤(Tergitol)を導入しPgp反応を停止させるのにルシフェラーゼ反応混合物が役立った。発光の明るさがATP濃度依存性であるので、ATPが消費されない場合、最も明るい反応が生じることになる(対照反応)。ATPが消費された反応における発光は対照に比べて減少し、この減少は、消費されたATP量に比例する。すなわち、Pgp依存性の発光の減少はPgpによるATP消費を反映している。基本的なPgp ATPアーゼ活性が発光の減少として観察され、Pgpによる輸送で知られている基質であるベラパミルがある状態で比較的大きく減少することがわかった。
(実施例III)
拡大されたATPアッセイにおける発光シグナルの安定性
上記実施例において記載したPgp ATPアーゼアッセイ(図2〜5)で、37℃でインキュベートしていたサンプルに甲虫ルシフェラーゼ反応混合物を加え、次いで、発光を読み取る前に温度を20分間室温(約23℃)に平衡化させた。しかしながら、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物を加えた後、直ちに発光を読み取り、次いで、その後、一定の時間間隔で繰り返し発光を読み取ると、発光シグナルは一定のままではなく、むしろ、経時的に増加することが観察された(図6A)。これは、Pgp形質膜試料中に存在するピロホスファターゼ活性(複数可)によるPPiの分解によるものかもしれない。PPiが分解されていたとすると、これは、ルシフェラーゼの阻害を軽減させ、発光シグナルの増加をもたらしていたのであろう。この影響を最小限にするために、ピロホスファターゼインヒビターであるイミド二リン酸(IDP)をルシフェラーゼ反応混合物に加えた。IDPは、シグナル増加率を著しく低下させることにより、実質的にシグナルの安定性を向上させた(図6B)。したがって、ピロホスファターゼを含むサンプルを使用する場合、発光シグナルを安定化するために、IDP等のピロホスファターゼインヒビターを使用することができる。IDPなしの図6Aを10mMのIDPありの図6Bと比較することにより、長い間にわたり発光シグナルを安定化するIDPの効果について十分に理解することができる。
刊行物、特許、および特許出願はすべて、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。前述の明細書において、本発明について、ある種の好ましい実施形態に関連して説明しているが、多数の細部は例証の目的のために記載されたものであり、本発明は、実施形態を追加することが可能であり、本明細書において説明したある種の細部について本発明の基本原理を逸脱することなく少なからず変更してもよいということは当業者に明白であろう。
図1A〜Dは、ルシフェラーゼインヒビター非存在下(NT;パネルA)またはルシフェラーゼインヒビター存在下(パネルB〜D)における、増加するATP濃度に対する相対発光量(RLU)を示す。 図2は、Pgp ATPアーゼによるATP消費に関連した発光におけるP糖タンパク質(Pgp)依存性の変化を示す。膜試料よりPgpを得た。100μMのNaVOありおよびなしのサンプルならびにNaVOありおよびなしで300μMベラパミルプラスのサンプルを比較することにより、Pgp ATPアーゼ活性へのベラパミル(Pgp ATPアーゼ活性化薬物)の影響について試験した。NaVOはPgp選択的インヒビターである。したがって、ベラパミルなしでNaVOマイナスおよびプラスのサンプル間の発光の差異(△RLUbasal)は、基本的なPgpのATP消費量(ATPアーゼ活性)を反映し、ベラパミルありでNaVOマイナスおよびプラスのサンプル間の発光の差異(△RLUver)は、ベラパミルに刺激されたPgpのATP消費量を反映する。NaVO存在下でのATP消費は、膜試料中に存在する微量の非Pgp ATPアーゼ活性に起因する。 図3は、拡大された直線性の発光反応におけるATP標準物質(STDS)を示す。ATP標準曲線との比較によりPgp反応のRLUをATP濃度に変換することができるよう曲線を実現した。MgATPなしのPgp ATPアーゼ反応混合物を、図2、4、および5に示されるPgp反応と並行して37℃でインキュベートした。これらの標準サンプルに耐熱性ルシフェラーゼ反応混合物を加えた後、図表に示した最終濃度までMgATPを加えた。次いで、プレートリーディングルミノメーターで発光を読み取る前に、サンプルを20分間Pgp反応させるのに加え、室温(約23℃)に移動させた。線形回帰分析を行い、標準曲線と比較することによりPgp反応のATP濃度を補間した。 図4は、基本的なおよびベラパミルに刺激されたPgp ATPアーゼ活性を示す。ベラパミルなしおよび300μMベラパミルありの図2に示すPgp ATPアーゼ反応からのRLU値をATP標準曲線(図3)と比較し、ATP濃度を決定した。これらのATP濃度から、Pgpにより消費されたATP量および比活性(消費されたATP ピコモル/Pgp μg/分)を算出した。 図5は、ベラパミルによるPgp ATPアーゼ刺激の用量依存性を示す。図表に示すベラパミル濃度なしおよびありのPgp ATPアーゼ反応からのRLU値をATP標準曲線(図3)と比較し、ATP濃度を決定した。これらのATP濃度から、Pgpにより消費されたATP量および比活性(消費されたATP ピコモル/Pgp μg/分)を算出した。 図6Aは、ベラパミル存在下またはバナジン酸およびベラパミル存在下でのPgp ATPアーゼに対するRLUを経時的に示す。昆虫細胞において発現され形質膜画分として調製された組換えヒトPgpを37℃で20分間、4mMのATPに暴露させた。図2〜5に記載したように、Pgp ATPアーゼアッセイを行った。反応混合物に耐熱性ルシフェラーゼを加えた後、直ちに発光を測定し、その後65分間5分間隔で発光を測定した。対照の膜は、組換えヒトPgp発現に使用した昆虫細胞発現系からのPgpなしの形質膜画分である。バナジン酸プラスおよびマイナスのサンプルを比較することにより、Pgp ATPアーゼ活性プラスおよびマイナスのATP消費量を測定することができる。 図6Bは、Pgp ATPアーゼアッセイからの発光シグナルを安定化するための10mMイミド二リン酸(IDP)の使用を示す。

Claims (53)

  1. サンプル中のATPの存在または量を検出するための方法であって、
    a)サンプルと、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と、少なくとも2つのATPインヒビターとを接触させて光生成反応混合物を得る工程であって、前記インヒビターの1つがアデノシン誘導体であり、前記アデノシン誘導体が、前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKを、前記アデノシン誘導体非存在下での前記ルシフェラーゼのATPに対するKに比べて増加させるのに効果的な量で存在し、前記光生成反応混合物中の前記インヒビターの量が、前記少なくとも2つのインヒビターを欠いた対応する光生成反応の直線範囲を超えるATP濃度を検出することができる光生成反応を提供する工程および
    b)前記光生成反応混合物中の発光の存在または量を検出する工程
    を包含する、方法。
  2. 第2のインヒビターがATP非競合的インヒビターである、請求項1の方法。
  3. 前記少なくとも2つのインヒビターと前記サンプルとを、前記甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と接触させる前に互いに接触させる、請求項1の方法。
  4. 前記少なくとも2つのインヒビターと前記甲虫ルシフェラーゼ反応混合物とを、前記サンプルと接触させる前に互いに接触させる、請求項1の方法。
  5. 前記ATPに対するKが相乗的に増加する、請求項1の方法。
  6. 前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKが、前記アデノシン誘導体非存在下での前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKに比べて約1.5倍を超えて増加する、請求項1の方法。
  7. 発光が、前記サンプル中のATPの存在または量に関連づけられる、請求項1の方法。
  8. 前記サンプルが、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物を含み、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のATPに対するKが、前記インヒビター非存在下での前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKと同じまたはそれより大きい、請求項1の方法。
  9. サンプル中の非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の活性を検出するための方法であって、
    a)非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物を含むサンプルと、甲虫ルシフェラーゼ反応混合物と、甲虫ルシフェラーゼ反応における少なくとも1つのATP競合的インヒビターとを接触させて光生成反応混合物を得る工程であって、前記少なくとも1つのインヒビターが、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のATPに対するKと同じまたはそれより大きい前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKをもたらす量で存在する工程および
    b)前記光生成反応混合物中の発光の存在または量を検出する工程
    を包含する、方法。
  10. 前記光生成反応混合物が第2のATPインヒビターをさらに含む、請求項9の方法。
  11. 前記インヒビターが、前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKを相乗的に増加させる、請求項8または10の方法。
  12. 前記少なくとも1つのインヒビターがアデノシン誘導体である、請求項9の方法。
  13. 前記光生成反応混合物が、前記アデノシン誘導体および第2のATPインヒビターを含む、請求項12の方法。
  14. 前記光生成反応混合物における発光の存在または量と、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を含まない対応する光生成反応混合物または効果的な量の前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のインヒビターを含む対応する光生成反応混合物とを比較する、請求項8または9の方法。
  15. 発光の存在または量が、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の存在または活性に関連づけられる、請求項8または9の方法。
  16. 前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素が、P糖タンパク質(Pgp)、アデニリルシクラーゼ、またはキナーゼである、請求項8または9の方法。
  17. 前記甲虫ルシフェラーゼが耐熱性甲虫ルシフェラーゼである、請求項1または9の方法。
  18. 前記甲虫ルシフェラーゼがホタルルシフェラーゼである、請求項1または9の方法。
  19. 前記アデノシン誘導体がAMP、5’AMPS、ADPβS、またはデオキシアデノシン三リン酸である、請求項1または12の方法。
  20. 前記アデノシン誘導体の濃度が約0.1mM〜約10mMである、請求項1または12の方法。
  21. 前記インヒビターのうちの1つがPPiである、請求項1または10の方法。
  22. 前記光生成反応混合物が無機ピロホスファターゼのインヒビターをさらに含む、請求項21の方法。
  23. PPiの濃度が、約10μM〜500μMである、請求項21の方法。
  24. 前記サンプルが、単離された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を含む、請求項8または9の方法。
  25. 前記単離された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素が、単離されたPgp、単離されたアデニリルシクラーゼ、または単離されたキナーゼである、請求項24の方法。
  26. 前記サンプルが細胞溶解物である、請求項1または9の方法。
  27. 溶解した細胞が培養細胞である、請求項26の方法。
  28. 前記溶解した細胞が哺乳動物細胞である、請求項26の方法。
  29. 前記サンプルが細胞下画分である、請求項1または9の方法。
  30. 非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の1つまたは複数のモジュレーターを検出するための方法であって、
    a)第1の光生成反応混合物からの発光と第2の光生成反応混合物からの発光とを比較する工程であって、
    該第1の光生成反応混合物からの発光は、非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素ならびに試験すべき1つまたは複数の化合物および/または反応条件を含む前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物と少なくとも1つのATPインヒビターを含む甲虫ルシフェラーゼ反応混合物とを含み、
    該第2の光生成反応混合物からの発光は、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を含むが、前記1つまたは複数の化合物を欠くおよび/または異なる反応条件にさらされる前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の反応混合物と前記少なくとも1つのインヒビターを含む甲虫ルシフェラーゼ反応混合物とを含み、
    前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のATPに対するKが、前記少なくとも1つのインヒビター非存在下での前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKより大きく、各光生成反応における前記少なくとも1つのATPインヒビターが、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素のATPに対するKと同じまたはそれより大きい前記ルシフェラーゼのATPに対するKをもたらす量で存在する工程、ならびに
    b)前記第1の光生成反応混合物における前記1つまたは複数の化合物および/または反応条件により前記第1の光生成反応混合物における発光が前記第2の光生成反応混合物に比べて変わるかどうかを検出するまたは測定する工程
    を包含する、方法。
  31. 前記少なくとも1つのインヒビターがアデノシン誘導体である、請求項30の方法。
  32. 2つのATPインヒビターが使用される、請求項30の方法。
  33. 前記インヒビターが、前記ルシフェラーゼのATPに対するKを相乗的に増加させる、請求項32の方法。
  34. 前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素が、Pgp、アデニリルシクラーゼ、またはキナーゼである、請求項30の方法。
  35. 前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の前記反応混合物が単離された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素を含む、請求項30の方法。
  36. 前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の前記反応混合物が細胞溶解物を含む、請求項30の方法。
  37. 溶解した細胞が培養細胞である、請求項36の方法。
  38. 前記溶解した細胞が哺乳動物細胞である、請求項36の方法。
  39. 前記甲虫ルシフェラーゼ反応混合物が、少なくとも1つの因子を、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素反応を選択的に消光する量でさらに含む、請求項30の方法。
  40. 前記1つの因子が非イオン洗剤である、請求項39の方法。
  41. 前記1つの因子が、前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素反応のインヒビターである、請求項39の方法。
  42. 関心のある別の分子の存在または量を検出する工程または測定する工程をさらに含む、請求項1または30の方法。
  43. 前記光生成反応混合物が、無機ピロホスファターゼのインヒビターをさらに含む、請求項30の方法。
  44. 組成物を備えるキットであって、該組成物は、
    甲虫ルシフェラーゼ反応における少なくとも2つのATPインヒビターであって、1つのインヒビターがアデノシン誘導体であるATPインヒビターならびに
    必要に応じて、1つまたは複数の以下の試薬:単離された甲虫ルシフェラーゼ、単離された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素、甲虫ルシフェラーゼ基質および/または前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素用の基質、を含み、前記1つまたは複数の試薬が存在する場合、必要に応じて、別々に包装される、キット。
  45. 第2のインヒビターがATP非競合的インヒビターである、請求項44のキット。
  46. 前記甲虫ルシフェラーゼのATPに対するKを前記ATPインヒビターが増加させる光生成反応を行なうための使用説明書をさらに含む、請求項44のキット。
  47. 前記組成物が置かれる適切な容器をさらに含む、請求項44のキット。
  48. 前記単離された甲虫ルシフェラーゼ、前記単離された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素、前記甲虫ルシフェラーゼ基質または前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の基質が置かれる適切な容器をさらに含む、請求項44のキット。
  49. 非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素反応用の選択的な消光試薬をさらに含む、請求項44のキット。
  50. 前記アデノシン誘導体、前記第2のインヒビター、前記単離された甲虫ルシフェラーゼ、前記単離された非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素、前記甲虫ルシフェラーゼ基質、または前記非甲虫ルシフェラーゼATP消費酵素の前記基質のうちの少なくとも1つが凍結乾燥される、請求項44のキット。
  51. 前記第2のインヒビターがPPiである、請求項44のキット。
  52. 無機ピロホスファターゼのインヒビターをさらに含む、請求項44のキット。
  53. ルシフェラーゼのATPに対するKを変える二価カチオン濃度を同定するための方法であって、
    a)複数の二価金属の1つまたは複数の濃度での光生成反応における1つまたは複数のルシフェラーゼのATPに対するKを提供する工程であって、前記Kが、必要に応じて、ATPインヒビター非存在下のものである工程および
    b)前記光生成反応における前記反応の直線範囲において、選択されたATPに対するKを有する少なくとも1つの二価金属および少なくとも1つのルシフェラーゼの濃度を同定する工程
    を包含する、方法。
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