JP5330963B2 - 塗料ポンプ装置 - Google Patents

塗料ポンプ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5330963B2
JP5330963B2 JP2009259153A JP2009259153A JP5330963B2 JP 5330963 B2 JP5330963 B2 JP 5330963B2 JP 2009259153 A JP2009259153 A JP 2009259153A JP 2009259153 A JP2009259153 A JP 2009259153A JP 5330963 B2 JP5330963 B2 JP 5330963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
discharge
discharge process
flow rate
paint pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009259153A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011106285A (ja
Inventor
広実 野々村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taikisha Ltd
Original Assignee
Taikisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taikisha Ltd filed Critical Taikisha Ltd
Priority to JP2009259153A priority Critical patent/JP5330963B2/ja
Publication of JP2011106285A publication Critical patent/JP2011106285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5330963B2 publication Critical patent/JP5330963B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

本発明は塗装設備において塗装ガンなどの塗装装置に塗料供給路を通じて塗料を供給する塗料ポンプ装置に関し、
詳しくは、塗装設備における塗料供給路に吐出側を合流させて接続する複数のピストン型の塗料ポンプを備えるとともに、これら塗料ポンプのピストンを回転カムのカム作用により均等な位相差で往復動作させて、各塗料ポンプに吸入側から塗料吸入する吸入工程とその吸入塗料を吐出側へ吐出する吐出工程とを交互に実行させるカム機構を備える塗料ポンプ装置に関する。
この種の塗料ポンプ装置では、塗料供給路への塗料供給において装置の吐出流量や吐出圧力(即ち、複数の塗料ポンプの吐出側合流部での各時点における合計吐出流量や合計吐出圧力)が塗料ポンプ各々の吸入工程と吐出工程との境部(各ピストンの上下死点部)ごとに変動する所謂脈動を抑止することが望まれるが、従来、この脈動の抑止を目的としたポンプ装置として下記の特許文献1,2のポンプ装置がある。
この特許文献1,2のポンプ装置では、2つのピストン型ポンプのピストンを均等な位相差(180°の位相差)で往復動作させる各別の2つの回転カム又は1つの共通回転カムの形状設定により、図5に示す如く、各ポンプ15a,15bの吐出工程Bにおける中間期Bmには他方のポンプ15b,15aが吸入工程Sにあることに対し、その吐出工程中間期Bmにある一方のポンプ15a,15b(即ち、単独吐出状態にあるポンプ)の吐出流量Qa,Qbを一定の上限流量Qtに保持にするようにしている。
また、各ポンプ15a,15bの吐出工程Bにおける前期Baは他方のポンプ15b,15aの吐出工程後期Bbを重複させる前期側の重複吐出期間にするとともに、各ポンプ15a,15bの吐出工程Bにおける後期Bbは他方のポンプ15b,15aの吐出工程前期Baを重複させる後期側の重複吐出期間にし、これら重複吐出期間Ba,Bbでは、吐出工程後期Bbにある一方のポンプ15a,15bの吐出流量Qa,Qbと吐出工程前期Baにある他方のポンプ15b,15aの吐出流量Qb,Qaとを、それらの和が前記の上限流量Qtとなる一定の制限流量(ここでは上限流量Qtの1/2に等しい流量)に保持するようにしている。
つまり、このポンプ装置では、上記の如き重複吐出期間Ba,Bbを設けることで脈動を抑止しながら、両ポンプ15a,15bの合計吐出流量である装置吐出流量Qabを常に一定流量(この場合は上限流量Qtに等しい流量)に保持するようにしている。
そして、これら特許文献1,2のポンプ装置では同じく回転カムの形状設定により、同図5に示す如く、各ポンプ15a,15bについて吸入工程Sの完了時点と吐出工程Bの開始時点とを一致させて、各ポンプ15a,15bを吸入工程Sから吐出工程Bへ連続的に移行させるようにしている。
特開昭62−288374号公報 特公昭63−3154号公報
しかし、塗装ガン等の塗装装置により被塗物を塗装する塗装設備では上記脈動の影響で被塗物におけるミクロン単位の塗膜厚さにムラが生じるなど、塗装品質に及ぼす脈動の影響が極めて大きいため、上記した特許文献1,2のポンプ装置にしても、塗装設備における塗料ポンプ装置として使用するには脈動抑止効果の一層の向上が望まれていた。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、塗料の特質に着目した合理的な改良により脈動抑止効果の一層高い塗料ポンプ装置を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は塗料ポンプ装置に係り、その特徴は、
塗装設備における塗料供給路に吐出側を合流させて接続する複数のピストン型の塗料ポンプを備えるとともに、
これら塗料ポンプの各吐出口には塗料の吸入を阻止して塗料の吐出のみを許容する逆止弁を備え、かつ、これら塗料ポンプの各吸入口には塗料の吐出を阻止して塗料の吸入のみを許容する逆止弁を備え、
これら塗料ポンプのピストンを回転カムのカム作用により均等な位相差で往復動作させて、各塗料ポンプに吸入側から塗料吸入する吸入工程とその吸入塗料を吐出側へ吐出する吐出工程とを交互に実行させるカム機構を備え、
このカム機構における前記回転カムの形状設定により、
各塗料ポンプの吐出工程における中間期には、その吐出工程中間期にある塗料ポンプの吐出流量を一定の上限流量にし、
各塗料ポンプの吐出工程における前期は他の塗料ポンプの吐出工程後期を重複させる前期側の重複吐出期間にするとともに、各塗料ポンプの吐出工程における後期は他の塗料ポンプの吐出工程前期を重複させる後期側の重複吐出期間にし、
これら前期側及び後期側の重複吐出期間では、吐出工程後期の側の塗料ポンプの吐出流量と吐出工程前期の側の塗料ポンプの吐出流量とを、それらの和が前記上限流量となる制限流量にする構成にしてある塗料ポンプ装置であって、
前記回転カムの形状を、各塗料ポンプの吸入工程から吐出工程への移行部にその移行部にある塗料ポンプのピストン動作を継続的に停止させる動作停止保持期間を設けた形状にするとともに、
前記吐出工程の前期側及び後期側夫々の前記重複吐出期間において、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプ夫々のピストン速度を同時に所定速度に切り換えてその所定速度に保持することで、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプの夫々に対する前記制限流量を一定流量に保持する形状にしてある点にある。
つまり、この構成によれば、回転カムの形状設定により、各塗料ポンプの吐出工程における中間期には、その吐出工程中間期にある塗料ポンプの吐出流量を一定の上限流量にするとともに、各塗料ポンプの吐出工程における前期及び後期を上記の如き重複吐出期間にして、これら重複吐出期間では、吐出工程後期の側の塗料ポンプの吐出流量と吐出工程前期の側の塗料ポンプの吐出流量とをそれらの和が上限流量となる制限流量にするから、例えば、このような重複吐出期間を設けず、吐出工程にある塗料ポンプの吐出完了に続いて、それまで吸入工程にあった他の塗料ポンプを吐出開始させる方式のポンプ装置に比べ、前述の特許文献1,2のポンプ装置と同様、脈動(即ち、各塗料ポンプの吸入工程と吐出工程との境部ごとに生じる流量や圧力の変動)を抑止した状態で装置吐出流量を常に一定流量に安定的に保持することができる。
しかも、この構成によれば、このような重複吐出期間を設けることに加えて、同じく回転カムの形状設定により、各塗料ポンプの吸入工程から吐出工程への移行部にその移行部にある塗料ポンプのピストン動作を継続的に停止させる動作停止保持期間を設けることにより、脈動を更に効果的に抑止することができる。
即ち、この種の塗料ポンプ装置の動作を観察したところ、各塗料ポンプの吸入工程の完了時点と吐出工程の開始時点とを一致させて各塗料ポンプを吸入工程から吐出工程へ連続的に移行させるように回転カムの形状を設定した場合、カム形状としては吸入工程完了時点と吐出工程開始時点とが一致するものの、構造上の誤差要因や塗料の流動特性上の誤差要因などにより、実際には塗料の吸入完了に至る以前に塗料の吐出が開始される吸入遅れが生じて、塗料吸入が不完全な状態で塗料吐出が開始されるために脈動が助長されることが判明した。
殊に、塗料は一般の液体に比べ質量が大きく粘度も高いため、この吸入遅れが特に大きく生じる傾向があり、この大きな吸入遅れが脈動の大きな助長要因となっていることが判明した。
このことに対し、回転カムの形状設定により、塗料ポンプのピストン動作を継続的に停止させる上記の如き動作停止保持期間を各塗料ポンプの吸入工程から吐出工程への移行部に設けるようにすれば、吸入遅れをなくして塗料吸入を完全ないしほぼ完全に完了させた状態から塗料の吐出を開始させることができ、これにより、前記の如き重複吐出期間による効果的な脈動抑止に加え、吸入遅れに原因する脈動の助長も効果的に回避することができ、これらのことが相俟って脈動抑止効果の極めて高い塗料ポンプ装置にすることができ、ひいては塗装品質の向上等に効果的に寄与することができる。
さらに、第1特徴構成では、回転カムの形状設定により、吐出工程の前期側及び後期側夫々の重複吐出期間において、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプ夫々のピストン速度を同時に所定速度に切り換えてその所定速度に保持することで、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプの夫々に対する前記制限流量を一定流量に保持するようにしてあることから、次の作用効果も奏する。
つまり、このように回転カムの形状設定により、吐出工程の前期側及び後期側夫々の重複吐出期間において吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプ夫々のピストン速度を同時に所定速度に切り換えてその所定速度に保持することで、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプの夫々に対する制限流量を一定流量に保持するようにすれば、各塗料ポンプの吐出流量を一定の上限流量に保持する吐出工程中間期と同様、重複吐出期間においても各塗料ポンプの吐出流量や吐出圧力を安定化することできる。
従って、例えば、重複吐出期間において吐出工程後期の側の塗料ポンプに対する制限流量を複数段にわたって段階的に減少させ、かつ、吐出工程前期の側の塗料ポンプに対する制限流量を複数段にわたって段階的に増大させる構成や、重複吐出期間において吐出工程後期の側の塗料ポンプに対する制限流量を連続的に減少させ、かつ、吐出工程前期の側の塗料ポンプに対する制限流量を連続的に増大させる構成を採用するのに比べ、装置吐出流量や装置吐出圧力の全体的な安定化を一層効果的に達成することができる。
なお、この構成の実施においては、吐出工程前期の側の塗料ポンプに対する制限流量及び吐出工程後期の側の塗料ポンプに対する制限流量の夫々を上限流量の50%にするのに限らず、例えば、吐出工程前期の側の塗料ポンプに対する制限流量を上限流量の30%にし、かつ、吐出工程後期の側の塗料ポンプに対する制限流量を上限流量の70%にするなど、吐出工程前期の側の塗料ポンプに対する制限流量と吐出工程後期の側の塗料ポンプに対する制限流量とを異ならせるようにしてもよい。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記動作停止保持期間の期間長さを各塗料ポンプのピストン動作周期の3%〜13%の範囲内にしてある点にある。
つまり、前述の如き吸入遅れの大きさ(略言すれば、遅れ程度)は送給対象である塗料の種類などによって異なることから、脈動抑止の観点からは前記動作停止保持期間の期間長さを十分に大きくすることが望ましいが、動作停止保持期間の期間長さを大きくほど、回転カムの回転に対して何らポンプ機能していない無駄期間が大きくなって装置の動力効率が低下する。
このことに対し、上記の如く回転カムの形状設定により、動作停止保持期間の期間長さを各塗料ポンプのピストン動作周期の3%〜13%の範囲内(さらに望ましくは8〜9%程度の範囲内)にすれば、一般の塗料を送給対象とすることにおいて、動作停止保持期間の期間長さを過不足のない適切なものにした状態で、吸入遅れを十分に回避して前述の如く高い脈動抑止効果を得ながら、動力効率の低下も最小限に止めることができる。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記吐出工程の前期側及び後期側夫々の前記重複吐出期間の期間長さを、前記吐出工程の工程長さの5%〜25%の範囲内にしてある点にある。
つまり、各塗料ポンプの吐出流量や吐出圧力は吐出工程の中間期において吐出流量を一定の上限流量に保持している期間中が最も安定することから、装置運転中の装置吐出流量や装置吐出圧力の安定化を図るには、基本的に各塗料ポンプの吐出流量を一定の上限流量に保持する吐出工程中間期の期間長さを大きくすることが望ましいが、この吐出工程中間期の期間長さを大きくするほど、吐出工程前期及び後期に設ける重複吐出期間の期間長さが短くなって、吐出工程前期の側の塗料ポンプのゼロ流量から上限流量への吐出流量の増大、及び、吐出工程後期の側の塗料ポンプの上限流量からゼロ流量への吐出流量の減少が急激化し、そのことで脈動が助長される。
このことに対し、上記の如く回転カムの形状設定により、吐出工程の前期側及び後期側夫々の重複吐出期間の期間長さを吐出工程の工程長さの5%〜25%の範囲内(さらに望ましくは、10%〜20%の範囲内)にすれば、一般の塗料を送給対象とすることにおいて、吐出工程中間期において装置吐出流量や装置吐出圧力を安定化させる基本安定化機能と、重複吐出期間において塗料ポンプ吐出流量の増大や減少を緩和して脈動を抑止する脈動抑止機能とを最適な両立点で両立させることができ、これにより、装置吐出流量や装置吐出圧力の全体的な安定化をさらに効果的に達成することができる。
実施形態を示す塗装設備の概略構成図 塗料ポンプ装置の構造図 回転カムの拡大図 塗料ポンプ装置の動作を示すグラフ 従来のポンプ装置の動作を示すグラフ
図1は、コンベアにより順次搬送される被塗物W(本例では自動車ボディ)を塗装ブース1の内部におけるロボット塗装部2Aや手吹き塗装部2Bにおいて塗装ガン3により吹き付け塗装する塗装設備を示す。
塗装ブース1の外部には、塗料供給路4及び塗料返送路5をリバースリターン方式で併行させて延設してあり、塗料供給路4の上流側端は塗料ポンプ装置Pの吐出側に接続し、塗料返送路5の下流側端は後述の塗料取入用循環路9及び攪拌タンク7を介して塗料ポンプ装置Pの吸入側に接続してある。
また、塗料供給路4の下流側端は、塗料返送路5の下流側端近傍に接続し、塗料供給路4の下流側端部には、塗料供給路4における塗料圧力を調整する背圧レギュレータR1を装備してある。
6は塗料ポンプ装置Pとともに塗装ブース1の外部に設置した塗料タンク、7は塗料返送路5から戻る塗料L及び塗料タンク6からの補充塗料Lを攪拌処理する攪拌機内蔵の攪拌タンクであり、塗料ポンプ装置Pの吸入側には攪拌タンク7からの塗料送出路8を接続してある。
また、攪拌タンク7には、その内部から塗料Lを取り出して、その取り出し塗料Lを再び攪拌タンク7に戻す塗料取入用の循環路9を設け、この塗料取入用循環路9に対して塗料返送路5の下流側端を接続するとともに塗料タンク6からの塗料補充路10を接続してある。
R2は塗料返送路5の下流側端部に装備した背圧レギュレータ、Pcは塗料取入用循環路9に介装した塗料取入用循環ポンプ、fr,fsは塗料供給路4及び塗料返送路5を通じて循環させる塗料L中の異物を分離除去するフィルタ装置である。
なお、図1では1つの塗料循環系のみを示してあるが、この塗装ブース1では各塗装部2A,2Bでの塗装において被塗物Wごとの塗色変更を可能にするため、上記塗料循環系を互いに色の異なる20色〜30色程度の塗料Lについて同一の配管形態で各別に設けてある。
塗装ブース1における各塗装部2A,2Bでは、各色の塗料Lごとに塗料供給路4の最寄部と塗料返送路5の最寄部とを短絡的に接続するバイパス路11を設けるとともに、これらバイパス路11の夫々から色別の塗料取出路12を分岐し、これら色別の塗料取出路12を色替バルブユニット13を介して塗装ガン3への端末塗料供給路14に接続してある。
つまり、この塗装設備では、塗料ポンプ装置P及び塗料取入用循環ポンプPcの運転により塗料供給路4、塗料返送路5、及び、各塗装部2A,2Bにおけるバイパス路11を通じて各色の塗料Lを加圧状態で循環させ、この循環運転下で各塗装部2A,2Bにおいて色替バルブユニット13による塗色選択操作により、所要のバイパス路11から必要色の塗料Lを塗料取出路12、色替バルブユニット13、端末塗料供給路14を通じて塗装ガン3に加圧供給するようにしてある。
塗料供給路4に塗料Lを加圧供給する塗装ポンプ装置Pにおける吐出流量の変動や吐出圧力の変動は塗装ガン3による被塗物塗装において塗膜厚さのムラを招くなど、塗装品質の低下要因となることから、塗料ポンプ装置Pには塗料Lを一定の流量圧力状態で安定的に吐出できるものを採用してあり、具体的には、この塗料ポンプ装置Pとして、図2,図3に示す如く2つのピストン型の塗料ポンプ15a,15bと、これら塗料ポンプ15a,15bのピストン16a,16bを1つの共通の回転カム17のカム作用により均等な位相差(即ち、180°の位相差)で往復動作させて、各塗料ポンプ15a,15bに吸入側から塗料Lを吸入する吸入工程Sとその吸入塗料Lを吐出側へ吐出する吐出工程Bとを交互に実行させるカム機構18とを備えるものを採用してある。
そして、塗料ポンプ装置Pにおける各塗料ポンプ15a,15bの吐出口19a,19bは合流路20により合流させて塗料供給路4の上流側端に接続し、各塗料ポンプ15a,15bの吸入口21a,21bには攪拌タンク7からの塗料送出路8(略言すれば、塗料返送路5の下流側)を分岐路22により分岐させて並列に接続してある。
また、各吐出口19a,19bには塗料Lの吸入を阻止して吐出のみを許容する吐出側の逆止弁23a,23bを装備し、各吸入口21a,21bには塗料Lの吐出を阻止して吸入のみを許容する吸入側の逆止弁24a,24bを装備してある。
2つの塗料ポンプ15a,15bは、ピストンロッド25a,25bの反ピストン側(即ち、ピストン16a,16bの上死点側)が回転カム17に向かう姿勢で回転カム17の両側に振り分け配置して、両ピストンロッド25a,25bが回転カム17の回転軸芯gaに対して直交する同一のピストン動作軸芯gb上に位置する状態に配置してあり、カム機構18については、このピストン動作軸芯gbに沿う方向への直線運動のみをレール26(又は案内ロッド)により許すようにした2つのスライダ27a,27bをそれらの間に回転カム17を挟む状態に配置してある。
各スライダ27a,27bには、回転カム17の回転軸芯gaと平行な軸芯周りで回転自在なカム従動子としてのローラ28a,28bを設けてあり、これらローラ28a,28bはピストン動作軸芯gb上で回転カム17のカム周面17a(ローラ28a,28bに対してカム作用する面)に対して当接させる状態に配置してある。
また、このカム機構18には、両スライダ27a,27bを互いに接近側に弾性付勢するスプリング29を設け、これにより、回転カム17を両スライダ27a,27bにより弾性的に挟圧する状態で、各ローラ28a,28bを回転カム17のカム周面17aに対して弾性的に押圧付勢するようにしてある。
つまり、この塗料ポンプ装置Pでは、回転カム17の回転運動をローラ28a,28b、スライダ27a,27b、ピストンロッド25a,25bを介して各塗料ポンプ15a,15bにおけるピストン16a,16bの直線的な往復運動に変換し、これにより、回転カム17に対してピストン上死点側を向ける状態に対称配置した各塗料ポンプ15a,15bを回転カム17の回転に伴い180°の位相差でポンプ動作させる。
そして、この180°の位相差での各塗料ポンプ15a,15bのポンプ動作において常にいずれか一方の塗料ポンプ15a,15bが吐出工程Bにあるように回転カム17の形状を設定し、これにより、合流路20を通じて塗料供給路4に対し塗料Lを間断のない状態で連続的に加圧供給する塗料ポンプ装置Pにしてある。
回転カム17の形状設定について更に詳述すると、回転カム17は、図3,図4に示す如く、各塗料ポンプ15a,15bについて吐出工程Bの中間期Bmには、ピストン16a,16bを所定の往動速度Vaで下死点に向け等速往動させて、各塗料ポンプ15a,15b(単独吐出状態にある塗料ポンプ)の吐出流量Qa,Qbを一定の上限流量Qtに保持するカム形状にしてある。
また、各塗料ポンプ15a,15bについて吐出工程Bの前期Baは、他方の塗料ポンプ15b,15aの吐出工程後期Bbを重複させる前期側の重複吐出期間にし、これと裏返しで、各塗料ポンプ15a,15bについて吐出工程Bの後期Bbは、他方の塗料ポンプ15b,15aの吐出工程前期Baを重複させる後期側の重複吐出期間にするカム形状にしてある。
そして、これら重複吐出期間Ba,Bbでは、吐出工程前期Baの側及び吐出工程後期Bbの側の塗料ポンプ15a,15bの双方について、ピストン16a,16bを前記往動速度Vaの1/2の往動速度(=Va/2)で下死点に向け等速往動させて、各塗料ポンプ15a,15bの吐出流量Qa,Qbを前記上限流量Qtの1/2の制限流量(=Qt/2)に保持するカム形状にしてある。
一方、回転カム17は、各塗料ポンプ15a,15bについて吸入工程Sでは、ピストン16a,16bを所定の復動速度Vb(>Va)で上死点に向け等速復動させて、各塗料ポンプ15a,15bの吸入流量Qa′,Qb′を一定流量Qt′に保持するカム形状にしてある。
さらに、回転カム17は、各塗料ポンプ15a,15bについて吸入工程Sから吐出工程Bへの移行部に、その移行部にある塗料ポンプ15a,15bのピストン動作を吸入工程終端の上死点部で継続的に停止させる動作停止保持期間Nを設けたカム形状にしてある。
即ち、この種の塗料ポンプ装置では、各塗料ポンプ15a,15bの吸入工程Sと吐出工程Bとの境部(ピストン上下死点部)ごとに装置の吐出流量Qab(=Qa+Qb)や吐出圧力が変動する脈動が生じるが、回転カム17の形状設定において上記の如き重複吐出期間Ba,Bbを設けることにより脈動を抑止する。
また、同じく回転カム17の形状設定において上記の如き動作停止保持期間Nを設けることにより、塗料Lの吸入完了に至る以前に塗料吐出が開始される吸入遅れを回避して、この吸入遅れに原因する脈動の助長も回避し、これにより、各時点における各塗料ポンプ吐出流量Qa,Qbの合計流量である装置吐出流量Qab(=Qa+Qb)を一定の上限流量Qtに連続して安定的に維持できるようにしてある。
なお、30は回転カム17の回転軸であり、この回転軸30には減速機31を介してカム駆動用のモータ32を連結してある。そして、この塗料ポンプ装置Pでは、インバータ制御によりカム駆動用モータ32の回転速度を調整することで、各塗料ポンプ15a,15bのピストン動作速度を調整して装置吐出流量Qabを適宜変更できるようにしてある。
回転カム17の形状設定について、吸入工程S及び吐出工程Bの工程長さや各期間Ba,Bb,Nの期間長さの好適な設定例としては次の例を挙げることができる。
吐出工程B:カム回転角度0°〜210°〔上死点→下死点〕
(工程長さ:ピストン動作周期Tのほぼ58%に相当)
吸入工程S:カム回転角度210°〜330°〔下死点→上死点〕
(工程長さ:ピストン動作周期Tのほぼ33%に相当)
前期側の重複吐出期間Ba:カム回転角度0°〜30°
(期間長さ:ピストン動作周期Tのほぼ8%に相当)
(期間長さ:吐出工程Bの工程長さのほぼ14%に相当)
後期側の重複吐出期間Bb:カム回転角度180°〜210°
(期間長さ:ピストン動作周期Tのほぼ8%に相当)
(期間長さ:吐出工程Bの工程長さのほぼ14%に相当)
動作停止保持期間N:カム回転角度330°〜360°(=0°)
(期間長さ:ピストン動作周期Tのほぼ8%に相当)
〔別実施形態〕
次に本発明の別の実施形態を列記する。
上述の実施形態では、複数の塗料ポンプ15a,15bのピストン16a,16bを1つの共通回転カム17のカム作用により往復動作させる構成を示したが、これに代えて、複数の塗料ポンプ15a,15bの各ピストン16a,16bを各別の回転カムのカム作用により往復動作させる構成を採用してもよい。
また、回転カム17はその外側周面をカム面とする円盤状のものに限らず、内側周面をカム面とする円環状のものであってもよい。
複数の塗料ポンプ15a,15bのピストン16a,16bを回転カム17の回転により往復動作させるカム機構18の具体的な構造は前述の実施形態で示した構造に限らず、種々の構成変更が可能である。
塗料ポンプ装置Pの装置吐出流量Qabを連続して一定流量に維持するのに、前述の実施形態では、2つの塗料ポンプ15a,15bどうしの間で相互に前期側及び後期側の重複吐出期間Ba,Bbを備える状態で、それら2つの塗料ポンプ15a,15bを交互に吐出動作させる方式を示したが、これに代え、3以上の塗料ポンプを重複吐出期間Ba,Bbのある状態で順次に吐出工程Bに移行させることにより装置吐出流量を連続して一定流量に維持する方式を採用してもよい。
また、相互に前期側及び後期側の重複吐出期間Ba,Bbを備える状態で交互に吐出動作させる塗料ポンプ対を複数設け、これら複数の塗料ポンプ対を位相差のある状態で夫々ポンプ動作させることにより装置吐出流量を連続して一定流量に維持する方式を採用してもよい。
塗料ポンプ装置Pを配備する塗装設備は前述の如き自動車ボディの塗装設備に限らず、自動車部品の塗装設備や家電製品の塗装設備あるいは鋼板類の塗装設備など、どのような塗装設備であってもよい。
本発明による塗料ポンプ装置は各種の塗装設備において塗料供給路への塗料供給に適用することができる。
4 塗料供給路
15a,15b ピストン型塗料ポンプ
16a,16b ピストン
17 回転カム
L 塗料
S 吸入工程
B 吐出工程
18 カム機構
Bm 吐出工程中間期
Qa,Qb 塗料ポンプ吐出流量
Qt 上限流量
Ba,Bb 重複吐出期間
N 動作停止保持期間

Claims (3)

  1. 塗装設備における塗料供給路に吐出側を合流させて接続する複数のピストン型の塗料ポンプを備えるとともに、
    これら塗料ポンプの各吐出口には塗料の吸入を阻止して塗料の吐出のみを許容する逆止弁を備え、かつ、これら塗料ポンプの各吸入口には塗料の吐出を阻止して塗料の吸入のみを許容する逆止弁を備え、
    これら塗料ポンプのピストンを回転カムのカム作用により均等な位相差で往復動作させて、各塗料ポンプに吸入側から塗料吸入する吸入工程とその吸入塗料を吐出側へ吐出する吐出工程とを交互に実行させるカム機構を備え、
    このカム機構における前記回転カムの形状設定により、
    各塗料ポンプの吐出工程における中間期には、その吐出工程中間期にある塗料ポンプの吐出流量を一定の上限流量にし、
    各塗料ポンプの吐出工程における前期は他の塗料ポンプの吐出工程後期を重複させる前期側の重複吐出期間にするとともに、各塗料ポンプの吐出工程における後期は他の塗料ポンプの吐出工程前期を重複させる後期側の重複吐出期間にし、
    これら前期側及び後期側の重複吐出期間では、吐出工程後期の側の塗料ポンプの吐出流量と吐出工程前期の側の塗料ポンプの吐出流量とを、それらの和が前記上限流量となる制限流量にする構成にしてある塗料ポンプ装置であって、
    前記回転カムの形状を、各塗料ポンプの吸入工程から吐出工程への移行部にその移行部にある塗料ポンプのピストン動作を継続的に停止させる動作停止保持期間を設けた形状にするとともに、
    前記吐出工程の前期側及び後期側夫々の前記重複吐出期間において、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプ夫々のピストン速度を同時に所定速度に切り換えてその所定速度に保持することで、吐出工程後期の側の塗料ポンプ及び吐出工程前期の側の塗料ポンプの夫々に対する前記制限流量を一定流量に保持する形状にしてある塗料ポンプ装置。
  2. 前記動作停止保持期間の期間長さを各塗料ポンプのピストン動作周期の3%〜13%の範囲内にしてある請求項1記載の塗料ポンプ装置。
  3. 前記吐出工程の前期側及び後期側夫々の前記重複吐出期間の期間長さを、前記吐出工程の工程長さの5%〜25%の範囲内にしてある請求項1又は2記載の塗料ポンプ装置。
JP2009259153A 2009-11-12 2009-11-12 塗料ポンプ装置 Expired - Fee Related JP5330963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259153A JP5330963B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 塗料ポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259153A JP5330963B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 塗料ポンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011106285A JP2011106285A (ja) 2011-06-02
JP5330963B2 true JP5330963B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=44230041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009259153A Expired - Fee Related JP5330963B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 塗料ポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5330963B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101481050B1 (ko) * 2012-10-08 2015-01-14 (주)지오엘리먼트 화합물 정량 이송 조절 장치 및 이를 이용한 기화 시스템
GB201502686D0 (en) * 2015-02-18 2015-04-01 Finishing Brands Uk Ltd High pressure pump
JP6450956B1 (ja) * 2018-06-25 2019-01-16 株式会社三井E&Sマシナリー 燃料供給装置及び燃料供給方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0469680U (ja) * 1990-10-24 1992-06-19
JP2006052646A (ja) * 2004-08-09 2006-02-23 Reika Kogyo Kk 定量ポンプ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011106285A (ja) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5330963B2 (ja) 塗料ポンプ装置
US9140247B2 (en) Rotary piston pump for metering a coating agent
US7588423B2 (en) Pump for liquid chromatograph
RU2621773C2 (ru) Гомогенизатор высокого давления
JP6304617B2 (ja) 流体塗布システムおよび流体塗布方法
JP2012067755A (ja) ポンプ
IL183337A0 (en) Volumetric pump with reciprocated and rotated piston
US20100284827A1 (en) Homogenization of the conveying flow in oscillating positive displacement pumps
JP6221016B1 (ja) エアモータ
JP2001115951A (ja) 送出ポンプの送出量調整機構
JP2005147756A (ja) 送液ポンプ装置
RU2682302C1 (ru) Насос высокого давления для нагнетания высоковязкого материала
US20090092511A1 (en) Heart-shaped cam constant flow pump
US20080232988A1 (en) Material Pump
US20200408206A1 (en) Energy-efficient vane pump
CN109496250A (zh) 对准流体输送系统中的往复运动
CN203235621U (zh) 上胶高效可靠的纸卷封口机
KR101083264B1 (ko) 유압식 도료분사시스템
EP2194270A3 (de) Dosierpumpe
CN205084911U (zh) 高效隔膜式喷涂机
CN205074132U (zh) 高效便携柱塞喷涂机
JP3244287U (ja) 輸液システム及び液体吐出安定化方法
JP2019202257A (ja) シーラー供給装置及びシーラー塗布装置
JP2001082318A (ja) 往復ポンプ装置
CA3042230C (en) Method for operation of a multiple-membrane pump

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5330963

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees