JP5329462B2 - 光学活性ジカルボン酸誘導体 - Google Patents
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Description
α,β−不飽和カルボニル化合物と、
エノラート生成化合物とを、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物から構成される化合物の存在下で反応させる
ことを特徴とする光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法によって解決される。
前記光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法で得られた光学活性ジカルボン酸誘導体に加水分解を施して光学活性ジカルボン酸を製造することを特徴とする光学活性ジカルボン酸の製造方法によって解決される。
α,β−不飽和カルボニル化合物とエノラート生成化合物とを反応させて光学活性ジカルボン酸誘導体の合成に用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と、
下記一般式[II]で表される化合物
とで構成される
ことを特徴とする光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒によって解決される。
[一般式[I]中、R1,R2,R3は、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。R1とR2とR3とは、全てが同一でも、異なるものでも良い。R4は、H,F,Cl,Br,I、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、O,S又はN(O,S,Nは、水素原子または置換基を有する。)である。XはO,S又はN(Nの場合は置換基を有する。)である。]
MX2
[一般式[II]中、Mはアルカリ土類金属である。Xは陰イオンである。]
上記一般式中、R1は、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。好ましいアルキル基は炭素数が1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基などの炭素数が1〜5のアルキル基が更に好ましい。好ましいアルケニル基は炭素数が2〜10のものである。例えば、ビニル基や1−プロペニル基などの炭素数が2〜5のアルケニル基が更に好ましい。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4〜14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、前記アリール基が置換基としてアルキル基を有する場合である。従って、骨格(置換基を持たないアリール基)部分の炭素数が4〜14のアリール基であって、これに置換基として炭素数が1〜10のアルキル基を持つものは好ましいものとして挙げることが出来る。例えば、ベンジル基やアルキルナフチル基を好ましいものとして挙げることが出来る。尚、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基が置換基を持つ場合、置換基としては炭素数が1〜10のアルキル基などの炭化水素基の他に、例えばハロゲン(F,Cl,Br,I)やアルコキシ基(炭素数1〜10)が挙げられる。
上記一般式中、R2,R3は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。好ましいアルキル基は炭素数が1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基などの炭素数が1〜5のアルキル基が更に好ましい。中でもi−プロピル基は特に好ましい。好ましいアルケニル基は炭素数が2〜10のものである。例えば、ビニル基や1−プロペニル基などの炭素数が2〜5のアルケニル基が更に好ましい。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4〜14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、前記アリール基が置換基としてアルキル基を有する場合である。従って、骨格(置換基を持たないアリール基)部分の炭素数が4〜14のアリール基であって、これに置換基として炭素数が1〜10のアルキル基を持つものは好ましいものとして挙げることが出来る。例えば、ベンジル基やアルキルナフチル基を好ましいものとして挙げることが出来る。尚、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基が置換基を持つ場合、置換基としては炭素数が1〜10のアルキル基などの炭化水素基の他に、例えばハロゲン(F,Cl,Br,I)やアルコキシ基(炭素数1〜10)が挙げられる。R2とR3とは、全てが同一でも、異なるものでも良い。
2Mの水酸化ナトリウム水溶液40mLに、30mmolのマロン酸エステルを加えた。そして、激しく攪拌しながら、2時間加熱環流した。反応混合物をヘキサンで2回洗浄し、水相を濃塩酸を用いて酸性(pH1)にした。水相より酢酸エチルで二度抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過、濃縮後、ジカルボン酸を得た。この生成物はこれ以上の精製操作をしないで次の反応に用いられた。
General Procedure 1で得られたジカルボン酸(30mmol)の酢酸エチル溶液(40mL)に、0℃で、ジエチルアミン(2.216mL;30.3mmol)とパラホルムアルデヒド(1.351g:ホルムアルデヒド45mmol相当)とを加えた。そして、2時間加熱環流した。この後、20mLの水を加えた。更に、濃塩酸を用いて、0℃で、酸性(pH1)にした。分液後、水相から酢酸エチルで2度抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過、濃縮後、α,β−不飽和カルボン酸を得た。この生成物はこれ以上の精製操作をしないで次の反応に用いられた。
General Procedure 2で得られたα,β−不飽和カルボン酸(30mmol)の無水塩化メチレン溶液(120mL)に、0℃で、オギザリルクロリド(6.35mL;75mmol)と数滴のDMFとを加えた。反応液を室温に自然昇温し、3時間攪拌した。この後、全ての揮発性物質を減圧下留去した。残渣を無水THF(50mL)に溶解し、対応する酸塩化物のTHF溶液を得た。
Claims (13)
- 下記一般式[III]で表されるα,β−不飽和カルボニル化合物と、
ジカルボン酸エステル及びジカルボン酸の群の中から選ばれるエノラート生成化合物とを、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物から構成される化合物の存在下で反応させる
ことを特徴とする光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法。
一般式[I]
[一般式[I]中、R1,R2,R3は、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。R1とR2とR3とは、全てが同一でも、異なるものでも良い。R4は、H,F,Cl,Br,I、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、O,S又はN(O,S,Nは、水素原子または置換基を有する。)である。XはOである。]
一般式[II]
MX2
[一般式[II]中、MはCa,Sr又はBaである。Xは陰イオンである。]
一般式[III]
[一般式[III]中、R 8 ,R 9 ,R 10 は、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。R 11 は、炭化水素基(置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。] - エノラート生成化合物がマロン酸エステル又はマロン酸である
ことを特徴とする請求項1の光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法。 - 一般式[I]で表される化合物と一般式[II]で表される化合物から構成される化合物が錯体である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法。 - 一般式[I]で表される化合物が光学活性三座配位子である
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法。 - 一般式[II]のXがClO4,BF4,PF6,NO3,F,Cl,Br,I,SO4R,OCOR,OR,NR2又はN(SiR3)2(R=炭化水素基)である
ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法。 - 光学活性ジカルボン酸誘導体が光学活性2−アルキルペンタンジカルボン酸誘導体である
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法。 - 請求項1〜請求項6いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体の合成方法における工程と、
前記工程で得られた光学活性ジカルボン酸誘導体に加水分解を施して光学活性ジカルボン酸を製造する
ことを特徴とする光学活性ジカルボン酸の製造方法。 - 下記一般式[III]で表されるα,β−不飽和カルボニル化合物と、ジカルボン酸エステル及びジカルボン酸の群の中から選ばれるエノラート生成化合物とを反応させて光学活性ジカルボン酸誘導体の合成に用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と、
下記一般式[II]で表される化合物
とで構成される
ことを特徴とする光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒。
一般式[I]
[一般式[I]中、R1,R2,R3は、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。R1とR2とR3とは、全てが同一でも、異なるものでも良い。R4は、H,F,Cl,Br,I、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、O,S又はN(O,S,Nは、水素原子または置換基を有する。)である。XはOである。]
一般式[II]
MX2
[一般式[II]中、MはCa,Sr又はBaである。Xは陰イオンである。]
一般式[III]
[一般式[III]中、R 8 ,R 9 ,R 10 は、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。R 11 は、炭化水素基(置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。] - エノラート生成化合物がマロン酸エステル又はマロン酸である
ことを特徴とする請求項8の光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒。 - 一般式[I]で表される化合物と一般式[II]で表される化合物から構成される化合物が錯体である
ことを特徴とする請求項8又は請求項9の光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒。 - 一般式[I]で表される化合物が光学活性三座配位子である
ことを特徴とする請求項8〜請求項10いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒。 - 一般式[II]のXがClO4,BF4,PF6,NO3,F,Cl,Br,I,SO4R,OCOR,OR,NR2又はN(SiR3)2(R=炭化水素基)である
ことを特徴とする請求項8〜請求項11いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒。 - 光学活性ジカルボン酸誘導体が光学活性2−アルキルペンタンジカルボン酸誘導体である
ことを特徴とする請求項8〜請求項12いずれかの光学活性ジカルボン酸誘導体合成用触媒。
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