JP5329439B2 - サマプリンaの新規の誘導体、その合成方法、及び癌の予防又は治療のためのそれらの使用 - Google Patents

サマプリンaの新規の誘導体、その合成方法、及び癌の予防又は治療のためのそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、サマプリンA(psammaplin A)の新規の誘導体、その合成方法、並びに癌又は腫瘍の予防及び/又は治療のためのそれらの使用に関する。
Figure 0005329439
サマプリンA(1)は、非同定海綿動物(非特許文献1)、トレクトサムマ・キサナ(Thorectopsamma xana)(非特許文献2)及びサマプリシラ(Psammaplysilla)種(非特許文献3)から、1987年に初めて単離された対称性ブロモチロシン由来ジスルフィド二量体である。早期の研究は、サマプリンAが一般的抗菌及び抗腫瘍特性を有する、ということを明示した。1999年に、サマプリンAが黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(SA)及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の両方に対して有意のin vitro抗菌活性を示すことが判明したが、これは、DNAギラーゼの阻害を介したサマプリンAによる誘導細菌DNA合成停止の結果であると推測された(非特許文献4)。付加的には、サマプリンAは、多数の酵素、例えばトポイソメラーゼII(トポII)(非特許文献5)、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ及びロイシン・アミノペプチダーゼ(非特許文献6)、並びに近年報告されたようなキチナーゼ(非特許文献7)の或る種の阻害を示すことが報告されている。これらの酵素の中で、トポII(真核生物DNA複製のために必要とされる)及び細菌DNAギラーゼは、DNAトポロジーの再構築に関与する酵素のトポイソメラーゼ・ファミリーに属する。サマプリンAは、ヒト肺(A549)、卵巣(SKOV−3)、皮膚(SK−MEL−2)、CNS(XF498)及び結腸(HCT15)癌細胞株に対して有意の細胞傷害性を示す、ということが近年報告された(非特許文献8)。サマプリンAの細胞傷害性は基本的細胞過程すなわちDNA複製に及ぼす阻害作用に関連する場合があり、そしてサマプリンAの主要標的分子のうちの1つはポルα−プリマーゼであり得る、ということを他の研究は示唆している(非特許文献9)。近年、1は、APNの強力な阻害剤(腫瘍侵襲及び血管新生に必要とされるメタロプロテイナーゼ)として見出されている(非特許文献10)。
サマプリンA(1)に起因すると考えられる報告された生物活性の中で、最も重要なものは、おそらくは、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)として知られているヒストンを脱アセチル化する酵素を阻害するその能力(IC50 4.2 nM、in vitro無細胞酵素アッセイ)である(非特許文献11)。いくつかのHDAC阻害剤は、癌のための潜在的分子標的化学療法薬として臨床試験が進行中である(非特許文献12)。1はin vitro及びin vivoの両方で腫瘍増殖を阻害したが、しかしその不十分な生理学的安定性が薬剤としてのその開発を妨げた。生理学的条件下での1の不安定性(又は貧細胞膜透過性)は、細胞ベースのアッセイにおけるHDACの阻害が、酵素ベースのアッセイにおいてHDACを阻害するのに要する濃度の1800倍以上である1の濃度を必要とする理由を説明し得る。
強力な且つ選択的HDAC阻害剤を開発する過程中、ヘテロ芳香族酸由来のアミド部分はHDAC阻害剤の有用な末端残基として役立ち得る、ということが実証された。一連の複素環式アミドヒドロキサム酸の合成は、高効力のインドール−アミド、特に2−置換インドール−カルボキサミド、例えばHDACisを実証した(非特許文献13)。
Arabshahi, L.; Schmitz, F.J. J. Org. Chem. 1987, 52, 3584-3586 Rodriguez, A.D. et al., Tetrahedron Lett. 1987, 28, 4989-4992 Quinnoa, E.; Crews, P. Tetrahedron Lett. 1987, 28, 3229-3232 Kim, D. et al., Arch. Pharm. Res. 1999, 22, 25-29 Kim, D. et al., Anticancer Res. 1999, 19, 4085-4090 Shin, J. et al., J. Tetrahedron 2000, 56, 9071-9077 Tabudravu, J.N. et al., Bioorg. Med. Chem 2002, 10, 1123-1128 Park, Y. et al., J Nat. Prod. 2003, 66, 1495-1498 Jiang, Y. et al., BMC Cancer 2004, 4: 70 Shima, J.S. et al., J. Cancer Letters 2004, 203, 163-169 Pina, I.C. et al., J. Org. Chem. 2003, 68, 3866-3873 Remiszewski, S.W. Curr. Med. Chem. 2003, 10, 2393-2402 Dai, Y. et al.; Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 1897-1901
本発明の一目的は、サマプリンAの構造と類似の構造並びに癌性細胞株に対する有意な生物学的活性を有する新規の分子を得ることである。
本発明の一目的は、式(I):
Figure 0005329439
(式中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8から選択される整数であり;
iは、1、2から選択される整数であり;
jは、0、1から選択される整数であり;
ここで、i=2である場合にはj=0であり、そしてi=1である場合にはj=1であり;
Xは、ハロゲン原子であり;
Wは、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−CH=CH−、共有結合から選択されるリンカーであり;
Rは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cカルボキシアルキル基から選択される基であり;
、R、Rは、同一であるか又は異なり、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cハロゲノアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアミノアルキル基、C〜C飽和へテロシクロアルキル基、C〜C12アリール基、C〜C20アラルキル基、C〜C12へテロアリール基から選択され;
は、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基、C〜C12アリール基、C〜C20アラルキル基、C〜C12へテロアリール基から選択され;
は、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜C20アラルキル基から選択される)
に対応する分子、及びその薬学的に許容される塩である。
ハロゲン原子は、Cl、F、Br、Iから選択される原子である。
〜Cアルキル基は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル鎖を意味する。
〜Cハロゲノアルキル基は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子及び少なくとも1つのハロゲン原子を含む直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル鎖を意味する。
〜Cアルコキシ基は、アルキル鎖が1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖又は環状である−O−アルキル基を意味する。
〜Cアミノアルキル基は、アルキル鎖が1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖又は環状である−NH−アルキル基又は−N−ジアルキル基を意味する。
〜C飽和へテロシクロアルキル基は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子及び1又は2個の異種原子、例えばN、O、Sを含む飽和環状鎖、例えばピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフランである。
〜C12アリール基は、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子を含む芳香族基、例えばフェニル又はナフチル基である。
〜C20アラルキル基は、アルキル鎖及び少なくとも1つの芳香族基及び6〜20個の炭素原子を含み、例えばベンジル基又はトリチル基を含む。
〜C12へテロアリール基は、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子及び1又は2個の異種原子、例えばN、O、Sを含む芳香族基、例えばピリジン、フラン、ピリミジンである。
〜Cアシル基は、アルキル鎖が1、2、3、4又は5個の炭素原子を含む−CO−アルキル基である。
好ましくは、以下の条件:
nは、2、3、4、5、6から選択される整数であり;
iは、2であり;
jは、0であり;
Xは、Brであり;
Wは、−CO−NH−であり;
、R、Rは、水素原子であり;
は、Hであり;
は、Hである、
の1つ又はいくつかが満たされる。
好ましい分子は、以下のリスト:
Figure 0005329439
に含まれるものである。
意外にも、式(I)に対応する分子は、癌細胞の細胞周期のうちの少なくとも1つの、より良好には2つの、さらに好ましくは3つの工程を阻害するという特性を有する、ということを本発明者らは発見した。特に、式(I)の分子は、癌細胞と接触する場合、以下の特性のうちの1つ又は複数を有する:
− 細胞周期停止を誘導する、
− アポトーシスを誘導する、
− ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤として作用する、
− DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)の阻害剤として作用する、
− TNF関連アポトーシス誘導性リガンドTRAILの発現を誘導する、
− ヒトSIRT1及びSIRT2の阻害剤として作用する。
式(I)のいくつかの分子は、生物学的により活性な分子の合成のための中間体としても有用である。
薬学的に許容される塩としては、薬学的に許容される無機又は有機の塩基及び酸由来のものが挙げられる。適切な塩としては、製薬業界でよく知られた多数の他の酸の中でも、アルカリ金属、例えばカリウム及びナトリウム、アルカリ土類金属、例えばカルシウム及びマグネシウム由来のものが挙げられる。特に、薬学的に許容される塩の例は、生理学的に許容される陰イオンを生じる酸を用いて形成される有機酸付加塩、例えばトシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩及びα−グリセロリン酸塩である。適切な無機塩、例えば硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩及び炭酸塩も形成され得る。薬学的に許容される塩は、当該技術分野でよく知られた標準手法を用いて得られる。
本発明の一目的は、薬学的に許容される担体中に有効量の式(I)の分子又はその塩を含む薬剤又は薬学的組成物である。
本発明によれば、組成物は、適切な担体、例えば水を含み、そしてそれを必要とする個体への所望の投与経路のために処方される。任意に、化合物は、腫瘍又は癌の治療のために、少なくとも1つの付加的治療薬と組合せて、又はそれと交互に、投与される。
本発明の別の目的は、必要とする個体において腫瘍又は癌を予防するか及び/又は治療する薬剤の製造のための式(I)の分子の使用である。この使用は、肺癌、卵巣癌、中枢神経系(CNS)癌、皮膚癌及び結腸癌、又は白血病から選択される癌の予防及び/又は治療に特に関連する。
本明細書中で用いる場合、癌及び癌性という用語は、典型的には非調節細胞増殖、特に増殖性障害により特性化される、哺乳類における生理学的状態を指すか又は説明する。このような増殖性障害の例としては、とりわけ、癌、例えば癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫及び白血病が挙げられる。このような癌のさらに特定の例としては、乳癌、前立腺癌、結腸癌、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胃腸癌、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌(肝癌)、膀胱癌、結腸直腸癌、子宮体癌、腎臓癌及び甲状腺癌が挙げられる。
本明細書中で用いる場合、腫瘍という用語は、悪性であるか又は良性であるかに拘わらず、新生物性細胞増殖及び増殖、並びに全ての前癌性及び癌性細胞及び組織を指す。注目すべきことに、癌は、固形腫瘍塊により特性化され得る。固形腫瘍塊は、存在する場合、原発性腫瘍塊であり得る。原発性腫瘍塊は、組織の正常細胞の形質転換に起因するその組織中の癌細胞の増殖を指す。
本発明の薬剤の投与の投与量及びリズムは、式(I)の選択分子の生物学的活性、患者の年齢及び体重、癌及び/又は腫瘍の型及び重要性、並びに選択される投与経路に鑑みて、適合される。
本発明の別の目的は、式(I)の分子を合成する方法である。
Hoshino他(Bioorg. Med. Chem. Lett. 1992, 2, 1561-1562)は、4つの工程における3−ブロモチロシンからの1の合成を報告している(スキーム1)。4つの工程全体で23%の収率で、サマプリンA(1)を得た。
Figure 0005329439
スキーム1。試薬及び条件:(i)(CFCO)O、80℃〜120℃、1時間(61%);(ii)70%水性TFA、25℃、12時間(97%);(iii)HONH・HCl、AcONa、EtOH、25℃(57%);(iv)DDC、N−ヒドロキシフタルイミド、EtN、シスタミン、1,4−ジオキサン−MeOH、25℃、12時間(67%)。
Hoshinoのアプローチの本質的特徴は、スキーム2に示されるNicolaou(Nicolaou, K. et al., J. Chem. -Eur. J. 2001, 7, 4280-4295)により報告されたサマプリンA型誘導体への一般的アプローチに実質的に援用されている。4から4つの工程全体で36%の収率で、サマプリン1類似体を得た(Nicholaou, G.M. et al., A. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2002, 12, 2487-2490)。抗菌特性に関してスクリーニングされたサマプリンA類似体の3828成員ライブラリーの、触媒的に誘導されるジスルフィド交換による調製において、Nicolaouのアプローチを利用した(Nicolaou, G.M. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2002, 12, 2487-2490)。
Figure 0005329439
スキーム2。試薬及び条件:(i)KBr−KBrO、HO、23℃、12時間(81%);(ii)TFAA、80℃、12時間;(iii)70%水性TFA、23℃、12時間(60%、2工程);(iv)THP−ONH、EtOH、23℃、12時間;(v)EDC、NHS、1,4−ジオキサン、23℃、2時間;(vi)EtN、シスタミン・HCl、1,4−ジオキサン−MeOH、23℃、2時間;(vii)HCl、CHCl−MeOH、60℃、2時間(7から36%)。
これら全合成は、不十分な全体的収率でサマプリンAを生じた。オキシム基の保護−脱保護工程を回避し、そしてより高い収率で進行する最近のサマプリンAの合成が言及されるべきである(Godert, A.M. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2006, 16, 3330-3333)。本発明の別の目的は、簡単であり、高収率を生じ、そして容易に工業化され得るサマプリンA誘導体の合成方法を見出すことであった。
ここで、本発明者らは、2−置換インドール−カルボキサミド型のサマプリンA誘導体を合成する新規の方法を見出したが、この方法は、迅速、簡単であり、そして高収率を生じる。
W=−CO−NH−である場合、本発明の方法は、スキーム3に示されるような少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする:
Figure 0005329439
スキーム3に示された合成は、対応するブロモ−オキシムからin situで生成された約1当量のニトロソアクリレートCH=C(NO)−COOZ(式中、Zは、C〜Cアルキル、フェニル、アリール基、例えばベンジル基(Gilchrist, T.L.; Roberts T.G. J. Chem. Soc. Perkin Trans I 1983, 1283-1292)から選択される基を表す)を用いたインドール(II)のアルキル化で開始した。上記のブロモ−オキシムは、エチルブロモピルベートとヒドロキシルアミン塩酸塩との反応により、既知のやり方で調製される。好ましくは、反応は、塩基性媒質中で、溶媒中で、周囲温度で実行される。溶媒は、塩素化溶媒、例えばCHCl、CHCl又はClCH−CHCl又はニトロエタン若しくはジオキサンであり得る。用いられる塩基は、金属炭酸塩、金属重炭酸塩又は水素化ナトリウムであり得る。好ましくは、炭酸塩、例えばKCO又はNaCOを用いた。反応の進行はTLC又はHPLCにより追跡され、そして置換基、溶媒及び温度によって、1時間〜数時間継続し得る。有益には、Zはアルキル基(第一級、第三級)から選択されるか、又はベンジル基であり得る。好ましくは、Zはエチルである。
Wが−CO−NH−と異なる場合、当業者は、一般知識を用いることによりこの方法を容易に適合させる。例えばオキシムの保護及び鹸化後、アルコールへの酸のボラン還元はアルデヒドを調製させ、そしてそれらから、ホーナー・ワズワース・エモンス反応により、不飽和類似体(W:CH=CH)を調製させる。
有益には、この第一工程の後、スキーム4に示されるプロセスが続く:
Figure 0005329439
オキシム(III)を、適切な保護基Y(トリチル、ベンジル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、2−テトラヒドロピラニルから選択され得る)を用いたオキシム官能基の保護により、化合物(IV)に転化する。好ましくは、Yはトリチル基である。次に、エステル官能基−COOZを、適切な処理により−COOHに脱保護して、分子(V)を得る。この分子を次に、適切なジアミンHN−(CH−S−S−(CH−NHと反応させて(VI)を生じ、次にオキシム官能基を遊離して、式(I)の分子を得る。
i=j=1である場合、この方法が適合されて、スキーム5に従って式(I)の対応する分子を生じる:
Figure 0005329439
化合物(VI)をアミンHN−(CH−S−Rと反応させ、そしてオキシム官能基を脱保護して、(I)を得る。
細胞癌モデルにおけるサマプリンA誘導体の生物学的作用を調べた:
細胞周期停止及びアポトーシスの誘導
本発明の分子は、U937急性骨髄性白血病細胞株における増殖(図1a)及び/又はアポトーシス(図1b)の阻害を誘導した(図1)。それらは、細胞周期阻害剤p21WAF1/CIP1(G1期に必要であり、そしてG2期停止を持続することが知られている)の発現も増大する(Bunz, F. et al., Science 282, 1497-501 (1998))(図1c)。
サマプリンA及びその2つの誘導体5008及び5010の抗増殖及びアポトーシス誘導作用も、固形癌細胞株、例えば乳癌細胞(ZR75.1)及び前立腺癌細胞(LnCap;データは示されていない;図6も参照)において確認した。
UVI5008は強力なHDAC阻害剤である:
ヒストンH3アセチル化(図1d)及びHDAC阻害(図1e、レーン6、7)を観察した。
UVI5008は腫瘍抑制遺伝子p16INK4a及びRARβ2のプロモーター領域におけるDNAメチル化を阻害する:
UVI5008が付加的活性を有するか否かを試験するために、腫瘍抑制遺伝子のプロモーターのDNAメチル化の考え得る阻害を試験した。メチル化特異的PCR(MSP)を用いて、非メチル化RARβ2の有意の増大を観察した(図2a)。付随的に、非メチル化p16INK4aプロモーターDNAの量は増大した(図2b)。p16INK4aプロモーターの脱メチル化を続けるに際して、p16INK4a遺伝子発現を本発明の分子への曝露により脱サイレント化したが、この発現は、5−デアザシチジンとSAHAの組合せを用いて観察されたものに匹敵した(図2c)。
最後に、in vitroDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)アッセイを用いて、式(I)の分子はDNMT阻害剤である、ということを確認した(図2d)。
UVI5008は腫瘍選択的アポトーシス誘導デスリガンドをコードするTRAIL遺伝子座でのクロマチンのアセチル化状態を変更する:
注目すべきことに、式(I)の分子へのU937骨髄性細胞の曝露は、TRAILプロモーターでのクロマチンの急速な劇的H3K9アセチル化をもたらし、そして最初のイントロンでの遅延動態も伴う(図5a)。この「活性化」クロマチン・マークは、それぞれRT−PCR及びELISAアッセイにより示されるような、mRNA(図5b)及びタンパク質(図5b)レベルの両方での発現増大と相関する。
HDAC活性の構造−活性相関(SAR)試験:
UVI5008の上記HDAC阻害剤活性のSAR試験を開始するために、一連の誘導体を合成した(図7)。体系的に研究された活性読出しは、細胞周期停止及びp21WAF1/CIP1誘導、分化の誘導、並びに標的(この場合はa−チューブリン)のアセチル化であった。
サマプリンA誘導体はAML患者芽細胞におけるアポトーシスを誘導する:
いくつかのサマプリンA誘導体の抗癌能力が興味深いため、ex vivoAML患者芽細胞におけるそれらの活性を試験した。図4に示したように、異なる患者(AML患者#102、#108、#109、#116)の4つの個々のex vivo培養におけるカスパーゼ3活性化アッセイにより測定した場合、式(I)の分子は、芽細胞における細胞周期停止及びアポトーシスを誘導した。試験した誘導体は全て、患者芽細胞の2つの異なる試料においてアポトーシス活性を示した。
a)1μM及び5μMで用いられた指示化合物で30時間処理されたU937細胞の細胞周期分析;b)U937細胞における処理の24時間後の指示化合物のカスパーゼ3アポトーシスアッセイ;c)指示化合物による処理後6時間及び16時間でのチューブリン・アセチル化レベル及びp21発現レベル;総チューブリン発現レベルは均等負荷のために用いられる;d)指示化合物による処理後6時間及び16時間でのヒストンH3アセチル化レベル及びK9 H3メチル化発現レベル;総チューブリン発現レベルは均等負荷のために用いられる;e)指示化合物による処理後6時間及び16時間でのK9、K14、K18 ヒストンH3アセチル化発現レベル;総ERK発現レベルは均等負荷のために用いられる;f)HDAC1酵素アッセイ:IP−HDAC1を指示阻害剤とともに24時間インキュベートする;活性をH−アセチル放出として測定する;g)HDAC4酵素アッセイ:IP−HDAC4を指示阻害剤とともに24時間インキュベートする;活性をH−アセチル放出として測定する。 a)指示化合物による処理の16時間及び24時間後のRARβ遺伝子に関するメチル化特異的PCR;b)指示処理の24時間後のp16遺伝子に関するメチル化特異的PCR。試料は実際の複製物を代表する;c)指示処理の24時間後のU937細胞におけるp16発現レベル;d)1.5μM及び50μMの指示化合物を用いて実行されるDNMT酵素的in vitroアッセイ。 a)指示化合物を用いて24時間後にU937細胞で実行された細胞周期及びアポトーシス分析;値は個々の三重反復実験の中間値である;b)指示化合物を用いてU937細胞で実行されたCD11c発現分析;値は個々の二重反復実験の中間値である;c)指示処理の24時間後のU937細胞におけるチューブリン・アセチル化レベル及びp21発現レベル;総ERK発現レベルは均等負荷のために用いられる;d)(c)に示された条件下でのヒストンH3のアセチル化。 a)番号で識別されるAML患者からのex vivo試料で実行した細胞周期分析及びアポトーシス;b)指示処理の20時間後の#116 AML細胞の細胞周期分析、アポトーシス及びヒストンH3アセチル化レベル。 a)TRAILプロモーター調節領域並びにTRAIL遺伝子第一イントロンに関するヒストンH3アセチル化レベルの分析は、UVI5008による指示時間経過後のU937細胞におけるChip及びqPCRを実行した;「NoAb」は陰性対照を表す;b)UVI5008を用いた指示時間のインキュベーション後のTRAIL mRNA発現;G6PDHレベルは均等負荷のために用いられた;c)UVI5008による処理24時間後のU937細胞におけるELISAアッセイにより測定したTRAILタンパク質発現レベル。 HDAC阻害剤に対するA375、DU145、HCT116及びMaTu細胞株の感受性。SAHA、MS275又はUVI5008(0.1μM、0.3μM、1μM、3μM、10μM)の存在下で、細胞をインキュベートした。(a)MTT試験を用いて48時間後に、細胞増殖を測定した。結果は、対照と比較した場合の生存パーセンテージとして示され、そして三重反復測定の平均±SDを表す。(a)48時間培養でのアポトーシス細胞のパーセンテージをAPO2.7染色により決定した。結果は、三重反復測定の平均±SDを表す。 試験した分子の一覧である。 SAHA、MS−275及びUVI5008を用いたA−375細胞株の用量応答曲線、IC50値の計算を示す図である。 SAHA、MS−275及びUVI5008を用いたHCT−116細胞株の用量応答曲線、IC50値の計算を示す図である。 SAHA、MS−275及びUVI5008を用いたDU−145細胞株の用量応答曲線、IC50値の計算を示す図である。 HCT−116異種移植片の正規化動物体重プロファイルを示す図である。 HCT−116異種移植片の正規化腫瘍重量プロファイルを示す図である。 YQKSTELLIRのMS/MS断片化を示す図である。 H3K56acのMS同定を示す図である。 選択数のヒストン修飾のSILACプロテオミック分析を示す図である。 H3のアセチル化K56を特異的に認識する抗体を用いたA及びBウエスタンブロット分析を示す図である。 対照、スラミンナトリウム、サーチュイン阻害剤、及びSIRT1活性剤であるレスベラトロールによる、並びに50μM及び5μMの濃度でのUVI5008によるSIRT1及びSIRT2活性の%を示す図である。 エトポシド単独で又はサーチュイン(既知のSIRT2阻害剤)の存在下での、並びに50μM及び5μMの濃度でのUVI5008で処理されたMCF7細胞のウエスタンブロットを示す図である。
合成
合成(スキーム6)は、エチルブロモピルベート24とヒドロキシルアミン塩酸塩との反応により調製されたブロモ−オキシム23からin situで生成されたニトロソアクリレート22(Gilchrist, T.L.; Roberts T.G. J. Chem. Soc. Perkin Trans I 1983, 1283-1292)を用いたインドール21のアルキル化で開始した。アルキル化は、C3位置での2連続アタック(attacks)に起因するシクロ付加物26も生じた。それらを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt/ヘキサン 40:60)により分離した。したがって、反応は、3−置換インドールのアルキル化の一方法としての可能性を有する。反応生成物25の収率は、最適化後、67%に増大された(表参照)。
Figure 0005329439
スキーム6 試薬及び条件:(i)24、CHCl、NHOH・HCl、MeOH:HO(1:1)、22時間、25℃(86%)。(ii)KCO、CHCl、25℃、20時間(表1参照)。
Figure 0005329439
化合物25a及び26aの構造を、X線結晶構造解析により確認した。
次に、塩化トリチルとの反応により化合物25a及び25bを保護化オキシム26(スキーム6)に転化し、加水分解し、そしてN−スクシニミジルエステルとして活性化によりシスタミンとカップリングした(Nicolaou, K. C. et al., Chem. -Eur. J. 2001, 7, 4280-4295)。次にトリチル保護基の切断は、25から4つの工程全体で43%及び50%の収率で29a及び29bを得た。
Figure 0005329439
スキーム7 試薬及び条件:(i)KCO、CHCl、TrCl、25℃、20時間(97%、26a;74%、26b)。(ii)LiOH・HO、THF:HO(1:1)、25℃、20時間(90%、27a;99%、27b)。(iii)i.EDC、NHS、ジオキサン、25℃、2時間。ii.シスタミン、EtN、MeOH、ジオキサン、25℃、15時間(64%、28a;84%、28b)。(iv)EtO、CHCl中2M HCl、25℃、2時間(78%、29a;81%、29b)。
嵩高い基による保護は、X線構造により確認されるようにオキシム27の幾何学的配列(geometry)Eを変えなかった。
ジアミンのシリーズとのカップリングにより同様のやり方で、異なる鎖長を有する類似体を合成した(スキーム8)。
Figure 0005329439
スキーム8 試薬及び条件:(i)i.EDC、NHS、ジオキサン、25℃、2時間。ii.13、EtN、MeOH、ジオキサン、25℃、15時間。(iv)EtO、CHCl中2M HCl、25℃、2時間。各工程に関する収率を、以下の表2にまとめる:
Figure 0005329439
この方法を、ブロモインドール異性体の全シリーズの調製のためにも利用した。Leimgruber-Batcho法(Moyer, M.P. et al., H.J. Org. Chem. 1986, 56, 5106-5110)の適用により、又はBartoli手法(Nicolaou, K.C. et al., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 12888-12896)により、これらのブロモインドールを合成した。上記の同一工程後、ブロモインドール位置異性体周囲に構築されたサマプリン類似体のシリーズを得た(スキーム9)。
Figure 0005329439
スキーム9 試薬及び条件:(i)23、KCO、CHCl、25℃、20時間(65%、33a;43%、33b、41%、33c)。(ii)KCO、CHCl、TrCl、25℃、20時間(74%、34a;51%、34b、41%、34c)。(iii)LiOH・HO、THF:HO(1:1)、25℃、20時間(82%、35a;97%、35b;91%、35c)。(iv)i.EDC、NHS、ジオキサン、25℃、2時間。ii.シスタミン、EtN、MeOH、ジオキサン、25℃、15時間(67%、36a;77%、36b、50%、36c)。(v)EtO、CHCl中2M HCl、25℃、2時間(81%、37a;54%、37b;60%、37c)。
同様に、酸28bをアミン38及び41とカップリングすることにより、他の化合物を合成した(スキーム10)。39におけるトリチル基の切断のためにはTFAを用いることが必要であった(Glinka, T. et al., Bioorg. Med. Chem. 2003, 11, 591-600)。
Figure 0005329439
スキーム10 試薬及び条件:(i)i.EDC、NHS、ジオキサン、25℃、2時間。ii.38又は41、EtN、MeOH、ジオキサン、25℃、15時間(74%、39;63%、42)。(ii)TFA、CHCl、0℃〜25℃、1時間(50%)。(iii)THF:HCOH:HO(7:2:1)、19時間、25℃(99%)。(iv)EtO、CHCl中2M HCl、25℃、2時間(59%)。
合成された他の化合物は、ベンジル保護化オキシム(Rutger, R.P. et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans I 1987, 2473-2480)(スキーム11)、並びにNaBHを用いたジスルフィドの還元及びMeIを用いたメチル化によるメチルスルフィド(スキーム12)(Rutger, R.P. et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans I 1987, 2473-2480)であった。
Figure 0005329439
スキーム11 試薬及び条件:(i)BnBr、KOBu、DME、12時間、25℃(72%)。(ii)LiOH・HO、THF:HO(1:1)、25℃、20時間(99%)。(iv)i.EDC、NHS、ジオキサン、25℃、2時間。ii.シスタミン、EtN、MeOH、ジオキサン、25℃、15時間(80%)。
Figure 0005329439
スキーム12 試薬及び条件:(i)i.NaBH、NaOH、EtOH、25℃、0.5時間。ii.MeI、25℃、16時間、25℃(80%)。
生物学的活性
A−方法:
細胞培養:
10%FBS(ウシ胎仔血清;Hyclone)及び抗生物質(100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン及び250ng/mLアンフォテリシン−B)を補足したRPMI培地中で、ヒト白血病細胞株U937を増殖させた。培地1ミリリットル当たり200000細胞の一定濃度で、細胞を保持した。AML試料に関して、80%〜90%白血病芽細胞を含有する骨髄を、Ficoll上で精製した。ナポリ第二大学の倫理委員会により、この試験は承認された。
リガンド及び材料:
SAHA(Alexis)をDMSO中に溶解し、5×10−6Mで用いた。MS−275(Schering AG)をエタノール中に溶解し、5×10−6Mで用いた;バルプロ酸(VPA;Sigma)を1mMで用いた。記載した他の化合物すべてをDMSO(Sigma-Aldrich)中に溶解し、1μM又は5μMで用いた。
細胞周期分析:
2.5×10細胞を収集し、500μLの低張緩衝液(0.1%トリトンX−100、0.1%クエン酸ナトリウム、50μg/mLヨウ化プロピジウム、RNアーゼA)中に再懸濁した。細胞を、暗所で30分間インキュベートした。Cell Questソフトウェア(Becton Dickinson)を用いてFACS−Caliburフローサイトメーター上で試料を得て、そしてCell Questソフトウェア(Becton Dickinson)及びModFit LTバージョン3ソフトウェア(Verity)を用いて標準手法で分析した。実験は全て、3回実施した。
アポトーシスのFACS分析:
供給元により示されたようにカスパーゼ3活性検出(B-Bridge)を用いてアポトーシスを測定し、FACS(Becton Dickinson)により定量した。
顆粒球分化:
顆粒球分化を、以下のように実行した。要するに、U937細胞を採取し、10μLのフィコエリトリン複合体化CD11c(CD11c−PE)中に再懸濁した。対照試料を10μLのPE複合体化マウスIgG1とともにインキュベートし、暗所で4℃で30分間インキュベートして、PBS中で洗浄し、ヨウ化プロピジウム(0.25μg/mL)を含有するPBS 500μL中に再懸濁した。Cell Quest技法(Becton Dickinson)を用いてFACSにより、試料を分析した。ヨウ化プロピジウム(PI)陽性細胞は、分析から除外されている。
ウエスタンブロット分析:
抗体供給元の示唆に従って、標準手法によりウエスタンブロット分析を実施した。p21WAF1/CIP1及びp16INK4の測定のために、100μgの総タンパク質抽出物を15%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、ブロッティングした。ウエスタンブロットをp21(Transduction Laboratories、1:500希釈)、p16(Santa Cruz)に関して示し、そして総ERK(Santa Cruz)を用いて均等負荷に関して正規化した。α−チューブリン・アセチル化のために、25μgの総タンパク質抽出物を10%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、ブロットした。ウエスタンブロットをアセチル化α−チューブリン(Sigma、1:500希釈)に関して示し、そして総ERK(Santa Cruz)又は総チューブリン(Sigma)を用いて均等負荷に関して正規化した。
ゲノムDNAの単離:
細胞を150μlのTE(トリス 10mM−EDTA 1mM)中に再懸濁した。1.5mLの溶解緩衝液(10mM トリス pH8.0−0.1mM EDTA,pH8.0−0.5%SDS−20μg/ml RNアーゼ DNアーゼ無含有)を添加し、37℃で1時間のインキュベーション時間後、最終濃度100μg/mlでプロテイナーゼKを用いた56℃での二次インキュベーションを一晩に亘って実施した。フェノール−クロロホルム抽出により、タンパク質を除去した。次にゲノムDNAを0.2容積の10M酢酸アンモニウム及び2容積のエタノールを用いて沈殿させて、13000rpmで5分間遠心分離した。DNAペレットを70%エタノールで洗浄し、空気乾燥させ、そして揺れ台上で4℃でヌクレアーゼ無含有水中に再懸濁した。濃度を260nmで測定した。
ゲノムDNAの消化:
40μgのゲノムDNAを、37℃で一晩、50UのEcoRV及びPvuII(RARβ2プロモーターにおいて切断しない)で消化した。タンパク質をフェノール−クロロホルム抽出により取り出し、そしてDNAを沈殿させて、40μlの濾過水を用いて再懸濁した。
ゲノムDNAのin vitroメチル化
20μgの消化DNAを、37℃で2時間の間、最終濃度3.2mMのSAMの存在下で、8UのSss1メチラーゼ(New England Biolabs)でメチル化した。フェノール−クロロホルム抽出後、DNAを沈殿させ、そして20μlの濾過水を用いて再懸濁した。
RARβメチル化に関するビスルファイト処理及びPCR:
20μgのゲノムDNA(又はin vitroメチル化DNA)を5.5μlの3M NaOHと混合し、濾過水を用いて容積を55.5μlに調整した。42℃で15分間のインキュベーション後、0.05Mヒドロキノンを含有する3M重亜硫酸ナトリウム 500μlを添加した。混合物を、54℃で16時間インキュベートした。修飾DNAをNucleospin抽出物精製キットで精製し、50μlの濾過水中に溶離した。溶離液を、室温で15分間、3MのNaOH 5.5μlを用いて脱スルホン化した。16.8μlの10M酢酸アンモニウム、1μlのグリコブルー及び200μlのエタノールを、DNA沈殿のために添加した。DNAを遠心分離後に回収し、洗浄し、空気乾燥させ、50μlの濾過水を用いて再懸濁した。PCRを、以下のように実施した:94℃での変性のために5分;35サイクル;94℃での変性、1分、メチル化プライマーに関して57.5℃及び非メチル化プライマーに関して52℃でのアニーリング1分間、72℃での伸長1分間、72℃でのさらなる伸長5分間。PCR生成物(10μl+5μlの負荷染料)を、1.5%アガロースゲル上で分析した。RARβ2メチル化プライマーS:5’TCG AGA ACG CGA GCG ATT CG;AS:5’GAC CAA TCC AAC CGA AAC GA;RARβ2非メチル化プライマーS:5’TTG AGA ATG TGA GTG ATT TG;AS:5’AAC CAA TCC AAC CAA AAC AA。
p16メチル化に関するビスルファイト処理及びPCR:
DNA抽出を、下記のように実施した。p16メチル化の確定のためのビスルファイト処理及びPCRを、供給元(Chemicon)から説明されたように実施した。
MTT細胞傷害性アッセイ:
HCT−116、A−375及びDU−145細胞を、8000細胞/ウエルで96ウエル透明細胞培養等級プレート(Corning)で平板培養した。細胞が底に付着するよう、プレートを湿潤CO(5%)インキュベーター中に一晩保持した。翌朝、化合物(SAHA、MS−275及びUVI5008)を、100nM、300nM、1000nM、3000nM及び10000nMの濃度で添加し、そしてプレートを48時間、再び5%COインキュベーター中に保持した。完全48時間処理後、化合物を含有する培地を各ウエルから取り出した。0.5mg/mLのMTT(Sigma)を培地中に溶解し、各ウエルに添加して、プレートを2時間インキュベートした。成育可能細胞は、MTTテトラゾリウム環を暗青色ホルマザン反応生成物に開裂するが、一方、死細胞は無色のままである。MTT含有培地を静かに取り出し、DMSOを各培地中に添加した。振盪後、プレートを540nmの吸光度で読み取った。結果は全て、3つのウエルの平均として表わされる。細胞傷害性%を各化合物について測定し、そのIC50値に換算して表した。
抗APO2.7モノクローナル抗体による蛍光活性化細胞選別機(FACS)分析:
アポトーシスを受けている細胞中の38kDaミトコンドリア膜タンパク質と優先的に反応するAPO2.7(7A6)発現により、TCアポトーシスの誘導を分析し、そして細胞成育可能性及びアポトーシス性応答を追跡することにより、確立した(Koester, S.K. et al., Cytometry 29, 306-12, 1997;Zhang, C., Ao, Z., Seth, A. & Schlossman, S.F., J Immunol 157, 3980-7, 1996)。A375、DU145、HCT116及びMaTu細胞株を、SAHA(1μM、3μM、10μM)、MS275(1μM、3μM、10μM)又はUVI5008(1μM、3μM、10μM)とともに48時間インキュベートした。トリプシン処理後、処理をした又は処理をしない細胞をPBS中で1回洗浄した。次に、2.5%FCS及び100μg/mlジギトニンを含有するPBSとともに細胞を4℃でインキュベートした。洗浄後、マウス抗ヒトAPO2.7フィコエリトリン複合体化mAb(Beckman Coulter)とともに、細胞をインキュベートした。細胞を洗浄し、PBS/2.5%FCS中に再懸濁し、そしてFACSort(Becton Dickinson)により分析した。CellQuestソフトウェア(Becton Dickinson Immunocytometry Systems)を用いて、APO2.7発現に関して標識細胞を分析した。
UVI5008のin vivo抗腫瘍活性:
免疫不全マウスにHCT−116結腸癌細胞を異種移植することにより、in vivoでのこの化合物の抗腫瘍活性を検査した。
材料及び方法:
SAHA(汎HDAC阻害剤)はMerckから贈与されたものであり、MS−275(クラスI HDAC阻害剤)はScheringから贈与されたものであり、そしてUVI5008は上記に開示されたように合成した。in vivo試験におけるマウスは全て、無胸腺雌ヌードCrl:Nu(Ico)−Foxnlnuマウス(swiss)(Charles Riverから購入)であった。
用量の調製:
化合物全てを、8%DMSO+2.5%トゥイーン80+89.5%油中に溶解した。これら3つの用量と一緒に、ビヒクル対照も取り上げた。
実験計画:
4×10個のHCT−116結腸癌細胞を、各動物の左脇腹に皮下注射した。腫瘍が4mmのサイズに増殖したら、各群が処理前にほぼ同サイズの腫瘍を有する動物を含有するよう、動物をそれぞれ4つの群に無作為化した。薬剤を、腹腔内経路により投与した。30mg/マウス1kgの用量でのSAHAはマウスにとって耐容可能でなく、60%の死亡率が観察される、ということを早期試験は明示した。したがって用量を20mg/kgに低減することにより、比較試験を実行した。30mg/kgでのUVI5008は良好に耐容され、早期試験において死亡は観察されなかった;したがって用量を40mg/kgに増大した。そしてMS−275はSAHAと同様の20mg/kgの用量で投与した。2日毎に処置を施した。各群の動物は10匹であった。Vernier Calliper測定を用いて、腫瘍サイズを測定した。式:TV=(a2×b)/2(式中、aは腫瘍の幅を表し、bは腫瘍の長さを表す)を用いることにより、腫瘍容積を決定した。
ヒトSIRT1及びSIRT2に及ぼすUVI5008の活性:
ヒト組換えSIRT1及びSIRT2を用いて、SIRT活性アッセイを実施した。それぞれSIRT1(1 U/ウエル)又はSIRT2(5 U/ウエル)を、NAD及び種々の濃度の試験化合物(サーチュイン活性化剤又は阻害剤)の存在下で、SIRT1/2基質(p53アセチル化ペプチドに対応する)とともにインキュベート(37℃で1時間)した。活性を、蛍光強度として測定した。内部対照として、スラミンナトリウム(サーチュイン阻害剤)及びレスベラトロール(SIRT1活性化剤)が含まれた。360nmに設定された励起及び460nmに設定された発光検出での蛍光読取機(Inphinite 200 TECAN)で、蛍光を測定した。
p53アセチル化に及ぼすUVI5008の活性:
MCF7細胞(ヒト乳癌細胞)を標準手法に従って増殖させ、そして25μMのエトポシドの存在下で指示化合物で6時間処理した。総タンパク質抽出物をSDSゲル上にかけ、ブロッティングした。標準手法に従って、抗p53 ac382(Abcam)を用いることにより、ウエスタンブロットを実行した。ERK(Santa Cruz)を均等負荷対照のために用いた。
UVI5008による細胞の処理時のヒストンタンパク質に関する翻訳後修飾の試験:
リシン及びアルギニン(「軽」)又は同位体バージョンArg10及びLys8(「重」)の存在下で、RPMI培地中で、U937細胞を増殖させた。軽培地中で増殖させた細胞を、5μMの最終濃度で、UVI5008又はSAHAで24時間処理した。対照として、重培地中で増殖させた細胞をDMSOで24時間処理した。軽細胞及び重細胞は7.5×10細胞収穫物であり、1:1比(総数15×10細胞)で混合した。細胞をPBSで2回洗浄し、細胞ペレットを−80℃で保存した。
ヒストン抽出
細胞を、750μlのトリトン抽出緩衝液(TEB:0.5%トリトンX100(v/v)、2mMフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)及び0.02%(w/v)NaNを含有するPBS)中に再懸濁し、静かに撹拌しながら10分間、氷上で溶解させた。溶解物を6000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨てた。ペレットを375μlのTEBで洗浄し、前と同じように遠心分離によりペレット化した。ペレットを20μlの250mM HCl中に再懸濁し、ヒストンの酸抽出を4℃でo/nで実施した。
質量分光分析
抽出ヒストンを遠心分離により清澄化して、15%アクリルアミドゲル上で分離し、ゲルをクーマシーで染色した。ヒストンを含有するゲル領域を薄片にして、ゲル中で還元し、アルキル化した。タンパク質を、トリプシン(Promega)でo/nで消化した。トリフルオロ酢酸を用いて、ゲルからペプチドを溶離した。7−Tesla直鎖四重極イオントラップ型フーリエ変換(FT)質量分光計(Thermo Electron, Bremen, Germany)とオンライン接続されたナノ高圧液体クロマトグラフィーAligent 1100ナノフロー・システムを用いて、全体で20μlからの8μlをシーケンシングした。30分勾配を適用し、それにより緩衝液Bが30μl/分の流量で3%から40%に増大することにより、C18カラムからペプチドを溶離した。Mascotアルゴリズムを用いて、ペプチド/タンパク質を同定した。
Mascot検索判定基準:
MS/MSイオン検索
酵素: トリプシン
固定修飾: カルバミドメチル(C)
可変修飾: アセチル(K)、Arg重6C13 4N154 (R)、ジメチル化(K)、ジメチル化(R)、GlyGly(ユビキチン化)(K)、Lys+8 6C13 2N15(K)、メチル(K)、メチル(R)、酸化(M)
質量値: モノアイソトピック
タンパク質質量: 非制限的
ペプチド質量許容誤差:±10ppm
断片質量許容誤差: ±0.8Da
最大切れ残り(Max Missed Cleavages): 3
計器型: ESI−TRAP
U937細胞をUVI50098で24時間処理し、ヒストンを酸抽出した。タンパク質をトリプシンで消化し、そしてFT−ICR質量分光計とともに、ナノLC(オンライン)を用いてペプチドを分析した。その親イオン質量に基づいて、並びにMascotを用いた断片化パターンに基づいて、ペプチドを同定した。b−又はy−イオンの質量を、表に列挙する(図10b)。太字で示された質量は、YQKSTELLIPペプチドの予測断片に高質量精度で適合する。
ウエスタンブロット分析:
アセチル化されたK56を特異的に認識する抗体を用いて、分析を実施した。A)溶媒DMSO(レーン1及び2)で、又はUVI5008(レーン3及び4)で24時間処理されたU937細胞(図12Aのレーン1及び3)及びU20S細胞(図12Aのレーン2及び4)から抽出された等量のヒストンを、SDSゲル上に載せた。矢じりは、ヒストンH3の位置を示す。 B)5分間、30分間、又は1時間、2時間、3時間若しくは4時間の溶媒(図12B上の−)による又はUVI5008(図12B上の+)によるU937の処理。同一ブロットを、ヒストンH3コア抗体を用いて展開し、ストリップ化し、H3K56アセチル化特異的抗体で再プローブした。
B−結果:
MTT細胞傷害性アッセイ:
細胞傷害性%は、下記の表3ではIC50値に換算して表される。
Figure 0005329439
細胞周期停止及びアポトーシスの誘導:
サマプリンA(UVI5000)及びその誘導体(UVI5004、UVI5008、UVI5010)(図7)は、U937急性骨髄性白血病細胞株(図1)における増殖(図1a)及び/又はアポトーシス(図1b)の阻害を誘導した。これらの化合物は、G1における遮断(UVI5010、1μMで)からS及びG2期における停止(UVI5000、UVI5004、UVI5008)までの範囲である細胞周期停止を誘導した。注目すべきことに、1μMでG1において遮断し、そして5μMでG2−Mにおいて細胞を停止するUVI5010のようないくつかの化合物に関する細胞周期内の遮断の位置に特徴的用量依存性スイッチが存在する(図1a)。UVI5008は、それが1μMですでにG2−Mにおける細胞を停止するという点で際立っている。これらのデータは、これらのUVI化合物が別個の効能を有する細胞周期のいくつかのチェックポイントに影響を及ぼす、ということを示唆する。細胞周期作用と一致して、G1を必要とされ、G2停止を持続することが知られている細胞周期阻害剤p21WAF1/CIP1の発現(Bunz, F. et al., Science 282, 1497-501 (1998))は、UVI5000、UVI5008及びUVI5010に関して示されるように、劇的に増大される(図1c)。
細胞周期進行に影響を及ぼすほかに、UVI化合物は、非常に異なる程度とはいえ、アポトーシスを誘導する。興味深いことに、G2−M停止に及ぼす最も顕著な作用を有する化合物は、最も強力なアポトーシス誘導作用も発揮する(図1bにおけるUVI5000、UVI5008、UVI5010)。
サマプリンA及びその2つの誘導体5008及び5010の抗増殖及びアポトーシス誘導作用を、固形癌細胞株、例えば乳癌細胞(ZR75.1)及び前立腺癌細胞(LnCap;データは示されていない;図6も参照)でも確認した。
UVI5008は強力なHDAC阻害剤である:
サマプリンA(UVI5000)は、弱いヒストンデアセチラーゼ阻害剤として知られており、そしてUVI5000へのU937細胞の曝露は、ヒストンH3アセチル化の中等度の時間依存性増大をもたらした(図1d、レーン2、3)。この活性は、UVI5008で劇的に増強される(図1d、レーン4、5)が、一方、UVI5010は全体的H3アセチル化に有意の影響を及ぼさない(図1d、レーン6、7)。H3K9、H3K14及びH3K18アセチル化はUVI5008(図1e、レーン4、5)の存在下で、そしてより少ない程度に親化合物UVI5000(図1e、レーン2、3)により、全て増大されるので、特定のヒストンアセチル化は、全体的H3アセチル化と同様に影響を及ぼされる。興味深いことに、UVI5010が全体的ヒストンH3アセチル化に測定可能的に影響を及ぼさない場合でさえ、この化合物はH3K18アセチル化を、そしてより少ない程度にH3K14アセチル化を増強する(図1e、レーン6、7)ので、それはHDAC阻害剤として作用する。
H3K9のメチル化は、一般的にプロモーターでの「転写活性化的」修飾と考えられるアセチル化と反比例して相関し、一方、メチル化は「サイレンシング」修飾である。これと一致して、H3K9のメチル化は、UVI5008への曝露により低減された(図1d、中パネル;レーン1とレーン4及び5を比較)。
UVI5008及びその親化合物UVI5000は、同様にin vitroアッセイにおいてHDAC阻害剤活性を示した。実際、UVI5000はHDAC1の弱い阻害剤に過ぎないが、しかしUVI5008は、ほぼ定量的に、そして最も注目すべきことに、第II相臨床試験に今は入りつつある確立されたクラスI選択的HDAC阻害剤MS275(図1f)より効率的に、HDAC1活性を遮断する。さらにまた、クラスII HDACの一成員であるHDAC4のデアセチラーゼ活性はUVI5008によりほぼ完全に遮断されるが、一方、UVI5000は中等度の活性を示すに過ぎない(図1g)。この観察と一致して、UVI5008(並びにUVI5000及びUVI5010)は、その基質がαチューブリンである別のクラスII HDACであるHDAC6の活性を阻害した(図1c、中パネル、レーン1をレーン2〜7と比較;比較のために下のパネルにおける総αチューブリンの量に注目)。総合して、これらのデータは、UVI5008が、クラスI及びクラスIIの両方のHDAC活性を遮断する汎HDAC阻害剤として作用する、ということを明示する。UVI5008は、このアッセイでは、皮膚T細胞リンパ腫の治療に関して認可されており、そして他の適応症に関して臨床試験中であるSAHA(ボリノスタット、ゾリンザ(登録商標))より活性である、ということは重要である。
UVI5008は腫瘍抑制遺伝子p16INK4a及びRARβ2のプロモーター領域におけるDNAメチル化を阻害する:
UVI5008が付加的活性を有するか否かを試験するために、腫瘍抑制遺伝子のプロモーターのDNAメチル化の考え得る阻害を試験した。RARβ2のプロモーターは、そのプロモーター中のCpG島のメチル化によりサイレンス化されることが知られている。メチル化特異的PCR(MSP)を用いて、非メチル化RARβ2の有意の増大がUVI5008で観察された(図2a)。同様に、MSPは、もう一つの十分に確立された腫瘍抑制遺伝子及び細胞周期調節因子であるp16INK4aプロモーターでのCpG島メチル化の低減を明示した。付随的に、非メチル化p16INK4aプロモーターDNAの量は、UVI5008で処理することにより増大した(図2b)。この場合、UVI5000も同様の活性を示した。注目すべきことに、古典的DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤5−アザシチジン(「AZA」)は、UVI5008を用いて観察されたものと非常によく似た活性を示したが、一方、SAHAは不活性であった(図2b)。p16INK4aプロモーターの脱メチル化と一致して、p16INK4a遺伝子発現は、UVI5008への曝露により、さらにまたより低度にUVI5000及びUVI5010により脱サイレンスされ、そしてこの発現は5−デアザシチジンとSAHAとの組合せを用いて観察されたものに匹敵した(図2c)。
最後に、in vitroDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)アッセイを用いて、UVI5008が、より高濃度であってもRG108とほぼ同様に活性であるDNMT阻害剤である、ということを確認した(図2d)。
UVI5008は腫瘍選択的アポトーシス誘導デスリガンドをコードするTRAIL遺伝子座でのクロマチンのアセチル化状態を変える:
MS275のようなHDAC阻害剤は、造血細胞株及び患者芽細胞におけるTNF関連アポトーシス誘導リガンドTRAIL(Apo2L又はTNFSF10とも呼ばれる)の発現を誘導する、ということを、本発明者らの従来の研究は明示している(Insinga, A. et al., Nat Med 11, 71-6 (2005);Nebbioso, A. et al., Nat Med 11, 77-84 (2005))。注目すべきことに、U937骨髄性細胞のUVI5008曝露は、TRAILプロモーターでのクロマチンの迅速な劇的H3K9アセチル化をもたらし、第一イントロンでの動態遅延も伴う(図5a)。この「活性化しつつある」クロマチン・マークは、それぞれRT−PCR及びELISAアッセイにより示されるように、mRNA(図5b)及びタンパク質(図5b)の両方のレベルでの発現増大と相関する。
HDAC活性の構造−活性相関(SAR)研究:
UVI5008の上記HDAC阻害剤活性のSAR研究を開始するために、一連の誘導体を合成した(表1)。系統的に研究された活性読出しは、細胞周期停止及びp21WAF1/CIP1誘導、分化の誘導、並びに標的(この場合はa−チューブリン)のアセチル化であった。目的は、特定の構造素子及び特定置換の役割、特に(i)対称分子の一方又は両方の単位が生物学的活性に必要であるか否か、(ii)ジスルフィド架橋が必須でないか否か、そして(iii)最後に、非切断可能化合物が何らかの作用を示すか否かを理解することであった。
臭素置換の位置:UVI5008は、インドール環のC5に結合されたBrを有する。C5からC6への置換の変更(UVI5013)は、細胞周期停止及びアポトーシスには小作用しか及ぼさず(図3a)、むしろCD11cマーカーの発現により測定される分化の誘導を増大した(図3b)。予測どおり、p21WAF1/CIP1はUVI5008に関する場合と同様に誘導され、一方、αチューブリンのアセチル化により測定されるようなHDAC6の阻害は多少低減された(図3c、レーン9)。C7でのBrの置換(UVI5014)は、細胞周期停止及びアポトーシスを弱く低減したが、しかしp21WAF1/CIP1誘導及びαチューブリン・アセチル化のレベルは、UVI5008を用いて観察されたものと非常によく似ていた(図3a、図3b;図3c レーン12)。C4での臭素原子の配置は、活性をかなり低減した(UVI5012)。
オキシム:トリフェニルメチル(トリチル)(UVI5018)及びベンジル(UVI5017)誘導体は図3a、図3b及び図3c(レーン13、14)に示されたアッセイ全てにおいて不活性であるので、オキシム機能は活性に必要とされる。
ジスルフィド架橋:炭素によるイオウの置換(UVI5019)は不活性分子を生じるので、ジスルフィド架橋の存在は活性に不可欠である(図3a、図3b;図3c レーン15)。UVI5022(S→C置換生成物)は図3a、図3b及び図3c(レーン18)に示されたアッセイ全てにおいて不活性であるので、同じことはUVI5000の対応する類似体(サマプリンA)に関して言える。したがって、1又は2個のイオウ原子の存在、及び/又はジスルフィド架橋、及び/又は活性UVI5000及びUVI5008の切断は、細胞周期停止、アポトーシス誘導及び分化に必要とされる。
単量体同族化合物:UVI5008及び全ての活性誘導体は二量体切断可能分子であり、これは還元時に対応するチオールを生じる。ヒドロキシル誘導体UVI5021は不活性であるので、このチオールは活性のために必要である(図3a、図3b及び図3c レーン17)。同一の観察は、UVI5023(UVI5000のヒドロキシル誘導体)に関して成される((図3a、図3b及び図3c レーン19))。しかしながら、興味深いことに、メチルチオエステルUVI5020はアポトーシス及びG2M停止を誘導するに際して不活性であるが、しかしそれはG1停止並びにp21WAF1/CIP1の対応する発現増強を誘導する(図3a、図3b及び図3c レーン16)。
サマプリンA誘導体はAML患者芽細胞におけるアポトーシスを誘導する:
いくつかのサマプリンA誘導体の興味をそそる抗癌能力は、ex vivoAML患者芽細胞におけるそれらの活性を試験するよう促した。図4に示したように、サマプリンA(UVI5000)及びUVI5008はともに、異なる患者(AML患者#102、#108、#109、#116)の4つの個々のex vivo培養におけるカスパーゼ3活性化アッセイにより測定されるように、芽細胞における細胞周期停止及びアポトーシスを誘導した。よく知られたHDACi、例えばMS275及びSAHAはUVI5008と類似の活性を示す、ということに留意しなければならない。派生的に製造される誘導体のex vivoでのAML患者芽細胞に及ぼす作用を立証するために、5μMの濃度での化合物UVI5008、UVI5013、UVI5014及びUVI5020の活性を試験した。図4に示したように、試験した誘導体は全て、患者芽細胞の2つの異なる試料においてアポトーシス活性を示した。UVI5020は、上記の変更活性プロファイルと一致して、アポトーシスの弱い誘導を示しただけである、ということに留意されたい。
癌細胞株A−375、DU145及びHCT−116に及ぼす抗増殖活性:
UVI5008を用いた用量応答曲線は、1.5μM〜3μMの範囲のIC50値で異なる型の癌細胞株に及ぼす強力な抗増殖活性を示した(図8a〜図8c)。
UVI5008のin vivo抗腫瘍活性:
結果を、図9A及び9Bに示す。化合物はすべて、それらの最大耐容用量で用いた。処理群の何れにおいても、死亡は認められなかった。他の動物に比して体重が増大したことによる腹腔内液の貯留の形態で、10個体の動物のうちの3個体におけるUVI5008処置群において毒性の何らかの徴候が認められた。他の毒性症候は観察されなかった。この実験から、UVI5008は、それらのMTDでのSAHA及びMS−275に関してより大きい抗腫瘍活性を示しており、そして動物体重損失を引き起こした化合物はなかった、と結論する。正規化腫瘍重量プロファイルを、表4に示す:
Figure 0005329439
Figure 0005329439
UVI5008による細胞の処理時のヒストンタンパク質に関する翻訳後修飾の試験:
広範な質量分光分析を実施して、UVI5008による細胞の処理時に誘導されるか又は除去されるヒストンタンパク質の翻訳後修飾を同定した。高精度のFT−ICR質量分光計は、アセチル化ペプチドの明白な同定を含めてヒストンの種々の翻訳後修飾を確定するのを可能にした。UVI5008によるU937(及びその他の)細胞の処理は、相対的に多くのアセチル化ペプチドのシフト(SILAC試験)を、並びにヒストンH3、H3K56における新規のアセチル化リシン残基の同定(図10a)を生じた。今まで、H3K56のアセチル化は、本発明者ら及び他の人達により下等真核生物で検出され[Ozdemir A, Spicuglia S, Lasonder E, Vermeulen M, Campsteijn C, Stunnenberg HG, Logie C., Characterization of lysine 56 of histone H3 as an acetylation site in Saccharomyces cerevisiae. J Biol Chem. 2005 Jul 15; 280(28): 25949-52. Epub 2005 May 10]、そして[Ozdemir A, Masumoto H, Fitzjohn P, Verreault A, Logie C. Histone H3 lysine 56 acetylation: a new twist in the chromosome cycle Cell Cycle. 2006 Nov; 5(22): 2602-8. Epub 2006 Nov 15]で再検討されただけであった。酵母における試験は、この修飾が、酵母においてS期中にクロマチンに沈着される事実上全ての新規合成ヒストンにおいて生じる、ということを明示した。K56アセチル化の除去は細胞周期のG2/M期に起こり、そしてNAD+依存性ヒストンデアセチラーゼSir2に関連する2つのタンパク質Hst3及びHst4に依存する。酵母データに基づいて、ヒトSir1及び/又は−2がin vitroでUVI5008により阻害され得るか否か、そして既知のSir2基質、即ちp53のアセチル化がin vivoでのUVI5008処理後に増大されるか否かを試験した。
ヒトSIRT1及びSIRT2に関するUVI5008の活性:
結果を図13Aに示す。UVI5008の活性を、ヒトSIRT1及びSIRT2に関して2つの異なる濃度で試験した。対照として、既知の活性剤及び阻害剤、例えばレスベラトロール及びスラミン(A)を用いた。明らかに示されているように、UVI5008は、両方に対する阻害能力を示した。SIRT1に関しては8.9μM、そしてSIRT2に関しては7.8μMとして、UVI5008のIC50を算出した。UVI5008は良好なSIRT1及びSIRT2阻害剤である、ということをこれらのデータは明らかに実証する。それにより抗癌活性のいくつかは、癌細胞において他のSIRT阻害剤に関して報告されたようなこの作用のためでもあり得る。
p53アセチル化に関するUVI5008の活性:
図13Bは、SIRT阻害の読出しとして得られるp53アセチル化レベルに及ぼすUVI5008の作用を示す。DNA変異を誘導し、p53を活性化するためのエトポシド25μMでの同時処理におけるp53 WTであるMCF7細胞で、この実験を実施した。p53に関するUVI5008の高アセチル化作用を、本発明者らは確認し得た。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 0005329439
    (式中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8から選択される整数であり;
    iは、1、2から選択される整数であり;
    jは、0、1から選択される整数であり;
    ここで、i=2である場合にはj=0であり、そしてi=1である場合にはj=1であり;
    Xは、ハロゲン原子であり;
    Wは、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−CH=CH−、共有結合から選択されるリンカーであり;
    Rは、水素原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6カルボキシアルキル基から選択される基であり;
    1、R2、R3は、同一であるか又は異なり、水素原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロゲノアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アミノアルキル基、C1〜C6飽和へテロシクロアルキル基、C6〜C12アリール基、C6〜C20アラルキル基、C4〜C12へテロアリール基から選択され;
    4は、水素原子であり;
    5は、水素原子である)
    に対応する分子、及びその薬学的に許容される塩。
  2. 以下の条件:
    nは、2、3、4、5、6から選択される整数であり;
    iは、2であり;
    jは、0であり;
    Xは、Brであり;
    Wは、−CO−NH−であり;
    1、R2、R3は、水素原子である
    の1つ又はいくつかが満たされる、請求項1に記載の分子。
  3. 以下のリスト:
    Figure 0005329439
    に含まれる、請求項1に記載の分子。
  4. 薬学的に許容される担体中に請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の分子又はその塩を含む薬剤。
  5. 腫瘍又は癌を予防するか及び/又は治療する薬剤の製造のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の分子の使用。
  6. 肺癌、卵巣癌、中枢神経系(CNS)癌、皮膚癌及び結腸癌、又は白血病から選択される癌の予防及び/又は治療のための、請求項5に記載の使用。
  7. W=−CO−NH−である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の分子を合成する方法であって、スキーム3:
    Figure 0005329439
    (式中、インドール(II)は約1当量のニトロソアクリレートCH2=C(NO)−COOZでアルキル化され、この場合、Zは、C1〜C6アルキル、フェニル、アリール基から選択され、対応するブロモ−オキシムからin situで生成される基を表わし、そして反応は塩基性媒質中で、溶媒中、周囲温度で実行される)
    に示されるような少なくとも1つの工程を包含することを特徴とする、方法。
  8. Zがエチル基であり、前記溶媒がCH2Cl2であり、前記塩基がK2CO3である、請求項7に記載の方法。
  9. i=2及びj=0である場合、スキーム4:
    Figure 0005329439
    (式中、オキシム(III)は適切な保護基Yを用いたオキシム官能基の保護により化合物(IV)に転化され;次にエステル官能基−COOZは適切な処理により−COOHに脱保護化されて、分子(V)を生じ;この分子は次に、適切なジアミンNH2−(CH2n−S−S−(CH2n−NH2と反応されて、(VI)を生じ、そしてオキシム官能基は次に遊離されて、式(I)の分子を生じる)
    に示されたプロセスが第一工程の後に続くことを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
  10. i=j=1である場合、スキーム5:
    Figure 0005329439
    (式中、化合物(VI)はアミンH2N−(CH2n−S−Rと反応され、そしてオキシム官能基は脱保護化されて、式(I)を生じる)
    に示されたプロセスが第一工程の後に続くことを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
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