JP5329340B2 - 穴かがりミシンの異物検知装置 - Google Patents

穴かがりミシンの異物検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5329340B2
JP5329340B2 JP2009189940A JP2009189940A JP5329340B2 JP 5329340 B2 JP5329340 B2 JP 5329340B2 JP 2009189940 A JP2009189940 A JP 2009189940A JP 2009189940 A JP2009189940 A JP 2009189940A JP 5329340 B2 JP5329340 B2 JP 5329340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hammer
base
detection
cloth
knife
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009189940A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010075680A (ja
Inventor
安志 小野
眞一 坂本
健二 村井
崇 杉山
孝宏 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP2009189940A priority Critical patent/JP5329340B2/ja
Priority to CN 200910171422 priority patent/CN101660248B/zh
Publication of JP2010075680A publication Critical patent/JP2010075680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5329340B2 publication Critical patent/JP5329340B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

本発明は、メスとハンマーにより被縫製物を挟み込んで、被縫製物にボタン穴を形成する穴かがりミシンの異物検知装置に関する。
左右の側縫い部を含む穴かがり縫い目を被縫製物としての布に形成する前又は形成した後に、左右の側縫い部の間にボタン穴を形成することができる穴かがりミシンが知られている。
例えば、図17に示すように、穴かがりミシン100は、ミシンベッド101の上面に送り台102がその上面に沿って移動自在に設けられている。送り台102の上面には布を押さえる布押さえ103が設けられている。布押さえ103により送り台102上で押さえつけられた布は、送り台102が移動することで布にかがり縫いを形成することができる。
穴かがりミシン100は、布にボタン穴を形成する布切り装置110を備えている。布切り装置110は、ミシンベッド101に固定されたメス111と、メス111に対向配置され、ミシンフレーム104に設けられたハンマー112と、を備えている。ハンマー112は、メス111に上方から接離するように設けられている。ハンマー112は、支持台113に固定されている。支持台113には、リンク機構114を介してエアシリンダ115の出力軸115aに連結されている。エアシリンダ115を駆動させることにより、出力軸115aは移動し、出力軸115aの移動はリンク機構114を動作させる。リンク機構114の動作により支持台113はミシンの上下方向に移動し、支持台113に設けられたハンマー112もミシンの上下方向に移動する。ハンマー112は、メス111に当接する位置まで下降することができ、布をメス111とハンマー112で挟み込んで布にボタン穴を形成することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−87813号公報
しかし、従来の穴かがりミシンにおいては、ハンマーとメスとの間にある布以外の縫製に関係のない異物があっても検知することができなかった。そのため、ユーザは、縫製中は布上に異物がないか常に監視する必要があった。また、ユーザが布上の異物に気づかなかった場合、ハンマーとメスとで異物を挟み込んでしまい、ハンマー及びメスの欠損、布の破損を招いてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、縫製中のユーザの監視負担を軽減し、ハンマー及びメスの欠損、布の破損を防止することができる穴かがりミシンの異物検知装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
ミシンベッド(2)に設けられ、上端に切れ刃が形成されたメス(11)と、
ミシンベッドに設けられ、上面に被縫製物が載置される送り台(4)と、
ミシンアーム(3)に設けられ、前記メスに対向配置され、前記メスとの間に被縫製物を挟み込んで被縫製物を切断するハンマー(12)と、
前記ハンマーを支持する支持台(14)と、
前記支持台に連結され、前記ハンマーを前記メスに向けて接離させる動作機構(40)と、
前記動作機構に連結され、当該動作機構を動作させる駆動装置(50)と、
前記駆動装置の駆動を制御する制御手段(20)と、を備え、
左右の側縫い部を含むボタン穴かがり縫い目を被縫製物に形成する前又は形成した後に、前記制御手段により前記駆動装置を駆動させて前記ハンマーを前記メスに向けて移動させて被縫製物の左右の側縫い部の間にボタン穴を形成する穴かがりミシン(1)の異物検知装置において、
前記支持台に設けられて前記ハンマーと共に上下動し、前記ハンマーが上下動する領域を包囲し、前記ハンマーよりも下方に配置され、下方に位置する対象物に接する下降位置を検知する検知手段(30,100,200,300,400,500)と、
被縫製物上に異物がないと認定しうる前記ハンマーの初期位置からの下降量の限界値を記憶する記憶手段(24)と、を備え、
前記制御手段は、
前記検知手段が検知をした時点における前記ハンマーの初期位置からの下降量が前記限界値以上である場合に前記駆動装置の駆動を継続させ、
前記検知手段が検知をした時点における前記ハンマーの初期位置からの下降量が前記限界値未満である場合に前記駆動装置の駆動を停止させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の穴かがりミシンの異物検知装置において、
前記検知手段は、
前記支持台に固定された土台(31,101,201,301,401,501)と、
前記土台に上下動自在に設けられ、前記ハンマーが上下動する領域を包囲するように形成され、下端面が前記ハンマーの下端よりも下方に配置された接触部材(32,102,202,302,402,502)と、
前記接触部材の下端面が前記ハンマーの下端よりも下方に配置されるように、当該接触部材を下方に向けて付勢する付勢部材(33,104,202,303,403,503)と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記接触部材が前記土台に対して相対的に移動したことを検知する検知部材(34,103,203,304,404,504)と、
を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の穴かがりミシンの異物検知装置において、
前記限界値を設定する設定手段(66)を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、送り台に被縫製物を載置した状態で駆動装置を駆動させて支持台を下降させると、ハンマーは下降し、ハンマーと共に検知手段も下降する。
ここで、検知手段が異物を検知すると、制御手段は、検知手段が被縫製物上の異物を検知した時点におけるハンマーの初期位置からの下降量が限界値以上である場合には、駆動装置の駆動を継続させる。すなわち、限界値となる位置よりも下方で検知手段が異物を検知した場合には、制御手段は、その検知は異物ではないと判断してそのまま被縫製物の切断を続行する。
一方、制御手段は、検知手段が被縫製物上の異物を検知した時点におけるハンマーの初期位置からの下降量が限界値未満である場合に駆動装置の駆動を停止させる。すなわち、限界値となる位置よりも上方で検知手段が異物を検知した場合には、制御手段は、その検知は被縫製物ではない異物であると判断して駆動装置の駆動を停止させて被縫製物の切断を中断する。
これにより、限界値を被縫製物の厚さ等に応じて記憶手段に記憶させておくことで、制御手段は、検知手段による検知を被縫製物なのか、異物であるのかを判断して被縫製物の切断の制御を行うことができる。
よって、縫製中のユーザの監視負担を軽減し、ハンマー及びメスの欠損、布の破損を防止することができる。
また、検知手段は、ハンマーが上下動する領域を包囲し、ハンマーよりも下方に配置されているので、検知手段はハンマーよりも先に被縫製物又は異物に当接する。そのため、ハンマー及びメスの欠損、布の破損が起こる前に異物検知を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、接触部材はその下端面がハンマーの下端よりも下方に配置されるように付勢部材により付勢されており、ハンマーよりも先に被縫製物又は異物に当接する。そして、接触部材が被縫製物又は異物に当接したときは、接触部材はそれ以上下降できないので、付勢部材の付勢力に抗して土台に対して上方に移動する。接触部材が土台に対して移動すると、検知部材は接触部材の移動を検知する。
また、接触部材はハンマーが上下動する領域を包囲し、被縫製物又は異物に当接した後はそれ以上下降することもなく、付勢部材の付勢力に抗して土台に対して上方に相対的に移動するので、やがてハンマーが接触部材よりも下方に下降する。
これにより、ハンマーの初期位置からの下降量が限界値以上である場合には、制御手段は駆動装置の駆動を継続させるが、接触部材がハンマーの移動を阻害することはない。
請求項3に記載の発明によれば、設定手段を備えることにより、被縫製物の厚さや異物の大きさ等に応じてユーザが自由に限界値を設定することができる。
これにより、あらゆる被縫製物、異物に対応することができる。
穴かがりミシンの概略を示す側面図。 支持体の動作機構及び布切りモータの機構を示す側面図。 支持体に固定される検知装置の斜視図。 ハンマーが上死点にあるときのハンマーと枠体との位置関係を示す図。 制御装置まわりの構成を示すブロック図。 ティーチングの流れを示すフローチャート。 布切りモータの駆動制御の流れを示すフローチャート。 布上に異物がない場合において、ハンマーが布の上面まで下降したときの枠体とハンマーの位置関係を示す図。 布上に異物がある場合において、枠体が異物に当接したときの状態を示す図。 変形例1の検知装置の構成を説明する正面図。 変形例1の検知装置におけるレーザーセンサの検知領域を説明する平面図。 変形例1の検知装置の構成を説明する斜視図。 変形例2の検知装置の構成を説明する正面図。 変形例3の検知装置の構成を説明する正面図。 変形例4の検知装置の構成を説明する正面図。 変形例5の検知装置の構成を説明する正面図。 従来技術における穴かがりミシンの一部を断面視した側面図。
本発明に係る穴かがりミシンの異物検知装置の実施形態について詳細に説明する。
<穴かがりミシンの構成>
図1及び図2に示すように、穴かがりミシン1は、被縫製物である布に左右の側縫い部を含むボタン穴かがり縫い目を形成すると共に、布の左右の側縫い部の間にボタン穴を形成するミシンである。
穴かがりミシン1は、ベッド部(ミシンベッド)2、ベッド部2に立設されたアーム部(ミシンアーム)3、ベッド部2の上面に配置され、布を水平面内で移動させる送り台4、送り台4の上面に設けられ、送り台4上の布を上方から押さえる布押さえ5、ボタン穴を形成するための布切り装置10、穴かがりミシン1の動作を制御する制御装置20(図5参照)等を備えている。
送り台4は、その上面が水平面にほぼ沿うように配置され、その上面に布が載置される。
布押さえ5は、送り台4の上面に回動自在に設けられた押さえ腕52と、押さえ腕52の先端に回動自在に設けられ、上方から布を押さえつける押さえ板54と、を備えている。押さえ腕52、押さえ板54ともに回動自在とされているのは、布厚の変化に柔軟に対応して布の押さえつけを上方から的確に行うためである。
(布切り装置)
図1、図2に示すように、布切り装置10は、ベッド部2に設けられ、上端に切れ刃が形成されたメス11と、このメス11に対向配置するようにアーム部3に設けられ、メス11との間に布を挟み込んでメス11に布を切断させるハンマー12と、を備えている。
メス11は、ベッド部2に固定されたメス支持台13に着脱自在に取り付けられている。メス11は、布切りを行う上端部に切れ刃が形成されている。メス11の切れ刃は、鳩目部を形成する鳩目メス部と、直線部を形成する直線メス部とが連続するように形成されている。
ハンマー12は、支持台14に着脱自在に取り付けられ、支持台14は、その下端部でハンマー12を支持する。ハンマー12は、メス11の切れ刃に対向する位置に設けられており、メス11に当接してメス11を押圧する位置まで下降することができる。
支持台14には、支持台14を上下動させることによりハンマー12を上下動させる動作機構40が連結されている。動作機構40は、例えば、リンク機構を備えて構成され、支持体14に回動自在に連結された第1リンク41と、第1リンク41に回動自在に連結された第2リンク42と、第2リンク42に回動自在に連結された第3リンク43と、第3リンク43に回動自在に連結された第4リンク44と、を備えている。第1リンク41及び第3リンク43は、それぞれ中央部がアーム部3に回動自在に固定されている。第4リンク44には、ボールねじ45に噛み合わされた移動体46に回動自在に連結されている。ボールねじ45は、その軸線がミシンの上下方向に沿うように配置されている。移動体46は、ボールねじ45の軸回りの回転により、その軸線方向に沿って移動することができる。ボールねじ45の端部には、歯車47が設けられ、この歯車47には、動作機構40を作動させる駆動装置としての布切りモータ50の出力軸50aに軸支された歯車48が噛み合わされている。
動作機構40により、ハンマー12は、初期位置としての上昇位置から下降して、メス11を押圧する押圧位置との間を往復移動する。
(検知装置)
図2〜図4に示すように、支持台14には、ハンマーと共に上下動し、ハンマー12が上下動する領域を包囲し、ハンマーよりも下方に配置され、下方に位置する対象物に接する下降位置を検知する検知手段としての検知装置30が設けられている。
検知装置30は、支持台14に固定される土台31と、土台31に上下動自在に設けられ、ハンマー12が上下動する領域を包囲するように形成され、下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置された接触部材としての枠体32と、枠体32の下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置されるように、当該枠体32を下方に向けて付勢する付勢部材としてのバネ33と、バネ33の付勢力に抗して枠体32が土台31に対して相対的に移動したことを検知する検知部材としてのポテンショメータ34と、を備えている。
ハンマー12が上下動する領域を包囲するとは、具体例では枠体32の形状であり、上下方向より見て、ハンマー12の周囲の少なくとも一部を囲うような形状である。この形状は、四角形状、楕円形状、円形状や、それらの一部が欠けた形状等種々考えられる。
土台31は、支持台14にねじ止め等の手段によって固定されている。もちろん、土台31を支持台14と一体形成してもよい。土台31は、支持台14におけるハンマー12の後方側に固定されている。
枠体32は、ハンマー12の下方に配置され、ハンマー12が上下動する移動領域を包囲するような枠状に形成されている。すなわち、枠体32の内部には、ハンマーが通過可能な大きさの通過孔32aが形成され、この通過孔32aが下降前のハンマー12の直下にある。枠体32の一端は上方に延びるように屈曲形成され、更にミシンの後方に向けて水平方向に延びるように屈曲形成されている。水平方向に延びるように形成された枠体32の一端には、枠体32の上下方向に沿って延びる軸体32bが立設されている。軸体32bは、土台31に挿通されている。軸体32bの上端には、ポテンショメータ34が設けられている。
バネ33は、軸体32bに通されており、ポテンショメータ34と枠体32の一端の上面との間に挟まれている。バネ33は、枠体32の下端面がハンマー12の下端よりも下方(メス11側)に配置されるように、枠体32を下方に付勢している。
ポテンショメータ34は、土台31の上端に設けられている。ポテンショメータ34は、軸体32bの上下方向への移動量を電圧値に変換して出力するものである。制御装置20は、ポテンショメータ34からの出力電圧を監視することで、その出力電圧の変化により、軸体32bが移動したこと、すなわち、枠体32が土台に対して相対的に移動したことを検知することができる。
このような構成とすることにより、支持台14を下降させて、ハンマー12及び枠体32を下降させている場合において、布上に異物があると、ハンマー12よりも先に枠体32が異物に当接する。枠体32は異物に当接することでそれ以上の下降が遮られるが、支持台14はハンマー12がメス11に当接するまで下降しようとするため、ハンマー12は引き続き下降する。そのため、枠体32は、バネ33の付勢力に抗して土台31に対して上方に相対的に移動する。その結果、ポテンショメータ34が軸部32bの移動を検知し、制御装置20はポテンショメータ34が軸部32bの移動を検知した時点でのハンマー12の下降量に応じて布切りモータ50の駆動を制御する。
また、バネ33で枠体32を常に下方に向けて付勢しているため、枠体32がバネ33の付勢力に抗して土台31に対して相対的に移動したときにかかる移動をポテンショメータ34により検知することができる。
(制御装置)
図5に示すように、制御装置20は、ミシン1の駆動に関する演算処理を行って駆動源の制御を行うCPU21と、縫製や布切りに関して必要なデータやパラメータ、CPU21がミシン1の駆動制御をする際に必要なプログラムが記憶されるROM22と、CPU21の作業場となるRAM23と、ユーザにより設定されるデータや演算されたデータを記憶するEEPROM24と、を備えている。
EEPROM24には、布上に異物がないと認定しうるハンマー12の初期位置(上昇位置)からの下降量の限界値(最小の下降量)が記憶されている。すなわち、EEPROM24は、記憶手段として機能する。よって、ポテンショメータ34が検知した時点でのハンマー12の下降量が限界値を超えるか否かが異物の判断に用いられる。
また、EEPROM24には、ハンマー12が初期位置(上死点)から押圧位置(メス11に当接する位置)までの移動距離が記憶されている。
ROM22には、布切りモータ50の駆動を制御する制御プログラムが記憶されている。すなわち、CPU21は、この制御プログラムを実行することにより、制御装置20は、制御手段として機能する。
制御プログラムは、検知装置30が検知した時点におけるハンマー12の初期位置からの下降量がEEPROM24に記憶された限界値以上である場合に布切りモータ50の駆動を継続させる。すなわち、枠体32が異物に当接してバネ33の付勢力に抗して土台31に対して相対的に上方に移動したときにポテンショメータ34は枠体32の移動を検知する。そして、そのときのハンマー12の位置が限界値に相当する下降位置から下方であれば、枠体32に当接したものは異物ではなく布であるとして布切りモータ50の駆動を継続し、布切りを行う。
また、制御プログラムは、検知装置30が検知した時点におけるハンマー12の初期位置からの下降量が限界値未満である場合に布切りモータ50の駆動を停止させる。すなわち、枠体32が異物に当接してバネ33の付勢力に抗して土台31に対して相対的に上方に移動したときにポテンショメータ34は枠体32の移動を検知する。そして、そのときのハンマー12の位置が限界値に相当する下降位置よりも上方であれば、枠体32に当接したものは異物であるとして布切りモータ50の駆動を即座に停止させ、ハンマー12と異物の接触を未然に防止する。
よって、穴かがりミシン1に設けられる異物検知装置は、制御装置20及び検知装置30を備えることにより構成される。
従って、限界値は、例えば、送り台4に布を載置していない場合にハンマー12が初期位置からメス11に当接するまでの下降量から布厚を差し引いた量(距離)が設定される。よって、検知装置30は、布の上面で異物の検知を行うことになる。
もちろん、必ずしも布の上面で異物の検知を行う必要はなく、限界値はユーザにより自由に設定することができる。
制御装置20には、ポテンショメータ34、布切りの際の駆動源となる布切りモータ50、針を上下動させるミシンモータ61、送り台4をX方向に駆動させるX送りパルスモータ62、送り台4をY方向に駆動させるY送りパルスモータ63、針とルーパを回転させる旋回パルスモータ64、縫製の開始・停止の入力を行うS/Sスイッチ65、ユーザに報知する情報を表示すると共に、ユーザからの指示入力がなされる操作パネル66、支持体14(ハンマー12)の上死点からの下降距離を検知するエンコーダ67が接続されている。
操作パネル66からは、限界値を設定することができる。すなわち、操作パネル66は、設定手段として機能する。
操作パネル66は、限界値をユーザが直接入力することもできるが、ティーチングの指示入力を行うこともできる。ここで、ティーチングとは、縫製前に予め限界値を算出することをいう。
エンコーダ67は、パルスモータである布切りモータ50に接続され、布切りモータ50の回転位置に対応してそれぞれ90度位相の異なるA相パルスとB相パルス(2つを合わせてAB相パルスとも言う)とからなる2つの検出パルスを出力する。制御装置20は、原点位置を基準としてエンコーダ67から出力されるAB相パルスの位相関係と各パルスの数とにより、支持台14(ハンマー12)の実際の移動位置としての下降位置をリアルタイムで検出することができる。これにより、支持台14(ハンマー12)の停止位置をリアルタイムで検出することができる。
(限界値のティーチング)
限界値のティーチングは、図6に示すように、操作パネル66等から送り台4への布のセットが終わった旨の入力がなされると(ステップS1)、CPU21は、ティーチングをする旨の入力がなされたか否かを判断する(ステップS2)。ここで、CPU21は、ティーチングをする旨の入力がなされたと判断すると(ステップS2:YES)、CPU21は、布切りモータ50を駆動させる(ステップS3)。布切りモータ50の駆動により、出力軸50aは軸回りに回転し、出力軸50aの回転により歯車48が回転し、それに伴って歯車47も回転する。歯車47の回転によりボールねじ45も軸回りに回転するので、移動体46はボールねじ45の軸線に沿って移動し、動作機構40を作動させる。動作機構40の作動により、支持台14は下降し、これに伴って支持台14に設けられているハンマー12及び枠体32も下降する。
そして、下降中にCPU21は、ポテンショメータ34により検知された電圧値に変化があったか、すなわち、土台31に対する枠体32の移動を検知したか否かを判断する(ステップS4)。ステップS4において、CPU21は、ポテンショメータ34により検知された電圧値に変化があったと判断した場合(ステップS4:YES)、CPU21は、ポテンショメータ34の検知時におけるハンマー12の初期位置(上死点)からの下降量を限界値としてEEPROM24に記憶させる(ステップS5)。これをもって、ティーチングが終了する。
なお、限界値の直接入力又はティーチングは、ユーザが操作パネル66からの入力により選択することができる。
<布切りモータの駆動制御について>
次に、ボタン穴の形成を行う際の布切りモータ50の駆動制御について説明する。
図7に示すように、布にボタン穴をするため、布切りモータ50を駆動させると(ステップS11)、布切りモータ50に連結されている動作機構40の動作により、支持体14が下降する。支持体14の下降によりハンマー12及び枠体32も下降する。
布切りモータ50によるハンマー12及び枠体32の下降の間、CPU21は、ポテンショメータ34により検知される電圧値が変化したか否かを判断する(ステップS12)。
ステップS12において、CPU21は、ポテンショメータ34により検知される電圧値が変化したと判断した場合(ステップS12:YES)、CPU21は、ポテンショメータ34の検知時におけるハンマー12の下降量がEEPROM24に記憶された限界値以上か否かを判断する(ステップS13)。言い換えると、ハンマー12の位置が限界値に対応する位置から下方にある位置でポテンショメータ34が検知したか否かを判断する(ステップS14)。一方、ステップS12において、CPU21は、ポテンショメータ34により検知される電圧値が変化していないと判断した場合(ステップS12:NO)、CPU21は、布切りモータ50を駆動させながらステップS12の判断を繰り返す。
ステップS13において、CPU21は、ハンマー12の下降量がEEPROM24に記憶された限界値以上であると判断した場合(ステップS13:YES)、CPU21は、布切りモータ50の駆動を継続し、ハンマー12が押圧位置(メス11と当接する位置)まで下降したか否かを判断する(ステップS14)。
ステップS14において、CPU21は、図8に示すように、ハンマー12が押圧位置(メス11と当接する位置)まで下降したと判断した場合(ステップS14:YES)、CPU21は、布切りモータ50の駆動を停止させる(ステップS15)。一方、ステップS14において、CPU21は、ハンマー12が押圧位置(メス11と当接する位置)まで下降していないと判断した場合(ステップS14:NO)、CPU21は、布切りモータ50の駆動を継続する。
ステップS13において、CPU21は、図9に示すように、ハンマー12の下降量がEEPROM24に記憶された限界値未満であると判断した場合(ステップS13:NO)、CPU21は、布切りモータ50の駆動を停止させる(ステップS15)。
<作用効果>
このように穴かがりミシン1によれば、送り台4に布を載置した状態で布切りモータ50を駆動させて支持台14を下降させると、ハンマー12は下降し、ハンマー12と共に枠体32も下降する。
ここで、ポテンショメータ34が異物を検知すると、制御装置20は、ポテンショメータ34が布上の異物を検知した時点におけるハンマー12の初期位置からの下降量が限界値以上である場合には、布切りモータ50の駆動を継続させる。すなわち、図8に示すように、限界値となる位置から下方でポテンショメータ34が異物を検知した場合には、制御装置20は、その検知は異物ではないと判断してそのまま布の切断を続行する。
一方、制御装置20は、ポテンショメータ34が布上の異物を検知した時点におけるハンマー12の初期位置からの下降量が限界値未満である場合に布切りモータ50の駆動を停止させる。すなわち、図9に示すように、限界値となる位置よりも上方で枠体32が移動してポテンショメータ34が異物を検知した場合には、制御装置20は、その検知は布ではない異物であると判断して布切りモータ50の駆動を停止させて布の切断を中断する。
これにより、限界値を布の厚さ等に応じてEEPROM24に記憶させておくことで、制御装置20は、検知装置30による検知を布なのか、異物であるのかを判断して布の切断の制御を行うことができる。
よって、縫製中のユーザの監視負担を軽減し、ハンマー12及びメス11の欠損、布の破損を防止することができる。
また、枠体32は、ハンマー12が上下動する領域を包囲し、ハンマー12よりも下方に配置されているので、枠体32はハンマー12よりも先に布又は異物に当接する。そのため、ハンマー12及びメス11の欠損、布の破損が起こる前に異物検知を行うことができる。
また、枠体32は、その下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置されるようにバネ33により付勢されており、ハンマー12よりも先に布又は異物に当接する。そして、枠体32が布又は異物に当接したときは、枠体32はそれ以上下降できないので、バネ33の付勢力に抗して土台31に対して上方に移動する。枠体32が土台31に対して移動すると、ポテンショメータ34は枠体32の移動を検知する。
また、枠体32はハンマー12が上下動する領域を包囲し、布又は異物に当接した後はそれ以上下降することもなく、バネ33の付勢力に抗して土台31に対して上方に相対的に移動するので、やがてハンマー12が枠体32よりも下方に下降する。
これにより、ハンマー12の初期位置からの下降量が限界値以上である場合には、制御装置20は布切りモータ50の駆動を継続させるが、枠体32がハンマー12の移動を阻害することはない。
また、操作パネル66から限界値を設定できるので、布の厚さや異物の大きさ等に応じてユーザが自由に限界値を設定することができる。
これにより、あらゆる厚さの布、異物に対応することができる。
(変形例1)
図10〜図12は、レーザーセンサを用いた検知装置の例を示す図である。なお、検知装置以外の他の構成については、上記実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図10〜図12に示すように、検知装置100は、支持台14に固定される土台101と、土台101に上下動自在に設けられ、ハンマー12の一部を囲うと共に、ハンマー12(メス11)の長手方向の延長線上に延在する接触部材としてのステー102と、ステー102に配置された検知部材としてのレーザーセンサ103と、ステー102の下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置されるように、当該ステー102を下方に向けて付勢する付勢部材としてのバネ104と、を備えている。
土台101は、支持台14にねじ止め等の手段によって固定されている。もちろん、土台101を支持台14と一体形成してもよい。土台101は、支持台14におけるハンマー12の後方側に固定されている。
ステー102は、ハンマー12よりも下方に配置された板状の部材であり、先端が二股に分岐するように形成されている。そして、二股に形成された一方の先端102aと他方の先端102bとがハンマー12(メス11)の長手方向の延長線上に沿った方向に並ぶように形成されている。
ステー102の一端は上方に延びるように屈曲形成され、かかる屈曲部にはステー102の上下方向に沿って延びる軸体105が設けられている。軸体105は、土台101に挿通されている。
バネ104は、軸体105に通されており、土台101とステー102との間に挟まれている。バネ104は、ステー102の下端面がハンマー12の下端よりも下方(メス11側)に配置されるように、ステー102を下方に付勢している。
ステー102の一方の先端102aの上面には、レーザーセンサ103aが設けられ、ステー102の他方の先端102bの上面には、レーザーセンサ103bが設けられている。
図11,図12に示すように、レーザーセンサ103a,103bは互いに対向するように配置され、一方のレーザーセンサ103aからレーザー光を発光し、他方のレーザーセンサ103bで当該レーザー光を受光することができる。レーザーセンサ103a,103bは、ともに制御装置20に接続されており、制御装置20による発光制御、受光の検知を行うことができる。制御装置20は、レーザーセンサ103bがレーザー光を受光したか否かを判断することで、その受光の有無により、軸体105が移動したこと、すなわち、ステー102が土台101に対して相対的に移動したことを検知することができる。
図11,図12に示すように、レーザーセンサ103a,103bによる検知範囲は、二つの押さえ板54の間の領域Aを検知できるようになっており、この領域Aは、メス11の上方にあるハンマー12の移動経路となっている。
このような構成とすることにより、支持台14を下降させて、ハンマー12及びステー102を下降させている場合において、布上に異物があると、ハンマー12よりも先にステー102が異物に当接する。ステー102は異物に当接することでそれ以上の下降が遮られるが、支持台14はハンマー12がメス11に当接するまで下降しようとするため、ハンマー12は引き続き下降する。そのため、ステー102は、バネ104の付勢力に抗して土台101に対して上方に相対的に移動する。その結果、レーザーセンサ103a,103b間で発光及び受光が行われているレーザー光がハンマー12によって遮断され、レーザーセンサ103bによる受光ができなくなる。これにより、レーザーセンサ103a,103bの検知領域Aの範囲においてハンマー12の下方にある異物を検知することができる。
制御装置20は、レーザーセンサ103bがレーザー光を受光しなくなった時点でのハンマー12の下降量に応じて布切りモータ50の駆動を制御する。
(変形例2)
図13は、ひずみゲージを用いた検知装置の例を示す図である。なお、検知装置以外の他の構成については、上記実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、検知装置200は、支持台14に固定される土台201と、土台201に上下動自在に設けられ、ハンマー12の一部を囲うと共に、ハンマー12(メス11)の長手方向の延長線上に延在する接触部材及び付勢部材としてのバネ材202と、バネ材202に設けられた検知部材としてのひずみゲージ203と、を備えている。
土台201は、支持台14にねじ止め等の手段によって固定されている。もちろん、土台201を支持台14と一体形成してもよい。土台201は、支持台14におけるハンマー12の後方側に固定されている。
バネ材202は、一端がハンマー12よりも下方に配置された板バネであり、他端が土台201にねじ止め等の手段によって固定されている。バネ材202の一端は、下降した際にハンマー12よりも先に下方の異物に当接するように配置されている。
ひずみゲージ203は、バネ材202における土台201との固定部近傍に設けられている。ひずみゲージ203は、バネ材202が撓むことによりひずみが生じ、このひずみ量の変化により自身の抵抗値が変化して流れる電流量が変化する。ひずみゲージ203は、制御装置20に接続されており、制御装置20による電流量の変化を検知することができる。制御装置20は、ひずみゲージ203に流れる電流値の変化を検知することで、バネ材202が土台201に対して相対的に移動したことを検知することができる。
このような構成とすることにより、支持台14を下降させて、ハンマー12及びバネ材202を下降させている場合において、布上に異物があると、ハンマー12よりも先にバネ材202が異物に当接する。バネ材202は異物に当接することでそれ以上の下降が遮られるが、支持台14はハンマー12がメス11に当接するまで下降しようとするため、ハンマー12は引き続き下降する。そのため、バネ材202は、弾性変形し、自身が有する弾性力に抗して土台201に対して上方に相対的に移動する。このとき、ひずみゲージ203は、バネ材202の弾性変形により抵抗値が変化し、流れる電流値にも変化が生じる。
よって、制御装置20は、ひずみゲージ203に流れる電流値が変化した時点でのハンマー12の下降量に応じて布切りモータ50の駆動を制御する。
なお、バネ材202として撓みやすい薄板状の板バネを使用することにより、異物検知の感度を上げることができる。
(変形例3)
図14は、光学センサを用いた検知装置の例を示す図である。なお、検知装置以外の他の構成については、上記実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、検知装置300は、支持台14に固定される土台301と、土台301に上下動自在に設けられ、ハンマー12が上下動する領域を包囲するように形成され、下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置された接触部材としての枠体302と、枠体302の下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置されるように、当該枠体302を下方に向けて付勢する付勢部材としてのバネ303と、バネ303の付勢力に抗して枠体302が土台301に対して相対的に移動したことを検知する検知部材としての光学センサ304と、を備えている。
ハンマー12が上下動する領域を包囲するとは、具体例では枠体302の形状であり、上下方向より見て、ハンマー12の周囲の少なくとも一部を囲う形状である。この形状は、四角形状、楕円形状、円形状や、それらの一部が欠けた形状等種々考えられる。
土台301は、支持台14にねじ止め等の手段によって固定されている。もちろん、土台301を支持台14と一体形成してもよい。土台301は、支持台14におけるハンマー12の後方側に固定されている。
枠体302は、ハンマー12の下方に配置され、ハンマー12が上下動する移動領域を包囲するような枠状に形成されている。すなわち、枠体302の内部には、ハンマー12が通過可能な大きさの通過孔が形成され、この通過孔が下降前のハンマー12の直下にある。枠体302の一端は上方に延びるように屈曲形成され、更にミシンの後方に向けて水平方向に延びるように屈曲形成されている。水平方向に延びるように形成された枠体302の一端には、枠体302の上下方向に沿って延びる軸体302bが立設されている。軸体302bは、土台301に挿通されている。軸体302bの上端には、光学センサ304を機能させるためのスリット305が設けられている。
バネ303は、軸体302bに通されており、土台301と枠体302の一端の上面との間に挟まれている。バネ303は、枠体302の下端面がハンマー12の下端よりも下方(メス11側)に配置されるように、枠体302を下方に付勢している。
光学センサ304は、例えば、透過型のフォトセンサである。光学センサ304は、アーム部3に固定されたステー306に設けられている。
光学センサ304は、発光素子と受光素子とを備えており、発光素子から発光された光を受光素子で受光することができるように構成されている。発光素子と受光素子は、互いに対向するように所定の間隔をあけて同一直線上に配置され、発光素子と受光素子との間に障害物(スリット305)が進入すると受光素子が光を検知できなくなり、障害物の存在を検知することができる。
光学センサ304は、軸体302bの上方に設けられている。軸体302bに設けられたスリット305は、軸体302bの上下動により光学センサ304がスリット305を検知できる位置と検知できない位置との間で軸体302bとともに上下動することができる。
光学センサ304は、制御装置20に接続されており、制御装置20による発光制御、受光の検知を行うことができる。制御装置20は、光学センサ304の受光素子が受光したか否かを判断することで、その受光の有無により、スリット305が移動したこと、すなわち、スリット305と共に軸体302bに設けられている枠体302が土台301に対して相対的に移動したことを検知することができる。
このような構成とすることにより、支持台14を下降させて、ハンマー12及び枠体302を下降させている場合において、布上に異物があると、ハンマー12よりも先に枠体302が異物に当接する。枠体302は異物に当接することでそれ以上の下降が遮られるが、支持台14はハンマー12がメス11に当接するまで下降しようとするため、ハンマー12は引き続き下降する。そのため、枠体302は、バネ303の付勢力に抗して土台301に対して上方に相対的に移動する。その結果、光学センサ304がスリット305の存在を検知することにより、ハンマー12の下方に異物の存在を検知することができる。
制御装置20は、光学センサ304の発光素子からの光を受光素子が受光しなくなった時点でのハンマー12の下降量に応じて布切りモータ50の駆動を制御する。
(変形例4)
図15は、レーザー変位計を用いた検知装置の例を示す図である。なお、検知装置以外の他の構成については、上記実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図15に示すように、検知装置400は、支持台14に固定される土台401と、土台401に上下動自在に設けられ、ハンマー12が上下動する領域を包囲するように形成され、下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置された接触部材としての枠体402と、枠体402の下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置されるように、当該枠体402を下方に向けて付勢する付勢部材としてのバネ403と、バネ403の付勢力に抗して枠体402が土台401に対して相対的に移動したことを検知する検知部材としてのレーザー変位計404と、を備えている。
ハンマー12が上下動する領域を包囲するとは、具体例では枠体402の形状であり、上下方向より見て、ハンマー12の周囲の少なくとも一部を囲う形状である。この形状は、四角形状、楕円形状、円形状や、それらの一部が欠けた形状等種々考えられる。
土台401は、支持台14にねじ止め等の手段によって固定されている。もちろん、土台401を支持台14と一体形成してもよい。土台401は、支持台14におけるハンマー12の後方側に固定されている。
枠体402は、ハンマー12の下方に配置され、ハンマー12が上下動する移動領域を包囲するような枠状に形成されている。すなわち、枠体402の内部には、ハンマー12が通過可能な大きさの通過孔が形成され、この通過孔が下降前のハンマー12の直下にある。枠体402の一端は上方に延びるように屈曲形成され、更にミシンの後方に向けて水平方向に延びるように屈曲形成されている。水平方向に延びるように形成された枠体402の一端には、枠体402の上下方向に沿って延びる軸体402bが立設されている。軸体402bは、土台401に挿通されている。軸体402bの上端面には、レーザー変位計404から発光されたレーザー光を反射させる反射面402cが形成されている。
バネ403は、軸体402bに通されており、土台401と枠体402の一端の上面との間に挟まれている。バネ403は、枠体402の下端面がハンマー12の下端よりも下方(メス11側)に配置されるように、枠体402を下方に付勢している。
レーザー変位計404は、アーム部3に固定され、軸体302bの上端面に形成された反射面402cの上方に配置されている。
レーザー変位計404は、発光素子と検出素子とを備えており、発光素子から発光されて反射面402cにより反射されたレーザー光を検出素子上で結像することができるように構成されている。
ここで、軸体402bが移動して反射面402cも移動すると、結像位置も変化するので、その結像位置を検出することで対象物である軸体402bまでの変位量を知ることができる。
レーザー変位計404は、制御装置20に接続されており、制御装置20による発光制御、結像位置の検出を行うことができる。制御装置20は、レーザー変位計404による結像位置の変化により、軸体402bに設けられている枠体402が土台401に対して相対的に移動したことを検知することができる。
このような構成とすることにより、支持台14を下降させて、ハンマー12及び枠体402を下降させている場合において、布上に異物があると、ハンマー12よりも先に枠体402が異物に当接する。枠体402は異物に当接することでそれ以上の下降が遮られるが、支持台14はハンマー12がメス11に当接するまで下降しようとするため、ハンマー12は引き続き下降する。そのため、枠体402は、バネ403の付勢力に抗して土台401に対して上方に相対的に移動する。その結果、レーザー変位計404による結像位置の変化、すなわち、レーザー変位計404から反射面402cまでの距離の変化を検知することにより、ハンマー12の下方に異物の存在を検知することができる。
制御装置20は、レーザー変位計404による反射面402cまでの距離が変化した時点でのハンマー12の下降量に応じて布切りモータ50の駆動を制御する。
(変形例5)
図16は、近接センサを用いた検知装置の例を示す図である。なお、検知装置以外の他の構成については、上記実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、検知装置500は、支持台14に固定される土台501と、土台501に上下動自在に設けられ、ハンマー12が上下動する領域を包囲するように形成され、下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置された接触部材としての枠体502と、枠体502の下端面がハンマー12の下端よりも下方に配置されるように、当該枠体502を下方に向けて付勢する付勢部材としてのバネ503と、バネ503の付勢力に抗して枠体502が土台501に対して相対的に移動したことを検知する検知部材としての近接センサ504と、を備えている。
ハンマー12が上下動する領域を包囲するとは、具体例では枠体502の形状であり、上下方向より見て、ハンマー12の周囲の少なくとも一部を囲う形状である。この形状は、四角形状、楕円形状、円形状や、それらの一部が欠けた形状等種々考えられる。
土台501は、支持台14にねじ止め等の手段によって固定されている。もちろん、土台501を支持台14と一体形成してもよい。土台501は、支持台14におけるハンマー12の後方側に固定されている。
枠体502は、ハンマー12の下方に配置され、ハンマー12が上下動する移動領域を包囲するような枠状に形成されている。すなわち、枠体502の内部には、ハンマー12が通過可能な大きさの通過孔が形成され、この通過孔が下降前のハンマー12の直下にある。枠体502の一端は上方に延びるように屈曲形成され、更にミシンの後方に向けて水平方向に延びるように屈曲形成されている。水平方向に延びるように形成された枠体502の一端には、枠体502の上下方向に沿って延びる軸体502bが立設されている。軸体502bは、土台501に挿通されている。軸体502bは、近接センサ504で検出できるようにするため、導電性を有する金属で形成されている。
バネ503は、軸体502bに通されており、土台501と枠体502の一端の上面との間に挟まれている。バネ503は、枠体502の下端面がハンマー12の下端よりも下方(メス11側)に配置されるように、枠体502を下方に付勢している。
近接センサ504は、取付板505を介してアーム部3に固定され、検出部504aが軸体502bの上端の側方に位置するように配置されている。
近接センサ504は、検出対象となる軸体502bが近づいたことを非接触で検出することができるセンサであり、例えば、電磁誘導を利用した高周波発振型のセンサを用いる。検出コイルより高周波磁界を発生させ、この磁界に検出対象となる軸体502bが近づくと電磁誘導により、軸体502bに誘導電流(渦電流)が流れる。この電流によって、検出コイルのインピーダンスが変化し、発振が停止することで検出することができる。すなわち、軸体502bが移動して近接センサ504の検出部504aに接近すると、検出コイルのインピーダンスが変化するので、この変化を検出することで軸体502bが移動したことを知ることができる。近接センサ504は制御装置20に接続されており、近接センサ504による検出結果を受信することができ、軸体502bに設けられている枠体502が土台501に対して相対的に移動したことを検知することができる。
取付板505は、上下方向に長孔505aが形成され、この長孔505aにねじ506を通すことによりアーム部3に固定されている。すなわち、ねじ506を緩めて取付板505を上下方向にスライドさせることにより、検出部504aの位置を変更することができる。
このような構成とすることにより、支持台14を下降させて、ハンマー12及び枠体502を下降させている場合において、布上に異物があると、ハンマー12よりも先に枠体502が異物に当接する。枠体502は異物に当接することでそれ以上の下降が遮られるが、支持台14はハンマー12がメス11に当接するまで下降しようとするため、ハンマー12は引き続き下降する。そのため、枠体502は、バネ503の付勢力に抗して土台501に対して上方に相対的に移動する。その結果、近接センサ504による検出結果、すなわち、検出コイルのインピーダンスの変化を検出することにより、ハンマー12の下方に異物の存在を検知することができる。
制御装置20は、近接センサ504による検出コイルのインピーダンスの変化した時点でのハンマー12の下降量に応じて布切りモータ50の駆動を制御する。
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、支持台にカメラを設け、予め布のみ載置した状態で撮像した画像と比較することにより、布上の異物を検知するような構成としてもよい。
また、サーモメータや赤外線等により布上に温度の異なる点があるか否かを検知し、予め設定した基準以上の温度を検知した場合には、それが人の手指であると判断して布切り動作を停止させてもよい。
また、枠体が異物に当接して布切りモータの駆動が停止した場合には、警告音や警告灯の点灯によりユーザに知らせることが可能であるが、このとき、停止した位置を制御装置に記憶させておき、異物の除去後に布切りを再開するとその位置から動作が始まるようにしてもよい。
また、上記の検知部材に代えて、リミットスイッチ等の他の検知部材を用いてもよい。
1 穴かがりミシン
2 ベッド部(ミシンベッド)
3 アーム部(ミシンアーム)
4 送り台
11 メス
12 ハンマー
14 支持台
20 制御装置(制御手段)
24 EEPROM(記憶手段)
30 検知装置(検知手段)
31 土台
32 枠体
33 バネ(付勢部材)
34 ポテンショメータ(検知部材)
40 動作機構
50 布切りモータ(駆動装置)
66 操作パネル(設定手段)
100 検知装置(検知手段)
101 土台
102 ステー(接触部材)
103 レーザーセンサ(検知部材)
104 バネ(付勢部材)
200 検知装置(検知手段)
201 土台
202 バネ材(接触部材、付勢部材)
203 ひずみゲージ(検知部材)
300 検知装置(検知手段)
301 土台
302 枠体(接触部材)
303 バネ(付勢部材)
304 光学センサ(検知部材)
400 検知装置(検知手段)
401 土台
402 枠体(接触部材)
403 バネ(付勢部材)
404 レーザー変位計(検知部材)
500 検知装置(検知手段)
501 土台
502 枠体(接触部材)
503 バネ(付勢部材)
504 近接センサ(検知部材)

Claims (3)

  1. ミシンベッドに設けられ、上端に切れ刃が形成されたメスと、
    ミシンベッドに設けられ、上面に被縫製物が載置される送り台と、
    ミシンアームに設けられ、前記メスに対向配置され、前記メスとの間に被縫製物を挟み込んで被縫製物を切断するハンマーと、
    前記ハンマーを支持する支持台と、
    前記支持台に連結され、前記ハンマーを前記メスに向けて接離させる動作機構と、
    前記動作機構に連結され、当該動作機構を動作させる駆動装置と、
    前記駆動装置の駆動を制御する制御手段と、を備え、
    左右の側縫い部を含むボタン穴かがり縫い目を被縫製物に形成する前又は形成した後に、前記制御手段により前記駆動装置を駆動させて前記ハンマーを前記メスに向けて移動させて被縫製物の左右の側縫い部の間にボタン穴を形成する穴かがりミシンの異物検知装置において、
    前記支持台に設けられて前記ハンマーと共に上下動し、前記ハンマーが上下動する領域を包囲し、前記ハンマーよりも下方に配置され、下方に位置する対象物に接する下降位置を検知する検知手段と、
    被縫製物上に異物がないと認定しうる前記ハンマーの初期位置からの下降量の限界値を記憶する記憶手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記検知手段が検知をした時点における前記ハンマーの初期位置からの下降量が前記限界値以上である場合に前記駆動装置の駆動を継続させ、
    前記検知手段が検知をした時点における前記ハンマーの初期位置からの下降量が前記限界値未満である場合に前記駆動装置の駆動を停止させることを特徴とする穴かがりミシンの異物検知装置。
  2. 前記検知手段は、
    前記支持台に固定された土台と、
    前記土台に上下動自在に設けられ、前記ハンマーが上下動する領域を包囲するように形成され、下端面が前記ハンマーの下端よりも下方に配置された接触部材と、
    前記接触部材の下端面が前記ハンマーの下端よりも下方に配置されるように、当該接触部材を下方に向けて付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材の付勢力に抗して前記接触部材が前記土台に対して相対的に移動したことを検知する検知部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシンの異物検知装置。
  3. 前記限界値を設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の穴かがりミシンの異物検知装置。
JP2009189940A 2008-08-29 2009-08-19 穴かがりミシンの異物検知装置 Expired - Fee Related JP5329340B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009189940A JP5329340B2 (ja) 2008-08-29 2009-08-19 穴かがりミシンの異物検知装置
CN 200910171422 CN101660248B (zh) 2008-08-29 2009-08-28 纽扣孔锁边缝纫机的异物检测装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008221942 2008-08-29
JP2008221942 2008-08-29
JP2009189940A JP5329340B2 (ja) 2008-08-29 2009-08-19 穴かがりミシンの異物検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010075680A JP2010075680A (ja) 2010-04-08
JP5329340B2 true JP5329340B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=41788492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009189940A Expired - Fee Related JP5329340B2 (ja) 2008-08-29 2009-08-19 穴かがりミシンの異物検知装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5329340B2 (ja)
CN (1) CN101660248B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114606668B (zh) * 2022-04-02 2023-05-09 浙江越隆缝制设备有限公司 一种压脚控制方法及应用该方法的刺绣机

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6056515B2 (ja) * 1982-01-14 1985-12-10 リツカ−株式会社 ミシンの安全装置
JPH0433838Y2 (ja) * 1986-09-24 1992-08-12
US5361713A (en) * 1992-02-05 1994-11-08 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Work sheet cutting blade with continuous blade displacement detection
JP2001232082A (ja) * 1999-12-14 2001-08-28 Juki Corp ボタン穴かがり縫いミシン
JP2002306878A (ja) * 2001-04-16 2002-10-22 Brother Ind Ltd ミシン及びミシンの布押え装置
JP2006087808A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Brother Ind Ltd 鳩目穴かがりミシン
CN1924145B (zh) * 2005-08-29 2011-02-16 兄弟工业株式会社 圆头锁眼缝纫机的切布装置
JP4892891B2 (ja) * 2005-08-29 2012-03-07 ブラザー工業株式会社 鳩目穴かがりミシンの布切断装置
JP4915118B2 (ja) * 2006-03-28 2012-04-11 ブラザー工業株式会社 ミシン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010075680A (ja) 2010-04-08
CN101660248A (zh) 2010-03-03
CN101660248B (zh) 2013-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI363115B (ja)
JP3276891B2 (ja) ボタン穴かがりミシン
JP5957199B2 (ja) 布端位置検出装置及びミシン
US8261679B2 (en) Sewing machine provided with needle bar rocking mechanism
US20100313805A1 (en) Sewing apparatus and computer-readable medium storing program for sewing apparatus
JP2006102396A (ja) ミシン
JP5329340B2 (ja) 穴かがりミシンの異物検知装置
JP2009011544A (ja) ミシン
JP2011136127A (ja) ミシン
JP4645870B2 (ja) ミシンの縫外れ検出装置
JP5059435B2 (ja) 玉縁縫いミシン
JP5408947B2 (ja) 穴かがりミシン
JP4769537B2 (ja) 玉縁縫いミシン
JP2006314391A (ja) ミシン
JP5544057B2 (ja) ミシン
JP2001232082A (ja) ボタン穴かがり縫いミシン
JPH0240354B2 (ja)
JP2007289336A (ja) ミシン
JP5318507B2 (ja) 穴かがりミシン
JP2012080942A (ja) ミシン
JP3576083B2 (ja) 縫製不良検出装置
JP4509805B2 (ja) 2本針ミシン
JP2009240379A (ja) ボタン穴かがり縫いミシン
JP2002306878A (ja) ミシン及びミシンの布押え装置
JP2008054965A (ja) 玉縁縫いミシン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5329340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees