JP5328029B2 - 金属板の円筒深絞り加工方法 - Google Patents
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Description
絞り加工はブランクとなる材料の外周をダイスの内部に引込みながら中空の容器に加工する塑性加工で、ブランクのサイズが大きくてもパンチのサイズの2〜2.5倍程度までのケースが一般的であり、成形後にフランジをあまり残さないか全くフランジの無い形状の成形に用いられる。
張出し加工はパンチのサイズに比べてブランクのサイズがかなり大きく、成形中にフランジがダイスの内部にほとんど移動せず、パンチを投影した領域の材料の伸び変形のみで加工する塑性加工である。
前者は、寸動動作をすることによって、一旦歪みが集中しかけた部位とは別の部位にて歪みが発生するようになるために成形性が向上したものである。
後者は、例えば油圧プレスのようにスライドを手動で操作できるタイプで可能な方法であり、前者の効果に加えて、高面圧下で発生した油切れが金型と被加工材料を離すことによって解消されて潤滑性が回復する結果、成形性が向上している。非常に成形が困難な時には、スライドを上昇させた後に材料面に作業者が潤滑油を塗布する場合もある。
油圧プレスは低速成形が可能であるため深絞り加工に適しているが、生産性が低い。これに対して、クランクプレスは加工速度が速いため生産性に優れるという利点があるが、加工速度が速いと割れが生じやすくなるという難点もある。このため、クランクプレスについては深絞り加工性を向上させるために、リンク機構を付設して深絞り成形中の加工速度を遅くしたリンクモーションプレスも使用されている(例えば非特許文献1参照)。
最近、使用頻度が高くなっているサーボプレスは、駆動源にACサーボモータを用いているため、スライドの正転、逆転、停止、速度切替え等を任意に行うことができる。また、プレス加工時の加工速度を調整することによって騒音の低減や、型寿命の向上なども期待できる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、被加工金属板にパンチを押し込んで円筒深絞り加工を施す際、ダイス又は板押えを被加工金属板から一旦離すタイミングを効果の大きい時点に設定することにより、サーボプレスを用いて成形性を向上させた金属板の円筒深絞り加工方法を提供することを目的とする。
このため、サーボプレスを採用することで、プレス加工時のスライド速度を遅くすることなく生産性が著しく向上する。
そこで、絞り加工を行う際、加工途中に被加工金属板から金型を離して被加工金属板表面の潤滑剤膜を再生している(前記特許文献1)。
本発明者等は、前記特許文献1に記載の金属板のプレス成形方法を参考にして、自由にスライドのモーション設定が可能であるサーボプレスを利用することにより、円筒深絞り加工において深絞り加工に及ぼす金型離脱のタイミングの影響について検討し、本発明に到達した。
その結果、予備深絞り加工品に発生した割れの位置から深絞り頂部までの高さを測定し、実際の深絞り加工時に、用いるパンチの肩Rを過ぎ、前記割れが発生した絞り位置までの高さに到達するまでの間に、ダイス又は板押えを被加工金属板から一旦離すことにより、深絞り成形性が向上することがわかった。
以下にその詳細を説明する。
この深絞り加工では絞り深さが23mmとなった時点で、円筒面の頂部から19mmの高さの位置で割れが発生した。
前者では、深絞り高さ78mmの絞り抜きが可能であった。これに対して、後者では、絞り深さが40mmとなった時点で割れが発生した。
その過程で油膜厚さの減少とともに潤滑性は低下するため、被加工金属板表面と板押えおよびダイス表面との間の摩擦係数が上昇し、潤滑性が低下して被加工金属板に割れが発生する原因になる。
そして、その割れは、歪みが最も集中しやすい部位で発生する。
まず、潤滑性を向上させる手段として、板押えを被加工金属板から一旦離す手段を採用する。板押えを被加工金属板から離すと、板押えとダイス間の押圧力が解除されて、一旦歪みが集中しかけた部位とは別の部位にて歪みが発生する効果と、板押えおよびダイス表面の微細凹部内、或いは被加工金属板表面の微細凹部内に高圧で閉じ込められていた潤滑剤が表面に現れて潤滑剤膜を再生し、潤滑性が向上する効果により成形性が向上すると考えられる。板押えを被加工金属板から離す工程に替えてダイスを被加工金属板から離す工程を採用しても全く同じ作用が期待できる。
連続した1ストロークのスライド移動で深絞り加工を行ったときに、割れ発生位置から絞り頂部までの高さに成形する以前に板押えおよびダイスを被加工金属板から一旦離す工程を介在させることが良い理由は、連続した1ストロークのスライド移動で深絞り加工を行ったときに割れ発生位置から絞り頂部までの高さとひずみが集中する位置がほぼ同じこと、またひずみが集中してくる直前で板押えまたはダイスを材料から一旦離して、潤滑性を回復させてやるのが最も成形性向上効果があると考えられる。
したがって、現実に深絞り加工を行おうとする被加工金属板、金型、しわ押え力、使用潤滑剤、並びに加工速度等を全く同じにした予備実験を行って、その条件に応じた割れ発生位置から絞り頂部までの高さHを予め把握しておく必要がある。
なお、前記した通り、逆にパンチによる拘束がなくなる部位が加工される以前に、具体的には、絞り深さが用いるパンチの肩Rに相当する深さに達する以前に、板押えまたはダイスを材料から一旦離してもほとんど成形性向上効果は認められない。
プレス油には前記ノックスラスト3060を用い、しわ押え力;100kN,スライド速度;20spmでシングルモーションの円筒深絞り加工を行った。そして、割れが発生した時点で円筒深絞り加工を終えた。その後、深絞り高さを測定するとともに、割れ発生位置から絞り頂部までの高さを測定した。
その結果は、表1の絞り深さ及び割れ位置の高さに示す通りである。
その結果を併せて表1に示す。
表1に示す結果から、用いるパンチの肩Rを過ぎ、割れが発生した絞り位置までの高さに到達するまでの間に、ダイス又は板押えを被加工金属板から一旦離す工程を介在させることが有効であることが理解される。
Claims (1)
- ダイスと板押えにより固定された被加工金属板にパンチを押し込んで円筒深絞り加工する際に、ダイス、板押え及びパンチの材質・形状、被加工金属板の材質・形状、しわ押え力、潤滑条件並び加工速度なる条件を実際の深絞り加工条件と同じ条件にして予め割れが発生する深絞り高さまで成形する予備深絞り加工を施し、予備深絞り加工品に発生した割れの位置から深絞り頂部までの高さを測定した後、実際の深絞り加工時に、用いるパンチの肩Rを過ぎ、前記割れが発生した絞り位置までの高さに到達するまでの間に、ダイス又は板押えを被加工金属板から一旦離す工程を介在させることを特徴とする金属板の円筒深絞り加工方法。
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