JP5326788B2 - 表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表示領域の表示ムラを補正した表示装置を製造する製造装置、及び表示装置の製造方法に関する。
表示領域に表示素子を有する複数の表示画素が配列されて、画像データに応じた画像表示を行う表示パネルとしては、表示素子として液晶素子を各画素に備える液晶表示パネルや、表示素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と記す)等の発光素子を各表示画素に備える自発光型の表示パネルがある。液晶表示パネルにおいては、液晶素子への電界印加により液晶分子の配向方法が変わることで光透過率が変化し、これによって表示を行う。自発光型の表示パネルにおいては、発光素子への電圧または電流の印加により発光素子が発光することによって表示を行う。
自発光型の表示パネルにおける発光素子をなすEL素子は、アノードとカソードとの間に電子注入層、有機化合物層、正孔注入層が介在した積層構造を為し、アノードとカソードの間に順バイアス電圧が印加されると、電子注入層から有機化合物層に電子が注入され、正孔注入層から有機化合物層に正孔が注入され、有機化合物層内で電子と正孔が再結合を引き起こして有機化合物層が発光する。
自発光型の表示パネルとして、基板上にマトリクス状に配列された、それぞれ赤、緑、青の何れかに発光するEL素子からなる発光素子を有する複数のサブピクセルを有して、画像表示を行うエレクトロルミネッセンスディスプレイパネル(以下、ELディスプレイパネル)が実現化されている。この場合、赤、緑、青のサブピクセルに異なる有機化合物層の原料を含む溶液を塗布し、溶媒を除去することで、赤、緑、青のサブピクセル毎に異なる有機化合物層を形成することができるが、塗布により有機化合物層を形成する場合、有機化合物層の厚さを均一にする制御が難しい。また、EL素子からなる発光素子を構成する他の構成部材にも膜厚や特性等のバラツキが生じることがある。このような表示パネルにおいては、各表示画素に一定の駆動信号を供給しても、表示画素毎の発光素子の特性差による発光輝度のバラツキに起因した輝度ムラや色度ムラが生じやすい。
このような表示パネルにおいて均一な表示を得るために、表示パネルの撮像と電気的特性の測定を組み合わせにより、表示パネルに対応した補正用データを抽出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。ここでは、撮像装置による表示パネルの表示画像の撮像画像から表示パネルの表示画素毎の輝度ムラを正確に検出するためには撮像装置と表示パネルの位置関係を極めて厳密に合わせることが必要であり、撮像画像のみから表示パネルの表示画素毎の輝度ムラを正確に検出することが困難であることから、撮像装置による表示パネルの撮像と撮像によって検出された輝度ムラのあるエリアの各表示画素の電気的特性の測定とを組み合わせることにより、補正用データを抽出するように構成されていた。
特開2007−18876号公報
しかし、特許文献1に記載の測定方法では補正用データの抽出に多大の時間を要するとともに、コストの増加を招いていた。加えて、各表示画素の電気的特性の測定では、測定結果に各表示画素の発光素子の例えば発光効率等の特性のバラツキは正確には反映されない。このため、このような測定方法を用いても、各表示画素の輝度ムラを正確に検出することはでず、正確な補正ができなかった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、表示パネルの表示画像の撮影のみによって表示パネルの各表示画素の輝度ムラや色度ムラを正確に検出して、表示パネルの輝度ムラや色度ムラの補正を行うことができるようにすることを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、表示領域に表示素子を有する複数の画素が配列された表示パネルを有する表示装置の製造装置であって、各々が撮像画素をなす複数の撮像素子が配列された受光面を有し、該受光面が前記表示領域の表示面と対向配置されて、前記表示領域を撮像する撮像領域を有する撮像装置と、前記表示装置及び前記撮像装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記表示領域の予め設定した異なる3箇所以上の複数の表示位置の各々に位置合わせマークを表示させ、前記撮像装置による前記表示領域の前記各位置合わせマークを含む領域の撮像画像より算出した、前記各位置合わせマークに対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付けるパラメータを算出するパラメータ算出部と、前記表示領域に前記各画素の前記表示素子を一定の駆動条件で駆動した画像を表示させ、前記撮像装置による前記表示領域の撮像画像に基づく画像データを取得し、前記パラメータと取得した前記画像データに基づいて前記表示パネルの前記各画素間の表示ムラを補正する補正係数を算出して、前記表示装置に記憶させる補正係数算出部と、前記複数の表示位置における一つの特定の表示位置に、前記位置合わせマークとして、重心位置が互いに同じで形状が互いに異なる複数の欠陥検査用位置合わせマークを順次表示させ、前記撮像装置による前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々に対する撮像画像に基づいて前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々の重心に対応する前記撮像画素の複数の座標を算出し前記各座標の前記各欠陥検査用位置合わせマーク間の差分に基づいて前記表示パネルの前記特定の表示位置の前記各画素のいずれかに欠陥が存在するか否かを判別する欠陥判別部と、を有することを特徴とする表示装置の製造装置が提供される。
好ましくは、前記撮像画像における1つ以上の前記撮像画素は前記表示パネルの1つの前記画素に対応する。
好ましくは、前記パラメータ算出部は、前記各位置合わせマークの重心位置に対応する前記撮像画素の座標を算出し、前記重心位置に対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記パラメータを算出する。
好ましくは、前記表示パネルは、前記複数の画素が赤色、緑色、青色、の何れかの表示色を有してカラー表示を行うものであり、赤色と緑色と青色の一組の前記画素が一つの表示画素をなし、前記補正係数算出部は、前記補正係数を前記各表示画素に対応する値として算出する。
好ましくは、前記補正係数算出部は、前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各表示画素の三刺激値を取得し、取得した前記各表示画素の三刺激値の値と、前記各表示画素を白色表示とする場合の理想的な三刺激値の値と、に基づいて前記補正係数を算出する。
好ましくは、前記表示パネルは、前記複数の画素が同じ表示色を有して単色表示を行うものであり、前記補正係数算出部は、前記補正係数を前記各画素に対応する値として算出する。
好ましくは、前記補正係数算出部は、前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各画素の輝度値を取得し、取得した前記各画素の輝度値と、前記各画素の理想的な輝度値と、に基づいて前記補正係数を算出する。
好ましくは、前記表示パネルが載置される載置台を有し、前記制御装置は、前記表示領域を前記撮像領域に対応した大きさを有する複数の区分表示領域に分割し、前記載置台又は前記撮像装置の何れかを移動させて、前記各区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる位置調整部を有し、前記パラメータ算出部は、前記各位置合わせマークを表示させる前記表示位置を、前記表示領域における前記撮像領域に対応する領域内に設定し、前記位置調整部により一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、前記各位置合わせマークを含む領域の撮像画像に基づく画像データを取得して、当該区分表示領域内の前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付ける前記パラメータを算出する動作を、全ての前記区分表示領域に対して実行し、前記補正係数算出部は、前記位置調整部により一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、当該区分表示領域の撮像画像に基づく画像データを取得する動作を、全ての前記区分表示領域に対して実行し、前記パラメータと取得した前記画像データに基づいて前記補正係数を算出する
本発明の他の態様によれば、表示領域に表示素子を有する複数の画素が配列された表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、前記表示領域の表示面と、各々が撮像画素をなす複数の撮像素子が配列された撮像装置の受光面とを対向配置し、前記表示領域の予め設定した異なる3箇所以上の複数の表示位置の各々に位置合わせマークを表示させるステップと、撮像装置により前記表示領域の前記各位置合わせマークを含む領域を撮像して、撮像画像に基づく画像データを取得するステップと、前記各位置合わせマークに対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付けるパラメータを算出するステップと、前記表示領域に前記各画素の前記表示素子を一定の駆動条件で駆動した画像を表示させ、前記撮像装置により前記表示領域を撮像して、撮像画像に基づく画像データを取得するステップと、前記パラメータと取得した前記画像データに基づいて前記表示パネルの前記各画素間の表示ムラを補正する補正係数を算出するステップと、算出した補正係数を前記表示装置に記憶させるステップと、を含み、前記位置合わせマークを表示させるステップは、前記複数の表示位置における一つの特定の表示位置に、前記位置合わせマークとして、重心位置が互いに同じで形状が互いに異なる複数の欠陥検査用位置合わせマークを順次表示させるステップと、前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々に対する撮像画像に基づいて前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々の重心に対応する前記撮像画素の複数の座標を算出するステップと、算出した前記各座標の前記各欠陥検査用位置合わせマーク間の差分に基づいて前記表示パネルの前記特定の表示位置の前記各画素のいずれかに欠陥が存在するか否かを判別するステップと、を含むことを特徴とする表示装置の製造方法が提供される。
好ましくは、前記パラメータを算出するステップは、前記各位置合わせマークの重心位置に対応する前記撮像画素の座標を算出するステップと、算出された前記各位置合わせマークの重心に対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記パラメータを算出するステップと、を含む。
好ましくは、前記表示パネルは、前記複数の画素が赤色、緑色、青色、の何れかの表示色を有してカラー表示を行うものであり、赤色と緑色と青色の一組の前記画素が一つの表示画素をなし、前記補正係数を算出するステップにおいて、前記補正係数を前記各表示画素に対応する値として算出する。
好ましくは、前記補正係数を算出するステップは、算出された前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各表示画素の三刺激値を取得するステップと、取得した前記各表示画素の三刺激値の値と、前記各表示画素を白色表示とする場合の理想的な三刺激値の値と、に基づいて前記補正係数を算出するステップと、を含む。
好ましくは、前記表示パネルは、前記複数の画素が同じ表示色を有して単色表示を行うものであり、前記補正係数を算出するステップにおいて、前記補正係数を前記各画素に対応する値として算出する。
好ましくは、前記補正係数を算出するステップは、算出された前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各画素の輝度値を取得するステップと、取得した前記各画素の輝度値と、前記各画素の理想的な輝度値と、に基づいて前記補正係数を算出するステップと、を含む。
好ましくは、前記表示領域を前記撮像領域に対応した大きさの複数の区分表示領域に分割し、前記複数の区分表示領域の各々と前記撮像領域とを対向配置させるステップを含み、前記パラメータを算出するステップは、前記各位置合わせマークを表示させる前記表示位置を、前記表示領域における前記撮像領域に対応する領域内に設定するステップと、一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、前記各位置合わせマークを含む領域の撮像画像に基づく画像データを取得するステップと、を全ての前記区分表示領域に対して実行するステップを含み、前記パラメータを算出するステップは、前記各区分表示領域内の前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付ける前記パラメータを算出するステップを全ての前記区分表示領域に対して実行するステップを含み、前記補正係数を算出するステップは、前記位置調整部により一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、当該区分表示領域の撮像画像に基づく画像データを取得するステップを全ての前記区分表示領域に対して実行するステップを含み、算出した前記パラメータと取得した前記データに基づいて前記補正係数を算出する
本発明によれば、表示パネルの表示画像の撮影のみによって表示パネルの各表示画素の輝度ムラや色度ムラを正確に検出して、表示パネルの輝度ムラや色度ムラの補正を行うことができる。
本発明に係る表示装置の概略図である。 本発明に係わる表示装置の表示領域における1つのサブピクセルの駆動回路の一例を示す回路図である。 第1の実施形態における表示装置の補正係数を取得して記録するプロセスを示すフロー図である。 第1の実施形態における表示領域の輝度ムラ、色度ムラの測定に用いる測定装置の概略図である。 第1の実施形態における表示領域に4つの位置合わせマークを表示した状態を示す模式図である。 第1の実施形態における撮像装置の撮像領域と表示領域の関係を示す模式図である。 (a)〜(d)は第2の実施形態における撮像装置の撮像領域と表示領域の関係を示す模式図である。 (a)〜(d)は第2の実施形態における撮像装置の撮像領域と表示領域の関係の他の例を示す模式図である。 表示領域に表示する位置合わせマークの形態例である。 表示領域30の位置合わせマークを表示する一つの第1の表示位置に対する処理動作を示すフロー図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下の説明においては、表示パネルが表示素子としてEL素子からなる発光素子を有するELスディスプレイパネルである場合について説明するが、本発明はこれに限らず、任意の発光素子を用いた発光パネルに適用可能である。また、本発明は表示パネルが発光パネルの他の、例えば液晶表示パネル等である場合でも同様に適用可能である。なお、以下の説明において、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)という用語をELと略称する。
図1は、本発明に係る表示装置1の概略図であり、図2は本発明に係わる表示装置1の、表示パネル35の表示領域30における1つのサブピクセル(表示画素)の駆動回路12の一例を示す回路図である。なお、実際には、より多くの行数及び列数分のサブピクセル(画素)が配列されている。この表示パネル35は、アクティブマトリクス駆動方式で動作するカラーディスプレイである。
図1に示すように、表示装置1は、表示素子としてEL素子からなる発光素子を有する複数のサブピクセルが2次元配列されたELディスプレイパネルからなる表示パネル35と、表示パネル35外に設けられた制御部20と、表示パネル35の表示領域30外に設けられた走査ドライバ22と、データドライバ23と、電源ドライバ24と、を備える。制御部20はメモリ21を備え、メモリ21には、後述する補正係数や種々のパラメータが保存されている。そして、制御部20は、外部から入力される表示信号に補正係数に応じた補正処理を施した後、走査ドライバ22、データドライバ23及び電源ドライバ24に信号を出力する。
また、表示パネル35の表示領域30には、走査ドライバ22に接続される複数の走査線2、データドライバ23に接続される複数の信号線3、電源ドライバ24に接続される複数の電源線4が配設されている。
走査線2は互いに平行となるよう配列され、信号線3は走査線2と直交するよう配列され、電源線4は隣り合う走査線2の間において走査線2と平行になるように設けられている。
走査線2と信号線3によって囲まれた一つの矩形領域がサブピクセルとなり、複数のサブピクセルがマトリクス状に配列されている。「赤、緑、青」の3色のサブピクセルが一つの表示画素となる。
図2に示すように、各サブピクセルにおける駆動回路12は、例えば、薄膜トランジスタ5,6,7及びキャパシタ8を有し、有機EL素子(表示素子)10に接続されている。以下、薄膜トランジスタ5をスイッチトランジスタ5と称し、薄膜トランジスタ6を保持トランジスタ6と称し、薄膜トランジスタ7を駆動トランジスタ7と称する。
それぞれのサブピクセルでは、スイッチトランジスタ5のゲートが走査線2に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方が信号線3に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの他方が有機EL素子10のアノード、キャパシタ8の一方の電極82及び駆動トランジスタ7のソースとドレインのうちの一方に接続されている。駆動トランジスタ7のソースとドレインのうちの他方が電源線4に接続され、駆動トランジスタ7のゲートがキャパシタ8の他方の電極81及び保持トランジスタ6のドレインとソースのうちの一方に接続されている。保持トランジスタ6のドレインとソースのうちの他方が電源線4に接続され、保持トランジスタ6のゲートが走査線2に接続されている。
全てのサブピクセルの有機EL素子10はカソードを共通電極とし、カソードは例えば接地されることにより一定電圧Vcomに保たれている。有機EL素子10の発光色については、同一の行の有機EL素子10は赤、緑、青の順に配列され、同一の列の有機EL素子10は同じ色となっている。
表示領域30の周囲において走査線2が走査ドライバ22に接続され、電源線4が電源ドライバ24に接続され、信号線3がデータドライバ23に接続され、これらドライバによって表示領域30の各サブピクセルがアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。なお、図2においては、各サブピクセルの駆動回路12が3個の薄膜トランジスタを有して構成されるものとしたが、本発明における駆動回路12はこれに限定されるものではなく、例えば2個の薄膜トランジスタを有して構成されるものであってもよく、4個以上の薄膜トランジスタを有して構成されるものであってもよい。
<第1の実施形態>
次に、本発明に係わる第1の実施形態について説明する。
本実施形態は、概略、まず、表示領域30に表示された位置合わせマークとその近傍の表示画像を撮像装置41により撮像し、その撮像画像に基づいて、撮像画像における各撮像画素と表示領域30の各サブピクセルとの対応付けを行う。これによって撮像画像に基づいてELディスプレイパネル1のサブピクセル毎の輝度値や色度の値を正確に求めることができるようになる。次いで、表示ムラ測定用の表示画像を撮像し、この撮像画像から輝度ムラや色度ムラを補正するための補正係数を取得し、これを表示装置1のメモリ21に記憶させる。これにより、表示装置1の実使用時において、この記憶された補正係数に基づく補正を行って、表示パネル35の輝度ムラや色度ムラを抑制することができる。
本実施形態における、表示装置1の補正係数を取得して記録するプロセスの概要について図3、図4を用いて説明する。まず、通常のプロセスにより、表示パネル35を製造する(ステップS1)。次に、既存の電気的特性の測定等の手法により、表示領域30の各サブピクセルの駆動回路12の薄膜トランジスタ5,6,7やキャパシタ8の特性に基づくバラツキを補正する(ステップS2)。次に、表示領域30の設定した位置に所定の位置合わせマークを表示させる。そして、これを撮像装置41により撮像する(ステップS3)。次に、撮像装置41の撮像によって取得した撮像画像における位置合わせマークの重心座標に対応した撮像画素の位置と、表示領域30における位置合わせマークの表示位置のサブピクセルの座標との関係に基づいて、表示領域30の各サブピクセルと撮像装置41の撮像画素との対応関係を求める(ステップS4)。次に、表示領域30の全表示画素を白表示状態とする駆動条件で駆動して、表示領域30に輝度ムラ、色度ムラを測定するための表示をさせる。そして、この表示画像を撮像装置41により撮像する(ステップS5)。そして、撮像によって取得した撮像画像より表示領域30の輝度ムラ、色度ムラを測定し、その結果に基づいて補正係数を算出して取得する(ステップS6)。そして、この補正係数をメモリ21に記録する(ステップS7)。
次いで、更に具体的に説明する。
図4は、本実施形態における表示領域30の輝度ムラ、色度ムラの測定に用いる測定装置の概略図である。測定装置は、図4に示すように、例えばXYステージからなる載置台100と、コンピュータ(制御装置)40と、撮像装置41と、を有し、載置台100上に表示パネル35と制御部20を有する表示装置1が搭載される。
ここで、本実施形態における表示パネル35の表示領域30の大きさは、撮像装置41の撮像領域50の大きさと同じかそれより小さい値を有する。撮像装置41は、限定するものではないが例えばCCDカメラからなり、撮像画像の各撮像画素をなす複数の撮像素子が配列された受光面を有し、表示装置1の表示領域30と撮像装置41の受光面が対向配置されている。そして、載置台100又は撮像装置41の少なくとも何れか一方の位置を調整して、撮像装置41の撮像領域50が表示領域30を含むように設定されて、撮像装置41は、表示領域30に表示された画像全体を一度に撮影することができるように構成されている。また、撮像装置41の撮像画像における撮像画素の配列密度からなる解像度は、表示領域30のサブピクセルの配列密度より充分に高い値に設定されて、1つ以上の撮像画素が1つのサブピクセルに対応するように構成されている。コンピュータ40は表示装置1の制御部20及び撮像装置41に接続されている。
撮像装置41は、例えば、撮像によって取得した撮像画像に基づく光学的三刺激値(X,Y,Z)信号やRGB信号をコンピュータ40に出力する。コンピュータ40は、図示しないが、撮像装置41から出力された光学的三刺激値(X,Y,Z)信号やRGB信号等を記録するメモリを備える。なお、撮像装置41から撮像画像をコンピュータ40に出力し、コンピュータ40において光学的三刺激値(X,Y,Z)信号やRGB信号を抽出するように構成されるものであってもよい。
本発明においては、撮像装置41による撮像画像に基づいて、表示装置1の表示領域30の輝度ムラ、色度ムラを検出する。なお、薄膜トランジスタ5,6,7やキャパシタ8の特性によるばらつきは、既存の方法によりあらかじめ補償されているものとする(ステップS2)。
表示装置1の表示領域30のサブピクセルと、撮像装置41の撮像領域の撮像画素との対応関係は、以下の方法により求める。
図5は本実施形態における表示装置1の表示領域30に4つの位置合わせマーク31〜34を表示した状態を示す模式図である。コンピュータ40は、まず、図5に示すように、表示装置1の表示領域30の予め設定された位置に、十字形の位置合わせマークを複数表示させる(ステップS3)。ここでは4つの位置合わせマーク31〜34を表示させる場合について説明するが、本実施形態においては、後述するように、この位置合わせマークは少なくとも3つあればよい。なお、このとき表示領域30には位置合わせマークのみを表示するようにし、位置合わせマーク以外の領域は例えば黒表示に設定する。
このとき、位置合わせマークを表示するために点灯させる表示領域30におけるサブピクセルの座標(i,j)は予め設定された値を有する。ここで、各位置合わせマーク31〜34の予め設定された各重心(図心)座標を(i_o_1,j_o_1)、(i_o_2,j_o_2)、(i_o_3,j_o_3)、(i_o_4,j_o_4)とする。
なお、サブピクセルは赤、緑、青の3色のいずれかを有するが、位置合わせマークを表示するために点灯させるサブピクセルは、赤、緑、青のいずれかの1つの色のサブピクセルのみでよい。赤色のサブピクセルのみを点灯させるように設定した場合には、三刺激値のうちXのみを撮像装置41で検出すればよい。同様に、緑色のサブピクセルのみを点灯させるように設定した場合には、三刺激値のうちYのみを、青色のサブピクセルのみを点灯させるように設定した場合には、三刺激値のうちZのみを、撮像装置41で検出すればよい。以下においては、緑色のサブピクセルのみを点灯させるように設定して、三刺激値のうちYのみを撮像装置41で検出する場合について説明する。
図6は、本実施形態における撮像装置41の撮像領域50と表示領域30の関係を示す模式図である。表示装置1の表示領域30における位置合わせマーク31〜34の座標が既知であるので、撮像装置41の撮像領域50において位置合わせマーク31〜34に対応するおおよその領域も既知である。
撮像装置41の撮像領域50において、位置合わせマーク31に対応する領域51の各座標(撮像画素)のY刺激値を検出する。ここで、領域51を、撮像装置41の撮像領域50において[I_1,J_1]×[I_2,J_2]の範囲であるとする。
ここで、コンピュータ40の処理について説明する。
まず、コンピュータ40は、この領域51において、撮像装置41でY刺激値を検出する。次に、コンピュータ40は、各座標におけるY刺激値が、あらかじめ設けた閾値よりも大きいか否かを判断し、閾値よりも大きければ1を、閾値よりも小さければ0を、各座標に対応するデータ値とし、これをメモリセルに記録する。これにより、2値化されたデータ行列D(I,J)がメモリセルに記録される。
次に、コンピュータ40は、D(I,J)より、位置合わせマーク31の重心(図心)座標(i_o_1,j_o_1)に対応する撮像領域50上の座標(I_o_1,J_o_1)を算出する。具体的には、数式(1)、(2)により算出する。
Figure 0005326788
Figure 0005326788
同様にして、位置合わせマーク32〜34に対応する領域52〜54の各座標のY刺激値を検出し、(i_o_2,j_o_2)、(i_o_3,j_o_3)、(i_o_4,j_o_4)に対応する撮像領域50上の座標(I_o_2,J_o_2)、(I_o_3,J_o_3)、(I_o_4,J_o_4)を算出する。
なお、ELディスプレイ1の表示領域30において、4つの位置合わせマーク31〜34を1つずつ順次表示させ、撮像領域50の全域でY刺激値を検出することで、(i_o_1,j_o_1)、(i_o_2,j_o_2)、(i_o_3,j_o_3)、(i_o_4,j_o_4)に対応する撮像領域50上の座標(I_o_1,J_o_1)、(I_o_2,J_o_2)、(I_o_3,J_o_3)、(I_o_4,J_o_4)を算出してもよい。
次に、コンピュータ40は、表示装置1の表示領域30の座標(i,j)と、撮像装置41の撮像領域50の座標(I,J)との対応関係を求める(ステップS4)。
具体的には、座標(I,J)と座標(i,j)との関係を示す数式(3)のa11,a12,a21,a22,b,bの6つのパラメータを最小二乗法により求める。
Figure 0005326788
コンピュータ40は、以下の数式(4)により、a11,a12,a21,a22,b,bの解を求める。
Figure 0005326788
なお、本実施形態においては、n=4であるが、nは3以上であればよく、位置合わせマークの数を更に増やしてもよい。最小二乗法を用いているので、データ点数が多いほど確実性が向上する。なお、位置合わせマークの重心座標が一直線上に並ぶような場合には、数式(4)において逆行列が求められないため、好ましくない。
パラメータa11,a12,a21,a22,b,bの個数(6)は、表示領域30の撮像装置41との相対的な配置関係の自由度の個数と対応している。すなわち、パラメータa11,a12,a21,a22は、平面上の回転ズレ(1パラメータ)、表示面の撮像面に対する傾きズレ(2パラメータ)、ELディスプレイ1の撮像装置41との距離ズレ(1パラメータ)に対応し、パラメータb,bは表示領域30と撮像領域50とを平面視したときの上下・左右方向のズレ(2パラメータ)に対応する。ここで、表示領域30と撮像装置41との配置関係は不動であることが好ましいが、通常、載置台100への表示装置1の交換等が必要であるため、交換に伴う機械的なある程度のズレは避けられない。しかしながら、本発明の方法によれば、そのような機械的なズレがあっても、a11,a12,a21,a22,b,bのパラメータを算出し、ELディスプレイ1の表示領域30の座標(i,j)と、撮像装置41の撮像領域50の座標(I,J)との対応関係を求めるので、表示領域30の座標(i,j)に対応する撮像領域50の座標(I,J)を常に正確に認識することができる。以上の方法により、表示装置1の表示領域30の各サブピクセルの座標(i,j)と撮像装置41の撮像領域の各撮像画素の座標(I,J)との対応関係を求めることができる。
次に、コンピュータ40は、表示領域30の全サブピクセルを、各サブピクセルの有機EL素子10に一定の電流を供給する駆動条件で駆動して、全ての表示画素を白表示状態とする。そして、表示領域30を撮像装置41により撮像して、撮像領域50の各撮像画素の座標(I,J)の三刺激値(X,Y,Z)を取得する(ステップS5)。そして、コンピュータ40は、上記数式(3)を用いて表示領域30の各サブピクセルの座標(i,j)に対応する撮像領域50の各撮像画素の座標(I,J)を算出し、座標(I,J)の三刺激値(X,Y,Z)を、対応する座標(i,j)の各サブピクセルから出力された光の三刺激値としてメモリセルに記憶する。なお、数式(3)のI、Jが整数とならない場合には、四捨五入をする。なお、撮像装置41の解像度がELディスプレイパネル1の解像度と比較して充分に高いので、隣接する2またはそれ以上の座標における三刺激値の平均をとり、対応するメモリセルに記憶する構成としてもよい。
ここで、三刺激値を用いる場合の色度ムラの補正方法について説明する。色度ムラの補正前に、「赤、緑、青」の3色のサブピクセルからなる任意の表示画素で補正前の白色を表示させた場合における、赤色のサブピクセルの三刺激値を(X_r,Y_r,Z_r)、緑色のサブピクセルの三刺激値を(X_g,Y_g,Z_g)、青色のサブピクセルの三刺激値を(X_b,Y_b,Z_b)とする。このとき、この表示画素における三刺激値は、各色の三刺激値を加算することによって求めることができて、(X_r+X_g+X_b,Y_r+Y_g+Y_b,Z_r+Z_g+Z_b)となる。白色表示における理想的な三刺激値を(X_w,Y_w,Z_w)とすると、数式(5)が成立することが好ましい。しかし、有機化合物層の厚さの違い等に起因して輝度ムラや色度ムラが生じるため、通常は数式(5)が成立しない。
Figure 0005326788
このため、本発明では、各表示画素毎に補正係数(R,G,B)を算出する。そして、この補正係数(R,G,B)をメモリ21に保存する(ステップS7)。この補正係数(R,G,B)は、白色表示させる場合に、制御部20が赤色のサブピクセルに対する出力値をR倍、緑色のサブピクセルに対する出力値をG倍、青色のサブピクセルに対する出力値をB倍することで、表示画素における三刺激値が理想的な白色の三刺激値(X_w,Y_w,Z_w)となるような値である。すなわち、数式(6)が成り立つ。
Figure 0005326788
コンピュータ40は、このような補正係数(R,G,B)を表示画素毎に求める。具体的には、コンピュータ40は、以下の数式(7)により補正係数(R,G,B)を算出する。
Figure 0005326788
なお、各色のサブピクセル毎に補正係数を求めてもよい。
コンピュータ40は、求めた補正係数(R,G,B)を、ELディスプレイパネル1のメモリ21に表示画素毎に対応付けてメモリ21に保存する。以上により、ELディスプレイパネル1が完成する。
このように製造されたELディスプレイパネル1では、制御部20が外部から入力される表示信号に対し、メモリ21に記録された補正係数を乗算した補正値をもとに表示を行う。すなわち、制御部20は、表示信号の赤色成分をR倍し、緑色成分をG倍し、青色成分をB倍する補正処理を行う。なお、表示データと輝度の関係が線形でない(いわゆるγを持つ)場合には、輝度の値は表示データのγ乗の値に対応するため、補正係数の1/γ乗の値を乗算する。
このように、本発明によれば、位置合わせマークの表示を用いて正確にELディスプレイ1の表示領域30の各サブピクセルの座標(i,j)と撮像装置41の撮像領域50の各撮像画素の座標(I,J)との対応関係を求めるので、有機化合物層の厚さのバラツキ等に起因した輝度ムラや色度ムラと、トランジスタの特性に起因するムラとが混在する場合にも、両者のそれぞれを抽出して補正することができる。したがって、ELディスプレイパネルの表示の均一性を著しく向上させることができる。
〔モノクロパネルの場合〕
次に、ELディスプレイ1がモノクロパネルである場合について説明する。この場合には、上記の「赤、緑、青」の3色のサブピクセルが一表示画素となる構成に対して、全てのサブピクセルが同じ色であり、一つのサブピクセルが一表示画素に相当することになる。また、ELディスプレイ1がモノクロパネルである場合には、撮像装置41もモノクロでよい。モノクロCCDは通常は三刺激値のうちのYのみを出力するものであるが、原理的には三刺激値のうちのXだけ出力するモノクロCCDや三刺激値のうちのZだけ出力するモノクロCCDも考えられる。通常であればYのみを出力するものを使えば良いが、評価するモノクロ表示装置が、赤っぽい単色の場合はX出力のもの、青っぽい単色であればZ出力のものを使うとCCDの光感度が増大し測定精度もよくなることが期待できる。
この場合には、ステップ5において、ELディスプレイ1の全サブピクセルを点灯させ、撮像装置41により撮像して、撮像領域50の各撮像画素の座標(I,J)のY値を取得する(ステップS5)。そして、コンピュータ40は、上記数式(3)を用いて表示領域30の各サブピクセルの座標(i,j)に対応する撮像領域50の各撮像画素の座標(I,J)を算出し、座標(I,J)の輝度を、対応する座標(i,j)のサブピクセルから出力された光の輝度としてメモリセルに記憶する。
その後、各サブピクセルに対応して補正係数を算出してメモリ21に保存する。補正係数は、上記色(7)と同様に、サブピクセルの理想的な輝度を測定された各サブピクセルの輝度で除することで算出すればよい。
<第2の実施形態>
次いで、本発明に係わる第2の実施形態について説明する。
本実施形態においては、表示パネル35の表示領域30の大きさが、撮像装置41の撮像領域50の大きさより大きい値を有する。本実施形態においては、撮像装置41による1回の撮像では表示領域30の全体を撮像できないため、表示領域30を複数に分割して、複数回の撮像を行うことにより表示領域30全体を撮像するように構成される。
図7は、本実施形態における撮像装置41の撮像領域50と表示領域30の関係を示す模式図である。
本実施形態においては、表示領域30を撮像装置41の撮像領域50に収まる複数の区分表示領域に分ける。例えば図7(a)に示す例においては、表示領域30を4つの区分表示領域30A〜30Dに分ける。そして、撮像装置41の撮像領域50の外周部の少なくとも一部が隣接する区分表示領域30A〜30Dの何れかと重なるようにして撮像する。このとき、区分表示領域30Aを撮像する場合には、図7(a)に示すように、位置合わせマーク32、33、34を、例えば隣接する区分表示領域30B、30C、30Dに表示させる。同様に、区分表示領域30Bを撮像する場合には、図7(b)に示すように、位置合わせマーク31、33、34を例えば隣接する区分表示領域30A、30C、30Dに表示させる。区分表示領域30Cを撮像する場合には、図7(c)に示すように、位置合わせマーク31、32、34を例えば隣接する区分表示領域30A、30B、30Dに表示させる。区分表示領域30Dを撮像する場合には、図7(d)に示すように、位置合わせマーク31、32、33を例えば隣接する区分表示領域30A、30B、30Cに表示させる。
本実施形態においても上記図4に示したものと同等の測定装置を用いる。そして、撮像装置41又は載置台100の何れか一方を移動させて、各区分表示領域と撮像装置41の受光面とを対向配置させて、上記第1の実施形態と同様の手順により、位置合わせマークの撮像に基づいて各撮像画素と区分表示領域の各サブピクセルとの対応付けを行った後、輝度ムラ、色度ムラ評価用の表示を撮像した画像から輝度ムラや色度ムラを補正するための補正係数を取得する。
すなわち、既存の電気的特性の測定等の手法により、区分表示領域30A又は表示領域30の各サブピクセルの駆動回路12の薄膜トランジスタ5,6,7やキャパシタ8の特性に基づくバラツキを補正する(ステップS2)。次に、像装置41又は載置台100の何れか一方を移動させて区分表示領域30Aと撮像装置41の受光面とを対向配置させ、図7(a)に示すように撮像装置41の撮像領域50が区分表示領域30Aを含むように配置する。そして、区分表示領域30B、30C、30Dの設定した表示位置に位置合わせマーク32〜34を表示させて、撮像装置41により撮像する(ステップS3)。次に、撮像装置41の撮像によって取得した撮像画像における位置合わせマークの重心座標に対応した撮像画素の位置と、区分表示領域30B、30C、30Dにおける位置合わせマークの表示位置のサブピクセルの座標との関係に基づいて、区分表示領域30Aの各サブピクセルと撮像装置41の撮像画素との対応関係を求める(ステップS4)。次に、区分表示領域30A又は表示領域30の全表示画素を白表示状態とする駆動条件で駆動して、区分表示領域30Aの全面に輝度ムラ、色度ムラを測定するための表示をさせ、これを撮像装置41により撮像する(ステップS5)。そして、撮像によって取得した撮像画像より区分表示領域30Aの輝度ムラ、色度ムラを測定し、その結果に基づいて補正係数を算出して取得する(ステップS6)。以上の動作を、像装置41又は載置台100の何れか一方を移動させて、図7(a)に示すように各区分表示領域30B〜30Dと撮像装置41の受光面とを対向配置させ、撮像装置41の撮像領域50が各区分表示領域30B〜30Dを含むように配置して、区分表示領域30B、30C、30Dについても同様に行い、取得した各区分表示領域30A〜30Dに対する補正係数をメモリ21に記録する(ステップS7)。
なお、上記図7(a)〜(d)に示した構成においては、各区分表示領域を撮像する場合に、位置合わせマークを隣接する他の区分表示領域に表示させて、互いに異なる位置に位置合わせマークを表示させることとしたが、図8(a)〜(d)に示すように、位置合わせマークを例えば各区分表示領域の境界線上に表示させて、各区分表示領域の撮像において、同じ位置合わせマークを共用する構成としてもよい。この場合、少なくとも2つの区分表示領域の撮像において、同じ表示位置の位置合わせマークを用いることになり、求められる各区分表示領域の各サブピクセルと撮像装置41の撮像画素との対応関係の精度を高めることができるとともに、位置合わせマークの表示に係わる制御を簡素化することができる。
位置合わせマークを用いない従来法においては、表示領域を分割して撮像を行うと、機械的な制御誤差に基づくずれが生じやすかった。これに対し、本実施形態によれば、区分表示領域毎に位置合わせマークに基づいて撮像画像の撮像画素と区分表示領域の各サブピクセルとの関係を撮像毎に求めるので、制御誤差の影響を排除することができる。
次に、上記各実施形態における変形例について説明する。
<変形例1>
上記の実施例においては、十字形の位置合わせマークを用いた。この十字形の位置合わせマークを図9の(a)に示す。しかしながら、位置合わせマークはこの形状に限るものではない。位置合わせマークとして、図9(b)〜(n)の形態例に示すような種々の形状のものを用いてもよい。すなわち、図9(b)に示すように、図9の(a)の十字形を反転した形の位置合わせマークとしてもよいし、図9(c)に示すように、正方形の位置合わせマークとしてもよいし、図9(d)に示すようにより大きな十字形としてもよい。あるいは、図9(e)に示すように、正方形を45°回転させた形状としてもよい。あるいは、図9(f)に示すように×字状としてもよい。あるいは図9(g)に示すように図9(c)の正方形より大きな正方形としてもよいし、図9(h)に示すように図9(c)の正方形より小さな正方形としてもよい。また、図9(i)、図9(j)に示すように長方形としてもよい。さらに、図9(k)に示すように、図9(g)と図9(h)の図形を合わせた図形としてもよいし、図9(l)に示すように図9(f)と図9(h)の図形を合わせた図形としてもよい。さらに、図9(m)に示すように図9(h)の図形を複数組み合わせた図形としてもよいし、図9(n)に示すように図9(a)の図形を複数組み合わせた図形としてもよい。
<変形例2>
上記各実施形態における表示パネル1に補正係数を記録するプロセスのステップS3において、位置合わせマークを表示するために点灯させるサブピクセル又は位置合わせマークの近傍の、例えば図6に示す領域51〜54内のサブピクセルに常時点灯又は常時非点灯の点欠陥が存在する場合がある。この場合、撮像装置41で位置合わせマークと一緒に点欠陥も画像として取得したり、位置合わせマークの画像として、本来の位置合わせマークの形状が一部欠けた画像を取得したり、することになる。何れの場合においても、取得した画像から上記数式(1)、(2)によって位置合わせマークの重心座標を求めると、算出された重心座標は正しい位置からずれた値となってしまう。その結果、ステップS4において、上記よって算出された正しい位置からずれた重心座標の値を用いると、表示パネル1の各サブピクセルと撮像画像における各撮像画素との対応関係が正しい関係からずれたものとなってしまう。
そこで、本変形例は、上記ステップS3〜S4において、位置合わせマークの検出時に点欠陥の有無を判定することが出来るようにするとともに、位置合わせマークやその近傍に点欠陥が存在しても、位置合わせマークの正しい重心座標を取得することができるようにするものである。
本変形例における動作を図10により説明する。図10は表示領域30の位置合わせマークを表示する一つの第1の表示位置に対する処理動作を示すフロー図である。すなわち、まず、表示領域30における位置合わせマークの第1の表示位置を設定する(ステップS10)。そして、この表示位置に、例えば図9(a)〜(n)に示したような、その重心座標が同じで形状が異なる、すなわち点灯するサブピクセルが異なる、複数の位置合わせマークを順次表示させ、表示された各位置合わせマークを撮像装置41により撮像する(ステップS11〜S14)。ここでは例えば図9(a)〜(n)に示す各位置合わせマークに1から13の番号を付し、変数nを1から順次インクリメントして、n=1のとき図9(a)に示す位置合わせマークを表示させ、n=2のとき図9(b)に示す位置合わせマークを表示させ、以下、順次表示し、n=14のときに図9(n)に示す位置合わせマークを表示させる。ここでnmax=14とする。次いで、撮像画像における全ての位置合わせマークの重心座標に対応した撮像画素の位置を算出する(ステップS15)。そして、各位置合わせマークの重心座標の差分の最大値を算出し(ステップS16)、この差分が予め設定された閾値を越えているか否かを判定する(ステップS17)。このとき、各位置合わせマークやその近傍に点欠陥がなければ、各位置合わせマークの重心座標はほぼ一致する。ここで、各サブピクセルの発光部の大きさや形状に多少のバラツキがあり、位置合わせマークの形状によって点灯するサブピクセルが異なるために、点欠陥が無い場合でも、各位置合わせマークの重心座標は完全には一致しないことがあるが、各位置合わせマークの重心座標の差分は僅かである。一方、特定の位置合わせマークやその近傍に点欠陥が存在する場合には、各位置合わせマークの重心座標の差分が比較的大きな値となる。
そこで、各位置合わせマークの重心座標の差分に対して所定の閾値を設定して、この差分の最大値が閾値以内であった場合、この表示位置に点欠陥は無いと判断し、各位置合わせマークに対する重心座標の平均をその表示位置での正しい重心座標として取得する(ステップS18)。そして、他の表示位置についても同様の動作を実行して、点欠陥が無く、位置合わせマークに対する正しい重心座標を3箇所以上取得するまで繰り返す。
一方、この差分の最大値が閾値を越えている場合には、当該位置合わせマークを構成するサブピクセルのいずれか又はその近傍に点欠陥があると判断して、以下の異常時処理を実行する(ステップS19)。この異常時処理において、表示領域30に多少の点欠陥の存在を許容する場合には、この表示位置での処理を中断し、この第1の表示位置と異なる第2の表示位置を設定して、同様の処理動作を行う。こうして、点欠陥が無く、位置合わせマークに対する正しい重心座標を3箇所以上取得するまで繰り返す。また、表示領域30における点欠陥の存在を許容しない場合には、この異常時処理において、当該表示位置の位置合わせマークを構成するサブピクセルのいずれか又はその近傍に点欠陥があることになるため、その表示パネル35は不良品であると判定し、以後の処理を打ち切るようにする。
1 ELディスプレイパネル
10 有機EL素子
12 駆動回路
20 制御部
21 メモリ
30 表示領域
31〜34 位置合わせマーク
41 撮像装置

Claims (15)

  1. 表示領域に表示素子を有する複数の画素が配列された表示パネルを有する表示装置の製造装置であって、
    各々が撮像画素をなす複数の撮像素子が配列された受光面を有し、該受光面が前記表示領域の表示面と対向配置されて、前記表示領域を撮像する撮像領域を有する撮像装置と、
    前記表示装置及び前記撮像装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記表示領域の予め設定した異なる3箇所以上の複数の表示位置の各々に位置合わせマークを表示させ、前記撮像装置による前記表示領域の前記各位置合わせマークを含む領域の撮像画像より算出した、前記各位置合わせマークに対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付けるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記表示領域に前記各画素の前記表示素子を一定の駆動条件で駆動した画像を表示させ、前記撮像装置による前記表示領域の撮像画像に基づく画像データを取得し、前記パラメータと取得した前記画像データに基づいて前記表示パネルの前記各画素間の表示ムラを補正する補正係数を算出して、前記表示装置に記憶させる補正係数算出部と、
    前記複数の表示位置における一つの特定の表示位置に、前記位置合わせマークとして、重心位置が互いに同じで形状が互いに異なる複数の欠陥検査用位置合わせマークを順次表示させ、前記撮像装置による前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々に対する撮像画像に基づいて前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々の重心に対応する前記撮像画素の複数の座標を算出し前記各座標の前記各欠陥検査用位置合わせマーク間の差分に基づいて前記表示パネルの前記特定の表示位置の前記各画素のいずれかに欠陥が存在するか否かを判別する欠陥判別部と、
    を有することを特徴とする表示装置の製造装置。
  2. 前記撮像画像における1つ以上の前記撮像画素は前記表示パネルの1つの前記画素に対応することを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造装置。
  3. 前記パラメータ算出部は、前記各位置合わせマークの重心位置に対応する前記撮像画素の座標を算出し、前記重心位置に対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記パラメータを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置の製造装置。
  4. 前記表示パネルは、前記複数の画素が赤色、緑色、青色、の何れかの表示色を有してカラー表示を行うものであり、赤色と緑色と青色の一組の前記画素が一つの表示画素をなし、
    前記補正係数算出部は、前記補正係数を前記各表示画素に対応する値として算出することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表示装置の製造装置。
  5. 前記補正係数算出部は、前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各表示画素の三刺激値を取得し、取得した前記各表示画素の三刺激値の値と、前記各表示画素を白色表示とする場合の理想的な三刺激値の値と、に基づいて前記補正係数を算出することを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  6. 前記表示パネルは、前記複数の画素が同じ表示色を有して単色表示を行うものであり、前記補正係数算出部は、前記補正係数を前記各画素に対応する値として算出することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表示装置の製造装置。
  7. 前記補正係数算出部は、前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各画素の輝度値を取得し、取得した前記各画素の輝度値と、前記各画素の理想的な輝度値と、に基づいて前記補正係数を算出することを特徴とする請求項6に記載の表示装置の製造装置。
  8. 前記表示パネルが載置される載置台を有し、
    前記制御装置は、前記表示領域を前記撮像領域に対応した大きさを有する複数の区分表示領域に分割し、前記載置台又は前記撮像装置の何れかを移動させて、前記各区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる位置調整部を有し、
    前記パラメータ算出部は、前記各位置合わせマークを表示させる前記表示位置を、前記表示領域における前記撮像領域に対応する領域内に設定し、前記位置調整部により一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、前記各位置合わせマークを含む領域の撮像画像に基づく画像データを取得して、当該区分表示領域内の前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付ける前記パラメータを算出する動作を、全ての前記区分表示領域に対して実行し、
    前記補正係数算出部は、前記位置調整部により一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、当該区分表示領域の撮像画像に基づく画像データを取得する動作を、全ての前記区分表示領域に対して実行し、前記パラメータと取得した前記画像データに基づいて前記補正係数を算出することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の表示装置の製造装置。
  9. 表示領域に表示素子を有する複数の画素が配列された表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、
    前記表示領域の表示面と、各々が撮像画素をなす複数の撮像素子が配列された撮像装置の受光面とを対向配置し、
    前記表示領域の予め設定した異なる3箇所以上の複数の表示位置の各々に位置合わせマークを表示させるステップと、
    撮像装置により前記表示領域の前記各位置合わせマークを含む領域を撮像して、撮像画像に基づく画像データを取得するステップと、
    前記各位置合わせマークに対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付けるパラメータを算出するステップと、
    前記表示領域に前記各画素の前記表示素子を一定の駆動条件で駆動した画像を表示させ、前記撮像装置により前記表示領域を撮像して、撮像画像に基づく画像データを取得するステップと、
    前記パラメータと取得した前記画像データに基づいて前記表示パネルの前記各画素間の表示ムラを補正する補正係数を算出するステップと、
    算出した補正係数を前記表示装置に記憶させるステップと、
    を含み、
    前記位置合わせマークを表示させるステップは、前記複数の表示位置における一つの特定の表示位置に、前記位置合わせマークとして、重心位置が互いに同じで形状が互いに異なる複数の欠陥検査用位置合わせマークを順次表示させるステップと、前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々に対する撮像画像に基づいて前記複数の欠陥検査用位置合わせマークの各々の重心に対応する前記撮像画素の複数の座標を算出するステップと、算出した前記各座標の前記各欠陥検査用位置合わせマーク間の差分に基づいて前記表示パネルの前記特定の表示位置の前記各画素のいずれかに欠陥が存在するか否かを判別するステップと、を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 前記パラメータを算出するステップは、
    前記各位置合わせマークの重心位置に対応する前記撮像画素の座標を算出するステップと、
    算出された前記各位置合わせマークの重心に対応する前記撮像画素の座標と、前記表示領域における前記各位置合わせマークの設定された前記表示位置と、に基づいて、前記パラメータを算出するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項に記載の表示装置の製造方法。
  11. 前記表示パネルは、前記複数の画素が赤色、緑色、青色、の何れかの表示色を有してカラー表示を行うものであり、赤色と緑色と青色の一組の前記画素が一つの表示画素をなし、
    前記補正係数を算出するステップにおいて、前記補正係数を前記各表示画素に対応する値として算出することを特徴とする請求項又は10に記載の表示装置の製造方法。
  12. 前記補正係数を算出するステップは、
    算出された前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各表示画素の三刺激値を取得するステップと、
    取得した前記各表示画素の三刺激値の値と、前記各表示画素を白色表示とする場合の理想的な三刺激値の値と、に基づいて前記補正係数を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
  13. 前記表示パネルは、前記複数の画素が同じ表示色を有して単色表示を行うものであり、
    前記補正係数を算出するステップにおいて、前記補正係数を前記各画素に対応する値として算出することを特徴とする請求項又は10に記載の表示装置の製造方法。
  14. 前記補正係数を算出するステップは、
    算出された前記パラメータに基づいて前記表示パネルの前記各画素の輝度値を取得するステップと、
    取得した前記各画素の輝度値と、前記各画素の理想的な輝度値と、に基づいて前記補正係数を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置の製造方法。
  15. 前記表示領域を前記撮像領域に対応した大きさの複数の区分表示領域に分割し、前記複数の区分表示領域の各々と前記撮像領域とを対向配置させるステップを含み、
    前記パラメータを算出するステップは、前記各位置合わせマークを表示させる前記表示位置を、前記表示領域における前記撮像領域に対応する領域内に設定するステップと、一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、前記各位置合わせマークを含む領域の撮像画像に基づく画像データを取得するステップと、を全ての前記区分表示領域に対して実行するステップを含み、
    前記パラメータを算出するステップは、前記各区分表示領域内の前記各画素と前記各撮像画素との位置関係を対応付ける前記パラメータを算出するステップを全ての前記区分表示領域に対して実行するステップを含み、
    前記補正係数を算出するステップは、前記位置調整部により一つの前記区分表示領域と前記撮像領域とを対向配置させる毎に、当該区分表示領域の撮像画像に基づく画像データを取得するステップを全ての前記区分表示領域に対して実行するステップを含み、算出した前記パラメータと取得した前記データに基づいて前記補正係数を算出することを特徴とする請求項14の何れかに記載の表示装置の製造方法。
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