JP5326739B2 - 車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置 - Google Patents

車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、乗り心地の評価項目の1つである車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置に関し、特に、乗員の頭部の姿勢保持に関わる筋活動に基づいて車両のロール感を適切かつ定量的に評価する車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置に関する。
現在、自動車(車両)の乗り心地について種々の事項が評価されている。この乗り心地のうち、ロール感は、車酔いなどにも影響する重要な特性である。
このロール感の定量的な評価のために車両運動、例えば、横加速度、ロール角などの物理計測がなされている。
しかし、この物理計測によるロール感の評価と、官能評価によるロール感の評価とが必ずしも良く対応していない。
そこで、従来、物理計測によるロール感の評価と、官能評価によるロール感の評価とのずれについて検討されている(特許文献1参照)。
特許文献1においては、車体の動きのフィーリング評価(官能評価)には、ロール感が用いられることが記載されており、操縦安定性評価を専門とするテストドライバーのロール感の官能評価を分析した結果、ロール感は視覚から感じている部分が大きく、ロールとピッチとの関係が重要であることが記載されている。
この特許文献1においては、サスペンションの特性が異なる複数台の車両を用いて、ロールとピッチとの関係に注目した評価を行い、各車両において同一の操舵パターンでそれぞれ操舵し、ロールやピッチといった車体の動きを測定するとともに車両の乗員がロール感などの官能評価を行っている。官能評価が高かった車両は、ロール角とピッチ角との時間差(位相差)が小さいことが記載されている。
さらには、操舵時にはロール角とピッチ角との時間差が小さいほどロール感が良くなり、操縦安定性を向上させるためにはロールとピッチとの発生タイミングを同期させることが最も望ましいことが判ったことが記載されている。
特開2007−08373号公報
特許文献1には、ロール角とピッチ角との時間差が小さいほど、官能試験のロール感が良くなることが記載されている。
しかしながら、特許文献1において、ピッチ角を示す式は取り扱い難く、ロール角とピッチ角との時間差を表す式が複雑化することが記載されており、このため、特許文献1においては、ロール角とピッチ角との時間差を表す式を簡易化している。
このように、特許文献1においては、官能評価によるロール感の評価と良く対応しているロール角とピッチ角との時間差を求めることは、煩雑であるという問題点がある。
しかも、特許文献1においては、簡易化して求めたロール角とピッチ角との時間差と、官能評価によるロール感の評価とが良く対応しているかについては検討されていない。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、車両のロール感を適切かつ定量的に評価することができる車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、所定の走行条件で走行している車両の乗員の頭部の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を測定する工程と、前記測定された筋活動の特徴を表す所定の特徴量を算出する工程と、前記所定の特徴量に基づいて車両のロール感を評価する工程とを有し、前記骨格筋の筋活動を測定する工程においては、前記骨格筋は左右両側の筋活動が測定されるとともに、前記車両の旋回情報が同時に取得され、前記所定の特徴量を算出する工程においては、前記取得された前記旋回情報から、左右いずれかの前記骨格筋の筋活動を特定し、前記特定された骨格筋の筋活動の特徴を表す特徴量が算出され、前記車両のロール感を評価する工程においては、前記特定された骨格筋の特徴量に基づいて前記ロール感が評価されることを特徴とする車両のロール感の評価方法を提供するものである。
本発明において、ロール感とは、車両が直進状態から旋回状態に移行するために行う操舵入力の応答として、車両に生ずるロール運動の感覚的な良し悪しを指すものである。
このロール感は、車両に乗っている乗員であれば、運転手によるものでも、非運転手、すなわち、同乗者によるものであってもよい。
本発明においては、前記骨格筋の筋活動を測定する工程においては、筋電位が所定時間測定され、前記測定された筋活動の特徴を表す所定の特徴量は、前記所定時間測定された筋電位を整流平滑化して得られる筋電位の波形のピークレベル、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでの時間、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでにおける立上り角、前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の平均値、および前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の二乗平均平方根値のうち、少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記骨格筋は、胸鎖乳突筋、僧帽筋の上部、側頭筋および頭板状筋のうち、少なくとも1種類の筋肉であることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記所定の走行条件は、少なくとも左右のいずれかの旋回を含み、前記測定される骨格筋は、少なくとも旋回方向となる片半身から選択されることが好ましい。
本発明の第2の態様は、所定の走行条件で走行している車両の乗員の頭部の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を測定する筋活動測定手段と、前記筋活動測定手段で測定された筋活動情報の特徴を表す所定の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段で算出された前記所定の特徴量に基づいて車両のロール感を評価する評価部と、前記車両の旋回情報を取得する車両情報取得手段とを有し、前記筋活動測定手段は、前記車両情報取得手段による前記車両の旋回情報の取得とともに、前記骨格筋の左右両側の筋活動を測定するものであり、前記特徴量算出手段は、前記取得された旋回情報から、左右いずれかの前記骨格筋の筋活動を特定し、前記特定された骨格筋の筋活動の特徴を表す前記特徴量を算出するものであり、前記評価部は、前記特定された骨格筋の特徴量に基づいて前記ロール感を評価することを特徴とする車両のロール感の評価装置を提供するものである。
本発明においては、前記筋活動測定手段は、筋電位を所定時間測定するものであり、
前記特徴量算出手段は、前記所定時間測定された筋電位を整流平滑化して得られる筋電位の波形のピークレベル、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでの時間、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでにおける立上り角、前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の平均値、および前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の二乗平均平方根値のうち、少なくとも1つを前記特徴量として算出することが好ましい。
本発明によれば、所定の走行条件で走行している車両の乗員の頭部の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を測定し、この測定された筋活動の特徴を表す所定の特徴量を算出して、この特徴量に基づいて車両のロール感を評価する。このように、車両に生じるロール運動に対して頭部の姿勢を保持する際の筋肉の収縮などの筋活動を測定して、その筋活動の特徴量を用いるため、車両のロール感を適切かつ定量的に評価することができる。
本発明の実施形態に係る車両のロール感の評価装置を示す模式図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態に係る車両のロール感の評価装置において筋活動が測定される骨格筋およびその骨格筋への筋電センサの取付位置の例を示す模式図である。 (a)は、縦軸に筋電位、横軸に時間をとって左右旋回時における骨格筋の筋電位の信号波形を示すグラフであり、(b)は、縦軸に加速度、横軸に時間をとって横加速度の信号波形を示すグラフである。 縦軸に筋電位、横軸に時間をとって、骨格筋の筋電位の信号波形から求められる特徴量を示すグラフである。 縦軸に筋電位、横軸に時間をとって、骨格筋の筋電位の信号波形から求められる特徴量を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る車両のロール感の評価装置による評価方法のフローチャートである。 本発明の実施例のレーンチェンジ試験に利用されるコースを示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両のロール感の評価装置を示す模式図である。
図2(a)および(b)は、本発明の実施形態に係る車両のロール感の評価装置において筋活動が測定される骨格筋およびその骨格筋への筋電センサの取付位置の例を示す模式図である。
図1に示す評価装置10は、乗員100の頭部102の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を測定し、この筋活動から特徴量を求め、この特徴量に基づいて、車両の乗り心地のうち、ロール感を評価するものである。
本発明において、ロール感とは、車両が直進状態から旋回状態に移行するために行う操舵入力の応答として、車両に生ずるロール運動の感覚的な良し悪しを指すものである。
乗員には、車両を操縦する運転手および助手席等に乗車する非運転手が含まれる。
このロール感は、車両に乗っている乗員であれば、運転手によるものでも、非運転手、すなわち、同乗者によるものであってもよい。
また、車両には、乗用車、バス、鉄道の車両、新交通システムの車両も含まれる。
本実施形態の評価装置10においては、乗員100の頭部102の姿勢保持に関わる骨格筋の筋活動は、ロール感が悪いと評価される車両では、相対的に大きく、かつ立ち上がりが鋭くなることを用いて、ロール感を適切かつ定量的に評価する。
評価装置10は、測定ユニット(筋活動測定手段)12と、評価ユニット14とを有し、評価ユニット14には入力部16および表示部18が接続されている。
ここで、入力部16は、キーボード、マウスなど、コンピュータなどの入力に用いられるものである。
表示部18は、入力部16からの入力情報および評価ユニット14で得られた情報を表示するものである。この表示部18としては、CRT、LCD、PDP、有機ELなどの各種のモニタを用いることができる。
測定ユニット12は、筋電センサ20aと、筋電センサ20bと、接地電極22と、アンプ24とを有し、更に車両情報取得センサ(車両情報取得手段)26を有する。
筋電センサ20aと筋電センサ20bとは、同じ構成であるため、以下、筋電センサ20a、20bとして、まとめて説明する。
筋電センサ20a、20bは、乗員100の頭部102の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を、筋電位として検出するものである。
この筋電センサ20a、20bは、それぞれ、例えば、銀−塩化銀(Ag/AgCl)の皿型電極が対になって構成されるものであり、この一対の皿型電極が所定の間隔、例えば、5mm離間して測定する骨格筋が位置する皮膚の表面に貼り付けられる。
本実施形態の筋電センサ20a、20bに用いられる銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極は、金属銀の表面を塩化銀でコートしたものであり、再使用可能な汎用電極の中では電気特性上有効なものである。
なお、筋電センサ20a、20bの電極は、銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極に限定されるものではない。筋電センサ20a、20bの電極は、ステンレススチール、カーボン、カーボンコンポジット、白金、金、銀、チタン、導電性樹脂、導電性高分子ゲルなど、その他の材料によって構成されたものであってもよい。
接地電極22は、筋電センサ20a、20bから得られる筋電位信号は微弱であるため、周囲のノイズを除去するために用いられるものである。接地電極22は、アンプ24に接続され、アンプ24を介してアースされている。
アンプ24は、筋電センサ20a、20bによって検出される筋電位を、所定倍増幅し、AD変換するものである。このアンプ24には、リード線を介して筋電センサ20a、20bが接続されている。このアンプ24には、一般的に生体アンプと呼ばれるものが用いられる。
筋電センサ20a、20bによって検出される筋電位は,大抵の場合、数マイクロボルトから数ミリボルトの微小な電圧である。このため、アンプ24により電圧をAD変換可能なレベルまで、例えば、1000倍程度、増幅され、増幅された筋電位信号は、更にアンプ24で所定のサンプリング周波数でA/D変換されてデジタル信号として評価ユニット14に出力される。
筋電センサ20a、20bは、例えば、それぞれ乗員100の左右の胸鎖乳突筋110が位置する頸部104の皮膚の表面に貼り付けられる。
本実施形態において、筋電センサ20a、20bが貼り付けられる胸鎖乳突筋110は、図2(a)に示すように、乗員100の頸部104にある筋肉であり、頸部104の両側に対称にある。この胸鎖乳突筋110の働きとしては、頭部102の回旋動作、頭部102の前傾・後傾動作など頭部102の動作全般の補助である。
乗員100が頭部102を前後に動かす際に、左右の胸鎖乳突筋110が同時に働き、頭部102を回旋させる際には、頭部102が向いた方向側の胸鎖乳突筋110が働く。
図2(a)では、片側の胸鎖乳突筋110しか示さないが、この胸鎖乳突筋110に対して、例えば、筋電センサ20aの一対の電極を、測定する胸鎖乳突筋110の筋腹に、筋繊維に対し平行に、例えば、符号21で示す位置における頸部104の皮膚の表面に貼り付ける。
筋電センサ20aの一対の電極の皮膚表面への貼り付けは、スクラブで擦り汚れを落とし、皮膚と筋電センサ20aの電極との間の抵抗をできるだけ小さくするためアルコール等で拭いて、電極糊を用いて行われる。筋電センサ20aの貼り付けの際に、皮膚と筋電センサ20aの電極との間の電気抵抗が30kΩ以下になる状態にする。なお、皮膚表面への貼り付けの際の電気抵抗は5kΩ以下にすることが望ましい。
反対側の、残りの胸鎖乳突筋110に貼り付ける筋電センサ20bについても、筋電センサ20aと同様の方法により胸鎖乳突筋110に貼り付けられる。
なお、本実施形態においては、測定対象となる骨格筋は、乗員100の頭部102の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋であればよく、胸鎖乳突筋110に限定されるものではない。例えば、図2(b)に示すように、乗員100の背中106にある僧帽筋112であってもよい。この僧帽筋112についても、図2(b)では片側しか示していないが、背骨108に対して対称にある。
僧帽筋112は、筋肉が大きいため、各部位により作用が異なる。このため、乗員100の頭部102の姿勢保持に関わる頸部104側の部位、すなわち、僧帽筋112の上部112aの筋活動を測定する。これにより、僧帽筋112については、上部112aに相当する皮膚の表面の位置21に、筋電センサ20a、20bを上述の胸鎖乳突筋110に貼り付けたのと同様に貼り付ける。
また、測定対象となる骨格筋は、図2(b)に示す頸部104にある頭板状筋114であってもよい。この頭板状筋114も、図2(b)では片側しか示していないが、背骨108に対して対称に対をなしている。
この頭板状筋114は、片側が作用すると、その方向に頸部104が回転し、両側が作用すると顔が上に向く。この頭板状筋114については、例えば、後頭部下部において頭板状筋114に相当する皮膚の表面の位置21に、筋電センサ20a、20bを上述の胸鎖乳突筋110に貼り付けたのと同様に貼り付ける。
さらには、測定対象となる骨格筋は、図2(a)に示す頭部102の側面にある側頭筋116であってもよい。図2(a)では片側しか示していないが、側頭筋116は、頭部102の両側にある。
この側頭筋116の場合にも、例えば、側頭筋116に相当する皮膚の表面の位置21に、筋電センサ20a、20bを上述の胸鎖乳突筋110に貼り付けたのと同様に貼り付ける。
車両情報取得センサ26は、車両の旋回情報を取得するものであり、例えば、所定の時間、車両の横加速度を得るものである。この場合、車両情報取得センサ26としては、例えば、加速度センサ、レートジャイロ(角速度計)、GPSが用いられる。
なお、車両情報取得センサ26による車両の旋回情報は、車両の横加速度に限定されるものではなく、例えば、横加速度に代えて、ロール角または操舵角でもよい。
ロール角は、例えば、ジャイロセンサを用いて測定することができる。
また、操舵角は、例えば、車両のハンドル操舵軸回りに、ロータリーエンコーダを用いた操舵角計を装着することにより、測定することができる。
本実施形態においては、旋回方向を特定することができれば、車両情報取得センサ26の構成は、特に限定されるものではない。
評価ユニット14は、図1に示すように、車両情報取得部30と、筋電情報取得部32と、データ処理部34と、解析部(特徴量算出手段)36と、評価部38と、記憶部40と、CPU42とを有する。
また、記憶部40には、入力部16から入力された後述する車両条件、走行条件、被験者情報が記憶され、さらには、車両条件、走行条件、被験者情報と後述する特徴量とが対応付けて記憶されるものである。
CPU42は、車両情報取得部30と、筋電情報取得部32、データ処理部34と、解析部36と、評価部38と、記憶部40とを制御するものである。
評価ユニット14は、記憶部40に記憶されたロール感の評価方法のプログラムをCPU42が実行することで、各部が機能するコンピュータである。なお、評価ユニット14は、各部が専用回路によって構成された専用装置であってもよい。
車両情報取得部30は、車両情報取得センサ26に接続されている。また、この車両情報取得部30は、データ処理部34および記憶部40に接続されている。
車両情報取得部30には、旋回情報として、車両情報取得センサ26から、例えば、走行中の横加速度情報が担持された出力信号が入力される。
車両情報取得部30は、この横加速度の出力信号に対して、ローパスフィルタリングを行い、例えば、図3(b)に示すグラフ52のように、旋回時の横加速度を示す信号波形(平滑化波形)64を得る。
そして、車両情報取得部30は、旋回時の横加速度の信号波形64のデータをデータ処理部34および記憶部40に出力する。
本実施形態においては、横加速度の情報以外にも、ロール角の情報または操舵角の情報が車両情報取得センサ26から入力される。この場合でも、車両情報取得部30は、車両情報取得センサ26の出力信号に基づいて、ロール角の値の時間変化、または操舵角の値の時間変化を算出する。算出されたロール角の値の時間変化のデータ、または操舵角の値の時間変化のデータをデータ処理部34および記憶部40に出力する。
筋電情報取得部32は、アンプ24に接続されている。また、この筋電情報取得部32は、データ処理部34および記憶部40に接続されている。
筋電情報取得部32は、筋電センサ20a、20bによって時系列に取得された胸鎖乳突筋110の筋電位が、アンプ24でA/D変換されたデジタル信号について、整流平滑化を行い、平滑化筋電波形を得るものである。
本実施形態においては、アンプ24から出力されたデジタル信号に対して、例えば、全波整流を行い、例えば、2次のバターワースフィルタ(カットオフ周波数の範囲が1〜10Hz)によりローパスフィルタリングを行い、整流平滑化する。
これにより、例えば、図3(a)に示すグラフ50に示されるように、左右旋回をした時における胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形(平滑化筋電波形)60、62を得ることができる。
なお、ローパスフィルタリングに用いるフィルタは、2次のバターワースフィルタに限定されるものではなく、3次以上のバターワースフィルタを用いてもよい。更には、整流平滑化する場合、ローパスフィルタリングにかえて、移動平均を用いてもよい。
信号波形60は、筋電センサ20aで乗員100の左側の胸鎖乳突筋110を所定時間測定し、信号処理して得られたものであり、信号波形62は、筋電センサ20bで乗員100の左側の胸鎖乳突筋110を所定時間測定し、信号処理して得られたものである。
筋電情報取得部32は、筋電位の信号波形(平滑化筋電波形)のデータをデータ処理部34および記憶部40に出力する。
データ処理部34は、図3(a)、(b)に示すように、旋回時の横加速度の信号波形64から、胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62が左右の旋回のいずれかを特定するものである。
この場合、例えば、横加速度の場合、その値がプラスのとき、右旋回、その値がマイナスのとき、左旋回と対応付けておく。
なお、ロール角の値、および操舵角の値についても同様に、左旋回と右旋回について対応付けをしておく。
左旋回したときに、すなわち、横加速がマイナスの値のとき、信号波形60、62のうち、筋電位の値が大きい信号波形60が左旋回に寄与するものと特定することができる。
右旋回したときに、すなわち、横加速がプラスの値のとき、信号波形60、62のうち、筋電位の値が大きい信号波形62が右旋回に寄与するものと特定することができる。
これにより、車両の走行後に、信号波形の旋回方向を特定することができる。
データ処理部34は、解析部36、表示部18および記憶部40に接続されており、この対応付けされた旋回時における胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62と、旋回時の横加速度の信号波形64とが、例えば、図3(a)、(b)に示すように表示部18に表示される。
また、データ処理部34は、対応付けされた旋回時における胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62のデータと、旋回時の横加速度の信号波形64のデータとを解析部36に出力する。
なお、本実施形態においては、筋電センサ20a,20bと旋回方向との関係を予め記憶部40に記憶させておくことにより、旋回情報を取得することなく、左旋回、右旋回したときに、それぞれ、筋電センサ20a、20bで得られた筋電位を用いればよい。
このため、必ずしも旋回情報の取得は必要ではなく、データ処理部34においては、信号波形60、62における左旋回、右旋回の特定は必ずしも必要ではない。この場合、データ処理部34は不要であり、単に胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62のデータが解析部36に直接出力される。
また、旋回方向を予め決めておけば、測定対象となる骨格筋は、旋回方向の骨格筋に限定される。このため、測定対象の骨格筋は旋回方向となる片半身から選択すればよい。
解析部36は、乗員100の頭部102の姿勢保持に関わる骨格筋、本実施形態では胸鎖乳突筋110の筋活動の特徴を表す特徴量を求めるものである。この特徴量は、筋電情報取得部32で得られた図3(a)に示す信号波形60、62のデータを用いて求められるものである。
本実施形態においては、特徴量として、例えば、図4に示すグラフ54のように、波形60のピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角αが挙げられる。
さらには、特徴量として、例えば、図5に示すグラフ56のように、筋電位の平均値、および筋電位のRMS(Root Mean Square:二乗平均平方根)が挙げられる。
本実施形態においては、こられの特徴量のうち、少なくとも1つが用いられる。
本実施形態において、ピークレベルβは、波形60のデータにおける最大値のことである。このピークレベルβにおける時刻をtpとする。
また、本実施形態において、筋電位の立ち上がりとは、定常状態の筋電位の値thから筋電位が急激に上昇を開始する時刻trにより規定される。筋電位の波形の立ち上がり開始の時刻trからピークレベルβの時刻tp迄の時間が、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γである。
筋電位の立上り角αは、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γにおいて、波形60について求められた回帰直線66の傾きのことである。
また、図5に示すグラフ56のように、筋電位の平均値は、筋電位の波形の立ち上がり(時刻tr)から筋電位の波形の立下りの時刻tf迄の区間δにおける筋電位の平均値のことである。
筋電位のRMS値は、筋電位の波形の立ち上がり(時刻tr)から筋電位の波形の立下りの時刻tf迄の区間δにおける筋電位のRMS値のことである。
筋電位の立下りは、筋電位が定常状態に戻る直前の時間tfにより規定される。
なお、図4、図5においては、いずれも波形60を用いて説明しているが、波形62についても、波形60と同様にして、ピークレベルβ、筋電位の波形62の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値が規定される。
解析部36で算出されたピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値は、評価部38に出力される。なお、解析部36で算出されたピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値は、記憶部40に記憶されてもよい。
また、解析部36は、表示部18に接続されており、解析部36で算出されたピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値の特徴量のうち、少なくとも1つが、数値だけ、または数値が波形60、62ともに表示される。
評価部38は、解析部36で算出されたピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値、および筋電位のRMS値の特徴量のうち、少なくとも1つを用いてロール感を評価するものである。
この評価部38においては、解析部36で算出されたピークレベルβについては、小さいほど、ロール感は好ましいと評価される。これは、ピークレベルβが大きいと、乗員100の頭102部の揺れが大きくなるためである。
筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γについては、その時間γが長いほど、ロール感が好ましいと評価される。
筋電位の立上り角α(傾き)については、小さいほど、ロール感が好ましいと評価される。
筋電位の平均値および筋電位のRMS値については、それぞれの値は、小さいほどロール感が好ましいと評価される。
また、評価部38においては、例えば、車両をある一定半径の円を一定速度で走行させ、このとき、筋活動の特徴量として、ピークレベルβ、筋電位の波形62の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値を算出し、記憶部40に記憶させておく。
評価部38においては、例えば、ロール感を評価する場合、所定の走行条件で車両を走行させて、乗員100の筋電位を測定し、特徴量として、例えば、ピークレベルを求める。この得られたピークレベルと、ある一定半径の円を一定速度で走行させたときに求めたピークレベルとの比率を求め、この比率により、ロール感を評価してもよい。
解析部36で算出された特徴量のうち、ピークレベルは、頭部の姿勢保持のための骨格筋において、頭部が揺れないように支えるという筋活動について一番顕著に表れる。このため、評価に用いる少なくとも1つの特徴量としては、ピークレベルを用いて、評価することが好ましい。
また、評価部38は、表示部18に接続されており、解析部36で算出された特徴量を用いた評価結果が表示部18に表示される。
なお、記憶部40は、筋電情報取得部32で得られた筋電位の信号波形(平滑化筋電波形)60、62のデータ、データ処理部34で得られた、解析部36で得られた上記特徴量、評価部38で得られた評価結果の情報が、それぞれ出力されて記憶される。
レーンチェンジなどでの旋回時には、乗員100の頭部102には、遠心力による旋回外向きの外力が作用するため、旋回方向(旋回内向き)の胸鎖乳突筋110、僧帽筋112、頭板状筋114、側頭筋116などの骨格筋が収縮し、遠心力と釣り合いをとって頭部102の姿勢を保持している。すなわち、対をなしている骨格筋のうち、旋回方向側の骨格筋が旋回時に実質的に頭部の姿勢保持を担っている。このため、本実施形態においては、左右の胸鎖乳突筋110のうち、旋回方向と同じ側の胸鎖乳突筋110の筋電位の波形を用いて、特徴量を求める。そして、ロール感を評価する。
このように、本実施形態においては、ロール感を評価するため、ロール感を評価する際には、特徴量を求めるために、走行条件として、左右の旋回のいずれかを含むことが好ましい。このため、走行条件としては、レーンチェンジが選択される。
次に、本実施形態の車両のロール感の評価方法について説明する。
先ず、乗員100、例えば、ドライバーを、自動車のシートに座らせ、このドライバーの左右の胸鎖乳突筋110に相当する皮膚の表面の位置に、それぞれ筋電センサ20a、20bを取り付ける。
なお、助手席等に座る同乗者に対して、筋電センサ20a、20bを左右の胸鎖乳突筋110に相当する皮膚の表面の位置に取り付けて筋電位を測定してもよい。
次に、乗員100により自動車を走行させて、例えば、左右の旋回を含んだレーンチェンジをさせる。
自動車の走行中、計測ユニット12の筋電センサ20a,20bで上述のように筋電位を測定する。同時に、例えば、加速度センサにより、走行中の横加速度を測定する。
評価ユニット14において、筋電情報取得部32により、測定された左右の胸鎖乳突筋110について、図3(a)に示すような筋電位の信号波形60、62を得る。
このとき、車両情報取得部30により、図3(b)に示すように、横加速度の波形64を得る。筋電位の信号波形60、62のデータおよび横加速度の波形64のデータをデータ処理部34に出力する。
次に、データ処理部34において、横加速度の値に基づいて、胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62について、左旋回、右旋回が特定される。データ処理部34は、対応付けされた旋回時における胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62のデータと、旋回時の横加速度の信号波形64のデータとを解析部36に出力する。
次に、解析部36において、胸鎖乳突筋110の筋電位の信号波形60、62のデータから、特徴量として、例えば、ピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値を求める。
なお、特徴量は、これらのピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値のうち、少なくとも1つ求めればよい、
この求めたピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値を評価部38に出力する。
次に、評価部38は、ピークレベルβ、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値に基づいて、評価する。
この場合、評価部38においては、上述のように、ピークレベルβは、小さいほど、ロール感は好ましいと評価される。また、筋電位の立ち上がりからピークに達するまでの時間γについては、その時間γが長いほど、ロール感が好ましいと評価される。さらには、筋電位の立上り角α(傾き)については、小さいほど、ロール感が好ましいと評価される。また、筋電位の平均値および筋電位のRMS値については、それぞれの値は、小さいほどロール感が好ましいと評価される。
なお、評価部38によるロール感の評価結果は表示部18に表示してもよい。
また、本実施形態においては、横加速度を筋電位と同時に測定するため、レーンチェンジテストのように、旋回方向が異なる区間を含む走行条件において、ロール感を評価する場合でも、走行終了後に、得られた筋電位がいずれの旋回方向のものかを特定できる。このため、自動車で横方向以外の揺れがあり、左右の胸鎖乳突筋の筋電位の差が小さい場合でも、左右の旋回方向を特定できる。
また、本実施形態においては、ロール感を評価する際に、頭部の姿勢保持に関わる骨格筋のうち、頭部の前後方向の移動への寄与が大きいものについて、予め、頭部の前後運動と筋電位との関係を調べておく。そして、ロール感を評価する骨格筋とともに、この寄与が大きい骨格筋も同時に筋電位を測定しておき、寄与が大きい骨格筋の筋電位が所定のレベルを超えたときには、ロール感の評価をしないようにしてもよい。
この場合、頭部の前後方向の移動への寄与が大きい骨格筋について、頭部の前後運動が移動しているとみなす筋電位のレベルが記憶部40に記憶させておき、そのレベルを超えた場合、例えば、筋電情報取得部32では、筋電位のデジタル信号の入力を止める。
なお、本実施形態においては、ロール感の評価方法は、上述の評価方法に限定されるものではない。
本実施形態においては、例えば、ロール感についてのデータを蓄積した後、任意の条件間で特徴量を比較して、ロール感を評価してもよい。
この場合、上述の評価装置10を用いて、図6に示すように、まず、車両条件、走行条件、被験者情報を、評価ユニット14に、入力部16により入力する(ステップS10)。これらの車両条件、走行条件、被験者情報(乗員情報)は、記憶部40に記憶される。
なお、被験者情報として、必要度の高いものとしては、例えば、被験者個人を識別できる記号、番号または氏名、被験者情報の入力年月日、被験者の年齢、被験者の性別、被験者の身長、被験者の体重が挙げられる。
また、被験者情報として、入力されることが望ましい情報としては、被験者の国籍、被験者の現住所または住んでいる地域、被験者の評価対象となるカテゴリーの車両の乗車経験の有無、期間および頻度、被験者の評価対象となるカテゴリーの車両の運転経験の有無、期間および頻度、ならびに被験者の評価経験の有無および期間が挙げられる。
また、車両条件としては、例えば、車種名、型式、排気量、使用年数、走行距離、タイヤの種類、およびタイヤの空気圧等が挙げられる。
また、走行条件としては、例えば、市街地、郊外、高速、峠などの走行状況、および乾燥、雨または雪等の路面状況が挙げられる。
次に、車両を上記走行条件に基づいて走行させる。このとき、乗員100には筋電センサ20a、20bが左右の胸鎖乳突筋110に取り付けられており、これにより筋活動が測定される(ステップS12)。
次に、測定された筋活動に基づいて、上述のようにして、特徴量として、ピークレベルβ、筋電位の波形62の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値のうち、少なくとも1つを算出する(ステップS14)。
次に、算出された特徴量が、入力された車両条件、走行条件、被験者情報に対応付けられてセットで記憶部40に記憶される(ステップS16)。
次に、データの蓄積が十分であれば(ステップS18)、任意の条件間で特徴量を比較し、ロール感が評価される(ステップS20)。
このように、任意の条件間で比較することにより、各条件間でのロール感の優劣を評価することができる。
一方、データの蓄積が不十分であれば(ステップS18)、車両条件、走行条件、被験者情報の条件のうち、少なくとも車両条件または走行条件を変えて、再度、車両条件、走行条件、被験者情報を評価ユニット14に、入力部16により入力する(ステップS10)。
そして、車両を上記走行条件に基づいて走行させ、このときの筋活動を測定する(ステップS12)。
そして、測定された筋活動に基づいて、上述のように、特徴量として、ピークレベルβ、筋電位の波形62の立ち上がりからピークに達するまでの時間γ、筋電位の立上り角α、筋電位の平均値および筋電位のRMS値のうち、少なくとも1つを算出する(ステップS14)。
そして、算出された特徴量を、入力された車両条件、走行条件、被験者情報に対応付けられて記憶部40に記憶させる(ステップS16)。これらのステップS12〜S16を繰り返し行う。
データの蓄積が十分であれば(ステップS18)、任意の条件間で特徴量を比較し、ロール感が評価される(ステップS20)。
なお、ステップS18におけるデータの蓄積の十分、不十分の判定は、少なくとも1名の被験者について、少なくとも複数の車両条件または走行条件のデータが蓄積されれば、データの蓄積は十分であると判定される。また、データの蓄積量として、予め、被験者数、車両条件、走行条件等の数量を決めてある場合、その数量に達するまで、繰り返し、データの蓄積を行い(ステップS18)、データの蓄積後に、任意の条件間で特徴量を比較し、ロール感を評価する(ステップS20)。
本発明は、車両のロール感を評価するものであるが、さらに、このロール感の評価に基づいて、以下に示す評価ができる。
例えば、車両のそのものの違いによる乗り心地を評価することができる。この場合、同じ車両について、その個体差による乗り心地の評価もできる。
また、車両の装着されたタイヤの違いによる乗り心地を評価することができる。また、車両の組み付けられたサスペンションの特性の違いによる乗り心地を評価することができる。また、車両のシート、シートクッションの座面角、シートバックの背面角等のシートのポジション、シートへの着座姿勢の違いによる乗り心地を評価することができる。
また、座席の位置の違い、例えば、乗用車の場合、運転席、助手席、後部座席(左、中央、右)等による乗り心地を評価することができる。
また、タクシー、バスなどの旅客自動車における運転者の違いによる客席の乗り心地を評価することができる。この場合、旅客自動車における運転者の運転技術評価へ応用できる。
さらには、軌道上を走行する鉄道車両、新交通システムなどの車両における客席の乗り心地を評価することができる。この場合、車両特性、軌道、運転制御の違いによる乗り心地を評価することができる。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の車両のロール感の評価方法および車両のロール感の評価装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の車両のロール感の評価方法の実施例について具体的に説明する。
本実施例においては、以下に示す各種の条件で、レーンチェンジ試験を行い、ロール感を評価した。
レーンチェンジ試験は、図7に示すコース70で行った。図7に示すコース70は、パイロン72で区画された幅員4mの第1の領域74と、長さが30mの第2の領域76と、パイロン72で区画された幅員4mの第3の領域78とを備えており、第1の領域74と第3の領域78とのレーンチェンジ幅は4mである。
コース70の路面は、ドライ状態のアスファルト舗装路である。
本実施例では、試験車両を、速度50km/時で、コース70の第1の領域74から第2の領域76を経て第3の領域78を抜けるルート80を走行させる。
本実施例では第1の領域74から第2の領域76に入るときに左旋回し、第2の領域76から第3の領域78に入るときに右旋回する。
試験車両には、乗用車を用い、タイヤの空気圧を下記に示す仕様1〜仕様3のように3種類変えた。
乗用車には、排気量3.5リットル、FR(後輪駆動)の4ドアセダンを用いた。タイヤサイズは、225/45R17とした。
仕様1は、タイヤの空気圧を、フロントを220kPa、リアを220kPaとした。
仕様2は、タイヤの空気圧を、フロントを300kPa、リアを300kPaとした。
仕様3は、タイヤの空気圧を、フロントを150kPa、リアを150kPaとした。
本実施例においては、上記仕様1〜仕様3の各試験車両について、車両運動特性の官能評価を業とする成人男性(以下、プロテストドライバという)5名、それぞれにレーンチェンジ試験を行ってもらい、そのときの各プロテストドライバの左右の胸鎖乳突筋の筋活動を、上述の計測装置10を用いて求めた。そして、上述の図4に示す立上り角α、ピークレベルβ、立上り時間γを特徴量として求めた。
なお、特徴量については、左の胸鎖乳突筋(レーンチェンジ前半(左旋回))、右の胸鎖乳突筋(レーンチェンジ後半(右旋回))について、それぞれ筋電位の信号波形(平滑化筋電波形)60、62の立上り角、ピークレベル、立上り時間を求め、その平均値を、立上り角α、ピークレベルβ、立上り時間γとした。この結果を下記表2に示す。
なお、下記表2に示す立上り角α、ピークレベルβ、立上り時間γは、いずれも、相互独立に仕様1〜3のうち、最大値のものを100.0として、指数で表している。
また、仕様1〜3の各試験車両の上記コース70のルート80走行中のロール感を下記表1に示す評価基準に基づいて評価した。
このルート80走行中のロール感は、プロテストドライバ5名により、それぞれ評価し、その平均値を求めた。この結果を下記表2に示す。
なお、比較のために、上記仕様1〜仕様3の各試験車両について、それぞれロール率も測定した。このロール率は、横加速度が0.5Gで、定常円旋回時のロール角のことである。
このロール率についても、上記仕様1〜仕様3の各試験車両について、プロテストドライバ5名に、それぞれ運転してもらい、ロール角を測定し、5名の平均値を求めた。仕様1の平均値を指数100として、仕様2、3のロール率の指数を求めた。この結果を下記表3に示す。なお、表3に示すロール率(指数)は、値が小さい方がロール感がよい。
Figure 0005326739
Figure 0005326739
Figure 0005326739
表2に示すように、仕様1は、傾きα、ピークレベルβが、仕様1〜3のうち、一番小さい。また、立ち上がり時間γは、仕様1〜3のうち、一番長い。
仕様2は、仕様3よりも、傾きα、ピークレベルβが小さく、立ち上がり時間γが長い。本発明によるロール感の評価は、良い方から仕様1、仕様2、仕様3の順である。
また、プロテストドライバによるロール感の評価では、良い方から仕様1、仕様2、仕様3の順である。このように仕様1〜3についての本発明によるロール感の評価と、プロテストドライバによるロール感の評価とは一致している。
一方、表3に示すように、比較のためのロール率の結果は、仕様2が最も良く、仕様1、仕様3の順となっており、ロール率による仕様1〜仕様3の評価は、本発明のロール感の評価、およびプロテストドライバによるロール感の評価とは全く一致していない。
以上のように、本発明によるロール感の評価は、ロール率による評価に比して、プロテストドライバによるロール感の評価との一致度が高い。
10 評価装置
12 測定ユニット
14 評価ユニット
16 入力部
18 表示部
20a、20b 筋電センサ
22 接地電極
24 アンプ
26 車両情報取得センサ
30 車両情報取得部
32 筋電情報取得部
34 データ処理部
36 解析部
38 評価部
40 記憶部
42 CPU
60 左の胸鎖乳突筋の信号波形
62 右の胸鎖乳突筋の信号波形
64 横加速度の信号波形
70 コース

Claims (6)

  1. 所定の走行条件で走行している車両の乗員の頭部の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を測定する工程と、
    前記測定された筋活動の特徴を表す所定の特徴量を算出する工程と、
    前記所定の特徴量に基づいて車両のロール感を評価する工程とを有し、
    前記骨格筋の筋活動を測定する工程においては、前記骨格筋は左右両側の筋活動が測定されるとともに、前記車両の旋回情報が同時に取得され、
    前記所定の特徴量を算出する工程においては、前記取得された前記旋回情報から、左右いずれかの前記骨格筋の筋活動を特定し、前記特定された骨格筋の筋活動の特徴を表す特徴量が算出され、
    前記車両のロール感を評価する工程においては、前記特定された骨格筋の特徴量に基づいて前記ロール感が評価されることを特徴とする車両のロール感の評価方法。
  2. 前記骨格筋の筋活動を測定する工程においては、筋電位が所定時間測定され、
    前記測定された筋活動の特徴を表す所定の特徴量は、前記所定時間測定された筋電位を整流平滑化して得られる筋電位の波形のピークレベル、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでの時間、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでにおける立上り角、前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の平均値、および前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の二乗平均平方根値のうち、少なくとも1つを含むものである請求項1に記載の車両のロール感の評価方法。
  3. 前記骨格筋は、胸鎖乳突筋、僧帽筋の上部、側頭筋および頭板状筋のうち、少なくとも1種類の筋肉である請求項1または2に記載の車両のロール感の評価方法。
  4. 前記所定の走行条件は、少なくとも左右のいずれかの旋回を含み、前記測定される骨格筋は、少なくとも旋回方向となる片半身から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のロール感の評価方法。
  5. 所定の走行条件で走行している車両の乗員の頭部の姿勢保持に関わる少なくとも1つの骨格筋の筋活動を測定する筋活動測定手段と、
    前記筋活動測定手段で測定された筋活動情報の特徴を表す所定の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記特徴量算出手段で算出された前記所定の特徴量に基づいて車両のロール感を評価する評価部と、
    前記車両の旋回情報を取得する車両情報取得手段とを有し、
    前記筋活動測定手段は、前記車両情報取得手段による前記車両の旋回情報の取得とともに、前記骨格筋の左右両側の筋活動を測定するものであり、
    前記特徴量算出手段は、前記取得された旋回情報から、左右いずれかの前記骨格筋の筋活動を特定し、前記特定された骨格筋の筋活動の特徴を表す前記特徴量を算出するものであり、
    前記評価部は、前記特定された骨格筋の特徴量に基づいて前記ロール感を評価することを特徴とする車両のロール感の評価装置。
  6. 前記筋活動測定手段は、筋電位を所定時間測定するものであり、
    前記特徴量算出手段は、前記所定時間測定された筋電位を整流平滑化して得られる筋電位の波形のピークレベル、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでの時間、前記筋電位の波形の立ち上がりからピークに達するまでにおける立上り角、前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の平均値、および前記筋電位の波形の立ち上がりから立下りの間の筋電位の二乗平均平方根値のうち、少なくとも1つを前記特徴量として算出する請求項に記載の車両のロール感の評価装置。
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