JP4857580B2 - 作業特性評価装置、作業特性評価方法及びプログラム - Google Patents

作業特性評価装置、作業特性評価方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、作業が作業者に与えるストレスの要因を判定することにより、作業の特性を評価する作業特性評価装置、作業特性評価方法及びプログラム、特に、車両の運転作業がドライバに与えるストレスの要因を判定する作業特性評価装置、作業特性評価方法及びプログラムに関する。
今日、自動車は高速かつ安全に走行できるように種々の技術開発がなされてきたが、依然として、ドライバが快適に自動車を運転できるように種々の技術が研究されている。
自動車製作会社等では、快適な運転ができるようにドライバの運転負担の程度を判定することが研究されている。
例えば、下記特許文献1では、自動車を運転中のドライバの運転負担を判定する方法として、運転操作に用いる複数の筋肉の競合状態から、ドライバの運転負担を応答性良く判定する方法を開示している。
具体的には、上腕二頭筋と上腕三頭筋の筋電位を乗算して筋肉の競合値を算出し、この競合値が所定の閾値を越すか否かによって、運転負担が増大したか否かを判定する。
また、下記特許文献2では、自動車を運転する際に、ドライバが受けるストレスを判定する方法が開示されている。
具体的には、ドライバの運転中に、咬筋の筋電信号を計測し、この筋電信号によりドライバのストレスを判定する。
特開2002−230699号公報 特開2004−49623号公報
しかし、特許文献1の方法では、判定する対象である運転負担(ストレス)が、運転の肉体的作業負荷によるものなのか、精神的負荷によるものかわからないといった問題がある。自動車を運転していても、例えば、自動車のパワーステアリングのアシスト率が小さ過ぎるために、ステアリング操作に大きな肉体的(物理的)作業負荷がかかる場合と、不慣れな自動車を運転することにより精神的負荷がかかる場合とがあるが、このような場合を区分けして判定することはできない。
また、同様に、特許文献2においても、肉体的作業負荷と精神的負荷とを区別して運転負担を判定することもできない。
そこで、本発明は、自動車の運転作業等の作業中に、作業が作業者に与えるストレスの要因(肉体的作業負担、精神的負担)を判定して、作業の特性を評価することのできる作業特性評価装置、作業特性評価方法、及びこの方法を実施するプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、作業者の行う作業が作業者に与えるストレスの要因を判定することにより、作業の特性を評価する作業特性評価装置であって、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋活動の情報を取得する筋活動取得手段と、作業者が行う前記作業の作業強度を計測する作業強度計測手段と、前記筋活動の情報の時系列データと前記作業強度の時系列データとの間の相関を求める演算手段と、前記筋活動の情報に応じてストレスの有無を判定し、ストレスがあると判定された場合には、前記相関の度合いに基づいて、作業者に与えストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるものか、その要因を判定する判定手段と、を有することを特徴とする作業特性評価装置を提供する。
その際、前記判定手段は、前記筋活動の情報と前記相関の度合いとからなる特性マップを作成し、前記特性マップに基づいて前記ストレスの要因を判定することが好ましい。
又、前記筋活動取得手段は、筋肉の筋活動を表す筋電位を計測により取得することが好ましい。
又、前記筋活動取得手段により計測される筋電位の強度を表す数値と、前記演算手段で求められた前記相関の度合いとを用いて、前記作業の特性を評価する評価手段を、さらに有することが好ましい。
前記作業強度計測手段は、作業対象物に作用する物理量を計測することが好ましく、或いは、作業に用いる筋肉の活動を前記作業負荷として計測することも好ましい。
又、前記作業は、手又は足を用いる作業であり、前記筋活動取得手段は、咬筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋及び側頭筋の中から選ばれた筋肉の筋活動を、前記作業と独立して活動する筋肉の筋活動として用いることが好ましい。
前記作業は、例えば車両の運転作業であり、前記ストレスはドライバの運転負担である
また、本発明は、作業者の行う作業が作業者に与えるストレスの要因を判定させることにより、作業の特性を評価させる作業特性評価方法であって、筋活動取得手段に、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋活動の情報を取得させるステップと、作業強度計測手段に、作業者が行う前記作業の作業強度を計測させるステップと、判定手段に、前記筋活動の情報に応じてストレスの有無を判定させるステップと、ストレスがあると判定された場合には、演算手段に、前記筋活動の情報の時系列データと前記作業強度の時系列データとの間の相関を求めさせるステップと、前記判定手段に、前記相関の度合いに基づいて、作業者に与えストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるものか、その要因を判定させるステップと、を有することを特徴とする作業特性評価方法を提供する。
さらに、本発明は、作業が作業者に与えるストレスの要因を判定することにより、作業の特性を評価する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋活動の情報の時系列データと、作業者が行う前記作業における作業強度の時系列データをコンピュータに取得させる手順と、前記筋活動の情報に応じてストレスの有無をコンピュータ演算手段に判定させる手順と、ストレスがあると判定された場合には、取得した前記筋活動の情報の時系列データと前記作業強度の時系列データとの間の相関を、前記コンピュータの演算手段に求めさせる手順と、前記相関の度合いに基づいて、作業者に与えストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるもの、その要因を、前記コンピュータの演算手段に判定させる手順と、を有することを特徴とするプログラムを提供する。
本発明では、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋電位の時系列データと、作業者が行う作業の作業強度の時系列データとの間の相関を求め、この相関の度合いに基づいて、作業者に与えるストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるものかを判定する。このため、作業が作業者に与えるストレスの要因を判定することができる。
以下、添付の図面に示す実施形態に基づいて、本発明の作業特性評価装置、作業特性評価方法及びプログラムを詳細に説明する。
図1は、本発明の作業特性評価装置の構成を説明するブロック図である。図2は、本発明の実施形態の作業中の「力み」を計測するために筋電位の信号(筋電信号)を取り出す電極の取付例を示す図である。
図1において、作業特性評価装置1は、ドライバの咬筋の筋活動による筋電位を取得する咬筋電位取得装置10と、ドライバが操舵するときの操舵トルクを、作業強度として計測する作業強度取得装置20と、咬筋電位取得装置10が取得した筋電信号及び作業強度取得装置12が取得した作業強度に基づいて、ドライバの行う自動車の運転作業における運転負担が、肉体的運転作業の負荷によるものか、精神的負荷によるものか、を判定するパーソナルコンピューター(PC)30と、により構成されている。
咬筋電位取得装置10は、センサー11によって咬筋の活動を表す筋電位を検知する。このセンサー11は、約5mm程度離して配置する電極12,13と、基準電位をとるアース電極14とで構成する。図2に示すように、顔面Fの咬筋X(破線)の上部の皮膚に電極12,13を貼付するとともに、耳たぶにアース電極14を貼付する。アース電極14は、咬筋電位取得装置10を介して接地されている。
ここで、咬筋は、ドライバが行う運転の作業と独立して活動する筋肉であり、顔の側面にある大きな筋で、側頭筋と共に咀嚼筋と呼ばれ顎の閉じ動作、例えば、咀嚼や発話を行う動作に作用する。そのため、咬筋は、腕や足などの筋肉を使用して行う自動車の運転などの作業中では、通常活動しない。ところが、ドライバにストレスが生じて全身に力が入ってしまう場合には、咬筋に「力み」が生じ、咬筋が活動する。咬筋電位取得装置10は、その「力み」が生じているときの咬筋の筋電位を計測するようにしたものである。
この咬筋電位取得装置10は、電極12,13からの筋電信号を増幅する生体アンプ15と、交流波形の筋電信号を直流波形の筋電信号に整流する整流器16と、筋電信号中の雑音を除去する平滑化フィルタ17と、アナログ信号としての筋電信号をディジタル信号データに変換するA/Dコンバータ18と、PC20側とのデータのやり取りを制御するインターフェース(I/F)19とを有している。
なお、本実施形態では筋活動の情報として筋電位を用いたが、本発明ではこれに限定されない。例えば、筋肉に加速度センサーを配置して、筋音を計測してもよい。筋音とは筋線維が収縮する際にその径が側方に拡大変形する結果発生する一種の圧波であり、筋の機械的な活動を反映している信号である。
この咬筋電位取得装置10では、ドライバが自動車を運転中(作業中)に、右旋回や左旋回などの操舵によってストレスを受けて、ドライバの全身に力が入って咬筋に「力み」が生じると、そのときの「力み」による咬筋の筋電信号は、電極12,13から入力され、生体アンプ15で増幅されて整流器16によって整流され、さらに、平滑化フィルタ17によって雑音を除去されてA/Dコンバータ18によってディジタル信号に変換される。このディジタル化された筋電位の時系列データは、I/F19を介してPC30側に転送される。
作業強度取得装置20は、ドライバの行う運転作業の作業強度を計測する装置であり、自動車のステアリング軸に取り付けられた操舵トルク計21によって計測した操舵トルクを作業強度として取得する。作業強度取得装置12では、アンプ22により操舵トルクの時系列信号を増幅し、整流器23により全波整流が施された後、A/Dコンバータ18によってディジタル信号に変換される。このディジタル化された操舵トルクの時系列データは、I/F26を介してPC30側に転送される。なお、A/Dコンバータ18によるサンプリングクロック周波数は、後述する相関係数を算出する上でA/Dコンバータ18と同じであることが好ましい。
PC30は、咬筋電位取得装置10から転送される筋電位の時系列データを基に、運転中のドライバに与えるストレスの程度と、そのストレスの要因を判定して、作業特性を評価する判定・評価装置である。
PC30は、各種プログラムモジュールを適宜呼び出して処理を行う処理ユニット31と、咬筋電位取得装置10との間のデータのやり取りを制御するインターフェース(I/F)32と、処理ユニット31の実行する各種プログラムや各種データを格納するROM33、RAM34と、判定結果などを表示するディスプレイ35と、咬筋電位入力装置10から転送されてくる筋電信号や各種プログラムや各種データを格納するハードディスク(HD)36とを主に有している。なお、処理ユニット31とI/F32とROM33とRAM34とディスプレイ35とHD36とはバスによってそれぞれ接続されている。
又、処理ユニット31は、咬筋の筋活動の程度を表す筋電位の強度(一定時間での平均自乗根(RMS値)や積分値(IEMG(Integrated Electromyogram))を算出する筋活動算出モジュール37と、作業強度取得装置20により取得された操舵トルクの時系列データと咬筋の筋電位の時系列データとの相関係数を算出する相関度算出モジュール38と、筋電位の強度と相関係数とを基に、ストレスの要因を判定して、作業特性を評価する判定モジュール39と、を呼び出して作業特性の評価を実行する。
これら各モジュールは、ROM33、RAM34、HD36のいずれの記憶媒体に記憶させておいてもよい。また、それぞれのモジュールをばらばらに記憶させてもよい。さらに、図示しないCD−ROMその他の記憶媒体に記憶させておいてもよい。
筋活動算出モジュール37は、咬筋電位取得装置10からリアルタイムに転送されてくる筋電位の時系列データの入力を受け、一旦、RAM34やHD36に記憶するとともに、RAM34やHD36から呼び出された時系列データを用いて、ストレスの判定の指標としてのパラメータを算出する。筋活動算出モジュール37は、例えば、RMS値を算出する関数を定義しておき、入力される筋電位の時系列データに対してRMS値を算出する処理を行う。
相関算出モジュール38は、咬筋電位取得装置10からの筋電位の時系列データと作業強度取得装置20からの操舵トルクの時系列データとの相関係数を算出する。筋電位は、咬筋に生じる「力み」を表すものであり、ドライバの受けるストレスに相当する。したがって、ストレスを表す筋電位の時系列データと作業強度を表す操舵トルクの時系列データとの相関係数を求めることで、相関の度合いが高いときは、そのストレスは肉体的作業負荷によるものと判定し、相関の度合いが低いときは、精神的負荷によるものと、判定することができる。
判定モジュール39は、筋活動算出モジュール37にて算出されたRMSやIEMG等の値と、相関算出モジュール38で算出された相関係数とにより、作業としての特性を判定し評価する。
図3は、作業としての特性を判定し評価するために作成される特性マップの一例である。
図中の横軸の「同期度」は相関係数の値を表し、縦軸の「力み度」は、RMS値を規格化した値である。RMS値の規格化は、予め、奥歯を思いきり噛み締めたときの咬筋の最大収縮電位の波形を計測してRMS値を算出し、このRMS値を用いて規格化する。特性マップでは「力み度」が高いほど、ドライバの受けるストレスが大きいことを表す。一方、「同期度」が高いほど、ドライバの肉体的作業負荷が精神的負荷に比べて大きいことを表す。
図3では、このような特性マップに、異なるタイヤを装着した自動車をドライバが運転したときの結果(例1〜5)を重ね書きしている。これらの結果は、速度100km/時でレーンチェンジを行ったときのものであり、3人のドライバによる平均値である。
例4は、例1〜3に対して、例5と同程度に高い「力み度」を持つが、例4の「同期度」は、例1〜3に比べて低い。一方、例5の「同期度」は、例1〜3に比べて高い。
このことより、例4における運転作業と例5における運転作業は、同程度にドライバにストレスを与えるが、例4におけるストレスの要因は精神的負荷によるものであり、例5におけるストレスの要因は肉体的作業負荷によるものであると判定し評価することができる。
このようなPC30は、以下のプログラムがROM33、HD36等から呼び出されて機能する。すなわち、プログラムは、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋電位の時系列データと、作業者が行う作業における作業強度の時系列データをコンピュータに取得させる手順と、取得した筋電位の時系列データと作業強度の時系列データとの間の相関を、コンピュータの演算ユニットに演算させる手順と、作業の特性を評価するために、演算された相関の度合いに基づいて、作業者に与えるストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるかを、コンピュータの演算ユニットに判定させる手順と、を有する。
作業特性評価装置1は以上のように構成される。
なお、本実施形態では、作業を自動車のステアリング操作とし、操舵トルクを作業強度として用いたが、操舵トルクの他、操舵トルクに操舵角速度を乗算した操舵仕事率を用いてもよい。また、作業がギアシフトの操作である場合はシフトレバーの操作力を、アクセル・ブレーキ・クラッチ等のペダル類を足を用いて操作する場合は、ペダルに与える踏力を用いるとよい。
なお、本発明における作業は、自動車の運転に限られない。作業強度として、計測可能な作業力、作業馬力(エネルギ)、作業仕事率の強度を用いることができる。作業力は、例えばロードセルがセンサーとして用いられて検知される。又、感圧グローブや床反力計によって作業力は検知される。作業馬力や作業仕事率は、ロードセル等による作業力の計測に加えて、変位センサ等により作業部位の変位が計測される。
また、本発明においては、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉とは、作業時にリラックス状態では活動が見られず、若しくは活動が微弱な筋肉であり、作業における主動筋又は拮抗筋に該当しない筋肉であればよい。このような筋肉として、咬筋の他、頭部の側頭筋、頸部の胸鎖乳突筋、肩部の僧帽筋が挙げられ、このような筋肉の筋電信号を用いることもできる。
又、本実施形態では、作業対象物に与える計測可能な作業力、作業馬力、作業仕事率を作業強度とするが、本発明においては、作業時の作業者の、作業における主動筋又は拮抗筋の筋電位を計測対象とし、この筋電位を用いて作業強度を求めてもよい。例えば、腕を用いて行う作業の場合、腕の主動筋となる上腕二頭筋や上腕三頭筋、前腕の伸筋や屈筋、あるいは肩の三角筋や僧帽筋の筋電位を計測するとよい。特に、作業が複数の作業対象物を相手とする場合、各作業対象物に与える操作力、トルク、変位、角度等を計測するよりも、作業者の主動筋の筋電位を計測する方が簡便で好ましい。このような筋電位の計測は、計測しようとする筋肉の部位に一対の電極を貼付して咬筋電位取得装置10と同様の構成の筋電位取得装置を用いて筋電位を計測することができる。このような作業は実際の作業現場で行われることが多く、有効な手段である。
図4は、作業特性評価装置1において行う作業特性評価方法の流れを示すフローチャートである。
まず、咬筋電位取得装置10を用いて咬筋の筋電位を「力み」として計測し、筋電位の時系列データを取得する。また、作業強度取得装置20において、ステアリング軸周りに作用する操舵トルクを作業強度として計測し、操舵トルクの時系列データを取得する(ステップS100)。
この筋電位の時系列データから、筋活動算出モジュール37において所定の時間範囲におけるRMS値が「力み」の度合いとして算出され、算出されたRMS値は、予め計測された最大収縮電位のRMS値で除算され、図3に示す「力み度」として表される。
次に、この「力み度」が所定の値と比較され、「力み」の有無が判定される(ステップS102)。例えば「力み度」が0.5以下の場合、「力み」無しと判定され、この作業におけるストレスは発生しないと判定される(ステップS104)。
ステップS102において、例えば「力み度」が0.5を超える場合、「力み」有りと判定される。このとき、作業強度として取得された操舵トルクの時系列データと咬筋の筋電位の時系列データとの相関係数が算出される(ステップS106)。具体的には、予め設定された時間範囲における2つの時系列データ間の相関係数が算出される。
本発明における相関の度合いは、同時刻における2つの時系列データ間の相関係数の他に、2つの時系列データの相互相関関数を算出し、この相互相関関数の値が最大となるときの値を用いてもよい。「力み」を表す筋電位は、作業強度に対して、一定の時間遅れを伴って相関性を有する場合があるからである。
次に、算出された相関係数を用いて、作業強度と「力み」との間の相関の大小が判定される(ステップS108)。相関の大小は、予め定められた設定値と比較される。この比較において、相関係数が設定値以上である場合、「力み」と作業強度との間の相関は大きく、作業はドライバにストレスを生じさせ、そのストレスは肉体的作業負荷によるものであると判定される(ステップS110)。一方、相関係数が設定値より小さい場合、「力み」と作業強度との間の相関は小さく、作業はドライバにストレスを生じさせ、そのストレスは精神的負荷によるものであると判定される(ステップS112)。
このようにして、運転によりドライバはストレスを受けるか否かの情報とともに、ストレスを受ける場合、そのストレスの要因は精神的なものか肉体的なものかを判定して、作業の特性を評価することができる。
以上、本発明の作業特性評価装置、作業特性評価方法及びプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の作業特性評価装置の構成を説明するブロック図である。 本発明において作業中の「力み」を計測するために筋電信号を取り出す電極の取付例を示す図である。 本発明の作業特性評価装置において、作業としての特性を判定し評価するために作成される特性マップの例である。 本発明の作業特性評価装置において行う作業特性評価方法の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 作業特性評価装置
10 咬筋電位取得装置
11 センサー
12,13 電極
14 アース電極
15 生体アンプ
16,23 整流器
17 平滑化フィルタ
18,24 ADコンバータ
19,26 インターフェース
20 作業強度取得装置
21 操舵トルク計
22 アンプ
30 パーソナルコンピュータ
31 処理ユニット
37 筋活動算出モジュール
38 相関算出モジュール
39 判定モジュール

Claims (10)

  1. 作業者の行う作業が作業者に与えるストレスの要因を判定することにより、作業の特性を評価する作業特性評価装置であって、
    作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋活動の情報を取得する筋活動取得手段と、
    作業者が行う前記作業の作業強度を計測する作業強度計測手段と、
    前記筋活動の情報の時系列データと前記作業強度の時系列データとの間の相関を求める演算手段と、
    前記筋活動の情報に応じてストレスの有無を判定し、ストレスがあると判定された場合には、前記相関の度合いに基づいて、作業者に与えストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるものか、その要因を判定する判定手段と、を有することを特徴とする作業特性評価装置。
  2. 前記判定手段は、前記筋活動の情報と前記相関の度合いとからなる特性マップを作成し、前記特性マップに基づいて前記ストレスの要因を判定することを特徴とする請求項1に記載の作業特性評価装置。
  3. 前記筋活動取得手段は、筋肉の筋活動を表す筋電位を計測により取得する請求項1または2に記載の作業特性評価装置。
  4. 前記筋活動取得手段により計測される筋電位の強度を表す数値と、前記演算手段で求められた前記相関の度合いとを用いて、前記作業の特性を評価する評価手段を、さらに有する請求項3に記載の作業特性評価装置。
  5. 前記作業強度計測手段は、作業対象物に作用する物理量を計測する請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業特性評価装置。
  6. 前記作業強度計測手段は、作業に用いる筋肉の活動を前記作業負荷として計測する請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業特性評価装置。
  7. 前記作業は、手又は足を用いる作業であり、
    前記筋活動取得手段は、咬筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋及び側頭筋の中から選ばれた筋肉の筋活動を、前記作業と独立して活動する筋肉の筋活動として用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載の作業特性評価装置。
  8. 前記作業は、車両の運転作業であり、前記ストレスはドライバの運転負担である請求項7に記載の作業特性評価装置。
  9. 作業者の行う作業が作業者に与えるストレスの要因を判定させることにより、作業の特性を評価させる作業特性評価方法であって、
    筋活動取得手段に、作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋活動の情報を取得させるステップと、
    作業強度計測手段に、作業者が行う前記作業の作業強度を計測させるステップと、
    判定手段に、前記筋活動の情報に応じてストレスの有無を判定させるステップと、
    ストレスがあると判定された場合には、演算手段に、前記筋活動の情報の時系列データと前記作業強度の時系列データとの間の相関を求めさせるステップと、
    前記判定手段に、前記相関の度合いに基づいて、作業者に与えたストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるものか、その要因を判定させるステップと、を有することを特徴とする作業特性評価方法。
  10. 作業が作業者に与えるストレスの要因を判定することにより、作業の特性を評価する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    作業者が行う作業と独立して活動する作業者の筋肉における筋活動の情報の時系列データと、作業者が行う前記作業における作業強度の時系列データとをコンピュータに取得させる手順と、
    前記筋活動の情報に応じてストレスの有無をコンピュータ演算手段に判定させる手順と、
    ストレスがあると判定された場合には、取得した前記筋活動の情報の時系列データと前記作業強度の時系列データとの間の相関を、前記コンピュータの演算手段に求めさせる手順と、
    前記相関の度合いに基づいて、作業者に与えたストレスが、作業の肉体的作業負荷によるものか、作業の精神的負荷によるものか、その要因を、前記コンピュータの演算手段に判定させる手順と、を有することを特徴とするプログラム。
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