JP5326397B2 - 粒子輸送装置 - Google Patents
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Description
図1はその斜視図、図2は側面図である。図1・図2に示すように、絶縁体2中に複数本の線状電極3を平行に配置して平板状固定子1を構成し、電源9で線状電極3に交番電圧を印加することにより、線状電極3の近傍にクーロン力を発生させ、平板状固定子1上の粒子29を平板状固定子1表面に吸引しつつ輸送する。
このことは以降に示す本発明の実施形態で述べる従来技術との比較説明で一層明らかになる。
(1)互いに平行または略平行に配列された線状電極と、
前記線状電極の配列順番号をk(kは0から始まる整数)、前記線状電極に印加すべき周期変化する駆動電圧の採り得る位相の数である相数をnとしたとき、
p=Mod(k,n)+1 (ここで、Modは剰余関数である。)
で表される第p相の駆動電圧Vp(t)(tは時刻)を前記配列順番号kの線状電極に印加する電圧印加手段と、
を備えた粒子輸送装置において、
任意の2時刻t1,t2(t1≠t2)における第p相の駆動電圧Vp(t)の組合せを
[V1(t1),V2(t1),・・・,Vn−1(t1),Vn(t1)]
[V1(t2),V2(t2),・・・,Vn−1(t2),Vn(t2)]
と表したときに、少なくとも1組は循環置換によって互いに一致させることができない駆動電圧Vp(t)の組合せとなっていることを特徴とする。
ここで循環置換とは、有限要素数の順列[a b c d e]を[b c d e a]や[c d e a b]に置換する操作のことである。
前記線状電極の配列順番号をk(kは0から始まる整数)、前記線状電極に印加すべき周期変化する駆動電圧の採り得る位相の数である相数をnとしたとき、
p=Mod(k,n)+1 (ここで、Modは剰余関数である。)
で表される第p相の駆動電圧Vp(t)(tは時刻)を前記配列順番号kの線状電極に印加する電圧印加手段と、
を備えた粒子輸送装置において、
任意の2時刻t1,t2(t1≠t2)における第p相の駆動電圧Vp(t)の組合せを
[V1(t1),V2(t1),・・・,Vn−1(t1),Vn(t1)]
[V1(t2),V2(t2),・・・,Vn−1(t2),Vn(t2)]
と表したときに、
循環置換によって互いに一致させることができる2時刻の組合せ、および、
循環置換によって互いに一致させることができない2時刻の組合せ、
の両者を有することを特徴とする。
t1…[0, 0, 0, +V]
t2…[+V,0, 0, 0 ]
とすると、右へ一つだけ動かす循環置換([a b c d]→[d a b c])によって一致させることができる。
t1…[ 0, 0, 0,+V]
t2…[+V,+V, 0, 0]
とすると、どのような循環置換によっても一致しない。
(3)前記印加電圧のパターンVp(t)は、それぞれ2種類以上の離散的な電圧Wj(j=1,2,・・・,m)のいずれかの値を採る、ものとする。
この構成により、線状電極への印加電圧パターンを循環置換しても互いに一致しない駆動電圧を容易に生成できる。
[V1(t),V2(t),・・・,Vn−1(t),Vn(t)]
は、任意の時刻において、
[W1,W2,W2,・・・,W2]
[W1,W1,W2,・・・,W2]
のいずれかの循環置換によって表せるものとする。
この構成により、駆動電圧を簡易な波形を基にして生成できる。
この構成により、電極間の放電や電極からの放電を抑制することができ、また電極の酸化を抑制することができるので、長期に亘って安定した特性が維持できる。
この発明の第1の実施形態に係る粒子輸送装置について図3〜図12を参照して説明する。
図3は複数の線状電極とそれらに対して電圧を印加する構成を示す図であり、図3(A)は線状電極を形成した誘電体基板の平面図、図3(B)はその側面図である。
p=Mod(k,n)+1 (ここで、Modは剰余関数である。)
で表される第p相の駆動電圧Vp(t)(tは時刻)を配列順番号kの線状電極52に印加する。なお、線状電極52の配列順番号kは、k=0,1,2,3・・・というように0から始まる整数である。
図6は、比較例としての粒子輸送装置において、図5に示した周期パルス電源40から出力される4相の電圧波形である。各相の駆動電圧は、周期Tの1/4区間が“H”レベル(+V[V])、その他の3/4区間が0[V]である。隣接する相は90°(1/4周期)ずつずれている。
(T/8)×(2i−2)<t<(T/8)×(2i−1)
又は
(T/8)× Mod(2i,8)<t<(T/8)× Mod(2i,8)+2
のときに+V、
それら以外のtのとき0を採る。
ただし、Vは正の電圧であり、Mod(a,b)は整数aを整数bで除したときの剰余を求める剰余関数である。周期TはT=20[ms]とした。
0<t<T/8または2T/8<t<4T/8のとき。
V1 = 0[V]となるのは、
それ以外のとき。
V2 = +V[V]となるのは、
2T/8<t<3T/8または4T/8<t<6T/8のとき。
V2 = 0[V]となるのは、
それ以外のとき。
V3 = +V[V]となるのは、
4T/8<t<5T/8または6T/8<t<Tのとき。
V3 = 0[V]となるのは、
それ以外のとき。
V4 = +V[V]となるのは、
6T/8<t<7T/8または0<t<2T/8のとき。
V4 = 0[V]となるのは、
それ以外のとき。
(W41)→(S4)→(W12)→(S1)→
(W23)→(S2)→(W34)→(S3)→
(以降、繰り返し)
のように表現できる。
Fx(S1)(x)の(x)は図4中のX=0を基準とする座標である。
また、印加電圧の周期性から、それぞれのFxは周期をLとする関数である。
このことは実験によっても確かめられた。
第1の実施形態では駆動電圧として2値の矩形波パルスを用いたが、2値の矩形波パルス以外にも多値のパルス電圧で駆動してもよい。
図13は本発明の第2の実施形態に係る粒子輸送装置において、配列電極基板部へ与えられる4相の電圧波形である。この例では、+V[V],0[V],−V[V]の3値のパルス電圧で駆動するようにしている。図13中に示したS1,S2,S3,S4はV1,V2,V3,V4のうち1入力にのみ+Vが印加される時間帯、PN1,PN2,PN3,PN4は隣接する2入力のうち、x座標の小さい方に+V、大きい方に−Vが印加される時間帯、NP1,NP2,NP3,NP4は隣接する2入力のうち、x座標の小さい方に−V、大きい方に+Vが印加される時間帯、NN1、NN2、NN3、NN4は隣接する2入力に−Vが印加される時間帯である。
第1・第2の実施形態では駆動電圧として矩形波パルスを用いたが、第3の実施形態では三角波を用いる。
図14に示す例は、本発明の第3の実施形態に係る粒子輸送装置において、配列電極基板部へ与えられる4相の電圧波形である。この例は、第1の実施形態で示した図7の波形を三角波に置換したものである。このようにして三角波であっても、任意の2時刻における線状電極への印加電圧の空間分布を循環置換によっても必ずしも一致しないようにできる。
その他にノコギリ波、ガウシアン波などのパルスを用いても同等の効果が得られる。
また、2種類の印加電圧の組み合わせパターンを交互に選択するものに限らず、線状電極への印加電圧の空間分布が循環置換によって互いに一致する3種類以上の印加電圧パターンを順次選択することによって駆動電圧を生成するようにしてもよい。
41…タイミング信号発生回路
42…定電圧直流電源回路
43…ゲートドライバ回路
50…配列電極基板部
51…誘電体基板
52…線状電極
53…接続部
54…カバーコート
EFL…電気力線
Claims (5)
- 互いに平行または略平行に配列された線状電極と、
前記線状電極の配列順番号をk(kは0から始まる整数)、前記線状電極に印加すべき周期変化する駆動電圧の採り得る位相の数である相数をnとしたとき、
p=Mod(k,n)+1 (ここで、Modは剰余関数である。)
で表される第p相の駆動電圧Vp(t)(tは時刻)を前記配列順番号kの線状電極に印加する電圧印加手段と、
を備えた粒子輸送装置において、
任意の2時刻t1,t2(t1≠t2)における第p相の駆動電圧Vp(t)の組合せを
[V1(t1),V2(t1),・・・,Vn−1(t1),Vn(t1)]
[V1(t2),V2(t2),・・・,Vn−1(t2),Vn(t2)]
と表したときに、少なくとも1組は循環置換によって互いに一致させることができない駆動電圧Vp(t)の組合せとなっていることを特徴とする粒子輸送装置。 - 互いに平行または略平行に配列された線状電極と、
前記線状電極の配列順番号をk(kは0から始まる整数)、前記線状電極に印加すべき周期変化する駆動電圧の採り得る位相の数である相数をnとしたとき、
p=Mod(k,n)+1 (ここで、Modは剰余関数である。)
で表される第p相の駆動電圧Vp(t)(tは時刻)を前記配列順番号kの線状電極に印加する電圧印加手段と、
を備えた粒子輸送装置において、
任意の2時刻t1,t2(t1≠t2)における第p相の駆動電圧Vp(t)の組合せを
[V1(t1),V2(t1),・・・,Vn−1(t1),Vn(t1)]
[V1(t2),V2(t2),・・・,Vn−1(t2),Vn(t2)]
と表したときに、
循環置換によって互いに一致させることができる2時刻の組合せ、および、
循環置換によって互いに一致させることができない2時刻の組合せ、
の両者を有することを特徴とする粒子輸送装置。 - 前記印加電圧のパターンVp(t)は、それぞれ2種類以上の離散的な電圧Wj(j=1,2,・・・,m)のいずれかの値を採る、請求項1または2に記載の粒子輸送装置。
- 第p相の駆動電圧Vp(t)
[V1(t),V2(t),・・・,Vn−1(t),Vn(t)]
は、任意の時刻において、
[W1,W2,W2,・・・,W2]
[W1,W1,W2,・・・,W2]
のいずれかの循環置換によって表せる、請求項3に記載の粒子輸送装置。 - 前記複数の線状電極は誘電体または絶縁体の基板上に配置され、前記線状電極上に絶縁体膜が被覆された請求項1〜4のいずれかに記載の粒子輸送装置。
Priority Applications (1)
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JP2008188529A JP5326397B2 (ja) | 2008-07-22 | 2008-07-22 | 粒子輸送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008188529A JP5326397B2 (ja) | 2008-07-22 | 2008-07-22 | 粒子輸送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010028992A JP2010028992A (ja) | 2010-02-04 |
JP5326397B2 true JP5326397B2 (ja) | 2013-10-30 |
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