JP5325677B2 - ウレタン結合含有ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
この電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じて、所定の感度や電気特性、光学特性を備えていることが要求される。この電子写真感光体においては、その感光層の表面に、コロナ帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理等の操作が繰返し行われるため、これら操作を行う度に電気的、機械的な外力が加えられる。したがって、長期間にわたって電子写真の画質を維持するためには、電子写真感光体の表面に設けた感光層に、これら外力に対する耐久性が要求される。
しかしながら、この製造方法にはまだ改良点が残されており、例えば、問題点として以下の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)得られるポリカーボネート樹脂の還元粘度を高めることが困難である。
(2)重合安定性が低い。
(3)重合後の反応混合物溶液の洗浄性が低い。
(4)収率が低い。
(5)得られるポリカーボネート樹脂には不純物が多く含まれやすい。
(6)上記(5)の場合は電子写真感光体に使用した場合に電気特性が低下する。
(a)強塩基存在下で反応させるため、クロロフォーメート基の加水分解が進行して連鎖末端が水酸基になり易く、連鎖成長が停止する。
(b)二価アミン化合物と分子末端がクロロフォーメート基であるポリカーボネートオリゴマーとの重合速度が上記の加水分解速度より遅い。この結果、反応生成物は低分子量の重合体や未反応原料を多く含有する。
1. 両末端にクロロフォーメート基を有する芳香族系ポリカーボネートオリゴマーと、下記式(I)で表される二価アミン化合物を、純水中25℃における塩基解離定数がpKb<0の塩基と純水中25℃における酸解離定数がpKa>0の酸からなる塩の水溶液存在下で重縮合させることを特徴とする、ウレタン結合含有ポリカーボネートの製造方法、
2. 両末端にクロロフォーメート基を有する芳香族系ポリカーボネートオリゴマーの繰り返し単位が、下記式(IV)で表される繰り返し単位である上記1に記載の製造方法、
を提供するものである。
本発明のウレタン結合含有ポリカーボネートの製造方法は、原料として特定の芳香族系ポリカーボネートオリゴマーおよび特定の二価アミン化合物を使用し、これらの重縮合反応を特定の塩の水溶液存在下で行うものである。
R27、R28は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、トリフルオロメチル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基である。R27、R28を構成するハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーアミル基、n−ヘキシル基が挙げられる。炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基としてはフェニル基が挙げられる。アリール基に付加する置換基としては、例えば、上記のハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
R29を構成する置換もしくは無置換のメチレン基としては、例えば、メチレン基やメチレン基の水素原子がメチル基やトリフルオロメチル基で置換された基が挙げられる。炭素数2〜6の置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基としては、例えば、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等のアルキレン基やこれらのアルキレン基の水素原子がメチル基やトリフルオロメチル基で置換された基が挙げられる。
X3を構成する、炭素数5〜12の置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が挙げられる。これらのシクロアルキリデン基に付加する置換基としては、例えば、R27、R28で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
X3を構成する、置換もしくは無置換のアダマンタン−2,2−ジイル基、アダマンタン−1,3−ジイル基、またはピラジリデン基における置換基としては、例えば、R27、R28で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
X3を構成する、炭素数2〜12の置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基としては、例えば、エチレン基や1,3−プロピレン基が挙げられる。α,ω−アルキレン基に付加する置換基としては、例えば、R27、R28で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
X3を構成する、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基が挙げられる。アリーレン基に付加する置換基としては、例えば、R27、R28で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
R19〜R21およびR26の個数を規定する、P6,P7,P8としては、1〜4が好ましく、P9としては、3〜6が好ましい。特に、R19、R20が、X3に対して3位に1個付加する態様が、耐摩耗性の点で好ましい。また、(V)式において、X3に対して4位で連結する態様が、耐摩耗性の点で好ましい。
(V’)式において、2つのアルキレン基は、フェニレン基に対してパラ位で結合する態様が、耐摩耗性の点で好ましい。
(VI)式において、他の繰返し単位と結合する位置としては、ナフタレン環の2,7位または2,6位である態様が、耐摩耗性の点で好ましい。
この方法においてはまず、アルカリ水溶液に二価フェノール化合物を溶解し、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液を調製する。次に、このアルカリ水溶液と有機溶媒(例えば塩化メチレン)との混合液に、ホスゲンを導入して反応させ、CF基含有PCオリゴマーを合成する。次に、この反応溶液を水相と有機相とに分離し、CF基含有PCオリゴマーを含む有機相を得る。この際、アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、0.1〜5モル/Lの範囲が好ましく、また有機相と水相との容積比は、通常10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5の範囲である。
反応温度は、通常0〜70℃、好ましくは5〜65℃であり、反応時間は通常15分間〜4時間、好ましくは30分間〜3時間程度である。このようにして得られるCF基含有PCオリゴマーの粘度平均分子量は通常6000以下であり、重合度は通常20以下、好ましくは2〜10量体のものである。
R16、R17は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、トリフルオロメチル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基である。R16、R17を構成するハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーアミル基、n−ヘキシル基が挙げられる。これらのアルキル基にフッ素原子等のハロゲン原子が付加していてもよい。炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基としてはフェニル基が挙げられる。アリール基に付加する置換基としては、例えば、上記のハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
R18を構成する置換もしくは無置換のメチレン基としては、例えば、メチレン基やメチレン基の水素原子がメチル基やトリフルオロメチル基で置換された基が挙げられる。炭素数2〜6の置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基としては、例えば、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等のアルキレン基やこれらのアルキレン基の水素原子がメチル基やトリフルオロメチル基で置換された基が挙げられる。
X2を構成する、炭素数5〜12の置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が挙げられる。これらのシクロアルキリデン基に付加する置換基としては、例えば、R16、R17で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
X2を構成する、置換もしくは無置換のピラジリデン基における置換基としては、例えば、R16、R17で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
X2を構成する、炭素数2〜12の置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基としては、例えば、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基が挙げられる。α,ω−アルキレン基に付加する置換基としては、例えば、R16、R17で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
X2を構成する、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基が挙げられる。アリーレン基に付加する置換基としては、例えば、R16、R17で説明したハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基や、メトキシ基等のアルコキシ基、トリフルオロメチル基等のハロゲン置換アルキル基が挙げられる。
R1、R6およびR7の個数を規定する、p1、p2,p3はそれぞれ独立に0〜10の整数であるが、好適には7〜10の整数である。R14およびR15の個数を規定する、p4,p5としては、2〜4が好ましい。
前記塩基解離定数がpKb<0の塩基の例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ユウロピウム(II)、水酸化タリウム(I)などが挙げられる。これらの中で、溶解性の観点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどが好ましい。
前記酸解離定数がpKa>0の酸の例としては、酢酸、炭酸、硼酸などが挙げられる。これらの中で、入手性の観点から酢酸、炭酸などが好ましい。
これらの塩基と酸からなる塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウムなどが挙げられる。これらの中で、入手性・溶解性・使用上の簡易性の観点から炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸カルシウムなどが好ましい。
また、これらの塩は混合物としても用いることができる。塩の使用割合は反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。具体的には、原料である二価アミン化合物のアミノ基とCF基含有PCオリゴマーのクロロフォーメート基の合計1モル当たり、1当量もしくはそれより過剰量、好ましくは1〜10当量の塩を使用すればよい。
H(CF2)nCH2OH (nは、1〜12の整数)
F(CF2)mCH2OH (mは、1〜12の整数)
これら分子量調整剤の添加割合は、共重合組成比として、通常0.05〜30モル%、さらに好ましくは0.1〜10モル%である。この割合が30モル%以下であることで、機械的強度が良好であり、0.05モル%以上であることで成形性が向上する。
これらの分子量調整剤は、ウレタン結合含有ポリカーボネートの連鎖末端に付加されるため、安定な末端基が形成され、電気特性の向上に寄与する。
さらに、必要に応じて、この反応系に亜硫酸ナトリウムやハイドロサルファイト塩などの酸化防止剤を少量添加してもよい。
これら分岐剤の添加量は、共重合組成比で通常30モル%以下、好ましくは5モル%以下である。30モル%以下であることで成形性が向上する。
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでもよいが、通常は、常圧もしくは反応系の自圧程度である。反応時間は、反応温度によって適宜決定すればよいが、通常0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜2時間程度である。なお、分子量調整剤、触媒、分岐剤の添加時に特に制限はなく、必要に応じて添加すればよい。
なお、CF基含有PCオリゴマーは一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。また二価アミン化合物は一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
電子写真感光体用のバインダー樹脂としての物性、および、最終的に電子写真感光体となったときの電気的特性(帯電特性)や耐摩耗性(耐傷性)を考慮すると、(I)式で表されるモノマー単位の含有量は、ポリカーボネート重合体全体に占める割合が、1〜50モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、3〜18モル%であることがさらに好ましい。モノマー単位のモル分率が1モル%未満では、ウレタン結合不足により水素結合効果が得られず、耐摩耗性が向上しない。また、モノマー単位のモル分率が50モル%を越えるとウレタン結合含有ポリカーボネートの塗工液調整時の溶剤に対する溶解性や溶液安定性が低下し好ましくない。
なお、ウレタン結合含有ポリカーボネートの還元粘度[ηsp/C](粘度平均分子量と相関のある値)を前記の範囲にするには、例えば、前記反応条件の選択、分岐剤や分子量調節剤の使用量の調節など各種の方法によってなすことができる。また、場合により、得られたウレタン結合含有ポリカーボネートに適宜物理的処理(混合、分画など)および/または化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所定の還元粘度[ηsp/C]のウレタン結合含有ポリカーボネートを得ることもできる。
また、得られた反応生成物(粗生成物)は、公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のものを回収することができる。
〔電子写真感光体〕
本発明の製造方法で得られるウレタン結合含有ポリカーボネートは電子写真感光体の感光層の一成分として使用することができる。
(電子写真感光体の構成)
電子写真感光体は、感光層が、少なくとも1層の電荷発生層と、少なくとも1層の電荷輸送層を有する有機電子写真感光体、または、一層に電荷発生物質と電荷輸送物質を有する有機電子写真感光体であることが好ましい。
ウレタン結合含有ポリカーボネートは、感光層中のどの部分にも使用してもよいが、その特性を十分に発揮するためには、電荷輸送層中において電荷移動物質のバインダー樹脂として使用するか、一層に電荷発生物質と電荷輸送物質を有する単一の感光層のバインダー樹脂として使用するか、表面保護層として使用することが望ましい。電荷輸送層を2層有する多層型の電子写真感光体の場合には、そのいずれかの電荷輸送層に使用することが好ましい。
ウレタン結合含有ポリカーボネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、所望に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート等のバインダー樹脂成分を含有させてもよい。さらに、酸化防止剤等の添加物を含有させてもよい。
電子写真感光体は、感光層を導電性基板上に有するものである。感光層が電荷発生層と電荷輸送層とを有する場合、電荷発生層上に電荷輸送層が積層されていてもよく、また電荷輸送層上に電荷発生層が積層されていてもよい。また、一層中に電荷発生物質と電荷輸送物質を同時に含むものであってもよい。さらにまた、必要に応じて表面層に導電性又は絶縁性の保護膜が形成されていてもよい。さらに、各層間の接着性を向上させるための接着層あるいは電荷のブロッキングの役目を果すブロッキング層等の中間層等が形成されているものであってもよい。
電子写真感光体に用いられる導電性基板材料としては、特に制限はなく、従来公知のもの等の中から適宜選択して使用することができる。具体的には、アルミニウムやニッケル、クロム、パラジウム、チタン、モリブデン、インジウム、金、白金、銀、銅、亜鉛、真鍮、ステンレス鋼、酸化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITO(インジウムチンオキサイド:錫ドープ酸化インジウム)もしくはグラファイトからなる板やドラム、シート、ならびに蒸着、スパッタリング、塗布等によりコーティングする等して導電処理したガラス、布、紙もしくはプラスチックのフィルム、シートおよびシームレスシーベルト、ならびに電極酸化等により金属酸化処理した金属ドラム等を使用することができる。
前記電荷発生層は少なくとも電荷発生材料を有するものであり、この電荷発生層はその下地となる基板上に真空蒸着、スパッタリング法等により電荷発生材料の層を形成せしめるか、又はその下地となる基板上に電荷発生材料をバインダー樹脂を用いて結着してなる層を形成せしめることによって得ることができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法としては公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通常、例えば、電荷発生材料をバインダー樹脂と共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥せしめて湿式成形体として得る方法が好適である。
前記した電荷発生層や後述の電荷輸送層のバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知の各種のものを使用することができる。具体的には、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。なお、電荷発生層や電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、本発明の製造方法で得られるウレタン結合含有ポリカーボネートを使用することが好適である。
前記電荷輸送層は、下地となる基板上に、電荷輸送物質を前記バインダー樹脂で結着してなる層を形成することによって、湿式成形体として得ることができる。
電荷輸送層の形成方法としては、公知の各種の方式を使用することができるが、電荷輸送物質をウレタン結合含有ポリカーボネートとともに適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥して湿式成形体として得る方法が好適である。電荷輸送層形成に用いられる電荷輸送物質とウレタン結合含有ポリカーボネートとの配合割合は、好ましくは質量比で20:80〜80:20、さらに好ましくは30:70〜70:30である。
好ましい範囲において、優れた電荷輸送性と優れた耐摩耗性の両方が得られる。
この電荷輸送層において、ウレタン結合含有ポリカーボネートは1種単独で用いることもでき、また2種以上混合して用いることもできる。また、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー樹脂をウレタン結合含有ポリカーボネートと併用することも可能である。
このようにして形成される電荷輸送層の厚さは、通常5〜100μm程度、好ましくは10〜30μmである。この厚さが5μm未満であると初期電位が低くなるおそれがあり、100μmを超えると電子写真特性の低下を招くおそれがある。
前記ウレタン結合含有ポリカーボネートと共に使用できる電荷輸送物質としては、公知の各種の化合物が挙げられる。このような化合物としては、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルベン化合物、フルオレノン化合物、ブタジエン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらの構造を主鎖や側鎖に有する重合体等が好適に用いられる。これら化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これら電荷輸送物質の中でも、特開平11−172003公報において具体的に例示されている化合物が特に好適に用いられる。
電子写真感光体においては、前記導電性基板と感光層との間に、通常使用されるような下引き層を設けることができる。この下引き層としては、酸化チタンや酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラック、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化珪素等の微粒子、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することができる。また、この下引き層に用いる樹脂として、前記バインダー樹脂を用いてもよいし、ウレタン結合含有ポリカーボネートを用いてもよい。これら微粒子や樹脂は単独または種々混合して用いることができる。これらの混合物として用いる場合には、無機質微粒子と樹脂を併用すると、平滑性のよい皮膜が形成されることから好適である。
この下引き層の厚みは、通常0.01〜10μm程度、好ましくは0.1〜7μmである。この厚みが0.01μm未満であると、下引き層を均一に形成することが困難であり、また10μmを超えると電子写真特性が低下することがある。
また、前記導電性基体と感光層との間には、通常使用されるような公知のブロッキング層を設けることができる。このブロッキング層としては、前記のバインダー樹脂と同種の樹脂を用いることができる。またウレタン結合含有ポリカーボネートを用いてもよい。このブロッキング層の厚みは、通常0.01〜20μm程度、好ましくは0.1〜10μmである。この厚みが0.01μm未満であると、ブロッキング層を均一に形成することが困難であり、また20μmを超えると電子写真特性が低下することがある。
さらに、電子写真感光体には、感光層の上に、保護層を積層してもよい。この保護層には、前記のバインダー樹脂と同種の樹脂を用いることができる。また、ウレタン結合含有ポリカーボネートを用いることが特に好ましい。この保護層の厚みは、通常0.01〜20μm程度、好ましくは0.1〜10μmである。そして、この保護層には、前記電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、樹脂微粒子、ゴム微粒子、金属やその酸化物、窒化物、塩、合金、カーボンブラック、有機導電性化合物等の導電性材料を含有していてもよい。
電子写真感光体の性能向上のために、前記電荷発生層および電荷輸送層には、結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動性付与剤、ピンホール制御剤、分光感度増感剤(増感染料)を添加してもよい。また、繰返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低下を防止する目的で種々の化学物質、酸化防止剤、界面活性剤、カール防止剤、レベリング剤等の添加剤を添加することができる。
このような酸化防止剤の具体例としては、特開平11−172003号公報の明細書に記載された化学式([化94]〜[化101])の化合物が好適である。
これら酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい、そして、これらは前記感光層のほか、表面保護層や下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
前記電荷発生層、電荷輸送層の形成の際に使用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、あるいは、2種以上を混合溶媒として使用してもよい。
各層の塗布は公知のもの等各種の塗布装置を用いて行なうことができ、具体的には、例えば、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、チップコーター、ロールコーター、ディップコーター、ドクタブレード、リングコーター等を用いて行なうことができる。
好ましい範囲において、優れた電荷輸送性と優れた耐摩耗性の両方が得られる。
塗工液は、ウレタン結合含有ポリカーボネートを、前記溶媒に溶解、又は分散することにより得られる。また、塗工液には、他の樹脂、低分子化合物、各種添加剤、着色剤、フィラー、ファイバー、微粒子などの他の成分を含んでいてもよい。例えば、電子写真感光体用途で用いる場合、前記電荷輸送物質、及び前記添加剤を加えて製造する。
本発明の製造方法で得られるウレタン結合含有ポリカーボネートは前記電荷輸送物質との相溶性がよい上に、前記溶媒に溶解しても白化又はゲル化を起こすことがない。従って、上記重合体、電荷輸送物質及び溶媒を含有する樹脂塗工液は、長期に亘って重合体成分の白化又はゲル化を起こすことなく安定に保存することが可能である。またこの樹脂塗工液を用いて電子写真感光体の感光層を形成した場合、感光層が結晶化を起こすこともなく、画質状のディフェクトを生じない、優れた電子写真感光体を作製することができる。
樹脂塗工液中の、前記ウレタン結合含有ポリカーボネートと溶媒との割合としては、重合体及び溶媒の合計量に対する重合体の割合が、通常、1〜30重量%、好ましくは、5〜20重量%とすることが望ましい。また樹脂塗工液中の重合体と電荷輸送物質との割合は、通常、重量比で20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30とすることが望ましい。
樹脂塗工液中、ウレタン結合含有ポリカーボネートは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、或いは、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
上記樹脂塗工液は、通常、感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体の電荷輸送層の形成に好適に用いられる。また、樹脂塗工液に、さらに上記電荷発生物質を含有させることにより、単層型の電子写真感光体の感光層の形成に使用することも可能である。
上記の方法で得られる電子写真感光体は、ウレタン結合含有ポリカーボネートを用いるため、感光層作製時に塗工液が白濁することがなく、ゲル化することもない。また、感光層中にウレタン結合含有ポリカーボネートからなる成形体(バインダー樹脂)を有しているため、耐久性(耐擦傷性)に優れるとともに、優れた電気特性(帯電特性)をしており、長期間にわたって優れた電子写真特性を維持する感光体であり、複写機(モノクロ、マルチカラー、フルカラー;アナログ、デジタル)、プリンター(レーザー、LED、液晶シャッター)、ファクシミリ、製版機、およびこれら複数の機能を有する機器等各種の電子写真分野に好適に用いられる。
以下の実施例および比較例において、ポリカーボネートの溶液(濃度:0.5g/dl、溶媒:塩化メチレン)を調製し、20℃で還元粘度〔ηsp/C〕を測定した。還元粘度の測定には、離合社製の自動粘度測定装置VMR−052USPCを用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)により測定した。
〔構造および組成〕
ポリカーボネートの構造および組成は、1H−NMR分析、13C−NMR分析、およびIRスペクトル分析から求めた。
導電性基体としてアルミニウム金属を蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その表面に、以下の方法により電荷発生層と電荷輸送層を順次積層して積層型感光層を形成した電子写真感光体を製造した。
(前記電化発生層の形成)
電荷発生物質であるオキソチタニウムフタロシアニン0.5質量部、バインダー樹脂であるブチラール樹脂0.5質量部を溶媒(塩化メチレン)19質量部に加え、ボールミルにて分散し、この分散液をバーコーターにより、上記導電性基体フィルム表面に塗工し、乾燥させることにより、膜厚約0.5μmの電荷発生層を形成した。
(電化輸送層の形成)
電荷輸送物質である下記化合物(CTM−1)1.0gと実施例または比較例で得られたポリカーボネート1.0gを11mlのテトラヒドロフランに溶解し、塗工液を調製した。この塗工液をアプリケーターにより、上記電荷発生層の上に塗布し、乾燥し、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.2kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.3kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いでこの反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.5モル/L、固形分濃度0.26kg/L)を得た。クロロフォーメート基の濃度は、得られたCF基含有PCオリゴマーを加水分解して、脱離塩素を滴定して求めた。
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを塩化メチレン100mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液43mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで1回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで3回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−1)を98%の収率で得た。反応終了後の洗浄工程においては、洗浄を行う毎に攪拌を止めて静置し、有機層と水層に分け、水層を除去する操作を必要とする。この静置操作に15〜30分を要した。このことから、有機層と水層の分離が容易であり、効率よく洗浄できることが分かる。
なお、メタノール再沈後、固液分離し、乾燥させて得たPC−1の質量を、重合反応系に投入した、CF基含有PCオリゴマー、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及びp−tert−ブチルフェノールの合計質量数で割って算出した数値を基に、百分率の形で表記した値を収率とした。収率の算出方法は、各実施例、比較例で同じである。
実施例1において、2モル/Lの炭酸カリウム水溶液43mlを2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液43mlに変更した以外は実施例1と同様の操作で、上記構造のポリカーボネート(PC−1a)(〔ηsp/c=0.3dl/g〕を50%の収率で得た。比較例1においては、洗浄時の静置操作に数時間を要し、洗浄工程を効率よく進めることができなかった。
実施例1において、2モル/Lの炭酸カリウム水溶液43mlを2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液43mlに変更し、分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノールを加えないこと以外は実施例1と同様の操作で、上記構造からなるポリカーボネート(PC−1b)(〔ηsp/c=0.4dl/g〕を45%の収率で得た。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.2kgを10質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.3kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.0kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いでこの反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.8モル/L、固形分濃度0.28kg/L)を得た。
1,4−ジアミノブタン1.7gを塩化メチレン100mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.042gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液43mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで3回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−2)を98%の収率で得た。
実施例2において、2モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液43mlを2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液43mlに変更した以外は実施例2と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−2a)(〔ηsp/c=0.45dl/g〕を40%の収率で得た。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを1,6−ジアミノヘキサン2.2gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−3)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を収率95%で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを1,4−ジアミノシクロヘキサン2.2gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−4)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を95%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例2において、1,4−ジアミノブタン1.7gをビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン4.5gに変更した以外は実施例2と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−5)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を94%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gをイソホロンジアミン3.2gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−6)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を93%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン2.7gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−7)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を94%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gをビス(3−アミノプロピル)エーテル2.47gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−8)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を92%の収率を得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.7gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−9)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を98%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.1kgと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン0.1kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.3kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.5モル/L、固形分濃度0.26kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.7gを塩化メチレン100mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの酢酸ナトリウム水溶液43mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−10)を97%の収率で得た。
実施例2において、1,4−ジアミノブタン1.7gを1,4−ジアミノベンゼン3.7gに変更した以外は実施例2と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−11)(〔ηsp/C=1.0dl/g〕を95%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例2において、1,4−ジアミノブタン1.7gを4,4’−ジアミノジフェニルエーテル6.9gに変更した以外は実施例2と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−12)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を98%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR、13C−NMRの結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン0.2kgを12質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.0kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.7モル/L、固形分濃度0.26kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル5.7gを塩化メチレン100mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液65mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−13)を97%の収率で得た。
2,2−ビス(4−ビドロキシフェニル)ブタン0.2kgを12質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.0kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.0kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.8モル/L、固形分濃度260g/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル6.5gを塩化メチレン100mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液75mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−14)を96%の収率で得た。
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.2kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.0kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.8モル/L、固形分濃度0.30kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル6.5gを塩化メチレン110mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.044gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液75mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−15)を98%の収率で得た。
1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン0.2kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.3kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いでこの反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.4モル/L、固形分濃度0.26kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.3gを塩化メチレン110mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液38mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−16)を96%の収率で得た。
1,1−ビス(4−ビドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン0.2kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.3kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いでこの反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.4モル/L、固形分濃度0.26kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.3gを塩化メチレン110mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液38mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−17)を96%の収率で得た。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン0.2kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.3kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いでこの反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.34モル/L、固形分濃度0.22kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル2.8gを塩化メチレン120mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液38mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−18)を98%の収率で得た。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.2kgを16質量%の水酸化カリウム水溶液1.2kgに溶解した溶液と、塩化メチレン1.3kgとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1L/分の割合でpHが9以下になるまで吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜6のCF基含有PCオリゴマーの塩化メチレン溶液(クロロフォーメート基の濃度=0.34モル/L、固形分濃度0.22kg/L)を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル2.8gを塩化メチレン120mlに溶解して、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール0.038gを加えた後、上記オリゴマーの塩化メチレン溶液110ml、及び2モル/Lの炭酸カリウム水溶液38mlを混合し、次いでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液を1ml加え、22℃において攪拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン300mlで希釈し、ついで、水100mlで2回、0.01モル/Lの塩酸100mlで1回、さらに水100mlで2回の順で洗浄した後、有機層をメタノール中に投入し、再沈精製して、ポリカーボネート(PC−19)を97%の収率で得た。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン5.0gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−20)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を95%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル4.0gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−21)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を98%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニルメタン5.0gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−22)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を94%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン6.3gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−23)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を92%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを4,4’−ジアミノジフェニルスルホン4.7gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−24)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を92%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン4.7gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−25)(〔ηsp/c=0.8dl/g〕を97%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
実施例1において、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン4.5gを2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン7.6gに変更した以外は実施例1と同様の操作で、ポリカーボネート(PC−26)(〔ηsp/c=1.0dl/g〕を95%の収率で得た。
IRスペクトル分析の結果から、1775cm-1にカーボネート基による吸収、1755cm-1にウレタン基による吸収が見られ、カーボネート結合及びウレタン結合を有することが認められた。1H−NMR分析の結果と合わせることで、得られたポリカーボネートは下記の構造、及び組成であることが確認された。
KOH:pKb=−1.74
NaOH:pKb=−1.74
酸解離定数(pKa、純水中25℃)
H2CO3:pKa1=3.6、pKa2=10.25
CH3COOH:pKa=4.8
一方、比較例は、収率が低く、還元粘度も低い。これは、重合反応に寄与しないモノマー量の増加を意味し、洗浄過程における未反応モノマーの除去がうまくいかず、生成物中に低分子量成分、例えば、ジアミンモノマーが不純物として多く存在することとなる。このジアミンモノマーの存在により、電気特性が悪くなる。具体的には、半減露光量や残留電位が高くなる。
また、比較例1と2を比較すると、比較例1においては分子量調整剤を添加したにもかかわらず、還元粘度への影響が小さい。このように、分子量調整が難しくなるなど、重合安定性の面で、強塩基存在下でのウレタン結合含有ポリカーボネート樹脂の製造には問題点がある。
Claims (2)
- 両末端にクロロフォーメート基を有する芳香族系ポリカーボネートオリゴマーと、下記式(I)で表される二価アミン化合物を、純水中25℃における塩基解離定数がpKb<0の塩基と純水中25℃における酸解離定数がpKa>0の酸からなる塩の水溶液存在下で重縮合させることを特徴とする、ウレタン結合含有ポリカーボネートの製造方法。
- 両末端にクロロフォーメート基を有する芳香族系ポリカーボネートオリゴマーの繰り返し単位が、下記式(IV)で表される繰り返し単位である請求項1に記載の製造方法。
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