JP5325663B2 - ブラジャー付き授乳用インナーウェア - Google Patents

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本発明は、ブラジャー機能を有する授乳用インナーウェアに関するものである。
図7は従来のブラジャー機能を有する授乳用インナーウェアである(例えば特許文献1を参照)。このブラジャー機能を有する授乳用インナーウェア(以下、「授乳用インナーウェア」という)は、アンダーバストより上部1が下部3とは異なり、伸縮性生地からなっており、さらに、上部1の右前身頃と左前身頃が前後に重なるように交差されているクロスタイプとされている。このため、インナーウェアを脱がなくても、上部1の右前身頃或いは左前身頃をめくって乳房を露出させ、乳児に授乳できる。
そして、上部1の前身頃には、内側にパッドが縫合されたカップ部5が設けられており、さらに、カップ部5の下縁に非伸縮性素材7が縫合されている。これにより、授乳用インナーウェアを着用すれば、ブラジャーを付けなくても乳房を保持できる。
特許第4050782号公報
ところが、図7の授乳用インナーウェアは、アンダーバストより上部1が伸縮性生地からなり、この伸縮性生地に重たいパッドが縫合されている。このため、たとえカップ部下縁に非伸縮性素材7が縫合されていたとしても、上部1全体が動いて胸部とパッドとの位置がずれたり、カップ部5が図7の矢印方向にめくれたりし、ブラジャー機能を有効に発揮できない場合がある。
この点、上部1が動かないように、伸縮性生地ではなく弾性力のある生地や非伸縮性生地を用いれば、ブラジャー機能を有効に発揮できるが、それでは授乳がし難く、或いはインナーウェアのリラクゼーション感が損なわれることになる。
本願は、授乳を容易にし、かつ、リラクゼーション感を損なわないようにしつつ、ブラジャー機能を有効に発揮できるブラジャー付き授乳用インナーウェアを提供することを目的とする。
上記目的は、請求項1の発明によれば、略全体が伸縮性を有しており、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっているインナーウェア部と、左右の乳房に対応した位置にパッド部を有するようにして、前記インナーウェア部の内側に配置されたブラジャー部と、を備え、前記ブラジャー部は、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっており、かつ、弾性力により使用者のアンダーバスト周辺を締付ける輪状部を有し、さらに、脇ぐり部の肩より下側である第1の領域、及び、後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側の第2の領域でのみ、前記インナーウェアと結合されているブラジャー付き授乳用インナーウェアにより達成される。
請求項1の発明によれば、インナーウェア部は略全体が伸縮性を有しているため、リラクゼーション機能を発揮できる。また、この伸縮性を有するインナーウェア部は、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっているため、右前身頃や左前身頃をめくり、乳房を露出させて授乳機能を発揮できる。また、左右の乳房に対応した位置にパッド部を有するようにしてインナーウェア部の内側に結合したブラジャー部によって、乳房形状を保持して、ブラジャー機能を発揮できる。
ここで、本発明の場合、上記ブラジャー機能、リラクゼーション機能、及び授乳機能は、以下のように互いに阻害することなく、それぞれ有効に発揮される。
先ず、ブラジャー機能について、ブラジャー部は弾性力により使用者のアンダーバスト周辺を締付ける輪状部を有しているため、この輪状部でアンダーバストを締め付けて位置決めできる。さらに、ブラジャー部は、脇ぐり部の肩より下側である第1の領域、及び後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側である第2の領域で、インナーウェア部と結合されているため、身体の左右側面、及び背中側でも位置決めされる。このようにして、ブラジャー部は有効に位置決めされて、めくれや位置ずれを防止し、ブラジャー機能を有効に発揮できる。
そして、本発明はブラジャー部とインナーウェア部とが結合されていても、インナーウェア部のリラクゼーション感の阻害を防止する。すなわち、ブラジャー部は、第1の領域(脇ぐり部の肩より下側)、と第2の領域(後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側)でのみインナーウェア部と結合されているため、アンダーバストにある輪状部はインナーウェア部と結合されていない。このため、輪状部の弾性力がインナーウェア部の伸縮性を阻害することなく、インナーウェア部のリラクゼーション感は維持される。また、ブラジャー部がインナーウェア部に結合されている前記第1の領域及び第2の領域は上半身の中でも比較的に動きが小さい部分である。このため、この結合部分におけるブラジャー部とインナーウェア部との相互作用は小さく、ブラジャー部の動きに伴ってインナーウェア部が動くようなことも少ない。したがって、ブラジャー部とインナーウェア部とを結合したとしても、インナーウェア部のリラクゼーション感は大きく損なわれることがない。
また、このようなブラジャー部は、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっているため、インナーウェア部の右前身頃や左前身頃をめくると同時にブラジャー部の右前身頃や左前身頃もめくって乳房を露出し、授乳機能を容易に発揮できる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記ブラジャー部と前記インナーウェア部との前記第1の領域における結合は、前身頃において、略脇の下に対応した領域のみでの結合とされていることを特徴とする。これにより、授乳の際の、ブラジャー部の右前身頃や左前身頃のめくりに連れて、脇ぐり部が動いてしまうことを防止できる。したがって、授乳の際であっても、リラクゼーション機能を有効に発揮できる。
また、請求項3の発明によれば、請求項1または2の構成において、前記インナーウェア部は、脇ぐり部に弾性力が付与されている。このため、請求項2の発明に比べて脇ぐり部の動きをより防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、授乳を容易にし、かつ、リラクゼーション感を損なわないようにしつつ、ブラジャー機能を有効に発揮できるブラジャー付き授乳用インナーウェアを提供することができる。
本発明の実施形態に係るブラジャー付き授乳用インナーウェアであって、図1(a)はその正面図、図1(b)はその背面図。 本実施形態に係るブラジャー付き授乳用インナーウェアの概略側面図。 図1(a)のブラジャー付き授乳用インナーウェアの一部を切り欠いて、インナーウェア部の内側のブラジャー部を露出させた正面図。 ブラジャー部の前身頃側を図3のA−A線の位置で切断した端面図。 本実施形態に係るブラジャー付き授乳用インナーウェアを用いて授乳している様子を示す図。 本実施形態に係るブラジャー付き授乳用インナーウェアの変形例。 従来のブラジャー付き授乳用インナーウェアの正面図。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1ないし図3は、本発明の実施形態に係るブラジャー付き授乳用インナーウェア10を示しており、図1(a)はその正面図、図1(b)はその背面図、図2はその側面図、図3は図1(a)のブラジャー付き授乳用インナーウェアの一部を切り欠いて、インナーウェア部の内側のブラジャー部を露出させた正面図である。
このブラジャー付き授乳用インナーウェア10は、乳児に授乳する産後の母親等が着用する衣類であり、着用した場合に外側に配置されるインナーウェア部12と、このインナーウェア部12の内側(使用者側)に配置されるブラジャー部30とを備えている。なお、ブラジャー付き授乳用インナーウェア10は産前の妊婦が着用しても勿論構わない。
インナーウェア部12は、身体に直接触れて着用される衣類であり、キャミソールやスリップ等といった下着類が該当し、また、下着のような形態や素材を用いたランジェリー・ルックなど、身体に直接触れものであれば、アウターとして着用されるものも含まれる。本実施形態のインナーウェア部12には、一例としてキャミソールが図示され、使用者の胸部から少なくとも腹部までをゆとりをもって覆い包みながら、これを肩掛部11で支持し、上腕を露出させるノースリーブ型とされている。
そして、インナーウェア部12は、リラクゼーション感が得られるように、全体的に身体を締付けない材料や編み方が採用され、後述する限られた部分を除いて、略全体が伸縮性を有する衣類とされている。例えば、インナーウェア部12には、ポリウレタン混や肌への優しさ加味して綿混素材を使用できる。
また、本実施形態のインナーウェア部12の後身頃は、図1(b)に示すように、縫合線などが形成されることなしに背中を覆っている。一方、インナーウェア部12の前身頃については、図1(a)に示すように、使用者の胸部を覆うための胸覆い部14と、腹部以下を覆う筒状の腹覆い部15とが、略アンダーバストUBの位置で縫合されている。
胸覆い部14は、右前身頃16及び左前身頃17にダーツ14a,14aを形成して、後述する乳房を保持するパッド部32の形状に対応させた立体形状とされている。
そして、右前身頃16や左前身頃17を図1(a)の矢印方向にめくって授乳が可能なように、胸の谷間付近で右前身頃16と左前身頃17とが交差するように前後に重なっている。具体的には、前身頃において、インナーウェア部12の襟ぐり部19は胸の谷間付近まで形成されて略V字或いは略U字状とされている。また、胸覆い部14における右前身頃16と左前身頃17とは一体ではなく、右前身頃16の胸の谷間側の端部と左前身頃17の胸の谷間側の端部とが、互いに前後方向(体の厚み方向)に重なり、その下端部が略アンダーバストUBの位置で腹覆い部15に縫合されている。
このような胸覆い部14には、横方向に比べて縦方向の伸縮性が弱くなるように編成等されており、また、右前身頃16や左前身頃17をめくって授乳をした後、再び容易に乳房を隠し、また、生地・編地が伸びてしまう事態を防止するため、例えば、ポリウレタン混のコメットテープ、ピコゴムなどで形成された弾性部材19aを襟ぐり部周縁に縫合している。
ブラジャー部30は、乳房をサポートする点で通常のブラジャーと同様である。すなわち、図3に示すように、使用者Mの左右の乳房に対応した一対のパッド部32,32が設けられている。なお、バッド部32は、乳房を保持できるように、伸縮性の小さい布地等を用いて、乳房形状に適合し易いお椀形状に立体裁断されて形成されている。
しかし、本発明のブラジャー部30は、それ単独で使用者に装着されずに、インナーウェア部12に結合されることで、インナーウェア部12を着用すると同時に使用者に装着できる点で通常のブラジャーとは異なる。
また、本発明のブラジャー部30は、乳房をサポートするだけではなく、授乳機能を容易に発揮すると共に、リラクゼーション機能を発揮するようにされている。
先ず、授乳機能について説明する。
ブラジャー部30は、胸の谷間付近で右前身頃42と左前身頃43とが交差するように前後に重なっている。具体的に、ブラジャー部30は、インナーウェア部12の胸部を覆い隠す部分と同様の構成により、めくることが可能とされている。すなわち、前身頃において、胸の谷間付近までは肌を隠さずに、上端縁34が略V字或いは略U字状とされ、右前身頃42の胸の谷間側の端部と左前身頃43の胸の谷間側の端部とが、互いに前後方向(体の厚み方向)に重なっている。また、右前身頃42と左前身頃43の下端部は後述する輪状部40に縫合されている。これにより、使用者は授乳をする際、図5に示すように、インナーウェア部12及びブラジャー部30の夫々の右前身頃16,42或いは左前身頃17,43を同時に持ってめくって乳房BRを露出し、容易に授乳できる。
なお、ブラジャー部30の右前身頃42と左前身頃43とが前後に重なっている部分36は、図3のA−A線端面図である図4に示すように、右前身頃42及び左前身頃43の夫々の生地・編地(以下、単に「生地」と説明した場合は編地を含む生地を意味する)が二重に形成されている。具体的には、右前身頃42の該当部分36の前後に重なった二枚の生地のうち、一方の生地42aが横方向に比べて縦方向の伸縮性が弱くなる編組織とされ、他方の生地42bが縦方向に比べて横方向の伸縮性が弱くなる編組織となるように編成されている。なお、左前身頃43の構成も右前身頃42と同様である。これにより、授乳のために右前身頃42や左前身頃43を繰り返しめくっても、ブラジャー部30の損傷を防止することができる。
次に、リラクゼーション機能について説明する。
ブラジャー部30は、ソフトな着用感を得るために、伸縮性を有する生地をベースにして、ワイヤー等の硬質な部材を用いず、以下に述べる種々の部材を結合させることで、所謂ソフトブラジャーのような形態とされている。具体的に、ブラジャー部30の伸縮性を有する生地には、例えばインナーウェア部12と同じ綿混素材や、ストレッチ性のあるポリウレタン混が選択でき、本実施形態の場合、図3に示すように、後述するパッド部32,輪状部40,弾性部材34を除く部分が伸縮性を有する生地から形成されている。また、この伸縮性を有する生地については、右前身頃42と左前身頃43とが前後に重なる部分36を除く領域38、及び後身頃の略全体が横方向に比べて縦方向の伸縮性が弱くなるように編成されている。
そして、ブラジャー部30は、一対のパッド部32,32の周縁部が左前身頃43及び右前身頃42の夫々の伸縮性を有する生地に縫合されているが、このバッド部32は、ソフトな着用感を得られるように、柔軟であって厚み方向に所定の弾力性が付与されている。さらに、パッド部32,32は、漏乳による不快感を与えないように、内側(身体側)に漏乳を吸収するための母乳パッドが粘着テープで貼付できる素材、例えばポリエステルから形成され、着用時に少なくとも乳首を覆うことができる位置にある。
ここで、本発明のブラジャー部30は、ソフトな着用感であっても、乳房のサポート力を高めるため、種々の工夫が施されている。
先ず、ブラジャー部30は、図3に示すように、弾性力により使用者Mのアンダーバスト周辺を締付ける輪状部40を有している。輪状部40は、ブラジャー部30をアンダーバスト周辺に位置決めするための部材であり、使用者Mのアンダーバストの寸法より若干小さな寸法を有する輪状の例えばゴムが、ブラジャー部30の下端部に縫合されることで形成されている。これにより、ブラジャー部30のアンダーバストにおける動きが規制され、乳房のサポート機能を高めることができる。また、上述したようにパッド部32に貼付した母乳パッドが吸収した漏乳により重たくなって剥がれたとしても、落下する事態を防止できる。なお、輪状部40には、ブラジャー部30が上に移動しない程度の締付力があれば足り、輪状部40が上に移動しようとする際には乳房に係止されることも考慮すると、強力な締付力は必要ない。
また、ブラジャー部30は、インナーウェア部12の左右の脇ぐり部20の肩SH(図2及び図3の点線で囲った部分)より下側である第1の領域22,22に結合されている。このため、ブラジャー部30は、この第1の領域22,22及び輪状部40により、前身頃について、図3に示すようにパッド部32,32の下側(アンダーバスト)と左右外側(脇ぐり部20の下側)の3点で位置決めされ、側面については、図2に示すように脇の下周辺でブラジャー部30を位置決めされる。
また、ブラジャー部30は、後身頃の左右の肩甲骨KBの間であって首の根元側の第2の領域26(図1及び図3の二点鎖線で囲った部分)でインナーウェア12と結合されている。このため、ブラジャー部30は、後身頃側について、図3に示すように背中の上側で位置決めされる。このようにして、ブラジャー部30は前後左右の適所で位置決めされるため、容易に動かず、乳房のサポート力を発揮する。
なお、第2の領域26についての上記首の根元側とは、「後身頃の左右の肩甲骨KBの間を等分で縦方向に2分割した際の上側」を意味するものであり、首の根元周辺を意味するものではない。したがって、例えば、本実施形態の変形例である図6に示すように、図3に比べて第2の領域26が若干下よりとされても構わない。
さらに、図3のブラジャー部30は、右前身頃42及び左前身頃43の各上端部に弾性部材34が設けられており、この弾性部材34の一方の端部34aは脇ぐり部20と結合され、他方の端部34bは輪状部40と結合されている。なお、本実施形態の弾性部材34には、ゴムウレタンが混在した繊維であるマイクロテープが利用されている。これにより、弾性部材34は、使用者Mが着用した際、位置決めされた脇ぐり部20と輪状部40との間で張力をもってかけわたされる。そして、この弾性部材34とパッド部32とが直接、縫合等されて結合され、これにより、弾性部材34でパッド部32をつった状態に支えて、パッド部32の乳房に対する位置ずれをより有効に防止している。
そして、このように、ブラジャー部30は乳房のサポート機能を有効に発揮するようにしても、インナーウェア部12のリラクゼーション機能を阻害するような構成とはされていない。
先ず、後述するようにブラジャー部30はインナーウェア部12の特定の部分にのみ結合され、図2に示すように、弾性力を有する輪状部40はインナーウェア部30と結合されていない。したがって、輪状部40の弾性力によってインナーウェア部30の伸縮性が奪われることなく、インナーウェア部30のリラクゼーション感は維持される。
そして、ブラジャー部30は、図3に示すように、左右の脇ぐり部20の肩SHより下側である第1の領域22,22、及び、後身頃の左右の肩甲骨KBの間であって首の根元側の第2の領域26でのみ、インナーウェア12と結合されている。この第1の領域22,22及び第2の領域26は、上半身の中で比較的動きの少ない領域である。すなわち、第1の領域22,22は、両腕の各上腕を通す挿入口である脇ぐり部20に位置するが、この脇ぐり部20は上腕の根元に係止されて比較的動き難い部分であり、この動き難い脇ぐり部20のなかでも、動きの大きい肩を除く下側はさらに動き難い。また、第2の領域26も、後身頃において動きの大きい左右の肩甲骨KBを避けるようにし、左右の肩甲骨KBの間でも首の根元側はさらに動きが少ない。
このため、これらの結合領域22,22,26におけるブラジャー部30とインナーウェア部12との相互作用は小さく、ブラジャー部30の動きに伴ってインナーウェア部12が動くことが少なく、逆にインナーウェア部12の動きに伴ってブラジャー部30が動くことも少ない。したがって、ブラジャー部30とインナーウェア部12とを結合したとしても、インナーウェア部12のリラクゼーション感は大きく損なわれない。
また、ブラジャー部30とインナーウェア部12との第1の領域22における結合については、好ましくは、前身頃において、略脇の下に対応した領域24(図3の平行斜線で示す部分であって、パッド部32に近い左右の領域)でのみ結合されるとよい。本実施形態の場合、ブラジャー部30とインナーウェア部12とは、図2に示すように、前身頃について、脇ぐり部20の下側3分の1程度の領域24で結合され、後身頃については、肩SHより下側の領域で結合されている。さらに、より好ましくは、インナーウェア部12の脇ぐり部20には、図3に示すように、ゴム29等を縫合して弾性力を付与するとよい。
そして、これら第1の領域22における結合箇所の工夫と、脇ぐり部20への弾性力の付与により、授乳の際、図5に示すようにインナーウェア部12及びブラジャー部30の右前身頃16,42の双方を同時にめくっても、それに連れて、肩紐等の肩掛部11が肩からズレ落ちる事態などを防止し、リラックスして授乳できる。
なお、後身頃の左右肩甲骨の間は産前産後の母親が最も発汗し易い領域であり、図3に示すように、この領域をブラジャー部30とインナーウェア部12とを重ねて二重構造とすることで、汗が外側に滲まないようにしている。そして、上述したように、後身頃においては、ブラジャー部30とインナーウェア部12とは左右の肩甲骨KBの間であって首の根元側の第2の領域26でのみ結合しているため、二重構造とされた左右肩甲骨KBの間の両脇30a,30aが通気口となって、汗を乾かすことができる。
本発明の実施形態は以上のように構成されており、ブラジャー部30はアンダーバスト周辺を締付ける輪状部40を有し、さらに、脇ぐり部の肩より下側である第1の領域22,22、及び後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側である第2の領域26で、インナーウェア部と結合されている。このため、アンダーバスト周辺、パッド部32の左右外側、及び背中側で位置決めされ、めくれや位置ずれを防止して、ブラジャー機能を有効に発揮できる。そして、このようにブラジャー機能を有効に発揮しても、この第1の領域22,22及び第2の領域26は動きの少ない領域であるため、ブラジャー部30とインナーウェア部12との結合による相互作用は小さい。したがって、ブラジャー部30とインナーウェア部12とを結合したとしても、インナーウェア部12のリラクゼーション感は大きく損なわれない。また、このようなブラジャー部30は、胸の谷間付近で右前身頃42と左前身頃43とが交差するように前後に重なっているため、インナーウェア部12の右前身頃16や左前身頃17をめくると同時にブラジャー部30のそれもめくって乳房を露出し、授乳機能を容易に発揮できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、例えば、本実施形態の変形例である図6に示すように、肩掛部11は紐状であっても構わない。
10・・・ブラジャー付き授乳用インナーウェア、12・・・インナーウェア部、20・・・脇ぐり部、22・・・第1の領域、26・・・第2の領域、32・・・パッド部、40・・・輪状部

Claims (3)

  1. 略全体が伸縮性を有しており、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっているインナーウェア部と、
    左右の乳房に対応した位置にパッド部を有するようにして、前記インナーウェア部の内側に配置されたブラジャー部と、
    を備え、
    前記ブラジャー部は、
    胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっており、
    かつ、弾性力により使用者のアンダーバスト周辺を締付ける輪状部を有し、
    さらに、脇ぐり部の肩より下側である第1の領域、及び、後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側の第2の領域でのみ、前記インナーウェアと結合されている
    ことを特徴とするブラジャー付き授乳用インナーウェア。
  2. 前記ブラジャー部と前記インナーウェア部との前記第1の領域における結合は、前身頃において、略脇の下に対応した領域のみでの結合とされていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー付き授乳用インナーウェア。
  3. 前記インナーウェア部は、脇ぐり部に弾性力が付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブラジャー付き授乳用インナーウェア。
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