JP5325663B2 - ブラジャー付き授乳用インナーウェア - Google Patents
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Description
そして、上部1の前身頃には、内側にパッドが縫合されたカップ部5が設けられており、さらに、カップ部5の下縁に非伸縮性素材7が縫合されている。これにより、授乳用インナーウェアを着用すれば、ブラジャーを付けなくても乳房を保持できる。
この点、上部1が動かないように、伸縮性生地ではなく弾性力のある生地や非伸縮性生地を用いれば、ブラジャー機能を有効に発揮できるが、それでは授乳がし難く、或いはインナーウェアのリラクゼーション感が損なわれることになる。
ここで、本発明の場合、上記ブラジャー機能、リラクゼーション機能、及び授乳機能は、以下のように互いに阻害することなく、それぞれ有効に発揮される。
そして、本発明はブラジャー部とインナーウェア部とが結合されていても、インナーウェア部のリラクゼーション感の阻害を防止する。すなわち、ブラジャー部は、第1の領域(脇ぐり部の肩より下側)、と第2の領域(後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側)でのみインナーウェア部と結合されているため、アンダーバストにある輪状部はインナーウェア部と結合されていない。このため、輪状部の弾性力がインナーウェア部の伸縮性を阻害することなく、インナーウェア部のリラクゼーション感は維持される。また、ブラジャー部がインナーウェア部に結合されている前記第1の領域及び第2の領域は上半身の中でも比較的に動きが小さい部分である。このため、この結合部分におけるブラジャー部とインナーウェア部との相互作用は小さく、ブラジャー部の動きに伴ってインナーウェア部が動くようなことも少ない。したがって、ブラジャー部とインナーウェア部とを結合したとしても、インナーウェア部のリラクゼーション感は大きく損なわれることがない。
また、このようなブラジャー部は、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっているため、インナーウェア部の右前身頃や左前身頃をめくると同時にブラジャー部の右前身頃や左前身頃もめくって乳房を露出し、授乳機能を容易に発揮できる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
このブラジャー付き授乳用インナーウェア10は、乳児に授乳する産後の母親等が着用する衣類であり、着用した場合に外側に配置されるインナーウェア部12と、このインナーウェア部12の内側(使用者側)に配置されるブラジャー部30とを備えている。なお、ブラジャー付き授乳用インナーウェア10は産前の妊婦が着用しても勿論構わない。
そして、インナーウェア部12は、リラクゼーション感が得られるように、全体的に身体を締付けない材料や編み方が採用され、後述する限られた部分を除いて、略全体が伸縮性を有する衣類とされている。例えば、インナーウェア部12には、ポリウレタン混や肌への優しさ加味して綿混素材を使用できる。
胸覆い部14は、右前身頃16及び左前身頃17にダーツ14a,14aを形成して、後述する乳房を保持するパッド部32の形状に対応させた立体形状とされている。
そして、右前身頃16や左前身頃17を図1(a)の矢印方向にめくって授乳が可能なように、胸の谷間付近で右前身頃16と左前身頃17とが交差するように前後に重なっている。具体的には、前身頃において、インナーウェア部12の襟ぐり部19は胸の谷間付近まで形成されて略V字或いは略U字状とされている。また、胸覆い部14における右前身頃16と左前身頃17とは一体ではなく、右前身頃16の胸の谷間側の端部と左前身頃17の胸の谷間側の端部とが、互いに前後方向(体の厚み方向)に重なり、その下端部が略アンダーバストUBの位置で腹覆い部15に縫合されている。
しかし、本発明のブラジャー部30は、それ単独で使用者に装着されずに、インナーウェア部12に結合されることで、インナーウェア部12を着用すると同時に使用者に装着できる点で通常のブラジャーとは異なる。
また、本発明のブラジャー部30は、乳房をサポートするだけではなく、授乳機能を容易に発揮すると共に、リラクゼーション機能を発揮するようにされている。
ブラジャー部30は、胸の谷間付近で右前身頃42と左前身頃43とが交差するように前後に重なっている。具体的に、ブラジャー部30は、インナーウェア部12の胸部を覆い隠す部分と同様の構成により、めくることが可能とされている。すなわち、前身頃において、胸の谷間付近までは肌を隠さずに、上端縁34が略V字或いは略U字状とされ、右前身頃42の胸の谷間側の端部と左前身頃43の胸の谷間側の端部とが、互いに前後方向(体の厚み方向)に重なっている。また、右前身頃42と左前身頃43の下端部は後述する輪状部40に縫合されている。これにより、使用者は授乳をする際、図5に示すように、インナーウェア部12及びブラジャー部30の夫々の右前身頃16,42或いは左前身頃17,43を同時に持ってめくって乳房BRを露出し、容易に授乳できる。
ブラジャー部30は、ソフトな着用感を得るために、伸縮性を有する生地をベースにして、ワイヤー等の硬質な部材を用いず、以下に述べる種々の部材を結合させることで、所謂ソフトブラジャーのような形態とされている。具体的に、ブラジャー部30の伸縮性を有する生地には、例えばインナーウェア部12と同じ綿混素材や、ストレッチ性のあるポリウレタン混が選択でき、本実施形態の場合、図3に示すように、後述するパッド部32,輪状部40,弾性部材34を除く部分が伸縮性を有する生地から形成されている。また、この伸縮性を有する生地については、右前身頃42と左前身頃43とが前後に重なる部分36を除く領域38、及び後身頃の略全体が横方向に比べて縦方向の伸縮性が弱くなるように編成されている。
先ず、ブラジャー部30は、図3に示すように、弾性力により使用者Mのアンダーバスト周辺を締付ける輪状部40を有している。輪状部40は、ブラジャー部30をアンダーバスト周辺に位置決めするための部材であり、使用者Mのアンダーバストの寸法より若干小さな寸法を有する輪状の例えばゴムが、ブラジャー部30の下端部に縫合されることで形成されている。これにより、ブラジャー部30のアンダーバストにおける動きが規制され、乳房のサポート機能を高めることができる。また、上述したようにパッド部32に貼付した母乳パッドが吸収した漏乳により重たくなって剥がれたとしても、落下する事態を防止できる。なお、輪状部40には、ブラジャー部30が上に移動しない程度の締付力があれば足り、輪状部40が上に移動しようとする際には乳房に係止されることも考慮すると、強力な締付力は必要ない。
また、ブラジャー部30は、後身頃の左右の肩甲骨KBの間であって首の根元側の第2の領域26(図1及び図3の二点鎖線で囲った部分)でインナーウェア12と結合されている。このため、ブラジャー部30は、後身頃側について、図3に示すように背中の上側で位置決めされる。このようにして、ブラジャー部30は前後左右の適所で位置決めされるため、容易に動かず、乳房のサポート力を発揮する。
先ず、後述するようにブラジャー部30はインナーウェア部12の特定の部分にのみ結合され、図2に示すように、弾性力を有する輪状部40はインナーウェア部30と結合されていない。したがって、輪状部40の弾性力によってインナーウェア部30の伸縮性が奪われることなく、インナーウェア部30のリラクゼーション感は維持される。
このため、これらの結合領域22,22,26におけるブラジャー部30とインナーウェア部12との相互作用は小さく、ブラジャー部30の動きに伴ってインナーウェア部12が動くことが少なく、逆にインナーウェア部12の動きに伴ってブラジャー部30が動くことも少ない。したがって、ブラジャー部30とインナーウェア部12とを結合したとしても、インナーウェア部12のリラクゼーション感は大きく損なわれない。
そして、これら第1の領域22における結合箇所の工夫と、脇ぐり部20への弾性力の付与により、授乳の際、図5に示すようにインナーウェア部12及びブラジャー部30の右前身頃16,42の双方を同時にめくっても、それに連れて、肩紐等の肩掛部11が肩からズレ落ちる事態などを防止し、リラックスして授乳できる。
Claims (3)
- 略全体が伸縮性を有しており、胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっているインナーウェア部と、
左右の乳房に対応した位置にパッド部を有するようにして、前記インナーウェア部の内側に配置されたブラジャー部と、
を備え、
前記ブラジャー部は、
胸の谷間付近で右前身頃と左前身頃とが交差するように前後に重なっており、
かつ、弾性力により使用者のアンダーバスト周辺を締付ける輪状部を有し、
さらに、脇ぐり部の肩より下側である第1の領域、及び、後身頃の左右の肩甲骨の間であって首の根元側の第2の領域でのみ、前記インナーウェアと結合されている
ことを特徴とするブラジャー付き授乳用インナーウェア。 - 前記ブラジャー部と前記インナーウェア部との前記第1の領域における結合は、前身頃において、略脇の下に対応した領域のみでの結合とされていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー付き授乳用インナーウェア。
- 前記インナーウェア部は、脇ぐり部に弾性力が付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブラジャー付き授乳用インナーウェア。
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