JP5325424B2 - ネガ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
半導体素子等にはライン、トレンチ、ホール、など種々のパターン形成の要請がある。パターンが微細化するにつれてより高い解像性が求められるが、これを達成するには高い光学コントラストを与えるマスクを用いるのが望ましい。しかしこの高い光学コントラストを与えるマスクを用いる際、ラインパターンを形成する場合にはポジ型レジスト組成物が、トレンチパターンを形成する場合にはネガ型レジスト組成物が有利になる。従って種々のパターン形成の要請に応えるためにはポジ型だけではなく、ネガ型のレジスト組成物の開発が望まれている。
そこで、193nmでの光の吸収がより少なく、感度が良好でかつ高いドライエッチング耐性を合わせもつネガ型レジスト材料の開発が望まれており、ArFを用いた露光方法に好適で良好な感度及び解像性を与えるレジストの開発が急務となっている。
例えば特許文献1〜3には、脂肪族基を有する繰り返し単位とアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を共重合させた樹脂に尿素系の架橋剤を含有させたネガ型レジスト組成物が用いられている。しかしこれらのレジストでは解像度、感度、パターン形状、などが十分ではない。
また、特許文献4には、ビニルエーテル化合物を含有するネガ型レジストが用いられている。このレジスト組成物は、露光により発生した酸の作用により該ビニルエーテル化合物が、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ可溶性基(カルボキシル基)を保護することで、前記アルカリ可溶性樹脂の極性変化を起こさせて、アルカリ現像液に対して不溶化させている。
しかし、これらのレジスト組成物を用いた場合、解像度、感度、パターン形状、などが十分な性能を達成するに至っていない。
すなわち、上記目的は次の構成によって達成される。
(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)分子内にビニルエーテル構造を2つ以上持つカチオン重合性モノマー、(C)下記一般式(ZI)又は一般式(ZII)で表される光カチオン重合開始剤、並びに、(G)上記アルカリ可溶性樹脂(A)、上記カチオン重合性モノマー(B)及び光カチオン重合開始剤(C)を溶解する有機溶剤を含有し、有機溶剤溶液である、ネガ型レジスト組成物。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
Z−は、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子若しくはフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、又はアルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを表す。
一般式(ZII)において、
R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Z−は、一般式(ZI)に於けるZ−と同義である。
<2>
塩基性化合物を含有し、前記(C)光カチオン重合開始剤と前記塩基性化合物の組成物中の使用割合が、光カチオン重合開始剤/塩基性化合物(モル比)=7.0〜150であることを特徴とする上記<1>に記載のネガ型レジスト組成物。
<3>
前記塩基性化合物が、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造、若しくはピリジン構造を有する化合物、水酸基及びエーテル結合の少なくとも一方を有するアルキルアミン誘導体、又は水酸基及びエーテル結合の少なくとも一方を有するアニリン誘導体であることを特徴とする上記<2>に記載のネガ型レジスト組成物。
<4>
前記(B)分子内にビニルエーテル構造を2つ以上持つカチオン重合性モノマーが、(B)分子内にビニルエーテル構造を3つ以上持つカチオン重合性モノマーであることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
<5>
前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、(a1)アルカリ可溶性基を持つ繰り返し単位、(a2)脂環基を有する繰り返し単位、を含む樹脂であることを特徴とする、上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
<6>
前記(A)アルカリ可溶性樹脂がさらに、(a3)ビニル構造を有する繰り返し単位、を含む樹脂であることを特徴とする、上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
<7>
上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
<8>
上記<7>に記載のレジスト膜を露光する工程と、該レジスト膜を現像する工程とを含むレジストパターン形成方法。
本発明は上記<1>〜<8>の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
〔1〕
(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)分子内にビニル構造を2つ以上持つ化合物、(C)光カチオン重合開始剤、を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
〔2〕
前記(B)分子内にビニル構造を2つ以上持つ化合物が、(B)分子内にビニル構造を3つ以上持つ化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のネガ型レジスト組成物。
〔3〕
前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、(a1)アルカリ可溶性基を持つ繰り返し単位、(a2)脂環基を有する繰り返し単位、を含む樹脂であることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載のネガ型レジスト組成物。
〔4〕
前記(A)アルカリ可溶性樹脂がさらに、(a3)ビニル構造を有する繰り返し単位、を含む樹脂であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、該レジスト膜を現像する工程、とを含むレジストパターン形成方法。
本発明におけるネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時の露光により、(C)光カチオン重合開始剤から発生した酸の作用により、(B)分子内にビニル構造を2つ以上持つ化合物間で架橋反応が起こり、露光部で3次元構造が形成される。これによりアルカリ現像液に対して不溶化し、露光部、未露光部でアルカリ現像液に対して高いコントラストが発現する。また、本発明の別の態様においては(A)アルカリ可溶性樹脂成分と(B)分子内にビニル構造を2つ以上持つ化合物との間でも架橋反応が起こり、露光部で更に複雑な3次元構造が形成される。
このような作用によって、露光部のみが選択的にアルカリ現像液に対して不溶化することで、微細なパターン形成が可能になる。
本発明のネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有する樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を含有する。
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液に対して溶解性を有する基(以下アルカリ可溶性基ともいう)を有する。
アルカリ可溶性樹脂は、一般的に、水酸基、カルボキシル基等のアルカリ可溶性基を有し、重合する部分構造を有するモノマーをラジカル重合などにより重合することで合成され、重合する部分構造を有するモノマーに由来する繰り返し単位を有する。
RM11、RM12及びRM13が表す有機基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、カルボキシル基又はエステル構造を含む基等を表し、これらは更に置換基を有していてもよい。
RM11、RM12、RM13として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、カルボキシル基(炭素数1〜6)シアノ基、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン化アルキル基又は置換基を有していても良いアルコキシ基等が挙げられる。
RM11としては水素原子、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基、カルボキシル基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
RM12及びRM13としては、水素原子、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、カルボキシル基、エステル基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
RM15及びRM16が表す有機基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、エーテル構造を含む基、エステル構造を含む基、アミド構造を含む基、等を表し、これらは更に置換基を有していてもよい。
RM15及びRM16として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、カルボキシル基、シアノ基、置換基を有していても良いアルキル基、水素原子がハロゲン化アルキル基又は置換基を有していても良いアルコキシ基等が挙げられ、より好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基である。
本発明においてさらに有していても良い置換基としては、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、単環式若しくは多環式シクロアルキル基(炭素数3〜20が好ましい)、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホン基、アルキルアミド基、等を挙げることができる。
RM17、RM18、RM19、RM20、RM21、RM22、及びRM23における有機基としては、置換基を有していてもよい、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、単環式若しくは多環式シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホン基、アルキルアミド基、などを挙げることができる。
また、RM17、RM18の少なくとも一方、RM19、RM20、RM21のうち少なくとも1つ、RM22、及びRM23の少なくとも一方は、後述するように、アルカリ現像液に対して溶解性を持つ基、脂環基、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する基、ビニル構造を有する基、ラクトン含有単環又は多環式脂肪族基、等の構造であることが好ましい。
下記にアルカリ可溶性基の具体例を示す。
多フッ素置換アルコール構造を含む有機基として、例えば下記に示す具体例を挙げることができる。
スルホンアミド構造を含む有機基として、例えば下記に示す基を例示することができる。
RAS3、RAS4としては例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−t−ブトキシカルボニルエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、等を挙げることができる。
連結基としては、酸素原子、硫黄原子、直鎖若しくは分岐状の脂肪族構造及び/又は単環若しくは多環式脂肪族構造を挙げることができる。
式(ASS−1)にこれらの構造を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
脂環基とは、置換又は非置換の直鎖、分岐、単環式又は多環式脂肪族基を有する基を表す。但し該脂環基は、アルカリ現像液に対して溶解性を持つ基ではなく、炭素原子と水素原子からなる基であることが好ましく、エッチング耐性の観点などから多環式脂肪族基が好ましい。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはR2c〜R4cの内の1つ又は2つが水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが水酸基で、残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
ここでいうビニル構造とは、ビニル基又はビニル基の水素原子を有機基で置換した構造を表す。
Rmv1〜Rmv3における有機基としては、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホン基、アルキルスルホニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基が挙げられる。
これらのラクトン含有構造は、アルカリ現像液により開環しカルボン酸を発生する。この発生したカルボン酸によってアルカリ現像液への溶解性を高める機能を持つ。このとき露光部は架橋により3次元網目構造を形成していると考えられ、未露光部に比べて現像液の浸透が小さくなる。ラクトン構造自体も開環後のカルボキシル基と比べると疎水的であり、露光部におけるアルカリ現像液との親和性性は未露光部に比べて小さくなる。以上のような作用によりラクトン構造を有することで未露光部と露光部の溶解コントラストがさらに向上したり、露光部の膨潤が抑止されたりして、解像力の向上が期待される。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のうちのいずれかで示される基を表す。
さらに(a4)ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有する場合、該繰り返し単位の組成比は一般的に1〜50モル%、好ましくは5〜45モル%、さらに好ましくは10〜40モル%である。
本発明のネガ型レジスト組成物は、(B)ビニル構造を2つ以上持つ化合物(以下、カチオン重合性モノマーともいう)を含有する。ビニル構造とは
本発明に用いる(B)ビニル構造を2つ以上持つ化合物は、後述する光カチオン重合開始剤から発生した酸の作用によりカチオン重合反応を起こし、該カチオン重合性モノマー間で架橋反応を起こし、露光部に3次元架橋構造が形成されると考えられる。この作用により、露光部がアルカリ現像液に不溶化し、パターン形成が可能となる。このように架橋系を用いることで、極性変換に比べて露光部−未露光部間の高い溶解コントラストを得ることができ、良好な解像性が達成される。
また、(A)アルカリ可溶性樹脂が、(a3)ビニル構造を有する繰り返し単位、を有する態様の場合、該(B)ビニル構造を2つ以上持つ化合物と、(A)アルカリ可溶性樹脂中の(a3)ビニル構造を有する繰り返し単位中のビニル構造との間でカチオン重合反応を起こし、さらに強固な3次元架橋構造が形成されると考えられる。
さらに、(A)アルカリ可溶性樹脂中の(a1)アルカリ可溶性基がカルボキシル基などの特定の基である場合、該(B)ビニル構造を2つ以上持つ化合物と、(A)アルカリ可溶性樹脂中の(a1)アルカリ可溶性基との間で反応を起こすことも考えられる。
Rv1〜Rv3における有機基としては、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホン基、アルキルスルホニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、が挙げられる。
本発明におけるカチオン重合性モノマーの分子量は、通常3,000以下であり、好ましくは1,500〜80、更に好ましくは1,000〜100である。
本発明に用いられるカチオン重合性モノマーは、例えば下記のように対応するアルコールとビニルブロマイドなどを用いて合成することができる。
本発明のネガ型レジスト組成物には、活性光線又は放射線の照射により架橋反応(カチオン重合反応)を進行させる化合物(以下光カチオン重合開始剤ともいう)を含有する。
光カチオン重合開始剤としては、一般的に光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
Z-は、非求核性アニオンを表す。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
また、光カチオン重合開始剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸、フッ素置換イミド酸又はフッ素置換メチド酸のスルホニウム塩である。使用可能な光カチオン重合開始剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカンスルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
光カチオン重合開始剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
光カチオン重合開始剤のネガ型レジスト組成物中の含量は、ネガ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明の感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
R200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
R203 、R204、R205及びR206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)〜(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。 アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、フォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。
活性光線又は放射線の照射時にレジスト膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体
(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
R57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF3)2OH、−C(C2F5)2OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF3)2OHが好ましい。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
X2は、−F又は−CF3を表す。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
R12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
L3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは1〜5の整数を表す。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜15mol%である。
R4は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。
L6は、単結合又は2価の連結基を表す。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
L6の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基が好ましい。
疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HP)は、(B)成分の樹脂同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2の範囲である。
(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HP)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
(a) 被加工基板上に有機材料からなる下層レジスト層を形成する。
(b) 下層レジスト層上に中間層及び放射線照射で架橋もしくは分解する有機材料からなる上層レジスト層を順次積層する。
(c)該上層レジスト層に所定のパターンを形成後、中間層、下層及び基板を順次エッチングする。
中間層としては、一般にオルガノポリシロキサン(シリコーン樹脂)あるいはSiO2塗布液(SOG)が用いられる。下層レジストとしては、適当な有機高分子膜が用いられるが、各種公知のフォトレジストを使用してもよい。たとえば、フジフイルムアーチ社製FHシリーズ、FHiシリーズ或いは住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。
下層レジスト層の膜厚は、0.1〜4.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.25〜1.5μmである。0.1μm以上とすることは、反射防止や耐ドライエッチング性の観点で好ましく、4.0μm以下とすることはアスペクト比や、形成した微細パターンのパターン倒れの観点で好ましい。
本発明のネガ型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
本発明のネガ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メトキシブタノール、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量比)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは10/90〜90/10、更により好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。)
本発明のネガ型レジスト組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。ネガ型レジスト組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
当該レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、現像、リンスする。活性光線又は放射線を照射後にベーク工程を入れても良い。これにより良好なパターンを得ることができる。
アルカリ現像液のpHは、好ましくは10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
<合成例1> 樹脂1の合成
窒素気流下、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)(2/8)混合溶媒18.1gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これにメタクリル酸4.3g、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート35.5g、重合開始剤V−601(和光純薬製)をモノマーに対し12mol%をPGMEA/PGME(2/8)混合溶媒163.0gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン1400m/酢酸エチル600mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂1が26.4g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で7600、分散度(Mw/Mn)は1.82であった。
下記表に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度6質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してネガ型レジスト溶液を調製した。調製したネガ型レジスト組成物を下記の方法で評価し、結果を下記表に示した。尚、表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したネガ型レジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、250nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75、σo/σi=0.85/0.55)を用いてパターン露光した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
本条件は、純水を用いた液浸露光法によりレジストパターンを形成するものである。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したネガ型レジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、250nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA0.85)を用い、パターン露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
マスクサイズ130nmのラインアンドスペース1/1を再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量におけるパターンプロファイルを走査型電素顕微鏡(SEM)により観察した。パターンプロファイルが良好な順に、◎、○、△、×、とし、評価できなかったものは「―」とした。また該最適露光量を感度とした。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
130nmのラインアンドスペース1/1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、ラインアンドスペース1:1の密集パターンについて、最適露光量で露光した際により微細なマスクサイズにおいてパターンが倒れずに解像する線幅を限界パターン倒れ線幅とした。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくいことを示す。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔評価結果〕
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
HEP:N−ヒドロキシエチルピペリジン
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
DCMA:ジシクロヘキシルメチルアミン
TPA:トリペンチルアミン
HAP:ヒドロキシアンチピリン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
TOA:トリオクチルアミン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
PBI:2−フェニルベンゾイミダゾール
DHA:N,N−ジヘキシルアニリン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:PF656(OMNOVA社製、フッ素系)
W−6:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系)
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A2:2−ヘプタノン
A3:シクロヘキサノン
A4:γ−ブチロラクトン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
B2:乳酸エチル
B3:プロピレンカーボネート
Claims (8)
- (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)分子内にビニルエーテル構造を2つ以上持つカチオン重合性モノマー、(C)下記一般式(ZI)又は一般式(ZII)で表される光カチオン重合開始剤、並びに、(G)上記アルカリ可溶性樹脂(A)、上記カチオン重合性モノマー(B)及び光カチオン重合開始剤(C)を溶解する有機溶剤を含有し、有機溶剤溶液である、ネガ型レジスト組成物。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
Z−は、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子若しくはフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、又はアルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを表す。
一般式(ZII)において、
R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Z−は、一般式(ZI)に於けるZ−と同義である。 - 塩基性化合物を含有し、前記(C)光カチオン重合開始剤と前記塩基性化合物の組成物中の使用割合が、光カチオン重合開始剤/塩基性化合物(モル比)=7.0〜150であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記塩基性化合物が、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造、若しくはピリジン構造を有する化合物、水酸基及びエーテル結合の少なくとも一方を有するアルキルアミン誘導体、又は水酸基及びエーテル結合の少なくとも一方を有するアニリン誘導体であることを特徴とする請求項2に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記(B)分子内にビニルエーテル構造を2つ以上持つカチオン重合性モノマーが、(B)分子内にビニルエーテル構造を3つ以上持つカチオン重合性モノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、(a1)アルカリ可溶性基を持つ繰り返し単位、(a2)脂環基を有する繰り返し単位、を含む樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記(A)アルカリ可溶性樹脂がさらに、(a3)ビニル構造を有する繰り返し単位、を含む樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
- 請求項7に記載のレジスト膜を露光する工程と、該レジスト膜を現像する工程とを含むレジストパターン形成方法。
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