JP5321697B2 - インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機 - Google Patents

インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP5321697B2
JP5321697B2 JP2012004471A JP2012004471A JP5321697B2 JP 5321697 B2 JP5321697 B2 JP 5321697B2 JP 2012004471 A JP2012004471 A JP 2012004471A JP 2012004471 A JP2012004471 A JP 2012004471A JP 5321697 B2 JP5321697 B2 JP 5321697B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
injection
stage compression
stage
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012004471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012097755A (ja
Inventor
尚哉 両角
健史 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu General Ltd
Original Assignee
Fujitsu General Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu General Ltd filed Critical Fujitsu General Ltd
Priority to JP2012004471A priority Critical patent/JP5321697B2/ja
Publication of JP2012097755A publication Critical patent/JP2012097755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5321697B2 publication Critical patent/JP5321697B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機に関する。
ガスインジェクションサイクルの主な目的は、圧縮過程の途中からも冷媒を吸入することによって、放熱器を流れる冷媒循環量をアップし、放熱能力(暖房能力,給湯能力)をアップすることである。特に寒冷地では、圧縮機の基本吸入ガスが希薄となり循環量が低減するため、インジェクションによる循環量アップは有効となる。また蒸発器を流れる冷媒循環量は圧縮途中へのインジェクションの有無にかかわらず、圧縮機の基本排除容積と回転数で決まるため同じとなるが、蒸発器入口の冷媒が気液分離器による液化または内部熱交換による追加過冷却により蒸発能力(冷房能力)も大きくなる。
このようなガスインジェクションサイクルでは、圧縮機にインジェクションする冷媒に少量の液冷媒を混入すると、圧縮機の冷却効果などにより圧縮機の効率が向上することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、圧縮機は、運転圧力比が大きくなるほど、回転数が高くなるほど温度が上昇するため、圧縮機の信頼性上、運転圧力比および回転数が制限される。ここで前記冷却効果により、前記制限を緩和できる効果もある。
特開2004−85019 特開平11−132575
しかしながら、従来のガスインジェクションサイクル技術によれば、インジェクション冷媒に混入する液冷媒を多くし過ぎると、潤滑油の粘度低下による潤滑不良およびシール不良や、さらに液冷媒を多く混入すると液圧縮による軸受け荷重の増大など信頼性が低下することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、ガスインジェクションサイクル技術においては、圧縮機に吸入されるインジェクション冷媒に混入する液冷媒の量に関して適正範囲があり、前記の従来例に記載されているように、ガスインジェクションサイクルにおける可変可能な膨張弁や流量制御弁を制御することによってインジェクション冷媒の液冷媒混合率を適正範囲とする技術が知られている。
しかしながら、上述したような従来のガスインジェクションサイクル技術においては圧縮機の構造の改善に関しては考慮されておらず、圧縮機の構造を改善することによって信頼性を確保しつつ、さらなる圧縮機の効率向上を実現する技術は存在しない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱交換効率に優れたインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機は、圧縮機と、放熱器と、絞り量可変である第一膨張機構と、吸熱器と、前記圧縮機と放熱器と第一膨張機構と吸熱器とを順に接続して冷媒を循環させる基本サイクル配管と、前記基本サイクル配管における前記放熱器と前記第一膨張機構との間に配置される分岐管と、絞り量可変である第二膨張機構と、前記第二膨張機構を介して前記分岐管と前記圧縮機とを接続してインジェクション冷媒を循環させるインジェクション配管と、前記基本サイクル配管における前記分岐管と前記第一膨張機構との間の少なくとも一部と、前記インジェクション配管における前記第二膨張機構と前記圧縮機との間の少なくとも一部とを、熱交換する内部熱交換器と、を備え、前記第一膨張機構の絞り量および前記第二膨張機構の絞り量により前記内部熱交換器出口のインジェクション冷媒の湿り度を調整可能なヒートポンプシステムに使用され、密閉容器と、低段側圧縮機構部と、高段側圧縮機構部と、前記低段側圧縮機構部と高段側圧縮機構部とを駆動するモータと、前記低段側圧縮機構部の吸入側に接続して前記インジェクション冷凍サイクル側の低圧冷媒を前記低段側圧縮機構部に導く第一吸入管と、前記低段側圧縮機構部の吐出側と前記高段側圧縮機構部の吸入側を連通する中間連絡通路と、前記密閉容器に接続されて前記高段側圧縮機構部から前記密閉容器内部に吐出された高圧冷媒を前記インジェクション冷凍サイクル側に吐出するための吐出管と、前記インジェクション冷凍サイクル側の湿り冷媒である中間圧インジェクション冷媒を前記中間連絡通路に導く第二吸入管と、を有するインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機であって、前記低段側圧縮機構部から吐出された冷媒と中間圧インジェクション冷媒とが合流した冷媒と、前記密閉容器の内部または前記密閉容器の外面部と、の間において前記低段側圧縮機構部から吐出された冷媒と前記中間圧インジェクション冷媒とが合流した冷媒が吸熱する熱交換を促進する手段を前記中間連絡通路に備えること、を特徴とする。
この発明によれば、高段側圧縮機構部からの吐出ガスより低温のインジェクション冷媒または低段側圧縮機構部からの吐出ガスで、高段側圧縮機構部の吐出ガスの熱および圧縮機内で発生する摺動損失やモータ損失による損失熱を吸熱して、圧縮機全体を冷却でき、圧縮機全体の温度をより低く抑えることができる。これによって、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能となり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得られる。また圧縮機の回転数の限界をより高くすることが可能となり暖房能力も向上する。
さらに、本発明によれば、凝縮器での放熱量に対して二相状態で放熱する熱量の割合が増加する。これによって、凝縮器での熱交換性能が向上し、冷房運転および暖房運転におけるシステムの効率が向上する。さらに、本発明によれば、圧縮機吐出ガス温度を低く抑えるため、圧縮機の吐出と凝縮器を接続する配管の温度を低く抑えることができ、これによって接続配管からの放熱を低減でき、よって凝縮器での暖房能力の低下を防止できる。空調機以外のシステムにおいては、たとえば給湯機では、空調機の暖房能力に相当するものが給湯能力となり、同様の効果がある。
本発明の実施例1にかかる空調機の基本となる構成およびその冷凍サイクルを説明するための図である。 本発明の実施例1にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例1にかかる空調機の低段側圧縮機構部および高段側圧縮機構部の主要構成を説明するための図である。 本発明の実施例1にかかる空調機における圧縮機の低段側端板の構成を説明するための図であり、低段側端板の横断面図である。 本発明の実施例1にかかる空調機における圧縮機の低段側吐出弁を説明するための断面図である。 本発明の実施例1にかかる空調機における圧縮機の低段側吐出弁を説明するための断面図である。 従来の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図である。 本発明の実施例1の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図であり、インジェクション冷媒で圧縮機を冷却した場合を表した圧力−エンタルピ線図である。 本発明の実施例2にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例2にかかる空調機における圧縮機の低段側端板の構成を説明するための図であり、低段側端板の横断面図である。 本発明の実施例2の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図であり、低段側圧縮機構部の吐出ガス(冷媒)で圧縮機を冷却した場合を表した圧力−エンタルピ線図である。 本発明の実施例3にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例4にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例5にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例6にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例7にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例7にかかる空調機における圧縮機の低段側端板の構成を説明するための図であり、低段側端板の横断面図である。 本発明の実施例7の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図であり、インジェクション冷媒と低段側圧縮機構部から吐出された吐出ガス(冷媒)とが合流した冷媒で圧縮機を冷却した場合を表した圧力−エンタルピ線図である。 本発明の実施例8にかかる空調機の圧縮機の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施例8にかかる空調機における圧縮機の低段側端板の構成を説明するための図であり、低段側端板の横断面図である。
以下に、本発明にかかるインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
図1−1は、本発明の実施例1にかかる空調機の基本となる構成およびその冷凍サイクルを説明するための図である。図1−1に示す実施例1にかかる空調機は、インジェクション冷媒のエンタルピ増加手段として内部熱交換器を用いたインジェクションサイクルを採用し、また、本発明にかかるインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機を用いて構成したヒートポンプシステムである。
図1−1に示すように、実施例1にかかる空調機は、インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機(以下、圧縮機と呼ぶ)11と、凝縮器(放熱器)13と、第一膨張機構部15と、第二膨張機構部17と、蒸発器(吸熱器)19と、基本サイクル配管21と、を備える。
圧縮機11は、低段側圧縮機構部11Lと高段側圧縮機構部11Hとを備えたインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機であり、凝縮器圧力と蒸発器圧力との中間の圧力となるインジェクション冷媒を吸入する第二吸入管23を、低段側圧縮機構部11Lと高段側圧縮機構部11Hとを連絡する中間連絡通路に接続している。また、圧縮機11は、供給電源周波数により回転数を可変できるいわゆるインバータ圧縮機である。
第一膨張機構部15は、外気温度および室内設定温度によって凝縮器(放熱器)13の圧力と蒸発器(吸熱器)19の圧力とを最適に制御する可変絞り機構である。また、第二膨張機構部17は、インジェクション冷媒量を最適に制御するための可変絞り機構である。基本サイクル配管21は、上記の構成部を順に接続して冷媒を循環させるための配管である。
また、この空調機は、分岐管25と、インジェクション配管27と、内部熱交換器29と、を備えている。分岐管25は、基本サイクル配管21の凝縮器(放熱器)13と第一膨張機構部15との間に配置されて冷媒を基本サイクルとインジェクションサイクルとに分岐させる。インジェクション配管27は、第二膨張機構部17を介して分岐管25と第二吸入管23とを接続する。内部熱交換器29は、分岐管25と第一膨張機構部15との間の基本サイクル配管21aと、第二膨張機構部17と第二吸入管23との間のインジェクション配管27aと、の間で熱交換を行う。
また、この空調機においては、冷房と暖房とに対応するために基本サイクルの冷媒の流れの方向を反転するための四方弁33が圧縮機11に接続されている。四方弁33を反転すると、凝縮器と蒸発器との機能が逆となる。すなわち凝縮器19、蒸発器13となる。図1−1において前記四方弁33の状態は、四方弁33と分岐管25の間に接続される熱交換器を凝縮器としているため、これを室内機に配置すれば暖房運転となる。
なお、本実施例は四方弁33と分岐管25の間に接続される熱交換器を室内機に配置するものとして暖房運転時のみインジェクション可能な例であるが、本構成に基本サイクル上の第一膨張機構部15と内部熱交換器および分岐管25に対して、凝縮器13と蒸発器19とを逆に接続する切り替え配管を追加すれば、冷房時にもインジェクション可能となる。また本実施例では、内部熱交換器における基本サイクル冷媒とインジェクション冷媒の流れを並行流としているが対向流としても良い。
次に、図1−1を参照して、本実施の形態にかかる空調機における暖房運転時の冷媒の流れについて説明する。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器(放熱器)13で空気と熱交換して放熱し、液化する。ここで、液化した冷媒のうち一部の冷媒は分岐管25において分岐してインジェクション配管27を流れるインジェクション冷媒となり、その他の冷媒は基本サイクル配管21を流れる基本サイクル用の冷媒となる。
インジェクション配管27に流れたインジェクション冷媒は、第二膨張機構部17で中間圧力まで減圧されて中間温度の二相状態となり、内部熱交換器29内のインジェクション配管27aを流れる際に、同内部熱交換器29内の基本サイクル配管21aを流れる冷媒と熱交換することで吸熱して乾き度を大きくする。その後、インジェクション冷媒は圧縮機11の内部で、高段側圧縮機構部11Hから圧縮機11の密閉容器内に吐出された吐出ガスと熱交換することで吸熱してさらに乾き度を大きくする。そして、インジェクション冷媒は、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガスと合流して、全体としてガス化した状態で高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
一方、基本サイクル配管21を流れる冷媒は、内部熱交換器29内の基本サイクル配管21aを流れる際に、同内部熱交換器29内のインジェクション配管27aを流れる中間温度のインジェクション冷媒と熱交換することで放熱し、過冷却度を大きくする。その後、基本サイクル配管21を流れる冷媒は第一膨張機構部15において減圧されて低温低圧二相状態となり、蒸発器(吸熱器)19で空気と熱交換することで吸熱し、過熱状態となる。
そして、過熱状態となった冷媒は、四方弁33を介して圧縮機11の第一吸入管31を通って低段側圧縮機構部11Lに吸入される。低段側圧縮機構部11Lに吸入された冷媒は、該低段側圧縮機構部11Lで圧縮され、該低段側圧縮機構部11Lから吐出された状態でインジェクション冷媒と合流して高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
高段側圧縮機構部11Hに吸入された冷媒は、該高段側圧縮機構部11Hで最終吐出圧の高圧まで圧縮されて圧縮機11の密閉容器内に吐出される。圧縮機11の密閉容器内に吐出された冷媒は、インジェクション冷媒と該密閉容器内で、熱交換してから圧縮機11から吐出管を通って密閉容器外に吐出される。
次に、実施例1にかかる空調機の圧縮機11について説明する。図1−2は、実施例1にかかる空調機の圧縮機11の構成を説明するための断面図である。圧縮機11は、円筒状の密閉容器100を縦置きに配置し、密閉容器100の内部に圧縮部120と、該圧縮部120を駆動するモータ110と、を収容した構成を有する。
モータ110のステータ111は、密閉容器100の内周面に焼きばめされて固定されている。モータ110のロータ113は、ステータ111の中央部に配置されてモータ110と圧縮部120とを機械的に接続する駆動軸115に焼きばめされて固定されている。
圧縮部120は、低段側圧縮機構部11Lと、該低段側圧縮機構部11Lの上方に位置する高段側圧縮機構部11Hと、が直列に接続して構成されている。図1−3は、低段側圧縮機構部11Lおよび高段側圧縮機構部11Hの主要構成を説明するための図である。低段側圧縮機構部11Lは、低段側シリンダ121Lを主体として構成される。また、高段側圧縮機構部11Hは、高段側シリンダ121Hを主体として構成される。
低段側シリンダ121Lおよび高段側シリンダ121Hは、それぞれモータ110と同心の位置にシリンダボア(穴)123L、123Hを有する。それぞれのシリンダボア123L、123H内には、ボア径よりも小さい外径の円筒状のピストン125L、125Hがそれぞれ配置される。これにより、各々のシリンダ121L、121Hとピストン125L、125Hとの間に、冷媒を圧送する作動空間が形成される。
2つのシリンダ121L、121Hは、シリンダボア(穴)123L、123Hから同方向外側に向かってシリンダ厚さ全域におよぶ溝をそれぞれ有しており、この溝内に各々板状のベーン127L、127Hが挿入されている。ベーン127L、127Hと密閉容器100の内周面との間には、スプリング129L、129Hがそれぞれ挿入されており、このスプリング129L、129Hの弾性力によってベーン127L、127Hの一端がそれぞれピストン125L、125Hの外周面に押しつけられ、これによって作動空間がそれぞれ吸入室131L、131Hと圧縮室133L、133Hとに区画される。
低段側シリンダ121Lおよび高段側シリンダ121Hには、それぞれの吸入室131L、131Hに冷媒を吸入するために、吸入室131L、131Hに連通する吸入孔135L、135Hが設けられている。
また、低段側シリンダ121Lと高段側シリンダ121Hとの間には、中間仕切り板150が設けられ、低段側シリンダ121Lの作動空間の上方と高段側シリンダ121Hの作動空間の下方とを閉塞している。低段側シリンダ121Lの下方には低段側端板160Lが設けられ、低段側シリンダ121Lの作動空間の下方を閉塞している。また、高段側シリンダ121Hの上方には高段側端板160Hが設けられ、高段側シリンダ121Hの作動空間の上方を閉塞している。
低段側端板160Lの下方には低段側マフラーカバー170Lが設けられ、低段側端板160Lとの間に低段側吐出マフラー室180Lを形成する。そして、低段側圧縮機構部11Lの吐出は、低段側吐出マフラー室180Lに開口している。すなわち、低段側端板160Lには、低段側シリンダ121Lの作動空間と低段側吐出マフラー室180Lとを連通する低段側吐出孔190Lが設けられ、さらにこの低段側吐出孔190Lには、逆流を防止する低段側吐出弁200Lが設けられている。
図1−4は、実施例1にかかる圧縮機11の低段側端板160Lの構成を説明するための図であり、低段側端板160Lの横断面図である。図1−5および図1−6は、低段側吐出弁200Lを説明するための断面図である。図1−4および図1−5に示すように、本実施例において低段側吐出マフラー室180Lは左右が連通状態とされた1つの空間であり、低段側圧縮機構部11Lの吐出側と高段側圧縮機構部11Hの吸入側とを連絡する中間連絡通路の一部である。
また、図1−5および図1−6に示すように低段側吐出弁200L上には、低段側吐出弁200Lの動作を制限するために吐出弁押さえ201Lがリベット203により固定されている。また、低段側端板160Lの外周壁部には、低段側吐出マフラー室180Lの冷媒を吐出する低段側マフラー吐出孔210Lが設けられている。
高段側端板160Hの上方には高段側マフラーカバー170Hが設けられ、高段側端板160Hとの間に高段側吐出マフラー室180Hを形成する。高段側端板160Hには、高段側シリンダ121Hの作動空間と高段側マフラーカバー170Hとを連通する高段側吐出孔190Hが設けられ、さらにこの高段側吐出孔190Hには、逆流を防止する高段側吐出弁200Hが設けられている。また、高段側吐出弁200H上にも、該高段側吐出弁200Hの動作を制限するために吐出弁押さえ201Hがリベットにより固定されている。
高段側端板160Hと高段側マフラーカバー170Hとの間には、密閉容器100の内壁方向に開口して高段側吐出マフラー室180Hと密閉容器100の内部とを連通する高段側マフラー吐出孔210Hが設けられている。また、この高段側マフラー吐出孔210Hと対向する密閉容器100の外面部には、高段側マフラー吐出孔210Hから吐出された冷媒の温度を測定するための温度センサー220が取り付けられている。
そして、低段側シリンダ121L、低段側端板160L、低段側マフラーカバー170L、高段側シリンダ121H、高段側端板160H、高段側マフラーカバー170Hおよび中間仕切り板150は、ボルトによって一体に固定されている。このボルトによって一体に固定された圧縮部の中で、高段側端板160Hの外周部が密閉容器とスポット溶接で固定されていて、圧縮部を密閉容器に対して固定している。
また、低段側圧縮機構部11Lの吸入側、すなわち吸入孔135Lにはインジェクションサイクルにおける基本サイクルの低圧冷媒を吸入するための第一吸入管31が接続管103を介して接続している。一方、インジェクション冷媒を吸入するための第二吸入管23は、圧縮部120とモータ110との間に配置されたパイプとして延長され、その終端が中間連絡管230に接続する。
低段側吐出マフラー室180Lの吐出側、すなわち低段側マフラー吐出孔210Lは、密閉容器100の外部おいて略U字状に設けられた中間連絡管230に、接続管105を介して接続する。中間連絡管230の他端は、高段側圧縮機構部11Hの吸入孔135Hに、接続管107を介して接続している。すなわち、低段側圧縮機構部11Lの吐出側と高段側圧縮機構部11Hとを連絡する中間連絡通路は、低段側吐出マフラー室180L、低段側マフラー吐出孔210L、中間連絡管230、高段側圧縮機構部11Hの吸入孔35Hで構成される。また、中間連絡管230のU字状の略中央部には、第二吸入管23が接続されている。さらに、中間連絡管230において第二吸入管23が接続される部分よりも上流側の外面、すなわち低段側圧縮機構部11Lに近い側の外面には、低段側吐出マフラー室180Lから吐出された冷媒の温度を測定するための温度サンサー240が取り付けられている。
高段側圧縮機構部11Hの吐出は高段側吐出マフラー室180Hに開口し、高段側吐出マフラー室180Hの吐出は密閉容器100内に開口している。密閉容器100の上部には、密閉容器100内部の冷媒を冷凍サイクル側に吐出する吐出管101が接続している。
圧縮機11の密閉容器100内には、およそ高段側シリンダ121Hの高さまで潤滑油が封入されており、駆動軸の下方に設けられた羽根ポンプ(図示せず)によって圧縮部を循環し、摺動部分の潤滑および微小隙間によって圧力を区画している箇所のシールをしている。
圧縮機11の本体の側面には、独立した密閉容器からなるアキュムレータ250がアキュムホルダー251とアキュムバンド253とによって固定されている。アキュムレータ250の上部には冷凍サイクル側と接続するシステム接続管255が設けられ、アキュムレータ250の下部には一端がアキュムレータ250の内部の上方まで延長されるとともに他端が圧縮機11本体の接続管103に接続される第一吸入管31が設けられている。なお、図1−1およびその説明においては、アキュムレータ250の記載は省略している。
次に、図1−2を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lに吐出される。
一方、第二吸入管23から吸入されるインジェクション冷媒は、圧縮機11の内部で、高段側圧縮機構部11Hからの吐出ガスと熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから中間連絡管230のU字状の略中央部に送られ、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガス(冷媒)と合流する。
低段側圧縮機構部11Lからの吐出冷媒はある程度の過熱度を持った状態である。これにより、合流した冷媒はすべてガス化するが、低段側圧縮機構部11Lの吐出冷媒の過熱度よりも小さい過熱度の状態となる。この合流した冷媒は中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入され、最終吐出圧である高圧まで圧縮された後に高段側吐出マフラー室180Hを通って密閉容器100の内部に吐出される。密閉容器100の内部に吐出された吐出ガス(冷媒)は、さらに吐出管101を通って密閉容器100の外部に吐出される。ここでインジェクション冷媒は圧縮機11の内部で吸熱するため、第二吸入管23に吸入される前のインジェクション冷媒の状態は、従来例よりも乾き度を小さくする必要がある。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、高段側圧縮機構部11Hから吐出された吐出ガス(冷媒)は、インジェクション冷媒と熱交換することで冷却されてから密閉容器100の外部に吐出される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。
ここで、高段側圧縮機構部11Hに吸入される冷媒が、わずかな過熱度となるように制御する必要がある。このため、高段側圧縮機構部11Hから吐出された吐出ガスの温度を検知することによって高段側圧縮機構部11Hに吸入される冷媒の状態を推定することが必要である。本実施例にかかる圧縮機11においては、高段側圧縮機構部11Hから吐出された直後の状態と、密閉容器100から吐出される状態と、では冷媒の温度が異なる。このため、温度センサーを密閉容器100の上部または吐出管101に設けた場合には、高段側圧縮機構部11Hからの吐出ガスの温度を正確に測定することは不可能である。
そこで、本実施例にかかる圧縮機11においては、高段側圧縮機構部11Hの吐出ガスを直接密閉容器100に噴射して、これに対向する密閉容器100の外面に温度センサー220を設けている。これにより、高段側圧縮機構部11Hから吐出された吐出ガスの、より正確な温度を測定することができ、本発明の効果を充分に得るための有効な手段となる。
また、低段側圧縮機構部11Lに吸入される冷媒の過熱度を制御するためには、低段側圧縮機構部11Lに吸入される冷媒(吸入冷媒)の温度(吸入冷媒温度)を蒸発器(吸熱器)19と第一吸入管31との間で直接測定するか、または低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガスの温度(吐出ガス温度)を吐出ガスがインジェクション冷媒と合流するよりも上流側であり且つ該吐出ガスが圧縮機11の内部で熱交換するよりも上流側で測定する必要がある。
そこで、本実施例にかかる圧縮機11においては、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガスの温度を、該吐出ガスがインジェクション冷媒と合流するよりも上流側であり且つ圧縮機11内で熱交換するよりも上流側に温度センサー220を設けて吐出ガスの温度を測定している。低段側圧縮機構部11Lでの吸入冷媒温度を直接測定する方法においては、吸入冷媒が湿り状態となった場合にその乾き度を検知することができないため、吐出ガス温度を測定する方法のほうが、過渡的に吸入冷媒が湿り状態となったときの回避制御を考えると有利になる。
以上の実施例1の効果を、圧力−エンタルピ線図を用いて説明する。図1−7は、従来の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図である。図1−8は、実施例1の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図であり、インジェクション冷媒で圧縮機を冷却した場合を表した圧力−エンタルピ線図である。なお、図1−7および図1−8は、冷媒としてR410Aを用いた場合の冷凍サイクルについて示している。
ここで図1−7および図1−8において、各記号は下記の条件における冷媒の状態を示す。
S1:圧縮機の低段側圧縮機構部の吸入、
D1:圧縮機の高段側圧縮機構部の吐出
D2:密閉容器からの吐出(=凝縮器入口)
C1:凝縮器出口
E:第一膨張機構出口(=蒸発器入口)
F:蒸発器出口
C2:インジェクションサイクルにおける基本サイクル冷媒の内部熱交換器出口
M:インジェクションサイクルにおけるインジェクション冷媒の第二膨張機構(インジェクション用膨張弁)出口
G:インジェクションサイクルにおけるインジェクション冷媒の内部熱交換器出口
J:インジェクションサイクルにおけるインジェクション冷媒が低段側圧縮機構部の吐出ガスと合流する直前
B:インジェクションサイクルにおける低段側圧縮機構部の吐出
K:インジェクションサイクルにおける低段側圧縮機構部の吐出ガスがインジェクション冷媒と合流する直前
L:インジェクションサイクルにおける低段側圧縮機構部の吐出ガスとインジェクションガスとが合流した状態
S2:インジェクションサイクルにおける高段側圧縮機構部の吸入
実施例1に対応した図1−8では、ガスインジェクションサイクルにおいて、インジェクション冷媒の内部熱交換器出口(G)と高段側吐出ガス(D1)とで熱交換する(熱交換2)。熱交換2の結果、それぞれ(G)から(J)に、(D1)から(D2)に状態が変化する。これによって実施例1においては(図1−8)、本発明の熱交換をしない従来の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルの場合(図1−7)と比べて密閉容器100からの吐出ガス(D2)温度が低くなる。したがって、実施例1では密閉容器100全体の温度が低下する。
ここで図1−8においては、暖房能力に対応するエンタルピ差が図1−7と比較して小さくなる。しかしながら、
Q1=インジェクション冷媒の熱交換前(M)と熱交換後(G)とのエンタルピ差×インジェクション冷媒質量流量
Q2=基本サイクル冷媒の熱交換前(C1)と熱交換後(C2)とのエンタルピ差×基本サイクル冷媒質量流量
とすれば、内部熱交換器29で行われる熱交換1での熱交換量(1)=Q1=Q2であり、インジェクション冷媒の熱交換前(M)と熱交換後(G)とのエンタルピ差が図1−7より小さくなる分だけインジェクション冷媒質量流量を増やすことが可能となり、暖房能力は同じになる。また、暖房能力に対応する熱交換域すなわち(D2)と(C1)とのエンタルピ差のうち二相状態の割合が増えるため、熱交換効率が良くなり、システムとして効率が向上する。
なお、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に圧縮機11の内部に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出されて中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の内部で、高段側圧縮機構部11Hからの吐出ガスと熱交換する構成とすることもできる。また、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に圧縮機11の内部に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出された冷媒とインジェクション冷媒とが合流して中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の内部で、高段側圧縮機構部11Hからの吐出ガスと熱交換する構成とすることもできる。
実施例2では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図2−1は、実施例2にかかる空調機における圧縮機の詳細構成を説明するための断面図である。図2−2は、実施例2にかかる圧縮機11の低段側端板160Lの構成を説明するための図であり、低段側端板160Lの横断面図である。
なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
図1−2に示すように実施例1では、圧縮機11内での冷媒の熱交換を行うために第二吸入管23が密閉容器100の内部において圧縮部120とモータ110との間に配置されたパイプとして延長されているのに対し、実施例2では図2−1に示すように低段側圧縮機構部11Lと高段側圧縮機構部11Hとを接続する中間連絡通路の一部である連絡管230aを密閉容器100の底部の潤滑油中に配置している。
すなわち、実施例1においては図1−4に示したように低段側吐出マフラー室180Lは左右が連通状態とされた1つの空間であるのに対し、実施例2においては図2−2に示すように左右のマフラー室は隔離されて2つの低段側吐出マフラー室180Laと低段側吐出マフラー室180Lbとからなる。そして、2つの低段側吐出マフラー室180La、180Lbは、中間連絡管230の一部である連絡管230aにより接続されている。これにより、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガスは、低段側吐出マフラー室180Laに吐出された後、連絡管230aを通って低段側吐出マフラー室180Lbに流れてから中間連絡管230に送り込まれる。一方、第二吸入管23は、中間連絡管230の下流側である、中間連絡管230のU字状の略中央部に接続される。
なお、圧縮機におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図2−1において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図2−1を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lに吐出される。
低段側吐出マフラー室180Lに吐出された吐出ガス(冷媒)は、中間連絡管230の一部である連絡管230aに送られ、ここを通過する間に密閉容器100の底部の潤滑油と熱交換して第二吸入管23に送られる。そして、第二吸入管23を通って吸入されたインジェクション冷媒と、中間連絡管230のU字状の略中央部において合流して高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
その後、この合流した冷媒は、高段側圧縮機構部11Hで最終吐出圧である高圧まで圧縮された後に高段側吐出マフラー室180Hを通って密閉容器100の内部に吐出される。密閉容器100の内部に吐出された吐出ガス(冷媒)は、さらに吐出管101を通って密閉容器100の外部に吐出される。ここで、低段側圧縮機構部11Lの吐出ガスは、吸熱して過熱度が大きくなってからインジェクション冷媒と合流するため、インジェクション冷媒は低段側圧縮機構部11Lの吐出ガスの過熱度の増加に対応した分だけ従来よりも乾き度を小さくする必要がある。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、密閉容器100の底部の潤滑油は低段側圧縮機構部11Lから吐出された吐出ガス(冷媒)と熱交換することで冷却される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。また、潤滑油とインジェクション冷媒とが直接熱交換することで潤滑油の温度をより低くでき、摺動部の焼き付き防止効果がより大きくなる。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。
以上の実施例2の効果を、図1−7および図2−3に示す圧力−エンタルピ線図を用いて説明する。図2−3は、実施例2の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図であり、低段側圧縮機構部の吐出ガスで圧縮機を冷却した場合を表した圧力−エンタルピ線図である。なお、図2−3は、冷媒としてR410Aを用いた場合の冷凍サイクルについて示している。
実施例2に対応した図2−3では、ガスインジェクションサイクルにおいて、低段側圧縮機構部の吐出ガス(B)と高段側圧縮機構部の吐出ガス(D1)とで熱交換する。熱交換の結果、それぞれ(B)から(K)に、(D1)から(D2)に状態が変化する。これによって実施例2においては(図2−3)、本発明の熱交換をしない従来の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルの場合(図1−6)と比べて密閉容器100からの吐出ガス(D2)温度が低くなる。したがって、実施例2では密閉容器100全体の温度が低下する。また、暖房能力に対応する熱交換域すなわち(D2)と(C1)とのエンタルピ差のうち二相状態の割合が増えるため、熱交換効率が良くなり、システムとして効率が向上する。また、圧縮機11の起動時においては、低段側圧縮機構部11Lの吐出ガス温度は、潤滑油の温度より高く、よって本実施例の方式では、起動時に潤滑油を加熱する。これによって潤滑油に溶け込んでいる冷媒を潤滑油から分離して潤滑油の粘度を上昇させる時間を短縮でき、圧縮機11の信頼性が向上する効果もある。
なお、第二吸入管23の一部を密閉容器100の底部の潤滑油中に配置して、インジェクション冷媒を潤滑油と熱交換する構成とすることもできる。また、中間連絡管230の一部を密閉容器100の底部の潤滑油中に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出された冷媒とインジェクション冷媒とが合流して中間連絡管230を流れる冷媒を潤滑油と熱交換する構成とすることもできる。
実施例3では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図3は、実施例3にかかる空調機における圧縮機の詳細構成を説明するための断面図である。なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例にかかる圧縮機11においては、圧縮機11内での冷媒の熱交換を行うために第二吸入管23が密閉容器100の内部において高段側吐出マフラー室180Hの中に配置されたパイプとして延長され、高段側圧縮機構部11Hの吸入側(吸入室131H)に接続されている。
また、圧縮機におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図3において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図3を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lに吐出され、中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
一方、第二吸入管23を流れてきたインジェクション冷媒は、高段側吐出マフラー室180Hにおいて高段側圧縮機構部11Hの吐出ガスと直接熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから高段側圧縮機構部11Hの吸入側(吸入室131H)に送られ、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガス(冷媒)と合流する。これによって高段側圧縮機構部11Hの吐出ガスの熱を確実に吸熱することができる。
この合流した冷媒は最終吐出圧である高圧まで圧縮された後に高段側吐出マフラー室180Hを通って密閉容器100の内部に吐出される。密閉容器100の内部に吐出された吐出ガス(冷媒)は、さらに吐出管101を通って密閉容器100の外部に吐出される。ここでインジェクション冷媒は圧縮機11の内部で吸熱するため、第二吸入管23に吸入される前のインジェクション冷媒の状態は、従来例よりも乾き度を小さくする必要がある。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、高段側圧縮機構部11Hから吐出された吐出ガス(冷媒)は、インジェクション冷媒と熱交換することで冷却されてから密閉容器100の外部に吐出される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。
なお、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に高段側吐出マフラー室180Hの中に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出されて中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の内部で、高段側圧縮機構部11Hからの吐出ガスと熱交換する構成とすることもできる。また、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に高段側吐出マフラー室180Hの中に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出された冷媒とインジェクション冷媒とが合流して中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の内部で、高段側圧縮機構部11Hからの吐出ガスと熱交換する構成とすることもできる。
実施例4では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図4は、実施例4にかかる空調機における圧縮機の詳細構成を説明するための断面図である。なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例にかかる圧縮機11においては、圧縮機11内での冷媒の熱交換を行うために第二吸入管23が密閉容器100の底部の潤滑油溜め部260の中に配置されたパイプとして延長され、低段側吐出マフラー室180Lに接続されている。
また、圧縮機におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図4において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図4を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lに吐出される。
一方、第二吸入管23を流れてきたインジェクション冷媒は、密閉容器100の底部の潤滑油溜め部260の中に配置されたパイプに送られ、ここを通過する間に密閉容器100の底部の潤滑油と熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから低段側吐出マフラー室180Lに送られる。そして、インジェクション冷媒は低段側圧縮機構部11Lから吐出された吐出ガス(冷媒)と合流する。合流したガスは中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
その後、この合流した冷媒は、高段側圧縮機構部11Hで最終吐出圧である高圧まで圧縮された後に高段側吐出マフラー室180Hを通って密閉容器100の内部に吐出される。密閉容器100の内部に吐出された吐出ガス(冷媒)は、さらに吐出管101を通って密閉容器100の外部に吐出される。ここでインジェクション冷媒は圧縮機11の内部で吸熱するため、第二吸入管23に吸入される前のインジェクション冷媒の状態は、従来例よりも乾き度を小さくする必要がある。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、密閉容器100の底部の潤滑油はインジェクション冷媒と熱交換することで冷却される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。また、潤滑油とインジェクション冷媒とが直接熱交換することで潤滑油の温度をより低くでき、摺動部の焼き付き防止効果がより大きくなる。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。
実施例5では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図5は、実施例5にかかる空調機における圧縮機の詳細構成を説明するための断面図である。なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例にかかる圧縮機11においては、冷媒の熱交換を行うために第二吸入管23が密閉容器100の外面に螺旋状に配置されたパイプとして延長され、中間連絡管230のU字状の略中央部に接続されている。
また、圧縮機におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図5において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図5を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lに吐出され、中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
一方、第二吸入管23を流れてきたインジェクション冷媒は、密閉容器100の外周部に配置されたパイプ部分を通過する際に密閉容器100を介して内部の高段側圧縮機構部11Hの吐出ガスと熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから中間連絡管230のU字状の略中央部に送られ、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガス(冷媒)と合流する。
この合流した冷媒は最終吐出圧である高圧まで圧縮された後に高段側吐出マフラー室180Hを通って密閉容器100の内部に吐出される。密閉容器100の内部に吐出された吐出ガス(冷媒)は、さらに吐出管101を通って密閉容器100の外部に吐出される。ここでインジェクション冷媒は密閉容器100の外周部を通過する際に吸熱するため、第二吸入管23に吸入される前のインジェクション冷媒の状態は、従来例よりも乾き度を小さくする必要がある。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、高段側圧縮機構部11Hから吐出された吐出ガス(冷媒)は、インジェクション冷媒と密閉容器100を介して熱交換することで冷却されてから密閉容器100の外部に吐出される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。また、本実施例にかかる圧縮機11においては、圧縮機内部構造を簡素にできる効果がある。
なお、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に密閉容器100の外面に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出されて中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の外面の一部と熱交換する構成とすることもできる。また、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に密閉容器100の外面に配置して、低段側圧縮機構部11Lから吐出された冷媒とインジェクション冷媒とが合流して中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の外面の一部と熱交換する構成とすることもできる。
実施例6では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図6は、実施例6にかかる空調機における圧縮機の詳細構成を説明するための断面図である。なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例にかかる圧縮機11は実施例5の変形例であり、第二吸入管23を圧縮機11の密閉容器100の外周部に設けた外面熱交換室270に接続し、外面熱交換室270は中間連絡管230のU字状の略中央部に接続されている。この外面熱交換室270は、密閉容器100の外周部の一部をたとえば金属部材により覆うことにより、密閉容器100の外面部の一部を伝熱面として形成されている。
また、圧縮機におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図6において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図6を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lに吐出され、中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
一方、第二吸入管23を流れてきたインジェクション冷媒は、密閉容器100の外周部に設けた外面熱交換室270を通過する際に密閉容器100を介して内部の高段側圧縮機構部11Hの吐出ガスと熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから中間連絡管230のU字状の略中央部に送られ、低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガス(冷媒)と合流する。
この合流した冷媒は最終吐出圧である高圧まで圧縮された後に高段側吐出マフラー室180Hを通って密閉容器100の内部に吐出される。密閉容器100の内部に吐出された吐出ガス(冷媒)は、さらに吐出管101を通って密閉容器100の外部に吐出される。ここでインジェクション冷媒は密閉容器100の外周部を通過する際に吸熱するため、第二吸入管23に吸入される前のインジェクション冷媒の状態は、従来例よりも乾き度を小さくする必要がある。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、高段側圧縮機構部11Hから吐出された吐出ガス(冷媒)は、インジェクション冷媒と密閉容器100を介して熱交換することで冷却されてから密閉容器100の外部に吐出される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。また、本実施例にかかる圧縮機11においては、圧縮機内部構造を簡素にできる効果がある。
なお、中間連絡管230の一部を密閉容器100の外周部に設けた外面熱交換室270として、低段側圧縮機構部11Lから吐出されて中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の外面の一部と熱交換する構成とすることもできる。また、中間連絡管230の一部を上記の第二吸入管23と同様に密閉容器100の外周部に設けた外面熱交換室270として、低段側圧縮機構部11Lから吐出された冷媒とインジェクション冷媒とが合流して中間連絡管230を流れる冷媒を圧縮機11の外面の一部と熱交換する構成とすることもできる。
実施例7では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図7−1は、実施例7にかかる圧縮機の構成を説明するための断面図である。図7−2は、実施例7にかかる圧縮機の低段側端板160Lの構成を説明するための図であり、低段側端板160Lの横断面図である。なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
実施例1においては図1−2に示すように実施例1では第二吸入管23が密閉容器100の内部において圧縮部120とモータ110との間に配置されたパイプとして延長されているのに対し、実施例7では図7−2に示すように第二吸入管23は、低段側吐出マフラー室180Lに接続している。
また、図1−4に示すように低段側吐出マフラー室180Lは左右が連通状態とされた1つの空間であるのに対し、実施例7においては図7−2に示すように左右のマフラー室は隔離されて2つの低段側吐出マフラー室180Lcと低段側吐出マフラー室180Ldとからなる。2つの低段側吐出マフラー室180Lc、180Ldは、低段側圧縮機構部11Lと高段側圧縮機構部11Hを接続する中間連絡通路の一部である連絡管230aにより接続されている。そして、連絡管230aは密閉容器100の底部の潤滑油中に配置されている。
また、圧縮機11におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図7−1において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図7−1および図7−2を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Lcに吐出される。
一方、第二吸入管23を流れてきたインジェクション冷媒は、低段側吐出マフラー室180Lcに送られ、低段側圧縮機構部11Lから吐出された吐出ガス(冷媒)と合流する。合流したガスは、密閉容器100の底部の潤滑油中に配置された連絡管230aに送られ、ここを通過する間に密閉容器100の底部の潤滑油と熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから低段側吐出マフラー室180Ldに送られる。そして、中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、インジェクション冷媒と低段側圧縮機構部11Lからの吐出ガスとは低段側吐出マフラー室180Lc内で合流してから、潤滑油中に配置されている連絡管230aに流れる。そして、この合流したガスは、密閉容器100の底部の潤滑油と熱交換して低段側吐出マフラー室180Ldに流れ、中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。
これにより、密閉容器100の底部の潤滑油はこの合流したガスと熱交換することで冷却され、密閉容器100全体の温度が低下する。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。
以上の実施例7の効果を、図1−7および図7−3に示す圧力−エンタルピ線図を用いて説明する。図7−3は、実施例7の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルを表した圧力−エンタルピ線図であり、インジェクション冷媒と低段側圧縮機構部11Lから吐出された吐出ガス(冷媒)とが合流した冷媒で圧縮機を冷却した場合を表した圧力−エンタルピ線図である。なお、図7−3は、冷媒としてR410Aを用いた場合の冷凍サイクルについて示している。
実施例7に対応した図7−3では、インジェクションサイクルにおけるインジェクションガスと低段側圧縮機構部の吐出ガスとが合流した冷媒(L)と、高段側圧縮機構部の吐出ガス(D1)と、で熱交換する。熱交換の結果、それぞれ(L)から(S2)に、(D1)から(D2)に状態が変化する。これによって実施例7においては(図7−3)、本発明の熱交換をしない従来の内部熱交換式ガスインジェクションサイクルの場合(図1−7)と比べて密閉容器100からの吐出ガス(D2)温度が低くなる。したがって、実施例7では密閉容器100全体の温度が低下する。また、暖房能力に対応する熱交換域すなわち(D2)と(C1)とのエンタルピ差のうち二相状態の割合が増えるため、熱交換効率が良くなり、システムとして効率が向上する。
実施例8では、本発明にかかる空調機の他の実施例について説明する。図8−1は、実施例8にかかる圧縮機11の構成を説明するための断面図である。図8−2は、実施例8にかかる圧縮機11の低段側端板160Lの構成を説明するための図であり、低段側端板160Lの横断面図である。なお、本実施例にかかる空調機の冷凍サイクルの構成は、圧縮機の一部分を除いて実施例1の場合と同様であるため、上述した実施例1における説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
実施例1においては図1−2に示すように実施例1では第二吸入管23が密閉容器100の内部において圧縮部120とモータ110との間に配置されたパイプとして延長されているのに対し、実施例8では図8−2に示すように第二吸入管23は、低段側吐出マフラー室180Lに接続している。そして、本実施例においては、低段側マフラーカバー170Lにフィン280を設けている。
また、図1−4に示すように低段側吐出マフラー室180Lは左右が連通状態とされ、中間連絡管230と接続する1つの空間であるのに対し、実施例8における低段側吐出マフラー室180Leは図8−2に示すように冷媒の流れが低段側吐出マフラー室180L内を略一周循環するように構成されている。
また、圧縮機11におけるその他の構成は実施例1の場合と同様であるため、図8−1において実施例1の場合と同じ符号を付すことで、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図8−1および図8−2を参照して、圧縮機11内における冷媒の流れについて説明する。蒸発器(吸熱器)19で過熱状態となった基本サイクル用の冷媒は、四方弁33、アキュムレータを介して第一吸入管31に送られる。そして、第一吸入管31から低段側圧縮機構部11Lに入った基本サイクル用の冷媒は、低段側圧縮機構部11Lで中間圧まで圧縮され、低段側吐出マフラー室180Leに吐出される。
一方、第二吸入管23を流れてきたインジェクション冷媒は、低段側吐出マフラー室180Leに送られ、低段側圧縮機構部11Lから吐出された吐出ガス(冷媒)と合流する。合流したガスは、低段側吐出マフラー室180Leにおいて密閉容器100の底部の潤滑油と熱交換することで吸熱して乾き度を大きくしてから中間連絡管230を通って高段側圧縮機構部11Hに吸入される。ここで、インジェクション冷媒の温度は低段側圧縮機構部11Lの吐出ガス温度より低いため、インジェクション冷媒を低段側吐出マフラー室180Leにインジェクションするだけでも低段側吐出マフラー室180Leの温度が下がり、潤滑油との熱交換が促進される。これも本発明の範囲であるが、本実施例のように低段側マフラーカバー170Lにフィン280を設けていることにより、より熱交換が促進される。
上述したように、本実施例にかかる圧縮機11においては、密閉容器100の底部の潤滑油は、低段側圧縮機構部11Lから吐出された吐出ガス(冷媒)とインジェクション冷媒とが合流したガスと熱交換することで冷却される。これによって密閉容器100全体の温度が低下する。したがって、本実施例にかかる空調機においては、運転圧力比の限界をより大きくすることが可能であり、低外気温条件でも十分な暖房吹き出し温度を得ることができる。また、本実施例にかかる空調機においては、圧縮機11の回転数の限界をより高くすることが可能となり、暖房能力も向上する。
また、一般的に低段側マフラーカバー170Lは鉄系金属材料により構成されるが、低段側マフラーカバー170Lを、より熱伝導率の大きい銅、黄銅、アルミニウム等の材料により構成することで熱交換を促進して本発明の効果を向上することも有効である。
また、基本となるガスインジェクションサイクルにおいて内部熱交換器を用いる方式でなく、放熱器下流の膨張機構によって中間圧力まで減圧した後に気液分離器でガスと液を分離し、ガスおよび一部の適正量の液を同時にインジェクションさせる方式のサイクルでも効果は同じである。
なお、上述した実施例1〜8における図面においては断熱材の記載を省略しているが、実際の運用においては圧縮機11を断熱材で覆った状態で使用する。
以上のように、本発明にかかるインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機は、低外気温条件においての使用に有用である。
11 圧縮機
11H 高段側圧縮機構部
11L 低段側圧縮機構部
13 凝縮器(放熱器)
15 第一膨張機構部
17 第二膨張機構部
21 基本サイクル配管
21a 基本サイクル配管
23 第二吸入管
25 分岐管
27 インジェクション配管
27a インジェクション配管
29 内部熱交換器
31 第一吸入管
33 四方弁
100 密閉容器
101 吐出管
103 接続管
105 接続管
107 接続管
110 モータ
111 ステータ
113 ロータ
115 駆動軸
120 圧縮機構部
120 圧縮部
121L シリンダ
121H 高段側シリンダ
121L 低段側シリンダ
123L シリンダボア
125L ピストン
127L ベーン
129L スプリング
131L 吸入室
131H 吸入室
133L 圧縮室
135L 吸入孔
150 中間仕切り板
160H 高段側端板
160L 低段側端板
170H 高段側マフラーカバー
170L 低段側マフラーカバー
180H 高段側吐出マフラー室
180L 低段側吐出マフラー室
180La 低段側吐出マフラー室
180Lb 低段側吐出マフラー室
180Lc 低段側吐出マフラー室
180Ld 低段側吐出マフラー室
180Le 低段側吐出マフラー室
190H 高段側吐出孔
190L 低段側吐出孔
200H 高段側吐出弁
200L 低段側吐出弁
203 リベット
210H 高段側マフラー吐出孔
210L 低段側マフラー吐出孔
220 温度センサー
230 中間連絡管
230a 連絡管
240 温度センサー
250 アキュムレータ
251 アキュムホルダー
253 アキュムバンド
255 システム接続管
260 潤滑油溜め部
270 外面熱交換室
280 フィン

Claims (10)

  1. 圧縮機と、放熱器と、絞り量可変である第一膨張機構と、吸熱器と、前記圧縮機と放熱器と第一膨張機構と吸熱器とを順に接続して冷媒を循環させる基本サイクル配管と、前記基本サイクル配管における前記放熱器と前記第一膨張機構との間に配置される分岐管と、絞り量可変である第二膨張機構と、前記第二膨張機構を介して前記分岐管と前記圧縮機とを接続してインジェクション冷媒を循環させるインジェクション配管と、前記基本サイクル配管における前記分岐管と前記第一膨張機構との間の少なくとも一部と、前記インジェクション配管における前記第二膨張機構と前記圧縮機との間の少なくとも一部とを、熱交換する内部熱交換器と、を備え、前記第一膨張機構の絞り量および前記第二膨張機構の絞り量により前記内部熱交換器出口のインジェクション冷媒の湿り度を調整可能なヒートポンプシステムに使用され、
    密閉容器と、
    低段側圧縮機構部と、
    高段側圧縮機構部と、
    前記低段側圧縮機構部と高段側圧縮機構部とを駆動するモータと、
    前記低段側圧縮機構部の吸入側に接続して前記インジェクション冷凍サイクル側の低圧冷媒を前記低段側圧縮機構部に導く第一吸入管と、
    前記低段側圧縮機構部の吐出側と前記高段側圧縮機構部の吸入側を連通する中間連絡通路と、
    前記密閉容器に接続されて前記高段側圧縮機構部から前記密閉容器内部に吐出された高圧冷媒を前記インジェクション冷凍サイクル側に吐出するための吐出管と、
    前記インジェクション冷凍サイクル側の湿り冷媒である中間圧インジェクション冷媒を前記中間連絡通路に導く第二吸入管と、
    を有するインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機であって、
    前記低段側圧縮機構部から吐出された冷媒と中間圧インジェクション冷媒とが合流した冷媒と、前記密閉容器の内部または前記密閉容器の外面部と、の間において前記低段側圧縮機構部から吐出された冷媒と前記中間圧インジェクション冷媒とが合流した冷媒が吸熱する熱交換を促進する手段を前記中間連絡通路に備えること、
    を特徴とするインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  2. 前記熱交換を促進する手段は、前記高段側圧縮機構部から前記密閉容器の内部に吐出された高圧冷媒中に配置された前記中間連絡通路の一部であること、
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  3. 前記高段側圧縮機構部の吐出側に前記高段側圧縮機構部から高圧冷媒が吐出される高段側吐出マフラー室を備え、
    前記熱交換を促進する手段は、前記高段側吐出マフラー室内に配置された前記中間連絡通路の一部であること、
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  4. 前記熱交換を促進する手段は、前記密閉容器の外面部に配置された前記中間連絡通路の一部であること、
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  5. 前記熱交換を促進する手段は、前記密閉容器の外面部の一部を覆って密閉容器の外面部の一部を伝熱面として形成された外面熱交換室であること、
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  6. 前記低段側圧縮機構部の吐出側に前記低段側圧縮機構部から冷媒が吐出される低段側吐出マフラー室を備え、
    前記低段側吐出マフラー室内に前記第二吸入管を開口接続したこと、
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  7. 前記低段側吐出マフラー室を形成するマフラー部材に前記低段側吐出マフラー室の外部との熱交換を促進する熱交換手段を設けたこと、
    を特徴とする請求項6に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  8. 前記マフラー部材は、鉄系金属より熱伝導率の大きい材料からなること、
    を特徴とする請求項7に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  9. 前記高段側圧縮機構部の吐出側に配置されて前記高段側圧縮機構部から高圧冷媒が吐出される高段側吐出マフラー室と、
    前記高段側吐出マフラー室から前記密閉容器の内面に向けて前記高圧冷媒を吐出する吐出孔と、
    前記密閉容器を介して前記吐出孔に対向する前記密閉容器の外面部に配置された温度センサーと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
  10. 前記中間連絡通路の一部である中間連絡管を前記密閉容器の外部に配置し、
    前記中間連絡管の外面に温度センサーを備えること、
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機。
JP2012004471A 2012-01-12 2012-01-12 インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機 Expired - Fee Related JP5321697B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004471A JP5321697B2 (ja) 2012-01-12 2012-01-12 インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004471A JP5321697B2 (ja) 2012-01-12 2012-01-12 インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007094695A Division JP2008248865A (ja) 2007-03-30 2007-03-30 インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機およびヒートポンプシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012097755A JP2012097755A (ja) 2012-05-24
JP5321697B2 true JP5321697B2 (ja) 2013-10-23

Family

ID=46389913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012004471A Expired - Fee Related JP5321697B2 (ja) 2012-01-12 2012-01-12 インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5321697B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101981096B1 (ko) * 2012-10-12 2019-05-22 엘지전자 주식회사 밀폐형 압축기
JP6624809B2 (ja) * 2015-05-20 2019-12-25 三菱電機株式会社 圧縮機、及びその圧縮機を備えたヒートポンプ装置
CN106567832A (zh) * 2016-10-31 2017-04-19 广东美芝制冷设备有限公司 压缩机及制冷装置
AU2018387906B2 (en) * 2017-12-22 2021-09-09 Daikin Industries, Ltd. Compressor
CN111256395A (zh) * 2018-11-30 2020-06-09 上海海立电器有限公司 补气增焓系统及其控制方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61285352A (ja) * 1985-06-11 1986-12-16 株式会社神戸製鋼所 スクリユ式ヒ−トポンプ
JPS6490961A (en) * 1987-09-30 1989-04-10 Daikin Ind Ltd Refrigeration circuit
JPH06300366A (ja) * 1993-04-14 1994-10-28 Matsushita Refrig Co Ltd 冷凍装置
JP4151120B2 (ja) * 1998-08-07 2008-09-17 ダイキン工業株式会社 2段圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012097755A (ja) 2012-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008248865A (ja) インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機およびヒートポンプシステム
CN114111113B (zh) Hvacr系统的润滑剂管理
EP1726778B1 (en) Fluid machine
JP5631398B2 (ja) ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
US20080078191A1 (en) Rotary compressor and heat pump system
US20110232325A1 (en) Refrigerating apparatus
AU2007241898B2 (en) Refrigeration system
JP5321697B2 (ja) インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機
WO2016201623A1 (zh) 制冷循环装置
JP2008286037A (ja) ロータリ圧縮機およびヒートポンプシステム
JP5889405B2 (ja) 冷媒圧縮機及びヒートポンプ装置
JP2010059859A (ja) インジェクション対応2段圧縮ロータリ圧縮機
WO2020067194A1 (ja) 多段圧縮システム
WO2012090345A1 (ja) 冷媒圧縮機
CN112752934B (zh) 多级压缩系统
JP5599514B2 (ja) 二段圧縮機及びヒートポンプ装置
CN107476976A (zh) 涡旋压缩机及压缩机系统
US20090100860A1 (en) Fluid Machine
JP4492284B2 (ja) 流体機械
WO2020067197A1 (ja) 多段圧縮システム
JP2005264829A (ja) 流体機械
JP2013087975A (ja) 冷凍装置
JP2013234796A (ja) ヒートポンプ装置
JP2008145100A (ja) 冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130701

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5321697

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees