JP5321520B2 - 直視型の画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示すべき画像を表す画像光を観察者の眼球の瞳孔内に入射し、それにより、観察者に対して前記画像を表示する直視型の画像表示装置に関するものであり、特に、回折格子を利用して、その画像表示装置の射出瞳を拡大する技術の改良に関するものである。
画像光を観察者の網膜に直接投影し、その投影された画像光を前記網膜上において走査することにより、画像を表示する直視型の画像表示装置が既に知られている。この種の画像表示装置は、一般に、(a)画像信号に応じた強度の光を出射する光源と、(b)その光源から出射した光を2次元方向に走査し、それにより、前記画像光を形成する光走査部と、(c)その光走査部によって形成された画像光が当該画像表示装置から出射する出射部とを含むように構成される。
この種の画像表示装置を用いて観察者が表示画像を正常に観察し続けるためには、この画像表示装置の射出瞳を観察者の瞳に一致させ続けることが必要である。しかし、表示画像の観察中、観察者の眼は多少なりとも動いてしまい、その結果、瞳も移動してしまうのが通常である。そのため、画像表示装置の射出瞳が観察者の瞳より小さい場合には、射出瞳が観察者の瞳から外れてしまう可能性がある。
これに対し、特許文献1には、画像表示装置の射出瞳を拡大するために、その画像表示装置における光源と出射部との間における光路上に、それら光源と出射部との間に存在する中間像面と同一の位置に回折格子を設置する技術が開示されている。
また、本出願人の出願に係る特許文献2には、画像表示装置の射出瞳をさらに拡大するために、その画像表示装置における光源と出射部との間における光路上に、それら光源と出射部との間に存在する中間像面から外れた位置に回折格子を設置する技術が開示されている。
米国特許第5701132号明細書 特開2006−98570号公報
特許文献2は、直視型の画像表示装置の射出瞳を2次元的に拡大するために、2次元回折格子を利用することも開示している。ところで、2次元回折格子は、従来、1次元のバイナリー回折格子を2枚、互いに交差するように重ね合わせることによって構成するのが一般的であった。この一般的な構成によれば、1つの2次元回折格子が、光の進行方向において互いに離れた2枚の回折格子面を有することになる。
2次元回折格子を有する直視型の画像表示装置において、その2次元回折格子を、2枚の1次元バイナリー回折格子の組合せによって構成する場合、それら1次元バイナリー回折格子を、光の進行方向において数10μm以上の間隔を隔てて配置すると、それら1次元バイナリー回折格子から出射した複数の次数の回折光のすべてが観察者の網膜上において1点に集まることができず、多重像が発生してしまう。その結果、表示画像の品質が劣化するという問題が発生してしまう。
以上説明した事情を背景にして、本発明は、表示すべき画像を表す画像光を観察者の眼球の瞳孔内に入射し、それにより、観察者に対して前記画像を表示する直視型の画像表示装置において、表示画像の品質の劣化を抑制しつつ、回折格子を利用して、射出瞳を拡大することを目的としてなされたものである。
その課題を解決するために、本発明の一側面によれば、表示すべき画像を表す画像光を 観察者の眼球の瞳孔内に入射し、それにより、観察者に対して前記画像を表示する直視型 の画像表示装置であって、画像信号に応じた強度の光を出射する光源と、その光源から出 射した光を2次元方向に走査し、それにより、前記画像光を形成する光走査部と、その光 走査部によって形成された画像光が当該画像表示装置から出射する出射部と、前記光源と 前記出射部との間における光路上に、それら光源と出射部との間に存在する中間像面と一 致するかまたはその中間像面から外れた所定位置に設置され、当該画像表示装置の射出瞳 を拡大する、溝深さが3以上の段階で離散的に変化するマルチステップ型の2次元回折格 子とを含み、その2次元回折格子は、その2次元回折格子の同じ面上において凸部と溝部 とが、他の凸部および溝部と交差しながら、交互に並ぶとともに、少なくとも、当該2次 元回折格子を全体として見たときに、前記同じ面上において前記溝部の深さが3以上の段 階で変化する構造を有する画像表示装置が提供される。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載するが、このように、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することにより、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能となる。
(1) 表示すべき画像を表す画像光を観察者の眼球の瞳孔内に入射し、それにより、観察者に対して前記画像を表示する直視型の画像表示装置であって、
画像信号に応じた強度の光を出射する光源と、
その光源から出射した光を2次元方向に走査し、それにより、前記画像光を形成する光走査部と、
その光走査部によって形成された画像光が当該画像表示装置から出射する出射部と、
前記光源と前記出射部との間における光路上に、それら光源と出射部との間に存在する中間像面と一致するかまたはその中間像面から外れた所定位置に設置され、当該画像表示装置の射出瞳を拡大する、溝深さが3以上の段階で離散的に変化するマルチステップ型の2次元回折格子と
を含む画像表示装置。
ここに、「中間像面」および「所定位置」は、前記光走査部が複数の光学部品の組合せである場合に、それら光学部品間の空間に存在することが可能であり、また、同様に、前記出射部が複数の光学部品の組合せである場合に、それら光学部品間の空間に存在することが可能である。また、「2次元回折格子」は、光走査部を構成する部品に一体的に形成したり別体的に装着することも、出射部を構成する部品に一体的に形成したり別体的に装着することも、それら部品から分離して設置することも可能である。
(2) 前記画像光は、波長が互いに異なる複数の成分光が合成された合成光であり、その合成光は、前記2次元回折格子に入射し、
その2次元回折格子は、横方向と縦方向とにそれぞれ、凸部と溝部とが交互に回折格子ピッチで周期的に並ぶとともに、少なくとも当該2次元回折格子を全体として見たときに、前記溝部の深さが3以上の段階で変化する構造を有しており、
その2次元回折格子は、その2次元回折格子に入射した合成光を、各成分光ごとに、互いに異なる複数の回折方向に進行する複数の次数の回折光であって少なくとも0次回折光と+1次回折光と−1次回折光とを有するものに分離して出射し、
その2次元回折格子は、前記複数の次数の回折光によって前記射出瞳を拡大し、その射出瞳上に、前記横方向と前記縦方向とに2次元的に並んだ複数の次数の回折光を出射し、
各次数の回折光は、前記横方向における1つの回折次数をx、前記縦方向における1つの回折次数をyでそれぞれ表記した場合に、(x,y)次回折光として表記され、
各成分光ごとに、前記2次元回折格子全体への入射光の出力に対する、各(x,y)次回折光の出力の比が、各次(x,y)次回折光ごとに、回折効率e(x,y)として定義され、その回折効率e(x,y)は、任意の次数aおよびbを用いると、(a,b)次回折光、(−a,b)次回折光、(a,−b)次回折光および(−a,−b)次回折光の間において互いに共通する値を有するとともに、(a,b)次回折光および(b,a)次回折光の間において互いに共通する値を有する(1)項に記載の画像表示装置。
(3) 前記構造は、前記複数の成分光についての(0,0)次回折光、(1,0)次回折光および(1,1)次回折光についてのすべての回折効率e(x,y)がそれぞれ、予め定められた値に一致するかまたは予め定められた範囲内にあるように、設定されている(2)項に記載の画像表示装置。
(4) 前記構造は、前記複数の成分光についての(0,0)次回折光、(1,0)次回折光および(1,1)次回折光についてのすべての回折効率e(x,y)間の分散度が実質的に最小となるように、設定されている(2)項に記載の画像表示装置。
(5) 前記2次元回折格子は、その2次元回折格子に入射した前記合成光を、各成分光ごとに、前記複数の次数の回折光に分離して出射し、入射した合成光のうちの各成分光の出力に対する、次数nの回折光の出力の比がn次光回折効率として定義され、
前記2次元回折格子は、前記構造を特定する設計変数として、デューティ比と溝深さまたは凸部高さとを有しており、
それらデューティ比および溝深さまたは凸部高さは、前記2次元回折格子に入射する合成光のうちの各成分光の波長が長いほど、前記2次元回折格子の0次光回折効率を含む低次光回折効率が増加するように、設定されている(2)項に記載の画像表示装置。
(6) 前記眼球の回転に伴う前記瞳孔の中心位置の、基準位置からの移動量が0であるときに当該画像表示装置から前記瞳孔に入射する光の輝度が基準輝度として予め設定されており、
前記回折格子ピッチは、前記移動量が許容範囲内にあるときには、当該画像表示装置から前記瞳孔に入射する光の輝度の前記基準輝度に対する比が設定値以下とならないように、設定されている(2)ないし(5)項のいずれかに記載の画像表示装置。
本発明によれば、射出瞳を拡大するために設置される2次元回折格子がマルチステップ型となり、その結果、物理的に独立した回折格子の数が1つとなり、2枚の回折格子によって2次元回折格子を構成する場合より、部品点数が削減される。
さらに、本発明によれば、2次元回折格子の回折格子面の数も1つとなるため、多重像の発生が抑制され、ひいては、表示画像の品質の劣化も抑制される。
一方、マルチステップ型の2次元回折格子の回折効率をチューニングするための設計変数として、1次元バイナリー回折格子と同様に、デューティ比(例えば、凸部または溝部が反復的に出現する1周期の長さが1つの凸部または1つの溝部の幅寸法によって占有される比率)が存在するが、このマルチステップ型の2次元回折格子には、追加的に、溝深さまたは凸部高さという新たな設計変数も存在する。溝深さと凸部高さとは、互いに補完する関係にあるから、相互に置換可能である。
このように、マルチステップ型の2次元回折格子によれば、1次元バイナリー回折格子より設計変数の数が増加するため、回折効率をチューニングする際の自由度も向上する。その結果、本発明によれば、回折による射出瞳の拡大と、表示画像の品質劣化の防止とを高次元で両立させることが容易となる。
図1は、本発明の第1実施形態に従う網膜走査型ディスプレイを示す系統図である。 図2は、図1に示す網膜走査型ディスプレイ内の光路を簡略的に示す光路図である。 図3は、図1および図2に示すマルチステップ型の2次元回折格子の回折作用による入射ビームの拡がりを説明するための光路図である。 図4は、図3に示す2次元回折格子の構造を示す斜視図である。 図5(a)は、図3に示す2次元回折格子を示す一断面図であり、図5(b)は、別の断面図である。 図6は、図3に示す2次元回折格子から出射する複数の(x,y)次回折光の2次元配列を示す正面図である。 図7(a)は、図3に示す2次元回折格子が、それに入射した各成分光を、各成分光ごとに、複数の次数の回折光に2次元的に分離するとともに、各回折光の回折角が、各回折光の波長に応じて異なることを示す正面図であり、図7(b)は、それら複数の次数の回折光の2次元配列に対し、観察者の瞳孔が相対的に移動する様子を示す正面図である。 図8は、図3に示す2次元回折格子の溝深さと凸部幅とのそれぞれの最適値を決定するために行ったシミュレーションによって取得された複数の標準偏差を表す表である。 図9(a)は、本発明の第2実施形態に従う網膜走査型ディスプレイにおけるマルチステップ型の2次元回折格子の回折格子ピッチの最適値を決定するために行ったシミュレーションの結果を示すグラフであり、図9(b)は、前記2次元回折格子の溝深さと凸部幅とのそれぞれの最適値を決定するために行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。 図10は、図9(b)に示すグラフを作成する際に用いられた低次回折光と高次回折光とについての回折効率の計算値を赤色光と緑色光と青色光とについてそれぞれ示す表である。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に従う網膜走査型ディスプレイが系統的に表されている。この網膜走査型ディスプレイ(以下、「RSD」と略称する。)は、画像信号に応じた強度の光束としてのレーザビームを2次元的に走査し、その走査されたレーザビームを観察者の眼10の瞳孔12に入射させ、その眼10の網膜14上に画像を直接に投影表示する装置である。このRSDは、前記(1)項における「直視型の画像表示装置」の一例を構成している。
光源ユニット20は、3原色(RGB)を有する3つのレーザビーム(すなわち、波長が互いに異なる3色の成分光)を1つのレーザビーム(合成光)に結合して任意色のレーザビームを生成するために、赤色のレーザビームを発するRレーザ30と、緑色のレーザビームを発するGレーザ32と、青色のレーザビームを発するBレーザ34とを備えている。赤色のレーザビームは、635nmの波長を有し、緑色のレーザビームは、532nmの波長を有し、そして、青色のレーザビームは、460nmの波長を有する。
各レーザ30,32,34は、本実施形態においては、レーザダイオードとして構成されている。本実施形態においては、それらレーザ30,32,34がそれぞれ、前記(1)項における「光源」の一例を構成する。それらレーザ30,32,34から出射した複数本のレーザビームはそれぞれ、コリメート光学系40,42,44によって平行光化される。その後、各レーザビームは、波長依存性を有する各ダイクロイックミラー50,52,54に入射させられ、それにより、各レーザビームが波長に関して選択的に反射・透過させられ、それら3つのダイクロイックミラー50,52,54を代表する1つのダイクロイックミラー50に最終的に入射して1本のレーザビームに結合される。
その後、その1本のレーザビームは、結合光学系56によって集光され、光ファイバ82に入射する。光ファイバ82に入射したレーザビームは、光伝送媒体としての光ファイバ82中を伝送され、その光ファイバ82の後端から放射させられるレーザビームを平行光化するコリメート光学系84を経て光走査部24に入射する。
以上、光源ユニット20のうち光学的な部分を説明したが、以下、電気的な部分を説明する。光源ユニット20は、コンピュータ(図示しない)を主体とする信号処理回路60を備えている。信号処理回路60は、外部から供給された映像信号(前記(1)項における「画像信号」の一例である)に基づき、各レーザ30,32,34を駆動するための信号処理と、レーザビームの走査を行うための信号処理とを行うように設計されている。
各レーザ30,32,34を駆動するため、信号処理回路60は、外部から供給された映像信号に基づき、網膜14上に投影すべき画像上の各画素ごとに、レーザビームにとって必要な色と強度とを実現するために必要な駆動信号(前記映像信号を反映する信号)を、各レーザドライバ70,72,74を介して各レーザ30,32,34に供給する。
光走査部24は、HSスキャナ(高速スキャナ、主スキャナの一例)100とLSスキャナ(低速スキャナ、副スキャナの一例)102とを備えている。HSスキャナ100は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザビームを主走査方向に相対的に高速で走査する光学系である。これに対し、LSスキャナ102は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザビームを、主走査方向とは直交する副走査方向に相対的に低速で走査する光学系である。
具体的に説明するに、HSスキャナ100は、本実施形態においては、機械的偏向を行うミラー120を備えた弾性体124のねじり共振によってそのミラー120を揺動させ、それにより、入射したレーザビームを主走査方向に走査する。このHSスキャナ100は、駆動回路126を有しており、この駆動回路126は、信号処理回路60から供給されるHS駆動信号により、ミラー120を駆動する。
図1に示すように、HSスキャナ100によって走査されたレーザビームは、第1リレー光学系130によってLSスキャナ102に伝送される。第1リレー光学系130は、前段の光学系であるレンズ132と、後段の光学系であるレンズ134とを備えている。
LSスキャナ102は、機械的偏向を行う揺動ミラーとしてのガルバノミラー140を非共振モードで強制的に電磁駆動し、それにより、入射したレーザビームを副走査方向に走査する。ガルバノミラー140には、HSスキャナ100から走査されて出射したレーザビームがリレー光学系130によって集光されて入射するようになっている。LSスキャナ102は、駆動回路142を有しており、その駆動回路142は、信号処理回路60から供給されるLS駆動信号(または同期信号)により、ガルバノミラー140を駆動する。
以上説明したHSスキャナ100とLSスキャナ102との共同により、レーザビームが2次元的に走査される。その走査されたレーザビームによって表現される画像光は、第2リレー光学系150を経て、かつ、このRSDのハウジング(図示しない)に透光部として形成された出射部148(図2参照)から出射して、観察者の眼10に照射される。第2リレー光学系150は、前段の光学系であるレンズ152と、後段の光学系であるレンズ154とを備えている。本実施形態においては、それらHSスキャナ100とLSスキャナ102とは、互いに共同して、前記(1)項における「光走査部」の一例を構成している。
図2には、図1に示すRSDにおける光路が簡略化されて示されている。この光路上には、2つの中間像面IP1およびIP2が存在する。
具体的に説明するに、主走査系であるHSスキャナ100と副走査系であるLSスキャナ102との間に第1リレー光学系130が存在する。この第1リレー光学系130においては、レンズ132とレンズ134とが同一光軸上において並んでいる。それらレンズ132と134との間に中間像面IP1が存在する。
LSスキャナ102と眼10との間に第2リレー光学系150が存在する。この第2リレー光学系150においては、レンズ152とレンズ154とが同一光軸上において並んでいる。それらレンズ152と154との間に中間像面IP2が存在する。
なお付言するに、本明細書における「中間像面」は、最終的な像面である網膜14上の像面と光源30,32,34との間に位置する像面であることに着目し、その「最終的な像面」という用語から表現上区別するために採用された用語であり、必ずしも光源30,32,34と出射部148とのちょうど中央に位置する像面であることを意味しない。
図1および図2に示すように、本実施形態においては、マルチステップ型の2次元回折格子160が第1リレー光学系110に設置されている。具体的には、中間像面IP1と同一の位置に2次元回折格子160が設置されている。さらに具体的には、図3に示すように、第1リレー光学系110内のレンズ132から出射して2次元回折格子160に垂直に入射する入射ビームが、それのビームウエストにおいて、2次元回折格子160に入射するように、設置されている。すなわち、2次元回折格子160は、レーザビームの集光位置と同じ位置に設置されているのである。
本実施形態によれば、図2および図3に示すように、2次元回折格子160への入射ビームが、2次元回折格子160の回折作用によって拡大され、それにより、このRSDの射出瞳が拡大される。その結果、本実施形態によれば、観察者の瞳孔12の中心が射出瞳の中心から多少移動しても、その瞳孔12から射出瞳の領域が完全に外れてしまう可能性が軽減され、よって、安定した画像表示が実現される。
なお付言するに、本実施形態においては、中間像面IP1と同一の位置に2次元回折格子160が設置されているが、前記特開2006−98570号公報に開示されているように、2次元回折格子160が、第1リレー光学系110の領域内において、中間像面IP1から外れた所定位置に設置される態様で本発明を実施することが可能である。
さらに付言するに、本実施形態においては、2次元回折格子160が透過型であるが、2次元回折格子160が反射型である態様で本発明を実施することが可能である。
さらに付言するに、本実施形態においては、2次元回折格子160が、中間像面IP1と同じ位置に設置されているが、これに代えて、中間像面IP2に設置することが可能である。2次元回折格子160が中間像面IP1に設置される場合には、拡大された射出瞳がLSスキャナ102上に形成されるため、LSスキャナ102の大きさを、その拡大された射出瞳より大きいミラーサイズを有するようにすることが必要である。これに対し、2次元回折格子160が中間像面IP2に設置される場合には、そのような必要がなく、例えば、LSスキャナ102として、MEMSスキャナのような小型のスキャナを使用することが可能となる。
図4には、図3に示す2次元回折格子160の構造(周期構造)が斜視図で示されている。まず、概略的に説明するに、この2次元回折格子160においては、平坦な表面上に複数本の溝(または突条)が2次元的に延びるとともに、それら溝(または突条)が深さ方向(高さ方向)に部分的に互いに重畳するように配列されている。各溝は、矩形を基本形状とする断面を有する矩形状溝であるが、これに限定されず、例えば、鋸波状溝としても、正弦波状溝としてもよい。また、各溝は、それの長さ方向において、溝深さが3以上の段階(本実施形態においては、3段階)で段階的に変化する複数のステップ面を有するマルチステップ構造を有している。
次に、具体的に説明するに、この2次元回折格子160は、横方向(x方向)と縦方向(y方向)とにそれぞれ、凸部170と溝部172(「凹部」ともいう。)とが交互に回折格子ピッチpで周期的に並ぶように構成されている。この2次元回折格子160は、基準平面180を有する基板182上に3次元的に構成されいる。さらに、この2次元回折格子160は、少なくとも2次元回折格子160を全体として見たとき(x方向に単独で見たとき、y方向に単独で見たとき、またはx方向とy方向とに一緒に見たとき)に、溝深さ(z方向寸法)が3以上の段階で変化する構造(周期構造)を有しいる。
本実施形態においては、2次元回折格子160が唯一の基準平面180のみを有し、この基準平面180が、この2次元回折格子160の唯一の回折格子面であると考えることが可能である。本実施形態においては、その回折格子面がちょうど、前記中間像面IP1と同じ位置に位置するように、2次元回折格子160がこのRSDに設置されている。
本実施形態においては、2次元回折格子160の周期構造は、同じ断面について、高い凸部170と低い凸部170(これは、高い凸部170から見れば、溝部172に見える)とが交互に並んでいる構造であると考えることも、深い溝部172と浅い溝部172(これは、深い溝部172から見れば、凸部170に見える)とが交互に並んでいる構造であると考えることも可能である。凸部170と溝部172とは、幾何学的に互いに補完する関係にあり、相互に置換可能であるからである。
したがって、この2次元回折格子160の周期構造を表現するという観点からすれば、凸部高さと溝深さとは、互いに補完する関係にあり、相互に置換可能である。ただし、当該分野においては、「凸部高さ」という用語より、「溝深さ」という用語の方が一般的であるため、本明細書においては、「溝深さ」という用語を使用する。とはいえ、説明の便宜上、2次元回折格子160の周期構造を、同じ断面について、高い凸部170と低い凸部170とが交互に並んでいる構造であると解釈したうえで、高い凸部170であるか低い凸部170であるかを問わず、「溝深さd」という用語を、基準平面180からの垂直方向距離(凸部高さ)を意味する用語として使用する。本実施形態においては、溝深さdは、0と、最大深さDと、最大深さ半値D/2という3つの値のうちのいずれかを取る。
図5を参照してさらに具体的に説明するに、この2次元回折格子160は、2種類の縦断面形状を有している。図5(a)は、第1の縦断面形状を示しており、ここにおいては、溝深さdが最大深さ半値D/2に等しい凸部170と、溝深さdが0である溝部172とが、交互に並んでいる。これに対し、図5(b)は、第2の縦断面形状を示しており、ここにおいては、溝深さdが最大深さDに等しい凸部170と、溝深さdが最大深さ半値D/2に等しい溝部172とが、交互に並んでいる。したがって、本実施形態においては、この2次元回折格子160は、この2次元回折格子160を全体として見たとき、すなわち、x方向とy方向とに一緒に見たときにはじめて、溝深さdが3段階で離散的に変化するマルチステップ構造を有していることが分かる。
ただし、x方向に単独に見たとき、またはy方向に単独に見たときに、溝深さdが3以上の段階で離散的に変化するマルチステップ構造を有する態様で2次元回折格子160を構成することによって本発明を実施することが可能である。
さらに、図5における各種記号の意味を説明する。
p:凸部170または溝部172が周期的に出現する間隔である回折格子ピッチ(例えば、10.5μm)
w:各凸部170の頂面(トップ)の幅寸法である凸部幅(例えば、2.85μm)
D:溝深さdの最大値である最大深さ
ψ:各凸部170の側面のテーパ角(その側面と基準平面180との成す角度であり、例えば、90度)
回折格子ピッチp(溝周期)と凸部幅wとが決まれば、溝幅(溝部172の幅寸法)が決まり、ひいては、溝周期に対する溝幅の比率であるデューティ比γが決まる。よって、回折格子ピッチpが最初に特定された後に、凸部幅wが特定されることは、デューティ比γが特定されることを意味する。
それら物理量は、2次元回折格子160の構造を定義するための複数の設計変数である。それら設計変数のうち、特に、回折格子ピッチpは、すべての回折光の全体につき、回折角の大きさ(回折光の拡がり)を最適化するために重要な設計変数である。これに対し、溝深さdおよびデューティ比γは、回折光の各波長および各次数についての回折効率を最適化するために重要な設計変数である。
2次元回折格子160は、この2次元回折格子160に入射した合成光を、各成分光ごとに(赤色光、緑色光および青色光ごとに)、図3に示すように、互いに異なる複数の回折方向に進行する複数の次数の回折光であって少なくとも0次回折光と+1次回折光と−1次回折光とを有するものに分離して出射する。
この2次元回折格子160は、前記複数の次数の回折光によって前記射出瞳を拡大し、図6に示すように、その射出瞳上に、x方向とy方向とに2次元的に並んだ複数の次数の回折光を出射する。各次数の回折光は、x方向における1つの回折次数をx、y方向における1つの回折次数をyでそれぞれ表記した場合に、(x,y)次回折光として表記される。図6においては、複数の(x,y)次回折光の2次元配列が示されているとともに、瞬間的なレーザビームである各(x,y)次回折光が円形断面で示されている。各(x,y)次回折光の直径は、例えば、1mmである。
本実施形態においては、各成分光ごとに、2次元回折格子160全体への入射光の出力([W])すなわちエネルギーに対する、各(x,y)次回折光の出力([W])すなわちエネルギーの比が、各次(x,y)次回折光ごとに、回折効率e(x,y)として定義されている。その回折効率e(x,y)は、任意の次数aおよびbを用いると、(a,b)次回折光、(−a,b)次回折光、(a,−b)次回折光および(−a,−b)次回折光の間において互いに共通する値を有するとともに、(a,b)次回折光および(b,a)次回折光の間において互いに共通する値を有している。なぜなら、2次元回折格子160の構造は、x軸に関して幾何学的鏡像関係を示すと同時に、y軸に関して幾何学的鏡像関係を示すからである。
前述のように、2次元回折格子160の凸部幅wおよび溝深さdをチューニングすれば、各(x,y)次回折光についての回折効率e(x,y)を最適化することができる。一方、複数の入射波長についての複数の(x,y)次回折光についての複数の回折効率e(x,y)は、互いに完全に一致するわけではない。そのため、回折を利用して射出瞳の拡大を行う場合には、その射出瞳上のほぼ同じ位置に照射されて互いに合成される複数波長の回折光間の輝度バランス、ひいては、表示画像の色バランスが、射出瞳上の位置の如何によって変動してしまう可能性がある。
図7(a)には、複数の(x,y)次回折光の2次元配列が示されており、また、図7(b)には、その2次元配列と瞳孔12との相対的位置関係が示されている。瞳孔12は、例えば3mmの直径を有しており、観察者の顔に対して瞳孔12がちょうど正面位置にあるとき(瞳孔12の中心位置が、x軸とy軸との交点である原点に一致するとき)、瞳孔12と同じ領域内に、いずれの成分光についても、(0,0)次回折光と、(1,0)次回折光およびそれと等価な回折光と、(1,1)次回折光およびそれと等価な回折光とが存在する。図6には、複数の(x,y)次回折光のうち、瞳孔12と同じ領域内に存在するものが、それぞれ、白い丸印で示されており、それら以外の回折光が、ハッチングされた丸印で示されている。
図7(a)は、2次元回折格子160が、それに入射した各成分光を、各成分光ごとに、複数の(x,y)次回折光に2次元的に分離するとともに、各回折光の回折角が、各回折光の波長に応じて異なることを示している。図7(a)は、成分光の波長が長いほど、かつ、回折次数が高くなるほど、回折光の回折角が増加し、他の波長の回折光との位置ずれが増加することを示している。
また、図7(b)は、それら複数の(x,y)次回折光の2次元配列に対し、観察者の瞳孔12が相対的に移動する様子が示されている。
本実施形態においては、瞳孔12が正面位置にある状態で、その瞳孔12と同じ領域内に存在する複数の(x,y)次回折光が、回折効率e(x,y)に関して互いにできる限り共通化するように、2次元回折格子160の凸部幅wおよび溝深さdがチューニングされる。
本実施形態においては、2次元回折格子160の構造を定義するための設計変数として、回折格子ピッチpと、テーパ角ψと、凸部幅wと、最大深さDとが存在する。
本実施形態においては、まず、回折格子ピッチpは、10.5μmに、テーパ角ψは、90度に設定された。なお、回折格子ピッチpの設定手法の一例は、後に、本発明の第2実施形態について説明する。
2次元回折格子160は、例えば、ドライエッチングという手法によって製作された。したがって、2次元回折格子160をウエットエッチングによって製作する場合に製品形状が依存すべき結晶面の向きも、2次元回折格子160を型成形する場合の型抜き勾配も考慮せずに、2次元回折格子160を製作することが可能であり、よって、90度のテーパ角ψが実現された。
現時点で未決の設計変数は、凸部幅wと最大深さ寸法Dとであるが、それら設計変数は、2次元回折格子160の回折効率をチューニングするために重要である。本実施形態においては、後に詳述するが、すべての成分光についての、複数の(x,y)次回折光のうち、瞳孔12と同じ領域内に存在するもの、すなわち、(0,0)次回折光、(1,0)次回折光および(1,1)次回折光のすべて(それらと等価である他の次数の回折光を含む。以下同じとする。)についての回折効率e(x,y)の標準偏差(「分散度」の一例である)が最小となるように、設定された。すべての成分光についてのすべての(x,y)次回折光についてのすべての回折効率e(x,y)についての標準偏差が最小となるように、それら設計変数を設定することは、それらすべての回折効率e(x,y)間の分散度が実質的に最小となるように、それら設計変数を設定することの一例である。
図8は、2次元回折格子160の凸部幅wと最大深さDとのそれぞれの最適値を決定するために行ったシミュレーションによって取得された複数の標準偏差を表す表である。
図8に示すように、最大深さDについては3つの候補値、すなわち、1.00μm、1.02μmおよび1.04μmを選定し、一方、凸部幅wについては5つの候補値、すなわち、2.75μm、2.8μm、2.85μm、2.9μmおよび2.95μmを選定し、全部で、15組の候補値対を選定した。
いずれの組の候補値対についても、2次元回折格子160に入射する3色の成分光の波長のもとで、(0,0)次回折光の回折効率e(0,0)と、(1,0)次回折光の回折効率e(1,0)と、(1,1)次回折光の回折効率e(1,1)とが、回折格子について一般的に用いられる式を用いて、計算された。各組の候補値対については、全部で、9つの回折効率eの計算値が存在する。
さらに、15組の候補値対のすべてにつき、それら9つの回折効率eの標準偏差(正確には、それら9つの回折効率eについての9つの標準偏差の計算値を代表する1つの値であって、それら9つの計算値のうち、最大であるもの)が計算された。その結果が、図8に示されている。さらに、15組の候補値対のうち、標準偏差の計算値(代表値)が最小のものを有する組が選択された。それは、最大深さDが10.2μmであって、凸部幅wが2.85μmである組であった。
この結果を踏まえて、本実施形態においては、2次元回折格子160の構造が、最大深さDは10.2μmであり、また、凸部幅wは2.85μmであるように設定された。したがって、本実施形態によれば、このRSDでの画像観察中に、射出瞳に対して瞳孔12が多少移動しても、それに伴って表示画像の色バランスが変動してしまうことが抑制される。
なお付言するに、本実施形態においては、2次元回折格子160の構造が、3色の成分光についての(0,0)次回折光、(1,0)次回折光および(1,1)次回折光についてのすべての回折効率e(x,y)間の分散度が最小となるように、設定されているが、それら回折効率e(x,y)がそれぞれ、瞳孔12の移動に起因した表示画像の色バランスの変動が抑制されるように予め定められた値に一致するかまたは予め定められた範囲内にあるように、2次元回折格子160の構造が設定される態様で本発明を実施することが可能である。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、2次元回折格子160が唯一の回折格子面のみ有し、その回折格子面がちょうど、中間像面IP1(またはIP2)と同じ位置に位置するように、2次元回折格子160がこのRSDに設置されている。したがって、本実施形態によれば、2次元回折格子160が、2枚の1次元バイナリー回折格子を必要な間隔を隔てて重ね合わせることによって構成される場合とは異なり、2次元回折格子160から出射したすべての回折光が網膜14上の一点に集光して結像することとなり、回折による射出瞳の拡大を行いつつ、多重像の発生を防止し、ひいては、表示画像の品質劣化を防止することができる。
ところで、2次元回折格子160を、2枚の1次元バイナリー回折格子の重ね合せによって実現する場合、多重像の発生を抑制すべく、それら1次元バイナリー回折格子をできる限り互いに接近させて配置するという対策を講ずることが考えられる。しかし、この対策を単に講じたのでは、干渉縞が発生し易くなるという新たな問題が発生してしまう。
そのような干渉縞の発生を抑制するために、それら1次元バイナリー回折格子の表面にAR(反射防止)コーティングを行うという対策を講ずることが考えられる。しかし、この対策を単に講じると、ARコーティング中に発生したゴミが回折格子表面に付着し、表示画像上において黒点として観察者に視認されてしまうという新たな問題や、ARコーティングの抜け領域が表示画像上において輝点として観察者に視認されてしまうという新たな問題がある。いずれにしても、この対策を講ずると、ARコーティングという追加の作業工程が必要になるうえに、その作業を非常に慎重に行わざるを得なくなるため、2次元回折格子160の製作時間が長くなり、その結果、製造歩留まりが悪化してしまう。
これに対し、本実施形態によれば、2次元回折格子160をRSDに追加したことに起因する多重像の発生という問題が発生せずに済み、同時に、ARコーティングという作業工程の追加が不可欠ではなくなる。
ところで、2次元回折格子160をレンズアレイとして構成するという技術を採用することも可能である。しかし、この場合には、レンズアレイに入射する光の複数の波長の各々に対するレンズアレイの回折効率の、それら複数の入射波長の間におけるバランスを調整する作業が技術的に困難であるという問題が発生してしまう。
これに対し、本実施形態によれば、2次元回折格子160がマルチステップ型であるため、それの回折効率をチューニングするための設計変数として、デューティ比γのみならず、溝深さdも存在する。したがって、本実施形態によれば、2次元回折格子160の回折効率をチューニングする際の自由度が、バイナリー回折格子に比較して向上する。よって、本実施形態によれば、2次元回折格子160の回折効率の、複数の入射波長の間におけるバランスを調整する作業が、バイナリー回折格子より技術的に容易となる。
さらに、本実施形態によれば、このことに関連し、瞳孔12と同じ領域内において、3つの成分光間における回折効率e(x,y)ができる限り一致し、それにより、射出瞳を構成する3色の回折光のそれぞれの輝度すなわち強度がそれら3色の回折光間においてできる限り均等化するように、凸部幅w(前述のデューティ比γに反映される)と最大深さDとが設定され、ひいては、2次元回折格子160の構造が設定された。したがって、本実施形態によれば、このRSDでの画像観察中に、射出瞳に対して瞳孔12が多少移動しても、それに伴って表示画像の色が予定外に変化してしまうことが抑制される。
次に、本発明の第2実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ(以下、「RSD」と略称する。)を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、2次元回折格子160の設計変数を設定する仕方およびその設計変数の値のみが異なり、他の要素については共通であるため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通する要素については重複した説明を省略する。
概略的に説明するに、前述のように、2次元回折格子160の回折格子ピッチpをチューニングすれば、回折角を拡大して、このRSDの射出瞳を拡大することが可能である。しかし、射出瞳を拡大し過ぎると、瞳孔12を通過して網膜14に照射される合成光の輝度が低下し、表示画像が暗くなってしまう。このように、射出瞳の直径と表示画像の明るさとはトレードオフの関係にあるのである。よって、回折格子ピッチpのチューニングは、射出瞳の拡大と、瞳孔12を通過して網膜14に照射される合成光の輝度すなわち強度の最適化との両立を達成するために重要である。
また、射出瞳の直径と表示画像の色バランスもトレードオフの関係にある。射出瞳を拡大するほど、瞳孔12の中心位置が、射出瞳の中心位置からずれる結果、より高次の回折光が瞳孔12に入射するが、回折光の次数が高いほど、かつ、それの波長が長いほど、回折角が大きくなり、ひいては、赤色回折光の、緑色回折光および青色回折光からの分離が顕著になる。すなわち、射出瞳を拡大するほど、赤色回折光が、他の色の回折光と合成されることなく単独で観察される傾向が増加し、表示画像の色バランス(3色間の輝度差)が増加してしまうのである。これに対し、赤色回折光につき、低次回折光についての回折効率を増加させ、それにより、高次回折光についての回折効率を減少させれば、瞳孔12の移動に起因した表示画像の色バランスの変動を抑制することができる。
そして、2次元回折格子160の凸部幅wおよび溝深さdをチューニングすれば、赤色回折光につき、低次回折光についての回折効率を増加させ、それにより、高次回折光についての回折効率を減少させることが可能である。
次に、2次元回折格子160の回折格子ピッチpのチューニングについて詳細に説明するに、本実施形態においては、このRSDでの画像観察中、眼10の眼球の回転に伴う瞳孔12の中心位置の、基準位置(正面位置)からの移動量(以下、「瞳孔中心移動量」という。)が0であるときにこのRSDから瞳孔12に入射する光の輝度が基準輝度として予め設定されている。ここに、「瞳孔12に入射する光」は、3色の成分光である赤色光と緑色光と青色光との合成光である。また、瞳孔12の直径は3mmであると仮定されているため、「瞳孔12に入射する光の輝度」は、このRSDから出射する合成光のうち、直径が3mmである瞳孔12を通過して網膜14に照射される部分の輝度を意味することになる。
さらに、本実施形態においては、2次元回折格子160の回折格子ピッチpが、前記瞳孔中心移動量が予め定められた許容範囲内にあるときには、このRSDから瞳孔12に入射して網膜14に照射される合成光の輝度の前記基準輝度に対する比が設定値以下とならないように、予め設定されている。ここに、「比」は、瞳孔12に入射して網膜14に照射される合成光の輝度の、前記基準輝度に対する相対的な輝度を意味する。
図9(a)は、このRSDにおける2次元回折格子160の回折格子ピッチpの最適値を評価するために行ったシミュレーションの結果を実線で示すグラフである。この実線グラフは、回折格子ピッチpは10.5μmであり、また、テーパ角ψは90度であり、また、レンズ134の焦点距離は17mmである場合に取得された。
この実線グラフから明らかなように、テーパ角ψは90度であり、また、レンズ134の焦点距離は17mmである場合に、回折格子ピッチpを10.5μmに選定すれば、瞳孔中心移動量が2mmを超えない限り、網膜14に照射される合成光の輝度(相対値)が、約0.4を下回ることが防止される。すなわち、瞳孔中心移動量が2mmを超えない限り、網膜14上に照射される合成光の輝度が、前記基準輝度に対して、60%より高い比率で低下してしまうことが防止されるのである。したがって、回折格子ピッチpを10.5μmに選定すれば、このRSDでの画像観察中に、射出瞳に対して瞳孔12が多少移動しても、それに伴って表示画像の明るさが予定外に変化してしまうことが抑制される、
なお付言するに、図9(a)には、このRSDから2次元回折格子160を取り外した比較例についてのシミュレーションの結果が破線グラフで表されている。この比較例によれば、瞳孔中心移動量が約1.5mmを超えると、網膜14上に照射される合成光の輝度が、前記基準輝度に対して、60%より高い比率で低下してしまう。
次に、2次元回折格子160の凸部幅wおよび溝深さdのチューニングを詳細に説明するに、本実施形態においては、2次元回折格子160が、その2次元回折格子160に入射した合成光を、各成分光ごとに、互いに分離した複数の次数の回折光に変換して出射する。この2次元回折格子160に入射した合成光のうちの各成分光の出力に対する、次数nの回折光の出力の比がn次光回折効率として定義されている。
本実施形態においては、凸部幅wおよび溝深さdの最大深さDが、2次元回折格子160に入射する合成光のうちの各成分光の波長が長いほど、2次元回折格子160の0次光回折効率を含む低次光回折効率が増加するように、設定されている。
図9(b)は、2次元回折格子160の最大深さDと凸部幅wとのそれぞれの最適値を決定するために行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。図10は、図9(b)に示すグラフを作成する際に用いられた低次回折光と高次回折光とについての回折効率の計算値を赤色光と緑色光と青色光とについてそれぞれ示す表である。
図10には、回折格子ピッチpが10.5μmである場合に、最大深さDは0.88μm、凸部幅wは2.60μmにそれぞれ選定したときに、赤色光と緑色光と青色光とのそれぞれにつき、複数の(x,y)次回折光のうち、図7(b)に示すように、瞳孔12の中心位置が前記基準位置から2mmの範囲内に移動するときに瞳孔12を通過して網膜14に照射されることになるもの、すなわち、(0,0)次回折光と、(1,0)次回折光と、(1,1)次回折光と、(2,0)次回折光と、(1,2)次回折光と、(2,2)次回折光とのそれぞれについての回折効率e(x,y)の計算値が示されている。
図10に示すように、他の色の回折光である緑色光および青色光より長い波長を有する赤色光については、低次回折光の一つである(0,0)次回折光についての回折効率e(0,0)は、13.22%であるが、高次回折光の一つである(2,2)次回折光についての回折効率e(2,2)は、0.65%というように、回折効率eが低次回折光において高次回折光より増加させられている。この増加の程度は、図10に示すように、赤色光より波長が短い他の色の回折光である緑色光および青色光より大きい。
本実施形態においては、最大深さDの最適値は0.88μm、凸部幅wの最適値は2.60μmにそれぞれ選定されているため、最大深さDおよび凸部幅w(ひいてはデューティ比γ)は、2次元回折格子160に入射する合成光のうちの各成分光の波長が長いほど、2次元回折格子160の0次光回折効率を含む低次光回折効率が増加するように設定されていることになる。
図10に示す複数の回折効率の計算値をもとに、図9(b)のグラフは、前記瞳孔中心移動量の増加につれて表示画像の色バランスが変動する様子を示している。2次元回折格子160が1本の入射ビーム(合成光)を3色の回折光(成分光)に分離する際に、入射ビームの出力がそれら回折光(成分光)の出力に分離される。図9(b)のグラフの縦軸には、2次元回折格子160からの出射光のうち、瞳孔12を通過して網膜14に照射される部分の成分光ごとの輝度比率の相対的変化率である分離比変化率CRが取られている。
分離比変化率CRは、赤色回折光と、緑色回折光と、青色回折光とのそれぞれについて存在する。図9(b)のグラフにおいては、赤色回折光についての分離比変化率CRは「R/G」、緑色回折光について分離比変化率CRは「G/G」、青色回折光についての分離比変化率CRは「B/G」としてそれぞれ表記されている。
瞳孔中心移動量が0であるときにこのRSDから瞳孔12に入射する各成分光の輝度比率を、「基準分離比」とする。また、その「基準分離比」を、基準回折光(本実施形態においては、中間の波長を有する緑色回折光)に対する相対値として定義すると、瞳孔中心移動量が0であるときにおける赤色回折光が瞳孔12に入射する輝度KR0を、瞳孔中心移動量が0であるときにおける緑色回折光が瞳孔12に入射する輝度KG0で割算した地(=KR0/KG0)が、赤色回折光の「基準分離比」となる。
各色回折光についての「分離比変化率CR」は、瞳孔中心移動量が0であるときに対する「基準分離比」の変化率であるから、瞳孔中心移動量の各値iにつき、赤色回折光が瞳孔12に入射する輝度KRiを、瞳孔中心移動量が同じ値iであるときにおける緑色回折光が瞳孔12に入射する輝度KGiで割算した値(=KRi/KGi)の、「基準分離比(=KR0/KG0)」に対する相対的な変化量を求めるべく、KRi/KGiをKR0/KG0で割算することにより、分離比変化率CR(=(KRi/KGi)/(KR0/KG0))が計算される。
したがって、赤色回折光についての分離比変化率CRを計算するために、(a)瞳孔中心移動量の各値iについての、赤色回折光についての輝度KRiと、(b)瞳孔中心移動量が0であるときにおける赤色回折光についての輝度KR0と、(c)瞳孔中心移動量が同じ値iであるときにおける緑色回折光についての輝度KGiと、(d)瞳孔中心移動量が0であるときにおける緑色回折光についての輝度KG0とが用いられる。
ここに、輝度KRiは、複数の(x,y)次回折光のうち、瞳孔中心移動量の各値のもとに、瞳孔12を通過して網膜14に照射される複数の赤色回折光についての回折効率eの合計値として計算される。また、輝度KR0は、複数の(x,y)次回折光のうち、瞳孔中心移動量が0であるときに、瞳孔12を通過して網膜14に照射される複数の赤色回折光についての回折効率eの合計値として計算される。
また、輝度KGiは、複数の(x,y)次回折光のうち、瞳孔中心移動量の各値iのもとに、瞳孔12を通過して網膜14に照射される複数の緑色回折光についての回折効率eの合計値として計算される。また、輝度KG0は、複数の(x,y)次回折光のうち、瞳孔中心移動量が0であるときに、瞳孔12を通過して網膜14に照射される複数の緑色回折光についての回折効率eの合計値として計算される。
以上の計算過程は、青色回折光についての分離比変化率CRについても同様である。緑色回折光についての分離比変化率CRについても同様であるが、その定義により、計算するまでもなく、瞳孔中心移動量の全域にわたり、1となる。
図9(b)には、上述のように、回折格子ピッチpは、瞳孔中心移動量が2mmであるときにおける表示画像の輝度低下が60%以内であるとの要求を満たすための最適値である10.5μmであり、かつ、最大深さDおよび凸部幅wはそれぞれ、瞳孔12の移動に起因した表示画像の色バランスの変動抑制という観点からの最適値である0.88μmおよび2.60μmである場合に、赤色回折光の分離比変化率R/Gと、緑色回折光の分離比変化率G/Gと、青色回折光の分離比変化率B/Gとがそれぞれ、瞳孔中心移動量と共に変化する様子がグラフで示されている。このグラフに示すように、瞳孔中心移動量が2mmの範囲内である限り、赤色回折光の分離比変化率R/Gも、青色回折光の分離比変化率B/Gも、緑色回折光の分離比変化率G/Gに対する変動が、プラス側への変動とマイナス側への変動との双方を加味しても、トータルで10%の幅内に抑制される。
したがって、本実施形態によれば、瞳孔中心移動量が2mmを超えない限り、射出瞳に対して瞳孔12が移動しても、表示画像の明るさが大きく変化することも、表示画像の色バランスが大きく変動することも抑制される。その結果、回折を利用して射出瞳を拡大するにもかかわらず、瞳孔12の移動に起因した表示画像の品質の劣化が抑制される。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

Claims (8)

  1. 表示すべき画像を表す画像光を観察者の眼球の瞳孔内に入射し、それにより、観察者に対して前記画像を表示する直視型の画像表示装置であって、
    画像信号に応じた強度の光を出射する光源と、
    その光源から出射した光を2次元方向に走査し、それにより、前記画像光を形成する光走査部と、
    その光走査部によって形成された画像光が当該画像表示装置から出射する出射部と、
    前記光源と前記出射部との間における光路上に、それら光源と出射部との間に存在する中間像面と一致するかまたはその中間像面から外れた所定位置に設置され、当該画像表示装置の射出瞳を拡大する、溝深さが3以上の段階で離散的に変化するマルチステップ型の2次元回折格子と
    を含み、
    その2次元回折格子は、その2次元回折格子の同じ面上において凸部と溝部とが、他の 凸部および溝部と交差しながら、交互に並ぶとともに、少なくとも、当該2次元回折格子 を全体として見たときに、前記同じ面上において前記溝部の深さが3以上の段階で変化す る構造を有する画像表示装置。
  2. 前記画像光は、波長が互いに異なる複数の成分光が合成された合成光であり、その合成光は、前記2次元回折格子に入射し、
    その2次元回折格子は、前記同じ面上において前記凸部と前記溝部とが交互に回折格子 ピッチで周期的に並ぶ構造を有しており、
    その2次元回折格子は、その2次元回折格子に入射した合成光を、各成分光ごとに、互いに異なる複数の回折方向に進行する複数の次数の回折光であって少なくとも0次回折光と+1次回折光と−1次回折光とを有するものに分離して出射し、
    その2次元回折格子は、前記複数の次数の回折光によって前記射出瞳を拡大し、その射出瞳上に、前記横方向と前記縦方向とに2次元的に並んだ複数の次数の回折光を出射し、
    各次数の回折光は、前記横方向における1つの回折次数をx、前記縦方向における1つの回折次数をyでそれぞれ表記した場合に、(x,y)次回折光として表記され、
    各成分光ごとに、前記2次元回折格子全体への入射光の出力に対する、各(x,y)次回折光の出力の比が、各次(x,y)次回折光ごとに、回折効率e(x,y)として定義され、その回折効率e(x,y)は、任意の次数aおよびbを用いると、(a,b)次回折光、(−a,b)次回折光、(a,−b)次回折光および(−a,−b)次回折光の間において互いに共通する値を有する請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記回折効率e(x,y)は、(a,b)次回折光および(b,a)次回折光の間にお いて互いに共通する値を有する請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記構造は、前記複数の成分光についての(0,0)次回折光、(1,0)次回折光お よび(1,1)次回折光についてのすべての回折効率e(x,y)がそれぞれ、予め定め られた値に一致するかまたは予め定められた範囲内にあるように、設定されている請求項 2または3に記載の画像表示装置。
  5. 前記構造は、前記複数の成分光についての(0,0)次回折光、(1,0)次回折光お よび(1,1)次回折光についてのすべての回折効率e(x,y)間の分散度が実質的に 最小となるように、設定されている請求項2または3に記載の画像表示装置。
  6. 前記2次元回折格子は、その2次元回折格子に入射した前記合成光を、各成分光ごとに 、前記複数の次数の回折光に分離して出射し、入射した合成光のうちの各成分光の出力に 対する、次数nの回折光の出力の比がn次光回折効率として定義され、
    前記2次元回折格子は、前記構造を特定する設計変数として、デューティ比と溝深さま たは凸部高さとを有しており、
    それらデューティ比および溝深さまたは凸部高さは、前記2次元回折格子に入射する合 成光のうちの各成分光の波長が長いほど、前記2次元回折格子の0次光回折効率を含む低 次光回折効率が増加するように、設定されている請求項2または3に記載の画像表示装置。
  7. 前記眼球の回転に伴う前記瞳孔の中心位置の、基準位置からの移動量が0であるときに 当該画像表示装置から前記瞳孔に入射する光の輝度が基準輝度として予め設定されており
    前記回折格子ピッチは、前記移動量が許容範囲内にあるときには、当該画像表示装置か ら前記瞳孔に入射する光の輝度の前記基準輝度に対する比が設定値以下とならないように 、設定されている請求項2ないし6のいずれかに記載の画像表示装置。
  8. 前記2次元回折格子は、前記同じ面に沿って延びる横方向に沿って前記凸部と前記溝部 とが交互に並ぶとともに、前記同じ面に沿って延びる縦方向であって前記横方向に対して 直角である方向に沿って前記凸部と前記溝部とが交互に並び、それにより、前記同じ面上 において複数本の凸部と複数本の溝部とが互いに直交する構造を有する請求項1ないし7 のいずれかに記載の画像表示装置。
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