JP5321512B2 - オイルセパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスに含まれるオイル分を回収するためのオイルセパレータに関する。
オイルセパレータは、例えば、空調、冷蔵、冷凍等に利用される冷凍サイクルに適用され、冷凍サイクルの圧縮機から吐出された冷媒ガスを熱交換器(例えば、凝縮器)に導入する前に、冷媒ガスに含まれるオイル分を分離して回収するものである。なお、冷凍サイクルに適用される場合には、圧縮機のオイル不足の抑制を図ることが可能となる。
この種のオイルセパレータとしては、遠心分離式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この遠心分離式のオイルセパレータでは、圧縮機から吐出された冷媒ガスが円筒状のハウジング内に導入され、ハウジング内に旋回しながら下方に向かう流れ(旋回流)が形成される。この旋回流により冷媒ガスに含まれるオイル分が遠心分離されてハウジング内面を伝って下方側にて回収される。また、ハウジング内を下方に向かった冷媒ガスは再び中央部を上昇し、ハウジングの上端部分に形成した導出口を介して熱交換器側に導出される。
実開昭64−1721号公報
しかし、現状の遠心分離式のオイルセパレータでは、冷媒ガスの流速やオイルの粒径のバラツキ等によりオイルの捕集率(回収率)に物理的な限界があり、所定の捕集率(95%程度)で頭打ちとなるといった課題がある。例えば、冷媒ガスに含まれるオイル分のうち微小粒径のオイル分については、冷媒ガスの遠心分離式のオイルセパレータでの捕集は困難となっている。なお、このような課題は、冷凍サイクルに適用されるオイルセパレータに限らず、他の用途に適用されるオイルセパレータでも同様である。
本発明は上記点に鑑みて、オイルセパレータにおけるオイルの捕集率の更なる向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、円筒状の分離部(12)を有する本体ハウジング(11)と、分離部(12)に形成されたガス導入口(12a)に接続されて分離部(12)内に分離部(12)の接線方向に沿ってガスを導入するガス導入管(15)と、本体ハウジング(11)に形成されたオイル回収口(13a)に接続されるオイル戻し管(16)と、本体ハウジング(11)に形成されたガス導出口(14a)に接続されて分離部(12)の中心線(L1)上に延びるガス導出管(17)とを備え、ガス導入管(15)から分離部(12)内に導入したガスの旋回流により、ガスに含まれるオイル分を遠心分離することで、分離されたオイルを分離部(12)の内周側にて捕集すると共にオイル分を分離したガスをガス導入管(17)に導出するオイルセパレータにおいて、ガス導入管(15)と本体ハウジング(11)とを絶縁する第1絶縁部(18b)と、ガス導入管(15)内に設けられ、ガス導入管(15)内を流れるガスに含まれるオイル分を正に帯電させる放電電極を有する帯電部(18)と、放電電極に電圧を印加する電圧印加手段(20)と、本体ハウジング(11)内に設けられ、帯電部(18)を通過して分離部(12)内に導入されたガスに含まれるオイル分を分離部(12)の内周側にて捕集するための集塵電極を有する集塵部(19)と、を備えることを特徴とする。
これによると、ガスに含まれるオイル分を、分離部(12)内に導入したガスを遠心分離して分離部(12)の内周側にて捕集すると共に、ガス導入管(15)における帯電部(18)にて正に帯電させたオイル分を、本体ハウジング(11)内の集塵部(19)にて捕集することができる。このため、遠心分離では捕集することができなかった微小粒径のオイル分等も捕集することができので、従来の遠心分離式のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることが可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、ガス導出管(17)は、本体ハウジング(11)に第2絶縁部(19a)を介して接続されており、集塵電極は、ガス導出管(17)における分離部(12)と対向する部位にて構成された正電極(192)と、分離部(12)の内周面にて構成された負電極(191)と、を有して構成され、電圧印加手段(20)は、放電電極および正電極(192)それぞれに電圧を印加することを特徴とする。
これによると、ガス導出管(17)にて構成された集塵電極の正電極(192))と分離部(12)の内周面にて構成された負電極(191)との間に電界が形成され、形成された電界を帯電部(18)にて帯電されたオイル分が通過する際に、当該オイル分には、分離部(12)の内周側(負電極(191)側)に向かう方向に電気的力(クーロン力)が作用する。このため、本体ハウジング(11)の上半部(12)内に導入されたガスに含まれるオイル分には、分離部(12)の内周側に向かう方向に、ガスの旋回流による遠心力が作用すると共に、集塵電極にて形成された電界による電気的力が作用する。
従って、本体ハウジング(11)内に導入されたガスに含まれるオイル分には、本体ハウジング(11)の分離部(12)の内周側に向かう方向に作用する力が増大するので、従来のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることが可能となる。
また、請求項3に記載の発明の如く、請求項2に記載のオイルセパレータにおいて、電圧印加手段(20)を、放電電極に電圧を印加する第1電圧印加部(20a)と、正電極(192)に電圧を印加する第2電圧印加部(20b)とを有する構成とすれば、放電電極に印加する電圧と正電極(192)に印加する電圧とを独立して最適な電圧に調整することが可能となる。
具体的には、請求項4に記載の発明の如く、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータにおいて、放電電極を、ガス導入管(15)内に配置されて、ガス導入管(15)の中心線(L2)上に沿って延びる導電性部材(181)にて構成し、ガス導入管(15)の内周面を、アースに接続して、放電電極に対向する接地電極(182)として構成し、帯電部(18)にて、放電電極と接地電極(182)との間でコロナ放電を発生させて、オイル分を正に帯電させる構成としてもよい。
これによれば、放電電極を構成する導電性部材(181)を、ガスの流れ方向に沿って延びるように配置しているので、ガス導入管(15)を流れるオイル分の帯電区間を長くすることができ、帯電部(18)にて、ガスに含まれるオイル分を充分に帯電することが可能となる。この結果、集塵部(19)にて捕集するオイルの捕集率の向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明の如く、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータにおいて、放電電極を、ガス導入管(15)内に配置されて、ガス導入管(15)内を流れるガスの流路を絞る導電性ノズル(183)にて構成し、ガスが導電性ノズル(183)と集塵電極との間に形成される電界を通過する際に、オイル分を正に帯電させる構成としてもよい。
また、請求項6に記載の発明の如く、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータにおいて、放電電極を、前記ガス導入管(15)内に配置された網目状の導電性部材(184)にて構成し、ガスが網目状の導電性部材(184)と集塵電極との間に形成される電界を通過する際にオイル分を正に帯電させる構成としてもよい。
また、請求項7に記載の発明の如く、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータにおいて、放電電極を、ガス導入管(15)内に配置され、ガス導入管(15)よりも径が小さい複数の導電性配管(185a)を径方向に束ねて構成された集合管(185)にて構成され、ガスが集合管(185)と集塵電極との間に形成される電界を通過する際にオイル分を正に帯電させる構成としてもよい。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のオイルセパレータにおいて、本体ハウジング(11)の内周面には、撥油処理が施されていることを特徴とする。
これによれば、ガスに含まれるオイル分が、本体ハウジング(11)の内周面に接触した際に、液膜状に広がらずに、液滴となるので、本体ハウジング(11)の内周面に付着したオイル分を本体ハウジング(11)から適切に離脱させることができる。この結果、オイル分の再飛散等を抑制することができる。
また、請求項9に記載の発明の如く、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のオイルセパレータにおいて、本体ハウジング(11)の内周側に、ガスに含まれるオイル分を液滴に成長させるための導電性フィルタ(21)を配置する構成とすれば、ガスから分離したオイルを適切に捕集することが可能となる。
また、請求項10に記載の発明の如く、請求項2また3に記載のオイルセパレータにおいて、本体ハウジング(11)の内周側に、ガスに含まれるオイル分を液滴に成長させるための導電性フィルタ(21)を配置し、導電性フィルタ(21)を、負電極(191)と同電位または負電極(191)よりも高電位する構成とすれば、ガスから分離したオイルを適切に捕集することが可能となる。さらに、導電性フィルタ(21)と負電極(191)とでオイル分を適切に捕集することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第1実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第2実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第3実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第4実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第5実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第6実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第6実施形態に係るオイルセパレータの要部の拡大図である。 第7実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第8実施形態に係るオイルセパレータの概略断面図である。 第8実施形態に係るオイルセパレータの要部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1、図2に基づいて説明する。
本実施形態では、本発明のオイルセパレータ10を車両用空調装置に用いられる冷凍サイクル装置1に適用している。図1は、本実施形態の冷凍サイクル装置1の全体構成図である。この冷凍サイクル装置1は、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用しており、圧縮機2の吐出冷媒圧力(高圧冷媒の圧力)が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成している。
圧縮機2は、冷凍サイクル装置1において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。この圧縮機2は、エンジンルーム内に配置されて、プーリおよびベルトを介して車両走行用エンジン(図示略)から駆動力が伝達されて回転駆動される。
なお、圧縮機2としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを採用してもよい。また、圧縮機2として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機2の吐出側には、オイルセパレータ10が設けられている。オイルセパレータ10は、冷凍サイクル装置1を循環するオイル量を適切に調整するものである。つまり、オイルセパレータ10は、冷媒ガスに含まれるオイル分を分離して圧縮機2の吸入側に戻すことで、圧縮機2の軸受け部や摺動部にオイルを循環させるものである(図中破線矢印参照)。また、オイル分が除かれた冷媒ガスは、後述する放熱器3へと流れる(図中実線矢印参照)。なお、オイルセパレータ10の詳しい構成については後述する。
オイルセパレータ10の冷媒導出口側には、放熱器3が接続されている。放熱器3は、エンジンルーム内の車両前方側に配置されて、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒(高圧冷媒)を冷却ファン3aにより送風される外気(車室外空気)と熱交換させて、高圧冷媒を放熱させる放熱用熱交換器である。
なお、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、上述の如く、亜臨界サイクルを構成しているので、放熱器3は冷媒ガスを凝縮させる凝縮器として機能する。また、冷却ファン3aは、空調制御装置(図示略)から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御させる電動式送風機である。
放熱器3の冷媒出口側には、膨張弁4が接続されている。この膨張弁4は、放熱器3にて冷却された高圧冷媒を減圧させる減圧手段として機能すると共に、膨張弁4の冷媒流れ下流側(低圧側)へ流出させる冷媒の流量を調整する流量調整手段としても機能する。
膨張弁4の冷媒出口側には、蒸発器5が接続されている。蒸発器5は、膨張弁4にて減圧膨張された低圧冷媒と送風ファン5aから送風された送風空気とを熱交換させて、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。送風ファン5aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される電動式送風機である。
なお、この蒸発器5および送風ファン5aは、車室内最前部の計器盤の内側に搭載された空調ユニット(図示略)内に配置されている。さらに、この空調ユニット内のうち蒸発器5の空気流れ下流側には、蒸発器5にて冷却された送風空気を再加熱する加熱手段が配置されている。この加熱手段としては、エンジン冷却水を熱源として送風空気を加熱するヒータコアや電気ヒータ等を採用することができる。
従って、送風ファン5aから送風された空気は、蒸発器5にて冷却された後、ヒータコア等の加熱手段にて再加熱されることによって温度調整され、蒸発器5の空調対象空間である車室内へ吹き出される。
蒸発器5の冷媒出口側には、圧縮機2の冷媒吸入口が接続され、圧縮機2から吐出された冷媒は、オイルセパレータ10→放熱器3→膨張弁4→蒸発器5→圧縮機2の冷媒吸入口へと循環するようになっている。
本実施形態の電気制御部の概要について説明すると、空調制御装置は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて、各種演算、処理を行って各種アクチューエタ3a、5a等の作動を制御する。
次に、本実施形態のオイルセパレータ10の具体的な構成について図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示す図である。図2の(a)はオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)は(a)のA−A断面図を示している。
図2に示すように、本実施形態のオイルセパレータ10は、本体部分である金属製(例えば、アルミニウム製)の本体ハウジング11を備えている。本体ハウジング11は、上半部12が円筒形状であって下半部13が下方側に向かって縮径するテーパ形状となっている。なお、上半部12の上端側(天井側)は、蓋部14にて覆われている。
本体ハウジング11の上半部12には、その壁面に開口するガス導入口12aが形成されている(図2(b)参照)。このガス導入口12aには、圧縮機2の吐出側と本体ハウジング11の内部とを連通する金属製(例えば、アルミニウム製)のガス導入管15が接続されている。このガス導入管15は、本体ハウジング11の上半部12の接線方向に沿って冷媒ガスを導入可能なように、上半部12の内壁の接線方向に延びるように接続されている。このため、ガス導入管15を介して本体ハウジング11内に導入される冷媒(圧縮機2から吐出された冷媒)は、上半部12の内周面に沿って内周方向に導入されて、冷媒中に含まれるオイル分を分離する旋回流が形成される(図2(a)の本体ハウジング11内に示す点線矢印参照)。なお、本体ハウジング11における円筒状の上半部12が本発明の分離部に相当している。
本体ハウジング11の下半部13には、下端部にオイル回収口13aが形成されている。このオイル回収口13aには、圧縮機2の吸入側と本体ハウジング11の内部とを連通する金属製(例えば、アルミニウム製や銅製)のオイル戻し管16が接続されている。つまり、上半部12において旋回流により分離された冷媒中のオイル分が、下半部13の内周に沿って下方に流下して、下半部13に貯留され、当該貯留されたオイルがオイル戻し管16を介して圧縮機2の吸入側に戻される。
本体ハウジング11の蓋部14には、中央部にガス導出口14aが形成されている。このガス導出口14aには、上半部(分離部)12の中心線L1上に延びるように配置され、本体ハウジング11内部と放熱器3の冷媒導入口側とを連通するアルミニウム製のガス導出管17が接続されている。このガス導出管17は、蓋部14から下方側に突出するように接続されており、当該下方側に突出した突出部分と上半部(分離部)12とで二重管構造を呈している。なお、本体ハウジング11の内部空間における上半部12の内周側とガス導出管17の突出部分の外周側とで囲まれる空間が冷媒ガスに含まれるオイル分を分離する分離室を構成している。
ここで、本実施形態のオイルセパレータ10は、冷媒流れ上流側のガス導入管15に冷媒ガスに含まれるオイル分を正に帯電させる帯電部18を設けると共に、帯電部18よりも冷媒流れ下流側の本体ハウジング11内に帯電部18にて帯電したオイル分を集塵する集塵部19を設けている。
本実施形態の帯電部18は、ガス導入管15内を流れる冷媒ガスに含まれるオイル分を正に帯電させる放電電極を有して構成されている。この放電電極は、ガス導入管15の中心線L2上に延びる導電性ワイヤ(導電性部材)181にて構成されている。本実施形態では、導電性ワイヤ181の材料としてタングステンを用いている。なお、導電性ワイヤ181は、後述する絶縁体18a、18bにてガス導入管15の中心線L2上に支持固定されている。
ガス導入管15の内周面は、導電性ワイヤ181に対向する部位(帯電部18の内周面)が、アースに接続されている。つまり、ガス導入管15の内周面が放電電極を構成する導電性ワイヤ181に対向する接地電極(対向電極)182として構成されている。
また、ガス導入管15には、帯電部18と他の部位との間が、絶縁材料(例えば、碍子)で構成された絶縁体(例えば、碍子)18a、18bにて絶縁されている。この絶縁体18a、18bは、内部に導電性ワイヤ181を支持固定する支持部が設けられた中空パイプ状に形成されており、ガス導入管15を流れる冷媒ガスが帯電部18を流通可能に構成されている。なお、ガス導入管15と本体ハウジング11との間に配置された絶縁体18bが本発明の第1絶縁部に相当している。
また、本実施形態の集塵部19は、帯電部18にて正に帯電されたオイル分を上半部12の内周側にて捕集するための集塵電極を有して構成されている。具体的には、本実施形態の集塵電極は、上半部12の内周面を含む本体ハウジング11の内周面にて構成された負電極191と、ガス導出管17における上半部12と対向する部位にて構成される正電極192とを有する一対の電極で構成されている。なお、本実施形態の負電極191は、アースに接続されており、接地電極として構成されている。
なお、本体ハウジング11とガス導出管17との接続部には、絶縁材料(例えば、碍子)で構成された中空パイプ状の絶縁体19aが設けられ、本体ハウジング11とガス導出管17とが絶縁されている。また、ガス導出管17は、正電極192を構成する部位と他の部位とが、絶縁材料(例えば、碍子)で構成された中空パイプ状の絶縁体17aにて絶縁されている。なお、本実施形態の本体ハウジング11とガス導出管17とを絶縁する絶縁体19aが本発明の第2絶縁部に相当している。
また、本実施形態のオイルセパレータ10は、放電電極である導電性ワイヤ181および集塵部19の正電極192それぞれに高電圧(例えば、5kV〜50kV程度)を印加する公知の構造を有する高電圧印加部(電圧印加手段)20を備えている。
高電圧印加部20にて、導電性ワイヤ181に高電圧が印加されることで、導電性ワイヤ181と接地電極182との間にコロナ放電が発生し、帯電部18を通過するオイル分(オイル粒子)がイオン化されて正に帯電する。
また、高電圧印加部20にて、集塵部19の正電極192に高電圧が印加されることで、正電極192と負電極191との間に電界が形成され、当該電界を帯電したオイル分を含む冷媒ガスが通過する際に、冷媒ガスに含まれるオイル分には、上半部12の内周側(負電極191側)に向かう方向(上半部12の径外方向)にクーロン力が作用する。
次に、本実施形態に係るオイルセパレータ10の作動を説明する。なお、オイルセパレータ10の帯電部18の導電性ワイヤ181および集塵部19の正電極192それぞれには、高電圧印加部20にて高電圧が印加されているものとする。
冷凍サイクル1の圧縮機2が駆動すると、圧縮機2から吐出されたオイル分を含む冷媒は、オイルセパレータ10のガス導入管15に導入される。この際、図2(b)にて模式的に示すように、ガス導入管15の帯電部18では、放電電極である導電性ワイヤ181と接地電極182との間にコロナ放電が生じることによって、冷媒ガスに含まれるオイル分が正に帯電する。そして、帯電部18にて帯電したオイル分を含む冷媒ガスは、ガス導入管15から本体ハウジング11内に流入し、上半部12の周方向に慣性力Faが作用すると共に、上半部12の径外方向に遠心力Fbが作用して、上半部12の内周側を旋回しながら下方へ流れる。
ここで、冷媒ガスに含まれるオイル分には、冷媒ガスの旋回流による遠心力Fbに加えて、上半部12の径外方向に、集塵部19の正電極192と負電極191との間の電界から受けるクーロン力Fcが作用する。この遠心力Fbとクーロン力Fcの作用にて、冷媒ガスに含まれるオイル分は、上半部12の内周側(負電極191側)に引き寄せられ、上半部12の内周面に衝突して冷媒からオイル分が分離する。
そして、冷媒ガスから分離したオイルは、上半部12の内周面との衝突によって中和され、上半部12の内周面を伝って下方側の下半部13へと移動し、オイル戻し管16を介して圧縮機2の吸入側へと戻される。
一方、オイル分が分離された冷媒ガスは、本体ハウジング11のテーパ形状の下半部13へと流れた後、ガス導出管17の内周面に沿って上昇し、ガス導出管17を介して放熱器3の入口側へと導出される。
以上説明した本実施形態のオイルセパレータ10では、ガス導入管15から本体ハウジング11の上半部12内に導入した冷媒ガスを遠心分離して上半部12の内周側にて捕集することができると共に、ガス導入管15に設けられた帯電部18にて正に帯電させた冷媒ガスに含まれるオイル分を、本体ハウジング11内の集塵部19(上半部12の内周側)にて捕集することができる。
このように、本実施形態のオイルセパレータ10では、帯電部18にて正に帯電させたオイル分を本体ハウジング11内の集塵部19にて捕集する構成としているので、遠心分離にて捕集することができなかった微小粒径のオイル分等も捕集することができ、従来の遠心分離式のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、集塵電極の正電極192(ガス導出管17の外周面)と負電極191(上半部12の内周面)との間に電界が形成され、形成された電界を帯電部18にて帯電されたオイル分が通過する際に、当該オイル分には、上半部12の内周側(負電極191側)に向かう方向(上半部12の径外方向)に電気的力(クーロン力)が作用する。
従って、本体ハウジング11の上半部12内に導入された冷媒ガスに含まれるオイル分には、上半部12の径外方向に、冷媒ガスの旋回流による遠心力が作用すると共に、集塵電極にて形成された電界による電気的力が作用する。
このため、本体ハウジング11内に導入された冷媒に含まれるオイル分には、本体ハウジング11の上半部12の径外方向に作用する力が増大するので、従来のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、ガス導入管15の中心線L2上に沿って延びる導電性ワイヤ181にて放電電極を構成している。つまり、放電電極を構成する導電性ワイヤ181が冷媒ガスの流れ方向に沿って延びる構成としているので、ガス導入管15を流れるオイル分の帯電区間を長くすることができ、帯電部18にて、ガスに含まれるオイル分を充分に帯電することが可能となる。この結果、オイルの捕集率をより向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、放電電極として、ガス導入管15の中心線L2上に沿って延びる導電性ワイヤを用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態の放電電極としては、ガス導入管15の中心線L2上に沿って延びる導電性部材であれば、例えば、ガス導入管15の中心線L2上に沿って螺旋状(コイル状)に延びる導電性部材や、径方向断面(冷媒流れ方向に直行する方向の断面)が網目状に形成された棒状の導電性部材を用いることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図3は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図3の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のB−B断面図を示している。
本実施形態では、ガス導入管15内に配置した導電性ノズル183にて放電電極を構成し、当該導電性ノズル183と負電極191を構成する上半部12との間に形成される電界によって、冷媒ガスに含まれるオイル分を正に帯電させる構成としている。
具体的には、図3に示すように、ガス導入管15における帯電部18には、ガス導入管15を流れる冷媒の冷媒流路を絞る金属製(例えば、ステンレス製)の導電性ノズル183がガス導入管15の内周面に固定されている。この導電性ノズル183は、冷媒流れ方向上流側から下流側に向かって縮径されている。そして、ガス導入管15における導電性ノズル183が固定された部位には、高電圧印加部20に接続され、導電性ノズル183に高電圧が印加されるようになっている。
また、導電性ノズル183(放電電極)の対向電極は、アースに接続された上半部12の内周面にて構成されている。つまり、本実施形態では、冷媒流れ上流側に配置した導電性ノズル183を正電極(放電電極)とし、導電性ノズル183の冷媒流れ下流側に位置する上半部12の内周面を負電極(対向電極)としている。
このような構成のオイルセパレータ10では、高電圧印加部20にて導電性ノズル183に高電圧が印加されると、正電極を構成する導電性ノズル183と負電極191を構成する上半部12の内周面との間に電位差が付与され、導電性ノズル183と上半部12の内周面との間に電界が形成される。
この状態で、ガス導入管15内に冷媒が導入されると、図3(b)にて模式的に示すように、帯電部18では、導入された冷媒中に含まれるオイル分が導電性ノズル183と上半部12の内周面とでイオン化されて正に帯電する。そして、帯電部18にて帯電したオイル分を含む冷媒は、ガス導入管15から本体ハウジング11内に流入し、冷媒ガスに含まれるオイル分が本体ハウジング11の上半部12の内周面に捕集されて、冷媒とオイルとが分離される。
本実施形態の構成によっても、帯電部18にてガス導入管15内を流れる冷媒に含まれるオイル分を正に帯電することができるので、第1実施形態と同様に、帯電部18にて帯電したオイル分を、本体ハウジング11内の集塵部19にて捕集することが可能となる。このため、従来の遠心分離式のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4に基づいて説明する。上記第1、第2実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図4は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図4の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のC−C断面図を示している。
本実施形態のオイルセパレータ10は、ガス導入管15内に配置した網目状の導電性部材(以下、メッシュ部材という。)184にて放電電極を構成し、当該メッシュ部材184と負電極191を構成する上半部12との間に形成される電界にて冷媒ガスに含まれるオイル分を正に帯電させる構成としている。
具体的には、図4に示すように、ガス導入管15における帯電部18には、ガス導入管15を流れる冷媒ガスの流れ方向と直行する方向に立設された金属製(例えば、ステンレス製)のメッシュ部材184が配置されている。このメッシュ部材184は、高電圧印加部20に接続され、メッシュ部材184に高電圧が印加されるようになっている。
また、メッシュ部材184(放電電極)の対向電極は、アースに接続された上半部12の内周面にて構成されている。つまり、メッシュ部材184を正電極(放電電極)とし、上半部12の内周面を負電極(対向電極)としている。
このような構成のオイルセパレータ10では、高電圧印加部20にて導電性ノズル183に高電圧が印加されると、正電極を構成するメッシュ部材184と負電極を構成する上半部12の内周面との間に電位差が付与され、メッシュ部材184と上半部12の内周面との間に電界が形成される。
この状態で、ガス導入管15内に冷媒ガスが導入されると、図4(b)にて模式的に示すように、帯電部18では、導入された冷媒ガスに含まれるオイル分がメッシュ部材184と上半部12の内周面との間でイオン化されて正に帯電する。そして、帯電部18にて帯電したオイル分を含む冷媒ガスは、ガス導入管15から本体ハウジング11内に流入し、冷媒ガスに含まれるオイル分が本体ハウジング11の上半部12の内周面に捕集されて、冷媒とオイルとが分離される。
本実施形態の構成によれば、第1、第2実施形態で説明したオイルセパレータ10と同様に、従来の遠心分離式のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図5に基づいて説明する。上記第1〜第3実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図5は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図5の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のD−D断面図を示している。
本実施形態のオイルセパレータ10は、ガス導入管15内に配置した集合管185にて放電電極を構成し、当該集合管185と負電極191を構成する上半部12との間に形成される電界にて冷媒ガスに含まれるオイル分を正に帯電させる構成としている。
具体的には、図5に示すように、ガス導入管15における帯電部18には、ガス導入管15よりも径が小さい金属製(例えば、ステンレス製)の導電性配管185aを径方向に束ねて構成した集合管185が配置されている。この集合管185は、高電圧印加部20に接続され、集合管185に高電圧が印加されるようになっている。なお、集合管185を構成する複数の導電性配管185aは、円筒状の配管であって、内部を冷媒ガスが流通可能に構成されている。
また、集合管185(放電電極)の対向電極は、アースに接続された上半部12の内周面にて構成されている。つまり、集合管185を正電極(放電電極)とし、上半部12の内周面を負電極(対向電極)としている。
このような構成のオイルセパレータ10では、高電圧印加部20にて集合管185に高電圧が印加されると、正電極を構成する集合管185と負電極191を構成する上半部12の内周面との間に電位差が付与され、集合管185と上半部12の内周面との間に電界が形成される。
この状態で、ガス導入管15内に冷媒ガスが導入されると、図5(b)にて模式的に示すように、帯電部18では、導入された冷媒ガスに含まれるオイル分が集合管185と上半部12の内周面との間でイオン化されて正に帯電する。そして、帯電部18にて帯電したオイル分を含む冷媒ガスは、ガス導入管15から本体ハウジング11内に流入し、冷媒ガスに含まれるオイル分が本体ハウジング11の上半部12の内周面に捕集されて、冷媒とオイルとが分離される。
本実施形態の構成によれば、第1〜第3実施形態で説明したオイルセパレータ10と同様に、従来の遠心分離式のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図6に基づいて説明する。上記第1〜第4実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図6は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図6の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のA−A断面図を示している。
上記第1〜第4実施形態では、高電圧印加部20にて、帯電部18の放電電極およびガス導出管17(集塵部19の正電極192)それぞれに高電圧を印加する構成としている。
これに対して、本実施形態では、図6に示すように、高電圧印加部20にて帯電部18の放電電極に高電圧を印加し、ガス導出管17(集塵部19の正電極192)に高電圧を印加しない構成としている。
ここで、本実施形態では、ガス導出管17に高電圧を印加しない構成としているので、本体ハウジング11との接続部、およびガス導出管17に絶縁体17a、19aを設けておらず、ガス導出管17は、アースに接続された本体ハウジング11に直接接続されている。なお、本体ハウジング11の内周面は、アースに接続されており、接地電極を構成している。
このような構成のオイルセパレータ10では、帯電部18にて帯電された冷媒ガスに含まれるオイル分が、ガス導入管15から本体ハウジング11内に流入して、冷媒ガスに含まれるオイル分が本体ハウジング11の上半部12の内周面(接地電極)に衝突して、捕集される。この際、内周面にて捕集されたオイル分は中和して安定し、内周面に沿って下方へと流れる。
従って、本実施形態の構成によっても、帯電部18にて帯電したオイル分を、本体ハウジング11内の集塵部19にて捕集することが可能となる。このため、従来の遠心分離式のオイルセパレータよりも、オイルの捕集率を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態の構成では、ガス導出管17に高電圧を印加しない構成とし、絶縁体17a、19aを設ける必要がないので、第1〜第4実施形態のオイルセパレータ10に比して、オイルセパレータ10の簡素化を図ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図7、図8に基づいて説明する。上記第1〜第5実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図7は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図7の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のA−A断面図を示している。また、図8は、図7における要部(X部)の拡大図であり、図8の(a)が本体ハウジング11の内周面に撥油処理が施されている場合を示し、(b)が本体ハウジング11の内周面に撥油処理が施されていない場合を示している。
ここで、本体ハウジング11の内周面には、冷媒ガスから分離したオイルが付着するが、付着したオイルが本体ハウジング11の内周面に液膜状に広がると、オイルが本体ハウジング11の内周面から下方側へと流れ難くなり、その結果、オイルの再飛散等を招く虞がある(図8(b)参照)。
そこで、本実施形態のオイルセパレータ10は、図7に示すように、本体ハウジング11の内周面全域に、撥油処理を施している。この撥油処理としては、例えば、オイルセパレータ10の内周面全域に凹凸構造を施したり、フッ素コーティングを施したりする処理を用いることができる。
これによれば、図8(a)に示すように、本体ハウジング11の内周面に付着したオイルは、液膜状に広がらずに、液滴となる。このため、本体ハウジング11の内周面に付着したオイルを本体ハウジング11から適切に離脱させることができ、オイル分の再飛散等を効果的に抑制することが可能となる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図9に基づいて説明する。上記第1〜第6実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図9は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図9の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のA−A断面図を示している。
上記実施形態では、帯電部18の放電電極および集塵部19の正電極192それぞれに高電圧を印加する高電圧印加手段を1つの高電圧印加部20で構成している。
これに対して、本実施形態では、電圧印加手段を帯電部18の放電電極に高電圧を印加する第1高電圧印加部(第1電圧印加部)20aおよび正電極192それぞれに高電圧を印加する第2高電圧印加部(第2電圧印加部)20bにて構成している。
これによれば、帯電部18の放電電極に印加する電圧および集塵部19の正電極192に印加する電圧をそれぞれ最適な電圧に調整することが可能となる。なお、帯電部18の放電電極には、集塵部19の正電極192よりも高い電圧が印加される。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図10、図11に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図10は、本実施形態に係るオイルセパレータ10の概略断面図を示し、図10の(a)がオイルセパレータ10の縦断面図を示し、(b)が(a)のA−A断面図を示している。また、図11は、本実施形態の本体ハウジング11およびガス導出管17を含む要部の拡大図である。
本実施形態のオイルセパレータ10は、本体ハウジング11の内周側に、冷媒ガスに含まれるオイル分を液滴に成長させるための金属製(例えば、ステンレス製)の導電性フィルタ21を配置する構成としている。この導電性フィルタ21は、網目状のフィルタであって、網目部分をオイル分が通過する際に、微小なオイル分同士を結合して液滴に成長させるものである。
そして、導電性フィルタ21は、図11に示すように、本体ハウジング11の内周面から所定の距離を隔てて配置され、本体ハウジング11と導電性フィルタ21との間にて、液滴となったオイルを下方のオイル回収口13a側に流す流路が形成される。
また、本実施形態の導電性フィルタ21は、導電性フィルタ21を、負電極191を構成する上半部12の内周面よりも高電位としている。つまり、導電性フィルタ21と正電極192を構成するガス導出管17との電位差E1が、負電極191を構成する上半部12の内周面と正電極192を構成するガス導出管17との電位差E2よりも小さくなっている(E1<E2)。なお、導電性フィルタ21を本体ハウジング11よりも高電位とする方法としては、例えば、正電極192を構成するガス導出管17に印加する高電圧よりも低い低電圧を導電性フィルタ21に印加すればよい。
このような構成を有する本実施形態のオイルセパレータ10では、本体ハウジング11の上半部12に流入した冷媒ガスに含まれるオイル分が、遠心力およびクーロン力の作用によって、導電性フィルタ21に衝突して液滴となる。そして、導電性フィルタ21にて液滴となったオイルが導電性フィルタ21と本体ハウジング11との間の流路を介してオイル回収口13aに流れる。
これによれば、導電性フィルタ21にて冷媒ガスに含まれるオイル分を液滴としているので、オイルの再飛散を抑制することができる。また、導電性フィルタ21にて液滴となったオイルは、導電性フィルタ21と本体ハウジング11との間の流路を介してオイル回収口13aに流れるので、オイルの再飛散をより効果的に抑制することができ、オイルを適切に捕集することが可能となる。
また、本実施形態では、導電性フィルタ21を、負電極191を構成する上半部12の内周面12よりも高電位としているので、導電性フィルタ21にて液滴となったオイルは、本体ハウジング11側に流れ、オイルをより適切に捕集することが可能となる。
ここで、本実施形態では、導電性フィルタ21を、負電極191を構成する上半部12の内周面12よりも高電位としているが、これに限定されず、導電性フィルタ21を、負電極191を構成する上半部12の内周面と同電位としてもよい。
また、本実施形態では、導電性フィルタ21として、金属製の網目状のフィルタで構成しているが、これに限定されない。導電性フィルタ21としては、冷媒ガスに含まれるオイル分を液滴に成長させること可能な導電性フィルタであれば、例えば、導電性材料で構成されたブラシ状のフィルタを用いてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上記各実施形態では、本体ハウジング11の下半部13を下方側に向かって縮径するテーパ形状としているが、これに限定されず、例えば、下半部13を上半部12と同様に円筒形状としてもよい。
(2)上記各実施形態では、本発明を車両用空調装置の冷凍サイクル装置1に適用したもの具体例を説明したが、これに限定されず、例えば、車両に搭載される内燃機関(エンジン)におけるブローバイガスに含まれるオイル分を分離するエンジン用オイルセパレータに適用してもよい。
(3)上記各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせて用いることができる。
10 オイルセパレータ
11 本体ハウジング
12 上半部(分離部)
12a ガス導入口
13a オイル回収口
14a ガス導出口
15 ガス導入管
16 オイル戻し管
17 ガス導出管
18 帯電部
181 導電性ワイヤ
182 接地電極
183 導電性ノズル
184 網目状の導電性部材
185a 導電性配管
185 集合管
19 集塵部
191 負電極(上半部)
192 正電極(ガス導出管)
20 高圧印加部(電圧印加手段)
20a 第1高圧印加部(第1電圧印加部)
20b 第2高圧印加部(第2電圧印加部)
21 導電性フィルタ

Claims (10)

  1. 円筒状の分離部(12)を有する本体ハウジング(11)と、
    前記分離部(12)に形成されたガス導入口(12a)に接続されて前記分離部(12)内に前記分離部(12)の接線方向に沿ってガスを導入するガス導入管(15)と、
    前記本体ハウジング(11)に形成されたオイル回収口(13a)に接続されるオイル戻し管(16)と、
    前記本体ハウジング(11)に形成されたガス導出口(14a)に接続されて、前記分離部(12)の中心線(L1)上に延びるガス導出管(17)とを備え、
    前記ガス導入管(15)から前記分離部(12)内に導入した前記ガスの旋回流により、前記ガスに含まれるオイル分を遠心分離することで、分離された前記オイルを前記分離部(12)の内周側にて捕集すると共に前記オイル分を分離した前記ガスを前記ガス導入管(17)に導出するオイルセパレータにおいて、
    前記ガス導入管(15)と前記本体ハウジング(11)とを絶縁する第1絶縁部(18b)と、
    前記ガス導入管(15)内に設けられ、前記ガス導入管(15)内を流れる前記ガスに含まれる前記オイル分を正に帯電させる放電電極を有する帯電部(18)と、
    前記放電電極に電圧を印加する電圧印加手段(20)と、
    前記本体ハウジング(11)内に設けられ、前記帯電部(18)を通過して前記分離部(12)内に導入された前記ガスに含まれる前記オイル分を前記分離部(12)の内周側にて捕集するための集塵電極を有する集塵部(19)と、
    を備えることを特徴とするオイルセパレータ。
  2. 前記ガス導出管(17)は、前記本体ハウジング(11)に第2絶縁部(19a)を介して接続されており、
    前記集塵電極は、前記ガス導出管(17)における前記分離部(12)と対向する部位にて構成された正電極(192)と、前記分離部(12)の内周面にて構成された負電極(191)と、を有して構成され、
    前記電圧印加手段(20)は、前記放電電極および前記正電極(192)それぞれに電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のオイルセパレータ。
  3. 前記電圧印加手段(20)は、前記放電電極に電圧を印加する第1電圧印加部(20a)と、前記正電極(192)に電圧を印加する第2電圧印加部(20b)とを有して構成されていることを特徴とする請求項2に記載のオイルセパレータ。
  4. 前記放電電極は、前記ガス導入管(15)内に配置されて、前記ガス導入管(15)の中心線(L2)上に沿って延びる導電性部材(181)にて構成され、
    前記ガス導入管(15)の内周面は、アースに接続されて、前記放電電極に対向する接地電極(182)として構成され、
    前記帯電部(18)は、前記放電電極と前記接地電極(182)との間でコロナ放電を発生させて、前記オイル分を正に帯電させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータ。
  5. 前記放電電極は、前記ガス導入管(15)内に配置されて、前記ガス導入管(15)内を流れる前記ガスの流路を絞る導電性ノズル(183)にて構成され、前記ガスを前記導電性ノズル(183)と前記集塵電極との間に形成される電界を通過する際に、前記オイル分を正に帯電させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータ。
  6. 前記放電電極は、前記ガス導入管(15)内に配置された網目状の導電性部材(184)にて構成され、前記ガスが前記網目状の導電性部材(184)と前記集塵電極との間に形成される電界を通過する際に前記オイル分を正に帯電させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータ。
  7. 前記放電電極は、前記ガス導入管(15)内に配置され、前記ガス導入管(15)よりも径が小さい複数の導電性配管(185a)を径方向に束ねて構成された集合管(185)にて構成され、前記ガスが前記集合管(185)と前記集塵電極との間に形成される電界を通過する際にオイル分を正に帯電させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のオイルセパレータ。
  8. 前記本体ハウジング(11)の内周面には、撥油処理が施されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のオイルセパレータ。
  9. 前記本体ハウジング(11)の内周側には、前記ガスに含まれる前記オイル分を液滴に成長させるための導電性フィルタ(21)が配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のオイルセパレータ。
  10. 前記本体ハウジング(11)の内周側には、前記ガスに含まれる前記オイル分を液滴に成長させるための導電性フィルタ(21)が配置され、
    前記導電性フィルタ(21)は、前記負電極(191)と同電位または前記負電極(191)よりも高電位であることを特徴とする請求項2または3に記載のオイルセパレータ。
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