JP5319555B2 - レンズ用鋳型の製造方法 - Google Patents

レンズ用鋳型の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5319555B2
JP5319555B2 JP2009551402A JP2009551402A JP5319555B2 JP 5319555 B2 JP5319555 B2 JP 5319555B2 JP 2009551402 A JP2009551402 A JP 2009551402A JP 2009551402 A JP2009551402 A JP 2009551402A JP 5319555 B2 JP5319555 B2 JP 5319555B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
temperature
molding
glass material
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009551402A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009096085A1 (ja
Inventor
紀明 田口
茂 滝澤
秀隆 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2009551402A priority Critical patent/JP5319555B2/ja
Publication of JPWO2009096085A1 publication Critical patent/JPWO2009096085A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5319555B2 publication Critical patent/JP5319555B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B23/00Re-forming shaped glass
    • C03B23/0026Re-forming shaped glass by gravity, e.g. sagging
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B25/00Annealing glass products
    • C03B25/04Annealing glass products in a continuous way
    • C03B25/06Annealing glass products in a continuous way with horizontal displacement of the glass products
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B29/00Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins
    • C03B29/04Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins in a continuous way
    • C03B29/06Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins in a continuous way with horizontal displacement of the products
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/38Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor characterised by the material or the manufacturing process
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00009Production of simple or compound lenses
    • B29D11/0048Moulds for lenses
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2909/00Use of inorganic materials not provided for in groups B29K2803/00 - B29K2807/00, as mould material
    • B29K2909/08Glass
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2011/00Optical elements, e.g. lenses, prisms
    • B29L2011/0016Lenses
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年1月31日出願の日本特願2008−020860号、日本特願2008−020875号および日本特願2008−020921号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は熱垂下成形法によるレンズ用鋳型の製造方法に関する。
背景技術
眼鏡レンズ用ガラスモールドの成形方法としては、機械的研削研磨法や、機械的研削法や放電加工等の電気的加工法により作成した耐熱性母型を用い、これにガラスブランクスを接触加熱軟化させて母型の面形状を転写する方法等、得ようとする面形状ごとに研削プログラムを用いたり、対応する面形状を有する母型を成形する方法が採用されている。
近年、軸対称の非球面レンズ設計を組み入れることにより、薄肉軽量化を図った多焦点眼鏡レンズの需要が増大している。このような複雑な形状のレンズを得るためのモールドの成形法として、熱垂下成形法が提案されている(例えば特開平6−130333号公報および特開平4−275930号公報参照、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される)。
熱垂下成形法は、ガラス素材を型の上に載せ、その軟化点以上の温度に加熱しガラス素材を軟化させて型と密着させることにより、型形状をガラス素材の上面に転写させて所望の面形状を有する成形品を得る成形法である。ガラス素材の加熱は、バッチ式加熱炉または連続式加熱炉において行うことができるが、生産性の点から連続式加熱炉が広く用いられている。
連続式加熱炉によれば、加熱対象物を炉内に搬送するにあたり、搬送方向において所定の温度分布を持つように炉内を温度制御することにより、昇温過程、高温保持過程、降温過程等の一連の処理を炉内で連続的に行うことができる。しかし、連続式加熱炉は、上記の通り搬送方向において温度分布を有するため加熱対象物の面内各部において変形量が不均一となりやすい。例えば入口から出口に向かって高温となるような温度分布を有する連続式加熱炉内においてガラス素材を熱垂下成形法で成形する場合、ガラス素材は前方ほど早く高温となり変形量が大きくなる。このようにガラス素材の位置によって変形量が異なると、ガラス素材下面の位置によって成形型成形面と密着するタイミングが大きく異なることにより、眼鏡矯正に不要なアスティグマが発生したり、設計値からの誤差が非対称となり眼鏡の装用感が低下することがある。
これに対し、特開昭63−306390号公報、その全記載は、ここに特に開示として援用される、には、セラミック製品を連続式加熱炉内で焼成、メタライズ、ろう付け接合等をする際、加熱対象物を炉内で回転させることにより加熱の均一性を高めることが提案されている。しかし、熱垂下成形法によるガラス素材の成形では、軟化途中のガラス素材を大きく回転させると成形精度が低下するおそれがある。
発明の開示
そこで本発明の目的は、連続式加熱炉を使用した熱垂下成形法によって、優れた装用感を有する眼鏡レンズを成形可能な眼鏡レンズ用鋳型を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
多焦点眼鏡レンズの中でも、屈折力が上部から下部へ向かって連続的に変化する累進面を有する累進屈折力レンズは、遠近両用レンズとして広く使用されている。上記累進面では、近用部では曲率が大きく(カーブが深く)、遠用部では曲率が小さい(カーブが浅い)。従って、累進面を形成するためのモールドの成形面も、近用部成形部では曲率が大きく、遠用部成形部では曲率が小さくなる。更には、熱垂下成形法により上記モールド成形面を成形するための成形型の成形面においても、モールド成形面の近用部成形部に対応する部分では曲率が大きく、遠用部成形部に対応する部分では曲率が小さくなる。
そこで本発明者らは、この形状的特徴および連続式加熱炉における加熱の不均一性を利用し、連続式加熱炉内の成形型搬送方向に向かって温度が上昇する領域において、近用部成形部相当側が前方、遠用部成形部相当側が後方となるように成形型(成形面上にガラス素材が配置されている)を搬送することにより、加熱軟化による変形を制御し、モールド成形面を容易に形成できることを新たに見出した。これは、熱垂下成形法により累進面を形成する場合、近用部成形側の変形量は大きく、遠用部成形側の変形量は小さいため、大きく変形させるべき近用部成形部相当側を高温側へ配置することにより、炉内の温度分布を利用し変形量を制御できるからである。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
本発明は、被成形ガラス素材を成形面上に配置した成形型を連続式加熱炉内へ導入し、該炉内を搬送しながら加熱処理を施すことにより、上記被成形ガラス素材の上面を、累進面を含む面を形成するための成形面形状に成形する、レンズ用鋳型の製造方法であって、
前記連続式加熱炉を、成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度分布を有する昇温領域が含まれるように温度制御すること、
前記成形型として、成形面上で曲率分布を有する成形型を使用すること、ならびに、
上記昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を搬送すること、
を含む前記製造方法
に関する。
前記昇温領域における搬送は、成形面の幾何中心から周縁部へ向かって平均曲率が最大となる方向が搬送方向と略等しくなるように行うことができる。
前記連続式加熱炉は、成形型導入口側から、前記昇温領域、定温保持領域、および冷却領域がこの順に配置されるように温度制御することができる。
前記製造方法は、成形型を回転揺動することを含むことができる。
上記回転揺動における揺動角度および振幅は、前記レンズの加入屈折力および/またはインセット量に基づき決定することができる。
前記回転揺動における揺動角度は搬送方向を基準として±5〜45°の範囲とすることができ、かつ振幅は0.01〜1Hzの範囲とすることができる。
前記製造方法は、前記定温保持領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側と反対側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を回転することを含むことができる。
前記定温保持領域において搬送される成形型上に配置された被成形ガラス素材の温度は、該ガラスのガラス転移温度以上の温度であることができる。
一態様によれば、前記累進面を含む面は、トーリック面と累進面との複合面であることができる。当該態様において、前記成形型は、前記仮想直線上に、該直線上で曲率が最大となる点を2点、幾何中心からの距離が略等しい対向する位置に有することができ、かつ前記方法は、前記連続式加熱炉として、両側面に熱源が配置された側方加熱領域を含む連続式加熱炉を使用すること、および、上記側方加熱領域において、成形型搬送方向が上記仮想直線と略直交するように成形型を搬送すること、を更に含むことができる。
前記側方加熱領域は、被成形ガラス素材を該ガラスのガラス転移温度以上に加熱する領域であることができる。
前記被成形ガラス素材として、下面が球面、平面もしくは中心対称性を有する非球面であるガラス、上面および下面が球面であるガラス、または前記いずれかの形状を有するガラスであって上面に乱視成分(トーリック)を含むガラスを使用することができる。
本発明によれば、優れた装用感を有する眼鏡レンズを成形可能なレンズ用鋳型を高い生産性をもって製造することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、被成形ガラス素材を成形面上に配置した成形型を連続式加熱炉内へ導入し、該炉内を搬送しながら加熱処理を施すことにより、上記被成形ガラス素材の上面を、累進面を含む面を形成するための成形面形状に成形する、レンズ用鋳型の製造方法(以下、「態様I」ともいう)に関する。態様Iは、連続式加熱炉を、成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度分布を有する昇温領域が含まれるように温度制御すること、前記成形型として、成形面上で曲率分布を有する成形型を使用すること、ならびに、上記昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を搬送すること、を含む。
態様Iにより製造される鋳型は、累進屈折力レンズ用鋳型であることができる。累進屈折力レンズとは、遠用部および近用部を有し、かつ遠用部から近用部にかけて屈折力が累進的に変化する累進面を有するレンズである。累進屈折力レンズには、凸面に累進面を配置した凸面(外面)累進屈折力レンズ、凹面に累進面を配置した凹面(内面)累進屈折力レンズがある。凸面累進屈折力レンズは、凸面に累進面を有し、凸面の光学面表面形状により累進屈折力を形成している。凹面屈折力レンズも凹凸の違いを除けば同様である。本発明により製造される鋳型により成形可能な累進屈折力レンズは、上記いずれの態様であってもよい。
本発明では、レンズ用鋳型を熱垂下法により製造する。
図1に、熱垂下成形法の説明図を示す。
通常、熱垂下成形法では、被成形ガラス素材を、ガラス素材下面中央部と成形型成形面が離間した状態となるように成形型上に配置した状態(図1(a))で加熱処理を施す。これにより、被成形ガラス素材の下面は自重により変形し成形型成形面と密着し(図1(b))、成形型成形面形状がガラス素材上面に転写され、その結果、ガラス素材上面を所望形状に成形することができる。製造された鋳型は、注型重合法によりプラスチックレンズを製造するための成形型の上型または下型として使用することができる。より詳しくは、熱垂下成形法により成形されたガラス素材上面が成形型内部に配置されるように、上型および下型をガスケット等により組み合わせて成形型を組み立て、この成形型のキャビティへプラスチックレンズ原料液を注入し重合反応を行うことにより、累進面を有するレンズを得ることができる。
累進面では、近用部において曲率が最大(曲率半径が最小)となり、遠用部において曲率が最小(曲率半径が最大)となる。従って、上記鋳型の成形面(注型重合時に成形型のキャビティ内部に配置される面)においても、近用部成形部において曲率が最大となり、遠用部成形部において曲率が最小となる。そして、上記鋳型を製造するための熱垂下成形法用成形型の成形面においても、近用部成形部相当部(ガラス素材上面を近用部成形部に成形するための部分)において曲率が最大となり、近用部成形部相当部(ガラス素材上面を遠用部成形部に成形するための部分)において曲率が最小となる。即ち、上記成形型は、成形面上で曲率分布を有するものであり、成形面上の少なくとも一部において、任意の2点で異なる曲率を有する。このように面内で曲率が異なる成形型成形面を被成形ガラス素材の下面と密着させるためには、近用部成形部相当部と密着させるべき部分は大きく変形させ、遠用部成形部相当部と密着させるべき部分の変形は小さくすべきである。
そこで態様Iでは、連続式加熱炉を、成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度分布を有する昇温領域が含まれるように温度制御するとともに、上記昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に、成形面上で曲率が最大となる部分、即ち成形面と密着させるためには大きく変形させる必要がある部分が含まれるように成形型を搬送する。前述の特開昭63−306390号公報に記載の方法では、連続式加熱炉内の温度分布による加熱の不均一性への対策として、加熱状態が均一となるように加熱対象物を回転させていたのに対し、態様Iでは連続式加熱炉内の加熱の不均一性を利用し、同一加熱対象物における加熱変形量を意図的に変えることにより、連続式加熱炉を使用し累進屈折力レンズ用鋳型を生産性よく量産することができる。
態様Iの一態様としては、累進面を含む面として、トーリック面と累進面との複合面を有するレンズを成形するためのレンズ用鋳型の製造方法(以下、「態様II」ともいう)を挙げることができる。即ち、態様IIは、トーリック面と累進面との複合面を有するレンズを成形するためのレンズ用鋳型の製造方法に関する。
態様IIは、被成形ガラス素材を成形面上に配置した成形型を連続式加熱炉内へ導入し、該炉内を搬送しながら加熱処理を施すことにより、上記被成形ガラス素材の上面を、前記複合面を形成するための成形面形状に成形することを含み、
前記成形型として、面内に曲率分布を有し、かつ幾何中心を通過する仮想直線上に、該直線上で曲率が最大となる点を2点、幾何中心からの距離が略等しい対向する位置に有する成形面を有する成形型を使用すること、
前記連続式加熱炉として、両側面に熱源が配置された側方加熱領域を含む連続式加熱炉を使用し、かつ前記連続式加熱炉を、成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度分布を有する昇温領域が含まれるように温度制御すること、
上記側方加熱領域において、成形型搬送方向が上記仮想直線と略直交するように成形型を搬送すること、および、
上記昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ上記仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を搬送すること、
を更に含む。
近年、屈折力が上部から下部へ向かって連続的に変化する累進面とトーリック面との複合面を有する眼鏡レンズが開発されている。上記眼鏡レンズの累進面では、前述の通り、近用部では曲率が大きく(カーブが深く)、遠用部では曲率が小さい(カーブが浅い)。従って、累進面を形成するためのモールドの成形面も、近用部成形部では曲率が大きく、遠用部成形部では曲率が小さくなる。更には、熱垂下成形法により上記モールド成形面を成形するための成形型の成形面においても、モールド成形面の近用部成形部に対応する部分では曲率が大きく、遠用部成形部に対応する部分では曲率が小さくなる。
一方、上記眼鏡レンズは、トーリック面において主経線上の対称の位置に、曲率が最大となる点を2点有する。主経線上で曲率が最大となる点では、主経線上で最もカーブが深くなる。このようなトーリック面を形成するためのモールドの成形面も、主経線に対応する軸上に、曲率が最大となる点を2点、対称の位置に有する。更には、熱垂下成形法により上記モールド成形面を成形するための成形型の成形面においても、モールド成形面と同様に主経線に対応する軸上に、曲率が最大となる点を2点、対称の位置に有する。即ち、上記成形型成形面では、曲率が最大となる点を2点、幾何中心を基準として対称の位置に有する軸が存在する。
累進面形成用の成形型に関しては、前述のように本発明者らは、累進面形成用の成形型成形面の形状的特徴および連続式加熱炉における加熱の不均一性を利用し、連続式加熱炉内の成形型搬送方向に向かって温度が上昇する領域において、近用部成形部相当側が前方、遠用部成形部相当側が後方となるように成形型(成形面上にガラス素材が配置されている)を搬送することにより、加熱軟化による変形を制御し、モールド成形面を容易に形成できることを新たに見出した。
更に本発明者らは、トーリック面形成用の成形型成形面の形状的特徴を利用し、被成形ガラス素材を配置した成形型を、両側面に熱源を配置した連続式加熱炉内に、上記主経線に対応する軸が搬送方向とほぼ直交するように通過させることにより、加熱軟化による変形を制御し、モールド成形面を容易に形成できることを新たに見出した。例えば入口から出口に向かって高温となるような温度分布を有する連続式加熱炉内で、被成形ガラス素材を上記形状の成形面上に配置して成形しようとすると、搬送方向側(高温側)ほど早く変形するため、ガラス素材下面の位置によって成形型成形面と密着するタイミングが大きく異なり、眼鏡矯正に不要なアスティグマが発生したり、設計値からの誤差が非対称となり眼鏡の装用感が低下することがある。これに対し、連続式加熱炉内に両側面に熱源を配置した領域を設けた上で、この領域に上記軸と搬送方向がほぼ直交するように成形型を搬送すれば、大きく変形させるべき部分を左右均等に加熱することができ、ガラス素材下面と成形型成形面との密着のタイミングを面内各部で揃えることができる。
態様IIは、以上の知見に基づき完成された。
上記の通り態様IIは、トーリック面と累進面との複合面を有する眼鏡レンズ用鋳型を熱垂下法により製造する。トーリック面と累進面との複合面を有する眼鏡レンズとしては、両面非球面型累進屈折力レンズを挙げることができる。このような眼鏡レンズは、トーリックを含む軸対称性形状と累進要素を含む対称性がない形状の複合面を有する。上記複合面は、例えば、主子午線を通る軸に対して左右対称であり、かつ子午線方向は対称ではなく曲率の異なる形状である。例えば両面非球面型累進屈折力レンズの凸面は、幾何中心を通る子午線に対しては軸対称の形状であり、かつ子午線から最も離れる位置のサジタルハイトが、子午線方向は一方の曲率が大きくなる形状となり、反対の方向は曲率が小さくなる非対称となる形状を有する。換言すると主子午線に対して左右対称で主子午線上の一方のみに近用屈折力に相当する曲率の大きな形状を含む。
態様IIでは、上記複合面を形成するための成形面を有する成形型において、軸対称性を有する曲率の最大方向と、対称性がない最大曲率をそれぞれ特定し、前記特定された基準位置に対応して成形型の搬送方向を決定する。搬送方法の詳細は後述する。
上記複合面を有するレンズは、トーリック面において、主経線上に曲率が最大となる点を2点、対称の位置(幾何中心からの距離がほぼ同一の位置)に有する。即ち、主経線上には、カーブが最も深くなる点が2点、対称の位置に存在する。先に説明したように、トーリック面を形成するためのモールドの成形面にも、主経線に対応する軸上に、曲率が最大となる点が2点、対称の位置に存在する。更には、熱垂下成形法により上記モールド成形面を成形するための成形型の成形面においても、モールド成形面と同様に主経線に対応する軸上に、曲率が最大となる点が2点、対称の位置に存在する。即ち、上記成形型成形面では、幾何中心を通過する仮想直線を想定すると、仮想直線上に曲率が最大となる点が2点、幾何中心からの距離が略等しい対向する位置に存在する。被成形ガラス素材の下面を、上記のように面内で曲率が異なる成形型成形面と密着させるためには、曲率が大きい部分と密着させるべき部分は大きく変形させる必要がある。
そこで態様IIでは、成形型成形面の対称性を利用し、連続式加熱炉内に両側面に熱源を配置した領域を設け、この領域での成形型搬送方向が上記仮想直線と略直交するように成形型を搬送する。これにより、同一軸上で大きく変形させるべき2箇所を均等に加熱変形することが可能となる。
態様IIでは、トーリック面における変形制御を上記のように行う。一方、累進面における変形制御は前述のように行われる。こうして態様IIによれば、トーリック面および累進面のそれぞれについて加熱による変形を制御することにより、ガラス素材下面と成形型成形面との密着のタイミングを面内で均一化することができる。ガラス素材下面と成形面とが密着するタイミングが面内各部において大きく異なると、眼鏡矯正に不要なアスティグマが発生したり、設計値からの誤差が非対称となり眼鏡の装用感が低下することがあるのに対し、態様IIによれば優れた装用感を有する眼鏡レンズを成形可能な鋳型を得ることができる。
以下、本発明のレンズ用鋳型の製造方法について、更に詳細に説明する。
[被成形ガラス素材]
本発明において連続式加熱炉内を通過させることにより上面を成形するガラス素材は、成形型成形面と密着させるべき下面の形状が球面、平面または中心対称性を有する非球面であるガラス素材が好適である。これは、例えば球面形状のガラス素材下面は、面内で曲率が一定であるため、面内で曲率が異なる成形型成形面と密着させる際、面内での変形量の違いが特に顕在化するからである。ガラス素材下面が平面および中心対称性を有する非球面の場合も同様である。このような場合であっても、先に説明したように本発明によれば、連続式加熱炉内においてガラス素材の加熱変形量を制御することができる。更に、被ガラス成形素材としては、前記形状の下面を有するとともに上面に乱視成分(トーリック)を含むガラス素材も好適である。
被成形ガラス素材の下面形状については上述の通りである。一方、被成形ガラス素材の上面形状は特に限定されるものではなく、球面、平面、非球面等の各種形状であることができる。好ましくは、上記被成形ガラス素材は、上面および下面が球面形状である。上下面とも曲率が一定であるガラス素材は加工が容易であるため、上記形状のガラス素材を使用することは生産性向上に有効である。上記ガラス素材は、好ましくは凹凸面が球面形状であり、かつ法線方向に等厚または実質的に等厚なガラス素材を使用する。ここで、「法線方向に実質的に等厚」とは、ガラス素材上の少なくとも幾何中心において測定した法線方向厚さの変化率が1.0%以下、好ましくは0.8%以下であることをいう。そのようなガラス素材の概略断面図を図2に示す。
図2中、ガラス素材206は凹凸面を有するメニスカス形状であり、外形は円形である。さらにガラス素材凹面202および凸面201の表面形状は共に球面形状である。
ガラス素材両面の法線方向とは、ガラス素材表面上の任意の位置でガラス素材表面となす角度が垂直である方向を示す。従って法線方向は面上の各位置によって変化する。例えば図2の方向204はガラス素材凹面上の点208における法線方向を表し、法線方向204が凹凸面となす交点がそれぞれ208および209となるため、208と209との間隔が、法線方向の厚みとなる。一方、他のガラス凹面上の位置として例えば210や212があり、その法線方向はそれぞれ方向203と方向205である。法線方向203上では210と211の間隔が、法線方向205では212と213の間隔が、法線方向の厚みとなる。法線方向に等厚なガラス素材では、このように上下面の法線方向間隔が同一の値となる。つまり、法線方向に等厚なガラス素材では、上下面が同一の中心(図1中の207)を共有する球面の一部となる。
上記のような略円形形状のガラス素材は、幾何中心に中心対称性を有する形状をしている。一方、成形型成形面は、成形品(鋳型)に対応する形状を有するため、近用部成形部相当部ではカーブが大きく、これに比べて遠用部成形部相当部ではカーブが小さいという非対称形状を有する。前述のように、本発明では加工対象物の進行方向に向かって温度上昇する連続式加熱炉特有の温度不均一に対応して、熱軟化加工において温度の高い方向にガラス素材形状変化量の大きな位置を配置することにより、面内で曲率の異なる複雑な面形状の累進面を容易に成形することができる。なお、WO2007/058353A1、その全記載は、ここに特に開示として援用される、に記載されているようにガラス素材が粘弾性体に近似できるとすると、熱垂下成形法による加熱軟化前後で法線方向におけるガラス厚さは、実質的に変化しないため、法線方向に等厚なガラス素材を使用することは、加熱軟化時の形状制御が容易であるという利点もある。
上記のようにガラス素材を粘弾性体に近似するためには、ガラス素材の法線方向厚みに対してガラス素材の外径が十分に大きいこと、およびガラスの鉛直方向変形量に対してガラス素材外径が十分に大きいことが好ましい。具体的には、本発明において使用されるガラス素材は、法線方向厚みが2〜10mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。一方、前記ガラス素材の外径は、60〜90mmであることが好ましく、65〜86mmであることがより好ましい。なお、ガラス素材の外径とは、ガラス素材の下面周縁端部の任意の1点と、周縁端部上の対向する点との距離をいうものとする。
ガラス素材としては、特に限定されないが、クラウン系、フリント系、バリウム系、リン酸塩系、フッ素含有系、フツリン酸系等のガラスが適している。ガラス素材の構成成分として、第一には、例えばSiO2、B23、Al23を含み、ガラス材料組成はモル百分率でSiO2が45〜85%、Al23が4〜32%、Na2O+Li2Oが8〜30%(但しLi2OはNa2O+Li2Oの70%以下)、ZnOおよび/またはF2の合計量が2〜13%(但しF2<8%)、Li2O+Na2O/Al23が2/3〜4/1、SiO2+Al23+Na2O+Li2O+ZnO+F2>90%なるガラスが適している。
また第2には、例えばガラス材料組成はモル百分率でSiO2が50〜76%、 Al23が4.8〜14.9%、Na2O+Li2Oが13.8〜27.3%(但しLi2OはNa2O+Li2Oの70%以下)、ZnOおよび/またはF2の合計量が3〜11%(但しF2<8%)、Li2O+Na2O/Al23が2/3〜4/1、SiO2+Al23+Li2O+Na2O+Li2O+ZnO+F2>90%なるガラスは好適である。
さらに第3には例えば、SiO2(63.6%)、Al23(12.8%)、Na2O(10.5%)、B23(1.5%)、ZnO(6.3%)、Li2O(4.8%)、As23(0.3%)、Sb23(0.2%)よりなるガラス組成はさらに好適である。そして10%を越えない範囲で他の金属酸化物、例えばMgO、PbO、CdO、B23、TiO2、ZrO2や着色金属酸化物等をガラスの安定化、溶融の容易、着色等のために加えることができる。
またガラス素材の他の特徴として、例えば熱的性質は、歪点450〜480℃、除冷点480〜621℃、軟化点610〜770℃、ガラス転移温度(Tg)が450〜620℃、屈伏点(Ts)が535〜575℃、比重は2.47〜3.65(g/cm3)、屈折率は、Nd1.52300〜1.8061、熱拡散比率は0.3〜0.4cm2*min、ポアソン比0.17〜0.26、光弾性定数2.82×10E−12、ヤング率6420〜9000kgf/mm2、線膨張係数8〜10×10E−6/℃ が適している。中でも、歪点460℃、除冷点490℃、軟化点650℃、ガラス転移温度(Tg)が485℃、屈伏点(Ts)が535℃、比重は2.47(g/cm3)、屈折率は、Nd1.52300、熱拡散比率は0.3576cm2*min、ポアソン比0.214、光弾性定数2.82×10E−12、ヤング率8340kgf/mm2、線膨張係数8.5×10E−6/℃のガラス素材が特に好適である。
[側方加熱領域における成形型の搬送方向]
通常、連続式加熱炉の熱源は、加熱対象物搬送経路の上方および/または下方に設けられる。これに対し、本発明では、連続式加熱炉内に、両側面に熱源が配置された領域(側方加熱領域)を設けることができる。この領域は、少なくとも、ガラスの軟化変形が進行する領域とすることが好ましく、被成形ガラス素材を該ガラスのガラス転移温度以上に加熱する領域であることが更に好ましい。本発明では、連続式加熱炉を、入口から出口に向かって、昇温領域、定温保持領域、冷却領域、がこの順に位置するように温度制御することが好ましい。上記一連の領域を通過させることによりガラス素材の加熱処理を連続的に行うことができる。この場合、側方加熱領域は、少なくとも昇温領域とすることができ、好ましくは昇温領域および定温保持領域とすることができ、更に好ましくは昇温領域、定温保持領域および冷却領域を含む炉内全領域とすることができる。
態様IIにおいて、上記側方加熱領域における成形型の搬送は、成形型成形面上の幾何中心を通過する直線であって、該直線上で曲率が最大となる点を2点、幾何中心からの距離が略等しい対向する位置に有する仮想直線を想定し、この仮想直線と搬送方向が略直交するように行われる。態様IIにより製造される眼鏡レンズ用鋳型は、トーリック面と累進面との複合面を有する眼鏡レンズを成形するためのものである。トーリック面は、曲率最大となる点を2点、主経線上の対称の位置に有する。このトーリック面を成形するための鋳型成形面には、主経線に転写される直線が存在する。更には、上記鋳型成形面を成形するための成形型成形面にも、主経線に転写される直線に相当する直線、即ち眼鏡レンズのトーリック面の主経線に相当する線が存在する。そして上記仮想直線が、眼鏡レンズのトーリック面の主経線に相当する線となる。この仮想直線と搬送方向が直交するように側方加熱領域を通過させれば、カーブが深い2箇所を均等に加熱することができ、ガラス素材下面と成形型成形面との密着のタイミングを面内で均一にすることができる。なお、本発明において、「幾何中心からの距離が略等しい」とは、幾何中心からの距離が同一であること、および距離が1mm以下程度異なることを含むものとする。また、「仮想直線と搬送方向が略直交する」とは、仮想直線と搬送方向がなす角度が90°±5°以下であることをいうものとする。態様IIでは、側方加熱領域における搬送方向を上記方向とすればよいが、作業性を考慮すれば、連続式加熱炉導入時から搬送方向を上記方向とすることが好ましい。なお、前記側方加熱領域において、前記仮想直線と搬送方向とが略直交しない状態で搬送する期間が一部含まれてもよいが、変形制御のためには、該期間は10%〜15%程度に抑えるべきであり、定温保持領域内とすることが好ましく、Tg以上に加熱する領域とすることが更に好ましい。
前記仮想直線は、例えば、成形型成形面上で眼鏡レンズの左右対称な最大曲率方向の軸に相当する直線である。または、成形型成形面の3次元形状測定から特定することもできる。その詳細は後述する。
上記側方加熱領域において、加熱炉の側面に設ける熱源としては、面または棒状のヒーターを縦および横に並列面状に配置した形状とし、高さは加熱対象物以上の大きさのヒーターを加熱対象物の真横側面方向に各1個から複数配置することができる。両側面の熱源からの加熱は、進行方向または高さ方向に1個から複数に配置されたヒーターゾーンにより温度制御を行い、両側面から同一条件で行うことが加熱の均一性を高めるために好ましい。
[昇温領域における成形型の搬送方向]
本発明では、連続式加熱炉内の成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度部分を有する昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を搬送する。このようにガラス素材を、最も大きく変形させるべき部分が炉内の高温側に位置するように搬送することにより、成形面とガラス素材下面と密着のタイミングのばらつきを低減し、変形を制御することが可能となる。ガラス素材下面と成形面とが密着するタイミングが面内各部において大きく異なると、眼鏡矯正に不要なアスティグマが発生したり、設計値からの誤差が非対称となり眼鏡の装用感が低下することがあるのに対し、本発明によれば優れた装用感を有する眼鏡レンズを成形可能な鋳型を得ることができる。
上記曲率が最大となる部分とは、成形型成形面上の近用部成形部相当部分である。より詳しくは、成形型成形面における近用部測定基準点に相当する位置であり得る。
眼鏡レンズの屈折率を測定する基準点として、JIS T7315、JIS T7313またはJIS T7330に屈折力測定基準点が規定されている。屈折力測定基準点は、眼鏡レンズの物体側または眼球側の面上の例えば直径8.0〜8.5mm程度の円で囲まれる部分である。本発明により製造される鋳型によって成形可能な眼鏡レンズには、遠用部測定基準点と近用部測定基準点という2つの屈折力測定基準点が存在する。累進屈折力レンズの遠用部測定基準点と近用部測定基準点の間に位置する中間領域は累進帯と呼ばれ、屈折力が累進的に変化している。さらに近用部測定基準点は主子午線から左右いずれかの位置の眼球の輻輳に相当する位置に配置されており、眼球の左右区分に応じて主子午線の左右いずれに配置されるかが決定される。熱垂下成形法によりガラス素材が成形され鋳型となった場合、該鋳型では、ガラス素材上面(成形面と密着した面とは反対の面)であった面が眼鏡レンズに転写される。成形型成形面の「屈折力測定基準点に相当する位置」とは、製造される鋳型表面において眼鏡レンズの屈折力測定基準点に転写される部分となるガラス素材上面の部分に、好ましくは法線方向において対向するガラス素材下面に密着する部分をいうものとする。成形型成形面上の「遠用部測定基準点に相当する位置」および「近用部測定基準点に相当する位置」の配置例を図3に示す。
前述のように、昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ前記仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を搬送する。例えば、図3に示す態様において、成形面上で曲率が最大となる部分は、近用部測定基準点に相当する位置に含まれる。図3に示すように主子午線に相当する線を連続式加熱炉内の前記昇温領域における成形型搬送方向と一致させる場合、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線とは、主子午線に相当する線と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する直線(図3中の線A)となる。但し、本発明は昇温領域において主子午線に相当する線が成形型搬送方向と一致するように搬送する態様に限定されるものではない。好ましくは、昇温領域における搬送は、成形型成形面の幾何中心から周縁部に向かって平均曲率が最大となる方向が搬送方向と略等しくなるように行われる。成形型成形面の幾何中心から周縁部に向かって平均曲率が最大となる方向とは、例えば図3に示す態様では成形面上に白抜き矢印で示した方向、即ち幾何中心から近用部測定基準点に相当する位置に向かう方向である。この方向が、成形面上で最もカーブがきつい方向となるため、昇温領域においてこの方向を搬送方向と略一致させることが装用感が良好な眼鏡レンズを成形可能な鋳型を得るために好ましい。なお、上記「略等しい」、「略一致」とは、±5°以下程度異なる場合を含むものとする。
連続式加熱炉内の昇温領域における搬送方向決定方法としては、第1には成形型成形面の3次元形状測定から最大曲率となる方向を算出して特定する方法(方法1)、第2には、眼鏡レンズの処方値から、乱視軸、近用部測定基準点および遠用部測定基準点に基づき特定する方法(方法2)を挙げることができる。方法2では、成形型成形面設計値に基づき、乱視軸を基準として、近用部測定基準点に相当する位置が昇温領域において高温側に配置されるように搬送方向を決定すればよい。
以下に、方法1について説明する。
方法1では、成形型成形面の幾何中心を通る直線上の3点以上の座標より、この方向のレンズ断面の近似的な曲率半径の算出を行う。この算出方法で全方向の曲率半径の算出を行い、その結果から最小曲率半径とその方向を特定する。近似曲率半径算出には、3点より連立方程式を解いて求めるか、または3点以上の座標より最小二乗法から近似的な曲率半径の算出を行う。
成形型成形面の表面形状は、成形面の高さを縦横に分割された格子状行列の各格子上に高さの数値によって表すことができる。形状種類は累進面形状も含めた自由曲面である。この自由曲面については、任意の位置の座標値を求めるために、下記式1に示すB−スプライン関数を用いて表現することができる。
式1中、mはスプライン関数の階数(m−1:次数)、hおよびkはスプライン関数の節点数−2m、cijは係数、Nmi(x)、Nmj(y)はm階のB−スプラインである。スプライン関数に係る詳細は文献「シリーズ 新しい応用の数学20、スプライン関数とその応用」、著者 市田浩三、吉本富士市、発行 教育出版を参照することができる。その全記載は、ここに特に開示として援用される。
次に曲率半径算出について説明する。まず連立方程式による算出方法の具体例を述べる。
図4に示すように成形型成形面の幾何中心を通り端と端を結んだ直線上の3点AOBの座標値を使用してその断面における近似曲率半径を、円の式の連立方程式から算出する。計算に使用する3点をA(X1,Y1)、O(X2,Y2)、B(X3,Y3)とすると図4に示すように、ZX断面の座標値は、A(X1,Z1)、O(X2,Z2)、B(X3,Z3)となる。この3点AOBを通る円の式を求めるには、以下の連立方程式を解く。ただし、この3点がZX断面において直線上にないいことが必要条件となる。a、bをそれぞれ円の中心のX、Z座標値、rは円の半径とすると、連立方程式は下記式2となる。
最小曲率半径とその方向を決定するには、図5に示すように角度θピッチでU1,U2,・・・,Un方向の断面について近似曲率半径を求める。角度θは、例えば0.1〜1°とすることができる。
一方、図6に示すように、角度αの方向の計算に使用する3点をC(X1,Y1)、O(X2,Y2)、D(X3,Y3)とすると、図7に示すようにZW断面の座標値は、C(W1,Z1)、O(W2,Z2)、B(W3,Z3)となる。この3点CODを通る円の式を求めるには下記式3の連立方程式を解けばよい。ただし、この3点がZW断面において直線上にないことを条件とする。
上記式2、3において、a、bはそれぞれ円の中心のW、Z座標値、rは円の半径、W1、W2、W3の座標値は、全ての方向において同値とする。従ってZ1、Z2、Z3は、B−スプライン関数より式4のようになる。
一例として、上記方法において累進面において、各軸10度ピッチの計18方向における曲率半径の算出例を表1に示す。表1中、P1,P2,P3は軸上の座標値、軸方向は“計算対象断面がX軸方向となす角(deg)”を表す。表1より60度方向が最大曲率方向(最小曲率半径方向)となることが特定できる。
次に3点以上の座標値による算出方法の一例を説明する。
図8に示すように、成形型成形面の幾何中心を通り端と端を結んだ直線上の3点以上の座標値を使用してその断面における近似曲率半径を円の式に最小二乗法で近似して算出する。図8中のA〜I点のように3点以上のn個の点で計算に使用する座標点を(X1,Y1),(X2,Y2),・・・,(Xn,Yn)とすると、図8に示すようにZX断面の座標値は(X1,Z1),(X2,Z2),・・・,(Xn,Zn)となる。このn個の座標値に最も近い円の式を求めるには最小二乗法を使用して下記式5の連立方程式を解く。ただし、この全ての点がZX断面において直線上にないことを条件とする。式5中、a、bはそれぞれ円の中心のX、Z座標値、rは円の半径とする。
式5のSが最小になるときが最も近似した円の式となる。従って、Sを最小にするa、b、rを求めるにはSをa、b、rで微分し0と置き、下記式6に示すようにこれらを連立させて解く。
最小曲率半径とその方向を決定するには、図5に示すように角度θピッチでU1,U2,・・・,Un方向の断面について近似曲率半径を求める。角度θは、例えば1°とすることができる。
一方、図9に示すように角度αの方向の計算に使用するn個の座標点を(X1,Y1)、(X2,Y2),・・・,(Xn,Yn)とすると、図10に示すようにZW断面の座標値は、(W1,Z1)、(W2,Z2),・・・,(Wn,Zn)となる。このn個の座標値に最も近い円の方程式を求めるには最小二乗法を使用して以下の連立方程式を解く。ただし、この全ての点がZW断面において直線上にないことを条件とする。a、bをそれぞれ円の中心のW、Z座標値、rを円の半径とすると下記式7となる。
このSが最小になるときが最も近似した円の式となる。従って、Sを最小にするa、b、rを求めるにはSをa、b、rで微分し0と置き、下記連立方程式(式8)によりa、b、rを求める。
ここでW1、W2、W3の座標値は、全ての方向において同値とする。B−スプライン関数(下記式9)より、各Z値(Z1、Z2、Z3は、)が求まる。
上記方法により3点での算出と同様にして3点以上での最大曲率方向を特定することができる。または、例えば成形型成形面の幾何中心と端とを結んだ間の直線となる線分上に、3個以上の座標値、例えば4個の座標値を配置し、その断面における近似曲率半径を算出して最大曲率半径を特定してもよい。
[連続式加熱炉の温度制御]
次に、連続式加熱炉の温度制御について説明する。
連続式加熱炉とは、入口と出口を有しており、コンベアー等の搬送装置によって設定された温度分布の炉内に被加工物を一定時間で通過させて熱処理を行う装置である。連続式加熱炉では、発熱と放熱を考慮した複数のヒーターと炉内空気循環の制御機構によって、炉内部の温度分布を制御することができる。通常、ヒーターは炉内搬送経路の上部および下部に設置されるが、前述のように本発明では少なくとも一部に、両側面に熱源を配置した領域を設けることができる。
連続式加熱炉の各センサーとヒーターの温度制御には、PID制御を用いることができる。なお、PID制御は、プログラムされた所望の温度と実際の温度との偏差を検出し、所望の温度との偏差が0になるように戻す(フィードバック)ための制御方法である。そしてPID制御とは、偏差から出力を計算するときに、「比例(Proportional)」、「積分(Integral)」、「微分(Differential)」的に求める方法である。PID制御の一般式を次に示す。
上記式中、eは偏差、Kはゲイン(添字Pのゲインを比例ゲイン、添字Iのゲインを積分ゲイン、添字Dのゲインを微分ゲイン)、Δtはサンプル時間(サンプリング時間、制御周期)、添字nは現在の時刻を示す。
PID制御を用いることにより、投入された処理物形状および数量による熱量分布の変化に対する炉内温度の温度制御精度を高くすることができる。また電気炉内における搬送は、無摺動方式(例えばウォーキングビーム)を採用することができる。
前記連続式加熱炉は、所望の温度制御が可能なものであればよいが、好ましくは連続投入型電気炉である。例えば、搬送方式が無摺動方式、温度制御がPID制御、温度測定器は“プラチナ製 K熱電対 30ポイント“、最高使用温度は800℃、常用使用温度は590〜650℃、内部雰囲気はドライエアー(オイルダストフリー)、雰囲気制御は入り口エアーカーテン、炉内パージ、出口エアーカーテン、温度制御精度は±3℃、冷却方法は空冷である連続投入型電気炉を使用することができる。後述する吸引のための吸引部は、例えば炉内3ポジションに設けることができる。
連続式加熱炉では、炉内の熱源からの輻射および炉内部からの二次輻射から発せられる輻射熱によって、ガラス素材を所望の温度に加熱することができる。本発明では、連続式加熱炉を成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度分布を有する昇温領域が含まれるように温度制御する。この昇温領域において成形型上のガラス素材を変形可能な温度、好ましくはガラス素材を構成するガラスのガラス転移温度以上の温度まで加熱することができる。昇温領域は、連続式加熱炉の入口から始まる所定領域とすることができる。
連続式加熱炉内は、入口(成形型導入口)側から昇温領域、定温保持領域、および冷却領域が含まれるように温度制御することが好ましい。このように温度制御された炉内を通過するガラス素材は、昇温領域において変形可能な温度まで加熱され、定温保持領域で上面の成形が進行し、その後冷却領域で冷却されて炉外へ排出される。各領域の長さや各領域における搬送速度等は、炉の搬送経路全長および加熱プログラムに応じて適宜設定すればよい。
前記定温保持領域では、成形されるガラス素材を構成するガラスのガラス転移温度以上の温度にガラス素材の温度が保持されることが好ましい。定温保持領域におけるガラス素材の温度は、ガラス転移温度を越えて、ガラス軟化点未満までの温度であることが成形性の点で好ましい。なお、ガラス素材温度は、必ずしも定温保持領域内で常に一定に維持する必要はなく、同領域内でガラス素材温度が1〜15℃程度変化してもよい。一方、前記冷却領域では、定温保持領域で成形されたガラス素材を徐冷して室温まで温度を下げることが好ましい。なお、以下に記載する加熱または冷却温度は、ガラス素材上面の温度をいうものとする。ガラス素材上面の温度は、例えば接触型または非接触型の温度計によって測定することができる。
本発明では、上記昇温領域における搬送方向を、前述のように設定する。好ましくは、成形型の搬送方向と直交し、かつ前記仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるようにガラス素材を配置した成形型を連続式加熱炉の入口から内部へ導入し、炉内部においても同方向で引き続き搬送する。
本発明では、成形に先立ち、成形型成形面上に、ガラス素材を配置する。ガラス素材は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも一部において成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形型と離間するように成形型上に配置することができる。本発明で使用される成形型は、上記の通り面内で曲率が異なる成形面を有する。このような成形面に下面が球面形状のガラス素材を安定に配置するためには、ガラス素材を、下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触するように配置することが好ましい。より好ましくは、少なくとも、ガラス素材下面周縁部の、眼鏡レンズの遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点および近用屈折力測定基準点側の1点が成形面と接触するように、成形型上にガラス素材を配置する。ガラス素材が成形され成形品(鋳型またはその一部)となった場合、該鋳型では、ガラス素材上面(成形面と密着した面とは反対の面)であった面が眼鏡レンズに転写される。前記のガラス素材下面の「屈折力測定基準点に相当する位置」とは、得られる鋳型表面において眼鏡レンズの屈折力測定基準点に転写される部分となるガラス素材上面の部分に対向する、ガラス素材下面の部分をいう。なお、前記3点を支持点としてガラス素材を成形面上に安定に配置するためには、ガラス素材下面を、最終的に得ようとする眼鏡レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状に形成することが好ましい。
図11は、累進屈折力レンズ用鋳型を製造するためのガラス素材の下面と成形型成形面との接触の説明図である。図11中、支持点A、B、Cはガラス素材下面の成形面との接触点である。図11中、2つのアライメント基準位置を通るレンズの水平線(水平基準線または主経線ともいう)に相当する線より上部の支持点A、Bが、遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点であり、子午線より下部の支持点Cが、近用屈折力測定基準点に相当する位置側の1点である。図11に示すように、遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点は、ガラス素材下面における眼鏡レンズの遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線に対して対称に位置することが好ましい。また、近用屈折力測定基準点に相当する位置側の支持点は、図11に示すように、主子午線に相当する線に対して近用屈折力測定基準点と反対の位置に配置されることが好ましい。なお、ガラス素材下面の「遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線」とは、鋳型表面において眼鏡レンズの前記主子午線が位置する部分に転写される部分となるガラス素材上面の部分に対向する、ガラス素材下面の部分をいう。
上記では、少なくとも3点が接触点(支持点)となる態様について説明したが、4点以上で接触(支持)することももちろん可能である。
更に本発明では、ガラス素材を配置した成形型上に、閉塞部材を配置し、ガラス素材を配置した成形型の成形面側開放部を閉塞することもできる。これにより、連続式加熱炉内を通過中にガラス素材上面が空気中の塵や炉内のゴミ等の異物によって汚染されることを防ぐことができる。本発明において使用可能な閉塞部材の詳細は、例えばWO2007/058353A1に記載されている。
昇温領域における成形型の搬送方向は前述の通りであるが、昇温領域での搬送中、成形型の左右方向の位置は一定に維持してもよく、所定の角度および振幅で回転揺動させてもよい。搬送方向中央部を基準としてその左右で温度分布が完全に一致しない場合もあることを考慮すると、左右方向での加熱の均一性を高めるために回転揺動させることが好ましいこともある。本発明によって製造される鋳型により成形可能な眼鏡レンズでは、遠用部と近用部との間に存在する中間領域(累進帯)の曲率は加入屈折力および/またはインセット量によって規定される。一般に加入屈折力および/またはインセット量が大きいほど曲率が大きくなる。本発明では、昇温領域において、加入屈折力および/またはインセット量に基づき決定した角度および振幅で成形型を回転揺動させることが好ましく、加入屈折力またはインセット量が大きいほど、揺動角度および振幅を大きくすることがより好ましい。ただし、昇温領域に前記側方加熱領域が含まれる場合は前述の仮想直線と搬送方向が略直交する状態を維持できる範囲で回転揺動を行う。また、軟化途中のガラスを過度に動かすことは成形精度の点で好ましくないため、回転揺動時の揺動角度は、搬送方向を基準(0°)として、±5〜45°の範囲で設定することが好ましく、振幅は0.01〜1Hzの範囲で設定することが好ましい。例えば、加入屈折力3Dでは揺動角度±45°、加入屈折力2Dでは±25°、加入屈折力1Dでは±5°とすることができる。
昇温領域では大きく変形させるべき部分が高温側に位置するように成形型を搬送するが、昇温領域、定温保持領域、冷却領域、がこの順に位置するように温度制御した連続式加熱炉内はV字型の温度勾配をとるため、ある部分を過ぎると搬送方向に向かって後方側が高温となる。そこで、本発明では昇温領域を過ぎても大きく変形させるべき部分が高温側に位置するように、所定位置において成形型を回転させることが好ましい。通常、炉内最高温度領域は定温保持領域内にあるため、定温保持領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側と反対側の部分に成形面上で曲率が最小となる部分が含まれるように成形型を回転することが好ましい。例えば定温領域内の比較的初期領域において、好ましくはガラス素材温度がガラス転移温度以上となった後に成形型を180°反転させることができる。大きく変形させるべき部分を高温側に位置させるために、冷却領域でも上記反転後の方向を維持して成形型を搬送することが好ましい。また、側方加熱領域が定温保持領域に含まれる場合は上記回転後に前記仮想直線と搬送方向が略直交するように搬送を続ける。
本発明において使用される連続式加熱炉は、前述の回転揺動および上記回転を可能にするために、左右に180°回転可能な回転機構を有することが好ましい。例えば、成形型が載置されているベース(支持台)に、成形型の幾何中心に位置するように回転軸を設けることができる。上記回転軸を、炉外の駆動モーターと連結することにより駆動力を伝達および制御することができる。ステッピングモーターとシーケンサーにより上記制御を行うことにより、回転速度、角度、回転方向等自在に制御することが可能である。なお回転機構は、炉内の任意の位置に配置することができるが、後述する吸引部のみに配置することも好適である。
連続式加熱炉内でのガラス素材の成形速度を高め生産性を向上するために、成形面から成形面と反対の面へ貫通する貫通孔を有する成形型を使用し、成形時に貫通孔を通して吸引を行うこともできる。貫通孔を有する成形型については、WO2007/058353A1に詳細に記載されている。吸引による変形促進効果を顕著に得ることができる温度域は、通常定温保持領域であるため、本発明では、上記吸引を定温保持領域において行うことが好ましい。
次に、本発明の製造方法の具体的態様について説明する。
連続式加熱炉内の温度制御は、所定時間を1サイクルとして行われる。
以下に、17時間を1サイクルとする温度制御の一例を説明する。但し、本発明は以下に示す態様に限定されるものではない。
炉内の温度制御は、7つの工程で行うことができる。第一の工程は(A)予備昇温工程、第二の工程は(B)急速加熱昇温工程、第三の工程は(C)低速加熱昇温工程、第四の工程は(D)定温保持工程、第五の工程は(E)低速冷却工程、第六の工程は(F)急速冷却工程、第七の工程は(G)自然冷却工程である。
第一の工程である(A)予備昇温工程においては、室温付近の一定温度で90分間固定する。ガラス材料各部の温度分布を均一にし、加熱軟化加工の温度制御によるガラス材の熱分布が容易に再現できるようにするためである。固定する温度は室温程度(約20〜30℃)の何れかの温度にて行う。
第二の工程は(B)急速加熱昇温工程であり、室温(例えば25℃)からガラス転移温度(以降Tgともいう)−50℃(以降T1ともいう)まで、例えば4℃/minの速度で約90分加熱する。そして第三の工程である(C)低速加熱昇温工程は、温度T1からガラス軟化点より約−50℃(以降T2ともいう)まで、例えば2℃/minで120分間加熱する。第四の工程である(D)定温保持工程は、温度T2で約60分温度一定にする。
温度T2で加熱されたガラス材料は定温保持工程で30分加熱する。更に温度T2で30分加熱を行うが、前述のように貫通孔を有する成形型を使用する場合には、後半の30分において、成形型の貫通孔からの吸引処理も併せて行うことができる。吸引処理は、電気炉外部に設置された吸引ポンプを作動させて行うことができる。吸引ポンプが吸引を行うと陰圧が発生し、陰圧は成形型の貫通孔を通して成形型に載置されたガラス材料を吸引する。電気炉の温度T2で加熱が開始されてから30分後から所定の耐熱性母型の吸引口により、例えば80〜150mmHg(≒1.0×104〜1.6×104Pa)の圧力で吸引する。
吸引が完了すると、ガラス材料の成形型への熱軟化変形が完了する。熱軟化変形完了後、冷却を行う。冷却工程である第五の工程(E)低速冷却工程は、Tgの−100℃(以降T3ともいう)まで、例えば1℃/minの速度で約300分間冷却し、軟化による形状変化を定着させる。またこの低速冷却工程は、ガラスの歪みを除くアニールの要素も含んでいる。
次いで、第六の工程である(F)急速冷却工程において、速度約1.5℃/minで約200℃程度まで冷却する。軟化加工を終了したガラスと成形型は、自らの熱収縮や温度変化に対する相互の熱膨張係数の違いにより破損するおそれがある。従って破損しない程度に温度の変化率を小さくすることが好ましい。
さらに、温度が200℃以下になると、第七の工程である(G)自然冷却工程を行う。(G)自然冷却工程において、200℃以下になると以降は自然冷却により室温まで冷却する。
軟化加工が完了すると、ガラス材料下面と型成形面が互いに雌雄の関係になる。一方ガラス材料上面は、ガラス材下面の形状変形に応じて変形し、所望の光学面が形成される。以上の工程によりガラス光学面を形成した後、ガラス材料を成形型から除去し、成形品を得ることができる。こうして得られた成形品は、トーリック面と累進面との複合面を有する眼鏡レンズ、好ましくは両面非球面型累進屈折力レンズ用鋳型として用いることができる。または周縁部など一部を除去して上記眼鏡レンズ用鋳型として使用することができる。
先に説明した側方加熱領域を含む連続式加熱炉は、本発明のレンズ用鋳型の製造方法に限らず使用することができる。上記連続式加熱炉を使用するレンズ用鋳型の製造方法としては、下記態様(以下、「参考態様A」という)を挙げることができる。
[参考態様A]
被成形ガラス素材を成形面上に配置した成形型を連続式加熱炉内へ導入し、該炉内を搬送しながら加熱処理を施すことにより、上記被成形ガラス素材の上面をトーリック面を形成するための成形面形状に成形する、トーリック面を有するレンズ用鋳型の製造方法であって、
前記成形型として、幾何中心を通過する仮想直線上に、該直線上で曲率が最大となる点を2点、幾何中心からの距離が略等しい対向する位置に有する成形面を有する成形型を使用すること、および、
前記連続式加熱炉として、両側面に熱源が配置された領域(側方加熱領域)を含む連続式加熱炉を使用し、かつ、上記領域において、成形型搬送方向が上記仮想直線と略直交するように成形型を搬送すること、
を含む前記製造方法。
前記側方加熱領域は、被成形ガラス素材を該ガラスのガラス転移温度以上に加熱する領域を含むことができる。
参考態様Aにより製造されるレンズ用鋳型は、乱視屈折力レンズ用鋳型であることができる。
参考態様Aにおいて成形される被成形ガラス素材は、下面が球面、平面もしくは中心対称性を有する非球面であるガラス、上面および下面が球面であるガラス、または前記いずれかの形状を有するガラスであって上面に乱視成分(トーリック)を含むガラスであることができる。
以下、参考態様Aについて説明する。
トーリック面を有する眼鏡レンズとしては、態様IIについて説明したような両面非球面型累進屈折力レンズのほかに、乱視矯正用レンズがある。これらトーリック面を有する眼鏡レンズは、主経線上の対称の位置に、曲率が最大となる点を2点有する。曲率が最大となる点では、主経線上で最もカーブが深くなる。このようなトーリック面を形成するためのモールドの成形面も、主経線に対応する軸上に、曲率が最大となる点を2点、対称の位置に有する。更には、熱垂下成形法により上記モールド成形面を成形するための成形型の成形面においても、モールド成形面と同様に主経線に対応する軸上に、曲率が最大となる点を2点、対称の位置に有する。即ち、上記成形型成形面では、曲率が最大となる点を2点、幾何中心を基準として対称の位置に有する軸が存在する。
そこで本発明者らは、態様IIについて説明したように、この形状的特徴を利用し、被成形ガラス素材を配置した上記成形面を有する成形型を、両側面に熱源を配置した連続式加熱炉内を、上記軸が搬送方向とほぼ直交するように通過させることにより、加熱軟化による変形を制御し、モールド成形面を容易に形成できることを新たに見出した。例えば入口から出口に向かって高温となるような温度分布を有する連続式加熱炉内で、被成形ガラス素材を上記形状の成形面上に配置して成形しようとすると、搬送方向側(高温側)ほど早く変形するため、ガラス素材下面の位置によって成形型成形面と密着するタイミングが大きく異なり、眼鏡矯正に不要なアスティグマが発生したり、設計値からの誤差が非対称となり眼鏡の装用感が低下することがある。これに対し、連続式加熱炉内に両側面に熱源を配置した領域を設けた上で、この領域に上記軸と搬送方向がほぼ直交するように成形型を搬送すれば、最も大きく変形させるべき部分を左右均等に加熱することができ、ガラス素材下面と成形型成形面との密着のタイミングを面内各部で揃えることができる。参考態様Aは、以上の知見に基づき完成された。参考態様Aによれば、優れた装用感を有する乱視矯正用レンズを成形可能な眼鏡レンズ用鋳型を高い生産性をもって製造することができる。
参考態様Aにおいて、前記仮想直線は、処方値の乱視軸に基づいて特定することが好適である。眼鏡レンズの光学面は球面屈折力のみからなる単焦点レンズを除けば一般に非中心対称な形状である。トーリック成分を含むレンズは、光学中心を通る直線に対して対称性を有する(以下、軸対称性を有するともいう)。トーリック成分は乱視の程度により適宜必要な大きさが処方される。乱視の大きさと乱視軸方向は処方値に含まれており、レンズ受注時の処方箋に明記され参照することができる。一般に乱視屈折力および乱視軸の方向はレンズ受注毎に異なる。トーリック面と中心対称な形状(球面屈折力レンズ)の融合面(トーリックまたはアトーリック光学面)の場合はトーリック成分の大きさにかかわらず、レンズ面の曲率の最大最小軸方向はトーリック軸方向にのみ依存している。前記最大最小軸方向は、処方を参照すれば特定する事が可能である。例えば処方値の乱視屈折力がマイナス表示の場合、乱視軸方向が最大曲率半径を有している。一方最小曲率半径を有する軸方向は乱視軸に直交する方向である。従って、成形型の形状としてガラス材料の変形量が大きな軸方向は処方値の乱視軸に対して直交する方向と特定することができる。処方値の乱視屈折力表示が+の場合、処方値の乱視軸と一致する方向が最小曲率半径を有する軸方向である。従って成形型の形状として、ガラス素材の変形量が大きな軸方向は処方値の乱視軸と一致する方向と特定することができる。処方値の表示方法(乱視屈折力+表示または−表示)により異なるが、乱視屈折力軸方向を搬送方向または搬送方向と直交する方向に成形型を配置することができる。
その他参考態様Aの詳細は、先に本発明のレンズ用鋳型の製造方法について説明した通りである。参考態様Aでは、ガラス光学面を形成した後、ガラス材料を成形型から除去し、成形品を得ることができる。こうして得られた成形品は、トーリック面を有する眼鏡レンズ、好ましくは乱視矯正用眼鏡レンズ、より好ましくは乱視屈折力レンズ用鋳型として用いることができる。または周縁部など一部を除去して眼鏡レンズ用鋳型として使用することができる。参考態様Aによれば、乱視矯正用レンズ用鋳型を生産性よく容易に製造することができる。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
連続式加熱炉内の温度分布の確認
炉内全域にわたって上下両側面に板状のヒーターを配置した連続式加熱炉内でのガラス素材の温度分布の評価を下記条件にて行った。
内部に横方向に2列、縦方向に54タクトを有し、横方向の2列には耐熱ステンレスの上に各3個のセラミックス型とプリフォーム(ガラス素材)を載せることができる電気炉を使用した。それぞれについて、各プリフォーム表面上に最大4方向と中心の温度分布測定を行った。搬送系に問題のないと思われる最大数のセンサー19本を用いて測定を行った。図12に、横方向のセンサーレイアウトを示す。測温位置は中心と外周側のプリフォーム周辺部は外周より10mm内側とし、最小番号を電気炉出口側として配置した。尚、図12中、図示しない番号16のセンサーは、室温測定用センサーである。
上記のようにセンサーを配置した電気炉に、通常量産投入時を挿入し、センサー位置の前後にはダミーのセラミックス型を配置した後、炉内を前述の具体的態様に示した温度分布に制御し電気炉を稼動させた。図13に、電気炉内レイアウトを示す。
図14に、番号11、12、13、14のセンサーによって測定された測温(中心部)偏差結果を示す。図14に示すように、横方向各6個のプリフォーム中心温度は600℃以上の範囲で±5℃に抑えられていた、ガラス転移温度Tg(485℃)から最高温度までの昇温の範囲で約±15℃の差が認められた。例えば電気炉の進行方向を軸としてTgより最高温度までは進行方向側が15℃高く、最高温度付近では進行方向側が平均5℃低い状況が確認された。
横方向のプリフォーム6個全ての温度測定を行い、電気炉内のレンズ上での進行方向と進行方向に直交する方向の温度分布を評価した結果を図15に示す。図15に示すように、プリフォーム上の進行方向前後での温度差は加熱昇温工程で最も大きく、加熱昇温工程の最終段階となるTg以上の最高温度にて温度差は縮小した。さらに低温保持工程の初期で温度差は0となり、一転進行方向側の温度が低くなった。以降低速冷却工程から急速冷却工程においては前記温度差の状態が維持されていた。
[実施例1]
両面球面で法線方向に等厚な2種類のガラスプリフォームを、トーリック面と遠用部と近用部を含む累進面との複合面を有する両面非球面型累進屈折力レンズに対応する成形面を有する成形型の成形面上に配置した。次いで、プリフォームを配置した成形型を、成形面の幾何中心から周縁部へ向かって平均曲率が最大となる方向が搬送方向と一致するように電気炉内へ導入し炉内で搬送した。この状態で、成形型成形面の、トーリック面の乱視軸に相当する直線と搬送方向とのなす角度は、90°であった。電気炉内の温度制御は前述の具体的態様と同様にした。定温保持工程中、プリフォームの温度がTgを超えた時点で成形型からの吸引および成形型の180°反転を行った。炉外へ排出されたガラス素材の上面形状の設計値からの形状誤差(測定値−設計値)をタリサーフによって測定した。結果を図16に示す。
[比較例1]
電気炉導入時の成形型の向きを180°変えた点以外は実施例1と同様の2種類のガラスプリフォームの加熱成形を行った。実施例1と同様に炉外へ排出されたガラス素材の上面形状の設計値からの形状誤差を測定した。結果を図17に示す。
図16に示すように、実施例1では誤差量は0.03D以下であり誤差の絶対量を小さくすることができた。更に実施例では誤差分布の対称性も維持されていた。レンズ製造における誤差量の対称性が保たれることにより、眼鏡矯正に不要なアスティグマの発生を抑制することができる。同時に誤差量の非対称性に起因する眼鏡レンズ装用状態における違和感を低減することができる。
これに対し、図17に示すように比較例1では誤差に対称性がみられず、誤差量も大きかった。
本発明によれば累進屈折力レンズ用鋳型、より詳しくは両面非球面型累進屈折力レンズ用鋳型を生産性よく容易に製造することができる。
熱垂下成形法の説明図を示す。 法線方向に実質的に等厚なガラスの一例(断面図)を示す。 成形型成形面上の遠用部測定基準点に相当する位置および近用部測定基準点に相当する位置の配置例を示す。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 昇温領域における成形型の搬送方向決定方法の説明図である。 累進屈折力レンズ用鋳型を製造するためのガラス素材の下面と成形型成形面との接触の説明図である。 連続式加熱炉内の温度分布の確認に使用したセンサーのレイアウトを示す。 連続式加熱炉内の温度分布の確認時の電気炉内レイアウトを示す。 連続式加熱炉内の温度分布の確認結果(測温(中心部)偏差結果)を示す。 連続式加熱炉内の温度分布の確認結果(進行方向と進行方向に直交する方向の温度分布)を示す。 実施例1において成形されたガラス素材の上面形状の設計値からの形状誤差を示す。 比較例1において成形されたガラス素材の上面形状の設計値からの形状誤差を示す。

Claims (12)

  1. 被成形ガラス素材を成形面上に配置した成形型を連続式加熱炉内へ導入し、該炉内を搬送しながら加熱処理を施すことにより、上記被成形ガラス素材の上面を、累進面を含む面を形成するための成形面形状に成形する、レンズ用鋳型の製造方法であって、
    前記連続式加熱炉を、成形型搬送方向に向かって温度が上昇する温度分布を有する昇温領域が含まれるように温度制御すること、
    前記成形型として、成形面上で曲率分布を有する成形型を使用すること、ならびに、
    上記昇温領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を搬送すること、
    を含む前記製造方法。
  2. 前記昇温領域における搬送は、成形面の幾何中心から周縁部へ向かって平均曲率が最大となる方向が搬送方向と略等しくなるように行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記連続式加熱炉を、成形型導入口側から、前記昇温領域、定温保持領域、および冷却領域がこの順に配置されるように温度制御する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記昇温領域において、成形型を回転揺動することを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 上記回転揺動における揺動角度および振幅は、前記レンズの加入屈折力および/またはインセット量に基づき決定される請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記回転揺動における揺動角度は搬送方向を基準として±5〜45°の範囲であり、かつ振幅は0.01〜1Hzの範囲である請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 前記定温保持領域において、成形型の搬送方向と直交し、かつ成形面の幾何中心を通過する仮想直線によって二分される搬送方向側と反対側の部分に成形面上で曲率が最大となる部分が含まれるように成形型を回転することを含む請求項3〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記定温保持領域において搬送される成形型上に配置された被成形ガラス素材の温度は、該ガラスのガラス転移温度以上の温度である請求項3〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記累進面を含む面は、トーリック面と累進面との複合面であり、
    前記成形型は、前記仮想直線上に、該直線上で曲率が最大となる点を2点、幾何中心からの距離が略等しい対向する位置に有し、
    前記連続式加熱炉として、両側面に熱源が配置された側方加熱領域を含む連続式加熱炉を使用すること、および、
    上記側方加熱領域において、成形型搬送方向が上記仮想直線と略直交するように成形型を搬送すること、
    を更に含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記側方加熱領域は、被成形ガラス素材を該ガラスのガラス転移温度以上に加熱する領域である請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記被成形ガラス素材として、下面が球面、平面または中心対称性を有する非球面であるガラスを使用する請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記被成形ガラス素材として、上面および下面が球面であるガラスを使用する請求項11に記載の製造方法。
JP2009551402A 2008-01-31 2008-11-25 レンズ用鋳型の製造方法 Expired - Fee Related JP5319555B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009551402A JP5319555B2 (ja) 2008-01-31 2008-11-25 レンズ用鋳型の製造方法

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008020921 2008-01-31
JP2008020860 2008-01-31
JP2008020875 2008-01-31
JP2008020875 2008-01-31
JP2008020860 2008-01-31
JP2008020921 2008-01-31
PCT/JP2008/071352 WO2009096085A1 (ja) 2008-01-31 2008-11-25 レンズ用鋳型の製造方法
JP2009551402A JP5319555B2 (ja) 2008-01-31 2008-11-25 レンズ用鋳型の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009096085A1 JPWO2009096085A1 (ja) 2011-05-26
JP5319555B2 true JP5319555B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=40912445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009551402A Expired - Fee Related JP5319555B2 (ja) 2008-01-31 2008-11-25 レンズ用鋳型の製造方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP2248646A4 (ja)
JP (1) JP5319555B2 (ja)
CN (1) CN101965256B (ja)
BR (1) BRPI0822108A2 (ja)
WO (1) WO2009096085A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007058352A1 (ja) 2005-11-18 2007-05-24 Hoya Corporation 成形品の製造方法、成形型およびその製造方法
JP5042032B2 (ja) 2005-11-18 2012-10-03 Hoya株式会社 成形品の製造方法、ガラス素材、ならびにガラス素材および成形型の面形状決定方法
RU2416576C2 (ru) 2005-11-30 2011-04-20 Хойа Корпорейшн Способ производства формованного изделия, покрывающий элемент и формовочное устройство, содержащее таковой
WO2010098136A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 Hoya株式会社 レンズ用鋳型の製造方法および眼鏡レンズの製造方法
US8641937B2 (en) 2009-02-27 2014-02-04 Hoya Corporation Method of manufacturing lens casting mold and method of manufacturing eyeglass lens
SG193896A1 (en) * 2011-04-21 2013-11-29 Hoya Corp Method for manufacturing glass blank for magnetic disk, method for manufacturing glass substrate for magnetic disk, glass blank for magnetic disk, glass substrate for magnetic disk, and magnetic disk
JP6096019B2 (ja) 2012-03-26 2017-03-15 Hoya株式会社 モールド用成形型、モールド及び眼鏡レンズの製造方法
JP6106035B2 (ja) * 2012-06-29 2017-03-29 Hoya株式会社 ガラス塊の製造装置、ガラス塊の製造方法、ガラス成形品の製造方法及び光学素子の製造方法
CN104297943B (zh) * 2014-10-09 2017-09-05 河南工业职业技术学院 光学玻璃渐进多焦点镜片及其制作方法和应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007058353A1 (ja) * 2005-11-18 2007-05-24 Hoya Corporation 成形品の製造方法、ガラス素材、ならびにガラス素材および成形型の面形状決定方法
WO2007063735A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Hoya Corporation 成形品の製造方法、閉塞部材およびそれを含む成形装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63306390A (ja) 1987-06-03 1988-12-14 日本特殊陶業株式会社 熱処理方法
US5147437A (en) * 1988-07-25 1992-09-15 Bristol Alexander C Invisible flat-top mold blank and method for manufacturing same
JPH04275930A (ja) * 1991-02-26 1992-10-01 Asahi Optical Co Ltd 熱軟化性物質の熱垂下成形方法及び成形装置
JPH06130333A (ja) * 1992-10-20 1994-05-13 Toray Ind Inc 多焦点眼鏡レンズ用ガラスモールドの製造方法
JPH10291828A (ja) * 1997-04-21 1998-11-04 Asahi Glass Co Ltd ガラス板の成形装置
JPH1149528A (ja) * 1997-06-06 1999-02-23 Minolta Co Ltd ガラス素子の成形方法
BE1016542A3 (fr) * 2005-03-10 2007-01-09 Glaverbel Procede et dispositif de bombage de feuilles de verre.

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007058353A1 (ja) * 2005-11-18 2007-05-24 Hoya Corporation 成形品の製造方法、ガラス素材、ならびにガラス素材および成形型の面形状決定方法
WO2007063735A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Hoya Corporation 成形品の製造方法、閉塞部材およびそれを含む成形装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101965256A (zh) 2011-02-02
BRPI0822108A2 (pt) 2015-06-30
EP2248646A1 (en) 2010-11-10
JPWO2009096085A1 (ja) 2011-05-26
EP2248646A4 (en) 2014-10-01
WO2009096085A1 (ja) 2009-08-06
CN101965256B (zh) 2013-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5319555B2 (ja) レンズ用鋳型の製造方法
JP5615799B2 (ja) レンズ用鋳型の製造方法および眼鏡レンズの製造方法
JP5496179B2 (ja) レンズ用鋳型の製造方法および眼鏡レンズの製造方法
JP5042032B2 (ja) 成形品の製造方法、ガラス素材、ならびにガラス素材および成形型の面形状決定方法
CN101312920B (zh) 成形品的制造方法、玻璃坯料、以及玻璃坯料及成形模型的面形状决定方法
JP5393664B2 (ja) レンズ用鋳型の製造方法
JP5121460B2 (ja) 成形品の製造方法、閉塞部材およびそれを含む成形装置
US20110304064A1 (en) Method of manufacturing lens casting mold
JP5042033B2 (ja) 成形品の製造方法、保持部材および成形装置
JP2013533190A (ja) 貼り付けられる成形ガラス物品およびその製造方法
RU2412915C2 (ru) Способ производства формованного изделия, стекломатериал и способ определения формы стекломатериала и шаблона

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110913

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees