JP5319483B2 - 配置設計装置および配置設計方法ならびにプログラムおよびこれを記録した記録媒体 - Google Patents

配置設計装置および配置設計方法ならびにプログラムおよびこれを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば建物の屋根に設置される複数の太陽電池モジュールのレイアウトを設計する際に好適に用いられる配置設計装置および配置設計方法ならびにプログラムおよびこれを記録した記録媒体に関する。
近年、環境問題への意識の高まりとともに、公共の建物のみならず、一般の家屋にも太陽光発電装置の設置が普及している。太陽光発電装置は、太陽光による光エネルギーを直接電力に変換する装置であり、発電時に二酸化炭素などを発生しない。したがって太陽光発電装置は、他の発電装置に比べて周囲の環境への影響が少なく、クリーンな発電装置として用いられている。この太陽光発電装置を設置するためには、光エネルギーを電力に変換するための太陽電池モジュールを、家屋などの建物の屋根面に配置する必要がある。
通常、太陽電池モジュールを配置すべき屋根面の形状は、建物ごとに異なっている。したがって、屋根面ごとに太陽電池モジュールの配置、すなわちレイアウトを設計しなければならない。従来から、太陽電池モジュールのレイアウト設計を支援する装置である配置設計装置が、複数提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−143912号公報
最近では、屋根面に対して太陽電池モジュールを配置するために、外形寸法、詳細には受光側表面の輪郭の寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールが利用される場合が多い。この場合には、1つの屋根面に対して設計可能なレイアウトの数も増大することとなる。このように複数のレイアウトが設計されると、ユーザは、レイアウトを選択する際に、総費用および総出力値など予め定める評価事項に基づいて決定しがちである。
従来の配置設計装置は、設計したレイアウトごとに、そのレイアウトについての総費用および総出力値などの情報を出力可能に構成されているので、ユーザは、その出力された情報を基にレイアウトを決定することができる。しかしながら、従来の配置設計装置は、ユーザの要求に基づく特定の評価事項について最良の結果を与えるレイアウトを設計するようには構成されていないので、現状では、ユーザは、すべてのレイアウトを網羅した上で、前記最良の結果を与えるレイアウトを選択しなければならない。したがって、ユーザは、所望のレイアウトを選択するために多くの時間を費やさなければならないという問題がある。
本発明の目的は、特定の評価事項について最良の結果を短時間でユーザに与えることのできる配置設計装置および配置設計方法ならびにプログラムおよびこれを記録した記録媒体を提供することである。
本発明は、太陽電池モジュールが配置されるべき配置対象領域に対し、外形寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールを用いて太陽電池モジュールのレイアウトを設計する配置設計装置であって、
配置対象領域を表す領域情報を取得する領域情報取得手段と、
各太陽電池モジュールの外形寸法と予め定める評価事項の尺度を表す指標とを含むモジュール情報を取得するモジュール情報取得手段と、
領域情報取得手段によって取得された領域情報およびモジュール情報取得手段によって取得されたモジュール情報に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成するレイアウト作成手段と、
レイアウト作成手段によって作成されたレイアウトを表す配置情報を出力する配置情報出力手段とを含み、
前記レイアウト作成手段は、配置対象領域の幅方向または高さ方向に沿う一列分の太陽電池モジュールのレイアウトに関して、前記指標の総和が最大または最小となるように太陽電池モジュールの種類ごとの枚数を決定し、その一列分の各枚数に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成することを特徴とする配置設計装置である。
また本発明は、太陽電池モジュールが配置されるべき配置対象領域に対し、外形寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールを用いて太陽電池モジュールのレイアウトを設計する配置設計方法であって、
配置対象領域を表す領域情報を取得する領域情報取得工程と、
各太陽電池モジュールの外形寸法と予め定める評価事項の尺度を表す指標とを含むモジュール情報を取得するモジュール情報取得工程と、
領域情報取得工程によって取得された領域情報およびモジュール情報取得工程によって取得されたモジュール情報に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成するレイアウト作成工程と、
レイアウト作成工程によって作成されたレイアウトを表す配置情報を出力する配置情報出力工程とを含み、
前記レイアウト作成工程は、配置対象領域の幅方向または高さ方向に沿う一列分の太陽電池モジュールのレイアウトに関して、前記指標の総和が最大または最小となるように太陽電池モジュールの種類ごとの枚数を決定し、その一列分の各枚数に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成することを特徴とする配置設計方法である。
また本発明は、コンピュータに前記配置設計方法を実行させるためのプログラムである。
また本発明は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、モジュール情報取得手段によって取得されるモジュール情報には、たとえば各太陽電池モジュールの最大出力値および単価など、設計された太陽電池モジュールのレイアウトをユーザが評価するために利用される指標が含まれ、レイアウト作成手段は、配置対象領域の幅方向または高さ方向に沿う一列分の太陽電池モジュールのレイアウトに関して、該指標の総和が最大または最小となるように太陽電池モジュールの種類ごとの枚数を決定し、その一列分の各枚数に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成する。したがって、配置設計装置は、ユーザに対して、特定の評価事項について最良の結果を短時間で与えることができる。また、ユーザにとっては、試行錯誤的に設計された複数のレイアウトを一つ一つ確認する手間を省くことができ、要求に沿ったレイアウトを短時間で抽出することができる。
本発明の一実施形態である配置設計装置10を示すブロック図である。 配置設計装置10の制御系のブロック図である。 領域情報取得部11の構成を示すブロック図である。 切妻屋根における矩形状の屋根面S1と配置対象領域S2とを説明するための図である。 太陽電池モジュール1の受光側表面の外形寸法を説明するための図である。 レイアウト作成部13の構成を示すブロック図である。 配置設計装置10によるレイアウト設計のための演算処理の手順を示すフローチャートである。 図7におけるステップs3のレイアウト作成工程を詳細に示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの配置設計装置について説明する。本発明に係る配置設計装置は、太陽電池モジュールが配置されるべき配置対象領域に対し、外形寸法、より詳細には、受光側表面の輪郭の寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールを用いて、太陽電池モジュールのレイアウトを設計するための設計支援装置である。本発明に係る配置設計装置は、特に、既存の家屋の屋根における太陽電池モジュールの設置面について、太陽電池モジュールのレイアウトを設計するために好適に用いることができる。
以下の説明においては、家屋屋根の屋根面を設置面として説明するが、これに限らず、太陽電池モジュールを設置可能な平坦な面を設置面として、本発明に係る配置設計装置を用いることができる。
ここで、配置対象領域とは、設置面全体の領域のうち、太陽電池モジュールを設置可能な領域であるものとする。たとえば設置面が屋根面である場合、構造的に弱い屋根面の周縁部分など太陽電池モジュールを配置することができない配置禁止領域が存在する場合がある。この場合、設置面全体の領域から配置禁止領域を除いた残余の領域が、配置対象領域に相当する。
太陽電池モジュールは、太陽光をエネルギー源として発電を行う太陽光発電装置を構成するための一要素であり、複数の太陽電池素子を直列および/または並列に接続した太陽電池素子群を備え、大略的にパネル状に形成される。太陽電池モジュールは、たとえば、太陽光線が入射する受光面側に透明なカバーを配設し、受光面とは反対側に裏面基板を配設し、透明カバーと裏面基板との間に透明な充填材を充填し、その充填材の中に太陽電池素子群を配設することによって、パネル状に形成される。なお、太陽電池モジュールを構成する太陽電池素子は、単結晶、多結晶、微結晶、アモルファスおよび化合物半導体などいずれから成るものであってもよい。
図1は、本発明の一実施形態である配置設計装置10を示すブロック図である。また図2は、配置設計装置10の制御系のブロック図である。
図2に示すように、配置設計装置10は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ100によって実現される。具体的には、配置設計設計方法をコンピュータに実行させるためのプログラム(以後、「配置設計プログラム」という場合もある)が、たとえばコンピュータ読取可能な記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)112aに格納されている。
コンピュータは、コンピュータ本体110と、入力装置121および出力装置122からなる周辺機器120とを含む。コンピュータ本体110は、中央演算処理装置であるCPU111(Central Processing Unit)と前記ROM112aとRAM(Random Access Memory)112bとから成るマイクロコンピュータと、補助記憶装置としてのハードディスク装置113と、入出力インタフェース114と、バス115と、図示しない駆動回路とを有する。
CPU111と、ROM112aと、RAM112bと、ハードディスク装置113と、入出力インタフェース114とは、バス115を介して電気的に接続されている。なお配置設計プログラムは、CPU111にて実行される。
CPU111は、ROM112aに格納されている配置設計プログラムを起動させることによって、領域情報取得部11、モジュール情報取得部12、レイアウト作成部13および配置情報出力部14の機能を実現する。
入出力インタフェース114には、入力装置121が電気的に接続されている。また、入出力インタフェース114には、駆動回路を介して出力装置122が電気的に接続されている。ユーザは、このようなコンピュータ本体110および周辺機器120を用いて、ユーザーの希望する太陽電池モジュールのレイアウトを、後述するように迅速にかつ簡単に設計することができる。
入力装置121は、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイス121aおよびキーボード121bによって構成される。入力装置121は、ユーザによって入力された情報を、入出力インタフェース114を介して、CPU111に与える。
出力装置122は、情報を可視表示するためのディスプレイ122aおよび情報を紙などの記録用紙に印字するプリンタ122bによって構成される。ディスプレイ122aは、たとえばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイおよび液晶ディスプレイなどによって実現される。出力装置122は、制御部111から入出力インタフェース114を介して送られてきた情報を出力する。
以下、配置設計装置10における前記各機能部11〜14について詳細に説明する。
領域情報取得部11は、配置対象領域を表す情報である領域情報を取得する。図3は、領域情報取得部11の構成を示すブロック図である。領域情報取得部11は、屋根面を表す情報である屋根面情報を生成する屋根面情報生成部11aと、前記領域情報を生成する領域情報生成部11bとを含み、領域情報生成部11bが領域情報を生成することによって領域情報を取得する。
ここで、領域情報について説明する。図4は、切妻屋根における矩形状の屋根面S1と配置対象領域S2とを説明するための図である。領域情報には、配置対象領域S2の外形寸法を表す領域外形情報と、配置対象領域S2を規定している矩形状の輪郭(以下、「対象領域輪郭」と称する)C2を形成する各線分C21〜C24が屋根面S1におけるいずれの稜線に対応するかを表す領域稜線情報とが含まれる。
領域外形情報は、対象領域輪郭C2の外形寸法を表す情報であり、二次元直交座標系における座標を用いて表すことができる。具体的には、領域外形情報には、対象領域輪郭C2における各頂点P1〜P4の座標を表す座標情報、および、対象領域輪郭C2を形成している各線分C21〜C24を表す線分情報などが含まれる。さらに、該線分情報には、どの2つの頂点に亘ってその線分が延在しているかを表す頂点情報、および、線分の長さを表す長さ情報などが含まれる。
領域稜線情報は、対象領域輪郭C2を形成している各線分C21〜C24が、軒、棟およびけらばなどいずれの稜線に対応するかを表す情報である。たとえば、図4に示すように、屋根面S1の周縁部分に配置禁止領域S3が存在する場合には、領域稜線情報は、各線分C21〜C24がどの稜線をオフセットして得られたのかを表す情報である。
ここで、軒は、屋根面S1における下端部の稜線とし、棟は、屋根面S1における上端部の稜線とする。また、けらばは、屋根面S1における側端部の稜線のうち、軒および棟に対して直交して延びる稜線とする。
したがって、図4に示すように、切妻屋根における矩形状の屋根面S1は、軒、棟および2つのけらばによって包囲される。なお、以下の説明において、配置対象領域S2の幅方向(すなわち、軒および棟に対応する線分C21,C22が延びる方向)を水平方向と称し、配置対象領域S2の高さ方向(すなわち、けらばに対応する線分C23,C24が延びる方向)を屋根傾斜方向と称する場合がある。
屋根面情報生成部11aは、ユーザがCAD(Computer Aided Design)装置を利用して、XY直交座標系において、屋根面S1の輪郭C1を描画し、輪郭C1の各線分C11〜C14に対して後述する屋根面稜線情報を与えることによって、または、予め作成された屋根面S1のCADデータをCAD装置にインポートすることによって、屋根面情報を生成する。屋根面情報には、矩形状の屋根面S1の外形寸法を表す屋根面外形情報と、屋根面S1を規定している輪郭C1を形成する各線分C11〜C14がいずれの稜線に該当するかを表す屋根面稜線情報とが含まれる。
領域情報生成部11bは、ユーザがCAD(Computer Aided Design)装置を利用して、XY直交座標系において、対象領域輪郭C2を描画し、各線分C21〜C24に対して領域稜線情報を与えることによって、または、屋根面情報生成部11aによって生成された屋根面情報に基づき、輪郭C1の各線分C11〜C14に対して、屋根面S1から配置禁止領域S3を除くために所定の距離D1〜D4だけ内方にオフセットすることによって、領域情報を生成する。オフセットすべき距離D1〜D4は、ユーザが入力することによって指定してもよく、各稜線に対して予め決定されている値によって与えられてもよい。
モジュール情報取得部12は、レイアウト設計に用いられる矩形状の太陽電池モジュールに関する情報(以下、「モジュール情報」と称する)を取得する手段である。モジュール情報は、たとえば予めデータベース化されたモジュールデータベース(以下、「モジュールDB」と称する)から取得される。
モジュールDBには、外形寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールごとにモジュール個別情報が格納される。各モジュール個別情報には、機種名情報、寸法情報、指標情報およびモジュール配置基点情報などが含まれる。
機種名情報は、太陽電池モジュールの種類ごとに割り当てられた機種名を表す情報である。
寸法情報は、太陽電池モジュールにおける矩形状の受光側表面の外形寸法を表す情報であり、受光側表面の高さ方向寸法を表す高さ情報と受光側表面の幅方向寸法を表す幅情報とを含む。図5は、太陽電池モジュール1の受光側表面の外形寸法を説明するための図である。太陽電池モジュール1の受光側表面には、受光側表面の輪郭の線分に沿って、予め高さ方向および幅方向が定められ、高さ情報は高さ方向の寸法H1として、幅情報は幅方向の寸法W1として与えられる。
指標情報は、予め定める評価事項の尺度を表す情報である。この指標は、配置設計装置10によって設計された太陽電池モジュールのレイアウトを、ユーザが評価するために利用される。指標情報には、太陽電池モジュールの最大出力値(単位:ワット)を表す出力値情報および太陽電池モジュールの単価を表す単価情報などが含まれる。この最大出力値および単価は、太陽電池モジュールの機種ごとに異なる。
モジュール配置基点情報は、太陽電池モジュールの受光側表面において、予め定められたモジュール配置基点の位置を表す情報である。モジュール配置基点とは、太陽電池モジュールを配置対象領域に対して配置する際に基点とされる点である。たとえば、図5に示すように、モジュール配置基点として、左下、右下、右上および左上の4つの頂点M1〜M4、ならびに、下側縁辺、上側縁辺、左側縁辺、右側縁辺の各中点M5〜M8が予め定められ、モジュール配置基点情報には、これらのモジュール配置基点の位置を表す座標情報が含まれる。
このようなモジュールDBは、予め作成されて、たとえばハードディスク装置113に記憶される。また、ユーザは、このモジュールDBに対して、新たな太陽電池モジュールについてのモジュール個別情報を追加することができる。
本実施形態では、このモジュールDBには、前述するモジュール個別情報のほか、複数のモジュールセット情報が格納される。モジュールセット情報とは、モジュールDBに格納されている複数種類の太陽電池モジュールに対し、受光側表面の輪郭の寸法に基づいて予め組み合わせられたモジュールセットを表す情報である。各モジュールセット情報は、たとえば、そのモジュールセットに含まれている各太陽電池モジュールの機種名情報によって構成される。
このモジュールセットには、同一の高さ寸法を有する太陽電池モジュール同士を組み合わせて構成した高さ均一セットと、同一の幅寸法を有する太陽電池モジュール同士を組み合わせて構成した幅均一セットとが含まれ、高さ寸法ごとに、あるいは、幅寸法ごとに、複数のモジュールセットが予め作成されている。
たとえば、高さ均一セットは、高さ寸法がいずれもHであり、幅寸法がそれぞれW1,W2,…,Wm(ただし、W1>W2>…>Wm)であるm(ただし、mは2以上の整数)個の矩形状の太陽電池モジュールを組み合わせて構成される。
本実施形態におけるモジュール情報取得部12は、レイアウト設計に用いるべきモジュールセットがユーザによって指定されることによって、指定されたモジュールセットを構成している太陽電池モジュールのモジュール情報を、モジュールDBから取得する。
レイアウト作成部13は、領域情報取得部11によって取得された配置対象領域S2の領域情報、および、モジュール情報取得部12によって取得された所定の太陽電池モジュールのモジュール情報に基づいて、その配置対象領域S2に対して、所定の太陽電池モジュールを用いたレイアウトを作成する。
図6は、レイアウト作成部13の構成を示すブロック図である。レイアウト作成部13は、基点設定部131と、指標設定部132と、モジュール枚数決定部133と、レイアウト決定部134とを含む。
基点設定部131は、ユーザによって指定されることによって、または、予め定められた設定に従って、配置対象領域S2に対して、太陽電池モジュールの配置を開始するための基点となる領域配置基点の位置を設定する。さらに、設定した領域配置基点の位置に基づいて、太陽電池モジュールにおけるモジュール配置基点を選択する。たとえば、領域配置基点として配置対象領域S2における左下の頂点が設定され、モジュール配置基点として左下の頂点M1が選択される。
指標設定部132は、ユーザによって指定されることによって、または、予め定められた設定に従って、モジュール枚数決定部133においてモジュール枚数を決定するために用いられる指標の種類を設定する。たとえば、指標の種類として最大出力値が設定される。
モジュール枚数決定部133は、領域情報取得部11によって取得された配置対象領域S2の領域情報、モジュール情報取得部12によって取得された所定の太陽電池モジュールのモジュール情報、および、指標設定部132によって設定された指標の種類に基づいて、配置対象領域S2の列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュールの機種ごとの枚数を決定する。
なお、配置対象領域S2に対して太陽電池モジュールを配置する際には、配置対象領域S2の水平方向と太陽電池モジュールの幅方向とが一致するように配置されるものとする。
ここで、上記の配置対象領域S2の列領域とは、高さ寸法が同一の太陽電池モジュールを一列分配置するために、配置対象領域S2を屋根傾斜方向に分割して形成された領域、または、幅寸法が同一の太陽電池モジュールを一列分配置するために、配置対象領域S2を水平方向に分割して形成された領域のことである。ここで、配置対象領域S2の水平方向寸法をWs、屋根傾斜方向寸法をHsとすると、モジュールセットとして高さ寸法がHmである高さ均一セットが指定されている場合には、列領域は、屋根傾斜方向寸法がHm、水平方向寸法がWsである矩形領域に相当し、モジュールセットとして幅寸法がWmである幅均一セットが指定されている場合には、列領域は、屋根傾斜方向寸法がHs、水平方向寸法がWmである矩形領域に相当する。
以下、太陽電池モジュールの機種ごとの枚数を決定する方法について説明する。
ここで、ユーザによって指定されているモジュールセットは、高さ寸法がいずれもHmで幅寸法がWa,Wb(ただし、Wa>Wb)である2種類の太陽電池モジュール1a,1bによって構成される高さ均一セットであるものとし、各太陽電池モジュール1a,1bの最大出力値は、Out1a,Out1bであるものとする。
モジュール枚数決定部134は、一列分の太陽電池モジュール1a,1bの各枚数I,J(I,Jは0以上の整数)を決定するために、先ず、列領域に対して最大限配置可能な太陽電池モジュール1a,1bの枚数I,Jの組合せを算出する。すなわち、Ws−Wb<Wa×I+Wb×J≦Wsを満足するような枚数I,Jの組合せを算出する。
次に、算出された各組合せに対して、一列分の太陽電池モジュールの総出力値(すなわち、最大出力値の総和)を算出する。たとえば、m(ただし、mは正の整数)番目の組合せにおける一列分の太陽電池モジュール1a,1bの各枚数をIm,Jmとすると、m番目の組合せにおける一列分の太陽電池モジュールの総出力値Out_sumは、Out_sum=Im×Out1a+Jm×Out1bとして算出される。
すなわち、一列分の太陽電池モジュールの総出力値Out_sumは組合せの数だけ算出されることとなり、このうち最も大きな総出力値Out_sumを与えるときの各枚数を、列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュール1a,1bの各枚数I,Jとして決定する。
上記では、2種類の太陽電池モジュールによって構成される高さ均一セットが指定されている場合について説明しているが、3種類以上の太陽電池モジュールによって構成される高さ均一セットが指定されている場合であっても、上記と同様の方法によって列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュールの各枚数を決定することができる。また、幅均一セットが指定されている場合であっても、上記と同様の方法によって列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュールの各枚数を決定することができる。
また上記では、指標の種類として最大出力値が設定されている場合について説明しているが、他の指標が設定されていてもよい。以下、指標の種類として単価が設定されている場合について説明する。
なお、上記と同様に、ユーザによって指定されているモジュールセットは、高さ寸法がいずれもHmで幅寸法がWa,Wb(ただし、Wa>Wb)である2種類の太陽電池モジュール1a,1bによって構成される高さ均一セットであるものとし、各太陽電池モジュール1a,1bの単価は、Pr1a,Pr1bであるものとする。
上記と同様にして、先ず、列領域に対して最大限配置可能な太陽電池モジュール1a,1bの枚数I,Jの組合せを算出する。次に、算出された各組合せに対して、一列分の太陽電池モジュールの総価格(すなわち、単価の総和)を算出する。たとえば、m番目の組合せにおける一列分の太陽電池モジュール1a,1bの各枚数をIm,Jmとすると、m番目の組合せにおける一列分の太陽電池モジュールの総価格Pr_sumは、Pr_sum=Im×Pr1a+Jm×Pr1bとして算出される。
すなわち、一列分の太陽電池モジュールの総価格Pr_sumは組合せの数だけ算出されることとなり、このうち最も小さな総価格Pr_sumを与えるときの各枚数を、列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュール1a,1bの各枚数I,Jとして決定する。
また上記では、指標の種類として1種類のみ設定されているが、指標の種類を複数設定して列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュールの各枚数を決定してもよい。たとえば、指標の種類ごとに予め定められた重み係数を用いることによって、指標の種類を複数設定した場合であっても、列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュールの各枚数を決定することができる。
モジュール枚数決定部133は、上記のようにして、ユーザによって指定された指標の総和が最大または最小となるときの、一列分の太陽電池モジュールの各枚数を決定することができる。
レイアウト決定部134は、基点設定部131によって設定された領域配置基点およびモジュール配置基点、ならびに、モジュール枚数決定部133によって決定された一列分の太陽電池モジュールの機種ごとの枚数に基づいて、配置対象領域S2に対する太陽電池モジュールのレイアウトを決定する。
具体的には、まず、配置対象領域S2の列領域における一列分のレイアウトを決定する。この一列分のレイアウトを決定する際には、たとえば、デザイン性を考慮して、列領域の中心に向かうにつれて、幅寸法または高さ寸法の大きな太陽電池モジュールが配置されるように決定される。
このようにして一列分のレイアウトが決定すると、本実施形態では、この一列分のレイアウトを、配置対象領域S2の水平方向または屋根傾斜方向に並べることによって、配置対象領域S2全体のレイアウトを決定する。これによって、配置対象領域S2において、目地が揃ったレイアウトを決定することができる。また、一列分の太陽電池モジュールの各枚数を指標の総和が最大または最小となるように決定しているので、配置対象領域S2全体のレイアウトについても、指標の総和が最大または最小となるレイアウトを提供することができる。このようにして決定されたレイアウトは、領域配置基点およびモジュール配置基点に基づいて、配置対象領域S2内の所定の位置に配置される。
配置情報出力部14は、レイアウト作成部13によって作成されたレイアウトに関する配置情報を出力する。具体的には、配置対象領域S2に対する太陽電池モジュールのレイアウトおよびそのレイアウトに関する総出力値または総価格を、ディスプレイ122aに表示させる、または、プリンタ122bを用いて記録用紙に印刷することによって、配置情報を出力する。これによって、ユーザは、設計されたレイアウトを確認することができるだけでなく、該レイアウトの総出力値および総価格についても確認することができる。
図7は、配置設計装置10によるレイアウト設計のための演算処理の手順を示すフローチャートである。
ステップs0で、ユーザからの指示に応じて、CPU111がROM112aに格納されている配置設計プログラムを起動することによって、レイアウト設計のための演算処理が開始される。
ステップs1(領域情報取得工程)では、領域情報生成部112が領域情報を生成することによって、領域情報取得部11が領域情報を取得する。領域情報の取得が完了すると、ステップs2に進む。
ステップs2(モジュール情報取得工程)では、モジュール情報取得部12が、ユーザによって指定されたモジュールセットを構成している太陽電池モジュールのモジュール情報を、モジュールDBから取得する。モジュール情報の取得が完了すると、ステップs3に進む。
ステップs3(レイアウト作成工程)では、レイアウト作成部13が、領域情報取得部11によって取得された領域情報およびモジュール情報取得部12によって取得されたモジュール情報に基づいて、配置対象領域S2に対する太陽電池モジュールのレイアウトを作成する。レイアウトが作成されると、ステップs4に進む。
ステップs4(配置情報出力工程)では、配置情報出力部14が、レイアウト作成部13によって作成されたレイアウトに関する配置情報を出力する。具体的には、配置情報をディスプレイ122aに表示させる処理およびプリンタ122bを用いて記録用紙に印刷させる処理の一方または双方を実行する。配置情報の出力が完了すると、ステップs5に進む。
ステップs5では、レイアウト設計のための演算処理が完了する。このようにして、ユーザは、出力された配置情報を容易に確認することができる。
図8は、図7におけるステップs3のレイアウト作成工程を詳細に示すフローチャートである。図7におけるステップs2が終了すると、ステップs30で、レイアウト作成工程が開始される。
ステップs31(基点設定工程)では、基点設定部131が、領域配置基点およびモジュール配置基点を設定する。領域配置基点およびモジュール配置基点が設定されると、ステップs32に進む。
ステップs32(指標設定工程)では、指標設定部132が、モジュール枚数決定部133においてモジュール枚数を決定するために用いられる指標の種類を設定する。指標の種類が設定されると、ステップs33に進む。
ステップs33(モジュール枚数決定工程)では、モジュール枚数決定部133が、配置対象領域S2の列領域に配置すべき一列分の太陽電池モジュールの機種ごとの枚数を決定する。モジュール枚数が決定すると、ステップs34に進む。
ステップs34(レイアウト決定工程)では、レイアウト決定部134が、配置対象領域S2に対する太陽電池モジュールのレイアウトを決定する。レイアウトが決定すると、ステップs35に進む。ステップs35では、レイアウト作成工程が完了する。レイアウト作成工程が完了すると、図7におけるステップs4の配置情報出力工程が開始される。
以上に説明するように、配置対象領域S2の幅方向または高さ方向に沿う一列分の太陽電池モジュールのレイアウトに関して、指標の総和が最大または最小となるように太陽電池モジュールの種類ごとの枚数を決定し、その一列分の各枚数に基づいて、配置対象領域S2全体に対するレイアウトを作成する。したがって、配置設計装置10は、ユーザに対して、特定の評価事項について最良の結果を短時間で与えることができる。また、ユーザにとっては、試行錯誤的に設計された複数のレイアウトを一つ一つ確認する手間を省くことができ、要求に沿ったレイアウトを短時間で抽出することができる。なお、本実施形態においては、矩形状の配置対象領域S2を有する切妻屋根を例に挙げて説明しているが、非矩形状の配置対象領域を有する屋根であっても、その非矩形状の配置対象領域に対し、矩形状の矩形領域を設定することによって、同様の処理を行うことができる。
上述した実施形態では、配置設計プログラムは、コンピュータ本体110に備えられるROM112aに格納されているが、これに限らず、ハードディスク装置113に格納されていてもよい。
また、配置設計プログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体としては、たとえば図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置を設け、該プログラム読取装置に記録媒体を挿入することによって読取り可能な記録媒体であってもよい。
いずれの記録媒体であっても、記録媒体に記憶されているプログラムがコンピュータからアクセスされて実行される構成であれば良い。すなわち、いずれの記録媒体であっても、記録媒体からプログラムが読み出され、読み出されたプログラムが、半導体メモリまたはハードディスク装置などの記憶装置のプログラム記憶エリアに記憶されて、そのプログラムが実行される構成であれば良い。さらに通信ネットワークを介して他の装置からダウンロードされてプログラム記憶エリアに記憶させても良い。ダウンロード用のプログラムは、予めコンピュータの記憶装置に記憶しておくか、または別な記録媒体からプログラム記憶エリアにインストールしておく。
本体と分離可能に構成される記録媒体は、たとえば磁気テープ/カセットテープなどのテープ系の記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気ディスクのディスク系の記録媒体、フレキシブルディスク/ハードディスクなどの磁気ディスクもしくはCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)/MO(Magneto Optical disk)/MD(
Mini Disk)/DVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクのディスク系の記録媒体、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系の記録媒体、またはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read Only
Memory)/EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)/フラッシュROMなどの半導体メモリを含む固定的にプログラムを担持する記録媒体であってもよい。
また配置設計装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記のプログラムを通信ネットワークを介して供給しても良い。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、CATV(Community Antenna TeleVision)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえばIEEE(Institute of Electrical and
Electronic Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線などの有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(High Data Rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網などの無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記のプログラムが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
10 配置設計装置
11 領域情報取得部
12 モジュール情報取得部
13 レイアウト作成部
14 配置情報出力部
131 基点設定部
132 指標設定部
133 モジュール枚数決定部
134 レイアウト決定部

Claims (4)

  1. 太陽電池モジュールが配置されるべき配置対象領域に対し、外形寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールを用いて太陽電池モジュールのレイアウトを設計する配置設計装置であって、
    配置対象領域を表す領域情報を取得する領域情報取得手段と、
    各太陽電池モジュールの外形寸法と予め定める評価事項の尺度を表す指標とを含むモジュール情報を取得するモジュール情報取得手段と、
    領域情報取得手段によって取得された領域情報およびモジュール情報取得手段によって取得されたモジュール情報に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成するレイアウト作成手段と、
    レイアウト作成手段によって作成されたレイアウトを表す配置情報を出力する配置情報出力手段とを含み、
    前記レイアウト作成手段は、配置対象領域の幅方向または高さ方向に沿う一列分の太陽電池モジュールのレイアウトに関して、前記指標の総和が最大または最小となるように太陽電池モジュールの種類ごとの枚数を決定し、その一列分の各枚数に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成することを特徴とする配置設計装置。
  2. 太陽電池モジュールが配置されるべき配置対象領域に対し、外形寸法の異なる複数種類の太陽電池モジュールを用いて太陽電池モジュールのレイアウトを設計する配置設計方法であって、
    配置対象領域を表す領域情報を取得する領域情報取得工程と、
    各太陽電池モジュールの外形寸法と予め定める評価事項の尺度を表す指標とを含むモジュール情報を取得するモジュール情報取得工程と、
    領域情報取得工程によって取得された領域情報およびモジュール情報取得工程によって取得されたモジュール情報に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成するレイアウト作成工程と、
    レイアウト作成工程によって作成されたレイアウトを表す配置情報を出力する配置情報出力工程とを含み、
    前記レイアウト作成工程は、配置対象領域の幅方向または高さ方向に沿う一列分の太陽電池モジュールのレイアウトに関して、前記指標の総和が最大または最小となるように太陽電池モジュールの種類ごとの枚数を決定し、その一列分の各枚数に基づいて、配置対象領域に対するレイアウトを作成することを特徴とする配置設計方法。
  3. コンピュータに請求項2に記載の方法を実行させるためのプログラム。
  4. 請求項3に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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