JP5318687B2 - 注射器用栓体とこれを装着した注射器および注射器用栓体の打栓方法 - Google Patents

注射器用栓体とこれを装着した注射器および注射器用栓体の打栓方法 Download PDF

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Description

本発明はプレフィルドシリンジ等の注射器に用いられる栓体に関し、さらに詳しくは、筒体の内周面に潤滑剤を予め塗布しなくても栓体を容易に保密摺動できる、注射器用栓体とこれを装着した注射器および注射器用栓体の打栓方法に関する。
一般に注射器は、先端に注射針が装着される注出口を有し後端にプランジャロッド用挿入口を開口した円筒状の筒体と、その筒体内に装着され保密状に摺動可能な栓体と、その栓体の後端に連結されたプランジャロッドとを備えており、この栓体と注出口との間の収容室内に薬液などの収容物が収容される。そして上記の注出口に注射針を装着したのち、プランジャロッドで上記の栓体を注出口側へ移動させることにより、上記の収容物が上記の注出口から押し出されて患者へ投薬される。
上記の栓体は、上記の収容室から後端側へ薬液等が漏れないように保密性を確保しながら、上記の筒体の内周面を滑らかに摺動する必要がある。このため上記の筒体は、内周面の全面にシリコン液などの潤滑剤の塗膜が形成されていた。この潤滑剤は、体内へ注入されても殆ど害がないものの、その注入量は少ないほうが好ましい。しかしながら、筒体の内周面全面に潤滑剤の塗膜が形成されていると、収容物が広い面積に亘ってこの潤滑剤と接触するため、潤滑剤の収容物中への溶出量が多くなる虞がある。特に、予め収容室内へ薬液等を収容した状態で出荷される、いわゆるプレフィルドシリンジにあっては、長期間に亘って収容物が潤滑剤と接触することから、潤滑剤が溶出し易い問題がある。さらに、上記の筒体が合成樹脂からなる場合は、潤滑剤の塗膜を焼き付けることができず、潤滑剤が収容物中へ一層溶出し易い問題がある。
上記の問題点を解消するため、従来、上記の栓体の外周面と筒体の内周面との間にのみ潤滑剤を配置した注射器が提案されている(例えば、特許文献1参照、以下、従来技術という。)。即ちこの従来技術は、上記の栓体が、軸方向に離間した位置で筒内内面に当接する少なくとも2箇所の大径部と、各大径部間に位置して筒体内面との間に間隙を形成する谷部とを備えており、この大径部の外周面と筒体内周面との間に潤滑剤の薄膜を形成するとともに、上記の谷部と筒体内周面との間の間隙に潤滑剤を満たしてある。
特開平11−309210号公報
上記の従来技術では、栓体の外周面と筒体の内周面との間にのみ潤滑剤が配置されているので、栓体と注出口との間の収容室に収容された収容物は潤滑剤と接することがなく、収容物中への潤滑剤の溶出が良好に防止される。
しかしながら、上記の筒体内に装着された栓体は、上記の大径部が筒体内周面で圧潰される状態に強く押圧されている。このため、この栓体を注出口側へ移動させると、先端側の大径部の外周面と筒体の内周面との間の潤滑剤が筒体内周面に擦りつけられて消失してしまうこととなる。この結果、この栓体を僅かに移動させるだけで、直ちに、この先端側の大径部の外周面と筒体内周面との間に大きな摩擦力が生じて、それ以上は栓体を容易に移動できなくなる問題があった。
本発明の技術的課題は上記の問題点を解消し、筒体の内周面に潤滑剤を予め塗布しなくても栓体を容易に保密摺動できる、注射器用栓体とこれを装着した注射器およびその注射器用栓体の打栓方法を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図1から図7に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち本発明1は注射器用栓体に関し、注射器(1)の円筒状筒体(2)内に装着され、外周面の複数箇所に環状の大径部(12)を突設した注射器用栓体であって、上記の筒体(2)は先端側に注出口(5)を有し、後端側にプランジャロッド用挿入口(7)を開口してあり、上記の外周面のうち最先端側の上記の大径部(12)よりもさらに先端側に、環状の潤滑剤溜り部(14)を凹設したことを特徴とする。
また本発明2は注射器に関し、先端側に注出口(5)を有し、後端側にプランジャロッド用挿入口(7)を開口した円筒状の筒体(2)と、その筒体(2)内に装着される栓体(3)と、その栓体(3)に連結されるプランジャロッド(4)とを備えており、上記の栓体(3)と注出口(5)との間に収容室(9)が形成された注射器であって、上記の栓体(3)が上記の本発明1の栓体(3)であり、この栓体(3)の上記の潤滑剤溜り部(14)に潤滑剤(19)が貯溜されていることを特徴とする。
本発明3は注射器用栓体の打栓方法に関し、注射器(1)の円筒状筒体(2)内へ栓体(3)を装着する、注射器用栓体の打栓方法であって、上記の筒体(2)は少なくとも一端に開口(O)を有し、内径が上記の筒体(2)の内径以下である案内スリーブ(17)の内面にあらかじめ潤滑剤を塗布するとともに、この案内スリーブ(17)内に上記の請求項1から4のいずれか1項に記載の栓体(3)を装着し、上記の案内スリーブ(17)の先端を上記の開口(O)から上記の筒体(2)内へ臨ませ、上記の案内スリーブ(17)内で上記の栓体(3)を移動させて案内スリーブ(17)内面の潤滑剤を上記の潤滑剤溜り部(14)へ貯溜したのち、この栓体(3)をこの案内スリーブ(17)の先端から押し出して上記の筒体(2)内へ装着することを特徴とする。
上記の栓体の外周面には、最先端側の大径部よりもさらに先端側に潤滑剤溜り部が形成されており、注射器の筒体内に装着された栓体には、この潤滑剤溜り部に潤滑剤が貯溜されているので、この栓体が注出口側へ移動する際に、上記の潤滑剤溜り部から潤滑剤が、上記の大径部の外周面と筒体の内周面との間へ次々と供給され、これにより栓体が円滑に保密摺動する。
上記の潤滑剤溜り部へは、任意の手法により潤滑剤を貯溜することができ、例えば、栓体の外周面に直接潤滑剤を塗布して潤滑剤溜り部に潤滑剤を貯溜してもよい。しかし、上記の本発明3のように、内面に潤滑剤を塗布した案内スリーブ内で上記の栓体を移動させると、その栓体の潤滑剤溜り部へ所定量の潤滑剤を容易に貯溜させたのち、この栓体を筒体の所定位置へ容易に装着できて、好ましい。
上記の潤滑剤溜り部は、栓体が筒体の先端まで移動する間、大径部と筒体内面との間へ連続的に供給できるだけの潤滑剤が貯溜できればよく、特定の形状や大きさに限定されない。例えば、この潤滑剤溜り部の底部を、後端に向かって徐々に径大となるテーパー面に形成してもよく、この場合は潤滑剤溜り部から上記の大径部の外周面へ潤滑剤を容易に供給できて好ましい。
また上記の潤滑剤溜り部と上記の最先端側の大径部との間に、潤滑剤溜り部の底面よりも大径で大径部よりも小径の案内面を形成すると、この案内面を介して所定量の潤滑剤を大径部の外周面へ円滑に供給できて好ましい。
上記の潤滑剤溜り部は、栓体が所定位置まで移動するのに必要な潤滑剤を収容できる容積があればよく、栓体の外周面に浅く形成されるので、先端側を上記の収容室に開放しても、収容室内の、薬液や薬剤、蒸留水などの収容物と潤滑剤との接触を少なく抑えることができる。しかし、この潤滑剤溜り部の先端側に、この潤滑剤溜り部を上記の収容室と区画する区画壁を形成しておくと、収容室内の収容物と潤滑剤との接触を良好に防止できて好ましい。この場合、この区画壁の外周縁は僅かな間隙を設けて筒体の内周面に近接させてもよく、或いは筒体の内周面に軽く当接させてもよい。
なお、上記の栓体は、筒体内の収容室を保密状に維持できればよく、特定の形状や寸法に限定されない。例えば、栓体の先端側端面は、軸直交面であってもよく、或いは、筒体先端の注出口に対応した先細状のテーパー面であってもよい。また栓体の後端面は、軸直交面であってもよく、或いは、雌ねじなどの、プランジャロッドとの連結部を凹設したものであってもよい。また栓体の外周面には、上記の大径部の外周面に潤滑剤が塗布されていてもよく、大径部同士間の谷部に潤滑剤を満たしたものであってもよい。
上記の本発明2の注射器は、上記の収容室に予め薬液などの収容物が収容してある、いわゆるプレフィルドシリンジであってもよい。またこの注射器は、筒体内へ複数の栓体を装着して、この筒体内に複数の収容室が形成してあってもよい。この場合、上記の栓体のうち、少なくとも1以上の栓体が本発明1の栓体であればよい。
なお、上記の潤滑剤は、栓体の保密摺動を確保できればよく、特定のものに限定されないが、体内や薬剤などへの影響が少ないことから、シリコン液が好ましい。
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
(1)潤滑剤は、栓体の外周面のうち先端側端面に形成した潤滑剤溜り部に貯溜されており、収容室に臨む筒体の内周面には潤滑剤が塗布されていない。この結果、収容室内の薬液などの収容物は、僅かに栓体の外周縁でのみ接触するだけで、潤滑剤と殆ど接触することがなく、収容物への潤滑剤の溶出が良好に防止される。
(2)しかも栓体が注出口側へ移動すると、潤滑剤溜り部から潤滑剤が上記の大径部の外周面と筒体の内周面との間へ次々と供給されるので、両者間の摩擦抵抗が大きくなることがなく、この結果、栓体を円滑に保密摺動させることができる。
本発明の第1実施形態を示す、注射器の断面図である。 第1実施形態の、栓体の一部破断図である。 図2のA部の拡大断面図である。 第1実施形態の打栓手順を示し、図4(a)は案内スリーブ内へ栓体を収容した状態の要部の断面図であり、図4(b)は案内スリーブの下端を筒体内へ挿入した状態の要部の断面図である。 筒体内へ装着された栓体の要部の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態を示す、栓体の正面図である。 第2実施形態の、図5相当図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1から図5は本発明の第1実施形態を示し、図1は注射針を装着する前の、注射器の断面図である。この注射器(1)は、円筒状の合成樹脂製筒体(2)と、その筒体(2)内に装着された円柱状のゴムまたはエラストマーからなる栓体(3)と、その栓体(3)に連結された合成樹脂製のプランジャロッド(4)とを備えている。上記の筒体(2)の先端には注出口(5)が形成してあり、この注出口(5)をキャップ(6)で封止してある。投薬時は、このキャップ(6)を取り除いたのち、その注出口(5)に図外の注射針が装着される。また上記の筒体(2)の後端には、上記のプランジャロッド(4)が挿入される挿入口(7)が開口してあり、この挿入口(7)の周囲に鍔状のフィンガーグリップ(8)が形成してある。上記の栓体(3)は、先端側端面が筒体(2)先端の注出口(5)に対応した先細状のテーパー面に形成してある。この栓体(3)と上記の注出口(5)との間に収容室(9)が形成してあり、この収容室(9)に収容物である薬液(10)が収容してある。
図2に示すように、上記の栓体(3)の後端面には雌ねじからなる連結部(11)が凹設してあり、この連結部(11)に上記のプランジャロッド(4)の先端がねじ込まれる。またこの栓体(3)の外周面には、前後方向へ互いに離れた2箇所以上の部位に、例えば3箇所に、環状の大径部(12)が突設してある。この大径部(12)の外径は、上記の筒体(2)の内径よりも僅かに大径に形成されている。これに対し、大径部(12)間に位置する谷部(13)は、上記の筒体(2)の内径よりも僅かに小径に形成されている。
上記の栓体(2)の外周面のうち、最先端側の大径部(12)よりもさらに先端側には、この外周面の先端側端縁に沿って、環状の潤滑剤溜り部(14)が段状に凹設してある。図3に示すようにこの潤滑剤溜り部(14)は、後端側が、後端に向かって徐々に径大となるテーパー面に形成してあり、この潤滑剤溜り部(14)と最先端側の大径部(12)との間に、潤滑剤溜り部(14)の底面よりも大径で大径部(12)よりも小径の案内面(15)が形成してある。
次に、上記の栓体(3)を筒体(2)内の所定位置へ装着する打栓手順について説明する。
図4(a)に示すように、筒体(2)の内面に潤滑剤を塗布することなく、挿入口(7)を上方にして支持装置(16)に固定する。この筒体(2)内には、必要に応じて収容室(9)内に薬液(10)が予め収容される。そして、筒体(2)の一方の端部に設けた開口(O)である上記の挿入口(7)の上方に、案内スリーブ(17)を上下方向へ移動可能に配置する。この案内スリーブ(17)の内面には予め潤滑剤としてシリコン液を塗布しておき、この案内スリーブ(17)内に栓体(3)を、先端側の潤滑剤溜り部(14)を下方にして装着する。
次に、図4(b)に示すように、上記の栓体(3)を押圧部材(18)で下方へ押圧し、案内スリーブ(17)の下端へ移動させ、この案内スリーブ(17)の下端を、上記の開口(O)である挿入口(7)から挿入して、栓体(3)を装着する所定位置に、即ち、収容室(9)内の薬液(10)の液面位置に位置させる。そして上記の栓体(3)を押圧部材(18)でその位置に保持した状態で、上記の案内スリーブ(17)を上方へ移動させる。これにより、栓体(3)が案内スリーブ(17)の下端から押し出されて筒体(2)内の所定位置に装着され、打栓が終了する。
なお、上記の打栓方法に代えて、筒体(2)内に挿入した案内スリーブ(17)の下端を、栓体(3)の装着位置よりも栓体(3)の長さだけ上方位置に位置させ、この案内スリーブ(17)を固定した状態で、その案内スリーブ(17)の下端から栓体(3)を押圧部材(18)で押し出すことにより、その栓体(3)を所定位置に装着してもよい。
さらに上記の栓体(3)は、筒体(2)内を減圧して周囲の大気圧によりこの筒体(2)内へ押し込んで装着してもよい。即ち、上記の筒体(2)内を真空に減圧して、この筒体(2)の上記の開口(O)である挿入口(7)に上記の案内スリーブ(17)の下端を対面させ、この案内スリーブ(17)の下端から上記の栓体(3)を筒体(2)内へ押し出すと、この栓体(3)は大気圧に押し込まれて所定位置に装着される。この場合、案内スリーブ(17)は筒体(3)内へ挿入する必要がないので、外径は筒体(3)の内径よりも小径である必要はない。即ち、この案内スリーブ(17)の内径は、筒体(3)の内径と同一であってもよく、勿論、筒体(3)の内径より小径であってもよい。
なお本発明では、上記の開口(O)は筒体(3)の先端側に設けたものであってもよい。この場合、案内スリーブ(17)内に装着される栓体(3)は、先端側の潤滑剤溜り部(14)を上方にして装着されるので、この栓体(3)を案内スリーブ(17)内で一旦上昇させて潤滑剤溜り部(14)内に潤滑剤を貯溜したのち、この栓体(3)を案内スリーブ(17)の下端から押し出すとよい。
上記の案内スリーブ(17)の内面に塗布されていたシリコン液は、上記の栓体(3)が上記の案内スリーブ(17)内を移動する間にこの栓体(3)の外周面で擦りとられる。この結果、図5に示すように上記の筒体(2)内に装着された栓体(3)には、上記の潤滑剤溜り部(14)内や大径部(12)間の谷部(13)にシリコン液(19)が貯溜されており、また、大径部(12)の外周面にもシリコン液(19)が塗布されている。
図1に示すように、上記の栓体(3)にプランジャロッド(4)を連結し、注出口(5)に図外の注射針を装着したのち、プランジャロッド(4)で栓体(3)を押圧すると、上記の収容室(9)内の薬液(10)が注出口(5)から注射針を介して患者に投与される。このとき、栓体(3)の大径部(12)の外周面に塗布されているシリコン液(19)は、栓体(3)の移動とともに筒体(2)の内面に擦りとられるが、先端側の潤滑剤溜り部(14)からシリコン液(19)が案内面(15)を介して上記の大径部(12)の外周面と筒体(2)の内周面との間へ次々と供給され、これにより栓体(3)が円滑に注出口(5)側へ保密摺動する。
なお、先端側の大径部(12)から擦りとられたシリコン液(19)が筒体(2)内面に塗布されるので、他の大径部(12)もこの筒体(2)の内面を円滑に保密摺動することができる。しかしこの第1実施形態では、大径部(12)同士間の谷部(13)にもシリコン液(19)が貯溜されているので、このシリコン液(19)が他の大径部(12)の外周面と筒体(2)の内周面との間に供給され、栓体(3)は一層良好に保密摺動することができる。
上記の第1実施形態では、筒体内に1個の栓体を装着して1つの収容室を形成した。しかし本発明は筒体内に複数の栓体を収容して、例えば2室の収容室を形成したものであってもよい。
例えば、図6に示す第2実施形態は、2室型注射器の中間部に装着される栓体(3)であり、先端側端面は軸直交面に形成されており、後端側端面には前記の第1実施形態と異なってプランジャロッドとの連結部が形成されていない。
上記の栓体(3)の外周面のうち、最先端側の大径部(12)よりもさらに先端側には、この外周面の先端側端縁に沿って、環状の潤滑剤溜り部(14)が溝状に凹設してある。図7に示すように、この潤滑剤溜り部(14)の先端側には、この潤滑剤溜り部(14)を収容室(9)から区画する区画壁(20)が形成してある。この区画壁(20)の外周縁は、僅かな間隙を設けて筒体(2)の内周面に近接させるか、或いは、筒体(2)の内周面に軽く当接してあり、収容室(9)内の薬液(10)と潤滑剤(19)との接触を防止してある。その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
上記の各実施形態で説明した注射器用栓体やこれを装着した注射器あるいは注射器用栓体の打栓方法は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部材の形状や寸法、配置、材質などをこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、上記の各実施形態では、合成樹脂製の筒体を用いたが、この筒体はガラス製であってもよい。また上記の収容室に薬液を収容した場合について説明したが、この収容室には蒸留水や粉体などの薬剤を収容したものであってもよく、或いは投薬前に収容室へ薬剤を収容する、プレフィルドシリンジ以外の注射器であってもよい。さらに上記の各実施形態では、潤滑剤としてシリコン液を用いたので、患者や薬剤への悪影響が防止され、しかも栓体の保密摺動性に優れる利点があるが、本発明では他の潤滑剤を用いてもよいことは、いうまでもない。
本発明の注射器用栓体とこれを装着した注射器は、筒体の内周面にシリコン等の潤滑剤を予め塗布しなくても栓体を容易に保密摺動できるので、特に合成樹脂製のプレフィルドシリンジに好適であるが、ガラス製プレフィルドシリンジやその他の注射器にも好適である。
1…注射器
2…筒体
3…栓体
4…プランジャロッド
5…注出口
7…挿入口
9…収容室
10…収容物(薬液)
12…大径部
14…潤滑剤溜り部
15…案内面
17…案内スリーブ
19…潤滑剤(シリコン液)
20…区画壁
O…開口

Claims (11)

  1. 注射器(1)の円筒状筒体(2)内に装着され、外周面の複数箇所に環状の大径部(12)を突設した注射器用栓体であって、
    上記の筒体(2)は先端側に注出口(5)を有し、後端側にプランジャロッド用挿入口(7)を開口してあり、
    上記の外周面のうち最先端側の上記の大径部(12)よりもさらに先端側に、環状の潤滑剤溜り部(14)を凹設したことを特徴とする、注射器用栓体。
  2. 上記の潤滑剤溜り部(14)の後端側を、後端に向かって徐々に径大となるテーパー面に形成した、請求項1に記載の注射器用栓体。
  3. 上記の潤滑剤溜り部(14)と上記の最先端側の大径部(12)との間に、潤滑剤溜り部(14)の底面よりも大径で大径部(12)よりも小径の案内面(15)を形成した、請求項1または請求項2に記載の注射器用栓体。
  4. 上記の潤滑剤溜り部(14)の先端側に区画壁(20)を形成した、請求項1から3のいずれか1項に記載の注射器用栓体。
  5. 先端側に注出口(5)を有し、後端側にプランジャロッド用挿入口(7)を開口した円筒状の筒体(2)と、その筒体(2)内に装着される栓体(3)と、その栓体(3)に連結されるプランジャロッド(4)とを備えており、上記の栓体(3)と注出口(5)との間に収容室(9)が形成された注射器であって、
    上記の栓体(3)が上記の請求項1から4のいずれか1項に記載の栓体(3)であり、この栓体(3)の上記の潤滑剤溜り部(14)に潤滑剤(19)が貯溜されていることを特徴とする、注射器。
  6. 上記の収容室(9)に予め収容物(10)が収容してある、請求項5に記載の注射器。
  7. 上記の筒体(2)内へ複数の栓体(3)を装着して、この筒体(2)内に複数の収容室(9)が形成してあり、少なくとも1以上の栓体(3)が上記の請求項1から4のいずれか1項に記載の栓体(3)である、請求項5または請求項6に記載の注射器。
  8. 上記潤滑剤(19)がシリコン液である、請求項5から7のいずれか1項に記載の注射器。
  9. 注射器(1)の円筒状筒体(2)内へ栓体(3)を装着する、注射器用栓体の打栓方法であって、
    上記の筒体(2)は少なくとも一端に開口(O)を有し、
    内径が上記の筒体(2)の内径以下である案内スリーブ(17)の内面にあらかじめ潤滑剤を塗布するとともに、この案内スリーブ(17)内に上記の請求項1から4のいずれか1項に記載の栓体(3)を装着し、
    上記の案内スリーブ(17)の先端を上記の開口(O)から上記の筒体(2)内へ臨ませ、
    上記の案内スリーブ(17)内で上記の栓体(3)を移動させて案内スリーブ(17)内面の潤滑剤を上記の潤滑剤溜り部(14)へ貯溜したのち、この栓体(3)をこの案内スリーブ(17)の先端から押し出して上記の筒体(2)内へ装着することを特徴とする、注射器用栓体の打栓方法。
  10. 上記の案内スリーブ(17)は外径が上記の筒体(2)の内径よりも小さく、この案内スリーブ(17)の先端を、上記の挿入口(7)から上記の筒体(2)内へ栓体装着位置に達するように挿入したのち、この案内スリーブ(17)の先端から上記の栓体(3)を上記の栓体装着位置へ押し出す、請求項9に記載の注射器用栓体の打栓方法。
  11. 上記潤滑剤(19)がシリコン液である、請求項9または請求項10に記載の注射器用栓体の打栓方法。
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CN106132461A (zh) * 2014-03-20 2016-11-16 大和特殊硝子株式会社 注射器
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