JP5317736B2 - 取引監視装置 - Google Patents
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Description
ところが、近年、この取引端末による送金処理を利用して、家族または親族などの身内の者を装って、取引端末の利用者に現金を送金させる詐欺行為が増加しており、社会的に問題となっている。
このような問題に対して、利用者が送金処理を行うときに金銭の受取人の正当性を判別することで、詐欺行為の被害を未然に防止しようとするシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このため、ATMの利用者は、右利きか左利きかに拘らず、自然に、右手によってカードを挿入口に挿入し、また、右手によって現金を入金することになる。すなわち、左手は空いた状態になるため、ATMを利用するに際し、その利用者が同時に携帯電話機も利用しようとすると、利き手に関係なく、ほとんどの場合は左手で携帯電話機を持つことになる。
この知見に鑑み、本発明に係る取引監視装置においては、特に、ATMを利用しながら携帯電話機を使用する場合には通常ないと考えられる、右手に持った携帯電話機が存在し得る利用者の顔の右側(画像データにおけるの左側)については、携帯電話機を使用していると判定する判定基準を顔の左側(画像データにおける右側)における判定基準より厳格にすることによって、誤検出を防止しようとするものである。
この取引監視装置は、ATMなど、金銭の取引を行う自動取引システムの取引端末に設置される。そしてこの取引監視装置は、取引端末の利用者を撮影した画像から利用者の顔領域を検出し、その顔領域の近傍に手が存在するか否かを調べることにより、利用者が携帯電話機を使用して通話しているか否かを判定する。そしてこの取引監視装置は、利用者が携帯電話機を使用して通話していると判定したときに、利用者に対して詐欺行為の可能性がある旨の警報を発する。
特にこの取引監視装置は、ATMを利用しながら利用者が携帯電話機を使用する場合、通常左手に携帯電話機を持つと考えられるため、利用者の顔の右側(画像データ中の顔の左側)において携帯電話機を使用して通話しているか否かを判定する基準を、顔の左側(画像データ中の顔の右側)における判定基準より厳格にすることによって誤検出を防止し、携帯電話機を使用した通話の有無を高精度に判定できるようにするものである。
通帳またはキャッシュカードなどの受け入れ口111、112は、筐体110の正面上方に形成されており、取引端末100は、その受け入れ口111に挿入された通帳に記帳したり、受け入れ口112に挿入されたキャッシュカードから所定の情報を取得したりすることが可能となっている。金銭の受け入れ・払い出し口113は、筐体110の正面のテーブル状に形成された部位に形成されており、この受け入れ・払い出し口113を介して、利用者は金銭の預け入れ及び払い出しをすることが可能となっている。
また、オートホン制御装置151は、取引監視装置1とも接続され、利用者がオートホン150を使用している場合に、その旨を示すオートホン使用信号を取引監視装置1へ出力する。具体的には、オートホン制御装置151は、オートホン150から受話器が外れていることを示すオフフック信号を受信している間、オートホン使用信号を取引監視装置1へ出力する。
なお、オートホン150と取引監視装置1を直接接続し、取引監視装置1は、オートホン150からオフフック信号を直接受信することにより、オートホン150が使用中であることを確認できるようにしてもよい。
図2は、取引監視装置1の概略構成図である。図2に示すように、取引監視装置1は、画像取得部2と、音声出力部3と、通信部4と、記憶部5と、制御部6とを有する。
さらに通信部4は、センサ160から受け取った人体検知信号を制御部6へ渡す。
また取引監視装置1と取引端末100とは、通信部4を介して接続されてもよく、この場合、取引監視装置1の制御部6は、通信部4を介して警報信号などを取引端末100へ送信してもよい。
ここで、記憶部5は、制御部6と接続されており、制御部6からの要求に応じて、要求されたデータを制御部6に渡したり、あるいは制御部6から受け取ったデータを記憶したりする。記憶部5は、例えば、そのようなデータとして、センサ160によって利用者が検知されているか否かを示す人体検知フラグ、オートホン150が使用されているか否かを表すオートホン使用フラグを記憶する。さらに記憶部5は、利用者の手及び肩の検索範囲を設定するための検索領域情報、利用者の顔、頭部及び手を判定するためのテンプレート及び判定基準情報等を記憶する。さらに記憶部5は、携帯電話機を使用して取引端末100から送金させる詐欺行為に注意を促す音声メッセージに対応する音声データを記憶する。
なお、記憶部5は、制御部6が有する半導体メモリの記憶領域の一部として実現されてもよい。
エッジ画像生成部21は、抽出されたエッジ画素を表すエッジ画像を作成する。例えば、エッジ画像では、抽出されたエッジ画素に対応する画素の画素値が、水平方向のエッジであれば1、垂直方向のエッジであれば2で表され、その他の画素の画素値が0で表される。あるいは、エッジ画像生成部21は、エッジ画像とは別個に、抽出されたそれぞれのエッジ画素の向きを表すエッジ方向データを作成してもよい。
エッジ画像生成部21は、作成したエッジ画像を手領域検出部24へ渡す。また顔検出部22がエッジ画像に基づいて顔領域を検出する場合には、エッジ画像生成部21は、顔検出部22にもエッジ画像を渡す。
(1)候補領域中のいくつかの位置に関していくつかのHaar-like特徴を利用する使用可能な全ての弱識別器について、Haar-like特徴の値に基づいて、入力された画像領域に顔が写っているか否かを識別する閾値を設定する。
(2)各サンプル画像に対する重みを決定する。重みの初期値は、各サンプル画像に対して同じ値とする。
(3)全ての弱識別器に対して各サンプル画像を入力して、弱識別器ごとに識別に失敗したサンプル画像に付けられた重みを合計する。そしてその重みの合計を評価値とする。
(4)評価値が最も小さい弱識別器をAdaboost識別器で使用する弱識別器として選択する。そして評価値から選択された弱識別器の出力に付される重みを決定する。
(5)選択された弱識別器が識別に失敗したサンプル画像の重みを大きくする。
(6)(3)〜(5)の手順を繰り返す。
なお、Haar-like特徴及びAdaboost識別器の詳細については、例えば、Paul Viola and Michael Jones, "Rapid Object Detection using a Boosted Cascade of Simple Features", IEEE CVPR, vol.1, pp.511-518, 2001に開示されている。
なお、顔検出部22は、顔向き判定部23が、顔特徴点を用いて利用者の顔の向きを判定する場合には、何れの方法を用いて顔領域を検出する場合も、顔特徴点を検出する。
さらに、顔向き判定部23は、所定数以上の顔特徴点が抽出できない場合には、利用者の顔の向きを正確に検知できないため、利用者の顔の向きを正面顔でも横向き顔でもないと判定する。なお、その所定数は、例えば、顔検出部22が顔領域から抽出しようとする顔特徴点の個数の半数とすることができる。
顔向き判定部23は、判定された顔向きを表す顔向き情報を、手領域検出部24へ通知する。
図3(a)は、利用者が正面を向いた顔領域が検出されている場合に設定される、手の探索領域の一例を示し、図3(b)は、利用者が横を向いた顔領域が検出されている場合に設定される、手の探索領域の一例を示す。図3(a)に示すように、利用者の顔が監視カメラに対して正面を向いている顔領域301が検出されている場合、手の探索領域302の上端は、顔領域301の高さ方向の中心に設定され、探索領域302の下端は、通話中に利用者が手を置くと考えられる位置の下端を探索領域302に含むように、例えば、監視画像300の下辺に接触するように設定される。また、探索領域302の左右端は、利用者の両肩が含まれると想定される範囲を含むように設定される。例えば、探索領域302の左右端は、それぞれ、顔領域301の水平方向の中心から、顔領域301の幅の2倍から3倍の距離だけ離れた位置に設定される(図3では大きさを簡略化して示している)。さらに、顔領域301の下端から下方の所定幅の領域303には、首または衣類のボタンなど、肌色かつ多数のエッジ画素が抽出される物体が存在する。そこで、肌色かつ多数のエッジ画素が抽出される物体を手として誤検出することを防止するために、この領域303は探索領域302から除外されてもよい。また、利用者は、携帯電話機を使用して通話を行う場合、顔の下方に手を持ってくる可能性は低いので、このような領域303を手の探索領域から除外しても、手の探索に失敗する可能性は低いと考えられる。なお、除外される領域303の幅は、例えば、顔領域301の幅の1/2〜1倍に設定され、除外される領域303の中心線が顔領域301の中心線と一致するように、除外される領域303の水平方向の位置が設定される。
ここで、正面向き顔が検出された場合、利用者の顔の右側とは利用者の右手が存在すると思われる領域であって、設定された探索領域のうち水平方向の顔の中心より右側(画像における左側)の右側探索領域を示し、利用者の顔の左側とは利用者の左手が存在すると思われる領域であって、設定された探索領域のうち顔の水平方向の中心より左側(画像における右側)の左側探索領域を示す。
ここで、頭部領域が検出された場合、利用者の顔の右側とは、設定された探索領域のうち頭部の水平方向の中心より右側(画像における左側)の右側探索領域を示し、利用者の顔の左側とは、設定された探索領域のうち水平方向の顔の中心より左側(画像における右側)の左側探索領域を示す。
この場合、閾値Th2を一般的に判定基準として用いられる標準の閾値Th(例えば、0.1)とし、Thより大きな値を閾値Th1としてもよいし、閾値Th1を標準の閾値Thとし、閾値Th2にThより小さな値を設定してもよい。また、Th1>Th2であれば、閾値Th1、Th2の双方に標準の閾値Th以外の値を用いてもよい。
例えば、利用者の右側(画像中の左側)において、手候補領域が手領域であると判定される手候補領域と顔領域との面積比Sh/Sfの範囲RS1を、左側(画像中の右側)における手候補領域と顔領域との面積比Sh/Sfの範囲RS2より狭く設定することによって、利用者の右側における手領域検出の判定基準を左側の判定基準より厳しくすることができる。この場合、所定の範囲RS2を、一般に手候補領域が手領域であると判定できる標準的な範囲RS(例えば、0.1から1まで)とし、所定の範囲RS1を標準的な範囲RSより狭くしてもよいし、所定の範囲RS1を標準の範囲RSとし、所定の範囲RS2を標準の範囲RSより広くしてもよい。なお、範囲RS1が範囲RS2より狭ければ、範囲RS1、RS2の双方に標準の範囲RS以外の範囲を用いてよい。
例えば、画素の色情報がHSV表色系で0から255の値によって表される場合、利用者の顔の右側(画像中の左側)において、手候補領域が手領域であると判定する色相H成分の範囲RH1を、左側(画像中の右側)における色相H成分の範囲RH2より狭く設定することによって、顔の右側における手領域検出の判定基準を左側の判定基準より厳しくすることができる。この場合、所定の範囲RH2を、手候補領域が手領域であると判定できる標準的な範囲RH(例えば、0から30まで)とし、所定の範囲RH1を標準的な範囲RHより狭くしてもよいし、所定の範囲RH1を標準の範囲RHとし、所定の範囲RH2を標準の範囲RHより広くしてもよい。なお、範囲RH1が範囲RH2より狭ければ、範囲RH1、RH2の双方に標準の範囲RH以外の範囲を用いてもよい。
こうすることによって、正面向き顔が検出されている場合と同様に、利用者の右手側における手領域検出の判定基準を利用者の左手側の判定基準より厳しくすることができる。
また、判定部25は、カウンタをインクリメントするときの増加値を変更することによって、顔の右側と左側とで異なる判定基準とすることができる。例えば、利用者の右側における増加値をC1、左側における増加をC2とするとき、C1<C2となる増加値C1、C2を選ぶことができる。こうして、判定部25は、監視画像から利用者の手が検出されたとき、利用者の右側で検出された場合はカウンタの値を増加値C1だけ増加させ、利用者の左側で検出された場合はカウンタの値を増加値C2だけ増加させることによって、結果的に顔の右側にある場合の判定期間を長くして顔の右側における手領域検出の判定基準を左側の判定基準より厳しくすることができる。
一方、オートホン使用フラグがONに設定されていれば、利用者がオートホン150を用いてオペレータと通話していることを携帯電話機を用いた通話と誤認識して警報を発することがないように、異常報知部12は警報音声データをスピーカ140へ出力しない。
具体的には、フラグ処理部13は、センサ160から、取引端末100を操作する利用者が検知されたことを示す人体検知信号を受信している間、記憶部5に記憶されている人体検出フラグをONに設定する。一方、フラグ処理部13は、人体検知信号を受信しなくなると、人体検出フラグをOFFに書き換える。
また、フラグ処理部13は、オートホン制御装置151からオートホン150が使用されていることを示すオートホン使用信号を受信している間、あるいは、オートホン150からオフフック信号を受信している間、記憶部5に記憶されているオートホン使用フラグをONに設定する。一方、フラグ処理部13は、オートホン使用信号及びオフフック信号を受信しなくなると、オートホン使用フラグをOFFに書き換える。
まずステップS101の前に、携帯使用検知部11は、携帯使用検知部11において使用される各データの初期化を必要に応じて行う。例えば、携帯使用検知部11は、上述したように判定部25が利用者の手が連続して利用者の顔または頭部の近傍に検出された時間を測定するのに使用するカウンタの値を0にリセットする。
次に、顔検出部22は、取引端末100に対面する利用者の顔領域を検出する処理を実行し、顔領域が検出できたか否かを携帯使用検知部11に通知する(ステップS102)。顔領域が検出できなかった場合、顔検出部22は、顔検出不能信号を携帯使用検知部11に返す(ステップS102−No)。顔検出部22から顔検出不能信号を受け取った携帯使用検知部11は、ステップS111に制御を移す。
ステップS103において、顔向き判定部23は、顔検出部22から受け取った情報に基づいて、検出された顔が正面を向いているか横を向いているかを判定し、その結果を手領域検出部24に渡す。検出された顔が正面向き顔であれば(ステップS103−Yes)、手領域検出部24は、上述したように、顔検出部22から受け取った顔領域の位置情報に従って、検出された顔領域の近傍に手の探索領域302を設定する。このとき、手領域検出部24は、上述したように、正面向き顔に応じた顔の探索領域302を設定するが、顔領域の代わりに頭部領域が検出された場合、頭部領域に応じた探索領域322を設定してもよい。
そして、手領域検出部24は、設定された探索領域302、322内で手領域を探索するが、このとき、上述したように、顔の右側と顔の左側とで異なる判定基準を用いて手領域を検出する。ここでは、一般にATMの操作は右手で行われるので携帯電話機は左手で持つ可能性が高いため、手領域検出部24は、顔の右側(監視画像中の顔の左側)において手領域を検出する判定基準を、顔の左側(監視画像中の顔の右側)において検出する判定基準より厳格にして手領域を検出する。
上述したように、手領域検出部24は、色情報、エッジ分布量など様々な特徴量によって手の判定を行っており、それぞれの特徴量に対して判定基準となる閾値や範囲を使用している。したがって、手領域検出部24は、これらの特徴量に対して利用者の右側と左側とで異なる閾値や範囲を用いることによって異なる判定基準で手領域を検出することができる。ここでは、手領域検出部24が、これらの特徴量のうち手候補領域の面積Shに対するエッジ画素の数Ehの比Eh/Shに関して、顔の右側と左側とで異なる閾値を用いる例について説明する。
まず、手領域検出部24は、上述したように、横向き顔に応じた探索領域312を顔の近傍領域に設定する。そして、手領域検出部24は、顔向き判定部23から受け取った顔の向きに関する情報に基づいて、検出された横向き顔が右(画像中の左)を向いているか否かを判定する(ステップS201)。検出された顔が右向き顔であると判定された場合(ステップS201−Yes)、探索領域312は利用者の左手側と考えられるため、手領域検出部24は、上述のステップS104と同様に緩い判定基準を用いて探索領域312内で左手を探索する(S202)。
一方、検出された顔が右向き顔でないと判定されれば(ステップS201−No)、手領域検出部24は、検出された横向き顔が左を向いているか否かを判定する(ステップS203)。そして検出された顔が左向き顔でないと判定されれば(ステップS203−No)、手領域検出部24は、手領域を検出できなかったことを示す手領域検出不能信号を携帯使用検知部11に渡す。この手領域検出不能信号を受け取った携帯使用検知部11は、図4のステップS111に制御を移行する。また、検出された顔が左向き顔であると判定された場合(ステップS203−Yes)、探索領域312は利用者の右手側と考えられるため、手領域検出部24は、上述のステップS106と同様に厳格な判定基準を用いて探索領域312内で右手を探索する(S204)。
なお、各ステップにおける処理の詳細は、携帯使用検知部11の各部の説明において説明したので、ここではその説明を省略する。
この判定基準を満たす肌色領域を検出できなかった場合(ステップS305−No)、手領域検出部24は、手領域を検出できなかったことを示す手領域検出不能信号を携帯使用検知部11に渡す。この手領域検出不能信号を受け取った携帯使用検知部11は、ステップS311に制御を移行する。一方、判定基準を満たす肌色領域を検出できた場合(ステップS305−Yes)、手領域検出部24は、手領域が検出されたことを示す手領域検出結果信号を判定部25に渡す。判定部25は、手領域検出部24から受け取った手領域の位置に関する情報に基づいて、検出された手領域が顔の右側に位置するか左側に位置するかを判定する(ステップS306)。例えば、判定部25は、手領域の外接矩形の中心または重心が右側探索領域内に位置する場合、手領域は顔の右側(画像における左側)にあると判定する。一方、判定部25は、手領域の外接矩形の中心または重心が左側探索領域内に位置する場合、手領域は顔の左側(画像における右側)にあると判定することができる。
ステップS401において、手領域検出部24は、上述したように、横向き顔に応じた探索領域312を設定し、設定した探索領域312において標準の判定基準を用いて利用者の手の検出を行う。例えば、手領域検出部24は、手候補領域の面積Shに対するエッジ画素の数Ehの比Eh/Shの判定に関して、標準の閾値Th(例えば、0.1)より大きければその手候補領域は手領域であると判定し、そうでなければ手領域でないと判定する(ステップS402)。上述のステップS304と同様、ここで使用する判定基準は、標準より緩い判定基準でも厳格な判定基準でもよい。
この判定基準を満たす肌色領域を検出できなかった場合(ステップS402−No)、手領域検出部24は、手領域を検出できなかったことを示す手領域検出不能信号を携帯使用検知部11に渡す。この手領域検出不能信号を受け取った携帯使用検知部11は、図6のステップS311に制御を移行する。
そして、判定部25は、検出された横向き顔が右向き顔であると判定した場合(ステップS403−Yes)、カウンタを1増やす(ステップS404)。また、判定部25は、横向き顔が右向きでないと判定した場合(ステップS403−No)、顔の向きに関する情報に基づいて、利用者が左を向いているか否かを判定する(ステップS405)。そして判定部25は、検出された横向き顔が左向き顔であると判定した場合(ステップS405−Yes)、カウンタを0.5増やす(ステップS406)。こうすることによって、判定部25は、利用者の右側において利用者が携帯電話機を使って通話中であるか否かを判定するための判定基準を利用者の左側の判定基準より厳しくすることができる。
横向き顔が右向きでないと判定した場合(ステップS405−No)、判定部25は、利用者が携帯電話機を用いて通話中であることが検知されなかったことを示す通話検出不能信号を携帯使用検知部11に返し、携帯使用検知部11は図6のステップS311に制御を移す。
取引端末100が起動されたとき、取引監視装置1も起動され、処理が開始される。そして、制御部6は、記憶部5に記憶された人体検知フラグがONに設定されているか否か判定する(ステップS501)。ステップS501において、人体検知フラグがOFFであれば(ステップS501−No)、制御部6は、制御をステップS506に移行する。一方、ステップS501において、人体検知フラグがONであれば(ステップS501−Yes)、制御部6の携帯使用検知部11は、通話検知処理を実行する(ステップS502)。なお、通話検知処理の詳細手順は、図4〜7とともに上述したとおりである。そして制御部6は、携帯使用検知部11からの通話検出信号を参照して、利用者が携帯電話機を使用して通話しているか否かを判定する(ステップS503)。
しかしながら、キャッシュカードの挿入口、現金の入金口、操作部などの配置が異なる取引端末において利用者が左手で操作を行うと想定される場合、利用者は携帯電話機を右手で持つ可能性が高くなる。したがって、この場合は本実施例とは逆に、顔の左側(画像中の右側)における携帯電話機を使用しているか否かの判定基準を、顔の右側(画像中の左側)における判定基準より厳格にするとよい。
また、本発明に係る電話使用検出装置は、上記の実施形態のような、取引端末操作時の利用者の携帯電話機を用いた通話を検出するための使用に限定されない。本発明に係る電話使用検出装置は、病院内など、携帯電話機の使用が禁止される場所に設置されたカメラにより取得された画像データに基づいて、人が携帯電話機を用いて通話していることを検出し、その検出結果に応じて注意を促すメッセージを自動的に放送するためにも好適に使用できる。
以上のように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
110 筐体
120 タッチパネルディスプレイ
130 監視カメラ
140 スピーカ
150 オートホン
151 オートホン制御装置
1 取引監視装置
2 画像取得部
3 音声出力部
4 通信部
5 記憶部
6 制御部
11 携帯使用検知部
12 異常報知部
13 フラグ処理部
21 エッジ画像生成部
22 顔検出部
23 顔向き判定部
24 手領域検出部
25 判定部
Claims (4)
- 送金処理が可能な自動取引端末の利用者の行動を監視する取引監視装置であって、
前記自動取引端末に正対する利用者を撮影するように設置された監視カメラより取得した画像データから利用者の顔に対応する顔領域を抽出する顔検出部と、
前記顔検出部により検出された前記顔領域を基準として設定された探索領域から利用者の手を検出する手領域検出部と、
所定期間中に順次取得された前記画像データのそれぞれから、前記手領域検出部が利用者の手を検出した場合、利用者が携帯電話機を使用して通話中であると判定する判定部と、
前記判定部により、利用者が携帯電話機を使用して通話中であると判定されると、警報を報知する異常報知部と、を有し、
前記手領域検出部は、前記探索領域中の利用者の右手側の右側探索領域において手を検出するための判定基準を、前記探索領域中の利用者の左手側の左側探索領域において手を検出するための判定基準より厳格な判定基準にすることを特徴とする取引監視装置。 - 前記手領域検出部は、前記左側探索領域内に含まれる第1の肌色領域を検出して、該第1の肌色領域の面積に対する該第1の肌色領域に含まれるエッジ画素数の比が第1の閾値より大きい場合、該第1の肌色領域を利用者の手として検出し、前記右側探索領域内に含まれる第2の肌色領域を検出して、該第2の肌色領域の面積に対する該第2の肌色領域に含まれるエッジ画素数の比が前記第1の閾値より大きい第2の閾値より大きい場合、該第2の肌色領域を利用者の手として検出する請求項1に記載の取引監視装置。
- 送金処理が可能な自動取引端末の利用者の行動を監視する取引監視装置であって、
前記自動取引端末に正対する利用者を撮影するように設置された監視カメラより取得した画像データから利用者の顔に対応する顔領域を抽出する顔検出部と、
前記顔検出部により検出された前記顔領域を基準として設定された探索領域から利用者の手を検出する手領域検出部と、
所定期間中に順次取得された前記画像データのそれぞれから、前記手領域検出部が利用者の手を検出した場合、利用者が携帯電話機を使用して通話中であると判定する判定部と、
前記判定部により、利用者が携帯電話機を使用して通話中であると判定されると、警報を報知する異常報知部と、を有し、
前記判定部は、前記探索領域中の利用者の右手側の右側探索領域において手が検出される場合には、前記携帯電話機を使用して通話中であると判定するための前記所定期間を、前記探索領域中の利用者の左手側の左側探索領域において手が検出される場合よりも長い期間とすることを特徴とした取引監視装置。 - 利用者を撮影するように設置された監視カメラより取得した画像データから利用者が携帯電話機を便用しているか否か判定する電話使用検出装置であって、
前記画像データから利用者の顔に対応する顔領域を抽出する顔検出部と、
前記顔検出部により検出された前記顔領域を基準として設定された探索領域から利用者の手を検出する手領域検出部と、
所定期間中に順次取得された前記画像データのそれぞれから、前記手領域検出部が利用者の手を検出した場合、利用者が携帯電話機を使用して通話中であると判定する判定部と、を有し、
前記手領域検出部は、利用者の右手側と左手側とで異なる判定基準を用いて前記探索領域に含まれる手を検出することを特徴とする電話使用検出装置。
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