JP5317493B2 - 電気化学セル - Google Patents

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Description

本発明は、水蒸気を電気分解する反応および水蒸気を排出する電池反応などの電気化学反応を起こさせる電気化学セルに関する。
新エネルギーのひとつとして、水素が挙げられる。水素の利用分野として、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池が注目されている。燃料電池は高いエネルギー利用効率を有し、大規模分散電源、家庭用電源、移動用電源として開発が進められている。
燃料電池は、温度域や使用する材料・燃料の種類に応じて、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形などに分けられる。このうち、固体酸化物の電解質を使用して電気化学反応により電気エネルギーを得る固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、効率などの観点で注目されている。
また、水の電気分解反応で水素を製造することができる。このような水素製造の方法のうち、高温の水蒸気の状態で電気分解する高温水蒸気電解法の動作原理は、SOFCの逆反応である。このため、高温水蒸気電解法による電気分解に、SOFCと同様に固体酸化物の電解質を用いた電気分解セルを用いることができる。
燃料電池あるいは電気分解セルは、一般的に、電解質と電極とから構成され、電気化学セルと呼ばれる。固体酸化物の電解質は酸素イオン導電性を有することを特徴とし、一般に緻密な安定化ジルコニアの成形体を用いている。安定化ジルコニアとしては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)や、スカンジア安定化ジルコニア(ScYZ)などが用いられる。また、電解質材料として、安定化ジルコニアと比較して酸素イオン導電性が良好なペロブスカイト型酸化物やセリア系固溶体を用いる場合がある。セリア系固溶体としては、サマリアを添加したセリア(SDC)や、ガドリニアを添加したセリア(GDC)などが用いられる。
電極は、SOFCを例にとると、空気極と燃料極に分けられる。空気極では、空気中の酸素が電子(e)を取り込み、電気化学反応によって酸素イオンが生成され、電解質へと移動する。燃料極では、燃料ガスであるHと、電解質を移動してきた酸素イオンとが電気化学的に反応し、HOと電子(e)が生成される。
空気極には、一般的に、ペロブスカイト型酸化物や、これらの一部サイトを置換した酸化物が用いられる。このような酸化物としては、LaSrMn酸化物(LSM)、LaSrCo酸化物(LSC)、LaSrCoFe酸化物(LSCF)、LaSrFe酸化物(LSF)などがある。また、空気極には、たとえば、LSM−YSZ、LSM−ScSZ、LSC−SDC、LSC−GDCなど、電解質に用いる固体酸化物との混合体を用いる場合もある。
燃料極には、一般的に、金属と固体酸化物の混合焼結体(サーメット)が用いられる。このようなサーメットとしては、たとえば、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、Ni−ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)などがある。また、燃料極に、Ni、Co、Fe、Ni−Fe、Ni−Mg、Ptなどの金属単体、金属の混合体あるいは合金などを用いる場合もある。
特許第2787156号公報
固体酸化物の電解質を用いた燃料電池や電気分解セルの燃料極には、一般的に、Ni、Fe、Coなどの金属が構成要素のひとつとなっている。これらの金属は、高い電子導電性を有している。電子導電性を有することから、集・給電体の役割も担っている。特に燃料極の構成要素である金属が集・給電体と同一金属であれば、燃料極と集・給電体間の接触抵抗も比較的小さい。また、電子導電性を向上させるために、特許文献1に示すように、Ni繊維などを混合する例もある。
一方、固体酸化物の電解質を用いた燃料電池や電気分解セルの空気極に、一般的に用いられる固体酸化物は、酸素イオン導電性とともに電子導電性を有するが、燃料極に用いているNiやFeなどの金属と比較して、その電子導電性は非常に小さい。しかし、このような電気分解セルにおいて、空気極は高温酸化雰囲気に曝されるため、NiやFeは酸化されやすい。酸化された金属の著しく電子導電性は低くなるため、これらの金属をそのまま空気極に用いることは困難である。また、空気極と集・給電体間の接触抵抗は、大きくなる傾向がある。
しかし、固体酸化物の電解質を用いた燃料電池や電気分解セルの電極では、性能を向上させるために、電子導電性を高めたほうがよい。また、電極と集・給電体間の接触抵抗も低減した方が好ましい。これらの要求は、特に、燃料極より空気極で高い。
そこで、本発明は、固体酸化物の電解質を用いた燃料電池や電気分解セルの電極の電子導電性を向上させることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、電気化学セルにおいて、酸素イオン導電性と電子導電性とを備えた燃料極と、酸素イオン導電性と電子導電性とを備えた空気極と、前記空気極と前記燃料極とで挟まれるように設けられて酸素イオン導電性を持つ固体酸化物を含有する電解質と、を有し、前記空気極は基材とその表面の全面にコーティングされた電子導電性を持つ物質とを有する表面電子導電体を含有し、前記基材は少なくとも前記電解質と同じ材料か、In、ITO、SnO、NbO、TiB、ZrB、MoB、AlN、SiC、MoSi、SiAlON、CeO、またはこれらの混合物、固溶体、金属との混合焼結体のいずれか一つであり、前記空気極における前記材にコーティングされた前記電子導電性を持つ物質は高温酸化雰囲気でも酸化しにくい貴金属あるいは電子導電性セラミックスの少なくともいずれかである、ことを特徴とする。
本発明によれば、固体酸化物の電解質を用いた燃料電池や電気分解セルの電極の電子導電性を向上させることができる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図3は、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第1の実施の形態における単セルの断面図である。
固体酸化物形燃料電池の単セル10は、電解質11、燃料極12および空気極13を有している。電解質11は、燃料極12と空気極13とを、これらに挟まれるように支持している。電解質11は、酸素イオン導電性を持つ固体酸化物である。燃料極12および空気極13は、いずれも酸素イオン導電性および電子導電性を備えている。なお、燃料極12および空気極13のいずれかの電極を支持体としてもよい。固体酸化物形燃料電池は、たとえば複数の単セル10を電気的に直列に接続して、1つの単セル10よりも高い起電力を得るように形成されている。
電解質11は、安定化ジルコニアなどの酸素イオン導電性を有する材料で形成されている。安定化ジルコニアとは、たとえばY、Sc、Yb、Gd、Nd、CaO、MgOなどを安定化剤としてジルコニア(ZrO)に添加したものである。
また、ペロブスカイト型酸化物で電解質11を形成してもよい。このペロブスカイト型酸化物としては、たとえば、LaSrGaMg酸化物、LaSrGaMgCo酸化物、LaSrGaMgCoFe酸化物などが挙げられる。
セリア系電解質固溶体で電解質11を形成してもよい。セリア系電解質固溶体としては、Smをセリア(CeO)に添加したもの(SDC)、Gdをセリアに添加したもの(GDC)、Yをセリアに添加したもの(YDC)、Laをセリアに添加したもの(LDC)、CaOをセリアに添加したもの(CDC)などを用いることができる。なお、これら以外の物質を電解質11に用いてもよい。
燃料極12は、たとえばサーメットで形成される。燃料極12に用いるサーメットは、酸素イオン導電性を持つ固体酸化物と触媒作用を持つ金属との複合材料である。燃料極12は、たとえばサーメット中に金属を含有しているため、電子導電性も有している。
サーメットを構成する酸素イオン導電性を持つ固体酸化物としては、たとえば安定化ジルコニアを用いる。この安定化ジルコニアとしては、たとえばY、Sc、Yb、Gd、Nd、CaO、MgOなどを安定化剤として添加した安定化ジルコニアが挙げられる。
サーメットに混合される触媒作用を持つ金属とは、たとえばNiである。したがって、燃料極12に用いるサーメットとは、たとえば、Ni−YSZ、Ni−ScSZ、Ni−SDC、Ni−GDC、Ni−YDC、などである。また、これらに、たとえば、Fe、Co、Cu、Mg、Al、Pt、Ru、Auなどの金属や、これらの合金を添加したものでもよい。
図1は、本実施の形態における空気極の模式図である。
空気極13は、イオン導電性と電子導電性を有する物質の粒子15を含有している。このような物質としては、たとえば、LaSrMn酸化物(LSM)、LaSrCo酸化物(LSC)、LaSrCoFe酸化物(LSCF)、LaSrFe酸化物(LSF)、LaSrMnCo酸化物(LSMC)、LaSrMnCr酸化物(LSMC)、LaCoMn酸化物(LCM)、LaSrCu酸化物(LSC)、LaSrFeNi酸化物(LSFN)、LaNiFe酸化物(LNF)、LaBaCo酸化物(LBC)、LaNiCo酸化物(LNC)、LaSrAlFe酸化物(LSAF)、LaSrCoNiCu酸化物(LSCNC)、LaSrFeNiCu酸化物(LSFNC)、LaNi酸化物(LN)、GdSrCo酸化物(GSC)、GdSrMn酸化物(GSM)、PrCaMn酸化物(PCaM)、PrSrMn酸化物(PSM)、PrBaCo酸化物(PBC)、SmSrCo酸化物(SSC)、NdSmCo酸化物(NSC)、BiSrCaCu酸化物(BSCC)、BaLaFeCo酸化物(BLFC)、BaSrFeCo酸化物(BSFC)、YSrFeCo酸化物(YLFC)、YCuCoFe酸化物(YCCF)、YBaCu酸化物(YBC)、などが挙げられる。
また、空気極13には、電解質11にも用いることができる酸素イオン導電性を有する材料との混合物を用いてもよい。たとえば、LSM−YSZ、LSCF−SDC、LSCF−GDC、LSCF−YDC、LSCF−LDC、LSCF−CDC、LSM−ScSZ、LSM−SDC、LSM−GDCなどで空気極13を形成することができる。また、これらに、たとえば、Pt、Ru、Au、Ag、Pdなどの触媒成分を添加したものでもよい。
また、空気極13は、表面に電子導電性を持つ物質がコーティングされた粒子状の表面電子導電体17を含有している。
図2は、本実施の形態における空気極中の表面に電子導電性を持つ物質がコーティングされた粒子の断面図である。
この粒子状の表面電子導電体17は、基材71の表面に電子導電性を持つ物質72をコーティングしたものである。基材71の材質は、耐熱性および安定性が高いものが好ましい。たとえば、In、ITO、SnO、NbO、TiB、ZrB、MoB、AlN、SiC、MoSi、SiAlON、CeOなどや、これらを構成成分の一つとした混合物、固溶体、金属との混合焼結体(サーメット)などを基材71として用いることができる。
電子導電性を持つ物質72とは、たとえば、Ni、Fe、Co、Mg、Ti、Cu、Al、Pt、Au、Ag、Pd、Ruなどの金属である。また、電子導電性を持つ物質72として、これらの混合物あるいは合金などを用いてもよい。また、酸化物セラミックスや、非酸化物セラミックスを用いてもよい。特に、空気極13では高温酸化雰囲気に曝されるため、電子導電性を持つ物質72は、貴金属や、電子導電性をもつセラミックス系物質などの耐高温酸化性に優れるものが好ましい。
電子導電性を持つ物質72は、たとえば、メッキ方法、PVD法、CVD法、電気泳動法、スラリーコーティング法、スパッタリング法、プラズマスプレー法、イオンプレーティング法、フレームスプレー法、プラズマジェットトーチ法、EVD法、などで基材71の表面へコーティングすることができる。
図4は、基材の表面に電子導電性を持つ物質がコーティングされた粒子の顕微鏡写真である。
図4に見られる表面電子導電体17は、基材としてYSZ粒子を用い、その表面に電子導電性を持つ物質であるAgをコーティングしたものである。直径15μm程度のYSZ粒子の表面に、1μm程度のAg層がコーティングされている。本実施の形態の空気極13は、このような表面電子導電体17を含有している。
また、この表面電子導電体17を燃料極12に含有させてもよい。燃料極12と空気極13に含有される表面電子導電体17は、互いに組成が異なっていてもよい。
たとえば、空気極13は、発電中に高温酸化雰囲気となるため、Ni、Fe、Coなどの酸化しやすい金属は電子導電性を持つ物質72として用いにくい。そこで、空気極13では、高温酸化雰囲気でも酸化しにくいPt、Au、Ag、Pd、Ruなどの貴金属を単体あるいは合金として用い、運転中に還元雰囲気となる燃料極12では、Ni、Fe、Coなどの安価な金属を用いることにより、全体としてコストを低減することができる。また、空気極13には、電子導電性を持つセラミックス系物質をコーティングしてもよい。さらに、電子導電性を持つセラミックス系物質として、酸素イオン・電子混合導電体を用いることで、反応三相界面が増え、電気化学反応が促進されるようになる。
表面電子導電体17の混合量は、電極全体の触媒活性が損なわれず、かつ、表面電子導電体17同士のネットワーク(連なり)が構築できる範囲とすることが好ましい。このような電極では、その内部に高い電子導電性をもつ電子導電パスが構築される。このため、触媒活性を損なわないまま、空気極13の電気抵抗を低減することができる。また、集・給電材との接触抵抗を低減することができる。さらに、電子導電パスが空気極13内に構築できることにより、電極全体に電子を供給でき、触媒作用を有する電極材料の近傍まで効率よく電子を供給でき、そのため反応が促進される。
表面電子導電体17の基材71は、電解質11と同じ材料で形成してもよい。たとえば、電解質11にYSZを用いた場合にはYSZを、ScSZを用いた場合にはScSZを基材71として用いる。これによって、単セル10を構成する電解質11と、電極との熱膨張差を小さくすることができ、電極の剥離やクラックの発生などを抑制することができる。
このような単セル10を用いたSOFCを用いて発電を行う場合、燃料極12にはメタンなどの炭化水素を供給し、空気極13には酸素を含む空気を供給する。燃料極12に供給された炭化水素は、燃料極12中のNiなどを改質触媒として、改質反応を起こす。この燃料極12での内部改質によって水素が生成され、電池反応に用いられる。
燃料極12および空気極13はいずれも、できるだけ内部に炭化水素あるいは酸素が入り込める方が反応に用いられる気体が多くなる。このため、燃料極12および空気極13は、多孔質体であることが好ましい。
このように本実施の形態の固体酸化物電解質形燃料電池では、空気極などの電極の電子導電性を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第2の実施の形態における空気極の模式図である。
本実施の形態の固体高分子形燃料電池の空気極13では、第1の実施の形態における粒子状の表面電子導電体17(図2参照)の代わりに、繊維状の表面電子導電体18を含有している。この繊維状の表面電子導電体18は、細長い基材71の表面に電子導電性を持つ物質72をコーティングしたものである。
繊維状の表面電子導電体18は、たとえばYSZで形成された細長い繊維状の基材71の表面に、たとえばAgなどの電子導電性を持つ物質72をコーティングして形成される。この繊維状の表面電子導電体18の横断面形状は、第1の実施の形態における粒子状の表面電子導電体18の断面形状とほぼ同様の断面形状を有する。
このような繊維状の表面電子導電体18であっても、空気極13に含有させることにより、空気極13の内部での電子導電の経路が増加するため、電気的抵抗が低下する。つまり、少なくとも表面に電子導電性を持つ物質がコーティングされていれば、第1の実施の形態のように粒子状であっても、本実施の形態のように繊維状であっても、あるいは他の形状であっても、電子導電の経路は増加し、空気極13の電気的抵抗が低下する。
また、粒子状の表面電子導電体17(図2参照)と繊維状の表面電子導電体18とを混合して空気極13などに含有させてもよい。これにより、電子導電性物質で表面をコーティングした物体間の結合が強固となり、また、より多くの電子導電パスが構築されるようになる。
このように本実施の形態の固体酸化物電解質形燃料電池では、空気極などの電極の電子導電性を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第3の実施の形態における空気極に含有された基材の表面に電子導電性を持つ物質をコーティングした粒子の断面図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と、空気極13に含有された基材の表面に電子導電性を持つ物質をコーティングした表面電子導電体が異なる。本実施の形態において、空気極13には、基材71の表面に2つのコーティング層73,74が積層した表面電子導電体19が含有される。いずれのコーティング層73,74も、電子導電性を持つ物質で形成されている。
図7は、YSZを基材としてその表面にAgをコーティングした粒子を高温に保持した後の状態を示す顕微鏡写真である。
Agは、貴金属の中では比較的融点が低い。このため、Agを外側表面に均一にコーティングした粒子が高温に曝されると、図7に示すように、Agが凝集して基材であるYSZの表面に斑に点在するようになる場合がある。そこで、Agよりも融点が高い、たとえばPtをコーティングすることにより、高温での安定性が向上する。しかし、Ptは、Agよりも電気抵抗が大きいため、電子導電性を持つ物質としてPtを単にコーティングしただけでは、空気極13全体の電気抵抗が増加してしまう。
そこで、本実施の形態の空気極13に含有される表面電子導電体19の内側のコーティング層73は、外側のコーティング層74よりも電気抵抗が小さいAgで形成されている。一方、外側のコーティング層74は、たとえば内側のコーティング層73よりも融点が高いPtで形成されている。このような空気極13では、高温での安定性を備えつつ、電気抵抗を低減することができる。
また、外側のコーティング層74を、内側のコーティング層73よりも耐酸化性が高い物質で形成してもよい。この場合、酸化雰囲気中でも空気極13に、高い電子導電性を持つ物質を用いることができる。
外側のコーティング層74を、内側のコーティング層73よりも低融点の物質で形成してもよい。たとえば、内側のコーティング層73をPtで形成し、外側のコーティング層74をAgで形成する。
図8は、本実施の形態において基材の表面に電子導電性を持つ物質で2層にコーティングした粒子であって外側のコーティング層を内側のコーティング層よりも低融点の物質で形成したものが高温に曝された場合の表面状態の変化を示す模式図である。図8において、(a)、(b)、(c)の順に高温に曝された時間が長い状態を示す。
Agなどの低融点材料75を外側表面に均一にコーティングした表面電子導電体19が高温に曝された場合、図7および図8(b)に示すように、低融点材料75が凝集し、斑に点在した様相になる場合がある。この凝集体は、より大きな凝集体に集まり、図8(c)に示すように成長していく。一方、Ptなどの高融点材料で形成された内側のコーティング層73は、基材71の表面で安定に固定されたままである。
このような凝集は、表面電子導電体19が互いに接触する界面において、特に促進されると考えられる。したがって、表面電子導電体19が互いに接触する界面で、低融点材料75が結合材として作用し、また、電子導電パスとして作用する。これにより、表面電子導電体19同士の結合が強まるとともに、空気極13の電気抵抗が小さくなる。
高融点材料および低融点材料の組み合わせとしては、PtおよびAgだけではなく、電子導電性を持つ物質であれば他の組み合わせであってもよい。たとえば、高融点材料としてPd、低融点材料としてAgを組み合わせてもよい。Au(高融点材料)とAg(低融点材料)の組み合わせ、Ru(高融点材料)とAg(低融点材料)の組み合わせ、Pt(高融点材料75)とAu(低融点材料)の組み合わせ、Pd(高融点材料)とAu(低融点材料)の組み合わせ、Ru(高融点材料)とAu(低融点材料)の組み合わせなどでもよい。積層されるコーティングの層の数は、2層に限定されるものではなく、3層以上でもよい。
このように本実施の形態の固体酸化物電解質形燃料電池では、空気極などの電極の電子導電性を向上させることができる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。上述の各実施の形態では、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を例として説明したが、電解質を通過する酸素イオンを介して電気化学反応を起こさせる電気化学セルであればどのようなものにも適用できる。たとえば、高温で水蒸気を電気分解して水素製造を行う高温水蒸気電解法などに用いる電気分解セルにも適用可能である。あるいは、二酸化酸素を分解する電気化学セルにも適用可能である。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第1の実施の形態における空気極の模式図である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第1の実施の形態における空気極中の表面に電子導電性を持つ物質がコーティングされた粒子の断面図である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第1の実施の形態における単セルの断面図である。 基材の表面に電子導電性を持つ物質がコーティングされた粒子の顕微鏡写真である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第2の実施の形態における空気極の模式図である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第3の実施の形態における空気極に含有された基材の表面に電子導電性を持つ物質をコーティングした粒子の断面図である。 YSZを基材としてその表面にAgをコーティングした粒子を高温に保持した後の状態を示す顕微鏡写真である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第3の実施の形態において基材の表面に電子導電性を持つ物質で2層にコーティングした粒子であって外側のコーティング層を内側のコーティング層よりも低融点の物質で形成したものが高温に曝された場合の表面状態の変化を示す模式図である。
符号の説明
10…単セル、11…電解質、12…燃料極、13…空気極、17…表面電子導電体、18…表面電子導電体、19…表面電子導電体、71…基材、73…コーティング層、74…コーティング層

Claims (5)

  1. 酸素イオン導電性と電子導電性とを備えた燃料極と、
    酸素イオン導電性と電子導電性とを備えた空気極と、
    前記空気極と前記燃料極とで挟まれるように設けられて酸素イオン導電性を持つ固体酸化物を含有する電解質と、
    を有し、
    前記空気極は基材とその表面の全面にコーティングされた電子導電性を持つ物質とを有する表面電子導電体を含有し、
    前記基材は少なくとも前記電解質と同じ材料か、In、ITO、SnO、NbO、TiB、ZrB、MoB、AlN、SiC、MoSi、SiAlON、CeO、またはこれらの混合物、固溶体、金属との混合焼結体のいずれか一つであり、
    前記空気極における前記材にコーティングされた前記電子導電性を持つ物質は高温酸化雰囲気でも酸化しにくい貴金属あるいは電子導電性セラミックスの少なくともいずれかである、
    ことを特徴とする電気化学セル。
  2. 前記表面電子導電体は、前記基材にコーティングされた2以上の層が積層したものであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記表面電子導電体は、第1のコーティング層と、この第1のコーティング層よりも外側でこの第1のコーティング層よりも耐酸化性が高い第2のコーティング層を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
  4. 前記表面電子導電体は、第1のコーティング層と、この第1のコーティング層よりも外側でこの第1のコーティング層よりも融点が低い第2のコーティング層を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
  5. 前記基材は、酸素イオン導電性を持つ固体酸化物であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
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