JP5316670B1 - ホットスタンプ用のテーラードブランクとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウムめっき鋼板を、溶接される部分のめっき層を取り除かずにそのまま突合せ溶接して形成したホットスタンプ用のテーラードブランクであって、十分な継手強度を有するテーラードブランクを提供することを課題とする。
【解決手段】アルミニウムめっき鋼板を突合せ溶接して形成したホットスタンプ用のテーラードブランクにおいて、突合せ溶接によって形成された溶接金属について、アルミニウム平均濃度を0.3質量%以上、1.5質量%以下とし、Ac点温度を1250℃以下とし、Δt(溶接金属の成分により決まる100%マルテンサイトになる臨界冷却時間)を0.5秒以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車の構造部材のような強度が必要とされる部材の製造に使用されるブランクであって、複数の鋼板を溶接して形成され、高温でのプレス(ホットプレスともいわれるが、ここでは、ホットスタンプと記載する。)により加工されるテーラードブランクとその製造方法に関するものである。
近年、地球環境保護の視点からCOガス排出量削減のために自動車車体軽量化が喫緊の課題であり、それに対して高強度鋼板を適用する検討が積極的に行われており、その鋼材強度も益々高まっている。
しかし、鋼板の高強度化はプレス時に必要なプレス力が高くなり、設備の大型化を伴って設備コストが上がるだけでなく、鋼板の高強度化に伴う成形の難しさによる金型の修正コスト、金型自体の耐磨耗対策費、形状凍結性向上のためのリストラィキングによる生産性の劣化など、コスト増をもたらす様々な問題点が指摘されている。
この問題を解決する方法の一つとしてホットスタンプが注目されている。ホットスタンプとは、鋼板を高温に加熱し、高温域でプレス加工する技術であり、特に鋼板をAr変態温度以上でプレス加工し、金型による抜熱で急速に冷却し、プレス圧が掛かった状態で変態を起こさせることにより、高強度でかつ形状凍結性の優れたプレス加工品を製造することができる技術である。
一方、プレス品の歩留まりならびに生産性を向上させる手段としてテーラードブランクが自動車用部材のプレス素材に適用されている。
テーラードブランクとは、目的に応じて、複数の鋼板の端面をレーザ溶接などによって接合したプレス用素材である。このようなテーラードブランクを用いることにより、一つの部品の中で板厚や強度を自由に変化させることができるようになるため、部品の機能性を向上させ、また、部品点数の削減も可能となる。
自動車用部材など耐食性を必要とするものの多くは亜鉛系のめっき鋼板が用いられるが、そのような鋼板を用いたブランクをホットスタンプする場合、ブランクは700〜1000℃に加熱される。この温度は、亜鉛の沸点に近いか沸点よりも高く、ホットスタンプで加熱したとき表面のめっき層は溶融して流れ落ちるか蒸発する。このため、ホットスタンプ用のブランクには、亜鉛系のめっきに比べて沸点が高いAl系めっきがなされた鋼板、いわゆるアルミニウムめっき鋼板(以下、アルミめっき鋼板と記載する。)を使用することが望ましい。
しかし、アルミめっき鋼板の突合せ溶接では、溶接金属中のアルミニウムの濃度が高くなって溶接強度が低下することが、例えば特許文献1などによって知られている。これは、アルミニウムの濃度が高くなった溶接金属では焼き入れ性が低下し、ホットスタンプ後も十分な継手強度が得られないことに起因している。
このため、アルミめっき鋼板を突合せ溶接してテーラードブランクを製造する際、このような問題を回避する必要があり、その方法として、引用文献1には、両面アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接継手における溶接金属中のAlの割合を0.65wt%以下とすることが示され、特許文献2には、溶接される部分のめっき層を取り除いて溶接することが示されている。
特開平11−277266号公報 特表2009−534529号公報
上記特許文献1の方法は、両面アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接継手に関するもので、1.5m/min以下の遅い溶接速度でレーザ溶接する必要があり、ホットスタンプ用のテーラードブランクの製造に直接適用できるものではなく、また、上記特許文献2の方法は、テーラードブランクの製造の前に、ブラシやレーザアブレーションにより、溶接される部分のめっき層を取り除く手間が必要となり、そのための工程が別途必要になるという問題がある。
そこで、本発明は、アルミニウムめっき鋼板を、溶接される部分のめっき層を取り除かずにそのまま突合せ溶接して形成したホットスタンプ用のテーラードブランクであって、十分な継手強度を有するテーラードブランクを提供することを課題とする。
ホットスタンプ用のテーラードブランクでは、ホットスタンプにより鋼板母材部は焼入されて硬くなる。本発明では、アルミニウムめっき鋼板からなるテーラードブランクの溶接時に、ホットスタンプ後の母材部と同等以上の硬さを有する溶接金属部が形成されるようにすることを検討し、その結果、そのような溶接金属の形成に必要な条件を見出すことによって上記課題を解決した。
そのようにしてなされた本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) アルミニウムめっき鋼板を突合せ溶接して形成したホットスタンプ用のテーラードブランクであって、
前記突合せ溶接によって形成された溶接金属は、
そのアルミニウム平均濃度が1.5質量%以下であり、
下記の式(1)で定義される溶接金属のAcが1250℃以下であり、
下記の式(2)で定義される溶接金属のΔtが0.5秒以上である
ことを特徴とするテーラードブランク。
Ac=910−230C0.5−15.2Ni+44.7Si+104V+31.5Mo+13.1W−30Mn
−11Cr−20Cu+700P+400Al+120As+400Ti ・・・ 式(1)
Figure 0005316670
ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり、含有していない元素は含有量0として計算する。また、ΔHは、溶接金属中のNの含有量(質量%)を用いて、f=(0.02−N)/0.02とした時、Bの含有量(質量%)に応じて以下のように定義される数である。
B≦0.0001のとき、ΔH=0、
0.0001<B≦0.0002のとき、ΔH=0.03f
0.0002<B≦0.0003のとき、ΔH=0.06f
0.0003<Bのとき、ΔH=0.09fである。
(2) 前記突合せ溶接によって形成された溶接金属の酸素量が、母材平均値より50ppm以上高いことを特徴とする請求項1に記載のテーラードブランク。
(3) 前記溶接金属は、下記の式(3)で定義されるAcが860℃以下であり、前記Δtが1.0秒以上であり、かつ、溶接金属のC量が母材のC量より多いことを特徴とする(1)または(2)記載のテーラードブランク。
Figure 0005316670
ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり、含有していない元素は含有量0として計算する。
(4) 前記突合せ溶接が、フィラーワイヤを供給しながら行う突合せレーザ溶接であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のテーラードブランク。
(5) 前記溶接金属の最も薄い部分の厚みが、前記アルミニウムめっき鋼板の板厚の、突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の厚みが異なる場合は薄い方の鋼板の板厚の80%以上であり、かつ、前記溶接金属の表裏面が、前記アルミニウムめっき鋼板の延長線より、突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の厚みが異なる場合は厚い方の鋼板の延長線より300μmを超えて外側に突出しないようにされていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のテーラードブランク。
(6) 突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の一方が強度の高い鋼板で、他方がそれよりも強度の低い鋼板の組み合わせよりなり、ホットスタンプ後の溶接金属の硬さと溶接金属の最も薄い部分の厚さの積の値が、ホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さと低強度側鋼板の板厚の積の値より高くなるように、前記高強度側と低強度側の鋼板が組み合わされて溶接されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のテーラ−ドブランク。
(7) アルミニウムめっき鋼板を突合せ溶接して形成するホットスタンプ用のテーラードブランクの製造方法であって、
アルミニウムめっき鋼板を間隔をあけて配置し、溶加材を供給しながら前記鋼板を溶接して、前記鋼板の間に、アルミニウム平均濃度が1.5質量%以下であり、かつ、下記式(1)で定義されるAcが1250℃以下であるとともに下記式(2)で定義されるΔtが0.5s以上の条件を満たす溶接金属を形成し、
前記溶接金属を形成するために、突合わせるアルミニウムめっき鋼板のそれぞれの鋼板成分、及び前記鋼板間の間隔に応じて決定される溶加材成分および溶加材供給量を選択して溶接することを特徴とするテーラードブランクの製造方法。
Ac=910−230C0.5−15.2Ni+44.7Si+104V+31.5Mo+13.1W−30Mn
−11Cr−20Cu+700P+400Al+120As+400Ti ・・・ 式(1)
Figure 0005316670
ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり(含有していない元素や化合物は含有量0として計算する)、ΔHは、溶接金属中のNの含有量(質量%)を用いて、f=(0.02−N)/0.02とした時、Bの含有量(質量%)に応じて以下のように定義される数である。
B≦0.0001のとき、ΔH=0、
0.0001<B≦0.0002のとき、ΔH=0.03f
0.0002<B≦0.0003のとき、ΔH=0.06f
0.0003<Bのとき、ΔH=0.09fである。
(8) 前記突合せ溶接において、溶加材としてメタルコアドワイヤを用い、形成された溶接金属の酸素量を、前記鋼板母材の平均値酸素量より50ppm以上高くすることを特徴とする(7)記載のテーラードブランクの製造方法。
(9) 前記突合せ溶接において、
下式(3)で定義される溶接金属のAcが860℃以下となり、
前記Δtが1.0s以上となり、かつ、
溶接金属のC量が母材のC量より多くなるように、
互いに突き合わせるアルミニウムめっき鋼板のそれぞれの鋼板成分、並びに、溶接ビード幅および突合せ隙間に応じて決定される溶加材成分および溶加材供給量を選択して溶接することを特徴とする(7)または(8)に記載のテーラードブランクの製造方法。
Figure 0005316670
ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり、含有していない元素は含有量0として計算する。
(10) 前記突合せ溶接が、フィラーワイヤを供給しながら行う突合せレーザ溶接であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれか1項に記載のテーラードブランクの製造方法。
(11) 溶接金属の最も厚い部分の厚さが、厚い方のアルミニウムめっき鋼板の板表裏面の延長上より突出していても、その盛り上がりが片側で300μm以内であり、かつ、溶接金属の最も薄い部分の厚さが、薄い方のアルミニウムめっき鋼板の板厚に満たなくても、全厚でその80%以上となるような溶接速度およびフィラー供給速度で溶接することを特徴とする(7)〜(10)のいずれか1項に記載のテーラードブランクの製造方法。
(12) 互いに突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の一方が強度の高い鋼板で、他方がそれよりも強度の低い鋼板の組み合わせよりなり、ホットスタンプ後の溶接金属の硬さと溶接金属の最も薄い部分の厚さの積の値が、ホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さと低強度側鋼板の板厚の積の値より高くなるように、前記高強度側の鋼板、低強度側の鋼板、およびフィラーの組成と供給量を組み合わせて溶接することを特徴とする(7)〜(11)のいずれか1項に記載のテーラ−ドブランクの製造方法。
本発明によれば、鋼板端部におけるアルミめっきを除去しなくても、アルミめっき鋼板を突合せ溶接した、継手強度の高いホットスタンプ用テーラードブランクを提供することができる。特に、組み合わされる鋼板の強度が高いテーラードブランクであっても、ホットスタンプ後に鋼板強度と同等以上の継手強度が得られるテーラードブランクを提供することができる。
ホットスタンプ用の鋼板はC含有量が高く、突合せ溶接により形成された溶接金属は、溶接後の冷却で焼入され、ホットスタンプされた母材と同等以上の硬さになる。しかし、アルミめっき鋼板を突合せ溶接した場合には、めっき層のAlが溶接金属に混入するため、溶接金属中のAl濃度によっては、焼入性が低下して溶接後に十分な硬さを有する溶接金属が得られない場合がある。
また、アルミめっき鋼板を突合せ溶接して形成したテーラードブランクをホットスタンプすると、母材部は焼入されて硬くなる。これに対し、溶接部はめっき層からAlが入ることにより、Ac点温度が上昇しており、ホットスタンプの加熱温度(例えば900℃)では、十分にオーステナイト変態しないため、変態しない部分は焼きが入らずに焼戻されることになる。
本発明者らは、アルミめっき鋼板の突合せ溶接によって形成された溶接金属が、ホットスタンプ後に、ホットスタンプで焼入されて硬くなった母材部と同等以上の硬さを有するようになれば、アルミめっき鋼板を突合せ溶接してテーラードブランクを製造する際、突合せ部端部のアルミめっきを除去しなくとも溶接が可能であるとの観点から、そのために必要な溶接金属の条件やアルミめっき鋼板の突合せ溶接方法について検討した。
ホットスタンプ後の硬くなった母材部と同等以上の硬さを有する溶接金属が形成されるためには、少なくとも溶接時に形成された溶接金属が冷却過程でまずオーステナイトに変態し、その後の冷却で焼きが入って十分硬くなることが必要である。また、焼きが入った溶接部が、ホットスタンプの際に焼戻されても少なくても強度の低い側の鋼板よりも高い硬さを維持できることが必要である。
すなわち、下記(a)の要件を満たすとともに、下記(b)、(c)のいずれかの要件を満たすことが必要である。
(a)アルミめっき鋼板の溶接時に形成された溶接金属が、焼きが入って十分硬くなっていること。
(b)テーラードブランクのホットスタンプ工程において、溶接部にある程度焼きが入ること。
(c)ホットスタンプの工程において、溶接部に焼きが入らずに溶接部が焼き戻されても、溶接部が必要な強度を保持していること。
そこで、溶接金属に焼きが入るようにするために、アルミめっき鋼板の突合せ溶接の際に溶着金属の量を増加させ、めっき層から混入するAlを希釈することについて検討した。
溶着金属の量を増加させるには、テーラードブランク製造の際、アルミめっき鋼板の間に間隔をあけてそれらの鋼板を配置し、フィラーワイヤなどの溶加材を用いて溶接して、鋼板間の間隔を溶接金属で充填するようにする方法が有効である。
そこで、本発明者らは、ホットスタンプ用鋼板に対して、ホットスタンプ後の強度で900MPa以上の強度を有する鋼板を組み合わせ、各鋼板の板厚やアルミめっきの付着量を種々変化させるとともに、突合せ溶接する鋼板の開先間隔、溶加材の成分と供給量を変化させて、アルミめっき層の溶融量や溶接金属量を変化させて、突合せレーザ溶接する実験を行い、形成された溶接金属の平均Al濃度と硬さを測定するとともに、引張り試験を行って溶接された継手強度を調べ、溶接後の冷却過程で焼きが入る溶接金属の条件について検討した。
その結果、溶接金属のAlの平均濃度を0.3質量%以上、1.5質量%以下とし、かつ、溶接金属のAc点温度を1250℃以下とするとともに、100%マルテンサイトになるための指標としてのΔtの値を0.5秒以上とすれば、上記(a)の要件を満たすとともに、少なくとも(c)の要件を満たすことができることを見出した。
また、強度や板厚の異なる鋼板を組み合わせて形成されるテーラードブランクに対して、溶接金属の厚みや硬さの条件をさらに明らかにするとともに、そのような溶接金属を製造するための製造方法についても明らかにした。
そのような本発明について、必要な条件や好ましい条件について順次説明する。
(溶接金属のAlの平均濃度)
上記の実験において、さらに、ホットスタンプ用鋼板と組み合わせた鋼板をそれぞれ単独に焼入れ処理して、その硬さを調べ、それらの鋼板を溶接して形成された溶接金属の硬さと比較した。
その結果、少なくとも一方がホットスタンプ用鋼板の場合には、溶接金属のAlの平均濃度が1.5質量%以下に調整されていれば、溶接金属にAlが入っていても、凝固過程でオーステナイト相に変態でき、冷却過程でマルテンサイト、あるいはマルテンサイトとベイナイトよりなる焼きが入った状態となり、十分な継手強度が得られることが見出された。
1.5質量%を超えてアルミが溶接金属に入ると、Alがフェライトフォーマーであることから、溶接金属がフェライト単相となり、溶接によって十分に焼きが入らなくなる。
溶接金属のAlの平均濃度が少なければ、それだけ溶接は容易になるので、特にその下限は設定されないが、Al付着量や開先間隔の制限から、0.3質量%未満にAl濃度を低下するのは困難である。
溶接金属のAlの平均濃度は、開先間隔、表裏の溶接ビード幅、及びめっき付着量(めっき層の厚み)を用いて、めっき層から溶接金属中に溶け込むAl量を算出し、鋼板や溶加材からのAl量加えて溶接金属中のAl量を推定し、その値と溶接金属の断面積より算出することができるので、組み合わされる鋼板や溶加材の成分、めっきの付着量、板厚、開先間隔から予め予想することができる。
レーザ溶接で、溶接金属のAlの平均濃度を1.5質量%以下にするには、例えば、付着量40/40gr/mの両面アルミめっき鋼板の場合、開先間隔0.2mmでは、板厚が0.8〜2.0mmの鋼板を、開先間隔0.4mmでは、板厚が0.8〜2.0mmの鋼板を組み合わせることができ、付着量80/80gr/mの両面アルミめっき鋼板の場合、開先間隔0.2mmでは、板厚が1.4〜4.0mmの鋼板を、開先間隔0.4mmでは、板厚が1.4〜4.0mmの鋼板を組み合わせることができる。
(溶接金属のAc点温度とΔt
溶接金属のAl濃度を1.5質量%以下とする前提で、下記の式(1)で定義される溶接金属のAcが1250℃以下で、かつ下記の式(2)で定義される溶接金属のΔtが0.5秒以上であれば、突合せ溶接後において溶接金属に十分に焼きが入り、十分な溶接部硬さを有するテーラードブランクが製造でき、かつ、ホットスタンプ工程後にも十分な強度を保持することができる。
Ac=910−230C0.5−15.2Ni+44.7Si+104V+31.5Mo+13.1W−30Mn
−11Cr−20Cu+700P+400Al+120As+400Ti ・・・ 式(1)
Figure 0005316670
ここで、ΔHは、溶接金属中のNの含有量(質量%)を用いて、f=(0.02−N)/0.02とした時、Bの含有量(質量%)に応じて以下のように定義される数である。
B≦0.0001のとき、ΔH=0、
0.0001<B≦0.0002のとき、ΔH=0.03f
0.0002<B≦0.0003のとき、ΔH=0.06f
0.0003<Bのとき、ΔH=0.09fである。
式(1)、(2)において、元素記号は溶接金属中のそれぞれの元素の含有量(質量%)を表し、含有していない元素は含有量0として計算する。
なお、Acの式(1)は、文献(Leslie,W.C.著、幸田成康/監訳「レスリー鉄鋼材料学」丸善(1985)発行、p.273)などによりよく知られた式である。
また、Δtの式(2)は、冷却によって100%マルテンサイトになる臨界の冷却時間(秒)を表すもので、この値が大きいほど焼きが入りやすいことを示している。この式は、例えば、文献(糟谷、橋場:新日鉄技報第、385号、p.48−55(2006))に示されている。
Siなどの含有量が多い場合など、鋼板の化学組成によってはAc点温度が上昇し、溶接金属のAl濃度が1.5wt%以下であっても、レーザ溶接後十分に焼きが入らない場合も生じる。そのような場合には、ホットスタンプの加熱温度ではオーステナイト変態しないため、ホットスタンプにより焼戻され溶接部が軟化する。そこで、そのような場合でも、溶接の際に溶接部に十分に焼きが入るための条件として、溶接金属のAc点温度が1250℃以下を規定した。
さらに、ホットスタンプ工程によって溶接部にある程度焼きが入るための条件、あるいは、焼きが入らずに溶接部が焼き戻されても溶接部が必要な強度の保持ができる条件として、溶接金属のΔtが0.5秒以上を規定した。
これらの条件を満たさない場合は、ホットスタンプ後に十分な継手強度が得られない。
(さらに好ましい溶接金属の条件)
本発明では、溶接金属についてAl量とAc点温度とΔtの条件を満たせば、上記(a)の要件を満たすとともに、少なくとも(c)の要件を満たすことができ、ホットスタンプ後も十分な継手強度を有するテーラードブランクとすることができるが、より強度の高い鋼板からなるテーラードブランクを製造する場合や、より高い継手強度を得ようとする場合など、さらに、溶接金属が次の要件を満たすことが望ましい。
[溶接金属の酸素量]
本発明では、テーラードブランクの製造にあって、アルミニウムめっき鋼板を間隔をあけて配置し、溶加材を供給しながら鋼板を溶接する。その際、溶接金属の焼入性を高めるために、溶加材から炭素Cや焼入性を高める元素を溶接金属中に供給するのが有利である。
そのための溶加材として、Cや合金元素の含有量の高いソリッドワイヤは製造が困難なことから、鋼製の外皮の中に炭素粉末や金属粉末を充填したコアドワイヤ(フラックスを含有しないからメタルコアドワイヤともいわれる)を用いるのが簡便である。メタルコアドワイヤでは、炭素粉末や金属粉末を充填することにより容易に溶接金属にCなどを供給できる。
ところで、メタルコアドワイヤでは、鉄粉など比表面積が大きい金属粉体を用いるが、金属粉体表面には酸素が吸着していることから、メタルコアドワイヤを用いて溶接すると溶接金属中の酸素量が増加する。酸素量が増加すると、詳細なメカニズムは不明であるが、マルテンサイトのブロックサイズが小さくなり、溶接金属の靭性が向上する。その効果を発揮させるには、溶接金属中のトータル酸素量が鋼板母材の平均のトータル酸素量より50ppm以上高いことが望ましい。溶接金属中の酸素量は、メタルコアドワイヤの供給量に応じて増加するから、目的の酸素量に応じた量でメタルコアドワイヤを供給する。
酸素量の上限は、メタルコアドワイヤの供給量によって制限されるが、粗大な酸化物を形成しないように、300ppm程度である。
[ホットスタンプで焼きが入る溶接金属の条件]
より高い継手強度を得ようとする場合、要件(b)として記載したように、ホットスタンプ工程において、溶接金属も、オーステナイト変態し焼きが入ることが望ましい。
そのためには、下記の式(3)で定義されるAc点温度が860℃以下であることが必要である。ただし、溶接金属のAc点温度をホットスタンプ温度以下にすることは、Alが入るために困難であり、ホットスタンプで完全に焼き入れすることはできない。しかし、それでもある程度焼きが入るための条件として、上記Δtが1秒以上となるようにする。なお、Ac点温度の下限やΔtの上限は特に規定しないが、それぞれの元素の含有量から取り得る範囲は必然的に制限される。
Figure 0005316670
この式(3)は、前記式(2)と同じ文献に基づくもので、元素記号はそれぞれの元素の含有量(質量%)を表し、含有していない元素は含有量0として計算する。
以上の条件に加えて、さらに、フィラーワイヤとして、炭素粉末を含むコアドワイヤを用いて溶接し、溶接金属のC量を母材のC量より多くすることにより、溶接金属の方が鋼板母材の硬さより硬くなるようにする。そのような溶接金属を有する部材であれば、その部材が衝突などによって大変形を受けた際にも、先に継手部で破断することなく十分な継手強度を保証することができる。
[溶接金属の厚み]
開先が形成された継手部をフィラーワイヤなどの溶加材を用いて溶接する場合、溶接金属の肉厚が母材鋼板の板厚よりも小さくなり過ぎると、溶接継手部の強度が低下するため、溶接金属の最も薄いところの肉厚が、鋼板板厚(鋼板の板厚が異なる場合は、薄い方の板厚)の80%未満とならないようにする。
肉厚が80%未満の場合には、溶接金属が焼きの入りやすい組成であっても、ホットスタンプ時に溶接部で破断したり、破断しなくても製品強度が低下したりするから、肉やせしないように溶接する必要がある。
一方、フィラーワイヤを用いて溶接する場合、溶接ビードの表裏面をアルミめっき鋼板の鋼板面に対して盛り上がらせて、溶接金属の肉厚を厚くする方が、溶接部の強度を確保することができるが、溶接金属の盛り上がり高さが過度になると、ホットスタンプ時に溶接部付近で鋼板と金型との接触が不良となり、鋼板に対する焼き入れが不足してしまう。
そこで、溶接金属の表裏面が鋼板面(鋼板の板厚が異なる場合は、厚い方の鋼板面)の延長線を基準として、それより300μmを超えて外側に突出しないようにする。突出量が300μm以下であれば、金型、特に直水冷金型(金型より冷却水を噴出して鋼板を冷却する金型)を用いて、鋼板に十分に焼きを入れることができる。
[ホットスタンプ後の溶接金属の硬さ]
ホットスタンプ用のテーラードブランクでは、互いに突合せ溶接するアルミめっき鋼板の一方が強度の高い鋼板で、他方がそれよりも強度の低い鋼板の組み合わせを採用することが多い。そのようなテーラードプランクをホットスタンプして構造部材を製造した後、その部材が自動車に組み込まれ、衝突によって大変形を受けた際にも、溶接ビードで破断することなく、良好な変形能・エネルギー吸収特性・耐力を発揮しなければならない。
そのためには、ホットスタンプ後の溶接部の強度が、強度の低い側の鋼板のホットスタンプ後の強度と同等またはそれ以上であることが必要である。
すなわち、ホットスタンプ後の溶接金属の硬さHv(WM)と溶接金属の最も薄い部分の厚さt(WM)の積が、ホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さHv(LBM)と低強度側鋼板の板厚t(LBM)の積の値より高くなる、すなわち、
Hv(WM)×t(WM)>Hv(LBM)×t(LBM)
となるように、前記高強度側と低強度側の鋼板及び溶接金属が組み合わされて、溶接されていることが必要である。
ここで、溶接金属の硬さは、中心部のビード断面において板厚方向に5点測定し、中3点の測定値を平均したものとする。
製造しようとするテーラードブランクが、このような条件を満たすかどうかは、実際に製造して確認することが基本となるが、ホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さHv(BM)と溶接金属の硬さHv(BM)を予測して、テーラードブランクが上記の条件を満たすかどうか予め推定することもできる。
Hv(WM)は、両鋼板と溶加材の化学成分、及び板厚と突合せ間隔より溶接金属のC量を推定し、推定されたC量によって、溶接金属がマルテンサイトである時の硬さHv(WM)を下記式(4)より計算する。Acが1250℃以下であるものの、Acが860℃以上で、ΔtMが、0.5秒以上1.0秒未満の場合、計算された硬さから100を引いた値を溶接金属の下限として推定する。なお、100は、溶接金属がホットスタンプ工程で焼き戻された場合の硬さ低下代であり、実験的に求められた数である。
Hv(M)=884C(1−0.3C)+294 ・・・式(4)
溶接金属には、アルミが入ることからAc、Acが上昇する。ホットスタンプ工程によって、アルミ量によっては、完全にオーステナイトに変態せず、2相域、あるいは単に焼き戻されるだけになる。単に焼き戻されるだけの場合に最も軟らかくなる。経験的にその硬さは、Hv(M)−100程度となることを確認した。
Ac1が860℃以下、ΔtMが1.0秒以上となる場合の溶接金属の硬さは、Hv(M)で推定することができる。
Hv(BM)は、式(4)から計算されるHv(M)値と鋼板の元素含有量(質量%)を用いて計算される、下記の式
{1650(C+f(B))+10Si+80(Mn+Cr+V+2Mo+2Nb+Cu
/2+Ni/4)}
の値の低い方を推定値として採用する。
ただし、B含有量≧0.0004質量%の場合は、f(B)=0.03とし、B含有量<0.0004質量%の場合は、f(B)=0とする。
以上のように予測された硬さと、組み合わせようとする鋼板の板厚、溶接金属の厚みを鋼板板厚〜0.9×鋼板板厚として、上記式を満たすかどうか判定して、テーラードブランクを構成する鋼板の組み合わせの可能性をあらかじめ予測することができる。
(アルミめっき鋼板)
本発明では、テーラードブランクに用いられるアルミめっき鋼板としては、特定のものに限定されるものではないが、鋼板母材やめっき層について本発明が適用可能な範囲について説明する。
[アルミめっき鋼板の母材]
母材鋼板として、強度の高い側の鋼板には、ホットスタンプ工程で焼入され、高い機械的強度(例えば、引張強さ・降伏点・伸び・絞り・硬さ・衝撃値・疲れ強さ・クリープ強さなど)を有する組成の鋼板(ホットスタンプ用鋼板)を使用することが望ましい。そのような鋼板の例としては、質量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.1〜0.35%、Mn:0.8〜1.8%、Cr:0.01〜0.5%、B:0.1%以下(0%を含む)を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる成分の鋼、あるいは、この鋼をベースに、さらに、Ti、Mo、Nbの1種または2種以上をさらに添加した鋼が例示できる。
このような鋼板に組み合わされる鋼板の例としては、強度が低いホットスタンプ用鋼板として、ホットスタンプ後の強度が900〜1200MPa級の鋼が例示できる。
また、鋼板母材としては、板厚が0.8〜4mmの範囲のものに適用が可能である。
[アルミめっき層]
アルミめっき層は、鋼板の腐食を防止するとともに、鋼板をホットスタンプにより加工する際に、高温に加熱された鋼板の表面が酸化することにより発生するスケール(鉄の酸化物)の生成を防止する。アルミめっき層は、有機系材料によるめっき被覆や他の金属系材料(例えばZn系)によるめっき被覆よりも沸点などが高いため、ホットスタンプ方法により成形する際に高い温度での加工が可能となり、溶接金属に焼きを入れるために有利である。これらの作用のため、アルミめっき層は両面に形成されたものが望ましい。
このアルミめっき層は、例えば溶融めっき法により鋼板の表裏面に形成される。めっき層の成分としては、Alを含有していれば本発明を適用できる。Al以外の成分は、特に限定しないが、Siを3〜15質量%添加したものでもよい。
Siを添加すると、溶融めっき金属被覆時に生成される合金層を制御することができる。その量が3%未満の場合にはその効果が十分でなく、一方、15%を超えるとめっき層の加工性や耐食性が低下する恐れがある。
(テーラードブランクを製造するための溶接方法)
本発明では、アルミめっき鋼板を突合せ溶接して形成されたテーラードブランクを対象とする。
溶接方法としては、溶接後の冷却で溶接金属に十分な焼きを入れることが重要であるため、鋼板の溶け込み幅が小さく、溶接後の冷却速度の速い溶接方法を用いる必要がある。そのような溶接が可能な溶接方法としては、レーザ溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接のような、エネルギー密度が高く、狭い領域を集中して加熱できる熱源を用いた溶接方法が適している。中でも、レーザ溶接が最も適している。
本発明では、より強度の高い鋼板を組み合わせたテーラードブランクを形成できるように、積極的に溶接金属中のAl濃度を低下させる。そのため、溶接するアルミめっき鋼板の間に隙間を形成してそれらの鋼板を配置し、フィラーワイヤなどの溶加材を用いて溶接して、鋼板間の間隔を溶着金属で充填するようにし、溶着金属量を増大させる。
さらに、溶加材の成分を調整して、溶接金属の成分により決定されるAcやAc点の温度及びΔtを制御して、溶接金属の焼入性を高めるようにする。
溶加材としては、粉末の形態のものでもワイヤの形態でも使用できるが、歩留まりの観点から、ワイヤの形態すなわちフィラーワイヤとして供給するのが適している。
また、フィラーワイヤとしては、溶接金属の成分を調整するために、鋼製の外皮の中にCや金属紛末を充填したメタルコアドワイヤを用いるのが望ましい。
溶接にあったっては、前述のように、アルミニウム平均濃度が1.5質量%以下であり、かつ、Acが1250℃以下であるとともにΔtが0.5s以上の条件を満たす溶接金属を形成する必要があり、さらには、Acが860℃以下で、前記Δtが1.0s以上であり、かつ、溶接金属のC量が母材鋼板のC量より多い溶接金属を形成するのが望ましい。
そのような溶接金属を形成するために、溶接に用いるアルミニウムめっき鋼板の板厚、鋼板成分、めっき付着量、及び突き合わせる鋼板の間隔(開先間隔)に応じて、溶接条件毎に溶加材成分および溶加材供給量を選択して溶接する必要がある。
そのためには、次のような手順で溶加材成分および溶加材供給量を予め推定し、推定した成分と供給量を用いて実験的に確認するとよい。
(i)まず、溶接するアルミめっき鋼板の板厚と開先間隔と溶接条件(溶接入熱量)から、溶接ビード形状をあらかじめ推定し、推定した鋼板表裏面における溶接ビードの幅からめっき層の溶融幅を求め、その溶融幅とめっき厚みをもとにめっき層から溶接ビードを形成する溶接金属中に溶け込むAl量を推定する。
そして、推定した溶接ビード形状から溶着金属量を求め、溶接する鋼板成分、用いるフィラーワイヤの組成、溶接金属中に溶け込むAl量から、溶接金属の成分を推定する。
(ii)次に、推定した溶接金属の成分を調べ、成分が上記条件に適合するかを判定し、適合しない場合は、フィラーワイヤの組成を変更することで上記条件に適合させることができるかどうかを判定し、適合する場合は、フィラーワイヤをそのワイヤに変更する。
(iii)適合しない場合は、開先間隔を変更して、溶着金属量を増加させ、上記(i)の手順で再度溶接金属の成分を推定して、溶接金属が上記条件に適合するかどうかを判定する。
以上では、溶接金属の成分に着目して、フィラーワイヤの成分や供給量を調整する場合について説明したが、母材鋼板の硬さと溶接金属の硬さの関係を調整することも、前述のホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さHv(BM)と溶接金属の硬さHv(BM)の予測方法を用いて、母材鋼板の硬さと溶接金属の硬さの関係が上記の条件を満たすかどうか予め推定して実施することもできる。
ホットスタンプ後に部分的に強度の異なるテーラードブランクを得るために、ホットスタンプにより引張強度が1470MPa級となる鋼板(鋼種HS)と、ホットスタンプ前で引張強度が590MPaとなる鋼板(鋼種590)をレーザ溶接によって接合した。用いた鋼板の板厚は、1.0mmから1.8mmの範囲とした。
溶接金属中のアルミニウム平均濃度を作り分けるために、アルミめっきの無い鋼板の外に、アルミめっき付着量が、両面に片面当たり40gr/m2、および両面に片面当たり80gr/m2の鋼板を試作した。
これらの鋼板は、シャー切断したままの状態で突合せ、鋼板間の開先間隔を調整した後、溶接時には溶加材を供給しながら、ファイバレーザにより溶接した。
レーザは焦点距離300mm、集光スポット径が0.6mmとなる集光光学系を使用し、焦点はずし距離は18mmとした。溶接時のシールドは、レーザ光と同軸のシールドノズル(内径6mm)を用い、スタンドオフ(ノズル先端と鋼板表面との距離)を10mmに設定して、Arガス流量が30リットル/minとなる条件で行った。溶接速度および加工点出力は、4m/minおよび4.5kW一定とし、板厚および開先の間隔に応じて溶加材の供給速度を調整し、板厚と同等程度にした。
突合せ溶接時には、鋼板間の開先隙間を0.1mmから0.4mmに変え、溶加材として直径が1.2mmのワイヤを供給して溶接し、溶接金属の成分を調整した。
溶加材として、4種類のフィラーワイヤ、すなわち、日鐵住金溶接工業(株)製メタルコアドワイヤのSX-1LDの他、ソリッドワイヤのYGW12、今回試作したソリッドワイヤのFiller-A(C:0.45%、Si:0.8%、Mn:1.5%、P:0.015%、S:0.011%)および、試作メタルコアドワイヤのFiller-B(C:0.6%、Si:0.8%、Mn:6.0%、P:0.01%、S:0.009%))を用いた。
溶接後に得られたテーラードブランク材を、次いでホットスタンプした。ホットスタンプは、炉加熱によりブランク材を900℃にまで加熱して金型で挟み込むことにより行い、平板に仕上げた。
レーザ溶接後、表面のAlの濃化層を研削除去した後に採取した溶接金属を用いて溶接金属中のアルミニウム平均濃度を分析して求めた。また、レーザ溶接後の溶接部の品質確認のために、溶接部の断面観察とビード厚計測を実施した。
さらに、ホットスタンプによる焼き入れ状態確認のため、ホットスタンプ後の低強度側の母材部および溶接ビード部の硬さ測定を実施した。また、部分的に強度を作り分けたホットスタンプ後の部材性能評価として、溶接ビードと直交して負荷をかける引張試験、および、溶接部の靱性を調査するためのシャルピー衝撃試験を行った。衝撃試験におけるノッチ試験片のノッチ位置は溶接金属中央とした。
使用した鋼板や溶接後やホットスタンプ後の各種測定した結果を表1、2に示す。
実施したNo.1〜21の試験の結果は次のように評価できた。
めっき付着量が多かったり、鋼板板厚が薄かったりすると、溶接金属中のアルミニウム平均濃度が高くなりすぎ、極端な場合にはアルミニウム平均濃度が1.5質量%以上となり、溶接金属の焼き入れ性が失われた(No.1)。
アルミニウム平均濃度が1.5質量%未満に抑えられた場合であっても、開先の間隔が狭いと、フラックスコアドワイヤによる溶接金属中のC量の増加が少なく、ホットスタンプ工程での加熱温度では、完全にオーステナイトにできず、十分に焼きが入らなくなり、Ac点がさらに高くなるとレーザ溶接においても焼きが入らなくなることが明らかとなった。試験によると、式(1)を用いたAc点の推定値が1250℃を上回ると、レーザ溶接後の冷却過程でもオーステナイトに変態することが無くなり、焼きが入らなくなった。このため、アルミニウムが高濃度に溶解した溶接金属の硬さは、母材の硬さに比べて低くなり、ホットスタンプ後の引張試験で溶接金属破断となることを確認した。また、衝撃試験でも溶接金属をき裂が伝播し、破断することを確認した(No.2、15、18)。
そこで、鋼板の開先間隔を大きくとり、C量とMn量が多いフラックスコアドワイヤSX-1LDを供給して、溶接したところ、溶接金属中のC量が増加し、かつ、Alの平均濃度を下げることができたため、焼きが入り、溶接金属の硬さは、母材の硬さに比べて高くなり、ホットスタンプ後の引張試験で低強度側の母材で破断となることを確認できた。また、衝撃試験でも溶接金属の靱性が十分であるために、き裂が母材に逸れて破断した。(No.3〜6、9、13、14、16、17、20)。
しかし、溶接金属の厚さが母材鋼板の板厚よりも薄くなり過ぎると、溶接継手部の強度が低下してホットスタンプ後の引張試験で溶接金属破断した(No.7)。それを防ぐために、SX-1LDの供給量を増やしすぎると、溶接金属の厚さが厚くなり過ぎ、ホットスタンプ時に溶接部付近で鋼板と金型との接触が不良となり、低強度側の母材の焼きが入らなくなり、低強度で破断する継手となった。(No.8)
次にソリッドワイヤのYGW12、試作ソリッドワイヤでC量とMn量の多いFiller-A、SX-1LDよりC量とMn量を増加させた試作メタルコアドワイヤのFiller-Bの効果について調査した。
YGW12を供給して溶接したところ、ΔtM の値が0.5秒未満となり、ホットスタンプ時に十分な焼きが入らなかったため、溶接金属の硬さが、母材の硬さに比べて低くなり、ホットスタンプ後の引張試験で溶接金属破断となることを確認した(No.10)。
試作ソリッドワイヤのFiller-Aを供給して溶接したところ、溶接金属中のC量を増加させ、かつ、Alの平均濃度を下げることができたため、焼きが入り、溶接金属の硬さは母材の硬さに比べて高くなり、ホットスタンプ後の引張試験で低強度側の母材で破断となることを確認できた。しかし、ソリッドワイヤでは、溶接金属中の酸素量は母材平均値より40ppm程度にしかならず、溶接金属の靱性が低くなり、衝撃試験では、溶接金属をき裂が伝播し、破断してしまった(No.11)。
試作メタルコアドワイヤのFiller-Bで溶接したところ、溶接金属中にAl量が多く入る条件である(鋼板の開先間隔が小さく、鋼板の板厚が薄く、めっき厚も厚い)にもかかわらず、焼きが入り、溶接金属の硬さは、母材の硬さに比べて高くなり、ホットスタンプ後の引張試験で低強度側の母材で破断となることを確認できた。また、メタルコアドワイヤであるため、酸素が溶接金属に持ち込まれ、溶接金属の靱性が十分となり、衝撃試験でもき裂が母材に逸れて破断した(No.19)。
溶接方法としてプラズマ溶接を用い、SX-1LDを供給して溶接したところ、溶接ビード幅が2mm以上と広くなるために、鋼板めっき層からのAl量が溶接金属中へ多量に供給され、十分な開先隙間を取っているにもかかわらず、Ac点の推定値が1250℃を上回り、レーザ溶接後の冷却過程でもオーステナイトに変態することが無くなり、焼きが入らなくなった。このため、溶接金属の硬さは、母材の硬さに比べて低くなり、ホットスタンプ後の引張試験で溶接金属破断となることを確認した(No.12)。
しかし、同じプラズマ溶接でも、溶接金属中のアルミニウム濃度を下げるため、鋼板の板厚を1.8mmと厚くし、めっき付着量を40gr/m2にして、SX-1LDを供給して溶接したところ、Ac点の推定値は1250℃を下回り、レーザ溶接後の冷却過程で焼きが入った。また、ワイヤにより板厚方向の溶接金属の厚みを母材の板厚以上にすることができるため、「溶接金属の板厚×硬さ」の値は、確実に「母材の板厚×硬さ」以上の値となり、ホットスタンプ後の引張試験で母材破断となることを確認した。さらに、メタルコアドワイヤ使用のため、衝撃試験でも、き裂が母材に逸れて破断することを確認した(No.21)。
Figure 0005316670
Figure 0005316670

Claims (12)

  1. アルミニウムめっき鋼板を突合せ溶接して形成したホットスタンプ用のテーラードブランクであって、
    前記突合せ溶接によって形成された溶接金属は、
    そのアルミニウム平均濃度が1.5質量%以下であり、
    下記の式(1)で定義される溶接金属のAcが1250℃以下であり、
    下記の式(2)で定義される溶接金属のΔtが0.5秒以上である
    ことを特徴とするテーラードブランク。
    Ac=910−230C0.5−15.2Ni+44.7Si+104V+31.5Mo+13.1W−30Mn
    −11Cr−20Cu+700P+400Al+120As+400Ti ・・・ 式(1)
    Figure 0005316670
    ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり、含有していない元素は含有量0として計算する。また、ΔHは、溶接金属中のNの含有量(質量%)を用いて、f=(0.02−N)/0.02とした時、Bの含有量(質量%)に応じて以下のように定義される数である。
    B≦0.0001のとき、ΔH=0、
    0.0001<B≦0.0002のとき、ΔH=0.03f
    0.0002<B≦0.0003のとき、ΔH=0.06f
    0.0003<Bのとき、ΔH=0.09fである。
  2. 前記突合せ溶接によって形成された溶接金属の酸素量が、母材平均値より50ppm以上高いことを特徴とする請求項1に記載のテーラードブランク。
  3. 前記溶接金属は、下記の式(3)で定義されるAcが860℃以下であり、前記Δtが1.0秒以上であり、かつ、溶接金属のC量が母材のC量より多いことを特徴とする請求項1または2に記載のテーラードブランク。
    Figure 0005316670
    ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり、含有していない元素は含有量0として計算する。
  4. 前記突合せ溶接が、フィラーワイヤを供給しながら行う突合せレーザ溶接であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテーラードブランク。
  5. 前記溶接金属の最も薄い部分の厚みが、前記アルミニウムめっき鋼板の板厚の、突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の厚みが異なる場合は薄い方の鋼板の板厚の80%以上であり、かつ、前記溶接金属の表裏面が、前記アルミニウムめっき鋼板の延長線より、突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の厚みが異なる場合は厚い方の鋼板の延長線より300μmを超えて外側に突出しないようにされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のテーラードブランク。
  6. 突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の一方が強度の高い鋼板で、他方がそれよりも強度の低い鋼板の組み合わせよりなり、ホットスタンプ後の溶接金属の硬さと溶接金属の最も薄い部分の厚さの積の値が、ホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さと低強度側鋼板の板厚の積の値より高くなるように、前記高強度側と低強度側の鋼板が組み合わされて溶接されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のテーラ−ドブランク。
  7. アルミニウムめっき鋼板を突合せ溶接して形成するホットスタンプ用のテーラードブランクの製造方法であって、
    アルミニウムめっき鋼板を間隔をあけて配置し、溶加材を供給しながら前記鋼板を溶接して、前記鋼板の間に、アルミニウム平均濃度が1.5質量%以下であり、かつ、下記式(1)で定義されるAcが1250℃以下であるとともに下記式(2)で定義されるΔtが0.5s以上の条件を満たす溶接金属を形成し、
    前記溶接金属を形成するために、突合わせるアルミニウムめっき鋼板のそれぞれの鋼板成分、及び前記鋼板間の間隔に応じて決定される溶加材成分および溶加材供給量を選択して溶接することを特徴とするテーラードブランクの製造方法。
    Ac=910−230C0.5−15.2Ni+44.7Si+104V+31.5Mo+13.1W−30Mn
    −11Cr−20Cu+700P+400Al+120As+400Ti ・・・ 式(1)
    Figure 0005316670
    ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり(含有していない元素や化合物は含有量0として計算する)、ΔHは、溶接金属中のNの含有量(質量%)を用いて、f=(0.02−N)/0.02とした時、Bの含有量(質量%)に応じて以下のように定義される数である。
    B≦0.0001のとき、ΔH=0、
    0.0001<B≦0.0002のとき、ΔH=0.03f
    0.0002<B≦0.0003のとき、ΔH=0.06f
    0.0003<Bのとき、ΔH=0.09fである。
  8. 前記突合せ溶接において、溶加材としてメタルコアードワイヤを用い、形成された溶接金属の酸素量を、前記鋼板母材の平均値酸素量より50ppm以上高くすることを特徴とする請求項7に記載のテーラードブランクの製造方法。
  9. 前記突合せ溶接において、
    下式(3)で定義される溶接金属のAcが860℃以下となり、
    前記Δtが1.0s以上となり、かつ、
    溶接金属のC量が母材のC量より多くなるように、
    互いに突き合わせるアルミニウムめっき鋼板のそれぞれの鋼板成分、並びに、溶接ビード幅および突合せ隙間に応じて決定される溶加材成分および溶加材供給量を選択して溶接することを特徴とする請求項7または8に記載のテーラードブランクの製造方法。
    Figure 0005316670
    ここで、各元素記号は、溶接金属中のその元素の含有量(質量%)であり、含有していない元素は含有量0として計算する。
  10. 前記突合せ溶接が、フィラーワイヤを供給しながら行う突合せレーザ溶接であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のテーラードブランクの製造方法。
  11. 溶接金属の最も厚い部分の厚さが、厚い方のアルミニウムめっき鋼板の板表裏面の延長上より突出していても、その盛り上がりが片側で300μm以内であり、かつ、溶接金属の最も薄い部分の厚さが、薄い方のアルミニウムめっき鋼板の板厚に満たなくても、全厚でその80%以上となるような溶接速度およびフィラー供給速度で溶接することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のテーラードブランクの製造方法。
  12. 互いに突合せ溶接するアルミニウムめっき鋼板の一方が強度の高い鋼板で、他方がそれよりも強度の低い鋼板の組み合わせよりなり、ホットスタンプ後の溶接金属の硬さと溶接金属の最も薄い部分の厚さの積の値が、ホットスタンプ後の低強度側鋼板の硬さと低強度側鋼板の板厚の積の値より高くなるように、前記高強度側の鋼板、低強度側の鋼板、およびフィラーの組成と供給量を組み合わせて溶接することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のテーラ−ドブランクの製造方法。
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