JP5316445B2 - バイオセンサに用いられるカバーフィルム - Google Patents
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Description
(1)気化性防錆剤含有層が、少なくともプラスチック樹脂と気化性防錆剤とを含有すること、
(2)気化性防錆剤含有層の厚さが、0.1〜5μmであること、
(3)気化性防錆剤含有層中のプラスチック樹脂100質量部に対し、気化性防錆剤を0.01〜15質量部含有すること、
(4)気化性防錆剤含有層に更に界面活性剤成分を含有すること、
(5)気化性防錆剤含有層のプラスチック樹脂100質量部に対し、界面活性剤成分を0.1〜20質量部含有すること、
(6)金属回路基板フィルムの金属が、スズ、銅、アルミニウム、銀、パラジウムのいずれかであること、
である。
気化性防錆剤を構成するプラスチック樹脂とは、例えば、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマ−樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアルキレンオキシド樹脂、ゼラチン等を使用するのが、基材との密着力などが優れている点から好ましく用いられる。これらのプラスチック樹脂は、いずれかを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、気化性防錆剤含有層は、気化性防錆剤含有層を構成する成分を含む塗布液を基材フィルムに塗布し、塗膜とすることで形成することができる。かかる塗布液は、例えば、前記プラスチック樹脂と前記気化性防錆剤、および界面活性剤成分を混合して、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)、アルコール等の有機溶剤や水等の溶媒で所望の濃度に希釈して得ることができる。
〔各部材の作成方法〕
各部材の作成方法について以下に説明する。
(1)金属回路基板フィルムの作成方法
東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(R)(タイプE20)188μmを基材とした。この基材表面にマグネチックスパッタリング法によりパラジウム金属膜を形成し、基材フィルム/金属積層フィルムからなる金属回路基板フィルムを作成した。このときのパラジウムの厚さは、8nmであった。
東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(R)(タイプE20)188μmを基材とした。この基材表面にマグネチックスパッタリング法によりパラジウム金属膜を形成し、基材フィルム/金属積層フィルムからなる金属回路基板フィルムを作成した。このときのパラジウムの厚さは、8nmであった。
東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(R)(タイプE20)100μmを基材とした。また塗布液として非結晶性ポリエステル接着剤樹脂をトルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)に溶解した30質量%溶液(東亞合成(株)製PES−345S30)を用意した。30質量%の塗布液をコンマコータにてシリコーン系離型フィルムに塗布し、120℃で2分間乾燥した後、非結晶性ポリエステル接着剤樹脂を基材の片面に転写した。同様にして非結晶性ポリエステル接着剤樹脂を基材の他方の面にも転写して、両面に非結晶性ポリエステル接着剤樹脂層を有するフィルムを得た。ポリエステル系接着剤樹脂層の厚さはそれぞれ20μmであった。次いで、幅1.2mm、長さ20mmの細い溝を切り欠いてスペーサを得た。このときのスペーサの厚さは、140μmであった。
東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム”ルミラー”(R)(タイプT60)100μmを基材とした。また塗布液として、下記に示す有効成分比で調合し、トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)の混合溶剤で不揮発分15質量%に調整した塗布液を用意した。塗布液をグラビアコーターにて基材の片面に塗布し、120℃で30秒乾燥して気化性防錆剤含有層を有するカバーフィルムを得た。気化性防錆剤含有層の塗布厚さは1.0μmであった。
気化性防錆剤 :VERZONE N−BTA(大和化成(株)製) ・・・0.4質量部。
前記各部剤の作成方法(1)の手順で作成した金属回路基板フィルムの上に、前記各部材の作成方法(2)の手順で作成したスペーサと、前記各部材の作成方法(3)の手順で作成した気化性防錆剤含有層を有するカバーフィルムとを接着させることにより、幅1.2mm、高さ140μm、長さ20mmの液体試料測定室を有する試験片を作成した。また液体試料測定室の吸引口より18mmに位置するカバーフィルムに0.5mmφの空気孔を作成した。なお、カバーフィルムは気化性防錆剤含有層がスペーサ側を向くようにして接着した。
上記液体試料測定室の作成方法の手順で作成された試験片を23℃、65%RH雰囲気に30日間曝したもの、および、40℃、90%RH雰囲気に30日間曝したものをそれぞれ50個ずつ準備した。該試験片の、吸引口の先端にヘマトクリットを45%に調整した血液を当てて、毛細管現象により血液を上記液体試料測定室内に導入した。吸引口の先端に血液を当ててから、液体試料測定室内の15mmの位置に血液が達するまでに要した時間を計測した。50個の試験片の平均値および式1で求められる変動係数(CV値)を評価した。
前記カバーフィルムの作成方法において、塗布液を下記に示す有効成分比で調合した以外は、参考例1と同様に試験片の作成および評価を行なった。
気化性防錆剤 :VERZONE N−BTA(大和化成(株)製) ・・・0.4質量部
界面活性剤 :ネオペレックスG−65(花王(株)製) ・・・10質量部。
東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(R)(タイプE20)188μmを基材とし、表1に示す厚みの金属を、参考例3および実施例4は、マグネチックスパッタリング法により、実施例5および6は化学蒸着法により、実施例7および8は、ドライラミネーション法による金属箔のラミネートよりなる金属回路基板フィルムを作成した。
次いで、前記カバーフィルムの作成法において、塗布液を下記に示す有効成分比で調合し、イソプロピルアルコール/イオン交換水=1/1(質量比)の混合溶剤で不揮発分15質量%に調整した塗布液を用意した。塗布液をグラビアコーターにて基材の片面に塗布し、120℃で30秒乾燥して気化性防錆剤含有層を有するカバーフィルムを得た。気化性防錆剤含有層の塗布厚さは2.3μmであった。
プラスチック樹脂:ペスレジンA−120(高松油脂(株)製ポリエステル樹脂) ・・・100質量部
気化性防錆剤 :VERZONE Cristal #120(大和化成(株)製) ・・・0.1質量部
界面活性剤 :ネオペレックスG−65(花王(株)製) ・・・10質量部。
プラスチック樹脂:ペスレジンA−120(高松油脂(株)製ポリエステル樹脂) ・・・100質量部
気化性防錆剤 :New Dain Silver(大和化成(株)製) ・・・10質量部
界面活性剤 :ネオペレックスG−65(花王(株)製) ・・・10質量部。
プラスチック樹脂:ペスレジンA−120(高松油脂(株)製ポリエステル樹脂) ・・・100質量部
気化性防錆剤 :VERZONE Cristal #150(大和化成(株)製) ・・・13質量部
界面活性剤 :ネオペレックスG−65(花王(株)製) ・・・10質量部。
プラスチック樹脂:ペスレジンA−120(高松油脂(株)製ポリエステル樹脂) ・・・100質量部
気化性防錆剤 :VERZONE DA−1(大和化成(株)製) ・・・0.04質量部
界面活性剤 :アンステックスC200(東邦化学工業(株)製) ・・・5質量部。
プラスチック樹脂:ペスレジンA−120(高松油脂(株)製ポリエステル樹脂) ・・・100質量部
気化性防錆剤 :VERZONE Cristal #130(大和化成(株)製) ・・・1質量部
界面活性剤 :アンステックスC200(東邦化学工業(株)製) ・・・5質量部。
プラスチック樹脂:ペスレジンA−120(高松油脂(株)製ポリエステル樹脂) ・・・100質量部
気化性防錆剤 :VERZONE Cristal #270(大和化成(株)製) ・・・3質量部
界面活性剤 :アンステックスC200(東邦化学工業(株)製) ・・・5質量部。
前記参考例1〜3、実施例4〜8の塗布液において、それぞれの気化性防錆剤成分を配合せず、それぞれの実施例および参考例と同様に試験片を作成し、それぞれの実施例および参考例と同様に評価を行った。
前記カバーフィルムの作成方法において、塗布液を下記に示す有効成分比で調合した以外は、参考例2と同様に試験片の作成および評価を行なった。
気化性防錆剤 :VERZONE N−BTA(大和化成(株)製) ・・・0.005質量部
界面活性剤 :ネオペレックスG−65(花王(株)製) ・・・10質量部。
前記金属回路基板フィルムを東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(R)(タイプS10)188μmとし、金属を積層しない以外は、参考例2と同様に試験片を作成し、同様の評価を行った。
A1 作用電極
A2 対電極
A3 作用極用リード
A4 対電極用リード
B スペーサフィルム
B1 切り欠き溝
C カバーフィルム
C1 空気抜き孔
C2 気化性防錆剤含有層
D 試薬層
E バイオセンサ
E1 液体試料吸引口
E2 液体試料測定室
Claims (7)
- カバーフィルムと金属回路基板フィルムとが、スペーサを介して貼り合わされ、金属回路基板フィルムには電極が形成されており、電極上に試薬層が設けられ、スペーサには電極および試薬層を収納する液体試料測定室を形成するための切り欠きが設けられ、金属回路基板フィルム、スペーサまたはカバーフィルムのいずれかに空気抜き孔が形成されている構成のバイオセンサに用いられるカバーフィルムであって、カバーフィルム基材の少なくとも片面にベンゾトリアゾール系有機化合物を除く気化性防錆剤含有層が積層されてなるカバーフィルム。
- 気化性防錆剤含有層が、少なくともプラスチック樹脂と気化性防錆剤とを含有する請求項1に記載のカバーフィルム。
- 気化性防錆剤含有層の厚さが、0.1〜5μmである請求項1または2に記載のカバーフィルム。
- 気化性防錆剤含有層のプラスチック樹脂100質量部に対し、気化性防錆剤を0.01〜15質量部含有する請求項2または3に記載のカバーフィルム。
- 気化性防錆剤含有層に、更に界面活性剤成分を含有する請求項1から4のいずれかに記載のカバーフィルム。
- 気化性防錆剤含有層のプラスチック樹脂100質量部に対し、界面活性剤成分を0.1〜20質量部含有する請求項5に記載のカバーフィルム。
- 金属回路基板フィルムの金属が、スズ、銅、アルミニウム、銀、パラジウムのいずれかである請求項1から6のいずれかに記載のカバーフィルム。
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