JP5314359B2 - リチウム二次電池用注液栓の密閉方法、その密閉構造及びその密閉構造を具備したリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用注液栓の密閉方法、その密閉構造及びその密閉構造を具備したリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用注液栓の密閉方法、その密閉構造及びその密閉構造を具備したリチウム二次電池に関する。
近年のエレクトロニクス分野の急速な進展により、電子機器の小型軽量化、高性能化が進み、これら電子機器の電源として、高エネルギー密度を有し、且つ再充電可能な二次電池の要求が強まっている。
これらの二次電池として、現在、鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル-水素電池、リチウム二次電池が開発され、既に市場に登場している。特にリチウム二次電池は電池電圧が高く、前記の他の電池に比べ、質量及び体積当たりのエネルギー密度が大きく、今後、最も期待される二次電池である。
この種のリチウム二次電池は、正極、負極、セパレータで構成される発電要素を電槽缶に格納し、該正極、該負極に設けた集電タブを、電槽蓋に設けた極端子に接続することで、電池内部の該発電要素から電池エネルギーを取り出す構成を有し、更に、この接続部と絶縁した状態で、電槽蓋を電槽缶に接合し、該電槽蓋にこれに設けた貫通孔に注入孔を連通させた状態で取り付けられた注液栓から電解液を電槽缶内に所定量注入する。電解液としては有機溶媒にリチウム塩を溶解した非水系溶液を用いるため、大気中の水分と接触することによって激しい性能の劣化を引き起こすので、通常、不活性ガス雰囲気下において電解液を注入する。電解液注入後、注入された電解液が大気と接触することを遮断するため、該注液栓を種々の手段により密閉して注液栓の密閉構造を具備したリチウム二次電池が製造される。
該注液栓の密閉手段として、出願人は、先に、下記の特許文献1に開示した密閉構造を提案した。即ち、そのリチウム二次電池用注液栓の密閉構造は、リチウム二次電池の電槽蓋に設けられた注液栓の下部内面のネジ部にボルトを螺合し、ボルト頭部上に平板を配し、該平板外周面と注液栓内周面とをレーザー溶接又は電子ビーム溶接により接合したことを特徴とし、その密閉構造の実施形態は図1に、その作製方法は図2に示されている。
而して、上記の密閉構造により下記の諸効果をもたらす。即ち、溶接対象となる平板外周面と注液栓内周面の間隙は、ボルト頭部上で平板を移動することで容易に調整できる。従ってレーザー溶接や電子ビーム溶接が平板外周面と注液栓内周面の全面に渡って良好に行え気密性に優れる溶接部が得られる。さらにボルト頭部と注液栓の間隙は狭める必要がないためボルトを注液栓雄ネジ部に容易に螺合できる。前記レーザー溶接や電子ビーム溶接は溶接熱が比較的小さいため溶接熱による電解液の性能低下もほとんど見られず、発火の恐れもない。従って、本考案のリチウム二次電池用注液栓の密閉構造は気密性並びに作業性に優れ、かつ電池性能を低下させない。
実用新案登録第3113674号公報
しかし乍ら、上記の密閉構造を作製する場合、その図面に示すように、締結したボルト3を注液栓1の下部内周面のネジ部2に螺合し、そのボルト頭部4を環状段部に載置した環状パッキン6に圧着し締結したとき、該ボルト頭部4の平坦な上面を該ボルト頭部4の外周を囲繞する平板5載置用段部と同一平面に位置するようにし、平板載置用環状段部に平板5を載置したとき、該平板5と該ボルト頭部4との間に空隙が生じないように組み立てることができるように密封構造を設計することは難しく、実際、その作製過程において締結時の該ボルト頭部の上面を該平板5載置用段部と同一平面に位置せしめることは困難で、上記の空隙を生ずることがしばしばである。
なぜならば、合成樹脂製の環状パッキン6は、ボルト頭部4により加圧されて圧縮される割合が均一でないので、ボルト頭部4の上面と該環状の平板5載置用段部の高さを同一平面にすることは実際上不可能に近い。該平板5とボルト頭部4との間に間隙を生じた場合は、リチウム二次電池を長期間使用した場合に、該ボルト頭部4の上方に空隙が存することにより、該ボルト3が緩む可能性が高くなり、これに伴い気密性を損なう。逆に、該空隙を生じないように、ボルトの締結時にボルト頭部の上面が該編板載置用環状段部より上方に突出するようにした場合には、その環状段部に載置した平板5が注液栓1の上端筒部より突出してしまい、該平板5の外周面と注液栓1の内周面との強固なレーザー溶接又は電子ビーム溶接が得られない。
即ち、該注液栓1の内周面と該平板5の外周面をレーザー溶接又は電子ビーム溶接する場合、寸法公差0.1mm程度まで縮小しなければ充分な溶接強度が得られないが、該平板5と該注液栓1の上端との位置にずれを生じた場合は、上記の寸法公差の範囲を超えるので、充分な溶接強度が得られないこととなる。
本発明は、上記従来技術の上記の課題を解消し、注液栓の密閉構造の作製が容易にでき、注液栓の密閉構造の組立作業においてボルトの締め付け時にボルト頭部の上面が該平板載置用環状段部より下がっても差し支えなく、注液栓の優れた密閉構造が容易且つ確実に得られるその密閉方法とその密閉構造と気密性の優れ、安全性の高いリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、請求項1に記載の通り、(a)リチウム二次電池の電槽蓋に、該電槽蓋に穿設した貫通孔に注入孔を連通させた状態で、その下端螺筒部を気密に取り付けた注液栓の環状パッキン載置用環状段部に環状パッキンを載置した状態で、ボルトを該下端螺筒部の内周面に設けたネジ部に螺合し、該環状パッキンを介して締結したとき、ボルト頭部嵌合用空間内のボルト頭部の平坦な上面が平板座金載置用環状段部より下位に位置せしめて、該ボルト頭部の上方に中間筒部により囲繞される所望の深さを有する凹部空間が形成されるようにすること、
(b)次いで、平板パッキンを該ボルト頭部の上面に設置し、該凹部空間を埋めること、
(c)次いで、該注液栓の上端筒部内の平板座金嵌合用空間の深さに相当する厚さを有する平板座金を該上端筒部内に摺接嵌合し、該平板パッキンの上面と該平板載置用環状段部の上面に亘り載置すること、
(d)該平板座金の外周面と該上端筒部の内周面とをレーザー溶接又は電子ビーム溶接により溶接すること
から成る工程を特徴とするリチウム二次電池用注液栓の密閉方法に存する。
更に本発明は、請求項2に記載の通り、該凹部空間を該凹部空間より僅かに厚い軟質の材料から成る平板パッキンで埋めることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用注液栓の密閉方法に存する。
更に本発明は、請求項3に記載の通り、請求項1又は2に記載の密閉方法により得られたリチウム二次電池用注液栓の密閉構造に存する。
更に本発明は、請求項4に記載の通り、請求項3に係る注液栓の密閉構造を具備したリチウム二次電池に存する。
請求項1に係る発明によれば、該ボルト頭部をその外周の該平板載置用段部と同一平面上に合わせる必要がないので、組立作業が容易である。更に、該ボルト頭部の上方の凹部空間を平板パッキンを充填するので、環状の平板載置用段部上に載置される金属製平板と該ボルト頭部との間に空隙を生じないようにしたので、上記従来の注液栓の密閉構造の密閉方法では、上記の空隙を生じ易く、従って、気密性が劣化する不都合を解消し得られ、常に、優れた気密性を長期に亘り維持し得る注液栓の密閉構造を確実に作製でき、従って、長期に亘り優れた気密性を維持した安定したリチウム二次電池が容易且つ確実に得られる。
本発明のリチウム二次電池用注液栓の密閉方法とその密閉構造の実施形態例を添付図面につき以下説明する。
図1において、1は密閉の対象となる注液栓を示し、図1(a)はその上面図、図1(b)はその側面図である。その形態は、先に開示した特許文献1に示す注液栓と変わりがない。この注液栓1の形態につき、以下詳述する。
該注液栓1は、中心に上下方向に貫通する注液孔を有する円筒形の筒体から成り、その筒体の下端筒部を内周面にボルトを螺合するネジ部1a1を施された下端螺筒部1Aに形成し、その中間筒部を該下端螺筒部1Aの螺孔1aの径より大径で該下端螺筒部1Aとの間に環状パッキン載置用環状段部1b1を有すると共に、ボルト頭部を環状パッキンを介し嵌合するに適した孔径と深さを有するボルト頭部嵌合用空間1bを限定形成する中間筒部1Bに形成し、その上端筒部を、該中間筒部1Bより大径で該中間筒部1Bとの間に平板座金載置用環状段部1c1を形成されると共に、該平板座金を摺接嵌合するに適した孔径と該平板座金の厚さに対応する深さを有する平板座金嵌合用空間1cを限定形成する上端筒部1Cに形成して成る形態としたものである。
上記の注液栓1を、図2に示すように、リチウム二次電池の電槽蓋2に、該電槽蓋2の所定位置に予め穿設されている貫通孔2aとその注液孔を連通させた状態で、該下端筒部の外周面と該貫通孔2aの外周壁面とを溶接し、気密に結着する。
次に、該注液栓1に、注液栓1を密閉構造を作製するための本発明の密閉方法で用いる図3に示す夫々の封口部材を矢示のように順次施し、本発明の注液栓の密閉構造を作製するが、図面で3は環状パッキン、4はボルト、4aはボルト軸部、4a1はネジ部、4bは上面平坦なボルト頭部、5は本発明で用いる平板パッキン、6は平板座金を示す。該平板パッキン5は、軟質又は硬質で且つ化学的に安定な合成樹脂などを材料とするが、軟質のものが好ましい。また、該平板パッキン5は、該注液栓1の該ボルト頭部嵌合用空間1bを限定形成する中間筒部1Bの内周壁面に摺接嵌合するに適した径を有する円形の平板パッキンから成る。平板座金6は該注液栓1の該平板座金嵌合用空間1cを限定形成する該上端筒部1Cの内周面に摺接嵌合するに適した径と該空間1cの深さと対応する同じ厚さとを有する円形の平板座金から成る。
図4の(a),(b)及び(c)は、本発明の注液栓の密閉方法の工程図、即ち、本発明の注液栓の密閉構造の作製法を説明する図を示す。
本発明の密閉方法において、図4(a)に示すように、該注液栓1の該ボルト頭部嵌合用空間1bの該パッキン載置用環状段部1b1上に該環状パッキン3を載置した後、該ボルト4の軸部4aを該注液栓1の下端螺筒部1Aのネジ部1a1に螺合しネジ込み、該ボルト頭部嵌合用空間1bに収容された該ボルト頭部4aで該環状パッキン3を加圧し該段部1b1に対し圧着し、ボルト4を締結するが、本発明の上記の密閉方法によれば、そのボルト4の締結を完了した時に、該ボルト頭部4bの上面は、該平板座金嵌合用空間1cの該平板座金載置用環状段部1c1より下方に位置せしめるようにし、該ボルト頭部4bの上方に該ボルト頭部4bの上面と該ボルト頭部嵌合用空間1bを限定形成する該注液栓1の該中間筒部1bの内周壁面とで限定形成された所望の深さの円形の凹部空間7を存せしめるようにする。従って、ボルト4の締結時、所望の凹部空間7が存せしめられるように、予め、該ボルト頭部嵌合用空間1bの深さを締め付け時の該環状パッキン3と該ボルト頭部4bの合計の厚さより深くした注液栓を設計し、作製することは容易に出来る。
図示の例では、該凹部空間7の深さは0.4mmとした。
本発明によれば、次いで、図4(b)に示すように、平板パッキン5を該ボルト頭部4の上面に載置し、該凹部空間7を埋める。該平板パッキン5としては、硬質又は軟質で且つ化学的に安定した合成樹脂などを材料とし、これを成形したものが用いられる。
硬質の平板パッキンの場合は、該凹部空間7を埋めるため、この深さと同じ厚さのものを使用しなければならない厳密さを要求されるが、軟質の平板パッキンを用いる場合は、該凹部空間7の深さに対応する厚さのものを用いてもよいが、その深さより僅かに厚いものを用いることができる。この場合は、該ボルト頭部4b上面に載置したとき、その外周の該平板座金載置用段部1c1より僅かに突出した状態となるが、後記するように、該環状段部1c1に該平板座金6を載置したとき、図4(c)に示すように、該平板座金6の重さで、或いは平板座金6を押し下げることで、軟質の該平板パッキンは圧縮されてその上面は該環状段部1c1と同一平面となり、確実に該凹部空間7が該軟質の平板パッキンにより確実且つ容易に埋めることができ好ましい。
図示の実施例の場合は、図4(a)に示すボルト4の締結時には、該ボルト頭部4bの上方に深さ0.4mmの凹部空間7を生じたので、軟質合成樹脂製の、例えば、ポリプロピレン製の平板パッキンとして、前記の凹部空間7の深さより0.1mm厚い厚さ0.5mmを有し、且つ該注液栓1の該ボルト頭部嵌合用空間1bを囲繞する該中間筒部1Bの内周面に摺接嵌合する径を有する平板パッキン5を用意し、これを図4(b)に示すように、該ボルト頭部4aの上面全面に載置したとき、該平板座金載置用段部1c1より僅か0.1mm上方に突出した状態として該凹部空間7を良好且つ容易に埋めることができ、次いで、図4(c)に示すように、前記した径と厚さを有する円板状の平板座金6を該平板座金用空間1c内に摺接嵌合し、該平板パッキン5の上面と該平板座金載置用環状段部1c1上に亘り載置せしめる。然るときは、該平板パッキン5は軟質であるので、該平板座金6を押し込むことにより0.1mm圧縮され、丁度、該凹部空間7の深さ0.4mmに対応する0.4mmの厚さとなり、自動的に、該平板パッキン5の上面をその外周の該環状段部1c1と同一平面とすることができる。一方、同時に、該平板座金6の上面とその外周の該注液栓1の上端筒部1Cの上端面とは同一の高さのレーザー溶接に適したものが得られた。また、該平板座金6の外周面と該上端筒部1Cの内周面との環状間隙yは0.1mm〜0.2mm程度であるので、その該両部材6及び1Cの対向面をレーザー溶接又は電子ビーム溶接に適するものが得られる。
この状態から、図4(c)に示すように、レーザー溶接機8により、該環状間隙yにレーザー光線を当て、レーザー溶接することにより、本発明の注液栓の密閉方法を終了する。かくして、該ボルト頭部4aと該平板座金6との間に空隙のない気密性の優れた注液栓の密閉構造Aを具備したリチウム二次電池が得られる。
尚、ボルト4による締結作業において、締結時のボルト頭部4bの上方の凹部空間7の深さは必ずしも一定でない場合を考慮し、その夫々の深さに応じたその深さに等しい或いは僅かに厚い平板パッキンを多数用意しておくことが好ましく、一般である。
尚、本発明の注液栓が取り付けられるリチウム二次電池自体の構成は従来のものと変わりはない。
即ち、一般に、リチウム二次電池葉、正極、負極、セパレータから成る電極体を電槽缶に格納し、該電槽缶に電槽蓋を施し、該正極、該負極に設けた集電タブと電槽缶に設けた極端子とを接続し、該電槽蓋に設けた注液栓から非水電解液を所定量注入して成る。尚、該極端子の材料は、電解液に対し化学的に安定したものであればよい。
更に、該リチウム二次電池の製造法の1例を次に説明する。
正極板の1例は、正極活物質と結着材と増粘材から構成される合剤を金属の箔に塗布して作製する。負極板の1例は、負極活物質と結着材と増粘材から構成される合剤を金属の箔に塗布して作製する。上記のように作製した正極板及び負極板の集電体の露出部分に、集電タブを接合する。更に、これらの正極板と負極板との間に、該正極板及び該負極板の双方より幅が広く、該正極板と負極板を隔離するセパレータを介在積層させ、渦巻状に捲回させて電極体を作製する。この電極体を角形の電槽缶に収容し、集電タブと、電槽蓋に設けた極端子とを接続した後、電槽缶と電槽蓋とを接合する。非水電解液としては、例えば、有機溶媒にリチウム塩を溶解した非水系溶液を用いる。該電解液を電槽蓋に設けた注液栓から電池内へ注入する作業は、不活性ガスを充填したグローブボックス中において行う。かくして、該注液栓を上記の本発明の密閉方法により密閉し、優れた密閉構造を具備したリチウム二次電池が得られる。
尚、正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4等のリチウム含有複合酸化物、TiO2、MoO2、MoO3、V2O5、TiS2、MoS2等のカルコゲン化合物など、電気化学的にリチウムを吸蔵、放出できる化合物であれば特に限定されるものではない。
負極活物質としてはコークス、熱分解炭素、或いは種々の有機材料の低温焼成体、天然黒鉛、人造黒鉛系材料等の電化化学的にリチウムを吸蔵、放出できる無機炭素材料、Li-Al合金、Li-Pb合金等のリチウム合金等のリチウム合金、金属リチウムなど、電気化学的にリチウムを吸蔵、放出できる化合物であれば特に限定されるものではない。
上記のように作製した正極板及び負極板の夫々に導電タブを取り付けるため、各電極板の所定の位置の集電体を露出させる。次に、集電体の露出部分に所定サイズの集電タブを取り付ける。
尚、集電タブの材料は活物質、導電材、バインダー、電解液と化学的に安定であれば、特に限定されない。また、集電タブの材料は、集電タブの材料は、集電タブの接続方法において溶接可能な材料であるならば集電体と同種の材料であっても、異なる材料であっても特に限定されない。集電タブの取り付け方法としては、例えば、超音波溶接、グサリカシメ、冷間溶接、レーザー溶接、静電抵抗溶接等種々選択できるが、強固に接続でき、作製しようとする電池の期待性能を得るに充分な電気伝導性が得られる方法であれば、特に限定されるものではない。
上記のように集電体と集電タブを接続した後、該接続部を電気的に絶縁する。絶縁材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等電解液に溶解しない材料から成るポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト等電解液に溶解しない基材から成る粘着テープ等が挙げられるが、電解液に化学的に安定で、正負極電位で安定であれば特に限定されるものではない。粘着テープを使用する際は粘着材料が電解液に不溶であることにも留意する必要がある。
セパレータとしては、上記電解液に不溶、且つぬれ性の良いものであれば特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の微多孔性フィルム等が好ましく用いられる。
尚、非水電解液としては、従来、一般的にリチウム二次電池に使用できるものであれば限定されるものではなく、リチウム塩を非水溶媒中に溶解して成る非水溶液系電解液のほか、リチウムイオン導電性高分子材料、リチウムイオン導電性ガラス材料が挙げられる。
本発明の注液栓の密閉構造Aによる密閉性と特許文献1に開示の注液栓の密閉構造による密閉性を比較するため、先ず、同じ電極体と非水電解液を内蔵せしめた同じ製造法で製造され、電槽蓋2に同じ構成の注液栓1を取り付けたリチウム二次電池を40個用意した。
実施例:
上記に用意した40個のうち20個のリチウム二次電池の夫々につき、不活性ガスを充填したグローブボックス中において、該注液栓1から所定量のヘリウムガスを電池缶内に充填した後、該注液栓1に図4(a),(b),(c)の工程から成る密閉方法により図4(c)に示す本発明の注液栓の密封構造Aを具備したリチウム二次電池を20個製造した。この場合、図4(a)に示す工程における環状パッキン3を介したボルト4による締結は、75cN・mの荷重で締め付けた。
比較例:
一方、残る20個のリチウム二次電池の夫々につき、実施例と同様に、不活性ガスを充填したグローブボックス中において、図5に示すように、注液栓1から実施例と同じ量のヘリウムガスを電池缶内に充填した後、該注液栓1に、本発明で用いたと同じ環状パッキン3とボルト4を用い、該注液栓1の該環状パッキン載置用環状段部1b1に該環状パッキン3を載置後、該ボルト4を該注液栓1の下端螺筒部1Aの該ネジ部1a1に螺合し、実施例と同じ締結力で、即ち、75cN・mの荷重で締め付け、そのボルト頭部4bの上面に、深さ0.4mmの凹部空間を存せしめ、次いで、実施例で用いたと同じ厚さと径を有する平板座金6を該平板座金嵌合用空間1cに摺接嵌合し、該平板載置用環状段部1c1上に載置せしめると同時に、該平板座金6の上面と該注液栓1の上端筒部1cの上端面とを同一平面に位置させ、次いで、該平板座金6と外周面と該注液栓1の上端筒部1Cの内周面と0.1mm程度の環状間隙yを有する両部材6及び1Cの対向面をレーザー光線8で溶接して該ボルト頭部4bと該平板座金6との間に、前記の凹部空間の深さに等しい0.4mmの空隙Sを有する密閉構造Bを具備した比較用リチウム二次電池を製造した。
Heリーク試験:
上記のように製造した実施例の本発明の注液栓の密閉構造Aを具備したリチウム二次電池(サンプル)20個と比較例の注液栓の密閉構造Bを具備したリチウム二次電池(サンプル)20個につき、He(ヘリウム)リークディテクターにより1×10-5トール(Torr)の真空度で夫々その製造直後と製造から一年後におけるHeガスリーク試験を実施した。
その比較試験結果を夫々下記表1及び表2に示す。
Figure 0005314359
Figure 0005314359
上記表1と表2を対比し明らかなように、実施例のサンプルは表1に示すように、一年後でも製造直後と変わらないHeガスリーク量であり、判定基準である1×10-9Pa・m3/sec以下を満足し、良好なレベルを維持していることが確認された。従って、本発明の注液栓の密閉構造Aにより長期間に亘り優れた気密性を維持したリチウム二次電池が得られることが確認された。
これに対し、比較例のサンプルは、表2に示すように、製造から一年後では、製造直後のHeガスリーク量の約2〜5倍に増大し、比較例の注液栓の密閉構造Bを具備したリチウム二次電池では、当初の密閉性を長期に亘り維持できないことが確認された。
換言すれば、本発明の注液栓の密閉構造は、上記従来の注液栓の密閉構造の密封性を著しく改善でき、本発明の注液栓の密閉構造を具備したリチウム二次電池は、上記従来の注液栓の密閉構造を具備したリチウム二次電池では得られない長期に亘り密閉性を維持した長寿命の安定した電池をもたらす。
本発明に用いる注液栓の1例を示し、図1(a)はその上面図、図1(b)はその側面図。 図1に示す注液栓をリチウム二次電池の電槽蓋に取り付けた状態の縦断面図。 図2の注液栓に本発明の密閉方法により本発明の注液栓の密閉構造を作製するに用いる各封口部材を該注液栓に施される順序に従って配列した斜視図。 本発明の注液栓の密閉構造を作製する密封方法を示し、(a),(b),(c)はその作製工程を示す夫々の縦断面図。 リチウム二次電池の電槽蓋に取り付けられた注液栓に施された従来の密閉構造を示す縦断面図。
符号の説明
A 本発明の注液栓の密閉構造
1 注液栓
1a 螺孔
1a1 ネジ部
1A 下端螺筒部
1b ボルト頭部嵌合用空間
1b1 環状パッキン載置用環状段部
1B 中間筒部
1c 平板座金嵌合用空間
1c1 平板座金載置用環状段部
1C 上端筒部
2 電槽蓋
3 環状パッキン
4 ボルト
4a ボルト軸部
4b ボルト頭部
5 平板パッキン
6 平板座金
7 凹部空間
8 レーザー溶接
y 環状間隙

Claims (4)

  1. (a)リチウム二次電池の電槽蓋に、該電槽蓋に穿設した貫通孔に注入孔を連通させた状態で、その下端螺筒部を気密に取り付けた注液栓の環状パッキン載置用環状段部に環状パッキンを載置した状態で、ボルトを該下端螺筒部の内周面に設けたネジ部に螺合し、該環状パッキンを介して締結したとき、ボルト頭部嵌合用空間内のボルト頭部の平坦な上面が平板座金載置用環状段部より下位に位置せしめて、該ボルト頭部の上方に中間筒部により囲繞される所望の深さを有する凹部空間が形成されるようにすること、
    (b)次いで、平板パッキンを該ボルト頭部の上面に設置し、該凹部空間を埋めること、
    (c)次いで、該注液栓の上端筒部内の平板座金嵌合用空間の深さに相当する厚さを有する平板座金を該上端筒部内に摺接嵌合し、該平板パッキンの上面と該平板載置用環状段部の上面に亘り載置すること、
    (d)該平板座金の外周面と該上端筒部の内周面とをレーザー溶接又は電子ビーム溶接により溶接すること
    から成る工程を特徴とするリチウム二次電池用注液栓の密閉方法。
  2. 該凹部空間を該凹部空間より僅かに厚い軟質の材料から成る平板パッキンで埋めることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用注液栓の密閉方法。
  3. 請求項1又は2に記載の密閉方法により得られたリチウム二次電池用注液栓の密閉構造。
  4. 請求項3に記載の注液栓の密閉構造を具備したリチウム二次電池。
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