JP5314309B2 - 白血球除去装置の作動方法 - Google Patents
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(i)開閉手段を有する採血回路と白血球除去フィルターと返血回路がこの順に接続され、該採血回路には抗凝固剤供給手段が第一の分岐回路を介して接続され、前記採血回路上または前記返血回路上には送液ポンプが配置された白血球除去装置であって、
前記採血回路または第一の分岐回路には、開閉手段を有する第二の分岐回路を介して生理的溶液供給手段が接続されており、前記第二の分岐回路が閉塞し、採血回路が連通して、前記送液ポンプが血球含有液を白血球除去フィルターに供給することができ、
前記送液ポンプが作動したまま第二の分岐回路が連通し、採血回路が閉塞して、白血球除去フィルターに供給する液体が血球含有液から生理的溶液に切り替わることができ、
前記送液ポンプが白血球除去フィルターに少なくとも該白血球除去フィルターの1容の生理的溶液を供給することができ、
少なくとも採血回路の閉塞時から前記送液ポンプが停止することなく白血球除去フィルターに血球含有液または生理的溶液を供給することができることを特徴とする白血球除去装置。
(ii)前記白血球除去フィルターは、不織布、多孔質体、平膜、織布、粒子からなる群より選択される一の水不溶性担体からなる白血球除去材を有していることを特徴とする(i)に記載の白血球除去装置。
(iii)開閉手段を有する採血回路と白血球除去フィルターと返血回路がこの順に接続され、該採血回路には抗凝固剤供給手段が第一の分岐回路を介して接続され、前記採血回路上または前記返血回路上には送液ポンプが配置され、
前記採血回路または第一の分岐回路には、開閉手段を有する第二の分岐回路を介して生理的溶液供給手段が接続されており、前記第二の分岐回路が閉塞し、採血回路が連通して、前記送液ポンプが血球含有液を白血球除去フィルターに供給することができ、
前記送液ポンプが作動したまま第二の分岐回路が連通し、採血回路が閉塞して、白血球除去フィルターに供給する液体が血球含有液から生理的溶液に切り替わることができる白血球除去装置の作動方法であって、
前記送液ポンプが白血球除去フィルターに少なくとも該白血球除去フィルターの1容の生理的溶液を供給する工程を含み、
少なくとも採血回路の閉塞時から前記送液ポンプが停止することなく白血球除去フィルターに血球含有液または生理的溶液を供給することを特徴とする白血球除去装置の作動方法。
(iv)前記生理的溶液の線速が0.16mL/min・cm2以上2.4mL/min・cm2以下であることを特徴とする(iii)に記載の白血球除去装置の作動方法。
(v)前記白血球除去フィルターは、不織布、多孔質体、平膜、織布、粒子からなる群より選択される一の水不溶性担体からなる白血球除去材を有していることを特徴とする(iii)又は(v)に記載の白血球除去装置の作動方法。
線速V(mL/min・cm2)は下記(1)式より求められる。
V=V0/S・・・(1)
白血球除去フィルターとして、6.8mmの円形に切断した平均繊維直径2.5μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付90g/m2、厚さ0.38mm)9枚、平均繊維直径12μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付100g/m2、厚さ0.47mm)6枚、平均繊維直径12μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付30g/m2、厚さ0.21mm)10枚、平均繊維直径33μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付50g/m2、厚さ0.22mm)6枚をこの順に、内径6.8mm、長さ2.3cmのカラムに充填し用いた。
抗凝固剤としてメシル酸ナファモスタットを添加したヒト新鮮血液(メシル酸ナファモスタット濃度は0.012mg/ml)にLipopolysaccharide(from E.coli、シグマ社)を終濃度200μg/mLで加えて37℃1時間反応させた血液及び生理食塩液を使用し、カラムと回路を三方活栓で接続した。
まず血液0.6mLを分注して処理前の血液とし、冷却保存した。
続いて血液8.8mLを送液ポンプにて線速0.4mL/min・cm2(送液ポンプ速度8.8mL/h)の一定流速で室温にて1時間流し、白血球を除去した。続いて、生理食塩液を、送液ポンプを止めることなく三方活栓の切り替えによって同じ流速で4分間、0.6mL流した。
溶液出口より白血球除去された血液を回収し、流出する生理食塩液を合わせて0.6mLを回収液とし、冷却保存した。
また、白血球除去フィルターとして、6.8mmの円形に切断した平均繊維直径2.5μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付90g/m2、厚さ0.38mm)11枚、平均繊維直径12μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付100g/m2、厚さ0.47mm)5枚、平均繊維直径12μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付30g/m2、厚さ0.21mm)7枚、平均繊維直径33μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付50g/m2、厚さ0.22mm)5枚充填したカラムに、抗凝固剤としてメシル酸ナファモスタットを添加したヒト新鮮血液8.2mL及び生理食塩液を同様の方法にて流し、溶液出口より白血球除去された血液を1mL回収し、その回収液をメディエーター濃度測定に使用した。
処理前の血液と回収液のメディエーター濃度をセロトニンEIAキット及びヒスタミンEIAキット(イムノテック社製)及びトロンボキサンB2、プロスタグランジンE2のEIAキット(カイマン社製)により測定した。測定したセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度について、それぞれの濃度上昇率を下式(2)、(3)、(4)、(5)より求めた。結果を表1に示す。
トロンボキサンB2濃度上昇率(%)=100×回収液中のトロンボキサンB2濃度/処理前の血液中のトロンボキサンB2濃度・・・(3)
プロスタグランジンE2濃度上昇率(%)=100×回収液中のプロスタグランジンE2濃度/処理前の血液中のプロスタグランジンE2濃度・・・(4)
ヒスタミン濃度上昇率(%)=100×回収液中のヒスタミン濃度/処理前の血液中のヒスタミン濃度・・・(5)
実施例1と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、生理食塩液を、送液ポンプを止めることなく三方活栓の切り替えによって線速0.08mL/min・cm2(送液ポンプ速度1.8mL/h)で20分間、0.6mL流した。溶液出口より白血球除去された血液と生理食塩液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表1に示す。
実施例1と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、生理食塩液を、送液ポンプを止めることなく三方活栓の切り替えによって線速0.16mL/min・cm2(送液ポンプ速度3.5mL/h)で10分間、0.6mL流した。溶液出口より白血球除去された血液と生理食塩液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表1に示す。
実施例1と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、生理食塩液を、送液ポンプを止めることなく三方活栓の切り替えによって線速2.4mL/min・cm2(送液ポンプ速度53mL/h)で40秒間、0.6mL流した。溶液出口より白血球除去された血液と生理食塩液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表1に示す。
実施例1と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、送液ポンプを止めて血液を生理食塩液に切り替えた。送液ポンプを再開して溶液出口より白血球除去された血液と生理食塩液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表1に示す。
実施例1と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、送液ポンプを止めて血液をデキストラン加乳酸リンゲル液(デキストラン平均分子量:40,000、デキストラン濃度:10w/v%、pH:5.4、粘度:4.4mPa・sec)に切り替えた。送液ポンプを再開して溶液出口より白血球除去された血液とデキストラン加乳酸リンゲル液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表2に示す。
実施例1と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、送液ポンプを止めて血液をヘパリン加生理食塩液(ヘパリン分子量:5,000〜20,000、ヘパリン濃度10,000IU/L(約0.01w/v%)、pH:5.7)に切り替えた。送液ポンプを再開して溶液出口より白血球除去された血液とヘパリン加生理食塩液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表2に示す。
白血球除去フィルターとして、酢酸セルロース粒子(ビーズ)0.63gを内径2mm、長さ20cmのカラムに充填し用いた。線速1.1mL/min・cm2(送液ポンプ速度4.5mL/h)で実施例1と同様に白血球除去処理を行った後、生理食塩液を、送液ポンプを止めることなく三方活栓の切り替えによって同じ速度で4分間、0.3mL流した。
溶液出口より白血球除去された血液と生理食塩液を回収し、回収液とした。実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表3に示す。
実施例5と同じ白血球除去フィルターを用いて、実施例5と同様に白血球除去処理を行った後、送液ポンプを止めて血液を生理食塩液に切り替えた。送液ポンプを再開して溶液出口より白血球除去された血液と生理食塩液を回収し、回収液とした。
実施例1と同じように、処理前の血液と回収液のセロトニン濃度、トロンボキサンB2濃度、プロスタグランジンE2濃度及びヒスタミン濃度を測定し、それぞれの濃度上昇率を求めた。結果を表3に示す。
2:返血回路
3:抗凝固剤供給手段に接続された第一の分岐回路
4:生理的溶液供給手段に接続された第二の分岐回路
5:送液ポンプ
6:白血球除去フィルター
7:被処理血球含有液
8:生理的溶液供給手段
9:抗凝固剤供給手段
10:採血回路の開閉手段
11:第二の分岐回路の開閉手段
Claims (5)
- 開閉手段を有する採血回路と白血球除去フィルターと返血回路がこの順に接続され、該採血回路には抗凝固剤供給手段が第一の分岐回路を介して接続され、前記採血回路上または前記返血回路上には送液ポンプが配置された白血球除去装置であって、
前記採血回路または第一の分岐回路には、開閉手段を有する第二の分岐回路を介して生理的溶液供給手段が接続されており、前記第二の分岐回路が閉塞し、採血回路が連通して、前記送液ポンプが血球含有液を白血球除去フィルターに供給することができ、
前記送液ポンプが作動したまま第二の分岐回路が連通し、採血回路が閉塞して、白血球除去フィルターに供給する液体が血球含有液から生理的溶液に切り替わることができ、
前記送液ポンプが白血球除去フィルターに少なくとも該白血球除去フィルターの1容の生理的溶液を供給することができ、
少なくとも採血回路の閉塞時から前記送液ポンプが停止することなく白血球除去フィルターに血球含有液または生理的溶液を供給することができることを特徴とする白血球除去装置。 - 前記白血球除去フィルターは、不織布、多孔質体、平膜、織布、粒子からなる群より選択される一の水不溶性担体からなる白血球除去材を有していることを特徴とする請求項1に記載の白血球除去装置。
- 開閉手段を有する採血回路と白血球除去フィルターと返血回路がこの順に接続され、該採血回路には抗凝固剤供給手段が第一の分岐回路を介して接続され、前記採血回路上または前記返血回路上には送液ポンプが配置され、
前記採血回路または第一の分岐回路には、開閉手段を有する第二の分岐回路を介して生理的溶液供給手段が接続されており、前記第二の分岐回路が閉塞し、採血回路が連通して、前記送液ポンプが血球含有液を白血球除去フィルターに供給することができ、
前記送液ポンプが作動したまま第二の分岐回路が連通し、採血回路が閉塞して、白血球除去フィルターに供給する液体が血球含有液から生理的溶液に切り替わることができる白血球除去装置の作動方法であって、
前記送液ポンプが白血球除去フィルターに少なくとも該白血球除去フィルターの1容の生理的溶液を供給する工程を含み、
少なくとも採血回路の閉塞時から前記送液ポンプが停止することなく白血球除去フィルターに血球含有液または生理的溶液を供給するよう前記送液ポンプを駆動させることを特徴とする白血球除去装置の作動方法。 - 前記生理的溶液の線速が0.16mL/min・cm2以上2.4mL/min・cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載の白血球除去装置の作動方法。
- 前記白血球除去フィルターは、不織布、多孔質体、平膜、織布、粒子からなる群より選択される一の水不溶性担体からなる白血球除去材を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の白血球除去装置の作動方法。
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