JP5313705B2 - 金属薄膜を有するフィルムの再利用技術 - Google Patents

金属薄膜を有するフィルムの再利用技術 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などの熱可塑性プラスチックフィルム層とアルミニウムなどの金属層を有する多層廃フィルムをリサイクル可能にする多層フィルム廃棄物の再生処理技術に関する。さらに詳しくは、金属薄膜を有する複合フィルム断片と熱可塑性樹脂を含む材料をともに加熱することにより多数の金属薄膜の断片が熱可塑性樹脂層により包み込まれた状態となった熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体の製造方法および製造された複合体に関するものである。本発明により製造された複合体は、従来の樹脂組成物と同様に種々の物品の成形原材料として利用される。
現在、食品類などの包装には、防湿、美麗な外装などの様々な目的のために、PET、PPやPEなどのプラスチックフィルム層とアルミニウム層からなる包装用多層フィルムが主に使われており、この種の包装用多層フィルムの使用は増加しつつある。プラスチックフィルム層には印刷が施されており、フィルム層間には接着剤が使用されることがある。このような多層フィルムが商品の包装用として用いられる場合、多段階の積層工程とグラビア印刷などの印刷が行われる。それぞれの積層工程または印刷工程中に不良品が発生する可能性があるが、このような不良品は大部分廃棄されている。廃棄された包装用多層フィルムは、特別な処理なしに一部はリサイクルされることがあるが、PET、PP、PE成分などの樹脂成分が様々な割合で混合されており、またアルミニウム層を有するために加工が難しく且つ再利用するにしても物性が劣悪して低級プラスチック製品の生産にのみ極限的に使用されているに過ぎない。また、殆どの家庭から発生する包装用多層フィルム廃棄物は、リサイクルできず、焼却や埋め立てなどの方法で廃棄されている実情である。
これまでに、アルミニウム蒸着フィルムのようなプラスチック以外に有機物、充填材、金属、ガラスなどの異種物質を含む廃プラスチック材を何らかの形で再利用できるように工夫した技術がいくつか提案されている。例えば、熱可塑性樹脂の成形時に廃プラスチックス材が未溶融状態で熱可塑性樹脂中に混在した状態で成形した成形体に係る提案によれば、金属などの異質材が混入しているために従来は再生不可能と見なされていた品質の廃プラスチック材を有効に活用することができる(特許文献1)。
また、アルミニウム成分を含む紙廃材を有効にマテリアルリサイクルに供し、アルミニウム成分を、製紙原料として有効利用可能な化合物や、水処理用薬剤として有効利用できる化合物のような有価物として回収する方法として、アルミニウム箔を備えた紙廃材を、アルミニウム溶解抽出剤と接触させて、上記紙廃材からアルミニウム成分を抽出し、当該アルミニウム成分を有価物として分離回収する紙廃材の処理方法が提案されているが、アルカリでのアルミニウムの溶解抽出工程を必要とし、この技術を金属含有量の少ないアルミニウム蒸着フィルムに適用するには問題がある(特許文献2)。さらに、アルミニウム層を溶解し回収する方法としては、アルミニウム層を含む多層フィルムの廃棄物からアルミニウムを溶解除去したフィルムを粉砕した後、比重差によりPE、PPとPETとを分別して、アルミニウム、PE、PP、とPETをリサイクルする方法(特許文献3)が提案されている。
また、機械的な処理のみにより再利用する方法としては、アルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔とプラスチックとのラミネートフィルムを再利用するにあたり、これを切断してプレス成形して短円柱状または短角円柱状となし、この成型品を取鍋における溶鋼の泡立ち鎮静剤若しくは湯面保温剤をして用いることが提案されている(特許文献4)。
特開2003−11158号公報 特開2005−230721号公報 特開2006−205160号公報 特開2000―190063号公報
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するものであり、金属薄膜を有する複合フィルムと熱可塑性樹脂を含む材料をともに加熱することにより金属薄膜の断片が熱可塑性樹脂層に均一に包み込まれた状態となすことにより熱可塑性樹脂と金属薄膜からなる複合体が製造できることを本発明者らは見出し、さらに研究を積み重ねることにより開発された新しい技術である。
本発明は、金属薄膜を有する複合フィルムが包装材料などとして広く利用されているにも関わらず、その廃棄物の簡便で経済的な再生処理技術はいまだ開発されていないという問題を解決することを目的とするものである。また、本発明は、廃プラスチックの有効利用技術の開発により、廃プラスチック材料の回収率を向上させることを目的とするものである。また、本発明により製造された金属と熱可塑性樹脂からなる複合体は、物品の成形材料として十分な強度を有する材料として、例えば、ペレット化して成形用の原材料として、また荷物運搬用のパレットに成形して用いることを目的とする。
本発明は以下に記載の熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体に係るものである。
(1)熱可塑性樹脂をベースとするフィルムである金属薄膜を有する複合フィルムを0.1mmから10mmの範囲にある大きさの断片状に切断または粉砕し、複合体全体の重量の15〜40重量%を占める割合で熱可塑性樹脂を含む材料とともにエクストルーダーを使用してせん断力をかけながら180℃から320℃の範囲に加圧下に溶融して、前記複合フィルムと前記材料を構成する樹脂成分を溶融混合一体化され、金属薄膜はさらに小片に分断されつつ個々は凝集体状を形成しながら樹脂成分中に分散され、かつ、金属薄膜が表面に現れることはなく熱可塑性樹脂層により包み込まれた状態で押出することを特徴とする熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
(2)上記複合フィルムの金属薄膜が、蒸着膜、スパッタリング膜、箔およびメッキ膜からなる群から選ばれる金属薄膜である上記(1)に記載の複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
(3)上記金属薄膜を形成する金属が、アルミニウムである上記(1)または(2)に記載の複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
(4)上記複合フィルムのベースである熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂を含む材料が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドから選ばれた一またはそれ以上の樹脂を含む上記(1)から(3)のいずれかに記載の複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
(5)上記熱可塑性樹脂を含む材料が、塗料カスである上記(1)から(4)のいずれかに記載の複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
また、本発明は、以下の成形材料パレットに係るものである。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の方法により製造された金属薄膜と熱可塑性樹脂からなる複合体をペレット化した成形材料
(7)上記(6)に記載されたペレット化した成形材料を原材料として成形して製造された荷物運搬用のパレット。
本発明は、以下の効果を奏するものである。
(1)従来は、再利用するには技術的、経済的な問題があり廃棄するしか術がなかった金属薄膜を有する複合フィルムの有効利用を可能とする新しい技術を提供することができる。
(2)包装材などとして多量に使用され廃棄されてきた金属薄膜を有する複合フィルムを再度、新しい樹脂組成物としてその特性に応じた用途に利用することができる。
(3)有効な用途がなく廃棄されるしかなかった熱可塑性樹脂製品、例えば、ロール巻きになった不良フィルムや欠陥成形品などを、金属薄膜を有する複合フィルムとともに簡便な方法により新しい成形用の樹脂組成物として再利用することができる。
(4)新製品と同様の特性を有する樹脂を廃棄樹脂製品から製造することが可能である。
(5)本発明により製造された複合体は優れた物性、成形性を有する。
本発明は、金属薄膜を有する複合フィルム(以下、単に「複合フィルム」ともいう。)と熱可塑性樹脂を含む材料をともに加熱することにより金属薄膜断片が熱可塑性樹脂層により包み込まれた状態となす熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体(以下、単に「複合体」ともいう。)の製造方法、金属薄膜断片が熱可塑性樹脂層により包み込まれた状態にある金属薄膜と熱可塑性樹脂との複合体、およびこれらの複合体を原材料とする成形物品に関するものである。本発明は、特に、包装用などに使用されている金属蒸着フィルムの廃棄物を処理し再利用する有用な技術を提供するものである。
本発明において熱可塑性樹脂とは、ガラス転移温度から融点周辺までの温度に加熱することによって軟らかくなり目的の形に成形できる樹脂のことであり、切削・研削等の機械加工がしにくい事が多いので、加温し軟化したところで金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられている樹脂である。熱可塑性樹脂としては、例えば、次の樹脂が具体的に挙げられる。
ポリエチレン(PE)[高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)]、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂 、アクリル樹脂 (PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)。
熱可塑性樹脂の中には、家庭用品や電気製品の外箱(ハウジング)、雨樋や窓のサッシなどの建築資材、フィルムやクッションなどの梱包資材等、比較的大量に使われる汎用プラスチックや、エンジニアリング・プラスチックとよばれる樹脂、家電製品に使われている歯車や軸受け、CDなどの記録媒体等、強度や壊れにくさを特に要求される部分に使用される、略してエンプラとも呼ばれる樹脂がある。
本発明の金属薄膜を有する複合フィルムのベースは上述の熱可塑性樹脂を含むことが好適である。それらの熱可塑性樹脂は同一の種類であっても異なる複数の種類であってもよい。また、本発明の熱可塑性樹脂を含む材料としてはその種類に制限はなく、製造される金属複合体の所望の特性や製造工程の利害などに応じて適宜選択または選別して用いられるが、その材料が再利用品や、種々の工程から排出される廃棄物であってもよく、例えば、静電塗装などの塗装工程において生成する塗料カスが利用できる。また、少量の他の材料、例えば、層間接着剤や印刷塗料などを含んでいても差し支えない。
本発明の複合フィルムの金属薄膜としては、約0.2mmから4μm程度の厚みの箔と称されるもの(例えば、アルミニウム箔)から、膜厚が約2nmから2000nm程度の薄膜(例えば、アルミニウム蒸着層)をも含むものであり、その製造方法には何ら限定されない。金属薄膜の製法には、例えば、下記のようなさまざまな方法が知られている。
物理的方法(PVD)としては、加熱蒸着法(NiCr、Cu、Ni、Au、etc.)、エレクトロンビーム(Ni、Al、etc.)、スパッタリング(NiCr、CrAlAloy、Cu)、イオンプレーティング(Ni、Cr、etc.)があり、他の方法としては、化学的方法(CVD)や、電解めっき(Cu、Ni、Au、Solder、etc.)、無電解めっき( Au、NiAlloy etc.)がある。
薄膜を構成する金属の組成には特に限定されず、如何なる組成の単一金属、合金であっても良いが、包装材料に使用されているアルミニウム蒸着薄膜が最もよく知られた金属層である。
金属薄膜を有する複合フィルムは、金属薄膜の電気伝導性、ガスバリヤー性、光反射性、などの特性を利用したさまざまな用途が開発されてきたが、包装フィルムへの利用が最も生産量の大きい技術分野である。包装フィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂をベースとするフィルムと金属蒸着薄膜を有する複合フィルム類が主として利用されるが、複合フィルム中に他の種類の樹脂類を含有しても良い。包装材料としては、例えば、ポリエチレンフィルム層、6ナイロン、66ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリアクリロニトリルからなるバリア性樹脂フィルム層、20〜40nmの金属蒸着層を有する金属蒸着フィルム積層体であって、光線透過率が35%以上である金属蒸着フィルム積層体からなる包装材や、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類などの耐熱性樹脂フィルム層からなる最外層及び該樹脂フィルム層の内側に位置する金属蒸着フィルム層を2層以上有する積層フィルムからなる酸素バリア性及び水蒸気バリア性に優れ、且つ耐衝撃性に優れた包装材料などが挙げられる。
アルミ蒸着層の膜厚みは、1nm以下であると、ガスバリヤー性を十分満足することができず、1000nmを超えると、蒸着時の熱によりポリエステルフィルムなどは熱収縮を起こし平面性不良となることがあるのでこれらの範囲内の膜厚で形成されることが多い。金属薄膜を有する複合フィルムの製造に当たっては、層間の接合に接着剤を使用する場合があるが、こうした接着剤を使用した複合フィルムであっても本発明において使用することができる。また、包装用フィルムは、外面や内面に印刷が施されている場合が多いが、印刷が施された複合フィルムであっても本発明で利用される。
本発明の熱可塑性樹脂と金属薄膜からなる複合体は、原料となる金属薄膜を有する複合フィルムと熱可塑性樹脂を含む材料を混合し加熱溶融することにより製造されるが、通常は、エクストルーダーを使用して加圧下に溶融しせん断力をかけながら混合することにより前記複合フィルムと前記材料を構成する樹脂成分は溶融混合一体化される。金属薄膜は複合フィルムの樹脂成分とは分離され溶融樹脂中でせん断力をかけられながら混合撹拌されることになり、例えば、金属薄膜はさらに小片に分断されつつ個々の金属薄膜は凝集体状を形成しながら樹脂成分中に分散される。
原料となる金属薄膜を有する複合フィルムと熱可塑性樹脂を含む材料を混合し加熱溶融する製造条件は、原料樹脂の特性に応じて適宜決定されるものであるが、例えば、PE、PP、PETからなる原料である場合には、PE、PP、PETおよびアルミニウムの溶融点は、それぞれ約100〜135℃、155〜165℃、245〜275℃、および660℃である。押し出し器内の温度は、通常、180〜320℃の範囲で材料の特性に応じて押し出し温度は選択され、180〜280℃がさらに好適な範囲である。PEまたはPPを含む材料を加工するに際しての押し出温度は、205〜280℃とすることが最も好適な加工条件である。さらに高融点の樹脂を含む場合の押し出し温度は、約290℃以上、例えば320℃での溶融処理がなされる。押し出し温度は、アルミニウムの温度以下、樹脂の溶融温度以上であるので、アルミニウム膜は積層されていた複合フィルムの熱可塑性樹脂からは分離されて樹脂相中に分散されることとなる。
金属薄膜を有する複合フィルムは、製造される複合体の全体の5〜60重量%を占めることができる。複合フィルムの割合が上限値を超えると、混合する熱可塑性樹脂含有材料との均一な混合が困難となり、また金属薄膜が偏在したり、製造された複合体の特性が所望の値を達成することが不可能となるなどの問題が発生することがあるため、原料、製造工程や製品の特性を考慮して複合フィルムの割合が決定される。複合フィルムの割合が下限値を下回ると金属薄膜を含有する複合フィルムを再生利用するとの本発明本来の目的が達成されない。さらに好適な配合割合としては15〜40重量%の範囲にすることが推奨される。
金属薄膜を有する複合フィルムは、使用屑の断片として、またロール巻きなどの形態で入手されることが多いが、本発明に使用するには、溶融混合工程を無理なく実施し、金属薄膜を熱可塑性樹脂中に均一に分散させるためには、複合フィルムを断片上に粉砕または切断して使用するのが好適である。複合フィルムの切断または粉砕には市販の機器を使用して行なわれる。粉砕物または切断片の寸法は、切断処理や取り扱い易さから、また均一な混合状態の達成などの観点から、通常、約10mm以下の断片から0.1mmまでの大きさの範囲から適宜選択され、好適には1〜6mmの断片にされる。複合フィルムの寸法は金属薄膜の厚さに応じて選択されることが好適である。例えば、0.01μmから0.05μmの金属薄膜を有する複合フィルムは、3mmから6mmの大きさとし、0.06μmから0.1μmの金属薄膜を有する複合フィルムは、1mmから3mmの大きさにすることが好適である。特に金属層が多い(厚み0.1μm以上)の場合は約1mm以下で0.1mmまでの大きさに粉砕することが好適である。本発明の複合体中には、金属薄膜の断片が混合時のせん断力で切断され、また撹拌により小さく凝集された状態で存在していることが多い。本発明で、金属薄膜を有する複合フィルムを切断または粉砕することにより製造された断片の大きさは、断片の最長の差渡し、すなわち、断片の外周と外周を結ぶ直線のうち最大の長さをいう。
金属薄膜を有する複合フィルムの小さい断片を取り扱う際には、静電気の除去に配慮しなければならない。
加熱溶融することにより製造された本発明の熱可塑性樹脂と金属薄膜からなる複合体は、通常、エクストルーダーから溶融状態で押し出されるが、この溶融した複合体を直接物品に成形することができる。例えば、成形用のダイをエクストルーダーの出口に設置することにより成形する。ここでは、板状、棒状、ペレット状などさまざまな形に成形される。ペレット状にすることにより他の成形用の原材料とすることができ、押し出し成形、射出成形など従来の樹脂の成形方法が適用されて物品として、機器類の部品としての製品が製造される。本発明の複合体を使用して、例えば、物品輸送用のパレットを成形できるなど、本発明の複合体の強度などの特性は従来の市販の樹脂類と遜色はない。
以下に、本発明について実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例により限定されるものではない。
(a)0.04μmのアルミニウム蒸着層と、20μmの延伸ポリプロピレン樹脂層と、25μmのポリエチレン樹脂層と、接着を有する全厚み50μmの包装用フィルムを30重量部と、
(b)ポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂からなる50μm厚の積層フィルムを70重量部、を用意した。
この包装用フィルム(a)を6mmの大きさに切断または粉砕した後、上記樹脂材料(b)と混合し、エクストルーダー中で加熱溶融混合した。加熱温度は約280℃であった。エクストルーダーから押し出された溶融樹脂から直接50×100×3mmの板状体を製造した。樹脂中に金属薄膜は均一に細かい状態で分散されていていたが、外面および切断面には金属薄膜は目視されなかった。成形体は実用上十分な強度を有していた。
(a)0.1μmのアルミニウム蒸着層と、18μmの延伸ポリプロピレン樹脂層と、10μmのポリエチレン樹脂層と、9μmのPET樹脂層と、接着層を有する全厚み70μmの複合フィルムを30重量部と、
(b)ポリエチレン樹脂材料を20重量部と、
(c)厚さ25μmのポリエチレン樹脂層、厚さ9μmのポリアミド樹脂層、厚さ10μmのPET樹脂層からなる積層樹脂体を50重量部
からなる混合物を原材料として本発明の熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体を製造した。
上記複合フィルム(a)は6mmの大きさに粉砕し、上記ポリエチレン樹脂材料(b)および積層樹脂体(c)と混合して、エクストルーダーにより270℃で溶融混合押し出しすることにより本発明の複合体を製造した。製造された熱可塑性樹脂と金属薄膜からなる複合体は、金属薄膜が表面に現れることはなく、十分な強度を有し樹脂製品を製造するための原料として十分な特性を有するものであった。
(1)積層フィルムを70重量部、
(2)大きさ6mm以下に粉砕したアルミニウム蒸着フィルム(アルミニウム膜厚0.04μm、樹脂組成PP/PET)30重量部、
を均一に混合し、エクストルーダーにより270℃で押し出した。製造した複合体は樹脂製形体の原材料として利用可能であった。
(1)積層フィルムを60重量部、
(2)大きさ6mm以下に粉砕したアルミ蒸着フィルムを20重量部、
(3)大きさ1mmに粉砕したアルミ複合10重量部および、
(4)単一樹脂10重量部、
を混合し、エクストルーダーにより270℃で押し出した。製造した複合体は樹脂製成形体の原材料として利用可能であった。
(1)積層フィルムを70重量部、
(2)大きさ6mm以下に粉砕したアルミ蒸着フィルムを20重量部、および
(3)大きさ1mmのアルミ複合フィルムを10重量部、
を混合して、エクストルーダーにより270℃で押し出した。製造した複合体は樹脂製成形体の原材料として利用可能であった。

以上の実施例3〜5において、
(1)はポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂からなる50μm厚の積層フィルムであり、
(2)はアルミニウム蒸着層0.04μm、樹脂層PE/PETからなる全厚65μmのフィルムであり、
(3)は0、1μ厚のアルミとPETからなるフィルムであり、
(4)はポリエチレン樹脂からなる全厚25μのフィルムである。
本発明は、金属薄膜を有する複合フィルムと熱可塑性樹脂材料をともに加熱することにより金属薄膜が熱可塑性樹脂層により包み込まれた状態となす熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体の製造方法、製造された複合体およびこの複合体を利用した成形物品に係るものであり、従来は廃棄するしかなくその再利用の途がなかった金属薄膜含有フィルムを有効利用する技術を提供するものである。本発明の複合体では、樹脂成分は溶融し実質的に均質な成分となっている中に金属薄膜が混合によるせん弾力によってその形を変形させながら分散されている。この複合体は種々の樹脂成形品の製造に有用な再生樹脂組成物として提供される有用なものである。本発明で製造された複合体の特性は従来の樹脂組成物と比較して劣ることはなく、従来と同様の成形技術を適用して利用できる樹脂組成物である。本発明は、廃棄樹脂製品類の有効利用に係る新しい技術を提供するものである。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂をベースとするフィルムである金属薄膜を有する複合フィルムを0.1mmから10mmの範囲にある大きさの断片状に切断または粉砕し、複合体全体の重量の15〜40重量%を占める割合で熱可塑性樹脂を含む材料とともにエクストルーダーを使用してせん断力をかけながら180℃から320℃の範囲に加圧下に溶融して、前記複合フィルムと前記材料を構成する樹脂成分を溶融混合一体化され、金属薄膜はさらに小片に分断されつつ個々は凝集体状を形成しながら樹脂成分中に分散され、かつ、金属薄膜が表面に現れることはなく熱可塑性樹脂層により包み込まれた状態で押出することを特徴とする熱可塑性樹脂と金属薄膜の複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
  2. 上記複合フィルムの金属薄膜が、蒸着膜、スパッタリング膜、箔およびメッキ膜からなる群から選ばれる金属薄膜である請求項1に記載の複合体複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
  3. 上記金属薄膜を形成する金属が、アルミニウムである請求項1または2に記載の複合体複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
  4. 上記複合フィルムのベースである熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂を含む材料が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドから選ばれた一またはそれ以上の樹脂を含む請求項1から3のいずれかに記載の複合体複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
  5. 上記熱可塑性樹脂を含む材料が、塗料カスである請求項1から4のいずれかに記載の複合体複合体をペレット化した成形材料の製造方法。
  6. 上記請求項1から5のいずれかに記載の方法により製造された金属薄膜と熱可塑性樹脂からなる複合体をペレット化した成形材料。
  7. 上記請求項6に記載されたペレット化した成形材料を原材料として成形して製造された荷物運搬用のパレット。
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