JP5312366B2 - 光受信器 - Google Patents

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Description

本発明は、光信号受信技術に係り、特に、差動位相シフトキーイング信号光を受信する光受信器に関する。
光ファイバー伝送技術は、長距離大容量信号伝送を実現するシステムとして、広く一般に普及しており、さらなる高性能化を目指した研究が進められている。光伝送にもいくつかの変復調方式があるが、中でも、差動位相シフトキーイング(DPSK)方式は、従来の強度変調/直接検波方式に比べて、受信感度が高く、伝送ファイバー中の非線形現象による信号劣化を受けにくい、などの利点を有している。
DPSK伝送方式では、隣り合う時間スロットの位相差によりデジタル信号を伝送する。すなわち、送信機は、ビット「0」を送りたいときには隣接スロットの位相差を0、ビット「1」を送りたいときには隣接スロットの位相差をπとした信号光を送信し、受信機は、隣接スロットの位相差を測定することより伝送信号を復調する。
図5に従来の光DPSK信号受信器の基本構成を示す。
同図に示す光DPSK信号受信器において、入力された信号光は光増幅器1で増幅された後、光フィルタ2により光増幅器1から出力される余分な自然放出光が除去される。光フィルタ2からの出力は分岐器3によって2つの経路に分岐され、一方に1ビットスロット分の時間遅延を与えられた後、2入力2出力(2×2)の光合波器4により再び合波される。光合波器4の出力はそれぞれ光検出器5,6に入力される。この分岐・遅延・合成構成は、「1ビット遅延干渉計」と呼ばれている(例えば、非特許文献1,2参照)。
1ビット遅延干渉計の合波器4では、2経路を経た光が干渉する。ここで、一方の経路は1スロット分遅延されているため、干渉するのは隣り合う時間スロットの光である。干渉の結果、隣接スロットの位相差が0なら光検出器D1へ、πなら光検出器D2へ、光は出力される。そこで、2つの光検出器D1,D2からの出力信号を差動合成回路5で差動的に検波することにより、伝送されてきた信号ビットを復調する。
上で述べたのは、2値のデジタル信号を隣接スロットの位相差{0,π}に付与して伝送する方式であるが、これの上位方式として、4値デジタル信号を位相差{0,π/2,π,3π/4}に付与して伝送する方式もある。これは、DQPSK(差動4値位相シフトキーイング)と呼ばれる方式である。その受信器構成を図6に示す。入力された信号光は光増幅器11で増幅された後、光フィルタ12により光増幅器11から出力される余分な自然放出光が除去される。光フィルタ12の出力は光カプラ13で2つの経路に分岐され、それぞれが1ビット遅延干渉計15,25に入力される。但し、干渉計15,25の遅延経路の伝播位相差がそれぞれで異なっており、1ビット遅延干渉計15は位相差π/4、もう一方の1ビット遅延干渉計25は−π/4、と設定されている。干渉計出力はそれぞれ光検出器D11,D12,D21,D22に接続されている。そして、同じ干渉計出力からの光検出信号同士が差動的に差動合成回路16,26で合成される。
1ビット遅延干渉計15,25の伝播位相差を上記のように設定すると、入力信号光の各位相差に対する差動合成出力信号は次のようになる。
位相差0の場合は{S1=+d、S2=+d};
位相差π/2の場合は{S1=+d,S2=−d};
位相差πの場合は{S1=−d,S2=−d};
位相差3π/4の場合は{S1=−d,S2=d}。
但し、S1は位相差π/4の干渉計15からの差動出力、S2は位相差−π/4の干渉計25からの差動出力、dは回路定数で決まる定数、である。2つの出力値{S1,S2}の組み合わせパターンは4つの位相差の値によって全て異なっている。したがって、2つの出力値を組み合わせて判断すれば、4つの位相値を識別することができ、4つのビット値が復調される。
「コヒーレント光通信工学」大越、菊池、オーム社 p.145, 1989. 「コヒーレント光通信」島田、電子情報通信学会 p.24 昭和63.
受信系において、光検出器に入力される光には、本来の伝送信号光に加えて雑音光が重畳されていることがしばしばある。代表的なものは、光増幅器で発生する自然放出光である。このような雑音光があると、光検出器からの出力信号レベルは揺らぐことになる。このような信号レベル揺らぎは、ビット識別誤りを引き起こし伝送システムの性能劣化の原因となる。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、信号光に雑音光が重畳されているときの復調信号揺らぎを抑圧し、ビット識別誤りを抑えた光位相変調信号を受信する光受信器を提供することを目的とする。
図1は、本発明の原理構成図である。
本発明(請求項1)は、差動位相変調信号を受信する光受信器であって、
入力された差動位相変調信号を主信号光とモニタ信号光との分岐する光分岐手段50と
光分岐手段50により分岐されたモニタ信号光の光強度を電気信号に変換して出力するモニタ光強度検出手段70と、
光分岐手段50により分岐された主信号光から位相変調信号を電気信号として復調する信号復調手段60と、
信号復調手段60から出力された復調信号と、モニタ光強度検出手段70から出力された隣接する2つのビットスロットのモニタ信号と、を差動合成して出力する信号処理手段80と、
を備え、
信号処理手段80は、
モニタ光強度検出手段70から出力されたモニタ光信号を2分岐して、その一方に遅延を加え、分岐された他方のモニタ光信号と加算し、信号復調手段60から出力された復調信号から引く信号処理を行う手段を含む。
また、本発明(請求項2)は、差動位相変調信号が、2値差動位相シフトキーイング信号光である場合の光受信器である。
また、本発明(請求項3)は、請求項2に記載の光受信器における信号復調手段が、
信号光を2分岐し、2分岐した信号光の一方に1ビットスロットの時間遅延を与え、2つの分岐光を2×2の光合波器により再び合波し、該2×2の光合波器の2つの出力端子から出力される光の強度をそれぞれ検出し、検出された光の強度を差動合成して出力する手段を含む。
また、本発明(請求項4)は、差動位相変調信号が、4値差動位相シフトキーイング信号光である場合の光受信器である。
また、本発明(請求項5)は、請求項4に記載の光受信器における信号復調手段が、
信号光を信号光Aと信号光Bに分岐する手段と、
分岐された信号光Aを2分岐し、2分岐した信号光の一方に1ビットスロット分の時間遅延と遅延位相φを与え、該2分岐した信号光を2×2光合波器Aにより再び合波し、該光合波器Aの2つの出力端子から出力される光の強度をそれぞれ検出し、検出された光の強度を差動合成して出力する手段と、
信号光Bを2分岐し、2分岐した信号光の一方に1ビットスロット分の時間遅延と遅延位相φを与え、該2分岐した信号光を2×2の光合波器Bにより再び合波し、該光合波器Bの2つの出力端子から出力される光の強度をそれぞれ検出し、検出された光の強度を差動合成して出力する手段と、
を備え、
遅延位相φとφはπ/2だけ異なっている光受信器である。
上記のように本発明は、光位相変調信号に含まれる強度揺らぎを検出し、その揺らぎを信号処理手段においてキャンセルすることにより、雑音光による差動位相シフトキーイング信号光の受信信号揺らぎを抑えることができ、信号復調特性の劣化が低減された光受信器が実現できる。
本発明の原理構成図である。 本発明の第1の実施の形態における光受信器の構成図である。 本発明の第1の実施の形態における信号処理回路の構成図である。 本発明の第2の実施の形態における光受信器の構成図である。 従来の光DPSK信号受信器の構成図である。 従来の光DQPSK信号受信器の構成図である。
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明の第1の実施の形態における受信器の構成を示す。
同図に示す受信器100は、光増幅器110、光フィルタ120、光分岐器130、140、2×2合波器150、光検出器D1,D2、差動合成回路160、光検出器M170,信号処理回路180から構成される。このうち、光分岐器140、2×2合波器150で1ビット遅延回路101を構成する。
本実施の形態では、まず、入力された差動位相変調信号光を光増幅器110で増幅し、次に、光フィルタ120で光増幅器110から出力される余分な自然放出光を除去する。光フィルタ120の出力は、その一部が光分岐器130で分解され、光検出器M170に入力される。光検出器M170は、入力された光の強度を電気信号に変換して信号処理回路180に出力する。
一方、一部が光分岐器130で分岐された主信号光は、1ビット遅延回路101に入力され、光検出器D1,D2でそれぞれ光検出され、その2つの出力は差動合成回路160で差動検波(合波)される。この主信号光は、従来技術の項で述べたのと同様である。
本実施の形態において、従来技術と異なるのは、1ビット遅延干渉計101、光検出器D1,D2、差動合成回路160を介して差動検波出力し、信号処理回路180にて上記の一部分岐光強度信号に基づいた信号処理を施している点である。
図3は、本発明の第1の実施の形態における信号処理回路の構成を示す。
信号処理回路180は、光検出器M170から入力される電気信号を分岐する分岐回路181、時間τだけ遅延させる遅延回路182、分岐回路181で分岐された一方の信号と遅延回路182で遅延された信号を加算する加算回路183、差動合成回路160からの出力から、加算回路183から出力された回路を引き算する引き算回路184を有する。
まず、光フィルタ120を経た光増幅器110の出力光のキャリア振動項以外の複素振幅を、次のように表す。
Figure 0005312366
上記の式の第1項が本来受信したい信号光、第2項が受信特性劣化を引き起こす雑音光、であり、As,Acはそれぞれの実数振幅、θs,θcはそれぞれの位相、tは時刻、である。ここでは、位相変調信号光を想定し、位相{θs,θc}は時間に依存している一方、実数振幅{As,Ac}は一定値としている。なお、キャリア振動項を省略しているのは、光フィルタ120を透過した光なので、そのキャリア周波数は信号光と雑音光とでほぼ同じためである。
光フィルタ120の出力は一部が光分岐器130で分岐された後、一方の信号光は1ビット遅延干渉計101に入力される。1ビット遅延干渉計101では、入力光は分岐器140で2分岐され、一方の経路で遅延を与えられた後、2×2合波器150により再び合波される。合波器150からの出力光は次のように表される。
Figure 0005312366
上記の式において、Eは光検出器D1へ出力される光電場、Eは光検出器D2へ出力される光電場、αは光フィルタ120から光検出器D1までの振幅透過率、αは光フィルタ120から光検出器D2までの振幅透過率、tは光フィルタ120から遅延干渉計101の短経路を経て光検出器D1,D2に到達するまでの時間、τは遅延干渉計101の遅延時間、である。なお、τは伝送信号のビット間隔でもある。
遅延干渉計101からの出力光は光検出器D1,D2に入力され、その光強度が電気信号に変換されて出力される。光検出器D1からの出力信号Sは、式(2)より、次のように表される。
Figure 0005312366
上記の式(4)において、ηは光強度から電気信号への変換係数である。
ここで、雑音光は主信号光に比べて十分弱い。すなわち、A>>Aとする。これは、実際のシステムにおいて妥当な仮定である。この仮定の下では、式(4)は、以下のように近似される。
Figure 0005312366
同様にして、光検出器D2から出力される電気信号Sは、式(3)より、次のように表される。
Figure 0005312366
光検出器D1からの出力信号と光検出器D2からの出力信号は差動合成回路160で差動的に合成される。式(5)(6)より、差動合成回路160の差動合成出力Sは次のように表される。
Figure 0005312366
但し、tは光検出器D1,D2から差動合成回路160までの信号伝播時間である。また、│α=│αとし、さらに、2η│α=kとおいた。式(7)において、第1項は所望の受信信号であり、(第2項+第3項)は、雑音光による揺らぎ成分を表している。
一方で、光フィルタ120からの出力光は一部が光分岐器130で分岐され、その光強度が光検出器M170により電気信号に変換される。光検出器M170から出力される電気信号S(以後、これを「モニタ信号」と呼ぶ)は、式(1)により、次のように表される。
Figure 0005312366
但し、αmは光フィルタ120から光検出器M170までの振幅透過率、tm1は光フィルタ120から光検出器M170までの伝播時間、である。また、η│αm=kmとおいた。
本発明では、信号処理回路180において、モニタ信号を用いて、主信号で生じる信号揺らぎを抑圧する。具体的には、まず、信号処理回路180の分岐部181でモニタ信号を2分岐し、その一方に遅延τ回路182で1ビットスロット時間τだけ遅延を与える。そして、加算器183で上記の2つのモニタ信号に係数を掛けた上で、引き算回路184で式(7)で表される主信号S(差動合成回路160からの出力)から加算器183の出力を引き算する。式で表すと、
Figure 0005312366
とする。但し、tは主信号系の差動合成回路160から引き算回路184までの信号伝播時間、tm2は光検出器M170から引き算回路184までの信号伝播時間、である。式(7)(8)を式(9)に代入すると、次式となる。
Figure 0005312366
ここで、
Figure 0005312366
とする。すると、
Figure 0005312366
となる。
式(10)において、第1項は所望の受信信号成分、第2項は直流成分、第3項以降は雑音光による揺らぎ成分、をそれぞれ表している。ここでは信号揺らぎを取り扱っているので、以下では、第3項以降について考えていく。まず、式(10)の揺らぎ成分△Sとして書き出す。
Figure 0005312366
なお、上式では、表記の簡便化のため、共通的な項であるKAは省略した。上式において、(第1項+第2項)は主信号系における揺らぎ、(第3項+第4項)はモニタ信号系における揺らぎ、にそれぞれ対応する。
ところで、ここで受信しているのはDPSK信号である。この場合、主信号光の位相θsは次のように表される。
Figure 0005312366
但し、θs0はt=0での位相であり、
Figure 0005312366
一方、θc(t)の表式はどのような雑音光を想定するかに依存するが、ここでは、時間変動は速くなく、1ビットスロット時間ではほぼ一定、即ち、
Figure 0005312366
である雑音光を想定する。例えば、光増幅器110で発生する自然放出光のうち、信号ビットレートの1/2程度以下の速度で変動する成分がこれに相当する。それより早く変動する成分は対象外とするが、速い成分による揺らぎは信号復調時のバースバンドフィルタにより除去されるので、このような想定は、十分実用的である。この状況設定の下では、式(11)において、
θc(t)=θc0 (14)
と定数で表される。
では、式(12)(14)であるとして、揺らぎの式(11)を考えていく。まず、式(12)(14)を式(11)に代入する。
Figure 0005312366
但し、表記の簡略化のため、t'≡t−tとした。上式は、更に次のように展開される。
Figure 0005312366
上式において式(13)であるので、
Figure 0005312366
式(17)は、本実施の形態の受信器構成においては揺らぎゼロ、すなわち、雑音光による信号揺らぎが抑えられることを示している。ところで、式(17)の(第1項+第2項)は主信号系の揺らぎ、(第3項+第4項)はモニタ信号の揺らぎ、にそれぞれ対応している。主信号系の揺らぎは従来の受信器構成における揺らぎに対応し、この場合には、
Figure 0005312366
となり、
Figure 0005312366
のときに揺らぎが発生する。本実施の形態は、この主信号系の揺らぎをモニタ信号の揺らぎで打ち消すように構成されている。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態における光受信器の構成を示す。
本実施の形態は、4値デジタル信号を伝送するDQPSK信号を復調するように構成されている。
図4に示す光受信器は、光増幅器201、光フィルタ202、光分岐器203、光カプラ204、光分岐器205,210、π/4遅延回路206、光合波器207,212、光検出器D11,D12,D21,D22、差動合成回路208,213、信号処理回路209,215、光検出器M214から構成される。このうち、光分岐器205、π/4遅延回路206、光合波器207で1ビット干渉計230を構成する。また、光分岐器210、−π/4遅延回路211、光合波器212で1ビット干渉計240を構成する。
信号処理回路209,215の構成は、前述の第1の実施の形態の図3の構成と同様である。
本実施の形態では、まず、入力された差動位相変調信号光を光増幅器201で増幅し、次に光フィルタ202で光増幅器201から出力される余分な自然放出光を除去する。光フィルタ202の出力は、その一部が光分岐器203で分岐され、光検出器M214に入力される。光検出器M214は、入力された光の強度を電気信号に変換して信号処理回路209,215に出力する。
一方、一部が分岐された主信号光は光カプラ204で2つ経路に分岐され、それぞれが1ビット遅延干渉計230、240に入力される。この1ビット遅延干渉計230,240の遅延経路の伝播位相差は、一方は、π/4、もう一方は、−π/4となっている。干渉計出力はそれぞれ光検出器D11,D12、及び光検出器D21,D22に接続されている。そして、同じ干渉計出力からの光検出信号は差動合成回路208,213で作動的に合成される。この主信号光の受信構成は、従来技術の項で述べたのと同様である。
本実施の形態と異なるのは、1ビット遅延干渉計230、240からの差動検波出力(作動合成回路208,213の出力)に対し、信号処理回路209、215で上記の一部分岐光強度信号に基づいた信号処理を施している点である。以下、その具体的な信号処理過程を式を用いて説明する。
まず、光フィルタ202を経た光増幅器201の出力光のキャリア振動項以外の複素振幅を次のように表す。
Figure 0005312366
各変数の意味は式(1)と同様である。
光フィルタ202の出力は、一部が光分岐器203で分岐されたあと、更に光カプラ204で分岐されて、一方は遅延位相差π/4の1ビット遅延干渉計230、他方は遅延位相差−π/4の1ビット遅延干渉計240にそれぞれ入力される。
1ビット遅延干渉計230,240では、入力光は分岐器205、210でそれぞれ2分岐され、一方の経路で遅延を与えられた後、2×2合波器207、212でそれぞれ再び合波される。合波器207,212からのそれぞれの出力光は次のように表される。
Figure 0005312366
上式において、E11は光検出器D11へ出力される光電場、E12は光検出器D12へ出力される光電場、E21は光検出器D21へ出力される光電場、E22は光検出器D22へ出力される光電場、α11は光フィルタ202から検出器D11までの振幅透過率、α12は光フィルタ202から検出器D12までの振幅透過率、α21は光フィルタ202から検出器D21までの振幅透過率、α22は光フィルタ202から検出器D22までの振幅透過率、t1は光フィルタ202から1ビット遅延干渉計230,240の短経路を経て光検出器D11,D12,D21,D22に到達するまでの時間、τは遅延干渉計230,240のそれぞれの遅延時間である。τは伝送信号のビット間隔でもある。
遅延干渉計230,240からのそれぞれの出力光は、各光検出器に入力され、その光強度が電気信号に変換されて出力される。第1の実施の形態と同様の導出手順により、各検出器からの出力信号は、次のように表される。
Figure 0005312366
上式において、S11,S12,S21,S22はそれぞれ検出器D11,D12,D21,D22からの出力信号、ηは光強度から電気信号への変換係数である。また、上式では、干渉光は主信号光に比べて十分弱いという仮定に基づく近似を用いた。
検出器D11からの出力信号と検出器D12からの出力信号は差動合成回路208で差動的に合成される。検出器D21からの出力信号と検出器D22からの出力信号は差動合成回路213で差動的に合成される。それぞれの差動合成出力はそれぞれ次のように表される。
Figure 0005312366
ここで、S10は検出器D11とD12からの差動合成出力、S20は検出器D21とD22からの差動合成出力、t2は光検出器から差動合成回路208,213までの信号伝播時間である。また、│α11=│α12、│α21=│α22とし、さらに、
2η│α11=k10
2η│α21=k20
とおいた。式(21)において、第1項は所望の受信信号であり、(第2項+第3項)は雑音光による揺らぎを表している。
上記差動合成出力は、揺らぎ抑圧のための信号処理回路209,215に入力される。
一方で、第1の実施の形態と同様に、光フィルタ202からの出力光は光分岐器203で一部が分岐され、その分岐光が入力された光検出器M170からモニタ信号Sが出力される。モニタ信号Sは、次式で表される。
Figure 0005312366
αm、tm1、kmの意味は、式(8)と同様である。
次に、このモニタ信号は、揺らぎ抑圧のための信号処理回路209,215に入力される。
信号処理回路209,215では、まず上記モニタ信号が分岐部181で2分岐され、遅延τ回路182で一方に1ビットスロット時間τだけ遅延を与えられる。次に、式(21)で表される主信号Sから、引き算回路184で上記2つのモニタ信号が次のように引き算される。
Figure 0005312366
但し、t3は主信号系の差動合成回路208,213から引き算回路184までの信号伝播時間、tm2は光検出器M214から引き算回路184までの信号伝播時間である。式(21)(22)を式(23)に代入すると、次式となる。
Figure 0005312366
上式において、
Figure 0005312366
とすると、
Figure 0005312366
となる。
式(25)において、第1項は所望の受信信号成分、第2項は直流成分、第3項以降は雑音光による揺らぎ成分、をそれぞれ表している。ここでは信号揺らぎに着目しているので、以下では、第3項以降について考えていく。まず、式(25)の揺らぎ成分を△Sとして書き出す。
Figure 0005312366
上式では、表記の簡略化のため、共通的な項であるKAは省略した。式(26)において、(第1項+第2項)は主信号系における揺らぎ、(第3項+第4項)はモニタ信号系における揺らぎ、にそれぞれ対応する。
ところで、ここで受信しているのはDQPSK信号である。この場合、主信号光の位相θは次のように表される。
Figure 0005312366
但し、
Figure 0005312366
一方、θ(t)については、第1の実施の形態と同様に、信号速度よりは遅く変動する雑音光を想定し、
Figure 0005312366
とする。
以下、式(27)(29)であるとして、揺らぎの表式(26)を考えていく。まず、式(27)(29)を式(26)に代入する。
Figure 0005312366
但し、表記の簡略化のため、t'≡t−t0とした。上式は、さらに次のように展開される。
Figure 0005312366
上式は、△S1と△S2の揺らぎ方は同じであることを示している。そこで以下では、△S1について述べていく。
なお、モニタ信号が無い場合には、
Figure 0005312366
となる。
式(31a)(32)において、
Figure 0005312366
である。そこで、式(31a)(32)を使い、各△θsの値について、モニタ信号がある時とない時の△Sを比較する。
Figure 0005312366
この他にも△θs(t')がπまたは3π/2の場合もあるが、△θs(t')と△θs(t'−τ)は対称的であるので、上記8パターンについて考えれば十分である。
上記のように、モニタ信号の有無による違いは位相差パターンに依存しており、このままでは両者の定量的な比較はできない。そこで、各場合分けについての△S1の分散を計算し、その合計を比較する。すなわち、各位相パターンについて、
Figure 0005312366
を計算してその合計を比べる。なお、<>は(θs0−θc0)についての平均の意味である。
Figure 0005312366
となる。これにより、モニタ信号による信号処理を行った方が揺らぎが小さいことが示される。
以上のように、本実施の形態により、雑音光によるDQPSK信号光の受信信号揺らぎを小さくすることができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用が可能である。
1,11,110 光増幅器
2,12,120 光フィルタ
3,130,203,140,205,210 光分岐器
4,150,207,212 2×2合波器
5,16,26,160,208,213 差動合成回路
13,204 光カプラ
15,25,101,230,240 1ビット遅延干渉計
50 光分岐手段
60 信号復調手段
70 モニタ光強度検出手段
80 信号処理手段
170,214 光検出器M
180,209,215 信号処理回路
D1,D2,D21,D22 光検出器

Claims (5)

  1. 差動位相変調信号を受信する光受信器であって、
    入力された差動位相変調信号を主信号光とモニタ信号光との分岐する光分岐手段と
    前記光分岐手段により分岐されたモニタ信号光の光強度を電気信号に変換して出力するモニタ光強度検出手段と、
    前記光分岐手段により分岐された前記主信号光から位相変調信号を電気信号として復調する信号復調手段と、
    前記信号復調手段から出力された復調信号と、前記モニタ光強度検出手段から出力された隣接する2つのビットスロットのモニタ信号と、を差動合成して出力する信号処理手段と、
    を備え、
    前記信号処理手段は、
    前記モニタ光強度検出手段から出力された前記モニタ光信号を2分岐して、その一方に遅延を加え、分岐された他方のモニタ光信号と加算し、前記信号復調手段から出力された前記復調信号から引く信号処理を行う手段を含む
    ことを特徴とする光受信器。
  2. 前記差動位相変調信号が、2値差動位相シフトキーイング信号光である
    ことを特徴とする請求項1記載の光受信器。
  3. 請求項2に記載の光受信器における信号復調手段が、
    信号光を2分岐し、2分岐した信号光の一方に1ビットスロットの時間遅延を与え、2つの分岐光を2×2の光合波器により再び合波し、該2×2の光合波器の2つの出力端子から出力される光の強度をそれぞれ検出し、検出された光の強度を差動合成して出力する手段を含むことを特徴とする請求項2記載の光受信器。
  4. 前記差動位相変調信号が、4値差動位相シフトキーイング信号光である
    ことを特徴とする請求項1記載の光受信器。
  5. 請求項4に記載の光受信器における信号復調手段が、
    信号光を信号光Aと信号光Bに分岐する手段と、
    分岐された信号光Aを2分岐し、2分岐した信号光の一方に1ビットスロット分の時間遅延と遅延位相φを与え、該2分岐した信号光を2×2光合波器Aにより再び合波し、該光合波器Aの2つの出力端子から出力される光の強度をそれぞれ検出し、検出された光の強度を差動合成して出力する手段と、
    前記信号光Bを2分岐し、2分岐した信号光の一方に1ビットスロット分の時間遅延と遅延位相φを与え、該2分岐した信号光を2×2の光合波器Bにより再び合波し、該光合波器Bの2つの出力端子から出力される光の強度をそれぞれ検出し、検出された光の強度を差動合成して出力する手段と、
    を備え、
    前記遅延位相φとφはπ/2だけ異なっている
    ことを特徴とする請求項4記載の光受信器。
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