(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図16にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠13は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠13の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠13は、中央部に窓口14を有するとともに、該窓口14の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠13の裏面側には、機内部に配置された遊技盤16を保護し、かつ窓口14を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤16は、中枠12に装着される。また、前枠13には、窓口14のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部(装飾ランプ)を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17〜19は、前枠13の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠13には、窓口14の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠13の裏面に装着されており、該前枠13の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)22が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿22の右方には、遊技球を遊技盤16に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル23が装着されている。また、前枠13には、下皿22の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ24が配置されている。下スピーカ24は、中枠12に装着されている。本実施形態において左スピーカ20、右スピーカ21及び下スピーカ24は、パチンコ遊技機10の機本体に設けられた音声出力手段になる。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口15aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15bが連設されており、さらに右方側に貯留通路15b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤16に向けて発射される。遊技盤16に向けて発射される遊技球は、発射ハンドル23の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿22には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口22aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部22bが遊技球の出口22aに連設されている。
次に、遊技盤16の構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤16の前面には、発射ハンドル23の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域16aを形成する誘導レール25が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール25によって遊技盤16には、該遊技盤16の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路25aが形成されるとともに、誘導レール25の内側に遊技領域16aが形成される。また、遊技盤16の前面であって誘導レール25の外側となる遊技領域16a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域16bとされている。
遊技盤16の遊技領域16aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出用図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体27の右下方には、表示装置としての特別図柄表示装置29が配置されている。本実施形態の特別図柄表示装置29は、7セグメントLED式の表示装置とされている。特別図柄表示装置29には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。なお、特別図柄表示装置29の図柄変動ゲームは、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置29と演出表示装置28では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置29では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示装置29と演出表示装置28には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される。このとき、特別図柄表示装置29と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置29には、複数種類の特別図柄の中から1つの特別図柄が表示されるようになっている。本実施形態における複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。その一方、本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、複数種類(本実施形態では7種類)の数字図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28に表示される7種類の飾り図柄は、麻雀遊技で使用する遊技媒体としての麻雀牌([一萬]〜[七萬])を模した数字図柄によって構成されている。なお、以下の説明では、[一萬]、[ニ萬]、[三萬]、・・・、[七萬]を、単に数字の[1]、[2]、[3]、・・・、[7]と示す。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置29の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置29よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
本実施形態では、全ての図柄列(本実施形態では3列)の飾り図柄を同一種類の飾り図柄で形成した図柄組み合わせを、内部抽選で大当りを決定した場合に演出表示装置28に確定停止表示させる飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄の大当り図柄)としている。具体的に言えば、本実施形態のパチンコ遊技機10において飾り図柄による大当りの図柄組み合わせは、[111]、[222]、[333]、[444]、[555]、[666]、及び[777]の7種類に設定されている。
一方、全列の飾り図柄を同一種類とせずに形成した図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に演出表示装置28に確定停止表示させる飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(飾り図柄のはずれ図柄)としている。全列の飾り図柄が同一種類とならない場合には、全列の飾り図柄の全てが異なる場合や複数列(2列)の飾り図柄が同一種類で1列の飾り図柄の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾り図柄のはずれの図柄組み合わせは、[123]、[115]、[767]などである。
そして、演出表示装置28には、特別図柄表示装置29に確定停止表示される特別図柄に基づく飾り図柄の図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置29の特別図柄による図柄と、演出表示装置28の飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄に基づく飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄と飾り図柄の図柄組み合わせは、1対1の関係とは限らず、1つの特別図柄に対して複数種類の飾り図柄の図柄組み合わせが対応している。
画像表示部GHには、図2に示すように、飾り図柄を表示する3つの図柄表示位置H1,H2,H3が配置(形成)されている。図柄表示位置H1,H2は画像表示部GHの左右に分かれて配置されており、図柄表示位置H1,H2の間に図柄表示位置H3が配置されている。そして、各図柄表示位置H1〜H3には、図柄変動ゲームにおいて各1つの飾り図柄が表示される。これにより、画像表示部GHでは、各図柄表示位置H1〜H3に各1つの図柄列が対応し、3列の飾り図柄からなる図柄組み合わせが表示されるようになっている。本実施形態において図柄表示位置H1には図柄組み合わせを構成する左列の飾り図柄が表示されるとともに、図柄表示位置H2には図柄組み合わせを構成する右列の飾り図柄が表示され、さらに図柄表示位置H3には図柄組み合わせを構成する中列の飾り図柄が表示される。
また、画像表示部GHでは、図柄変動ゲームの開始に伴って各図柄列の図柄の変動が開始する。変動を開始した各図柄列は、各図柄表示位置H1〜H3において、予め定めた表示順序にしたがって変動表示される。「変動表示」とは、表示させる図柄の種類を変化させながら表示される変動形態である。本実施形態において各図柄列の表示順序は、[1]〜[7]までの間で数字が昇順となる順序で、[7]に達したら再び[1]に戻って変動表示させるように定められている。
また、画像表示部GHにおいて変動を開始した各図柄列は、予め定めた変動停止順にしたがって変動を停止(変動表示を停止)させ、対応する各図柄表示位置H1〜H3に各1つの飾り図柄を停止表示させるようになっている。本実施形態において各図柄列の変動停止順序は、最初に図柄表示位置H1に対応する図柄列(左列)の変動を停止させ、次に図柄表示位置H2の対応する図柄列(右列)の変動を停止させ、最後に図柄表示位置H3に対応する図柄列(中列)の変動を停止させるように定められている。そして、画像表示部GHでは、左列と右列の2列の変動が停止した際に、両図柄列に同一の飾り図柄(例えば、[1↓1])が停止表示された場合、リーチ状態が形成される。画像表示部GHにリーチ状態が形成された場合、画像表示部GHでは引き続き変動表示されている中列の飾り図柄を導出するためのリーチ演出が行われる。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、画像表示部GHに3つの図柄表示位置H1〜H3が配置され、各図柄表示位置H1〜H3に飾り図柄が停止表示された場合に1つの図柄組み合わせが形成されるようになっていることから、図柄組み合わせが有効となる有効ラインを一本備えた1ライン機となる。また、図柄の停止表示には、「一旦停止表示」と「確定停止表示」とがある。そして、図柄変動ゲームが終了する迄の間に図柄列の変動停止によって表示された図柄は、例えば図柄を上下に小刻みに変動させる揺れ変動などの「一旦停止表示」の状態とされ、これらの各図柄列の図柄は図柄変動ゲームの終了によって「確定停止表示」の状態とされる。なお、特別図柄表示装置29では、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間、特別図柄の変動表示が継続して行われ、図柄変動ゲームの終了時に特別図柄が確定停止表示される。一方、演出表示装置28では、図柄変動ゲームが開始してから、所定時間の経過毎に各図柄列の変動が停止して飾り図柄が一旦停止表示され、図柄変動ゲームの終了時に各図柄列の飾り図柄が確定停止表示される。
図1及び図2において、表示枠体27の下方であって、特別図柄表示装置29の左横(万点棒を模した飾り部材内)には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示装置30が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体27の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口33と下始動入賞口34)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板45の主制御用RAM45c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示装置30は、2つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示装置30は、保留ランプの点灯態様により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。本実施形態の特別図柄保留記憶表示装置30では、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合に2つの保留ランプが消灯し、「1」の場合に1つ目の保留ランプが点滅し、「2」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、「3」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、かつ2つ目の保留ランプが点滅し、「4」の場合に2つの保留ランプが点灯する。
また、表示枠体27の下方であって、特別図柄表示装置29の左横(万点棒を模した飾り部材内)において特別図柄保留記憶表示装置30の上方には、発光型の普通図柄表示装置31が配置されている。本実施形態の普通図柄表示装置31は、2つのランプを上下に並設して構成されている。普通図柄表示装置31には、普通図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として上側のランプが点灯し、かつ下側のランプが消灯し、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として上側のランプが消灯し、かつ下側のランプが点灯する。本実施形態において普通図柄表示装置31には、普通図柄表示装置31を構成する2つのランプの点灯態様によって普通図柄が構成される。
また、普通図柄表示装置31の下方には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示装置32が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体27の左方に配置される普通図柄作動ゲート36へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板45の主制御用RAM45c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート36に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート36へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
普通図柄保留記憶表示装置32は、2つの保留ランプによって構成されている。そして、普通図柄保留記憶表示装置32は、保留ランプの点灯態様により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。本実施形態の普通図柄保留記憶表示装置32では、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合に2つの保留ランプが消灯し、「1」の場合に1つ目の保留ランプが点滅し、「2」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、「3」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、かつ2つ目の保留ランプが点滅し、「4」の場合に2つの保留ランプが点灯する。
また、表示枠体27において画像表示部GHの上方には、可動演出を行う演出用可動体K1が配設されている。演出用可動体K1は、初期位置から、画像表示部GHに表示されている画像(飾り図柄や背景など)に重なるように、図2に示す矢印Yに沿って下方位置へ降下する動作を実行可能に構成されている。なお、初期位置は、画像表示部GHに表示されている画像とは重ならない位置に設定されている。演出用可動体K1は、図示しないアクチュエータ(モータなど)の作動により可動する。
また、表示枠体27において画像表示部GHの右方には、可動演出を行う複数(本実施形態では3つ)の演出用可動体K2が配設されている。本実施形態の演出用可動体K2は回転体とされており、図示しないアクチュエータ(モータなど)の作動により回転動作する。
また、表示枠体27の下方の遊技領域16aには、遊技球の入球口33aを有する入球検知手段としての上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する入球検知手段としての下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。
上始動入賞口33と下始動入賞口34の各奥方には、入球した遊技球を検知する入球検知手段としての始動口スイッチSW1,SW2(図7に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口34の下方の遊技領域16aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉37を備えた入賞手段(可変入賞装置)としての大入賞口(特別電動役物)38が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉37の開動作によって大入賞口38が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。すなわち、大入賞口38は、常には大入賞口扉37によって入球を許容し得ない閉状態とされており、大当り遊技が付与されることによって不利な閉状態から遊技球の入球が許容される有利な開状態に変化する。本実施形態において大当り遊技は、賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉37の開動作により大入賞口38が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回又は7回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉37の開動作により大入賞口38が開放されてから大入賞口扉37の閉動作により大入賞口38が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口38は、入球上限個数(規定入球個数)の遊技球が入球するまでの間、又はラウンド遊技時間(規定上限時間)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体27の左方の遊技領域16aには、普通図柄作動ゲート36が配設されている。普通図柄作動ゲート36の奥方には、該普通図柄作動ゲート36へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(図7に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート36は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤16の遊技領域16aの最下方(大入賞口38よりも下方)には、遊技領域16aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口39が形成されている。アウト口39を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態(当選確率状態)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する確変状態を付与する機能である。確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率状態が高確率抽選状態に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、50種類の特別図柄の大当り図柄のうち、31種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)に設定されているとともに、19種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28に表示される飾り図柄のうち、奇数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ[111]、[333]、[555]及び[777]が、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定されている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28に表示される飾り図柄のうち、偶数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ[222]、[444]及び[666]が、確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄)として設定されている。すなわち、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ[111]、[333]、[555]及び[777]は、確変大当りが決定されている場合に演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。また、飾り図柄による大当りの組み合わせ[222]、[444]及び[666]は、確変大当り及び非確変大当りの何れが決定されている場合でも、演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート36の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態(変短状態)を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口34の開閉羽根35は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、300ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1400ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根35は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根35が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口34への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、変短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。なお、変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根35の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根35の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当りの種類について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当りの中から1つの大当りの種類が決定され、その決定された大当りの種類に基づき大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態では、大当り図柄として50種類の特別図柄が用意されており、この50種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、特別図柄ZA、特別図柄ZB、及び特別図柄ZCの3種類に分類されている。
そして、特別図柄ZAには18種類の大当り図柄が、特別図柄ZBには13種類の大当り図柄が、特別図柄ZCには19種類の大当り図柄が、それぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、特別図柄ZAに基づく大当り遊技は大当り全体の36%(50分の18)となり、特別図柄ZBに基づく大当り遊技は大当り全体の26%(50分の13)となり、特別図柄ZCに基づく大当り遊技は大当り全体の38%(50分の19)となる。
特別図柄ZA〜ZCによって付与される各大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口38を「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口38を「15回(15ラウンド×1回)」開放させるようになっている。また、各大当り遊技は、オープニング演出時間として「8000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「11000(ms)」が設定されている。また、各大当り遊技は、1回のラウンド遊技の入球上限個数が「9球」に設定されている。
そして、特別図柄ZAに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(次回大当りまで)と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「次回」と表記している。以下、特別図柄ZAの大当りを、「変短制限なしの15R確変大当り」と示す場合もある。
また、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(次回大当りまで)が付与される一方で、大当り遊技終了後、100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与されるようになっている。すなわち、特別図柄ZBの大当りは、大当り遊技終了後に100回の図柄変動ゲームが行われる迄の間、確変状態と変短状態が付与されるが、101回目からの図柄変動ゲームでは変短状態が付与されず、確変状態のみが付与されることになる。以下、特別図柄ZBの大当りを、「変短制限ありの15R確変大当り」と示す場合もある。
特別図柄ZAの大当りと特別図柄ZBの大当りは、変短状態が付与される図柄変動ゲームの回数に制限が加えられるか否かの点で異なり、大当り遊技中の態様(大入賞口38の開放態様など)は同一に設定されている。このため、特別図柄ZAの大当りと特別図柄ZBの大当りを比較すると、次回の大当りまで変短状態が付与される特別図柄ZAの大当りの方が、特別図柄ZBの大当りよりも遊技者にとっては有利となる。
また、特別図柄ZCに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、非確変状態が付与される一方で、大当り遊技終了後、100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与されるようになっている。すなわち、特別図柄ZCの大当りは、大当り遊技終了後に100回の図柄変動ゲームが行われる迄の間、変短状態が付与されるが、101回目からの図柄変動ゲームでは変短状態が付与されなくなる。以下、特別図柄ZCの大当りを、「15R非確変大当り」と示す場合もある。
特別図柄ZBの大当りと特別図柄ZCの大当りは、大当り遊技中の態様(大入賞口38の開放態様など)が同一に設定されている。このため、特別図柄ZBの大当りと特別図柄ZCの大当りを比較すると、次回の大当りまで確変状態が付与される特別図柄ZBの大当りの方が、特別図柄ZCの大当りよりも遊技者にとっては有利となる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、変短状態の終了条件を同一条件に設定した特別図柄ZBの大当りと特別図柄ZCの大当りを備えることで、これらの大当りに基づく大当り終了後に確変状態が付与されているか否か(高確率抽選状態であるか否か)を遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、再抽選演出(再変動演出)と大当り中昇格演出(報知演出)を実行可能に構成されている。再抽選演出と大当り中昇格演出は、何れも大当り抽選で大当りに当選した際に決定された大当りの種類を遊技者に認識させるために行われる演出であり、演出実行時期及び演出態様が相違している。
再抽選演出は、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲーム中を演出実行時期として行われる演出である。この再抽選演出は、図柄変動ゲーム中に仮の大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を一旦停止表示させた後、最終的に確定停止表示される大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を導出する演出態様で行われる。具体的に例示すれば、仮の大当り図柄として[222]を一旦停止表示させた後、各図柄列を再び変動させ、最終的に確定停止表示される大当り図柄として[777]を導出する。再抽選演出によれば、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで導出された大当り図柄が「変短制限なしの15R確変大当り」を認識し得ない大当り図柄であっても、「変短制限なしの15R確変大当り」を認識し得る大当り図柄が導出される期待感、すなわち有利な大当りへ昇格する期待感を遊技者に抱かせることができる。本実施形態において再抽選演出は、大当りの種類が「変短制限なしの15R確変大当り」へ昇格する期待感を遊技者に抱かせることから、昇格演出として位置付けられる。なお、再抽選演出は、例えば、大当り図柄[777]から大当り図柄[666]というように、認識し得る大当りの種類が降格する態様では行われず、前述した大当りの種類が昇格する態様、及び大当りの種類が変化しない態様の何れかで行われる。
一方、大当り中昇格演出は、大当り遊技中を演出実行時期として行われる演出である。この大当り中昇格演出は、大当り遊技中のラウンド遊技において予め定めた特定演出を実行させる演出態様で行われる。本実施形態において特定演出は、演出用可動体K1を画像表示部GHへ向けて降下させる態様で行われる。また、本実施形態において特定演出は、前記演出用可動体K1の降下とともに、画像表示部GHに「超大当り」からなる文字の画像を表示させる態様で行われる。そして、予め定めたラウンド遊技中(例えば、1ラウンド〜14ラウンドの中でランダムに決定したラウンド遊技中)に演出用可動体K1を降下させ、かつ「超大当り」の画像を画像表示部GHに割り込ませて表示させることで、「変短制限なしの15R確変大当り」に当選していること遊技者に報知する。大当り中昇格演出によれば、図柄変動ゲームで最終的に導出された飾り図柄の大当り図柄が「変短制限なしの15R確変大当り」を認識し得えない大当り図柄であっても、大当り遊技中に「変短制限なしの15R確変大当り」に当選していたことが報知される期待感、すなわち有利な大当りへ昇格する期待感を遊技者に抱かせることができる。本実施形態において大当り中昇格演出は、大当りの種類が「変短制限なしの15R確変大当り」へ昇格する期待感を遊技者に抱かせることから、昇格演出として位置付けられる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出表示装置28で行われる1回の図柄変動ゲームの変動内容は、図柄(飾り図柄)の変動開始から図柄(飾り図柄)の変動停止までを1回とする変動サイクルを含んで構成されている。なお、1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了し、1球の始動保留球に対して実行される。そして、演出表示装置28で行われる1回の図柄変動ゲームの変動内容は、1回の変動サイクルから構成される通常変動系の変動内容と、1回及び複数回の何れかの変動サイクルから構成される特殊変動系の変動内容とに分類されるようになっている。特殊変動系の変動内容を構成する変動サイクル中には、複数回変動を示唆する示唆演出が行われるようになっている。示唆演出は、通常変動系の変動内容からなる図柄変動ゲーム(変動サイクル)中には実行されず、特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームを構成する各変動サイクルにおいて実行される専用演出となっている。このため、遊技者は、示唆演出の有無により、図柄変動ゲームが通常変動系の変動内容で行われているのか、又は特殊変動系の変動内容で行われているのかを判別し得る。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームが行われる時の遊技状態に応じて異なる態様の示唆演出が行われるようになっている。具体的には、確変状態で、かつ変短状態の場合と、その他の場合(非確変状態でかつ非変短状態、非確変状態でかつ変短状態、確変状態でかつ非変短状態)で異なる態様の示唆演出が行われる(詳細は後述する)。
そして、特殊変動系の変動内容は、演出表示装置28と特別図柄表示装置29で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置28のみで演出として表現される。すなわち、図柄変動ゲームが特殊変動系の変動内容によって行われるとともに、その変動内容が複数回の変動サイクルで構成される場合、演出表示装置28では、最終回の変動サイクルよりも前の回の変動サイクルにおいて飾り図柄の変動停止によって飾り図柄の図柄組み合わせが導出(一旦停止表示)される。その一方、特別図柄表示装置29では、前述のように変動サイクルにおいて飾り図柄の変動停止により飾り図柄の図柄組み合わせが導出されたとしても、図柄変動ゲームが終了する迄の間、特別図柄が変動を継続するようになっている。すなわち、演出表示装置28における図柄の停止には、一旦停止状態での表示(一旦停止表示)と確定停止状態での表示(確定停止表示)があり、特別図柄表示装置29における図柄の停止には、確定停止状態での表示(確定停止表示)のみがある。特殊変動系の変動内容で行われる図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。
また、特殊変動系の変動内容で行われる1回の図柄変動ゲームは、前記変動内容を構成する変動サイクルの実行回数によって大当り表示結果(大当り図柄)が導出されるか否かの可能性(大当り期待度)が変化するように構成されている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合、大当り抽選に当選していない場合に比して変動サイクルの実行回数が多い特殊変動系の変動内容で図柄変動ゲームが行われ易くなっている。このため、遊技者は、図柄(飾り図柄)の変動中に示唆演出が行われるか否かによって図柄変動ゲームが通常変動系の変動内容か、又は特殊変動系の変動内容かを判別し、特殊変動系の変動内容であるならば、示唆演出を伴う変動サイクルが何回連続するかによって大当りへの期待感を変化させる。
図4は、演出表示装置28で行われる通常変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームの態様と特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームの態様を模式的に示す。なお、図4では、特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームで行われる示唆演出を省略している。
図4に示すように、図柄変動ゲームの終了時における特別図柄用の保留記憶数が「4」の状態において、次の図柄変動ゲームが通常変動系の変動内容で行われる場合には、当該ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数が1減算されて「3」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止し、変動開始から所定時間が経過することにより図柄が確定停止表示されて終了する。このように通常変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームは、1回の変動サイクルで構成されている。
次に、図柄変動ゲームの終了時における特別図柄用の保留記憶数が「3」の状態において、次の図柄変動ゲームが特殊変動系の変動内容で行われる場合には、当該ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数が1減算されて「2」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。図4には、特殊変動系の変動内容の図柄変動ゲームとして、3回の変動サイクルで構成した図柄変動ゲームを示している。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止して図柄が一旦停止表示され、その状態から2回目の変動サイクルの開始に伴って図柄が再び変動を開始する。そして、2回目の変動サイクルにおいて各列の図柄の変動が停止して図柄が一旦停止表示され、その状態から3回目の変動サイクルの開始に伴って図柄が再び変動を開始する。その後、3回目の変動サイクルでは、左列と右列の図柄が同一図柄となって一旦停止表示されることによりリーチ状態が形成され、リーチ演出が行われる。そして、図柄変動ゲームは、リーチ演出により中列の図柄が導出されることにより各列の図柄の変動が停止した後、図柄が確定停止表示されて終了する。この図柄変動ゲームが行われている間、特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に新たな入球が無い場合、図柄変動ゲームの開始時の「2」を維持し、変動サイクルの開始に伴って特別図柄用の保留記憶数が減算されるようには変化しない。なお、始動入賞口に新たな入球があった場合には、特別図柄用の保留記憶数が1加算されて増加する。このような特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームでは、3回目の変動サイクル、すなわち最終回の変動サイクルにて最終的な表示結果(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出され、最終回の変動サイクルよりも前の全ての回の変動サイクルにてはずれ図柄が導出される。
次に、図柄変動ゲームの終了時における特別図柄用の保留記憶数が「2」の状態において、次の図柄変動ゲームが通常変動系の変動内容で行われる場合には、当該ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数が1減算されて「1」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止し、変動開始から所定時間が経過することにより図柄が確定停止表示されて終了する。
図5(a)〜(d)は、1回の図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの態様を示す。なお、本実施形態において、1回の図柄変動ゲームを構成する変動サイクル数は、1回(最小回数)、2回、3回、及び4回(最大回数)の何れかに設定されており、最大回数の4回は特別図柄用の保留記憶数の上限数と等しくなっている。
図5(a)は、1回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを示す。図5(a)に示す態様は、通常変動系の変動内容からなる図柄変動ゲーム及び特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームにおいて共通の態様となっており、変動サイクル中に示唆演出が行われるか否かの点で相違している。そして、図5(a)には、図柄変動ゲームを構成する1回の変動サイクルにおいて、図柄の変動開始後にリーチが形成され、リーチ演出が行われる態様を示している。
図5(b)は、2回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを示す。図5(b)に示す態様は、特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームの態様であって、各変動サイクル中には示唆演出が行われるようになっている。そして、図5(b)には、図柄変動ゲームを構成する2回の変動サイクルにおいて、1回目の変動サイクルでは図柄が変動を開始してから図柄が一旦停止表示されるとともに、2回目の変動サイクルでは図柄の変動開始後にリーチが形成され、リーチ演出が行われる態様を示している。
図5(c)は、3回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを示す。図5(c)に示す態様は、特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームの態様であって、各変動サイクル中には示唆演出が行われるようになっている。そして、図5(c)には、図柄変動ゲームを構成する3回の変動サイクルにおいて、1回目及び2回目の各変動サイクルでは図柄が変動を開始してから図柄が一旦停止表示されるとともに、3回目の変動サイクルでは図柄の変動開始後にリーチが形成され、リーチ演出が行われる態様を示している。
図5(d)は、4回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを示す。図5(d)に示す態様は、特殊変動系の変動内容からなる図柄変動ゲームの態様であって、各変動サイクル中には示唆演出が行われるようになっている。そして、図5(d)には、図柄変動ゲームを構成する4回の変動サイクルにおいて、1回目〜3回目の各変動サイクルでは図柄が変動を開始してから図柄が一旦停止表示されるとともに、4回目の変動サイクルでは図柄の変動開始後にリーチが形成され、リーチ演出が行われる態様を示している。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、各大当り遊技の終了後、大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆する遊技状態示唆演出を実行させる複数(本実施形態では3つ)の演出モードを備えている。図6は、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出モードの移行態様を示す。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出モードの移行契機を大当りに当選したこととし、その当選した大当りの種類に応じて移行する演出モードが異なるようになっている。この演出モードの移行により、遊技者は、滞在中の演出モード、すなわち当該演出モードで実行される遊技状態示唆演出から大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態であるか否かを推測するようになっている。なお、図6に示す「特A大当り」は、特別図柄ZAの大当り(変短制限なしの15R確変大当り)を、「特B大当り」は、特別図柄ZBの大当り(変短制限ありの15R確変大当り)を、「特C大当り」は、特別図柄ZCの大当り(15R非確変大当り)をそれぞれ示す。
以下、本実施形態の演出モードについて、図6を用いて詳しく説明する。
本実施形態において、3つの演出モードは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態である期待度が異なるように設定されている。具体的には、低期待度示唆演出が実行される通常モードと、中期待度示唆演出が実行される高確示唆モードと、高確確定示唆演出が実行される高確確定モードと、を備えている。高確確定示唆演出(高確確定モード)は、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態、すなわちパチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であることを、遊技者に対して確定的に示唆(報知)する演出とされている。その一方、低期待度示唆演出(通常モード)、及び中期待度示唆演出(高確示唆モード)は、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れの場合でも実行される演出とされている。すなわち、低期待度示唆演出、及び中期待度示唆演出は、パチンコ遊技機10の遊技状態が、確変状態及び非確変状態の何れの状態であるかを遊技者に対して非確定的に示唆(報知)する高確率潜伏演出とされ、これらの2つの遊技状態示唆演出は確変状態である可能性を示唆する。
そして、前述した3つの演出モードは、確変状態であることの期待度の高低(確変状態である可能性の大小)を示唆し、その高低によって区別される演出となっている。このような遊技状態示唆演出による期待度の変化は、大当りの種類に応じた演出モードの移行先を定めることによって作り出される。本実施形態においては、通常モード<高確示唆モード<高確確定モードの順に、確変状態である期待度が高い演出モードとして位置付けられている。
また、各演出モードの滞在中は、その滞在中の演出モードに対応する遊技状態報知画像が演出表示装置28に画像表示されるようになっている。具体的に言えば、本実施形態の遊技状態報知画像は、図柄の背面に映し出される背景画像と、演出モードの種類を示す文字画像(テロップなど)から構成される。そして、各演出モードに対応する背景画像は、演出モード毎に画像内容が異なるように個別設定されており、遊技者は、背景画像の種類や文字画像から滞在中の演出モードを認識し得るようになっている。すなわち、各演出モードでは、異なる示唆演出が実行される。本実施形態では、演出表示装置28が、示唆演出を実行する示唆演出実行手段となる。
以下、演出モードの移行態様を説明する。
なお、以下の説明においてパチンコ遊技機10の遊技状態として、非確変状態かつ非変短状態を「低確+変短なし」と、非確変状態かつ変短状態を「低確+変短あり」と、確変状態かつ非変短状態を「高確+変短なし」と、確変状態かつ変短状態を「高確+変短あり」と、それぞれ示す。
通常モードは、「低確+変短なし」と「高確+変短なし」の時に滞在する演出モードとされている。そして、通常モードの滞在中に、変短制限なしの15R確変大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確確定モード及び高確示唆モードの何れか一方の演出モードへ移行する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、前述のように大当り遊技中に昇格演出を実行可能な構成となっている。本実施形態の昇格演出は、変短制限なしの15R確変大当りに当選し、かつ演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで偶数図柄からなる大当りの図柄組み合わせ、すなわち確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る図柄組み合わせが確定停止表示される場合を対象として行われる。また、本実施形態の昇格演出は、変短制限ありの15R確変大当りに当選した場合、及び15R非確変大当りに当選した場合も対象として行われる。そして、大当り遊技中に行われる昇格演出において、変短制限なしの15R確変大当りに当選していることが報知されると(昇格報知結果の報知)、大当り遊技終了後は高確確定モードへ移行する。その一方、大当り遊技中に行われる昇格演出において、変短制限なしの15R確変大当りに当選していることが報知されないと(非昇格報知結果の報知)、大当り遊技終了後は高確示唆モードへ移行する。なお、変短制限なしの15R確変大当りに当選し、かつ演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで奇数図柄からなる大当りの組み合わせ、すなわち確変大当りを確定的に認識し得る組み合わせが確定停止表示される場合は、大当り遊技中に昇格演出が行われず、大当り遊技終了後は高確確定モードへ移行する。
また、通常モードの滞在中に、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りの何れかに当選した場合、大当り遊技を経て、高確示唆モードへ移行する。なお、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りの何れかに当選した場合、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームでは、偶数図柄からなる大当りの図柄組み合わせ、すなわち確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る図柄組み合わせが確定停止表示される。また、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りの何れかに当選した場合、大当り遊技中に行われる昇格演出では、非昇格報知結果の報知がなされる。
高確確定モードは、「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードとされている。そして、高確確定モードの滞在中に、変短制限なしの15R確変大当りに当選した場合、前述した通常モード時と同様に、大当り遊技を経て、高確確定モード及び高確示唆モードの何れか一方の演出モードへ移行する。すなわち、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで奇数図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合、及び大当り遊技中の昇格演出で昇格報知結果が導出された場合は、大当り遊技終了後に高確確定モードへ移行する。一方、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで偶数図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示され、大当り遊技中の昇格演出で非昇格報知結果が導出された場合は、大当り遊技終了後に高確示唆モードへ移行する。なお、高確確定モードの終了条件は、大当り抽選で大当りに当選することに設定されており、大当り抽選で大当りに当選する迄の間、継続される。
高確示唆モードは、「低確+変短あり」及び「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードとされている。すなわち、変短制限なしの15R確変大当り及び変短制限ありの15R確変大当りの何れかに当選したことによって移行した高確示唆モードは、遊技状態が「高確+変短あり」となる。一方、15R非確変大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードは、「低確+変短あり」となる。そして、高確示唆モードの滞在中に、変短制限なしの15R確変大当りに当選した場合、前述した通常モード時及び高確確定モード時と同様に、大当り遊技を経て、高確確定モード及び高確示唆モードの何れか一方の演出モードへ移行する。すなわち、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで奇数図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合、及び大当り遊技中の昇格演出で昇格報知結果が導出された場合は、大当り遊技終了後に高確確定モードへ移行する。一方、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームで偶数図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示され、大当り遊技中の昇格演出で非昇格報知結果が導出された場合は、大当り遊技終了後に高確示唆モードへ移行する。
また、高確示唆モードの終了条件は、大当り抽選で大当りに当選する、及び大当り遊技終了後に付与された変短状態が終了するの何れかが成立することに設定されている。このため、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りの何れかに当選したことによって高確示唆モードへ移行した場合は、変短状態が終了することにより、通常モードへ移行する。このため、変短制限ありの15R確変大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードから、変短状態の終了によって通常モードへ移行した場合、移行後の通常モードの遊技状態は「高確+変短なし」となる。また、15R非確変大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードから、変短状態の終了によって通常モードへ移行した場合、移行後の通常モードの遊技状態は「低確+変短なし」となる。これにより、高確示唆モードを経由して移行する通常モードは、確変状態の可能性も残されており、確変潜伏の状態とされる。
その一方で、変短制限なしの15R確変大当りに当選したことによって高確示唆モードへ移行した場合は、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りの何れかに当選したことによって高確示唆モードへ移行したときとは異なり、大当りに当選する迄の間、高確示唆モードが継続される。すなわち、本実施形態において、変短制限なしの15R確変大当りに当選した場合の変短状態は「次回大当り」迄の間、継続されるようになっている。一方で、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りに当選した場合の変短状態は「100回」の図柄変動ゲームが行われる迄の間、継続されるようになっている。このため、変短制限ありの15R確変大当り及び15R非確変大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードは、前述したように変短状態の終了によって通常モードへ移行するが、変短制限なしの15R確変大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードは、大当りに当選する迄の間、「高確+変短あり」の遊技状態を維持したまま継続される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、大当り遊技終了後に高確示唆モードへ移行した場合、100回の図柄変動ゲームの終了によって高確示唆モードから通常モードへ移行しなければ、その演出モードの移行態様から確変状態であることを認識し得る。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、大当り遊技終了後に高確示唆モードへ移行した場合、100回の図柄変動ゲームの終了によって高確示唆モードから通常モードへ移行すると、その演出モードの移行態様からは依然として確変状態であるのか、非確変状態であるのかを把握し得ない。なお、高確示唆モードにおいて、100回の図柄変動ゲームが終了する迄の間に大当りに当選した場合は、その当選した時の遊技状態についても、演出モードの移行態様からは把握し得ない。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図7にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。これらのサブ統括制御基板46、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48が、副制御装置となる。
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ17〜19の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、及びスピーカ20,21,24の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。
また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、普通図柄作動ゲート36を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3が接続されている。また、主制御用CPU45aには、特別図柄表示装置29と、普通図柄表示装置31と、特別図柄保留記憶表示装置30と、普通図柄保留記憶表示装置32を搭載する図柄表示基板49が接続されている。また、主制御用CPU45aは、特別図柄用の大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、普通図柄用の当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。特別図柄用の大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとなる場合に特別図柄表示装置29に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普通図柄用の当り判定用乱数は、普通図柄の当りとするか否かの普通図柄当り抽選(普通図柄当り判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU45aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM45cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM45bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、普通図柄当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、演出表示装置28の画像表示部GHに画像表示される飾り図柄を用いた図柄変動ゲームで行われる。本実施形態では、図柄変動ゲームの変動内容を特定可能な変動パターンを記憶する主制御用ROM45bが、変動パターン記憶手段となる。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがあり、確変状態時の大当り判定値の数は、非確変状態時の大当り判定値よりも多く設定されている。また、普通図柄の当り判定値は、普通図柄当り抽選で用いる判定値であり、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。普通図柄当り判定値は、遊技状態が非変短状態の時の普通図柄当り抽選で用いる低確率用の普通図柄当り判定値と、遊技状態が変短状態の時の普通図柄当り抽選で用いる高確率用の普通図柄当り判定値とがあり、変短状態時の普通図柄当り判定値の数は非変短状態時の普通図柄当り判定値の数よりも多く設定されている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンの種類を、図8及び図9にしたがって説明する。
図8は、「低確(低確率抽選状態)+変短なし」時、及び「高確(高確率抽選状態)+変短なし」時、すなわち通常モードの滞在時に、主制御用CPU45aが選択可能な変動パターンを示す。そして、変動パターンは、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数(1回〜4回)に応じて設定されている。具体的に言えば、図8に示す遊技状態時には、変動サイクルが1回の変動パターンとして変動パターンP1−1〜P1−13が、変動サイクルが2回の変動パターンとして変動パターンP2−1〜P2−10が、それぞれ設定されている。また、変動サイクルが3回の変動パターンとして変動パターンP3−1〜P3−10が、変動サイクルが4回の場合の変動パターンとして変動パターンP4−1,P4−2,P4−5,P4−6が、それぞれ設定されている。
図8に示す変動パターン毎に対応付けされた変動内容は、演出表示装置28で演出表示(画像表示)される飾り図柄を用いた図柄変動ゲームの内容であって、以下に説明する内容を示す。「通常変動」は、はずれ演出用の変動内容であり、本実施形態のパチンコ遊技機10では、各図柄列の飾り図柄を、予め定めた変動停止順序(本実施形態では、左列→右列→中列の順)にしたがって変動を停止させることで全列に飾り図柄を導出し、変動時間(12.5秒)の経過時に確定停止表示させる変動内容となっている。「短縮変動」は、「通常変動」と同様にはずれ演出用の変動内容であり、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「通常変動」の変動パターンに定める変動時間(12.5秒)よりも短い変動時間(7秒)で全列に飾り図柄を導出し、確定停止表示させる変動内容となっている。「超短縮変動」は、「通常変動」及び「短縮変動」と同様にはずれ演出用の変動内容であり、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「短縮変動」の変動パターンに定める変動時間(7秒)よりも短い変動時間(3秒)で全列に飾り図柄を導出し、確定停止表示させる変動内容となっている。本実施形態において、「短縮変動」と「超短縮変動」は、各図柄列の変動をほぼ同時に停止させることにより、各図柄列に飾り図柄を導出する。
「ノーマルリーチ」は、左右2列の図柄列の変動を停止させることにより同一の飾り図柄を導出してリーチ状態を形成し、最終停止図柄列である中列に左右2列と同一の飾り図柄又は異なる飾り図柄を導出し、変動時間の経過時に確定停止表示させる変動内容となっている。「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチにおいて中列の図柄を導出した後、又は中列の変動中にリーチ演出の演出内容を発展させて行われ、リーチ演出の発展後に最終停止図柄列である中列に左右2列と同一の飾り図柄又は異なる飾り図柄を導出し、変動時間の経過時に確定停止表示させる変動内容となっている。
そして、ノーマルリーチ及びスーパーリーチの変動内容を対応付けた変動パターンは、そのリーチ演出の具体的な演出内容によって分類されるようになっている。具体的には、楽曲をテーマとした演出内容を含むリーチ演出(楽曲リーチ演出)を行う楽曲系の変動パターンと、楽曲をテーマとしていない演出内容を含むリーチ演出を行う非楽曲系の変動パターンとに分類される。なお、楽曲をテーマとした演出内容とは、歌を音声出力しながら、その歌(曲)の進行に合わせて最終停止図柄列(本実施形態では中列)の図柄を導出する演出内容である。なお、楽曲をテーマとした演出内容でリーチ演出を行う場合、演出表示装置28には、実写版の歌手、又は歌手をイメージしたキャラクタ画像を表示し、歌わせても良い。
そして、楽曲系の変動パターンに対応付けられた変動内容(楽曲リーチ演出の演出内容)は、楽曲別で種類分けされるようになっている。具体的に言えば、本実施形態では、複数種類の楽曲(本実施形態では5曲)を、第1種の楽曲(2曲が属する)と第2種の楽曲(3曲が属する)に分類し、楽曲系の変動パターンは第1種の楽曲をテーマとした演出内容を含むリーチ演出が行われる変動パターンと第2種の楽曲をテーマとした演出内容を含むリーチ演出が行われる変動パターンとに分類される。なお、第1種の楽曲(2曲)のうち何れの楽曲を用いるか、及び第2種の楽曲(3曲)のうち何れの楽曲を用いるかは、楽曲系の変動パターンが選択された際にサブ統括制御基板46側で決定するようにサブ振分けされており、その決定方法の詳細は後述する。
図9は、「低確(低確率抽選状態)+変短あり」時、及び「高確(高確率抽選状態)+変短あり」時、すなわち高確確定モード及び高確示唆モードの滞在時に、主制御用CPU45aが選択可能な変動パターンを示す。変動パターンは、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数(1回〜4回)に応じて設定されている。具体的に言えば、図9に示す遊技状態時には、変動サイクルが1回の変動パターンとして変動パターンX1−1〜X1−7が、変動サイクルが2回の変動パターンとして変動パターンX2−1,X2−2が、それぞれ設定されている。また、変動サイクルが3回の変動パターンとして変動パターンX3−1,X3−2が、変動サイクルが4回の場合の変動パターンとして変動パターンX4−1が、それぞれ設定されている。
図9に示す変動パターン毎に対応付けされた変動内容は、演出表示装置28で演出表示(画像表示)される飾り図柄を用いた図柄変動ゲームの内容である。なお、図9に示す遊技状態時に選択可能な変動パターンのうち、変動内容としてスーパーリーチが対応付けられた変動パターンX1−6,X1−7,X2−1,X2−2,X3−1,X3−2,X4−1については、全て楽曲系の変動パターンとなっている。そして、図9に示す楽曲系の変動パターンX1−6,X1−7,X2−1,X2−2,X3−1,X3−2,X4−1が選択された場合は、後述するサブ統括制御基板46の制御により、複数種類の楽曲(本実施形態では5曲)の中から1曲が選択されるようになっている。
本実施形態において図8及び図9に示す変動パターンは、変動サイクルの回数が多い変動内容の場合に大当りとなる割合が高くなるように、変動内容を構成する変動サイクルの回数の多少によって大当りとなる期待度を示す大当り期待度(大当り信頼度)の高低が設定されている。より詳しく言えば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動サイクルの回数が多いほど大当り期待度が高く、変動サイクルが1回よりも2回、2回よりも3回、3回よりも4回の変動パターンの方が、大当り期待度が高くなるように設定されている。大当り期待度は、変動パターン毎に定められる大当りの場合の出現率(選択率)とはずれの場合の出現率(選択率)とを合算した合算出現率に対して大当りの場合の出現率(選択率)が占める割合によって算出される。すなわち、大当り期待度は、合算出現率に対して大当りの場合の出現率が高くなるほど、高くなる。例えば、大当りの場合に出現可能(選択可能)であって、はずれの場合に出現不能(選択不能)な変動パターンに基づく変動内容の大当り期待度は、合算出現率に対して大当りの場合の出現率が100%となることから、100%となる。
また、本実施形態において図8及び図9に示す変動パターンは、ノーマルリーチの変動内容を対応付けた変動パターンよりも、スーパーリーチの変動内容を対応付けた変動パターンの方が、大当り期待度が高くなるように設定されている。さらに、本実施形態において図8及び図9に示す変動パターンのうち、楽曲リーチ演出を含む変動内容の変動パターンについては、後述するサブ統括制御基板46による楽曲の選択方法により、楽曲の種類毎に大当り期待度の高低が設定されている。
なお、本実施形態において、1回の変動サイクルからなる変動パターンの変動内容は、示唆演出を伴って実行される場合に特殊変動系の変動内容となり、示唆演出を伴わずに実行される場合に通常変動系の変動内容となる。また、本実施形態において、2回以上の変動サイクルからなる変動パターンの変動内容は、示唆演出を伴って実行されるようになっており、特殊変動系の変動内容となる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28が接続されているとともに、演出用可動体K1,K2を動作させるアクチュエータを駆動する駆動回路(図示しない)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
次に、音声・ランプ制御基板48について説明する。
音声・ランプ制御基板48には、制御動作を所定の手順で実行することができる音声ランプ制御用CPU48aと、音声ランプ制御用CPU48aの制御プログラムを格納する音声ランプ制御用ROM48bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる音声ランプ制御用RAM48cが設けられている。音声ランプ制御用CPU48aには、各枠用ランプ部17〜19及び各スピーカ20,21,24が接続されている。また、本実施形態の音声ランプ制御用CPU48aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。音声ランプ制御用ROM48bには、音声演出用の音声データ(音楽用データ)や発光演出用の発光データが記憶されている。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板45について説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に特別図柄入力処理を実行する。この特別図柄入力処理において主制御用CPU45aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の大当り判定用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特別図柄用の大当り判定用乱数の値も取得しない。
また、主制御用CPU45aは、所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に特別図柄開始処理を実行する。この特別図柄開始処理において主制御用CPU45aは、まず、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中(図柄変動ゲームの実行中)であるか否か、及び大当り遊技中であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、前記判定結果が否定の場合(変動表示中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)、主制御用CPU45aは、主制御用RAM45cに格納されている特別図柄用の保留記憶数を読み出し、その保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の図柄変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合(保留記憶数が「0」である)、主制御用CPU45aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、前記判定結果が肯定の場合(保留記憶数が「0」よりも大きい)、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1減算した後、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU45aは、読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。本実施形態では、大当り抽選を行う主制御用CPU45aが、大当り抽選手段となる。
なお、大当り判定において主制御用CPU45aは、遊技状態が非確変状態である場合には、低確率用の大当り判定値と特別図柄用の大当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と特別図柄用の大当り判定用乱数の値を比較する。本実施形態では、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値が、「0」〜「952」の全953通りの整数に設定されている。そして、低確率用の大当り判定値は、前記大当り判定用乱数の取り得る数値の中から3個の数値を定めているとともに、高確率用の大当り判定値は、前記大当り判定用乱数の取り得る数値の中から29個の数値を定めている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態時の大当り抽選で大当りに当選する確率が、953分の3(317.6分の1)となり、確変状態時の大当り抽選で大当りに当選する確率が、953分の29(32.8分の1)となる。
大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置29で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当りの種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当りの種類を決定したことになる。また、特別図柄には、確変大当りとなる特別図柄と非確変大当りとなる特別図柄を含むことから、特別図柄の決定により、確変大当り及び非確変大当りの何れとするかが決定される。本実施形態では、特別図柄を決定する主制御用CPU45aが図柄決定手段になるとともに、大当り抽選で大当りに当選した場合に、複数種類の大当りの中から何れの大当りを遊技者に付与するかを決定する主制御用CPU45aが、大当り種決定手段となる。
また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した値と現在の遊技状態をもとに大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、「低確+変短なし」時、及び「高確+変短なし」時であれば、図8に示す変動パターンのうち、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。また、主制御用CPU45aは、「低確+変短あり」時、及び「高確+変短あり」時であれば、図9に示す変動パターンのうち、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。本実施形態では、大当り抽選の抽選結果に基づき、変動パターンを選択する主制御用CPU45aが、変動内容選択手段となる。
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(特別図柄用の大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置29で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した値と遊技状態をもとに、はずれリーチの当選時に選択可能なはずれリーチ演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
具体的に言えば、主制御用CPU45aは、「低確+変短なし」時、及び「高確+変短なし」時であれば、図8に示す変動パターンのうち、はずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。また、主制御用CPU45aは、「低確+変短あり」時、及び「高確+変短あり」時であれば、図9に示す変動パターンのうち、はずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。
一方、主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した値、遊技状態、及び特別図柄用の保留記憶数をもとに、はずれ時に選択可能なはずれ演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
具体的に言えば、主制御用CPU45aは、「低確+変短なし」時、及び「高確+変短なし」時であれば、図8に示す変動パターンのうち、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームを開始する時の特別図柄用の保留記憶数(特別図柄開始処理で減算した減算後の保留記憶数)に応じてはずれ演出用の変動パターンP1−1,P1−2,P1−3の選択率が異なっている。具体的に言えば、特別図柄用の保留記憶数が「0,1」のとき変動パターンP1−1を選択し易く、特別図柄用の保留記憶数が「2」のとき変動パターンP1−2を選択し易く、特別図柄用の保留記憶数が「3」のとき変動パターンP1−3を選択し易くなっている。
また、主制御用CPU45aは、「低確+変短あり」時、及び「高確+変短あり」時であれば、図9に示す変動パターンのうち、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームを開始する時の特別図柄用の保留記憶数(特別図柄開始処理で減算した減算後の保留記憶数)に応じてはずれ演出用の変動パターンX1−1,X1−2,X1−3の選択率が異なっている。具体的に言えば、特別図柄用の保留記憶数が「0」のとき変動パターンX1−1を選択し易く、特別図柄用の保留記憶数が「1〜3」のとき変動パターンX1−3を選択し易くなっている。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置29の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
また、主制御用CPU45aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング演出の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(ラウンド演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング演出の開始を指示する。また、主制御用CPU45aは、各大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口38を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉37のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉37が開動作される。また、主制御用CPU45aは、各大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、ラウンド遊技中に大入賞口38へ入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU45aは、各大当り遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口38を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉37のアクチュエータに対して出力され、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉37が閉動作される。
そして、大当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU45aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
また、各大当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの確変付与判定の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。本実施形態では、変短制限なしの15R確変大当り及び変短制限ありの15R確変大当りに当選している場合、前記確変付与判定が肯定判定される。また、本実施形態では、15R非確変大当りに当選している場合、前記確変付与判定が否定判定される。確変付与判定を肯定判定した主制御用CPU45aは、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。一方、確変付与判定を否定判定した主制御用CPU45aは、確変フラグに「0」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。同様に、作動フラグに「1」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。
そして、主制御用CPU45aは、確変フラグに「1」を設定したときは、サブ統括制御基板46に対して確変状態であることを示す確変コマンドを出力し、確変フラグに「0」を設定したときは、サブ統括制御基板46に対して非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。これにより、サブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)は、現在確変状態が付与されているか否かを把握することができる。同様に、主制御用CPU45aは、作動フラグに「1」を設定したときは、サブ統括制御基板46に対して変短状態であることを示す作動コマンドを出力し、作動フラグに「0」を設定したときは、サブ統括制御基板46に対して変短状態が付与されていないことを示す非作動コマンドを出力する。これにより、統括制御用CPU46aは、現在変短状態が付与されているか否かを把握することができる。
また、主制御用CPU45aは、変短制限ありの15R確変大当り又は15R非確変大当りに当選している場合、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。この作動回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、確変フラグ及び作動フラグがクリアされる(「0」が設定される)。なお、各フラグ、及び作動回数は、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、各フラグ、及び作動回数は、大当り遊技が付与された場合にもクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
また、主制御用CPU45aは、普通図柄作動ゲート36へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている普通図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(普通図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、普通図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、普通図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、普通図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU45aは、書き換え後の普通図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、普通図柄用の当り判定用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その値を普通図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(普通図柄用の保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普通図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普通図柄用の当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した普通図柄用の当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM45bに記憶されている普通図柄当り判定値とを比較し、普通図柄当りか否かの普通図柄当り判定を行う。普通図柄当り判定において主制御用CPU45aは、遊技状態が非変短状態である場合には低確率用の普通図柄当り判定値と普通図柄用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普通図柄当り判定値と普通図柄用の当り判定用乱数の値を比較する。
本実施形態では、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値が、「0」〜「250」の全251通りの整数に設定されている。そして、低確率用の普通図柄当り判定値は、前記当り判定用乱数の取り得る数値の中から51個の数値を定めているとともに、高確率用の普通図柄当り判定値は、前記当り判定用乱数の取り得る数値の中から250個の数値を定めている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態における普通図柄当り判定で普通図柄当りに当選する確率が、251分の51となり、変短状態における普通図柄当り判定で普通図柄当りに当選する確率が、251分の250となる。
そして、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、非変短状態の場合には変動時間として「10000(m秒)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1100(m秒)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
また、主制御用CPU45aは、普通図柄当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根35を開放させるための開放信号と開閉羽根35を閉鎖させるための閉鎖信号を出力し、開閉羽根35の開放態様を制御する。開放信号及び閉鎖信号は、開閉羽根35のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根35が開動作されるとともに、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根35が閉動作される。そして、主制御用CPU45aは、普通図柄当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根35の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU45aは、開閉羽根35を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU45aは、開閉羽根35を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
また、主制御用CPU45aは、開閉羽根35の開放中に下始動入賞口34に入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU45aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で閉鎖信号を出力して開閉羽根35を閉動作させ、普通図柄当りに基づく開閉羽根35の開放制御を終了する。普通図柄当りに基づく開閉羽根35の開放制御を終了した主制御用CPU45aは、その終了時点の普通図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU45aは、開閉羽根35の開放制御の終了時点の普通図柄用の保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート36に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
本実施形態では、大当り遊技を付与する主制御用CPU45aが大当り遊技付与手段となり、大入賞口38の開閉制御を行う主制御用CPU45aが可変制御手段となる。また、本実施形態では、決定した大当りの種類にしたがって大当り遊技の終了後における大当り抽選の抽選確率状態を高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れとするかを決定する主制御用CPU45aが、抽選確率状態決定手段となる。また、決定した抽選確率状態を設定する主制御用CPU45aが、抽選確率状態設定手段となる。また、本実施形態では、決定した大当りの種類にしたがって大当り遊技の終了後における開閉羽根35の動作状態を、変短状態及び非変短状態の何れとするかを決定する主制御用CPU45aが、動作状態決定手段となる。そして、抽選確率状態決定手段の決定結果、及び動作状態決定手段の決定結果にしたがって、大当り遊技終了後における大当り抽選の抽選確率状態、及び開閉羽根35の動作状態を制御する主制御用CPU45aが、状態制御手段となる。
次に、サブ統括制御基板46が実行する制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置28に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
以下、統括制御用CPU46aが実行する飾り図柄の決定に係る制御内容を説明する。
統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、停止図柄(特別図柄)が変短制限なしの15R確変大当りに対応する大当り図柄(特別図柄ZA)である場合、当該15R確変大当りに当選していることを図柄変動ゲーム中(再抽選演出を含む)に報知するか、又は大当り中昇格演出で報知するかによって飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。
具体的に言えば、再抽選演出を行う場合、統括制御用CPU46aは、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄として全ての飾り図柄([1]〜[9])の中から1つの飾り図柄を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄として奇数図柄を決定した場合は、確定大当り図柄を構成する飾り図柄として、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄と同一図柄(奇数図柄)を決定する。このように仮の大当り図柄及び確定大当り図柄を何れも奇数図柄に決定した場合は、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルで導出されるリーチ図柄が、仮の大当り図柄として決定した奇数図柄になるとともに、確定大当り図柄も奇数図柄となり、図柄変動ゲーム中に変短制限なしの15R確変大当りに当選していることが報知されることになる。
また、統括制御用CPU46aは、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄として偶数図柄を決定し、再抽選演出において15R確変大当りに当選していることを報知する場合、確定大当り図柄を構成する飾り図柄として奇数図柄を決定する。このように仮の大当り図柄を偶数図柄に決定し、かつ確定大当り図柄を奇数図柄に決定した場合は、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルにて仮の大当り図柄が導出された後、再抽選演出を経て奇数図柄(確定大当り図柄)が導出され、図柄変動ゲーム中に変短制限なしの15R確変大当りに当選していることが報知されることになる。
また、統括制御用CPU46aは、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄として偶数図柄を決定し、昇格演出において15R確変大当りに当選していることを報知する場合、確定大当り図柄を構成する飾り図柄として、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄と同一図柄(偶数図柄)を決定する。このように仮の大当り図柄及び確定大当り図柄を偶数図柄に決定した場合は、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルにて仮の大当り図柄が導出された後、再抽選演出を経て偶数図柄(確定大当り図柄)が導出され、大当り遊技中の昇格演出にて変短制限なしの15R確変大当りに当選していることが報知される。
一方、統括制御用CPU46aは、変短制限ありの15R確変大当り、及び15R非確変大当りの何れかに当選している場合、仮の大当り図柄及び確定大当り図柄の両方を何れも偶数図柄に決定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄として全ての偶数図柄([2]、[4]及び[6])の中から1つの飾り図柄を決定し、確定大当り図柄を構成する飾り図柄として、仮の大当り図柄を構成する飾り図柄と同一図柄(偶数図柄)を決定する。このように仮の大当り図柄及び確定大当り図柄を偶数図柄に決定した場合は、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルにて仮の大当り図柄が導出された後、再抽選演出を経て偶数図柄(確定大当り図柄)が導出される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、前述した再抽選演出及び大当り中昇格演出において、変短制限なしの15R確変大当りに当選していることを報知しない場合もある。この場合、統括制御用CPU46aは、仮の大当り図柄及び確定大当り図柄の何れも偶数図柄に決定する。
また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU46aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
本実施形態において統括制御用CPU46aは、前述のように、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルで導出する飾り図柄(大当りの場合は仮の大当り図柄と確定大当り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、図柄変動ゲームが複数回の変動サイクルから構成される場合、最終回の変動サイクルよりも前の回の変動サイクルで導出する飾り図柄の組み合わせは、後述する演出表示制御基板47で決定する。
次に、サブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)が実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが出力する特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御用RAM46cに設定される。統括制御用CPU46aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示するモード指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
統括制御用CPU46aは、「通常モード」、「高確確定モード」及び「高確示唆モード」の何れかに滞在中、特別図柄ZA(変短制限なしの15R確変大当り)を指示する停止図柄指定コマンドを入力すると、大当り遊技終了後の演出モードを「高確確定モード」及び「高確示唆モード」の何れかに設定し、移行させる。すなわち、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲーム中及び大当り遊技中の何れかで変短制限なしの15R確変大当りに当選したことが報知されている場合、大当り遊技終了後の演出モードを「高確確定モード」とし、前記報知がなされていない場合、大当り遊技終了後の演出モードを「高確示唆モード」とする。
統括制御用CPU46aは、「通常モード」、「高確確定モード」及び「高確示唆モード」の何れかの滞在中、特別図柄ZB(変短制限ありの15R確変大当り)及び特別図柄ZC(15R非確変大当り)の何れかを指示する停止図柄指定コマンドを入力すると、大当り遊技終了後の演出モードを「高確示唆モード」に設定し、移行させる。そして、統括制御用CPU46aは、「高確示唆モード」の滞在中に非作動コマンドを入力すると、演出モードを「通常モード」に設定し、移行させる。
次に、楽曲系の変動パターンが指示された際に統括制御用CPU46aが実行する楽曲の選択に係る制御内容を、図10及び図11にしたがって説明する。統括制御用CPU46aは、楽曲系の変動パターンが指示され、楽曲を選択した場合、その楽曲を指示する楽曲指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。本実施形態では、以下に説明において、リーチ演出の演出内容を決定する統括制御用CPU46aが、変動内容決定手段及びリーチ演出内容決定手段となる。
統括制御用CPU46aは、楽曲系の変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、その入力時の遊技状態に応じてリーチ演出の演出内容となる楽曲を選択するための楽曲振分けテーブルを決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、「低確+変短なし」時、及び「高確+変短なし」時に楽曲系の変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力した場合、図10に示す楽曲振分けテーブルを決定し、そのテーブルをもとに変動パターンに対して振分けられた楽曲の中から1つの楽曲を選択し、決定する。例えば、統括制御用CPU46aは、変動パターンP1−10を指示する変動パターン指定コマンドを入力した場合、その変動パターンP1−10に対して振分けられている「楽曲A」及び「楽曲B」の中から、乱数抽選によって何れか一方の楽曲を選択し、決定する。
また、統括制御用CPU46aは、「低確+変短あり」時、及び「高確+変短あり」時に楽曲系の変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力した場合、最初に、第1種の楽曲(本実施形態では楽曲Aと楽曲B)、及び第2種の楽曲(本実施形態では楽曲C、楽曲D及び楽曲E)の何れの種類に属する楽曲を用いてリーチ演出を行うか、乱数抽選で決定し、選択する。本実施形態では、乱数抽選において、第1種の楽曲に当選する確率及び第2種の楽曲に当選する確率は、大当り抽選で大当りに当選している場合には第2種の楽曲が選択され易く、大当り抽選で大当りに当選していない場合には第1種の楽曲が選択され易くなるように設定されている。そして、統括制御用CPU46aは、第1種の楽曲を選択すると、図11(a)に示す楽曲振分けテーブルを決定し、そのテーブルをもとに変動パターンに対して振り分けられた楽曲の中から1つの楽曲を選択し、決定する。一方、統括制御用CPU46aは、第2種の楽曲を選択すると、図11(b)に示す楽曲振分けテーブルを決定し、そのテーブルをもとに変動パターンに対して振り分けられた楽曲の中から1つの楽曲を選択し、決定する。
本実施形態において、図10に示す楽曲振分けテーブルは、「1回」、「2回」及び「3回」の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを行う変動パターンが指示された時、楽曲の選択対象が全ての楽曲A〜Eとなり得るように構成されている。また、本実施形態において、図10に示す楽曲振分けテーブルは、「4回」の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを行う変動パターンが指示された時、楽曲の選択対象が第2種の楽曲C〜Eとなり得るように構成されている。そして、図10に示す楽曲振分けテーブルにおいて、第1種の楽曲A,Bについては、指示された変動パターンが大当り演出用及びはずれリーチ演出用の何れの変動パターンであっても、ほぼ均等な割合で選択されるように乱数値が振分けられている。その一方で、図10に示す楽曲振分けテーブルにおいて、第2種の楽曲C,D,Eについては、指示された変動パターンが大当り演出用及びはずれリーチ演出用の何れの変動パターンであるかによって選択割合が異なるように乱数値が振分けられている。具体的に言えば、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示された場合、楽曲E<楽曲D<楽曲Cの順に選択割合が高くなるように乱数値が振分けられている一方で、大当り演出用の変動パターンが指示された場合、楽曲C〜Eが、ほぼ均等な割合で選択されるように乱数値が振分けられている。
また、本実施形態において、図11(a)に示す楽曲振分けテーブルは、「1回」〜「4回」の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを行う変動パターンが指示された時、楽曲の選択対象が楽曲A,Bとなり得るように構成されている。また、本実施形態において、図11(b)に示すテーブルは、「1回」〜「4回」の変動サイクルからなる図柄変動ゲームを行う変動パターンが指示された時、楽曲の選択対象が楽曲C〜Eとなり得るように構成されている。そして、図11(a)に示す楽曲振分けテーブルにおいて、楽曲A,Bについては、指示された変動パターンが大当り演出用及びはずれリーチ演出用の何れの変動パターンであっても、ほぼ均等な割合で選択されるように乱数値が振分けられている。その一方で、図11(b)に示す楽曲振分けテーブルにおいて、楽曲C〜Eについては、指示された変動パターンが大当り演出用及びはずれリーチ演出の何れの変動パターンであるかによって選択割合が異なるように乱数値が振分けられている。具体的に言えば、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示された場合、楽曲C,Dの選択割合は、楽曲Eの選択割合よりも高くなるように乱数値が振分けられている一方で、大当り演出用の変動パターンが指示された場合、楽曲C〜Eが、ほぼ均等な割合で選択されるように乱数値が振分けられている。なお、図9及び図11(a),(b)に示すように、「低確+変短あり」時及び「高確+変短あり」時は、大当り抽選で大当りに当選している場合のみに、演出表示装置28において「4回」の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが行われる可能性がある。
前述のように、図10及び図11(a),(b)に示す楽曲振分けテーブルを構築した場合、楽曲系の変動パターンに基づくリーチ演出の演出内容は、統括制御用CPU46aが、大当り抽選の抽選結果をもとに楽曲の種類を選択することで、大当り期待度の高低が設定されることになる。具体的に言えば、本実施形態においては、リーチ演出の演出内容が第1種の楽曲(楽曲A,B)の場合における大当り期待度はほぼ同程度に設定され、リーチ演出の演出内容が第2種の楽曲(楽曲C〜E)の場合における大当り期待度は、第1種の楽曲の場合における大当り期待度よりも高くなるように設定されている。さらに、本実施形態では、第2種の楽曲(楽曲C〜E)について、楽曲C<楽曲D<楽曲Eの順に大当り期待度が高くなるように設定されている。これにより、本実施形態では、楽曲A,B<楽曲C<楽曲D<楽曲Eの順に大当り期待度が高くなるようになっている。
次に、統括制御用CPU46aが実行する大当り遊技に係る制御内容を説明する。
統括制御用CPU46aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48にそれぞれ出力する。大当り遊技中において統括制御用CPU46aは、大当り中昇格演出の実行を決定している場合、大当り中昇格演出の実行時期(所定のラウンド遊技の開始時)になると、大当り中昇格演出の実行を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。なお、本実施形態の大当り中昇格演出は、大当り遊技中において、予め定めた固定時期(特定のラウンド遊技中)に実行されるようになっている。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドや、楽曲指定コマンドを入力すると、これらのコマンドの指示内容にしたがって演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM47bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームにおいて飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を導出し、図柄停止コマンドの入力によって飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。本実施形態では、表示制御用CPU47aが、表示制御手段となる。
また、表示制御用CPU47aは、大当り遊技中において、オープニング演出用の演出指示コマンド、ラウンド演出用の演出指示コマンド、エンディング演出用の演出指示コマンドにしたがってオープニング演出、ラウンド演出及びエンディング演出を行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。すなわち、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームと同様に、表示制御用ROM47bの画像データを用いて演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成し、画像表示部GHの表示内容を制御する。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技中の所定のラウンド遊技において大当り中昇格演出を行わせるように構成されている。このため、表示制御用CPU47aは、ラウンド演出用の演出指示コマンドで指示される演出内容が大当り中昇格演出の場合、その大当り中昇格演出を行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、大当り中昇格演出を行わせる場合、表示制御用CPU47aは、画像表示部GHの制御とともに演出用可動体K1を動作させる制御を実行する。すなわち、表示制御用CPU47aは、演出用可動体K1を駆動させる駆動回路に対して動作信号を出力し、演出用可動体K1を動作させる。
また、表示制御用CPU47aは、モード指定コマンドを入力すると、その指示内容に基づき、遊技状態示唆演出を実行させる。本実施形態では、統括制御用CPU46aからの指示を受けて、遊技状態示唆演出を演出表示装置28で実行させる表示制御用CPU47aが、状態示唆演出実行制御手段となる。
次に、音声・ランプ制御基板48について説明する。
音声・ランプ制御基板48の音声ランプ制御用CPU48aは、変動パターン指定コマンドや楽曲指定コマンドを入力すると、これらのコマンドの指示内容にしたがって音声データ(演出音)及び発光データを選択する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、選択した音声データ及び発光データで音声演出及び発光演出を行わせるように各スピーカ20,21,24及び各枠用ランプ部17〜19を制御する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って音声演出及び発光演出を終了させる。
音声ランプ制御用CPU48aは、楽曲系の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力している場合、楽曲指定コマンドで指示された楽曲に対応するリーチ演出用の演出音を選択する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と音声データ及び発光データをもとに、音声演出及び発光演出の各演出内容を所定の制御周期毎に切り替える。具体的に言えば、音声ランプ制御用CPU48aは、楽曲系の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力している場合、図柄変動ゲームの開始後、楽曲を出力するリーチ演出が開始するタイミングで演出音を楽曲に対応するリーチ演出用の演出音に切り替える。
また、音声ランプ制御用CPU48aは、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動が開始し、リーチ状態が形成される迄の図柄の変動、又はリーチ状態が形成されることなくはずれの組み合わせが導出される迄の図柄の変動に併せて演出音を出力する制御を実行する。この制御により、出力される演出音が背景音楽(BGM)であって、遊技中に遊技者はこの背景音楽を最も耳にすることになる。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームにおいて、リーチ状態が形成される場合、図柄の変動が開始してからリーチ状態が形成される迄の間、背景音楽を出力させ、リーチ状態が形成されてリーチ演出が開始されると、背景音楽をリーチ演出用の演出音に切り替える。また、音声ランプ制御用CPU48aは、図柄変動ゲームが終了すると、再び背景音楽に切り替える。なお、パチンコ遊技機10から出力される演出音には、前述したリーチ演出用の演出音や背景音楽の他に、図柄の変動が停止する際に出力される変動停止音、再抽選演出が行われる場合には再抽選演出時に出力される再抽選演出用の演出音、大当り遊技中の演出音(オープニング時、ラウンド遊技時、エンディング時)などが存在する。このように各種の演出音を出力させることにより、パチンコ遊技機10では、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームによって視覚で捉えられる情報で遊技者の気分を高揚させるとともに、図柄変動ゲームの進行に併せて各種の演出音を出力させることによって聴覚で捉えられる情報で遊技者の気分を高揚させている。本実施形態では、音声ランプ制御用CPU48aが、音出力制御手段となる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10で行われる通常変動系の変動内容に基づく図柄変動ゲーム、及び特殊変動系の変動内容に基づく図柄変動ゲームに係るサブ統括制御基板46、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48の各制御内容を、演出モード毎に詳しく説明する。
最初に、通常モード時、及び高確示唆モード時の制御内容を説明する。なお、通常モード時、及び高確示唆モード時の制御内容は、同一制御内容である。
通常モード時、及び高確示唆モード時において、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示された変動パターンの種類(変動サイクルの回数を含む)、及び遊技状態をもとに、示唆演出の演出内容(実行の可否を含む)を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、変動サイクル「1回」の変動パターンが指示されると、当該変動パターンに基づく図柄変動ゲームを構成する変動サイクル中に複数回変動を示唆する示唆演出を行わせるか否かを決定する。
本実施形態において統括制御用CPU46aは、「通常変動」、「短縮変動」及び「超短縮変動」を指示する変動パターンの場合、示唆演出を行わないことを決定する。これにより、これらの変動内容が対応付けられた変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは、示唆演出が行われない。一方、統括制御用CPU46aは、「ノーマルリーチ」及び「スーパーリーチ」を指示する変動パターンの場合、示唆演出の実行可否を乱数抽選によって決定する。そして、統括制御用CPU46aは、示唆演出を行うことを決定した場合、示唆演出の演出内容を「演出用可動体K2を動作させる可動体予告」に決定し、その示唆演出を指示する示唆演出指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
また、統括制御用CPU46aは、変動サイクル「2回」、「3回」及び「4回」の何れかの変動パターンが指示されると、当該変動パターンに基づく図柄変動ゲームを構成する各変動サイクル中に複数回変動を指示する示唆演出を行わせることを決定する。そして、統括制御用CPU46aは、示唆演出を行うことを決定した場合、示唆演出の演出内容を「演出用可動体K2を動作させる可動体予告」に決定し、その示唆演出を指示する示唆演出指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
「演出用可動体K2を動作させる可動体予告」を指示する示唆演出指定コマンドを入力した演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、各変動サイクルの開始とともに示唆演出を行わせるように、画像表示部GHの表示内容の制御と、演出用可動体K2を動作させる制御を実行する。すなわち、表示制御用CPU47aは、演出用可動体K2を駆動させる駆動回路に対して動作信号を出力し、演出用可動体K2を動作させる。また、変動サイクル「2回」〜「4回」の変動パターンが指示されている場合、表示制御用CPU47aは、最終回の変動サイクルよりも前の回で行われる変動サイクルにおいて当該変動サイクルの終了を契機に画像表示部GHに一旦停止表示させる仮図柄を決定する。本実施形態では、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
また、「演出用可動体K2を動作させる可動体予告」を指示する示唆演出指定コマンドを入力した音声・ランプ制御基板48の音声ランプ制御用CPU48aは、各変動サイクルの開始とともに画像表示部GHで行われる示唆演出に同調させて、演出音を出力させる制御、及び演出光を発光させる制御を実行する。
次に、高確確定モード時の制御内容を説明する。
本実施形態では、以下に説明する処理を実行する統括制御用CPU46aが、示唆演出決定手段となる。
高確確定モード時において、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示された変動パターンの種類(変動サイクルの回数を含む)、遊技状態、大当り抽選の抽選結果、及び大当りに当選している場合には大当りの種類をもとに、示唆演出の演出内容(実行の可否を含む)を決定する。
図12(a),(b)及び図13は、統括制御用CPU46aが、図柄変動ゲーム中に行う予告演出の種類を決定する際に参照する予告モード振分けテーブルY1〜Y3を示す。なお、本実施形態において、高確確定モード時の図柄変動ゲームを構成する変動サイクルでは、示唆演出として、変動サイクル毎に楽曲系のリーチ演出の演出内容として設定した楽曲を特定可能な識別情報を演出表示装置28(画像表示部GH)に画像表示する態様で行われる。具体的に言えば、図16に示すように、変動サイクルの開始時に、楽曲Aを特定可能な識別情報としての「楽曲Aモード」、楽曲Bを特定可能な識別情報としての「楽曲Bモード」、楽曲Cを特定可能な識別情報としての「楽曲Cモード」、楽曲Dを特定可能な識別情報としての「楽曲Dモード」、及び楽曲Eを特定可能な識別情報としての「楽曲Eモード」からなる文字情報を画像表示する。そして、統括制御用CPU46aは、これらの示唆演出の演出内容(実行の可否を含む)を、図柄変動ゲーム中に行う予告演出の一種として決定する。
図12(a),(b)及び図13は、統括制御用CPU46aが、示唆演出の演出内容を含む図柄変動ゲーム中における予告演出の態様を決定する際に参照する予告モード振分けテーブルY1〜Y3を示す。詳しく言えば、図12(a)は、変短制限なしの15R確変大当りに当選し、かつ図柄変動ゲーム中に確変大当りを報知する場合に参照される予告モード振分けテーブルY1である。また、図12(b)は、変短制限なしの15R確変大当りに当選し、かつ大当り遊技中に確変大当りを報知する場合に参照される予告モード振分けテーブルY2である。また、図13は、変短制限なしの15R確変大当りに当選し、かつ図柄変動ゲーム中及び大当り遊技中に確変大当りを報知しない場合、変短制限ありの15R確変大当りに当選している場合、15R非確変大当りに当選している場合、及び大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に参照される予告モード振分けテーブルY3である。これらの予告モード振分けテーブルY1〜Y3は、統括制御用ROM46bに格納されている。
図12(a)に示す予告モード振分けテーブルY1は、大当り演出用の変動パターンX1−5,X1−7,X2−2,X3−2,X4−1が指示されている場合に、予告演出の態様を決定するために設けた予告モードMEを選択可能に乱数値が振分けられている。また、図12(b)に示す予告モード振分けテーブルY2は、大当り演出用の変動パターンX1−5,X1−7,X2−2,X3−2,X4−1が指示されている場合に、予告モードMFを選択可能に乱数値が振分けられている。また、図13に示す予告モード振分けテーブルY3は、はずれ演出用の変動パターンX1−1、及びはずれリーチ演出用の変動パターンX1−4が指示されている場合に、予告モードMAを選択可能に乱数値が振分けられている。また、予告モード振分けテーブルY3は、はずれ演出用の変動パターンX1−2,X1−3が指示されている場合に、予告モードMBを選択可能に乱数値が振分けられている。また、予告モード振分けテーブルY3は、はずれリーチ演出用の変動パターンX1−6,X2−1,X3−1が指示されている場合に、予告モードMCを選択可能に乱数値が振分けられている。また、予告モード振分けテーブルY3は、大当り演出用の変動パターンX1−5,X1−7,X2−2,X3−2,X4−1が指示されている場合に、予告モードMDを選択可能に乱数値が振分けられている。
なお、図12(a),(b)及び図13を用いて説明した予告モードの選択による予告演出の決定手法は、1回の図柄変動ゲーム中に複数種類の予告演出を実行させる場合において、実行させる予告演出の選択割合などを予告モード単位で一括管理することを目的としている。本実施形態では、説明を簡略化するために、予告モードを用いて示唆演出の演出内容を決定する内容についてのみ説明する。
予告モード振分けテーブルY1〜Y3を用いて予告モードを選択した統括制御用CPU46aは、続いて、図14に示す予告選択テーブルW1にしたがって示唆演出の演出内容を決定する。図14に示す予告選択テーブルW1は、統括制御用ROM46bに格納されている。
予告選択テーブルW1は、予告モードMA,MBを選択した場合に、「なし(示唆演出の実行否)」を選択可能に乱数値が振分けられている。また、予告選択テーブルW1は、予告モードMC,MD,ME,MFを選択した場合に、高確確定モード中の示唆演出として設定した「モードチェンジ予告(示唆演出の実行可)」を選択可能に乱数値が振り分けられている。本実施形態の予告選択テーブルW1の振分けによれば、はずれ演出用の変動パターンが選択された場合、及びはずれリーチ演出用の変動パターンのうち変動内容としてノーマルリーチが設定されている変動パターンが選択された場合は、図柄変動ゲームの変動サイクルにおいて示唆演出を行わないようになっている。なお、示唆演出を行わない変動パターンは、何れも図柄変動ゲームが1回の変動サイクルから構成されている。
次に、予告選択テーブルW1を用いて示唆演出の実行可、すなわち「モードチェンジ予告」を選択した統括制御用CPU46aは、図15に示す予告内容選択テーブルW2にしたがって、変動パターンの種類(変動サイクルの回数を含む)をもとに、各変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の具体的な演出内容(楽曲を特定可能な識別情報)を決定する。図15に示す予告内容選択テーブルW2は、統括制御用ROM46bに格納されている。
以下、図15に示す予告内容選択テーブルW2の具体的な構成を詳しく説明する。なお、予告内容選択テーブルW2において、「1回(終了)」、「2回(終了)」、「3回(終了)」、「4回(終了)」は、その回数目の変動サイクルが最終回の変動サイクルである場合の振分けを示す。また、予告内容選択テーブルW2において、「1回(継続)」、「2回(継続)」、「3回(継続)」は、その回数目の変動サイクルが最終回の変動サイクルではない場合の振分けを示す。このため、例えば、「2回」の変動サイクルから構成される場合、1回目の変動サイクルは最終回の変動サイクルではないことから「1回(継続)」の振分けにしたがって、1回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容が決定される。また、2回目の変動サイクルは最終回の変動サイクルであることから「2回(終了)」の振分けにしたがって、2回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容が決定される。予告内容選択テーブルW2にしたがって各変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容を決定した統括制御用CPU46aは、その演出内容を指示する予告演出内容指定コマンドを変動サイクル単位で、表示制御用CPU47a及び音声ランプ制御用CPU48aに出力する。
最初に、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合(はずれの場合)におけるモードチェンジ予告の演出内容の決定に関して説明する。予告内容選択テーブルW2に設定するはずれの場合とは、変動パターンX1−6(変動サイクル「1回」)、X2−1(変動サイクル「2回」)、X3−1(変動サイクル「3回」)が指示され、予告モード振分けテーブルY3(図13)から予告モードMCを選択した場合である。
本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、はずれの場合において「1回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲A〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲C<楽曲B<楽曲Aの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、はずれの場合において「2回」以上の変動サイクルが行われるとき、1回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Aに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、はずれの場合において「2回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲B〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲C<楽曲Bの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、はずれの場合において「3回」以上の変動サイクルが行われるとき、2回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Bに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、はずれの場合において「3回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲C〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲Cの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。
次に、大当り抽選で大当りに当選し、かつ非確変大当りの場合におけるモードチェンジ予告の演出内容の決定に関して説明する。予告内容選択テーブルW2に設定する非確変大当りの場合とは、変動パターンX1−5,X1−7(変動サイクル「1回」)、X2−2(変動サイクル「2回」)、X3−2(変動サイクル「3回」)、X4−1(変動サイクル「4回」)が指示され、予告モード振分テーブルY3(図13)から予告モードMDを選択した場合である。なお、非確変大当りの場合には、内部制御的に確変大当りに当選していても、確変大当りであることを図柄変動ゲーム中及び大当り遊技中の何れでも確定的に報知しなかった場合を含む。
本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「1回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲A〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲C<楽曲B<楽曲Aの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「2回」以上の変動サイクルが行われるとき、1回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Aに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「2回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲B〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲C<楽曲Bの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「3回」以上の変動サイクルが行われるとき、2回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Bに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「3回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲C〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲Cの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「4回」の変動サイクルが行われるとき、3回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Bに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、非確変大当りの場合において「4回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲C〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲Cの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。
次に、大当り抽選で大当りに当選し、かつ確変大当りの場合におけるモードチェンジ予告の演出内容の決定に関して説明する。予告内容選択テーブルW2に設定する確変大当りの場合とは、変動パターンX1−5,X1−7(変動サイクル「1回」)、X2−2(変動サイクル「2回」)、X3−2(変動サイクル「3回」)、X4−1(変動サイクル「4回」)が指示され、予告モード振分テーブルY1(図12(a))及び予告モード振分テーブルY2(図12(b))から予告モードME,MFを選択した場合である。なお、確変大当りの場合には、内部制御的に確変大当りに当選し、確変大当りであることを図柄変動ゲーム中及び大当り遊技中の何れかで確定的に報知した場合を含む。
本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「1回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲A〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲C<楽曲B<楽曲Aの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「2回」以上の変動サイクルが行われるとき、1回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Aに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「2回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲B〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲C<楽曲Bの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「3回」以上の変動サイクルが行われるとき、2回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Bに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
また、予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「3回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲C〜Eに対応する識別情報を選択可能であって、楽曲E<楽曲D<楽曲Cの順に選択率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「4回」の変動サイクルが行われるとき、3回目の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として楽曲Cに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。また、予告内容選択テーブルW2では、確変大当りの場合において「4回」の変動サイクルで終了するときには、モードチェンジ予告の演出内容として楽曲Eに対応する識別情報のみを選択し得るように乱数値が振分けられている。
本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、変動サイクルが複数回(2回以上)の場合、後の回の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容が、前の回の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容よりも大当り期待度の低いリーチ演出の種類を特定可能な識別情報とならないようになっている。なお、「大当り期待度の低いリーチ演出の種類を特定可能な識別情報とならない」とは、大当り期待度が高い場合は勿論のこと、大当り期待度が同程度の場合を含むものである。これにより、変動サイクルの回数が増加するほど、大当り期待度の高いリーチ演出の演出内容を特定可能な楽曲の識別情報を用いたモードチェンジ予告が行われる可能性が高くなる。一方、本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、変動サイクルが「1回」の場合、複数種類(本実施形態では5種類(全種類))の楽曲を特定可能な識別情報から、予め定めた割合にしたがってモードチェンジ予告の演出内容を決定し得るようになっている。
また、本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、変動サイクルの回数が増加するほど、大当り期待度の高いリーチ演出の演出内容を特定可能な楽曲の識別情報が選択される可能性が高くなっている。すなわち、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数が増加するほど大当り期待度が高くなることに準じて、モードチェンジ予告の演出内容も、大当り期待度の高いリーチ演出の演出内容を特定可能な楽曲の識別情報に移行するようになっている。
また、本実施形態の予告内容選択テーブルW2では、リーチ演出の演出内容として行われた時に最も大当り期待度が高くなる楽曲Eを特定可能な識別情報が、最終回の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容としてのみ選択可能とされている。すなわち、モードチェンジ予告が楽曲Eを特定可能な識別情報で行われると、その変動サイクルが最終回の変動サイクルであることを遊技者が認識し得るようになっている。そして、本実施形態の予告内容選択テーブルW2において、楽曲Eを特定可能な識別情報は、非確変大当りの場合や大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に比して、大当り抽選で大当りに当選し、かつ確変大当りの場合の方が、最終回の変動サイクルにおけるモードチェンジ予告の演出内容として選択(決定)し易いようになっている。このため、変動サイクルの回数が少なく、その図柄変動ゲームの大当り期待度が低くなる場合であっても、最終回の変動サイクルのモードチェンジ予告が楽曲Eを特定可能な識別情報で行われていれば、当該図柄変動ゲームを大当りと想定した時の確変大当りの割合が高くなる。
以上説明した各テーブル(図12〜図15に示すテーブル)を用いて統括制御用CPU46aは、高確確定モード中において次に説明するように各変動サイクルで行う示唆演出(モードチェンジ予告)の演出内容を決定する。
統括制御用CPU46aは、最初に、図12(a),(b)及び図13に示す予告モード振分けテーブルY1〜Y3を用いて予告モードMA〜MFの何れか一つの予告モードを決定する。次に、統括制御用CPU46aは、図14に示す予告選択テーブルW1を用いて、先に決定した予告モードにしたがって、示唆演出(モードチェンジ予告)の実行可否を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、示唆演出(モードチェンジ予告)の実行可を決定した場合、図15に示す予告内容選択テーブルW2を用いて、各変動サイクルにおける示唆演出(モードチェンジ予告)の演出内容を決定する。
なお、本実施形態において統括制御用CPU46aは、各変動サイクルにおける示唆演出(モードチェンジ予告)の演出内容を、最終回の変動サイクルで行われるリーチ演出の演出内容を参照することなく、予告内容選択テーブルW2の振分けにしたがって決定する。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、最終回の変動サイクルにおける示唆演出(モードチェンジ予告)の演出内容と、最終回の変動サイクルで行われるリーチ演出の演出内容はリンクしない。
次に、表示制御用CPU47a及び音声ランプ制御用CPU48aの制御内容を説明する。
表示制御用CPU47aは、示唆演出(モードチェンジ予告)の演出内容を指示する予告演出内容指定コマンドを入力すると、そのコマンドの指示内容にしたがって画像を表示するための表示用データを生成し、変動サイクルの開始に伴って画像表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、音声ランプ制御用CPU48aは、示唆演出(モードチェンジ予告)の演出内容を指示する予告演出内容指定コマンドを入力すると、そのコマンドの指示内容にしたがって音声データを選択し、変動サイクルの開始に伴って音声出力させるように各スピーカ20,21,24を制御する。なお、音声ランプ制御用CPU48aは、モードチェンジ予告を実行させる場合、予告演出内容指定コマンドで指示された楽曲の前奏部(イントロ部)を音声出力させる。
図16は、高確確定モード中に演出表示装置28(画像表示部GH)で行われる図柄変動ゲームの態様の一例を模式的に示している。なお、図16に示す図柄変動ゲームは、4回の変動サイクルから構成されている。
画像表示部GHでは、図柄変動ゲームの開始によって1回目の変動サイクルが開始し、その開始に伴って「楽曲Aモード」からなる識別情報が画像表示されるとともに、スピーカ20,21,24からは「楽曲A」の前奏部が音声出力される(図16(a))。そして、画像表示部GHには、1回目の変動サイクルの開始後、所定時間の経過時に、図柄の変動が停止し、飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(この例では[123])が一旦停止表示される(図16(b))。なお、この時点において画像表示部GHでは、図柄の変動停止によって図柄が一旦停止表示されるが、特別図柄表示装置29では、図柄の変動が継続されている。
次に、画像表示部GHでは、2回目の変動サイクルが開始し、その開始に伴って「楽曲Bモード」からなる識別情報が画像表示されるとともに、スピーカ20,21,24からは「楽曲B」の前奏部が音声出力される(図16(c))。そして、画像表示部GHには、2回目の変動サイクルの開始後、所定時間の経過時に、図柄の変動が停止し、飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(この例では[645])が一旦停止表示される(図16(d))。なお、この時点において特別図柄表示装置29では、前述同様に、図柄の変動が継続されている。
次に、画像表示部GHでは、3回目の変動サイクルが開始し、その開始に伴って「楽曲Cモード」からなる識別情報が画像表示されるとともに、スピーカ20,21,24からは「楽曲C」の前奏部が音声出力される(図16(e))。そして、画像表示部GHには、3回目の変動サイクルの開始後、所定時間の経過時に、図柄の変動が停止し、飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(この例では[445])が一旦停止表示される(図16(f))。なお、この時点において特別図柄表示装置29では、前述同様に、図柄の変動が継続されている。
次に、画像表示部GHでは、4回目の変動サイクルが開始し、その開始に伴って「楽曲Eモード」からなる識別情報が画像表示されるとともに、スピーカ20,21,24からは「楽曲E」の前奏部が音声出力される(図16(g))。そして、画像表示部GHには、4回目の変動サイクルの開始後、所定時間の経過時に、左右2列の変動停止によって同一の飾り図柄(この例では[7↓7])が導出されることで、リーチ状態が形成され、続いてリーチ演出が行われる(図16(h))。なお、この時点において特別図柄表示装置29では、前述同様に、図柄の変動が継続されており、リーチ演出中も図柄の変動が継続する。
そして、画像表示部GHには、リーチ演出の結果として、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ、及びはずれの図柄組み合わせの何れかが一旦停止表示される。すなわち、大当り抽選で大当りに当選している場合にはリーチ演出の結果として大当りの図柄組み合わせが導出され、大当り抽選で大当りに当選していない場合にはリーチ演出の結果としてはずれの図柄組み合わせが導出される。その後、画像表示部GHには、変動パターンに定めた変動時間の経過時に、最終的な大当りの図柄組み合わせ及びはずれの図柄組み合わせが確定停止表示され、大当り及びはずれが確定する。なお、特別図柄表示装置29では、変動パターンに定めた変動時間が経過する迄、図柄の変動が継続されており、前記変動時間の経過時に図柄の変動が停止し、大当り抽選の抽選結果に対応する特別図柄(大当り図柄及びはずれ図柄)が確定停止表示される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において、音声ランプ制御用CPU48aは、高確確定モードの滞在時、以下に説明する制御も実行する。
音声ランプ制御用RAM48cには、高確確定モード中において、現在出力されている背景音楽の種類を示す情報から構成される背景音楽フラグが設定されるようになっている。また、音声ランプ制御用CPU48aは、背景音楽フラグの設定値をもとに図柄変動ゲーム中に出力される背景音楽を選択し、その選択した背景音楽の音声データにしたがって背景音楽を出力させる。
そして、本実施形態において音声ランプ制御用CPU48aは、高確確定モード中に所定の変更条件が成立すると、背景音楽を切り替える背景音楽切替制御を実行する。本実施形態では、前述した変更条件として2つの条件が設定されている。第1の変更条件は、大当り抽選で大当りに当選していない時に、はずれリーチ演出用の変動パターンで、かつ楽曲系の変動パターンに基づき、図柄変動ゲームでリーチ演出が行われ、そのリーチ演出の結果、はずれの組み合わせが導出されてはずれが確定した場合としている。以下、第1の変更条件を「はずれ変更条件」と示す。なお、本実施形態においてはずれ変更条件が成立する変動パターンは、図9に示す変動パターンX1−6,X2−1,X3−1である。
第2の変更条件は、大当り抽選で大当りに当選した時に、大当り演出用の変動パターンで、かつ楽曲系の変動パターンに基づき、図柄変動ゲームでリーチ演出が行われ、そのリーチ演出の結果、大当りの図柄組み合わせが導出されて大当りが確定するとともに、大当り遊技終了後に再び高確確定モードへ移行する場合としている。以下、第2の変更条件を「大当り変更条件」と示す。なお、本実施形態において大当り変更条件が成立する変動パターンは、図9に示す変動パターンX1−7,X2−2,X3−2,X4−1である。そして、本実施形態において大当り変更条件が成立する場合は、「変短制限なしの15R確変大当り」に当選し、かつ大当り遊技終了後に「高確確定モード」への移行を指示するモード指定コマンドが統括制御用CPU46aから出力されている場合である。
音声ランプ制御用CPU48aは、高確確定モード中にはずれ変更条件が成立し得る変動パターンに基づく図柄変動ゲームが行われる場合、当該図柄変動ゲームのリーチ演出で出力されるリーチ演出用の演出音(楽曲)を示す情報を、統括制御用RAM46cの所定の記憶領域に一旦格納する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、はずれ変更条件が成立する図柄変動ゲームの終了時に、前記記憶領域に一旦格納した情報を、次回からの図柄変動ゲームで出力させる背景音楽として背景音楽フラグに設定する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、はずれ変更条件が成立した図柄変動ゲームの終了後、次回の図柄変動ゲームの開始に伴って背景音楽を背景音楽フラグの設定値に対応する楽曲に切り替える。これにより、高確確定モード中のパチンコ遊技機10では、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームのリーチ演出(楽曲系)で出力された楽曲が、次回の図柄変動ゲームの開始に伴って背景音楽として再び出力されることになる。
また、音声ランプ制御用CPU48aは、高確確定モード中に大当り変更条件が成立し得る変動パターンに基づく図柄変動ゲームが行われる場合、当該図柄変動ゲームのリーチ演出で出力されるリーチ演出用の演出音(楽曲)を示す情報を、統括制御用RAM46cの所定の記憶領域に一旦格納する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モード」を指示するモード指定コマンドを入力した場合、前記記憶領域に一旦格納した情報を、次回からの図柄変動ゲームで出力させる背景音楽として背景音楽フラグに設定する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、大当り遊技の終了後、最初の図柄変動ゲームの開始に伴って背景音楽を背景音楽フラグの設定値に対応する楽曲に切り替える。これにより、高確確定モード中に「変短制限なしの15R確変大当り」に当選し、大当り遊技終了後、再び、「高確確定モード」へ移行したパチンコ遊技機10では、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームのリーチ演出(楽曲系)で出力された楽曲が、大当り遊技終了後の最初の図柄変動ゲームの開始に伴って背景音楽として出力されることになる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)特殊変動系の変動内容で行われる図柄変動ゲームの大当り期待度は、変動内容を構成する変動サイクルの回数によって規定される。その一方で、確変大当りとなる期待度(大当りとなる場合にその大当りが確変大当りである割合)は、最終回の変動サイクルの示唆演出(実施形態ではモードチェンジ予告)の演出内容、すなわち識別情報から特定されるリーチ演出(実施形態では楽曲系のリーチ演出)に定められた大当り期待度に対応するように規定される。つまり、確変大当りの期待度は、最終回の変動サイクルの示唆演出において提示された識別情報から特定されるリーチ演出の大当り期待度が高ければ、それに準じて高くなる一方で、最終回の変動サイクルの示唆演出において提示された識別情報から特定されるリーチ演出の大当り期待度が低ければ、それに準じて低くなる。このため、特殊変動系の変動内容で行われる図柄変動ゲームでは、変動サイクルの回数、すなわち変動サイクルの連続回数による大当り期待度を遊技者に付与しつつ、例え、1回の変動サイクルで終了したとしても、当該変動サイクルの示唆演出の演出内容が大当り信頼度の高いリーチ演出を特定可能な内容であれば、大当りとなる場合を想定した時の確変大当りへの期待度を付与し得る。したがって、変動サイクルの連続回数による大当り期待度とともに示唆演出による確変大当りの期待度を付与し得る特殊変動系の変動内容の実現により、図柄変動ゲームに対する興趣の向上を図ることができる。
(2)最も大当り期待度の高いリーチ演出の種類(本実施形態では楽曲Eのリーチ演出)を特定可能な識別情報が提示された変動サイクルを最終回の変動サイクルとした。そして、このような示唆演出(実施形態では楽曲Eを特定可能な識別情報による示唆演出)が実行されたならば、変動サイクルの連続回数の多少に拘わらず、大当りとなる場合を想定した時の確変大当りへの期待感を遊技者に付与することができる。
(3)モードチェンジ予告に基づく示唆演出を、高確確定モード(高確確定演出)中に行われる図柄変動ゲームで行うようにした。このため、高確確定モード中の特殊変動系の図柄変動ゲームにおいて確変大当りへの期待感を遊技者に付与することができる。高確確定モード中は、遊技者が、次回の大当りを得られ易い状況であることを把握していることから、遊技者は大当りになるか否かよりも、次回の大当りも確変大当りとなって確変状態(高確率抽選状態)が継続するか否かにより強い興味を抱いている。このため、示唆演出によって確変大当りの期待度を示すことで、変動サイクルの連続回数が少ない場合であっても、確変大当りへの期待感を抱くことができ、図柄変動ゲームが大当りとなる期待感をより増幅させることができる。
(4)楽曲系のリーチ演出によってはずれ図柄が導出されることを契機(はずれ変更条件の成立)に、楽曲系のリーチ演出に対応する楽曲が図柄変動ゲーム中の背景音楽として出力される。このため、楽曲系のリーチ演出で出力される楽曲を、そのリーチ演出中に限らず、図柄変動ゲーム中に遊技者に聞かせることができる。すなわち、楽曲系のリーチ演出で出力された楽曲を、遊技者に十分に聞かせる機会が作り出される。したがって、楽曲をテーマとしたリーチ演出を複数種類搭載したパチンコ遊技機10において、楽曲を遊技者に聞かせて楽しませることができ、図柄変動ゲームの興趣の向上を図ることができる。
(5)また、楽曲系のリーチ演出によって大当り図柄が導出されることを契機(大当り変更条件の成立)に、楽曲系のリーチ演出に対応する楽曲が図柄変動ゲーム中の背景音楽として出力される。このため、楽曲系のリーチ演出で出力される楽曲を、そのリーチ演出中に限らず、図柄変動ゲーム中に遊技者に聞かせることができる。すなわち、楽曲系のリーチ演出で出力された楽曲を、遊技者に十分に聞かせる機会が作り出される。したがって、楽曲をテーマとしたリーチ演出を複数種類搭載したパチンコ遊技機10において、楽曲を遊技者に聞かせて楽しませることができ、図柄変動ゲームの興趣の向上を図ることができる。
(6)次回大当りが何時到来するか否かに注目しがちな高確確定モード(高確確定演出)中に図柄変動ゲームの背景音楽を切り替える制御を実行することで、高確確定モード中に行われる演出にも遊技者の興味を惹き付けることができる。また、高確確定モード中の図柄変動ゲームにおいて楽曲系のリーチ演出で出力される楽曲が背景音楽として出力されることにより、高確確定モード中であることに対しての優越感を与えることができる。
(7)高確確定モード中は、図柄変動ゲームにおいてリーチ状態が形成される迄の図柄の変動に併せて出力される音楽(背景音楽)の切り替えを行う。前記音楽は、遊技中の遊技者が最も多く耳にする音楽であることから、このような音楽が切り替えられることで、遊技者の飽きを抑制することができる。
(8)モードチェンジ予告に基づく示唆演出は、画像表示に加えて、示唆演出として画像表示する楽曲の識別情報に対応する楽曲の前奏部を出力するようにした。このため、高確確定モード中は、リーチ演出で用いる楽曲を遊技者に聞かせる機会を増加させることができる。したがって、楽曲をテーマとしたリーチ演出を複数種類搭載したパチンコ遊技機10において、楽曲を遊技者に聞かせて楽しませることができ、図柄変動ゲームの興趣の向上を図ることができる。
(9)高確確定モード中は、前述のように、リーチ演出中に限らず、リーチ演出で用いる楽曲を遊技者に聴かせる機会を増加させている。このため、パチンコ遊技機10に再抽選演出と大当り中昇格演出とを搭載することで、確変状態が付与されることへの興味の他に、他の演出モード(通常モードや高確示唆モード)とは異なる演出形態(楽曲を聴く機会が多い)をなす高確確定モードへの移行を楽しませることができる。すなわち、高確確定モードは、確変状態が確定的に報知されている演出モードとしての位置付けだけではなく、他の演出モードでは実現されない演出が行われる特殊演出モードとして位置付けることもできる。
(10)また、確変状態であるか否かを演出表示装置28の演出によって確定的に報知しない複数の演出モード(通常モードと高確示唆モード)を備えることで、これらの演出モードの滞在中は、確変状態であるか否かを遊技者に推測させる楽しみを与えることができる。
(11)高確確定モード中や高確示唆モード中は、選択可能な非楽曲系の変動パターンの数を、通常モード中に選択可能な非楽曲系の変動パターンの数よりも少なくしている。すなわち、高確確定モード中や高確示唆モード中は、楽曲系の変動パターンが選択され易くしている。このため、高確確定モード中において、背景音楽が切り替わる頻度を増加させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成に同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、サブ統括制御基板46の統括制御用RAM46cにおいても、現在出力されている背景音楽の種類を示す情報から構成される背景音楽フラグが設定されるようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、高確確定モード中、楽曲系の変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力した際、当該変動パターンが大当り演出用の変動パターンであるか、又ははずれリーチ演出用の変動パターンであるかを判定する。そして、統括制御用CPU46aは、大当り演出用の変動パターンである場合、背景音楽フラグに設定される楽曲を含む複数種類の楽曲の中から、楽曲系のリーチ演出の演出内容を選択し、決定する。一方、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用の変動パターンである場合、背景音楽フラグに設定される楽曲を除く他の楽曲の中から、楽曲系のリーチ演出の演出内容を選択し、決定する。
このように構成すると、現在出力されている背景音楽に対応する楽曲を用いたリーチ演出が行われた場合には、そのリーチ演出が行われた時点で大当りになることを確定的に認識することができる。すなわち、現在出力されている背景音楽に対応する楽曲を用いたリーチ演出は、大当り抽選で大当りに当選していない場合(はずれの場合)に出現することがないことから、背景音楽とリーチ演出の楽曲の一致性によって大当りを認識できることになる。なお、大当りの場合には、背景音楽に対応する楽曲を含む複数種類の楽曲の中からリーチ演出の演出内容を決定することから、背景音楽とリーチ演出の楽曲が一致していなくても、大当りとなる場合が作り出される。したがって、高確確定モード中の図柄変動ゲームにおいて、背景音楽と一致する楽曲のリーチ演出が出現しないと大当りにならないという印象を遊技者に持たせることがなく、背景音楽と一致しない楽曲のリーチ演出が行われても、大当りとなる期待感を遊技者に抱かせることができる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(10)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(11)背景音楽として出力されている楽曲に対応する楽曲を用いたリーチ演出が行われることにより、当該リーチ演出の出現に伴って大当り図柄が導出される前に、遊技者に大当りであることを確定的に認識させることができる。したがって、背景音楽の種類と、リーチ状態が形成された場合のリーチ演出の種類に、遊技者の興味を惹き付けることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を説明する。
本実施形態において、サブ統括制御基板46の統括制御用RAM46cには、大当り抽選で大当りに当選した時に楽曲系の変動パターンに基づく図柄変動ゲームを行う場合、当該図柄変動ゲームのリーチ演出で用いるために選択した楽曲の種類を特定する楽曲種情報(リーチ種情報)を格納する。
本実施形態において統括制御用CPU46aは、高確確定モード中、大当り抽選で大当りに当選したことによって楽曲系の変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力した場合、その入力に伴ってリーチ演出の演出内容、すなわち楽曲を選択する際、統括制御用RAM46cに格納されている楽曲種情報を確認する。そして、統括制御用CPU46aは、楽曲種情報に対応する楽曲を除く楽曲の中から、楽曲系のリーチ演出の演出内容を選択し、決定する。このように構成すると、楽曲系のリーチ演出を伴う図柄変動ゲームが大当りとなる場合は、先の大当りの時に楽曲系のリーチ演出の演出内容として用いた楽曲とは異なる楽曲によるリーチ演出を経由し、今回の図柄変動ゲームを大当りへ導くことができる。なお、統括制御用CPU46aは、高確確定モード中、大当り抽選で大当りに当選せずに楽曲系のリーチ演出を行う場合、そのリーチ演出で用いる楽曲を第1の実施形態と同様に決定する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(10)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(12)楽曲系のリーチ演出を経由して大当りとなる場合に、特定の楽曲系のリーチ演出への偏りを抑制し、楽曲を万遍なく遊技者に聞かせることができる。すなわち、様々な楽曲系のリーチ演出を経由した大当りを遊技者に付与することができる。
(13)そして、本実施形態の制御を高確確定モード中に実行することにより、大当りの間隔が比較的短くなる高確確定モード中において、同一の楽曲系のリーチ演出に偏って大当りとならないことをより顕著に体感させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、図柄変動ゲーム中に複数回の変動サイクルを行わせる場合、途中の変動サイクルにおいてリーチ状態を形成し、リーチ演出を行わせるようにしても良い。
○ 実施形態では、特殊変動系の変動内容で図柄変動ゲームが行われる場合、最終回の変動サイクルが必ずリーチ状態が形成されるようになっているが、最終回の変動サイクルにおいてリーチ状態が形成されない場合を作っても良い。
○ 実施形態において、図柄変動ゲーム中に複数回の変動サイクルを行わせる場合、最終回の変動サイクルよりも前の回の変動サイクルのサイクル時間を全て同一時間に設定しても良いし、例えば通常変動や短縮変動などを混在させてサイクル時間を異ならせても良い。
○ 実施形態において、特殊変動系の変動内容を、複数回(例えば、2回〜4回)の変動サイクルから構成しても良い。すなわち、最初の変動サイクルで示唆演出(例えば、モードチェンジ予告)が行われたならば、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数として2回以上が確定するように構成しても良い。
○ 実施形態において、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数の上限を5回以上に設定しても良い。
○ 実施形態において、楽曲数を増減させても良い。
○ 実施形態において、変動パターンを選択する際に特別図柄の種類を参照するようにしても良い。
○ 実施形態において、選択可能な変動パターンを遊技状態毎に細分化して設定しても良い。例えば、「低確+変短なし」、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、及び「高確+変短あり」という遊技状態の分類毎に選択可能な変動パターンを設定しても良い。
○ 実施形態において、高確確定モード中に選択可能な変動パターンとして、4回の変動サイクルからなるはずれ演出用の変動パターンを設定しても良い。
○ 実施形態において、リーチ演出の演出内容を楽曲に代えて、他の演出内容としても良い。例えば、キャラクタ系のリーチ演出などに変更しても良い。そして、モードチェンジ予告の演出内容は、リーチ演出の演出内容に準じて変更すれば良い。
○ 実施形態において、はずれ変更条件が成立した際、背景音楽をランダムに選択し、切り替えても良い。
○ 実施形態において、背景音楽は、図柄変動ゲームの終了後、次回の図柄変動ゲームが行われる迄のインターバル時間も継続して出力するようにしても良い。そして、はずれ変更条件が成立した場合に、図柄変動ゲームの終了とともに背景音楽を切り替えて、インターバル時間から出力する背景音楽を切り替えても良いし、次回の図柄変動ゲームの開始に伴って背景音楽を切り替えても良い。
○ 実施形態において、高確示唆モード中や通常モード中にモードチェンジ予告を行わせるようにしても良い。
○ 実施形態において、楽曲系のリーチ演出を経由して大当りとなる場合に大当り遊技終了後の背景音楽を切り替える制御を、滞在中の演出モード及び移行後の演出モードの種類に関係なく、実行させるようにしても良い。例えば、通常モード中や高確示唆モード中に楽曲系のリーチ演出を経由して大当りとなり、大当り遊技終了後に高確確定モードへ移行する場合に、背景音楽を切り替えても良い。また、高確確定モード中に楽曲系のリーチ演出を経由して大当りとなり、大当り遊技終了後に高確示唆モードへ移行する場合に背景音楽を切り替えても良い。
○ 実施形態において、楽曲A〜Eに基づくリーチ演出の大当り期待度を変更しても良い。例えば、楽曲A<楽曲B<楽曲C<楽曲D<楽曲Eの順に大当り期待度が高くなるように設定しても良い。また、楽曲A,楽曲B<楽曲C,楽曲D<楽曲Eの順に大当り期待度が高くなるように設定しても良い。
○ 実施形態において、大当り中昇格演出の実行時期は、大当り遊技毎に乱数抽選によって決定しても良い。また、大当り中昇格演出は、「変短制限なしの15R確変大当り」に当選している場合に必ず実行させるようにしても良い。また、大当り中昇格演出を、その実行によって「変短制限なしの15R確変大当り」に当選していたことを報知する昇格確定演出として位置付けても良い。すなわち、大当り中昇格演出の実行対象を「変短制限なしの15R確変大当り」とし、「変短制限ありの15R確変大当り」及び「15R非確変大当り」に当選した場合には大当り中昇格演出を実行させないようにしても良い。また、大当り中昇格演出を、大当り遊技中に複数回実行させるようにしても良い。また、大当り中昇格演出を省略し、「変短制限なしの15R確変大当り」に当選している場合には、図柄変動ゲーム中に必ず報知するようにしても良い。
○ 実施形態において、サブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)の制御を、主制御基板45(主制御用CPU45a)や演出表示制御基板47(表示制御用CPU47a)が実行するように制御構成を変更しても良い。
○ 実施形態は、はずれ変更条件及び大当り変更条件の何れか一方の条件が成立した場合に背景音楽を切り替える制御を実行するパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態において、現在出力されている背景音楽の種類をサブ統括制御基板46で管理し、はずれ変更条件や大当り変更条件が成立した際に統括制御用CPU46aが、音声ランプ制御用CPU48aに対して出力させるべき背景音楽を指示するようにしても良い。
○ 実施形態は、確変状態であるか、及び非確変状態であるかを完全に告知する仕様のパチンコ遊技機(非潜確(潜伏確変の略)に具体化しても良い。
○ 実施形態において、演出モードの移行契機を変更しても良い。例えば、通常モードから高確示唆モードへ移行する契機となる大当りの種類を変更しても良い。また、小当りを設定し、小当りへの当選を契機に高確示唆モードへ移行させるようにしても良い。小当りは、大当りか否かの大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に、大当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、一致した場合に小当り遊技が付与される。この構成の場合、主制御用CPU45aは当り(大当りと小当りを含む)か否かの当り抽選を行う当り抽選手段となり、大当り判定用乱数は大当りか否かの大当り抽選と小当りか否かの小当り抽選で用いることから当り判定用乱数となる。
○ 実施形態において、複数回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームの制御を次に説明するように行っても良い。すなわち、統括制御用CPU46aは、変動サイクル毎に、示唆演出の実行を指示するコマンド(演出内容も指示される)と、変動サイクル毎の変動内容(通常変動など)を指示するコマンドを、表示制御用CPU47a及び音声ランプ制御用CPU48aに出力する。
○ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。また、複数個の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態では、演出表示装置28を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
○ 第2の実施形態において、大当りとなる場合は、背景音楽と同一の楽曲のみを選択するようにしても良い。
○ 第3の実施形態において、直近の大当りで楽曲系のリーチ演出の演出内容として選択した楽曲のみを楽曲種情報として格納しても良いし、複数回分の大当りで楽曲系のリーチ演出の演出内容として選択した楽曲を楽曲種情報として格納しても良い。また、例えば実施形態のように楽曲が5曲用意されている場合に、全ての楽曲を1回、すなわち一通り楽曲を選択する迄の間、選択済みの楽曲を楽曲種情報として格納しても良い。
○ 第2,第3の実施形態を、高確確定モード以外の通常モードや高確示唆モードにおける楽曲の選択方法として具体化しても良い。また、例えば高確確定モードと高確示唆モードというように複数の演出モードにおける楽曲の選択方法として具体化しても良いし、全ての演出モードにおける楽曲の選択方法として具体化しても良い。