JP5311389B2 - 視覚障害者用歩行支援装置及び視覚障害者用歩行支援システム - Google Patents

視覚障害者用歩行支援装置及び視覚障害者用歩行支援システム Download PDF

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Description

本発明は、視覚障害者が歩行するときに障害物を検知することで、視覚障害者の歩行を支援する視覚障害者用歩行支援装置に関するものである。
視覚障害者が屋外を歩行する際には、杖をつくことによって、周囲にある障害を確認しながら歩行している。しかし、従来の視覚障害者用杖では、障害物や上り階段、下り階段、壁、溝などがあっても杖が接触するまで検知できないことから、衝突事故が発生したり、落ちたりするなどの事故が発生するという問題があった。
特開2005−58828号公報 特開2001−258964号公報 特開2006−305214号公報
上記特許文献1に開示の技術では、視覚障害者用の周辺情報認識装置を手の甲に装着し、距離が近い順に周辺情報認識装置の振動子を親指から小指方向に移動して振動させることで、人間の直感に沿った情報伝達を行うことができる。しかし、特許文献1では周辺情報認識装置を手の甲に装着させ、障害物の距離情報を伝達することができるが、指向性が広すぎるので障害物がある方向がわからなくなる。上記特許文献2に開示の技術では、杖の先端部に距離検知手段が配設され、杖のほぼ軸延長線上にある対象物との距離が設定範囲より長く、あるいは短くなったときに、この距離検知手段を作動させるようにすることで、前方に存在する溝や下り階段の有無、あるいは壁や上り階段の有無又は正常な地面や床面の存在等を、杖がこれらと接触する前に検知することができる。しかし、特許文献2では、杖の先端部のみに距離検知手段が配設されるので、正面方向あるいは上側方向にある対象物を検知するためには杖の先端部を上に揚げなければならないので、杖が他者にぶつかる恐れがあり危険であり、また杖を振り回さなければ複数の方向を検知することができない。上記特許文献3に開示の技術では、視覚障害者が歩行する進路上の所定空間における3次元データが取得され、取得された3次元データに基づいて、進路上の障害物が3次元的に検出される。そして、障害物の方向、高さ、大きさ、及び、視覚障害者から障害物までの距離をそれぞれ示す振動周波数が生成され、視覚障害者が振動を感じることが可能な複数の部位に分散的に装着された振動ユニットを介して、視覚障害者に障害物の方向、高さ、大きさ、及び、距離の伝達を行うことができる。しかし、特許文献3では、伝達される情報が複雑であるので、視覚障害者が装着した個々の振動ユニットからこの複雑な情報を瞬時に認識するのが困難である。以上のように、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、視覚障害者用の周囲の障害物を容易に検出するとともに、検出した情報を視覚障害者に容易に伝達する事ができないという課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる視覚障害者用歩行支援装置を提供することを目的とする。
本発明の視覚障害者用歩行支援装置は、視覚障害者用の白杖に取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、前記複数の振動子の各々は、前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられていることを特徴としている
本発明の視覚障害者用歩行支援システムは、視覚障害者用の白杖とベルトに取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、前記白杖の前記複数の振動子の各々は前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられ、及び前記ベルトの前記複数の振動子の各々は前記ベルトの左右と後ろの位置に取り付けられることを特徴としている。
本発明によれば、視覚障害者が歩行するときに視覚障害者の周囲にある障害物を検知し、視覚障害者に検知した障害物の情報を容易に伝達できる視覚障害者用歩行支援装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の視覚障害者用歩行支援装置を備えた白杖の外観図である。 本発明の第1の実施の形態である視覚障害者用歩行支援装置の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態である障害物検知テーブルの構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態である振動子状態テーブルの構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態における障害物検知信号処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における複数のセンサーを取り付けた視覚障害者用歩行支援装置を備えた白杖の外観図である。 本発明の第2の実施の形態の視覚障害者用歩行支援装置を備えたベルトの外観図である。 本発明の第2の実施の形態である視覚障害者用歩行支援装置の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態である障害物検知テーブルの構成を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態である振動子状態テーブルの構成を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態における障害物信号処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態の視覚障害者用歩行支援装置を備えたベルトの外観図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、視覚障害者用歩行支援装置を備えた白杖で、この視覚障害者用歩行支援装置によって視覚障害者の周囲にある障害物を検出し、その情報を視覚障害者に伝達することができる。図1は、本発明の第1の実施の形態の白杖1の外観図である。図1に示すように、白杖1には、視覚障害者用歩行支援装置10を備えている。白杖1の表面には、視覚障害者用歩行支援装置10のセンサー11と、振動子13a、振動子13b、振動子13cの3つの振動子が取り付けられている。センサー11は、指向性と距離測定の機能を有し、予め決められた範囲(以下、設定範囲という)に障害物があるかを検知する機器で、障害物を検知する角度(以下、検知角度という)を自由に変更できる距離センサーである。視覚障害者用歩行支援装置10は、予め定めた図1に示す第1〜第3の設定範囲に基づきセンサー11の第1設定範囲に障害物を検知したときは、振動子13aを振動させ、センサー11の第2設定範囲に障害物を検知したときは、振動子13bを振動させ、センサー11の第3設定範囲に障害物を検知したときは、振動子13cを振動させる。また、振動子13aは、白杖1のグリップを握ったときに小指が触れる位置に取り付けられた振動子である。振動子13bは、白杖1のグリップを握ったときに人差指が触れる位置に取り付けられた振動子である。振動子13cは、白杖1のグリップを握ったときに親指が触れる位置に取り付けられた振動子である。
図2は、白杖1の視覚障害者用歩行支援装置10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。以下、図2の視覚障害者用歩行支援装置10の制御構成について説明する。
視覚障害者用歩行支援装置10は、センサー11、センサー入力部12、振動子13a、振動子13b、振動子13c、振動子動作部14、制御部15、メモリ16から構成されている。また、制御部15には障害物検知信号処理部151が設けられ、メモリ16には障害物検知テーブル161と振動子状態テーブル162が設けられている。
センサー11は、センサーが向けられている方向の3つの設定範囲である第1設定範囲、第2設定範囲、第3設定範囲に障害物があるかないかを検知する機器で、障害物を検知したかまたは検知していないかの信号を保持することができる。また、センサー11は、第1設定範囲、第2設定範囲、第3設定範囲のいずれかの範囲内で障害物を検知したときは、どの設定範囲で障害物を検知したかを判別することができる。
センサー入力部12は、センサー11から周期的に第1設定範囲、第2設定範囲、第3設定範囲のいずれかの設定範囲で障害物を検知したかまたは検知していないかの信号(以下、障害物検知信号という)を入力し、後述する図3に示す障害物検知テーブル161に設定する部位である。
振動子13a、振動子13b、振動子13cは、制御部15からの指令により動作し振動することによって、視覚障害者に障害物の存在を認識させるもので、視覚障害者はどの振動子が動作したかを認識することで、どの設定範囲に障害があるかを検知することができる。
振動子動作部14は、制御部15からの指令により振動子13a、振動子13b、振動子13cの動作と停止を制御する部位である。
制御部15は、視覚障害者用歩行支援装置10全体を制御するマイクロコンピュータを含む部位である。また、制御部15には、センサー入力部12が設定した図3に示す障害物検知テーブル161に基づいて、振動子動作部14に振動子の動作または停止の指令を出力する障害物検知信号処理部151が設けられている。障害物検知信号処理部151は、障害物検知信号処理プログラムを実行することにより、障害物検知信号処理を行う。
メモリ16は、制御部15が実行するプログラムやプログラムで用いられるデータを記憶している書き換え可能な不揮発性メモリである。また、メモリ16には、障害物検知テーブル161と振動子状態テーブル162が設けられている。障害物検知テーブル161は、図3に1例を示すような設定範囲ごとに障害物を検知したかしないかのデータ(以下、障害物検知有無)が設定されているテーブルである。例えば、1m以内の範囲(範囲≦1m)を第1設定範囲とし、1mより大きく3m以内の範囲(1m<範囲≦3m)を第2設定範囲とし、3mより大きく5m以内の範囲(3<範囲≦5m)を第3設定範囲と設定することができる。そしてセンサー11が、第1設定範囲で障害物を検知したときは、第1設定範囲に対応する障害物検知有無に「1」が設定され、第1設定範囲で障害物を検知しないときは、第1設定範囲に対応する障害物検知有無に「0」に設定される。第2設定範囲と第3設定範囲の障害物検知有無についても、第1設定範囲と同様に設定される。振動子状態テーブル162は、図4に1例を示すような振動子13a、振動子13b、振動子13cごとに動作中であるか停止中であるかの振動子状態が設定されているテーブルである。振動子13aが動作中のときは、振動子状態に「1」を設定し、振動子13aが停止中のときは、振動子状態に「0」を設定する。振動子13bと振動子13cの振動子状態についても、振動子13aと同様に設定される。
図5は、センサー11の設定範囲を第1設定範囲、第2設定範囲、第3設定範囲とするときに、センサー入力部12が設定する障害物検知テーブル161に基づいて障害物検知信号を処理する障害物検知信号処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートに示すステップ順に基づいて、障害物検知信号処理について説明する。
制御部15が障害物検知信号処理部151を起動すると、障害物検知信号処理部151は、障害物検知信号処理を開始する。制御部15は周期的に障害物検知信号処理部151を起動する。
(ステップS101)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16から障害物検知テーブル161の設定範囲と障害物検知有無のデータを取り出す。
(ステップS102)
障害物検知信号処理部151は、ステップS101で取り出した障害物検知テーブル161の第1設定範囲に対応する障害物検知有無から、第1設定範囲で障害物を検知したかを判定する。第1設定範囲で障害物を検知した(ステップS102のYes)ときは、振動子13aが停止中かを判定するステップS103に進む。また、第1設定範囲で障害物を検知していない(ステップS102のNo)ときは、振動子13aが動作中かを判定するステップS105に進む。
(ステップS103)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13aに対応する振動子状態を取り出し、振動子13aが停止中であるかを判定する。振動子13aが停止中である(ステップS103のYes)ときは、振動子13aを動作させるステップS104に進む。また、振動子13aが動作中である(ステップS103のNo)ときは、第2設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS107に進む。
(ステップS104)
ステップS104において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13aを動作するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13aの動作を通知すると、振動子動作部14が振動子13aを動作させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13aに対応する振動子状態を動作中とする。
(ステップS105)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162の振動子13aに対応する振動子状態を取り出し、振動子13aが動作中であるかを判定する。振動子13aが動作中である(ステップS105のYes)ときは、振動子13aを停止させるステップS106に進む。また、振動子13aが停止中である(ステップS105のNo)ときは、第2設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS107に進む。
(ステップS106)
ステップS106において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13aを停止するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13aの停止を通知すると、振動子動作部14が振動子13aを停止させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13aに対応する振動子状態を停止中とする。
(ステップS107)
障害物検知信号処理部151は、ステップS101で取り出した障害物検知テーブル161の第2設定範囲に対応する障害物検知有無から、第2設定範囲で障害物を検知したかを判定する。第2設定範囲で障害物を検知した(ステップS107のYes)ときは、振動子13bが停止中かを判定するステップS108に進む。また、第2設定範囲で障害物を検知していない(ステップS107のNo)ときは、振動子13bが動作中かを判定するステップS110に進む。
(ステップS108)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13bに対応する振動子状態を取り出し、振動子13bが停止中であるかを判定する。振動子13bが停止中である(ステップS108のYes)ときは、振動子13bを動作させるステップS109に進む。また、振動子13bが動作中である(ステップS108のNo)ときは、第3設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS112に進む。
(ステップS109)
ステップS109において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13bを動作するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13bの動作を通知すると、振動子動作部14が振動子13bを動作させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13bに対応する振動子状態を動作中とする。
(ステップS110)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13bに対応する振動子状態を取り出し、振動子13bが動作中であるかを判定する。振動子13bが動作中である(ステップS110のYes)ときは、振動子13bを停止させるステップS111に進む。また、振動子13bが停止中である(ステップS110のNo)ときは、第3設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS112に進む。
(ステップS111)
ステップS111において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13bを停止するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13bの停止を通知すると、振動子動作部14が振動子13bを停止させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13bに対応する振動子状態を停止中とする。
(ステップS112)
障害物検知信号処理部151は、ステップS101で取り出した障害物検知テーブル161の第3設定範囲に対応する障害物検知有無から、第3設定範囲で障害物を検知したかを判定する。第3設定範囲で障害物を検知した(ステップS112のYes)ときは、振動子13cが停止中かを判定するステップS113に進む。また、第3設定範囲で障害物を検知していない(ステップS112のNo)ときは、振動子13cが動作中かを判定するステップS115に進む。
(ステップS113)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13cに対応する振動子状態を取り出し、振動子13cが停止中であるかを判定する。振動子13cが停止中である(ステップS113のYes)ときは、振動子13cを動作させるステップS114に進む。また、振動子13cが動作中である(ステップS113のNo)ときは、障害物検知信号処理部151は、障害物検知信号処理を終了する。
(ステップS114)
ステップS114において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13cを動作するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13cの動作を通知すると、振動子動作部14が振動子13cを動作させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子Cに対応する振動子状態を動作中とし、障害物検知信号処理を終了する。
(ステップS115)
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13cに対応する振動子状態を取り出し、振動子13cが動作中であるかを判定する。振動子13cが動作中である(ステップS115のYes)ときは、振動子13cを停止させるステップS116に進む。また、振動子13cが停止中である(ステップS115のNo)ときは、障害物検知信号処理部151は、障害物検知信号処理を終了する。
(ステップS116)
ステップS116において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13cを停止するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13cの停止を通知すると、振動子動作部14が振動子13cを停止させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13cに対応する振動子状態を停止中とし、障害物検知信号処理を終了する。
以上の障害物検知信号処理により、センサー11が向けられた方向の設定範囲に障害物があるかを検知し、設定範囲に該当する振動子を振動させることで、視覚障害者に障害物の情報を提供することができる。また、センサー11が向けられた方向の設定範囲に障害物を検知しなくなったときは、設定範囲に対応している振動子を停止することができる。
本発明の第1の実施の形態では、白杖1に検知角度を自由に調整できる1つのセンサー11を取り付けているが、図6に示すように検知角度の異なる複数のセンサー17aとセンサー17bを取り付けるようにすることも可能である。この場合、センサー17aで検知した場合と、センサー17bで検知した場合とで例えば振動子の振動数を変えることなどにより、どちらのセンサーで検知したかを容易に判別できる。このように白杖1にセンサー17aとセンサー17bを取り付けることで、センサー17aまたはセンサー17bのどちらかの設定範囲に障害物を検知したときに該当する振動子を動作させることで、より広範囲に障害物の検知を行い視覚障害者に障害物の情報を提供することができる。なお、図6においては、振動子13a、振動子13b、振動子13cの図示を省略している。
本発明の実施例1においては、以下の効果を有する。
(1) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、片手にセンサーと振動子を装着しもう一方の手で白杖を使用するが、本発明の実施例1においては白杖にセンサーと振動子を取り付け、白杖と一体化することで使用しやすい。
(2) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので上部にある障害物を検知するには手を上げなければ検知できないが、本発明の実施例1においては白杖のセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(3) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、センサーを白杖の先端に取り付けるので、センサーが障害物にぶつかり故障する危険があるが、本発明の実施例1においてはセンサーを白杖の中央に取り付けるので、障害物にぶつかる可能性が低い。
(4) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、上部にある障害物を検知するには、白杖の先端を振り上げるため周囲の人にぶつかる危険があるが、本発明の実施例1においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できるので白杖を振り上げる必要がない。
(5) 特許文献2(特開2001−258964号公報)の白杖は、距離情報を視覚障害者に提供していないが、本発明の実施例1においては距離測定機能を有するセンサーを白杖に取り付けるので障害物までの距離情報を視覚障害者に提供できる。
(6) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、複数の振動子を各々左右の手首と足首に装着し、それらの振動子の振動パターンで障害物の情報を提供しているのでパターンが多く正確な障害物の情報をすぐに認識することができないが、本発明の実施例1においては白杖に振動子を取り付け、白杖を握る指で認識することで容易に障害物の情報を認識することができる。
(7) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので上部にある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例1においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、視覚障害者用歩行支援装置を取り付けたベルトで、このベルトを腰、腕、足などに巻き付けることによって視覚障害者の周囲にある障害物を検出し、検出した情報を視覚障害者に伝達する実施の形態である。図7は、本発明の第2の実施の形態のベルト2の外観図である。図7に示すように、ベルト2には、視覚障害者用歩行支援装置20を備えている。また、視覚障害者用歩行支援装置20には、前センサー21aと前振動子23a、後センサー21bと後振動子23b、左センサー21cと左振動子23c、右センサー21dと右振動子23dが取り付けられている。前センサー21aはベルト2の前方の表面に取り付けられ、前振動子23aはベルト2の前方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、前センサー21aが前方の設定された範囲(以下、前方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は前振動子23aを振動させる。後センサー21bはベルト2の後方の表面に取り付けられ、後振動子23bはベルト2の後方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、後センサー21bが後方の設定された範囲(以下、後方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は後振動子23bを振動させる。左センサー21cはベルト2の左方の表面に取り付けられ、左振動子23cはベルト2の左方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、左センサー21cが左方の設定された範囲(以下、左方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は左振動子23cを振動させる。右センサー21dはベルト2の右方の表面に取り付けられ、右振動子23dはベルト2の右方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、右センサー21dが右方の設定された範囲(以下、右方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は右振動子23dを振動させる。なお、前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dは、第1の実施の形態のセンサー11と同様に指向性と距離測定の機能を有している。
図8は、ベルト2の視覚障害者用歩行支援装置20の主要な構成を示す制御機能ブロック図である。以下、図8の視覚障害者用歩行支援装置20の制御構成について説明する。
視覚障害者用歩行支援装置20は、前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21d、センサー入力部22、前振動子23a、後振動子23b、左振動子23c、右振動子23d、振動子動作部24、制御部25、メモリ26から構成されている。また、制御部25には障害物検知信号処理部251が設けられ、メモリ26には障害物検知テーブル261と振動子状態テーブル262が設けられている。
前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dは、取り付けられた方向の設定範囲例えば3m以内に障害物を検知したかまたは検知していないかの信号を保持することができる。
センサー入力部22は、前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dから周期的に障害物を検知したかまたは検知していないかの障害物検知信号を入力し、後述する図9に示す障害物検知テーブル261に設定する部位である。
前振動子23a、後振動子23b、左振動子23c、右振動子23dは、制御部15からの指令により振動することによって、視覚障害者に障害物の存在を認識させるもので、視覚障害者はどの振動子が動作したかを認識することで、どの方向に障害があるかを検知することができる。
振動子動作部24は、制御部25からの指令により前振動子23a、後振動子23b、左振動子23c、右振動子23dの動作と停止を制御する部位である。
制御部25は、視覚障害者用歩行支援装置20全体を制御するマイクロコンピュータを含む部位である。また、制御部25には、センサー入力部22が設定した図9に示す障害物検知テーブル261に基づいて、振動子動作部24に振動子の動作または停止の指令を出力する障害物検知信号処理部251が設けられている。障害物検知信号処理部251は、障害物検知信号処理プログラムを実行することにより、障害物検知信号処理を行う。
メモリ26は、制御部25が実行するプログラムやプログラムで用いられるデータを記憶している書き換え可能な不揮発性メモリである。また、メモリ26には、障害物検知テーブル261と振動子状態テーブル262が設けられている。障害物検知テーブル261は、図9に1例を示すような方向ごとに障害物を検知したかしないかの障害物検知有無が設定されているテーブルである。前センサー21aが、前方設定範囲で障害物を検知したときは、前方設定範囲に対応する障害物検知有無に「1」が設定され、前方設定範囲で障害物を検知しないときは、前方設定範囲に対応する障害物検知有無に「0」が設定される。後方設定範囲、左方設定範囲、及び右方設定範囲の障害物検知有無についても、前方設定範囲と同様に設定される。振動子状態テーブル262は、図10に1例を示すような前振動子23a、後振動子23b、左振動子23c、右振動子23dごとに動作中であるか停止中であるかの振動子状態が設定されているテーブルである。前振動子23aが動作中のときは、振動子状態に「1」を設定し、前振動子23aが停止中のときは、振動子状態に「0」を設定する。後振動子23b、左振動子23c、右振動子23dの振動子状態についても、前振動子23aと同様に設定される。
図11は、センサー入力部22が送信する障害物検知信号または障害物非検知信号を処理する障害物信号処理の流れを示すフローチャートである。以下、図11のフローチャートに示すステップ順に基づいて、障害物信号処理について説明する。
図11は、前センサー21aの設定範囲を前方設定範囲、後センサー21bの設定範囲を後方設定範囲、左センサー21cの設定範囲を左方設定範囲、右センサー21dの設定範囲を右方設定範囲とするときに、センサー入力部22が設定する障害物検知テーブル261に基づいて障害物検知信号を処理する障害物検知信号処理の流れを示すフローチャートである。以下、図11のフローチャートに示すステップ順に基づいて、障害物検知信号処理について説明する。
制御部25が障害物検知信号処理部251を起動すると、障害物検知信号処理部251は、障害物検知信号処理を開始する。制御部25は周期的に障害物検知信号処理部251を起動する。
(ステップS201)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26から障害物検知テーブル261の設定範囲と障害物検知有無のデータを取り出す。
(ステップS202)
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の前方設定範囲に対応する障害物検知有無から、前方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。前方設定範囲で障害物を検知した(ステップS202のYes)ときは、前振動子23aが停止中かを判定するステップS203に進む。また、前方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS202のNo)ときは、前振動子23aが動作中かを判定するステップS205に進む。
(ステップS203)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から前振動子23aに対応する振動子状態を取り出し、前振動子23aが停止中であるかを判定する。前振動子23aが停止中である(ステップS203のYes)ときは、前振動子23aを動作させるステップS204に進む。また、前振動子23aが動作中である(ステップS203のNo)ときは、後方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS207に進む。
(ステップS204)
ステップS204において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に前振動子23aを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に前振動子23aの動作を通知すると、振動子動作部24が前振動子23aを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の前振動子23aに対応する振動子状態を動作中とする。
(ステップS205)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の前振動子23aに対応する振動子状態を取り出し、前振動子23aが動作中であるかを判定する。前振動子23aが動作中である(ステップS205のYes)ときは、前振動子23aを停止させるステップS206に進む。また、前振動子23aが停止中である(ステップS205のNo)ときは、後方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS207に進む。
(ステップS206)
ステップS206において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に前振動子23aを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に前振動子23aの停止を通知すると、振動子動作部24が前振動子23aを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の前振動子23aに対応する振動子状態を停止中とする。
(ステップS207)
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の後方設定範囲に対応する障害物検知有無から、後方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。後方設定範囲で障害物を検知した(ステップS207のYes)ときは、後振動子23bが停止中かを判定するステップS208に進む。また、後方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS207のNo)ときは、後振動子23bが動作中かを判定するステップS210に進む。
(ステップS208)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から後振動子23bに対応する振動子状態を取り出し、後振動子23bが停止中であるかを判定する。後振動子23bが停止中である(ステップS208のYes)ときは、後振動子23bを動作させるステップS209に進む。また、後振動子23bが動作中である(ステップS208のNo)ときは、左方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS212に進む。
(ステップS209)
ステップS209において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に後振動子23bを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に後振動子23bの動作を通知すると、振動子動作部24が後振動子23bを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の後振動子23bに対応する振動子状態を動作中とする。
(ステップS210)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の後振動子23bに対応する振動子状態を取り出し、後振動子23bが動作中であるかを判定する。後振動子23bが動作中である(ステップS210のYes)ときは、後振動子23bを停止させるステップS211に進む。また、後振動子23bが停止中である(ステップS210のNo)ときは、左方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS212に進む。
(ステップS211)
ステップS211において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に後振動子23bを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に後振動子23bの停止を通知すると、振動子動作部24が後振動子23bを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の後振動子23bに対応する振動子状態を停止中とする。
(ステップS212)
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の左方設定範囲に対応する障害物検知有無から、左方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。左方設定範囲で障害物を検知した(ステップS212のYes)ときは、左振動子23cが停止中かを判定するステップS213に進む。また、左方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS212のNo)ときは、左振動子23cが動作中かを判定するステップS215に進む。
(ステップS213)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から左振動子23cに対応する振動子状態を取り出し、左振動子23cが停止中であるかを判定する。左振動子23cが停止中である(ステップS213のYes)ときは、左振動子23cを動作させるステップS214に進む。また、左振動子23cが動作中である(ステップS213のNo)ときは、右方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS217に進む。
(ステップS214)
ステップS214において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に左振動子23cを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に左振動子23cの動作を通知すると、振動子動作部24が左振動子23cを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の左振動子23cに対応する振動子状態を動作中とする。
(ステップS215)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の左振動子23cに対応する振動子状態を取り出し、左振動子23cが動作中であるかを判定する。左振動子23cが動作中である(ステップS215のYes)ときは、左振動子23cを停止させるステップS216に進む。また、左振動子23cが停止中である(ステップS215のNo)ときは、右方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS217に進む。
(ステップS216)
ステップS216において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に左振動子23cを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に左振動子23cの停止を通知すると、振動子動作部24が左振動子23cを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の左振動子23cに対応する振動子状態を停止中とする。
(ステップS217)
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の右方設定範囲に対応する障害物検知有無から、右方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。右方設定範囲で障害物を検知した(ステップS217のYes)ときは、右振動子23dが停止中かを判定するステップS218に進む。また、右方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS217のNo)ときは、右振動子23dが動作中かを判定するステップS220に進む。
(ステップS218)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から右振動子23dに対応する振動子状態を取り出し、右振動子23dが停止中であるかを判定する。右振動子23dが停止中である(ステップS218のYes)ときは、右振動子23dを動作させるステップS219に進む。また、右振動子23dが動作中である(ステップS218のNo)ときは、障害物検知信号処理を終了する。
(ステップS219)
ステップS219において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に右振動子23dを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に右振動子23dの動作を通知すると、振動子動作部24が右振動子23dを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の右振動子23dに対応する振動子状態を動作中とし、障害物検知信号処理を終了する。
(ステップS220)
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の右振動子23dに対応する振動子状態を取り出し、右振動子23dが動作中であるかを判定する。右振動子23dが動作中である(ステップS220のYes)ときは、右振動子23dを停止させるステップS221に進む。また、右振動子23dが停止中である(ステップS220のNo)ときは、障害物検知信号処理を終了する。
(ステップS221)
ステップS221において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に右振動子23dを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に右振動子23dの停止を通知すると、振動子動作部24が右振動子23dを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の右振動子23dに対応する振動子状態を停止中とし、障害物検知信号処理を終了する。
以上の障害物信号処理により、前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dが設置された方向の設定範囲に障害物があるかを検知し、対応する前振動子23a、後振動子23b、左振動子23c、右振動子23dを振動させることで、視覚障害者に周囲の障害物の情報を提供することができる。また、前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dが設置された方向の設定範囲に障害物を検知しなくなったときは、対応する前振動子23a、後振動子23b、左振動子23c、右振動子23dの振動を停止することができる。
本発明の第2の実施の形態の前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dについて、本発明の第1の実施の形態である図1に示すようにその検知角度を自由に変更できるようにすることも可能である。このように前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dの検知角度を自由に変更できるようにすることで、ベルト2のセンサーが障害物を検知する角度を自由に調整することができる。
また、本発明の第2の実施の形態では、ベルト2に各方向の前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dを取り付けているが、この各方向に、本発明の第1の実施の形態である図6に示すように検知角度の異なる複数のセンサーを取り付けるようにすることも可能である。この場合、例えばセンサー17aで検知した場合と、センサー17bで検知した場合とで振動子の振動数を変えることなどにより、どちらのセンサーで検知したかを容易に判別できる。このようにベルト2の各方向にセンサー17aとセンサー17bを取り付けることで、センサー17aまたはセンサー17bのどちらかの設定範囲に障害物を検知したときに該当する振動子を動作させることで、より広範囲に障害物の検知を行うことができる視覚障害者用歩行支援装置を提供することができる。
また、本発明の第2の実施の形態では、前後左右の各センサー21a〜21dが3m以内の障害物を検知するようにしたが、第1の実施の形態と同様に複数の距離範囲例えば1m以内、1mより大きく3m以内、3mより大きく5m以内などに分けて検出してもよい。この場合、各設定範囲に対応して例えば振動の大きさを強中弱などに設定することにより、周囲の障害物の位置を細かく認識できる。
本発明の実施例2においては、以下の効果を有する。
(1) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、方手にセンサーと振動子を装着しもう一方の手で白杖を使用するが、本発明の実施例2においてはベルトにセンサーと振動子を取り付け、ベルトと一体化することで使用しやすい。
(2) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので左右や後ろにある障害物を検知するには、センサーを取り付けた手の甲を検知する方向に向けなければならないが、本発明の実施例2においてはなにもせずに左右や後ろにある障害物を検知できる。
(3) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、センサーを白杖の先端に取り付けるので、センサーが障害物にぶつかり故障する危険があるが、本発明の実施例2においてはセンサーをベルトに取り付けるので、障害物にぶつかる可能性が低い。
(4) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、複数の振動子を各々左右の手首と足首に装着し、それらの振動子の振動パターンで障害物の情報を提供しているためパターンが多く正確な障害物の情報をすぐに認識することができないが、本発明の実施例2においてはベルトにセンサーとセンサーに隣接させて振動子を取り付けるので、障害物のある方向を容易に認識することができる。
(5) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので左右や後ろにある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例2においては視覚障害者が正面を向いたままでも左右や後ろにある障害物を検知できる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、視覚障害者用歩行支援装置を備えた白杖とベルトで、この視覚障害者用歩行支援装置によって視覚障害者の周囲にある障害物を検出し、その情報を視覚障害者に伝達することができる。本発明の第3の実施の形態の白杖は、本発明の第1の実施の形態の白杖1に同じであるが、センサー11は検知角度を自由に変更できる距離センサーであっても、検知角度を自由に変更できない距離センサーであってもよい。また、本発明の第3の実施の形態のベルトは、本発明の第2の実施の形態のベルト2の視覚障害者用歩行支援装置20の前センサー21aと前振動子23aが取り付けられていない図12に示すベルト3である。このような本発明の第3の実施の形態の白杖1とベルト3によって、視覚障害者が歩行するときに視覚障害者の前方にある障害物は白杖1で検出し、視覚障害者の後方、右方、左方にある障害物はベルト3で検出することができる。本実施の形態の制御手段の制御構成は、第1、第2の実施の形態の図2、図8で示したものと同様とすることができる。これらの制御手段は白杖、ベルトの両方にそれぞれ備えてもよいが、いずれか一方に備えて、無線通信あるいは有線通信により信号を送受信するようにすることもできる。
本発明の実施例3においては、以下の効果を有する。
(1)特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので左右や後ろにある障害物を検知するには、センサーを取り付けた手の甲を検知する方向に向けなければならないが、本発明の実施例3においてはなにもせずに左右や後ろにある障害物を検知できる。
(2) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので上部にある障害物を検知するには手を上げなければ検知できないが、本発明の実施例3においては白杖のセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(3) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、センサーを白杖の先端に取り付けるので、センサーが障害物にぶつかり故障する危険があるが、本発明の実施例3においてはセンサーを白杖の中央とベルトに取り付けるので、障害物にぶつかる可能性が低い。
(4) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、上部にある障害物を検知するには、白杖の先端を振り上げるため周囲の人にぶつかる危険があるが、本発明の実施例3においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できるので白杖を振り上げる必要がない。
(5) 特許文献2(特開2001−258964号公報)の白杖は、距離情報を視覚障害者に提供していないが、本発明の実施例3においては距離測定機能を有するセンサーを白杖に取り付けるので障害物までの距離情報を視覚障害者に提供できる。
(6) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、複数の振動子を各々左右の手首と足首に装着し、それらの振動子の振動パターンで障害物の情報を提供しているのでパターンが多く正確な障害物の情報をすぐに認識することができないが、本発明の実施例3においては、白杖に振動子を取り付け白杖を握る指で認識し、またベルトにセンサーとセンサーに隣接させて振動子を取り付けるので、障害物の情報を容易に認識することができる。
(7) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので上部にある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例3においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(8) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので左右や後ろにある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例3においては視覚障害者が正面を向いたままでも左右や後ろにある障害物を検知できる。
以上の本発明の実施の形態によれば、視覚障害者は、第1の実施の形態である白杖に取り付けられているセンサーを進む方向に向けながら歩行する、第2の実施の形態のベルトを着用して歩行する、または第3の実施の形態のベルトを着用し白杖を使用して歩行することで、視覚障害者の周囲にある障害物を検知し、視覚障害者に検知した障害物の情報を容易に伝達できる視覚障害者用歩行支援装置を提供することができる。
本発明は、視覚障害者用歩行支援装置に好適であるが、障害物や対象物を検知する視覚障害者用歩行支援装置に限られるものではなく、障害物や対象物を検知する電気機器装置一般に適用可能である。
1・・・白杖
2・・・ベルト
10・・・視覚障害者用歩行支援装置(白杖用)
11・・・センサー
12・・・センサー入力部
13a・・振動子
13b・・振動子
13c・・振動子
14・・・振動子動作部
15・・・制御部
16・・・メモリ
17a・・センサー
17b・・センサー
20・・・視覚障害者用歩行支援装置(ベルト用)
21a・・前センサー
21b・・後センサー
21c・・左センサー
21d・・右センサー
22・・・センサー入力部
23a・・前振動子
23b・・後振動子
23c・・左振動子
23d・・右振動子
24・・・振動子動作部
25・・・制御部
26・・・メモリ
151・・障害物検知信号処理部
161・・障害物検知テーブル
162・・振動子状態テーブル
251・・障害物検知信号処理部
261・・障害物検知テーブル
262・・振動子状態テーブル

Claims (2)

  1. 視覚障害者用の白杖に取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、
    前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、
    複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、
    前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、
    前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、
    前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、
    前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、
    前記複数の振動子の各々は、前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられていることを特徴とする視覚障害者用歩行支援装置。
  2. 視覚障害者用の白杖とベルトに取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、
    前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、
    複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、
    前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、
    前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、
    前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、
    前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、
    前記白杖の前記複数の振動子の各々は前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられ、及び前記ベルトの前記複数の振動子の各々は前記ベルトの左右と後ろの位置に取り付けられることを特徴とする視覚障害者用歩行支援システム。
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