JP5311389B2 - 視覚障害者用歩行支援装置及び視覚障害者用歩行支援システム - Google Patents
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Description
本発明の視覚障害者用歩行支援システムは、視覚障害者用の白杖とベルトに取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、前記白杖の前記複数の振動子の各々は前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられ、及び前記ベルトの前記複数の振動子の各々は前記ベルトの左右と後ろの位置に取り付けられることを特徴としている。
本発明の第1の実施の形態は、視覚障害者用歩行支援装置を備えた白杖で、この視覚障害者用歩行支援装置によって視覚障害者の周囲にある障害物を検出し、その情報を視覚障害者に伝達することができる。図1は、本発明の第1の実施の形態の白杖1の外観図である。図1に示すように、白杖1には、視覚障害者用歩行支援装置10を備えている。白杖1の表面には、視覚障害者用歩行支援装置10のセンサー11と、振動子13a、振動子13b、振動子13cの3つの振動子が取り付けられている。センサー11は、指向性と距離測定の機能を有し、予め決められた範囲(以下、設定範囲という)に障害物があるかを検知する機器で、障害物を検知する角度(以下、検知角度という)を自由に変更できる距離センサーである。視覚障害者用歩行支援装置10は、予め定めた図1に示す第1〜第3の設定範囲に基づきセンサー11の第1設定範囲に障害物を検知したときは、振動子13aを振動させ、センサー11の第2設定範囲に障害物を検知したときは、振動子13bを振動させ、センサー11の第3設定範囲に障害物を検知したときは、振動子13cを振動させる。また、振動子13aは、白杖1のグリップを握ったときに小指が触れる位置に取り付けられた振動子である。振動子13bは、白杖1のグリップを握ったときに人差指が触れる位置に取り付けられた振動子である。振動子13cは、白杖1のグリップを握ったときに親指が触れる位置に取り付けられた振動子である。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16から障害物検知テーブル161の設定範囲と障害物検知有無のデータを取り出す。
障害物検知信号処理部151は、ステップS101で取り出した障害物検知テーブル161の第1設定範囲に対応する障害物検知有無から、第1設定範囲で障害物を検知したかを判定する。第1設定範囲で障害物を検知した(ステップS102のYes)ときは、振動子13aが停止中かを判定するステップS103に進む。また、第1設定範囲で障害物を検知していない(ステップS102のNo)ときは、振動子13aが動作中かを判定するステップS105に進む。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13aに対応する振動子状態を取り出し、振動子13aが停止中であるかを判定する。振動子13aが停止中である(ステップS103のYes)ときは、振動子13aを動作させるステップS104に進む。また、振動子13aが動作中である(ステップS103のNo)ときは、第2設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS107に進む。
ステップS104において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13aを動作するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13aの動作を通知すると、振動子動作部14が振動子13aを動作させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13aに対応する振動子状態を動作中とする。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162の振動子13aに対応する振動子状態を取り出し、振動子13aが動作中であるかを判定する。振動子13aが動作中である(ステップS105のYes)ときは、振動子13aを停止させるステップS106に進む。また、振動子13aが停止中である(ステップS105のNo)ときは、第2設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS107に進む。
ステップS106において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13aを停止するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13aの停止を通知すると、振動子動作部14が振動子13aを停止させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13aに対応する振動子状態を停止中とする。
障害物検知信号処理部151は、ステップS101で取り出した障害物検知テーブル161の第2設定範囲に対応する障害物検知有無から、第2設定範囲で障害物を検知したかを判定する。第2設定範囲で障害物を検知した(ステップS107のYes)ときは、振動子13bが停止中かを判定するステップS108に進む。また、第2設定範囲で障害物を検知していない(ステップS107のNo)ときは、振動子13bが動作中かを判定するステップS110に進む。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13bに対応する振動子状態を取り出し、振動子13bが停止中であるかを判定する。振動子13bが停止中である(ステップS108のYes)ときは、振動子13bを動作させるステップS109に進む。また、振動子13bが動作中である(ステップS108のNo)ときは、第3設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS112に進む。
ステップS109において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13bを動作するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13bの動作を通知すると、振動子動作部14が振動子13bを動作させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13bに対応する振動子状態を動作中とする。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13bに対応する振動子状態を取り出し、振動子13bが動作中であるかを判定する。振動子13bが動作中である(ステップS110のYes)ときは、振動子13bを停止させるステップS111に進む。また、振動子13bが停止中である(ステップS110のNo)ときは、第3設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS112に進む。
ステップS111において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13bを停止するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13bの停止を通知すると、振動子動作部14が振動子13bを停止させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13bに対応する振動子状態を停止中とする。
障害物検知信号処理部151は、ステップS101で取り出した障害物検知テーブル161の第3設定範囲に対応する障害物検知有無から、第3設定範囲で障害物を検知したかを判定する。第3設定範囲で障害物を検知した(ステップS112のYes)ときは、振動子13cが停止中かを判定するステップS113に進む。また、第3設定範囲で障害物を検知していない(ステップS112のNo)ときは、振動子13cが動作中かを判定するステップS115に進む。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13cに対応する振動子状態を取り出し、振動子13cが停止中であるかを判定する。振動子13cが停止中である(ステップS113のYes)ときは、振動子13cを動作させるステップS114に進む。また、振動子13cが動作中である(ステップS113のNo)ときは、障害物検知信号処理部151は、障害物検知信号処理を終了する。
ステップS114において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13cを動作するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13cの動作を通知すると、振動子動作部14が振動子13cを動作させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子Cに対応する振動子状態を動作中とし、障害物検知信号処理を終了する。
障害物検知信号処理部151は、メモリ16に記憶されている振動子状態テーブル162から振動子13cに対応する振動子状態を取り出し、振動子13cが動作中であるかを判定する。振動子13cが動作中である(ステップS115のYes)ときは、振動子13cを停止させるステップS116に進む。また、振動子13cが停止中である(ステップS115のNo)ときは、障害物検知信号処理部151は、障害物検知信号処理を終了する。
ステップS116において、障害物検知信号処理部151は、制御部15に振動子13cを停止するように通知する。制御部15は、振動子動作部14に振動子13cの停止を通知すると、振動子動作部14が振動子13cを停止させる。また、障害物検知信号処理部151は、振動子状態テーブル162の振動子13cに対応する振動子状態を停止中とし、障害物検知信号処理を終了する。
(1) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、片手にセンサーと振動子を装着しもう一方の手で白杖を使用するが、本発明の実施例1においては白杖にセンサーと振動子を取り付け、白杖と一体化することで使用しやすい。
(2) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので上部にある障害物を検知するには手を上げなければ検知できないが、本発明の実施例1においては白杖のセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(3) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、センサーを白杖の先端に取り付けるので、センサーが障害物にぶつかり故障する危険があるが、本発明の実施例1においてはセンサーを白杖の中央に取り付けるので、障害物にぶつかる可能性が低い。
(4) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、上部にある障害物を検知するには、白杖の先端を振り上げるため周囲の人にぶつかる危険があるが、本発明の実施例1においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できるので白杖を振り上げる必要がない。
(5) 特許文献2(特開2001−258964号公報)の白杖は、距離情報を視覚障害者に提供していないが、本発明の実施例1においては距離測定機能を有するセンサーを白杖に取り付けるので障害物までの距離情報を視覚障害者に提供できる。
(6) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、複数の振動子を各々左右の手首と足首に装着し、それらの振動子の振動パターンで障害物の情報を提供しているのでパターンが多く正確な障害物の情報をすぐに認識することができないが、本発明の実施例1においては白杖に振動子を取り付け、白杖を握る指で認識することで容易に障害物の情報を認識することができる。
(7) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので上部にある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例1においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
本発明の第2の実施の形態は、視覚障害者用歩行支援装置を取り付けたベルトで、このベルトを腰、腕、足などに巻き付けることによって視覚障害者の周囲にある障害物を検出し、検出した情報を視覚障害者に伝達する実施の形態である。図7は、本発明の第2の実施の形態のベルト2の外観図である。図7に示すように、ベルト2には、視覚障害者用歩行支援装置20を備えている。また、視覚障害者用歩行支援装置20には、前センサー21aと前振動子23a、後センサー21bと後振動子23b、左センサー21cと左振動子23c、右センサー21dと右振動子23dが取り付けられている。前センサー21aはベルト2の前方の表面に取り付けられ、前振動子23aはベルト2の前方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、前センサー21aが前方の設定された範囲(以下、前方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は前振動子23aを振動させる。後センサー21bはベルト2の後方の表面に取り付けられ、後振動子23bはベルト2の後方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、後センサー21bが後方の設定された範囲(以下、後方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は後振動子23bを振動させる。左センサー21cはベルト2の左方の表面に取り付けられ、左振動子23cはベルト2の左方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、左センサー21cが左方の設定された範囲(以下、左方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は左振動子23cを振動させる。右センサー21dはベルト2の右方の表面に取り付けられ、右振動子23dはベルト2の右方の視覚障害者が感知できる位置に取り付けられ、右センサー21dが右方の設定された範囲(以下、右方設定範囲という)の中に障害物を検知すると、視覚障害者用歩行支援装置20は右振動子23dを振動させる。なお、前センサー21a、後センサー21b、左センサー21c、右センサー21dは、第1の実施の形態のセンサー11と同様に指向性と距離測定の機能を有している。
図11は、前センサー21aの設定範囲を前方設定範囲、後センサー21bの設定範囲を後方設定範囲、左センサー21cの設定範囲を左方設定範囲、右センサー21dの設定範囲を右方設定範囲とするときに、センサー入力部22が設定する障害物検知テーブル261に基づいて障害物検知信号を処理する障害物検知信号処理の流れを示すフローチャートである。以下、図11のフローチャートに示すステップ順に基づいて、障害物検知信号処理について説明する。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26から障害物検知テーブル261の設定範囲と障害物検知有無のデータを取り出す。
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の前方設定範囲に対応する障害物検知有無から、前方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。前方設定範囲で障害物を検知した(ステップS202のYes)ときは、前振動子23aが停止中かを判定するステップS203に進む。また、前方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS202のNo)ときは、前振動子23aが動作中かを判定するステップS205に進む。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から前振動子23aに対応する振動子状態を取り出し、前振動子23aが停止中であるかを判定する。前振動子23aが停止中である(ステップS203のYes)ときは、前振動子23aを動作させるステップS204に進む。また、前振動子23aが動作中である(ステップS203のNo)ときは、後方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS207に進む。
ステップS204において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に前振動子23aを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に前振動子23aの動作を通知すると、振動子動作部24が前振動子23aを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の前振動子23aに対応する振動子状態を動作中とする。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の前振動子23aに対応する振動子状態を取り出し、前振動子23aが動作中であるかを判定する。前振動子23aが動作中である(ステップS205のYes)ときは、前振動子23aを停止させるステップS206に進む。また、前振動子23aが停止中である(ステップS205のNo)ときは、後方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS207に進む。
ステップS206において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に前振動子23aを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に前振動子23aの停止を通知すると、振動子動作部24が前振動子23aを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の前振動子23aに対応する振動子状態を停止中とする。
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の後方設定範囲に対応する障害物検知有無から、後方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。後方設定範囲で障害物を検知した(ステップS207のYes)ときは、後振動子23bが停止中かを判定するステップS208に進む。また、後方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS207のNo)ときは、後振動子23bが動作中かを判定するステップS210に進む。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から後振動子23bに対応する振動子状態を取り出し、後振動子23bが停止中であるかを判定する。後振動子23bが停止中である(ステップS208のYes)ときは、後振動子23bを動作させるステップS209に進む。また、後振動子23bが動作中である(ステップS208のNo)ときは、左方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS212に進む。
ステップS209において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に後振動子23bを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に後振動子23bの動作を通知すると、振動子動作部24が後振動子23bを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の後振動子23bに対応する振動子状態を動作中とする。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の後振動子23bに対応する振動子状態を取り出し、後振動子23bが動作中であるかを判定する。後振動子23bが動作中である(ステップS210のYes)ときは、後振動子23bを停止させるステップS211に進む。また、後振動子23bが停止中である(ステップS210のNo)ときは、左方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS212に進む。
ステップS211において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に後振動子23bを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に後振動子23bの停止を通知すると、振動子動作部24が後振動子23bを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の後振動子23bに対応する振動子状態を停止中とする。
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の左方設定範囲に対応する障害物検知有無から、左方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。左方設定範囲で障害物を検知した(ステップS212のYes)ときは、左振動子23cが停止中かを判定するステップS213に進む。また、左方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS212のNo)ときは、左振動子23cが動作中かを判定するステップS215に進む。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から左振動子23cに対応する振動子状態を取り出し、左振動子23cが停止中であるかを判定する。左振動子23cが停止中である(ステップS213のYes)ときは、左振動子23cを動作させるステップS214に進む。また、左振動子23cが動作中である(ステップS213のNo)ときは、右方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS217に進む。
ステップS214において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に左振動子23cを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に左振動子23cの動作を通知すると、振動子動作部24が左振動子23cを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の左振動子23cに対応する振動子状態を動作中とする。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の左振動子23cに対応する振動子状態を取り出し、左振動子23cが動作中であるかを判定する。左振動子23cが動作中である(ステップS215のYes)ときは、左振動子23cを停止させるステップS216に進む。また、左振動子23cが停止中である(ステップS215のNo)ときは、右方設定範囲で障害物を検知したかを判定するステップS217に進む。
ステップS216において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に左振動子23cを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に左振動子23cの停止を通知すると、振動子動作部24が左振動子23cを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の左振動子23cに対応する振動子状態を停止中とする。
障害物検知信号処理部251は、ステップS201で取り出した障害物検知テーブル261の右方設定範囲に対応する障害物検知有無から、右方設定範囲で障害物を検知したかを判定する。右方設定範囲で障害物を検知した(ステップS217のYes)ときは、右振動子23dが停止中かを判定するステップS218に進む。また、右方設定範囲で障害物を検知していない(ステップS217のNo)ときは、右振動子23dが動作中かを判定するステップS220に進む。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262から右振動子23dに対応する振動子状態を取り出し、右振動子23dが停止中であるかを判定する。右振動子23dが停止中である(ステップS218のYes)ときは、右振動子23dを動作させるステップS219に進む。また、右振動子23dが動作中である(ステップS218のNo)ときは、障害物検知信号処理を終了する。
ステップS219において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に右振動子23dを動作するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に右振動子23dの動作を通知すると、振動子動作部24が右振動子23dを動作させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の右振動子23dに対応する振動子状態を動作中とし、障害物検知信号処理を終了する。
障害物検知信号処理部251は、メモリ26に記憶されている振動子状態テーブル262の右振動子23dに対応する振動子状態を取り出し、右振動子23dが動作中であるかを判定する。右振動子23dが動作中である(ステップS220のYes)ときは、右振動子23dを停止させるステップS221に進む。また、右振動子23dが停止中である(ステップS220のNo)ときは、障害物検知信号処理を終了する。
ステップS221において、障害物検知信号処理部251は、制御部25に右振動子23dを停止するように通知する。制御部25は、振動子動作部24に右振動子23dの停止を通知すると、振動子動作部24が右振動子23dを停止させる。また、障害物検知信号処理部251は、振動子状態テーブル262の右振動子23dに対応する振動子状態を停止中とし、障害物検知信号処理を終了する。
(1) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、方手にセンサーと振動子を装着しもう一方の手で白杖を使用するが、本発明の実施例2においてはベルトにセンサーと振動子を取り付け、ベルトと一体化することで使用しやすい。
(2) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので左右や後ろにある障害物を検知するには、センサーを取り付けた手の甲を検知する方向に向けなければならないが、本発明の実施例2においてはなにもせずに左右や後ろにある障害物を検知できる。
(3) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、センサーを白杖の先端に取り付けるので、センサーが障害物にぶつかり故障する危険があるが、本発明の実施例2においてはセンサーをベルトに取り付けるので、障害物にぶつかる可能性が低い。
(4) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、複数の振動子を各々左右の手首と足首に装着し、それらの振動子の振動パターンで障害物の情報を提供しているためパターンが多く正確な障害物の情報をすぐに認識することができないが、本発明の実施例2においてはベルトにセンサーとセンサーに隣接させて振動子を取り付けるので、障害物のある方向を容易に認識することができる。
(5) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので左右や後ろにある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例2においては視覚障害者が正面を向いたままでも左右や後ろにある障害物を検知できる。
本発明の第3の実施の形態は、視覚障害者用歩行支援装置を備えた白杖とベルトで、この視覚障害者用歩行支援装置によって視覚障害者の周囲にある障害物を検出し、その情報を視覚障害者に伝達することができる。本発明の第3の実施の形態の白杖は、本発明の第1の実施の形態の白杖1に同じであるが、センサー11は検知角度を自由に変更できる距離センサーであっても、検知角度を自由に変更できない距離センサーであってもよい。また、本発明の第3の実施の形態のベルトは、本発明の第2の実施の形態のベルト2の視覚障害者用歩行支援装置20の前センサー21aと前振動子23aが取り付けられていない図12に示すベルト3である。このような本発明の第3の実施の形態の白杖1とベルト3によって、視覚障害者が歩行するときに視覚障害者の前方にある障害物は白杖1で検出し、視覚障害者の後方、右方、左方にある障害物はベルト3で検出することができる。本実施の形態の制御手段の制御構成は、第1、第2の実施の形態の図2、図8で示したものと同様とすることができる。これらの制御手段は白杖、ベルトの両方にそれぞれ備えてもよいが、いずれか一方に備えて、無線通信あるいは有線通信により信号を送受信するようにすることもできる。
(1)特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので左右や後ろにある障害物を検知するには、センサーを取り付けた手の甲を検知する方向に向けなければならないが、本発明の実施例3においてはなにもせずに左右や後ろにある障害物を検知できる。
(2) 特許文献1(特開2005−58828号公報)では、手の甲にセンサーを装着しているので上部にある障害物を検知するには手を上げなければ検知できないが、本発明の実施例3においては白杖のセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(3) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、センサーを白杖の先端に取り付けるので、センサーが障害物にぶつかり故障する危険があるが、本発明の実施例3においてはセンサーを白杖の中央とベルトに取り付けるので、障害物にぶつかる可能性が低い。
(4) 特許文献2(特開2001−258964号公報)では、上部にある障害物を検知するには、白杖の先端を振り上げるため周囲の人にぶつかる危険があるが、本発明の実施例3においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できるので白杖を振り上げる必要がない。
(5) 特許文献2(特開2001−258964号公報)の白杖は、距離情報を視覚障害者に提供していないが、本発明の実施例3においては距離測定機能を有するセンサーを白杖に取り付けるので障害物までの距離情報を視覚障害者に提供できる。
(6) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、複数の振動子を各々左右の手首と足首に装着し、それらの振動子の振動パターンで障害物の情報を提供しているのでパターンが多く正確な障害物の情報をすぐに認識することができないが、本発明の実施例3においては、白杖に振動子を取り付け白杖を握る指で認識し、またベルトにセンサーとセンサーに隣接させて振動子を取り付けるので、障害物の情報を容易に認識することができる。
(7) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので上部にある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例3においてはセンサーの検知角度を自由に変更できるので容易に上部にある障害物を検知できる。
(8) 特許文献3(特開2006−305214号公報)では、歩行支援装置が視覚障害者の正面に取り付けられているので左右や後ろにある障害物を検知するのは困難であるが、本発明の実施例3においては視覚障害者が正面を向いたままでも左右や後ろにある障害物を検知できる。
2・・・ベルト
10・・・視覚障害者用歩行支援装置(白杖用)
11・・・センサー
12・・・センサー入力部
13a・・振動子
13b・・振動子
13c・・振動子
14・・・振動子動作部
15・・・制御部
16・・・メモリ
17a・・センサー
17b・・センサー
20・・・視覚障害者用歩行支援装置(ベルト用)
21a・・前センサー
21b・・後センサー
21c・・左センサー
21d・・右センサー
22・・・センサー入力部
23a・・前振動子
23b・・後振動子
23c・・左振動子
23d・・右振動子
24・・・振動子動作部
25・・・制御部
26・・・メモリ
151・・障害物検知信号処理部
161・・障害物検知テーブル
162・・振動子状態テーブル
251・・障害物検知信号処理部
261・・障害物検知テーブル
262・・振動子状態テーブル
Claims (2)
- 視覚障害者用の白杖に取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、
前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、
複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、
前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、
前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、
前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、
前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、
前記複数の振動子の各々は、前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられていることを特徴とする視覚障害者用歩行支援装置。 - 視覚障害者用の白杖とベルトに取り付けられた複数方向の障害物を検知可能な指向性を有する距離センサーと、
前記距離センサーから障害物検知情報を入力する入力手段と、
複数の振動子を動作させる振動子動作手段と、
前記入力手段が入力した前記障害物検知情報に基づいて前記振動子動作手段により前記複数の振動子を動作させる制御手段とを備え、
前記距離センサーは、検知角度を上下に調整できる複数の前記距離センサーからなり、
前記距離センサーは、設定した複数方向の相異なる複数の設定範囲からなる距離範囲に障害物があるか否かを検知し、
前記複数方向の前記複数の設定範囲と前記複数の振動子を対応付け、前記複数方向の前記複数の設定範囲で障害物を検出したときは対応する前記複数の振動子を前記距離センサー毎に異なる振動数で動作させ、
前記白杖の前記複数の振動子の各々は前記白杖を握る各々の指が触れる位置に個別に取り付けられ、及び前記ベルトの前記複数の振動子の各々は前記ベルトの左右と後ろの位置に取り付けられることを特徴とする視覚障害者用歩行支援システム。
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