JP5311206B2 - ニップロール機構 - Google Patents

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Description

本発明は、ラミネート設備等の加圧部に用いられるニップロールの技術分野に属し、詳しくは、固定ロールに対するニップロールの位置決めを行うニップロール機構に関するものである。
通常、ラミネート設備等の加圧部に用いられるニップロールは、固定ロールの上方に相対する状態で設置され、固定ロールとの間に基材を通過させることで貼合せを行うようになっている。この場合、基材の厚みに合わせて固定ロールとの隙間を精密に管理することが要求されるが、このニップロールの位置決めは、シリンダとコッターの構成を用いることが一般的である。
特開2006−263759号公報
コッターによるニップロールの位置決めは、コッターの傾斜角度と動作ストロークによって位置決めの調整範囲が決まるため、基材の厚み仕様の幅が大きい場合には、調整範囲が不足して対応できないという問題がある。
そこで、ニップロールの位置決め機構にモータと精密ボールネジを採用すれば、調整範囲の不足を解決することが可能となる。一方、加圧部にニップロールを用いた場合、位置決め動作のほかに、段取り作業やメンテナンス作業における退避動作が必要となる。この退避動作は、位置決め動作と比べると長いストロークが必要である。したがって、ニップロールの位置決め機構にモータと精密ボールネジを使用し、この位置決めで用いる精密ボールネジを延長してニップロールの退避動作も行わせるようにしてもよいが、精密ボールネジは高価格であるためコストが増大するともに、精密ボールネジが長くなると位置決め精度の低下が懸念されるという問題点が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、精密位置決め動作とストロークの長い退避動作を備え、かつ、コストを抑えたニップロール機構を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のニップロール機構は、左右一対の縦フレームと、それらの縦フレームの間に支持された固定ロールと、各縦フレームにそれぞれ取り付けられた動作ガイド軸と、それぞれが動作ガイド軸に沿って移動可能な中間スライド部材、上側スライド部材及び下側スライド部材の3つのスライド部材と、中間スライド部材を動作ガイド軸に沿って移動させるエアシリンダと、上側スライド部材と下側スライド部材にそれぞれ上端と下端が回動自在に支持されたボールネジの雄ネジと、中間スライド部材に固定されたボールネジのナットと、上側スライド部材に取り付けられてボールネジの雄ネジを回動させるモータと、下側スライド部材に取り付けられたニップロールの回転部軸受と、その回転部軸受により左右の縦フレームの間に支持されたニップロールとを具備したことを特徴としている。
本発明のニップロール機構は、左右一対の縦フレームと、それらの縦フレームの間に支持された固定ロールと、各縦フレームにそれぞれ取り付けられた動作ガイド軸と、それぞれが動作ガイド軸に沿って移動可能な中間スライド部材、上側スライド部材及び下側スライド部材の3つのスライド部材と、中間スライド部材を動作ガイド軸に沿って移動させるエアシリンダと、上側スライド部材と下側スライド部材にそれぞれ上端と下端が回動自在に支持されたボールネジの雄ネジと、中間スライド部材に固定されたボールネジのナットと、上側スライド部材に取り付けられてボールネジの雄ネジを回動させるモータと、下側スライド部材に取り付けられたニップロールの回転部軸受と、その回転部軸受により左右の縦フレームの間に支持されたニップロールとを具備したことを特徴としているので、ニップロールの原点位置から退避位置への動作はシリンダで行い、原点位置からの位置決め動作はモータとボールネジで行うため、ニップロールの位置決めは精度の高い動作が可能になるとともに、ニップロールの退避は長いストロークで行うことができる。したがって、高い位置決め精度と広い調整範囲という、コッターでは無理であった要求仕様であってもこれを十分に満たすことができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係るニップロール機構の一例を示す概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示している。
図1に示すように、ニップロール機構は、左右一対の縦フレーム1と、それらの縦フレーム1の間に支持された固定ロール2と、固定ロール2の上方にて上下動可能に支持されたニップロール3とを備える。この図1では上下動するニップロール3をその原点位置で示している。
各縦フレーム1には、それらの外側に、平行な2本のリニアガイドからなる動作ガイド軸4が一体に取り付けられており、その動作ガイド軸4に沿ってそれぞれが上下に移動可能なように、中間スライド部材5、上側スライド部材6及び下側スライド部材7の3つのスライド部材が嵌合されている。これらのスライド部材5,6,7は、図示のように、2本の動作ガイド軸4にそれぞれ嵌合する左右2つのスライド部分を板部分で連結した形状をしている。
左右一対の縦フレーム1には、それらの上端を連結する横フレーム8が設けられ、その横フレーム8の上にエアシリンダ9が取り付けられている。そして、エアシリンダ9のピストン棒10がL型部材11を介して縦フレーム1外側の中間スライド部材5に連結されており、これによって中間スライド部材5はエアシリンダ9の駆動により動作ガイド軸4に沿って上下に移動可能になっている。
上側スライド部材6と下側スライド部材7には、横方向に突き出る取付部材12,13を介してそれぞれボールネジの雄ネジ14の上端と下端が回動自在に支持され、中間スライド部材5には、取付部材15を介してボールネジのナット16が固定されている。そして、上側スライド部材6には、横方向に突き出る取付部材17が設けられており、その取付部材17にはボールネジの雄ネジ14をジョイント18を介して回動させるサーボモータ19が載置する状態で取り付けられており、上側スライド部材6と下側スライド部材7はこのサーボモータ19の駆動により動作ガイド軸4に沿って上下に移動可能になっている。
この上下動可能な下側スライド部材7に、ニップロール3の回転部軸受20が取り付けられており、この回転部軸受20によりニップロール3が回動可能にかつ上下動可能に支持された状態となる。この回転部軸受20には、自動調芯機能を有する軸受を使用することが好ましい。
図2は図1の原点位置から退避位置に移動した状態で示すニップロール機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示している。
図1の原点位置からニップロール3を図2の退避位置に移動させる動作はエアシリンダ9により行う。すなわち、エアシリンダ9を駆動させることにより、中間スライド部材5をガイド軸4に沿って上方に引き上げる。このとき中間スライド部材5には取付部材15を介してボールネジのナット16が固定されているので、そのナット16に噛み合ったボールネジの雄ネジ14が一緒に引き上げられ、その雄ネジ14の上端と下端にそれぞれ取り付けられた上側スライド部材6と下側スライド部材7もガイド軸4に沿って一緒に上方に引き上げられる。これに伴い、下側スライド部材7に取り付けられた回転部軸受20に支持されているニップロール3も上方に引き上げられる。
図3は図1の原点位置からニップ位置に移動した状態で示すニップロール機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示している。
図1の原点位置からニップロール3を図3のニップ位置に移動させる位置決め動作はサーボモータ19とボールネジで行う。すなわち、サーボモータ19を駆動してボールネジの雄ネジ14を回動させると、ボールネジのナット16は取付部材15を介して中間スライド部材5に固定されて動かない状態になっているので、雄ネジ14が下方に向けて移動し、その雄ネジ14の上端と下端にそれぞれ取り付けられた上側スライド部材6と下側スライド部材7もガイド軸4に沿って一緒に下方に向けて移動する。これに伴い、上側スライド部材6に取付部材17を介して取り付けられたサーボモータ19も下方に向かって移動し、下側スライド部材7に取り付けられた回転部軸受20に支持されているニップロール3も下方に向かって移動する。このように、位置決め動作をサーボモータ19とボールネジで行うことで、位置決めを正確に行えるとともに原点位置から位置決めまでのストロークを最小限に抑えることができる。
本発明では、上記のようにニップロールを退避位置に移動させる動作にエアシリンダを用いることで、ストローク全域を精密ボールネジで駆動するよりも、コストダウンを図ることができる。
また、本発明では、ニップロールをニップ位置に移動させる位置決め動作にサーボモータとボールネジを用いることで、位置決め精度は±5μm程度の位置決めが可能であり、かつ、基材厚が2〜50mmまでと広い位置決め調整範囲をとることが可能である。
上記のように、本発明では、ニップロール3を移動させる機構にエアシリンダ9を使用しているため、通常の場合、エアシリンダ9によりニップロール3を退避位置から最初に大きく動作させ、次にボールネジによりニップロール3の精密な位置決めをするが、別のやり方として、最初にボールネジで位置決めを行い、次にエアシリンダ9を動作させてニップすることで、エアシリンダ9による圧力制御を行うこともできる。すなわち、ボールネジで位置決めを行うことには変わりはないが、エアシリンダ9は、動作順序により位置制御と圧力制御を切り替えて使用することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるニップロール機構は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
本発明に係るニップロール機構の一例を示す概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1の原点位置から退避位置に移動した状態で示すニップロール機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1の原点位置からニップ位置に移動した状態で示すニップロール機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
符号の説明
1 縦フレーム
2 固定ロール
3 ニップロール
4 動作ガイド
5 中間スライド部材
6 上側スライド部材
7 下側スライド部材
8 横フレーム
9 エアシリンダ
10 ピストン棒
11 L型部材
12,13 取付部材
14 雄ネジ
15 取付部材
16 ナット
17 取付部材
18 ジョイント
19 サーボモータ
20 回転部軸受

Claims (1)

  1. 左右一対の縦フレームと、それらの縦フレームの間に支持された固定ロールと、各縦フレームにそれぞれ取り付けられた動作ガイド軸と、それぞれが動作ガイド軸に沿って移動可能な中間スライド部材、上側スライド部材及び下側スライド部材の3つのスライド部材と、中間スライド部材を動作ガイド軸に沿って移動させるエアシリンダと、上側スライド部材と下側スライド部材にそれぞれ上端と下端が回動自在に支持されたボールネジの雄ネジと、中間スライド部材に固定されたボールネジのナットと、上側スライド部材に取り付けられてボールネジの雄ネジを回動させるモータと、下側スライド部材に取り付けられたニップロールの回転部軸受と、その回転部軸受により左右の縦フレームの間に支持されたニップロールとを具備したことを特徴とするニップロール機構。
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